JPH055113A - 高マンガン溶鉄の脱りん方法 - Google Patents

高マンガン溶鉄の脱りん方法

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JPH055113A
JPH055113A JP5167091A JP5167091A JPH055113A JP H055113 A JPH055113 A JP H055113A JP 5167091 A JP5167091 A JP 5167091A JP 5167091 A JP5167091 A JP 5167091A JP H055113 A JPH055113 A JP H055113A
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sio
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manganese
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JP5167091A
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Keiichi Maya
敬一 真屋
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】Na2O系フラックスを用いて、耐火物の溶損が防
止しつつマンガン含有量が5重量%以上の高マンガン溶
鉄を脱りんする。 【構成】溶鉄に、Na2CO3、SiO2およびMgOを主成分とす
るフラックスを接触させる。この MgOはフラックスに配
合したNa2CO3中のNa2O分、フラックス中に配合したSiO2
分および溶鉄中Siの酸化によって生成するSiO2分、並び
にフラックス中に配合したMgO 分の合計量 100重量部に
対して 5〜2O重量部となるようにフラックス中に配合す
るのがよい。また、脱りん処理の際のマンガンの酸化ロ
スを少なくするために、フラックス中にマンガンの酸化
物を配合してもよい。その場合、マンガン酸化物の配合
量は、フラックスに配合したNa2CO3中のNa2O分、フラッ
クス中に配合したSiO2分および溶鉄中Siの酸化によって
生成するSiO2分、並びにフラックス中に配合したMgO分
の合計量 100重量部に対して10〜25重量部になるように
するのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、安価で、且つ耐火物
の溶損を抑制する脱りん剤を使用してマンガン含有量
〔Mn〕が5重量%以上の高マンガン溶鉄を効率よく脱り
んする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼材の使用分野が多様化するなか
で、多くの新鋼種の開発がみられるが、マンガン含有量
がおよそ5%(以下、特に断らない限り「%」は「重量
%」を意味する)以上の高マンガン鋼もその一つであ
る。
【0003】非磁性鋼としての高マンガン鋼は、競合材
料であるNiを含有するオーステナイト系ステンレス鋼に
比べて安価であるだけでなく、高強度、低透磁率である
という利点を有しており、近年、磁気浮上鉄道用部材、
核融合装置用部材、消磁装置用部材、電気機器用部材等
に非磁性鋼、構造用鋼、耐摩耗鋼として用途が拡大して
いる。
【0004】ところで、一般に高マンガン鋼中のりん
は、熱間加工性および耐溶接割れ性に悪影響を及ぼす有
害物質であるから、できるだけ低くすることが望まれ
る。高マンガン鋼の溶製に当たって、Mn源として安価な
フェロマンガンを使用すると、それに含まれるPが溶鉄
に移り、溶鉄のP含有量〔P〕が高くなる。そこで、Mn
源としてフェロマンガンを〔P〕規格の許容する限り添
加し、残りのMn分を金属マンガンで補充して、〔P〕が
高くならないように配慮するのが常であった。
【0005】しかしながら、この方法では、高価な金属
マンガンを多量に使用するので溶製コストが高くなる。
そこで、より低コストの溶製技術として、大部分のMn分
をフェロマンガンにより配合し、得られるりん含有量の
高い高マンガン溶鉄から低りん高マンガン溶鉄を製造す
る技術の確立が不可欠となる。
【0006】かかる要請に応えて、高マンガン溶鉄の脱
りん方法がこれまでにもいくつか提案されているが、実
用化には至っていない。
【0007】例えば、比較的安価なCaC2−CaF2系フラッ
クスによる還元脱りん法でさえ、以下の理由によりその
