JPH0565581B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0565581B2 JPH0565581B2 JP12666082A JP12666082A JPH0565581B2 JP H0565581 B2 JPH0565581 B2 JP H0565581B2 JP 12666082 A JP12666082 A JP 12666082A JP 12666082 A JP12666082 A JP 12666082A JP H0565581 B2 JPH0565581 B2 JP H0565581B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- wire
- steel
- strength
- fatigue
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/06—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of rods or wires
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B15/00—Layered products comprising a layer of metal
- B32B15/01—Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic
- B32B15/012—Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic one layer being formed of an iron alloy or steel, another layer being formed of aluminium or an aluminium alloy
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01B—CABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
- H01B5/00—Non-insulated conductors or conductive bodies characterised by their form
- H01B5/08—Several wires or the like stranded in the form of a rope
- H01B5/10—Several wires or the like stranded in the form of a rope stranded around a space, insulating material, or dissimilar conducting material
- H01B5/102—Several wires or the like stranded in the form of a rope stranded around a space, insulating material, or dissimilar conducting material stranded around a high tensile strength core
- H01B5/104—Several wires or the like stranded in the form of a rope stranded around a space, insulating material, or dissimilar conducting material stranded around a high tensile strength core composed of metallic wires, e.g. steel wires
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Coating With Molten Metal (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Description
本発明は、架空送電線に用いられる鋼芯Alよ
り線(以下ACSRという)の鋼芯用高張力鋼線の