実用化は難しい。
【0008】この還元脱りん法では (1)式のような分
解反応により〔Ca〕が生成し、これが溶鉄中〔P〕と
(2)式のごとく結合することにより脱りんする。
【0009】 (CaC2)→〔Ca〕+2〔C〕 ・・・(1) 3〔Ca〕+2〔P〕→(Ca3P2) ・・・(2) ここで、(1) 式に示す分解反応促進のためには溶鉄中の
〔C〕は低いほど有利であるため、事前の脱炭処理が不
可欠である。
【0010】〔Ca〕の空気酸化ロスを防ぐため、還元
脱りんは非酸化性雰囲気で行う必要がある。従って、脱
りん効率が雰囲気の影響を受けやすい。
【0011】脱りん処理後、スラグは (3)式のように
大気中で容易に水分と反応して有害なフォスフィン(P
H3)を発生する。
【0012】 (Ca3P2)+3H2O →3(CaO) +2PH3 ・・・(3) 一方、通常の炭素鋼や低合金鋼の脱りん法として実施さ
れている酸化脱りん法、即ち、転炉吹錬の際にCaO 系ス
ラグを用いて酸素吹きするような強酸化精錬、を高マン
ガン溶鉄の脱りん法として適用しても〔Mn〕が優先的に
酸化されるのみで溶鉄の〔P〕は除去できない。しかし
ながら、特開昭61−272312号公報、特開昭62−30810 号
公報、特開昭62−227063号公報に提案されているよう
に、〔Mn〕を過剰に酸化させない程度の弱い酸化力で
(4)式に示すように溶鉄中の〔P〕を酸化し、そして、
(5) 式に示すように脱りん生成物である酸性酸化物P2O5
を転炉スラグ中の CaOよりも著しく強い塩基性酸化物で
あるBaO によりスラグ中で安定化させることにより溶鉄
中の〔P〕を除去することができる。
【0013】 2〔P〕+5〔O〕=(P2O5) ・・・(4) (P2O5) +3(BaO)=(3BaO・P2O5)・・・(5) この BaO系スラグによる脱りん法は処理が容易で、しか
も脱りん処理後のスラグの問題もないが、BaO 系スラグ
は非常に高価であるため脱りんのコストが嵩み大量処理
には採用し難い。
【0014】更に別の高マンガン溶鉄の酸化脱りん法と
して、「鉄と鋼」第74年(1988)第9号P.1778 には Na4
SiO4 (オルトケイ酸ソーダ) 、Na4SiO4 −NaF2フラック
スを用いたNa2O系スラグによる脱りん方法が紹介されて
いる。
【0015】このNa2O系フラックスによる脱りん法によ
れば非常に高い脱りん率が得られるが、 Na4SiO4は高
価である、脱りん処理中に白煙が発生する、溶鉄中
〔Mn〕の酸化ロスが多い (14%Mn−5%C溶銑では 0.9
〜1.6 %の〔Mn〕ロスがある) 、Na2O系フラックスに
対しては、MgO系の耐火物 (例えば、マグクロ質、純マ
グネシア質の耐火物) は溶損が大きい、などの理由でこ
の方法も実用化は困難である。
【0016】上記のような従来の高マンガン溶鉄の脱り
ん方法の問題点を解消すべく、本出願人は安価で入手容
易なNa2CO3とSiO2を主成分とするフラックスを用いて、
高マンガン溶鉄を脱りんする方法を開発し、特願平1−
306136号として出願した。
【0017】上記先願発明の高マンガン溶鉄の脱りん方
法では、Na2CO3とSiO2を主成分とするフラックスを用い
る。主成分のNa2CO3は、高温下では (6)式のように分解
する。
【0018】(Na2CO3)→(Na2O)+CO2 ・・・(6) 生成した強塩基性酸化物Na2Oは、溶鉄中の〔P〕が酸化
されて生成する酸性酸化物P2O5 (前述の (4)式の反応)
を、下記の (7)式に示すようにスラグ中に固定するので
脱りんが達成される。
【0019】 (P2O5) +3(Na2O)→ (3Na2O・P2O5) ・・・(7) 同時に発生する CO2の一部を (8)式に示す反応により
〔P〕の酸化剤として働くMnO を生成させるのに利用す
ることができる。
【0020】 CO2 +〔Mn〕→ CO +(MnO) ・・・(8) 他の主成分であるSiO2は、高温において蒸発しやすいNa
2Oを高温下でスラグ中に保持するために適当量を配合し
てある。Na2OとSiO2は、(Na2O) x・SiO2(x ≧1)を形
成し、その一部が解離して (7)式によって脱りん反応に
与かると考えられる。
【0021】上記のとおり、本出願人が先に提案した上
記高マンガン溶鉄の脱りん方法によれば、安価なりん含
有フェロマンガンを多量に配合しても、低りん高マンガ
ン溶鉄を製造することができる。この脱りん処理におい
て、処理中の白煙発生を抑えるためには、フラックスに