改良に関する。 近年、架空送電線用のACSRは、その使用条件
の高負荷化または動的負荷の増大等により、鋼芯
線の機械的特性の向上、例えば引張強さなどの静
的強度のみならず、動的な強度である疲労特性の
高度化が必須とされている。すなわち、架空送
電線の山岳地での長距離に亘る延線架設が多くな
つたため、長スパン架線になるとともに山岳特有
の高低差が加わり、架線張力が極めて大となる傾
向がある。電力需要増大に応じるため送電容量
を上げるべくACSRの太径化が進められ、架線重
量が大となつて架線張力の増大が著るしい。山
岳地特有の激しい風雪等のために、太径化にとも
なつて着氷雪や風圧による張力の増大および各種
の振動等による複雑な動的張力の負荷増大が生じ
る。また、上記送電容量を上げるべく大電力送
電(例75〜100万KVという高電圧送電)を行う
ため、ジユール熱によるACSRの温度上昇が激し
くなる(時には400〜500℃に達する例もある)。
したがつて、高張力化ならびに疲労特性の高度化
が必要であり、さらには高温度域における引張強
さ(以下高温強度という)の確保が望まれる。 また、現在のACSRは、鋼芯線とその外側に巻
かれたAlより線の双方に張力が作用するように
両者の合成より線として設計されているものと、
アルミニウムより線部を張力分担から解放し、鋼
芯線のみで張力を担わせるように設計されたもの
とがある。しかし前者の張力複合分担型のACSR
においても、送電中の温度上昇などによつて、実
質的には鋼芯線が全張力の大部分を分担している
事例もしばしば経験されるので、ACSRの機械的
特性は殆んどすべて鋼芯線の特性に依存している
といつても過言ではない。 上記ACSRの鋼芯線には、従来一般に
JISG3537に規定されている亜鉛メツキ鋼より線
が用いられているが、かかる従来の鋼線では、引
張強さは勿論、疲労特性、その他の機械的特性に
ついて、上述の〜の如き昨今の苛酷な使用条
件に耐える要求を満足せしめるのは到底不可能で
ある。 本発明者らは、先きに、特願昭57−3607号
(「鋼芯Al撚線の鋼芯用高張力鋼線」)として
ACSR用の新規な鋼組成を提案した。それによれ
ば、従来の亜鉛メツキ鋼より線を凌ぐ引張強さ、
巻付、巻戻特性と、極めて良好な疲労強度、なら
びに高温強度を併せ持つACSRの鋼芯用高張力鋼
線であつて下記(イ)〜(ニ)を満足せしめるものが得ら
れる。 (イ) 耐架線張力を高めるため、鋼線の標準引張強
さを従来より高くして130〜260Kgf/mm2とす
る。 (ロ) 苛酷な使用環境下での安全性を確保するため
疲労強度を従来より高くして、疲労限≦引張強
さ(TS)×0.19とする。 (ハ) ACSRの定常時および異常時の温度上昇に際
して安全な張力を確保するため、高温時(150
〜450℃)の引張強さを下記の通りとする。 TS(T)≧TS(R)×(1.42−0.0028T) 好ましくはTS(T)≧T(R)×(1.29−0.0019T) 但し、 TS(T):温度T℃でのTS TS(S):室温でのTS (ニ) ACSRの製造または架線工事施工に際して、
折損や亀裂発生を防止するため、巻付、巻戻特
性を従来より高くして、巻付曲率半径が線の半
径の3.0倍、好ましくは半径1.5倍の巻付試験に
おいて、折損もしくは亀裂発生の確率(以下不
良率という)が50%以下とする。 ここに、本発明はかかる高張力鋼線の疲労強度
をさらに改善することを目的とするものであつ
て、その特徴とするところは、 C:0.6〜1.2%、Si:2%以下、Mn:2%以
下、Al:0.1%以下、さらに、必要によりCr:5
%以下を含み、 残部Feおよび不可避的不純物からなり、不純
物としてのP、S、Nおよび酸素が、 P≦0.025% S≦0.015% P+S≦0.03%、N
≦0 005% 酸素≦0.002% の各条件を満たす鋼組成を有する、Fe−Zn合金
層の厚さが15μm以下、引張強さ180Kgf/mm2以
上、疲労強度40Kgf/mm2以上である、鋼芯Alよ
り線の鋼芯用高張力Znメツキ鋼線である。 本発明のメツキ鋼線は、前記鋼組成を有する素
材の線材にパテンテング処理を行ないオーステナ
イト組織とし、パーライト変態後、酸洗・潤滑処
理してから伸線加工を行ない、次いで(亜鉛の融
点+10℃)以上450℃以下の浴温度で15秒以下浸
漬亜鉛メツキすることにより製造することができ
る。 なお、更に疲労強度などの動的特性を改善する
ために、 (i) 前記オーステナイト組織のオーステナイト粒
径を20〜60μmとするとともに、前記伸線加工
の際の減面率を70〜95%とすること、 (ii) 前記パーライト変態により得られるパーライ
ト組織のラメラ間隔を0.2μm以下とするととも
に、前記伸線加工の際の減面率を70〜95%とす
ること、 (iii) 前記パテンテング処理が鉛パテンテング処理
であり、鉛パテンテング処理後の線材表面層の
脱炭状態が、 全脱炭深さ≦150μm フエライト脱炭深さ≦50μm となるように該鉛パテンテング処理を管理する
こと、 (iv) 前記伸線加工に先立つ潤滑処理をリン酸亜鉛
系下地潤滑剤を使用して行ない、該潤滑剤の付
着量を3〜7g/m2とすること、および (v) 浸漬亜鉛メツキ処理後5秒以内に、得られた
Znメツキ鋼線を水冷すると、 を適宜組合せて実施するのが好ましい。 かくして、本発明によれば、引張強さ180Kg
f/mm2以上、疲労強度40Kgf/mm2以上である、す
でに述べたような今日的要請に適合する高張力
Znメツキ鋼線が得られるのである。 以下、本発明における成分限定の理由について
詳細に述べる。 C:耐熱性を要する高張力鋼線として必要な引張
強さを確保するのに有用な成分で、0.6%未満
では目標強度の180Kgf/mm2以上の引張強さが
実現できず、また1.2%を越えると巻付、巻戻
特性への悪影響が出るので、0.6〜1.2%とし
た。 Si:高炭素高張力鋼線において、疲労特性と高温
強度の上昇に有効な成分であるが、2%を越え
ると延性が著しく低下し、巻付、巻戻特性に悪
影響が出るので、2%以下とした。 Mn:太径鋼線での引張強さの向上に有効である
が、多量に添加するとパーライトが粗大となつ
て強度がかえつて低下する性質がある。2%を
越えると必要な引張強さの確保が困難となるの
で、2%以下とした。 Al:鋼の脱酸材として有効であり、十分な脱酸
を行うため本発明においては0.1%以下とする。 P:巻付、巻戻特性に顕著な影響力をもつ成分で
あり、引張強さの上昇に伴つて巻付、巻戻特性
が劣化する高炭素鋼において、この劣化を防止
して必要な巻付、巻戻特性を確保するために
は、P量を極めて低位に抑える必要がある。一
般に、高炭素鋼中にはPは、精錬中のスラグか
らの戻りPにより比較的多く存在するが、
0.025%を越えると上記必要な巻付、巻戻特性
の確保が困難になるので、0.025%以下とした。 S:巻付、巻戻特性ならびに疲労特性に顕著な影
響力をもつ成分であり、引張強さの上昇に伴つ
て巻付、巻戻特性、疲労特性が劣化する高炭素
鋼において、これらの劣化を防止して必要な巻
付、巻戻特性、疲労特性を確保するためには、
S量を極めて低位に抑える必要がある。通常の
高炭素鋼中にはS量は0.02%程度あるが、
0.015%を越えると上記必要な巻付、巻戻特性
および疲労特性の確保が困難になるので、
0.015%以下とした。 P+S:0.03%を越えると必要な巻付、巻戻特性
と必要な疲労特性とをともに確保することが困
難な場合が生じるので、0.03%以下とした。ま
た巻付、巻戻特性と疲労特性の一層の向上を得
るためには0.028%以下が好ましい。 N:巻付、巻戻特性に大きな影響力をもつ成分で
あり、低い方が望ましい。特に引張強さ(TS)
が180Kgf/mm2以上では、0.005%を越えると巻
付、巻戻特性が極端に劣化する場合があるの
で、0.005%以下とした。 酸素:巻付、巻戻特性と疲労特性の双方に大きな
影響力をもつ成分である。0.002%を越えると、
線径の3.0倍径巻付試験での不良率が50%を越
え、且つ引張強さ(TS)が180Kgf/mm2以上の
高炭素鋼線における疲労限が前記TS×0.19を
達成出来なくなるので、0.002%以下とした。
なお、0.002〜0.0010%とすると、上記3.0倍径
巻付試験での不良率が0%となるとともに1.5
倍径巻付試験での不良率が50%に改善され、ま
た0.0010%以下とすると、上記1.5倍径巻付試
験での不良率が30%以下に改善されるので、可
及的に低い方が好ましい成分である。 Cr:必要により添加され、引張強さの向上、特
に太径鋼線の引張強さの向上を図るための元素
である。 Crは、このように引張強さの向上に有効な成
分であり、特に太径鋼線において顕著な効果が
あるが、またCrの添加によつて顕著な高温強