配合したNa2CO3中の Na2O 分と、同じくフラックス中に
配合したSiO2分および溶鉄中のSiが酸化して生成するSi
O2分の合計との比、即ち、 Na2O / SiO2が1.25〜1.5 に
なるようにすればよい。
【0022】さて、高マンガン溶鉄中の〔P〕を、上記
の諸反応で酸化脱りんする場合、前記 (8)式によって溶
鉄中の〔Mn〕が同時に酸化する。これは溶鉄のMn歩留り
を低下させることになるので、これを防ぐ対策が必要に
なる。即ち、先願発明の方法によって脱りんを行うとき
に、Mnの酸化ロスを抑制することができれば、一層低い
コストで高マンガン溶鉄を製造することができることに
なる。
【0023】そこで、本発明者は、前記特願平1−3061
36号の発明で使用するフラックスに更にマンガン酸化物
を配合することを特徴とする発明をなし、特願平2−22
968号として出願した。このマンガン酸化物は、フラッ
クスに配合したNa2CO3中のNa2O分と、同じくフラックス
中に配合したSiO2分および溶鉄中のSiが酸化して生成す
るSiO2分の合計量 100重量部に対して10〜25重量部の割
合で配合するのがよい。
【0024】上述のとおり、これまでに本発明者が開発
した高マンガン溶鉄の脱りん方法は、Na2O系フラックス
使用の利点を生かし、かつその問題点をほとんど解決し
たものであるが、なおマグクロ質、純マグネシア質等の
MgO系の耐火物の溶損防止ということは未解決であっ
た。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Na2C
O3およびSiO2を主成分とするNa2O系フラックスを用い
て、高マンガン溶鉄を脱りんする方法を更に改良して、
脱りん処理を行う容器の耐火物の溶損が防止できる高マ
ンガン溶鉄の脱りん方法を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、『マンガン含
有量が5重量%以上の溶鉄に、Na2CO3、SiO2及びMgOを
主成分とするフラックスを接触させることを特徴とする
高マンガン溶鉄の脱りん方法』を要旨とする。
【0027】上記のMgO は、フラックスに配合したNa2C
O3中のNa2O分、フラックス中に配合したSiO2分および溶
鉄中のSiの酸化によって生成するSiO2分、並びにフラッ
クス中に配合したMgO 分の合計量 100重量部に対して 5
〜2O重量部となるようにフラックス中に配合するのがよ
い。
【0028】また、脱りん処理の際のマンガンの酸化ロ
スを少なくするために、フラックス中にMn02、MnO 、Mn
2O3 、Mn304 などのマンガンの酸化物を配合してもよ
い。その場合、マンガン酸化物の配合量は、フラックス
に配合したNa2CO3中のNa2O分、フラックス中に配合した
SiO2分および溶鉄中Siの酸化によって生成するSiO2分、
ならびにフラックス中に配合したMgO 分の合計量 100重
量部に対して10〜25重量部になるようにするのがよい。
【0029】更にまた、フラックスに配合したNa2CO3中
のNa2O分と、フラックス中に配合したSiO2分および溶鉄
中Siの酸化によって生成するSiO2分の合計量との比、即
ち、(Na2O)/(SiO2) が1.25〜1.5 となるようにフラック
スの配合比を定めることが望ましい。
【0030】なお、溶鉄中の〔Si〕が酸化して生成する
SiO2の量は、〔Si〕が実質的に全てSiO2となるものとし
て計算すればよいので、処理対象溶鉄の〔Si〕含有量か
ら簡単に求めることができる。
【0031】本発明の方法においては、Na2CO3−SiO2系
フラックス中にあらかじめ MgOを配合することにより、
脱りん処理中の耐火物の溶損を防止するのである。以
下、その作用を説明する。なお、以下の説明において
は、溶鉄中成分を〔 〕記号で示し、スラグ中成分を(
)記号で示す。
【0032】
【作用】図1は、本発明の基礎となったルツボ実験の結
果を示すものである。試験は、次の条件で行った。
【0033】(a)処理した溶鉄:〔Mn〕≒18%、〔C〕
≒4%、〔P〕≒0.06%の溶鉄2kg、 処理温度:1300℃ (b)使用したフラックス: Na2CO3−SiO2−MnO2−MgO フ
ラックス。ただし、溶鉄は実質的に〔Si〕を含有しない
ものなので、ここでは脱りん処理中に生成するSiO2を考
慮する必要がない。そこで、フラックスは(Na2O)/(Si
O2) が約1.5 で、かつ、溶鉄1トン当たり (Na2O+Si