度が得られる。しかし5%を越えると、必要な
巻付、巻戻特性及び疲労特性の確保が困難にな
るので、5%以下とした。 次に、本発明にあつては、亜鉛メツキ後のFe
−Zn合金層の厚さを15μm以下に制限するが、こ
れは従来品のFe−Zn合金層の厚さが20〜25μmで
あるのと対照的であり、本発明にあつてはその厚
さは可及的に小さくすることが、疲労強度の向上
にとつて好ましい。特に、鋼組成を前述の如く規
制することによつて疲労強度は40Kgf/mm2以上、
好ましくは例えば44Kgf/mm2以上と相乗的に改善
される。 Fe−Zn合金層の厚さを15μm以下に制限するに
はメツキ浴温度を低温度側にもつてくるかあるい
は浸漬メツキ時間をより短時間側にもつてくれば
よいが、一般にはメツキ浴温度を450℃以下にそ
して浸漬メツキ時間を15秒以下に制御すれば良
い。しかし亜鉛メツキ浴の溶融を安定させるため
にはメツキ浴温度は亜鉛の融点+10℃以上の温度
とする。 第1図は、下記鋼組成のZnメツキ鋼線につい
てFe−Zn合金層の厚さと疲労強度との関係を一
連の実験によつて得られたデータにもとずいて一
般的に示すグラフ、第2図はFe−Zn合金層の厚
さとメツキ浴中への浸漬時間との関係を示す同様
なグラフ(図中、浴温度440℃で、メツキ後4秒
で水冷を施した場合を○、同じく450℃で、メツ
キ後4秒で水冷を施した場合を△でそれぞれ示し
た。)そして第3図は同じく浴温度との関係を示
す同様なグラフ(図中、添字は浸漬時間(sec)、
3本の曲線はそれぞれ浸漬時間(t)が9sec、15sec、
30secの場合の関係を線図化したものである。)で
ある。 鋼組成 C Si Mi Al P S N O 0.82 0.27 0.75 0.034 0.017 0.010 0
.004 0.001 第1図ないし第3図に示すデータからも明らか
なように、40Kgf/mm2以上の疲労強度を得るには
Fe−Zn合金層の厚さは18μm以下、好ましくは
15μm以下に制限することによつて特に臨界的な
改善がなされ、そしてそのためには浴温度を450
℃以下に、浸漬時間を15秒以下に制限することが
本発明の目的にとつて望ましい。換言すれば、こ
れら2つの条件さえ考慮すればFe−Zn合金層の
厚みは実用レベルの精度でもつて制御できるので
ある。 次いで、メツキ浴中に12秒浸漬した後、種々の
時間経過した後、放冷して合金層の生成状況を調
べた。結果を第4図に示す。合金層の成長は厚さ
15μmまでは5秒間でほぼ終了することが分か
る。つまり、メツキ後水冷して合金層の生成を阻
止するにはメツキ後5秒以内に水冷を行なう必要
がある。 ところで、ACSRの製造または架線工事に際し
ての鋼線の折損や亀裂発生を防止するため、捻回
特性を従来より高くして、線径の100倍のつかみ
間隔での捻回試験において、折損もしくは亀裂の
生じるまでのねじり回数(以下捻回値という)を
例えば20回以上とすることが必要とされる。 したがつて、本発明の好適具体化例では、パテ
ンテイング処理を行なうことにより得られるオー
ステナイト組織のオーステナイト粒径を20〜60μ
mとしおよび/またはパーライト組織のラメラ間
隔を0.20μm以下とするとともに伸線加工時の減
面率を70〜95%とすることにより動的疲労特性を
さらに改善することが望ましい。 疲労強度を改善するにはオーステナイト粒径は
小さい方が良いが、捻回特性については粒径が余
り小さすぎるとかえつて劣化する。したがつて、
本発明では好ましくはオーステナイト粒径を20〜
60μmの範囲とする。なお、従来一般にはこのオ
ーステナイト粒径は100μm程度である。 第5図は前記と同じ鋼組成のZnメツキ鋼線を
製造する際のパーライトラメラ間隔(μm)と捻
回値(回)との関係を一連の実験データにもとず
いて一般的に示すグラフである。このときのオー
ステナイト粒径はほぼ97μmであつた。捻回値を
20回以上とするためにはラメラ間隔を0.24μm以
下、好ましくは0.20μm以下とすることが必要で
あるのが分かる。 このオーステナイト粒径およびパーライトのラ
メラ間隔の調整は、一般に、鋼種成分の調整適正
化および製造条件の適正化を図ることによつて行
なうことができる。例えば鉛パテンテング処理に
おいては、加熱速度、加熱温度、加熱時間ならび
に鉛浴温度をそれぞれ適正に管理する方法によつ
て行なわれる。また前記鉛パテンテングに代え
て、その他の各種のパテンテング処理法(例え
ば、熱間圧延後調整冷却する各種の直接パテンテ
ング処理法)を利用し、さらに鋼の成分および熱
間圧延条件を調整適正化する制御圧延法等の単独
もしくは2以上を併用し、それぞれの条件を適正
に管理する方法によつても行なうことができる。
このようなオーステナイト粒径およびパーライト
のラメラ間隔の調整手段それ自体については当業
者にはすでに明らかなところであろう。なお鋼線
の断面減少率つまり減面率で示した伸線加工率
は、70%未満ではCが0.6〜1.2%の炭素鋼および
低合金鋼において引張強さを目標値の180Kgf/
mm2に到達せしめることならびに耐久比の目標値
0.19の達成が困難となる。また伸線加工率が95%
を越えると、疲労強度が急激に低下して耐久比が
0.18より下となるとともに巻付巻戻特性への悪影
響も生じる。また同じく95%を越えると捻回試験
において一様なねじれが進まず、極端に低いねじ
り回数の段階で異常な破断を生じることがあり好
ましくない。 本発明の鋼線の製造法の好適態様にあつては、
パテンテング処理として鉛パテンテング処理が採
用されるが、鉛パテンテング処理後の線材表層部
の脱炭の程度が疲労強度の良否に大きく関連して
いる。すなわち、鉛パテンテングとは、線材の変
形能を高めて伸線加工を容易ならしめるものであ
り、一般には加熱炉において900〜1000℃に1時
間程度保持し、次いで530℃の鉛浴中で冷却する
というものであるが、この鉛パテンテングを受け
たとき、線材の脱炭状態としては最外層に炭化物
を一切含まないフエライト脱炭層が存在し、その
下に一部炭化物を含む、いわば不完全な脱炭層が
拡がる形態を呈する。上記フエライト脱炭の深さ
をDmFの記号で示し、一方上記不完全な脱炭層
を含む全脱炭深さをDmTの記号にて示すとこれ
ら2つの脱炭指標とZnメツキ鋼線の疲労強度と
の関係は第6図および第7図に示す通りである。 このときの鋼組成は前述の通りであり、浴温
450℃で12秒間浸漬Znメツキして得たZnメツキ鋼
線についての実験データである。図示例の場合、
全脱炭深さが150μmを越える場合、またはフエ
ライト脱炭深さが50μmを越える場合には、40Kg
f/mm2以上の疲労強度が得られない。第6図に示
す例の場合、DmFは10μmであつた。 第7図の場合、DmTは150μmであつた。した
がつて、鉛パテンテング処理を採用する本発明方
法の好適態様にあつては、DmT≦150μmおよび
DmF≦50μmとしなければならない。 以上のような脱炭管理は、鉛パテンテング処理
における処理条件の設定を調節することによつて
達成し得る。加熱温度と保持時間の組合せ、それ
に雰囲気(空燃比等)などの制御によればよく、
一般には加熱温度を低く、保持時間を短かくすれ
ば、また雰囲気ではそのO2成分を少なくすれば、
そぞれ脱炭が抑制されるものであるが、本発明の
1つの好適態様としての前述の脱炭管理のための
このような手法の採用は、鉛パテンテングのその
本来の目的の達成を阻むというようなことになる
懸念はまつたくない。 なお、従来は、この種Znメツキ鋼線について
云えば、DmTは150μmをこえて170〜200μm程
度になつており、またDmFについても50μmを上
廻つて60〜70μm程度であるのが通例である。 かくして得られる線材には伸線加工に先立つて
潤滑処理が行なわれる。ここに、潤滑処理とは一
般に、鉛パテンテイング−酸洗後においてまず、
リン酸亜鉛系の下地潤滑剤、例えばボンデライト
(商品名:日本パーカー社製)を浸漬等により塗
布し、その上に更にステアリン酸ナトリウム系の
潤滑剤、例えばボンダリユーベ(同上)を塗布し
て、これらの両層間にステアリン酸ナトリウムの
層を形成させることである。 潤滑処理に関し、本発明者らが見い出したとこ
ろによれば、下地潤滑剤の付着量が7g/m2以下
で耐久比が最も良好な値を示す。一方、下地潤滑
剤の付着量が3g/m2未満になると、潤滑という
本来の機能が損われ、伸線時において焼付の危険
が生じる。 なお、従来法では、この下地潤滑剤の付着量と
しては、10g/m2以上になつており、これでは優
れた疲労特性は期待できない。従来かかる潤滑剤
の塗布については一般に、伸線中の焼付防止その
ことのみ考えて行なわれており、このため安全を