O2) =100 kgとなるように配合した。さらにMn酸化ロス
防止のため、溶鉄1トン当たり20kgのMnO を配合した。
【0034】(c)使用したるつぼ:MgO 焼成るつぼ 図1は、フラックスに配合したMgO の量 (フラックスに
配合したNa2CO3、SiO2およびMgO の合計量を100重量部
とした場合の重量部) と、脱りん率およびスラグ中の(M
gO) の増加量との関係を示す図である。スラグ中の(Mg
O) の増加量は、るつぼから溶出したMgO 分である。
【0035】図1から、フラックス中に予め MgOを配合
しておくことによりつぼからのMgOの溶出が抑えられる
ことが明らかである。その効果は MgOの配合量で5重量
部付近から明確になるが、るつぼからの MgOの溶出をほ
ぼ完全に抑えるには10重量部以上の配合が望ましい。
【0036】一方、脱りん率は、MgO の配合量で20重量
部付近までは実質的に変化がないが、それを超えると急
速に悪くなる。これは MgOの融点が高いため、スラグの
流動性が低下するためであると思われる。従って、フラ
ックスに配合する MgOは、20重量部までにとどめるのが
よい。
【0037】さて、上記のようなNa2O系のフラックスを
使用して脱りん処理を行った場合、溶鉄中の〔Mn〕が酸
化されてスラグ中に移行し、〔Mn〕のロスが生じる。こ
れは、前述の (6)式に示したように、添加したNa2CO3中
の過剰なCO2 により (8)式に示すようにMnが酸化される
こと、およびNa2O自身の酸化力により下記の (9)式に示
すように〔Mn〕が酸化されること、にあると推定され
る。
【0038】Na2O +Mn→ MnO+2Na ・・・(9) このような〔Mn〕の酸化ロスは、あらかじめフラックス
中にMnO 、MnO2などのマンガン酸化物を配合しておけば
抑制できる。しかしながらマンガン酸化物の配合量が過
剰になると、逆に〔Mn〕の酸化ロスは増加する。これは
スラグの酸化力が大きくなりすぎるため〔Mn〕を酸化す
ることによると考えられる。また、脱りん率は、マンガ
ン酸化物の配合量が増加し、スラグ中の (MnO)濃度が増
加すると徐々に低下する。これは、スラグ中の (Na
2O) 濃度がMnO2の配合に伴う希釈により低下すること、
および MnOがNa2Oに比べ弱い塩基性酸化物であるた
め、スラグ全体の塩基性が弱くなること、による。
【0039】これらの点を勘案して、マンガンの酸化物
をフラックスに配合するときは、Na2CO3−SiO2系フラッ
クスの{(Na2O)+(SiO2)}100 kg/Tに対し、マンガンの
酸化物の配合量を10〜25kg/Tとするのが望ましい。
【0040】更に、フラックスの(Na2O)/(SiO2) の値を
調整することが望ましい。即ち、(Na2O)/(SiO2) の値が
大きくなるほど脱りん率は高くなるが、〔Mn〕の酸化ロ
ス量も増加する。(Na2O)/(SiO2) <1.25では〔Mn〕の酸
化ロス量は低く抑制されているが、脱りん率の低下が著
しい。(Na2O)/(SiO2) が1.5 を超える範囲では、〔Mn〕
の酸化ロス量は急増する。従って、脱りん率を大きく阻
害せずに〔Mn〕の酸化ロス量を下限値に抑制するという
実用的な観点からすると、フラックスは1.25 ≦ (Na2O)
/(SiO2)≦1.5 の条件を満足するようにNa2CO3とSiO2が
配合されたものであるのが望ましいことになる。但し前
述のとおり、処理前の溶鉄にSiが含有されている場合に
は (SiO2) はフラックス中の配合量と溶鉄中〔Si〕の酸
化によって生成するSiO2との合計量である。
【0041】フラックスの必要添加量は、処理する溶鉄
の当初の〔P〕量および目的とする脱りん率によって異
なるが、概ね溶鉄のトン当たり20kgから 120kgの範囲で
必要な量を選定すればよい。
【0042】使用するフラックスの性状は、固体粒状あ
るいは粉末状のもので、その添加方法は、上置き法また
は溶鉄中へのインジェクション法のいずれでもよいが、
粉末状フラックスのインジェクション法の場合に最も効
果的に脱りんが進行する。
【0043】フラックスを構成するNa2CO3とSiO2は、事
前に混合してから添加する方がよい。そうすればNa2Oと
SiO2を迅速に反応させ、Na2O分の蒸発を最小限にするこ
とができるからである。MgO およびマンガン酸化物も粉
末を事前にフラックスに混合しておくのがよい。
【0044】なお、この発明方法を実施するための装置
としては、AOD炉その他の炉底から攪拌ガスを導入で