図る立場から前記付着量も10g/m2以上という必
要以上に多いものになつていたのである。 次に実施例によつて本発明をさらに説明する。 実施例 1 第1表に示す鋼組成を有する鋼種No.1〜18を4
トン電気炉で溶製し、直径8.0mmの素材の線材に
熱間圧延した。この線材を900℃に加熱して鉛パ
テンテング処理を行なつた。パテンテング処理時
のオーステナイト粒径30μm、パテンテング処理
後のパーライト組織のラメラ間隔0.15μmそして
全脱炭層深さ(DmT)50μmフエライト脱炭層
深さゼロのパテンテング処理材を得た。次いで酸
洗後、下地潤滑剤としてのリン酸亜鉛被膜の付着
量が6g/m2となるように潤滑処理を施し、直径
3.11mmの線材にまで連続伸線した(減面率=85.9
%)。 亜鉛浸漬メツキは、Znメツキ浴温度450℃、浸
漬メツキ時間12秒とし、メツキ4秒後に水冷却を
行なつて実施した。 第2表に各供試鋼の機械的性質をまとめて示
す。同表から各比較鋼に比べ、本発明鋼の機械的
性質が明らかに優れていることが判る。
り線(以下ACSRという)の鋼芯用高張力鋼線の
改良に関する。 近年、架空送電線用のACSRは、その使用条件
の高負荷化または動的負荷の増大等により、鋼芯
線の機械的特性の向上、例えば引張強さなどの静
的強度のみならず、動的な強度である疲労特性の
高度化が必須とされている。すなわち、架空送
電線の山岳地での長距離に亘る延線架設が多くな
つたため、長スパン架線になるとともに山岳特有
の高低差が加わり、架線張力が極めて大となる傾
向がある。電力需要増大に応じるため送電容量
を上げるべくACSRの太径化が進められ、架線重
量が大となつて架線張力の増大が著るしい。山
岳地特有の激しい風雪等のために、太径化にとも
なつて着氷雪や風圧による張力の増大および各種
の振動等による複雑な動的張力の負荷増大が生じ
る。また、上記送電容量を上げるべく大電力送
電(例75〜100万KVという高電圧送電)を行う
ため、ジユール熱によるACSRの温度上昇が激し
くなる(時には400〜500℃に達する例もある)。
したがつて、高張力化ならびに疲労特性の高度化
が必要であり、さらには高温度域における引張強
さ(以下高温強度という)の確保が望まれる。 また、現在のACSRは、鋼芯線とその外側に巻
かれたAlより線の双方に張力が作用するように
両者の合成より線として設計されているものと、
アルミニウムより線部を張力分担から解放し、鋼
芯線のみで張力を担わせるように設計されたもの
とがある。しかし前者の張力複合分担型のACSR
においても、送電中の温度上昇などによつて、実
質的には鋼芯線が全張力の大部分を分担している
事例もしばしば経験されるので、ACSRの機械的
特性は殆んどすべて鋼芯線の特性に依存している
といつても過言ではない。 上記ACSRの鋼芯線には、従来一般に
JISG3537に規定されている亜鉛メツキ鋼より線
が用いられているが、かかる従来の鋼線では、引
張強さは勿論、疲労特性、その他の機械的特性に
ついて、上述の〜の如き昨今の苛酷な使用条
件に耐える要求を満足せしめるのは到底不可能で
ある。 本発明者らは、先きに、特願昭57−3607号
(「鋼芯Al撚線の鋼芯用高張力鋼線」)として
ACSR用の新規な鋼組成を提案した。それによれ
ば、従来の亜鉛メツキ鋼より線を凌ぐ引張強さ、
巻付、巻戻特性と、極めて良好な疲労強度、なら
びに高温強度を併せ持つACSRの鋼芯用高張力鋼
線であつて下記(イ)〜(ニ)を満足せしめるものが得ら
れる。 (イ) 耐架線張力を高めるため、鋼線の標準引張強
さを従来より高くして130〜260Kgf/mm2とす
る。 (ロ) 苛酷な使用環境下での安全性を確保するため
疲労強度を従来より高くして、疲労限≦引張強
さ(TS)×0.19とする。 (ハ) ACSRの定常時および異常時の温度上昇に際
して安全な張力を確保するため、高温時(150
〜450℃)の引張強さを下記の通りとする。 TS(T)≧TS(R)×(1.42−0.0028T) 好ましくはTS(T)≧T(R)×(1.29−0.0019T) 但し、 TS(T):温度T℃でのTS TS(S):室温でのTS (ニ) ACSRの製造または架線工事施工に際して、
折損や亀裂発生を防止するため、巻付、巻戻特
性を従来より高くして、巻付曲率半径が線の半
径の3.0倍、好ましくは半径1.5倍の巻付試験に