きる炉があげられる。また、取鍋でArガスなどでのバブ
リング攪拌、インペラー攪拌を行って処理することも可
能である。いずれの場合も、内張り耐火物としてはMgO
系の耐火物が望ましい。それは、BaO や CaOを多量に含
む塩基性のスラグに対しては、ジルコニア系やアルミナ
系の耐火物は耐食性に劣るからである。MgO 系の耐火物
を使用しても、本発明方法によれば、脱りん処理中の耐
火物の溶損は効果的に防止できる。
【0045】
【実施例】表1に処理前として示す組成の2種類の高マ
ンガン溶鉄を10トン電気炉で大気溶解し、マグクロれん
がを内張りしたAOD炉に注銑したのち1550℃の温度に
調整した。
【0046】これらの溶鉄に、同じく表1に示すフラッ
クスを添加し、Arガスで約10分間攪拌しながら、脱りん
処理を行った。比較例で用いたフラックスには MgOを配
合していない。
【0047】処理後の溶鉄の化学組成を表1に併せて示
す。なお、表1中のフラックス中の(MgO) とは、フラッ
クスを構成するNa2CO3、SiO2、MnO2およびMgO の総計に
対するMgO 分の重量%であり、フラックスの (Na2O)/
(SiO2) 値は、処理中に〔Si〕が酸化されて生成するSiO
2量を考慮したものである。
【0048】表1から明らかなように、予め MgOを配合
してフラックスを使用した実施例では、耐火物からのMg
O の溶出が殆ど起きていない。一方、MgO を配合しない
フラックスを使用した比較例では、処理前のフラックス
には MgOがないにもかかわらず処理後のスラグには MgO
が10.6重量部も存在する。これは耐火物から溶出したMg
O である。
【0049】実施例でも比較例でも、脱りん率には大差
がない。また、いずれのフラックスにもMnO2を配合した
ので Mn のロスも極めて少ない。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明方法によれば、安価で入手容易な
Na2CO3−SiO2系フラックスを使用し、耐火物の溶損を抑
えながら効率的に高マンガン溶鉄の脱りんをい行うこと
ができる。また、フラックスにマンガンの酸化物を更に
配合すれば、〔Mnの〕酸化ロス量を低くくして処理を行
うことができる。本発明方法は、近年生産量の増加して
いる高マンガン鋼を低コストで製造するのに極めて有用
なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】フラックスに配合したMgO の量 (フラックスに
配合したNa2CO3、SiO2及びMgOの合計量を 100重量部と
した場合の重量部) と、脱りん率及びスラグ中の (MgO)
の増加量との関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】マンガン含有量が5重量%以上の溶鉄に、
    Na2CO3、SiO2およびMgO を主成分とするフラックスを接
    触させることを特徴とする高マンガン溶鉄の脱りん方
    法。 【請求項2】フラックスに配合したNa2CO3中のNa2O分、
    フラックス中に配合したSiO2分および溶鉄中のSiの酸化
    によって生成するSiO2分、ならびにフラックス中に配合
    したMgO 分の合計量 100重量部に対して 5〜2O重量部の
    MgO を含有させたフラックスを使用することを特徴とす
    る請求項1に記載の高マンガン溶鉄の脱りん方法。 【請求項3】フラックスに配合したNa2CO3中のNa2O分、
    フラックス中に配合したSiO2分および溶鉄中Siの酸化に
    よって生成するSiO2分、ならびにフラックス中に配合し
    たMgO 分の合計量 100重量部に対して 5〜2O重量部のMg
    O と、同じく10〜25重量部のマンガン酸化物を含有させ
    たフラックスを使用することを特徴とする請求項1に記
    載の高マンガン溶鉄の脱りん方法。 【請求項4】フラックスに配合したNa2CO3中のNa2O分
    と、フラックス中に配合したSiO2分および溶鉄中Siの酸
    化によって生成するSiO2分の合計量との比、即ち、(Na2
    O)/(SiO2) が1.25〜1.5 となるようにフラックスの配合
    比を定めることを特徴とする請求項1、2または3に記
    載の高マンガン溶鉄の脱りん方法。
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