おいて、折損もしくは亀裂発生の確率(以下不
良率という)が50%以下とする。 ここに、本発明はかかる高張力鋼線の疲労強度
をさらに改善することを目的とするものであつ
て、その特徴とするところは、 C:0.6〜1.2%、Si:2%以下、Mn:2%以
下、Al:0.1%以下、さらに、必要によりCr:5
%以下を含み、 残部Feおよび不可避的不純物からなり、不純
物としてのP、S、Nおよび酸素が、 P≦0.025% S≦0.015% P+S≦0.03%、N
≦0 005% 酸素≦0.002% の各条件を満たす鋼組成を有する、Fe−Zn合金
層の厚さが15μm以下、引張強さ180Kgf/mm2以
上、疲労強度40Kgf/mm2以上である、鋼芯Alよ
り線の鋼芯用高張力Znメツキ鋼線である。 本発明のメツキ鋼線は、前記鋼組成を有する素
材の線材にパテンテング処理を行ないオーステナ
イト組織とし、パーライト変態後、酸洗・潤滑処
理してから伸線加工を行ない、次いで(亜鉛の融
点+10℃)以上450℃以下の浴温度で15秒以下浸
漬亜鉛メツキすることにより製造することができ
る。 なお、更に疲労強度などの動的特性を改善する
ために、 (i) 前記オーステナイト組織のオーステナイト粒
径を20〜60μmとするとともに、前記伸線加工
の際の減面率を70〜95%とすること、 (ii) 前記パーライト変態により得られるパーライ
ト組織のラメラ間隔を0.2μm以下とするととも
に、前記伸線加工の際の減面率を70〜95%とす
ること、 (iii) 前記パテンテング処理が鉛パテンテング処理
であり、鉛パテンテング処理後の線材表面層の
脱炭状態が、 全脱炭深さ≦150μm フエライト脱炭深さ≦50μm となるように該鉛パテンテング処理を管理する
こと、 (iv) 前記伸線加工に先立つ潤滑処理をリン酸亜鉛
系下地潤滑剤を使用して行ない、該潤滑剤の付
着量を3〜7g/m2とすること、および (v) 浸漬亜鉛メツキ処理後5秒以内に、得られた
Znメツキ鋼線を水冷すると、 を適宜組合せて実施するのが好ましい。 かくして、本発明によれば、引張強さ180Kg
f/mm2以上、疲労強度40Kgf/mm2以上である、す
でに述べたような今日的要請に適合する高張力
Znメツキ鋼線が得られるのである。 以下、本発明における成分限定の理由について
詳細に述べる。 C:耐熱性を要する高張力鋼線として必要な引張
強さを確保するのに有用な成分で、0.6%未満
では目標強度の180Kgf/mm2以上の引張強さが
実現できず、また1.2%を越えると巻付、巻戻
特性への悪影響が出るので、0.6〜1.2%とし
た。 Si:高炭素高張力鋼線において、疲労特性と高温
強度の上昇に有効な成分であるが、2%を越え
ると延性が著しく低下し、巻付、巻戻特性に悪
影響が出るので、2%以下とした。 Mn:太径鋼線での引張強さの向上に有効である
が、多量に添加するとパーライトが粗大となつ
て強度がかえつて低下する性質がある。2%を
越えると必要な引張強さの確保が困難となるの
で、2%以下とした。 Al:鋼の脱酸材として有効であり、十分な脱酸
を行うため本発明においては0.1%以下とする。 P:巻付、巻戻特性に顕著な影響力をもつ成分で
あり、引張強さの上昇に伴つて巻付、巻戻特性
が劣化する高炭素鋼において、この劣化を防止
して必要な巻付、巻戻特性を確保するために
は、P量を極めて低位に抑える必要がある。一
般に、高炭素鋼中にはPは、精錬中のスラグか
らの戻りPにより比較的多く存在するが、
0.025%を越えると上記必要な巻付、巻戻特性
の確保が困難になるので、0.025%以下とした。 S:巻付、巻戻特性ならびに疲労特性に顕著な影
響力をもつ成分であり、引張強さの上昇に伴つ
て巻付、巻戻特性、疲労特性が劣化する高炭素
鋼において、これらの劣化を防止して必要な巻
付、巻戻特性、疲労特性を確保するためには、
S量を極めて低位に抑える必要がある。通常の
高炭素鋼中にはS量は0.02%程度あるが、
0.015%を越えると上記必要な巻付、巻戻特性
および疲労特性の確保が困難になるので、
0.015%以下とした。 P+S:0.03%を越えると必要な巻付、巻戻特性
と必要な疲労特性とをともに確保することが困
難な場合が生じるので、0.03%以下とした。ま
た巻付、巻戻特性と疲労特性の一層の向上を得
るためには0.028%以下が好ましい。 N:巻付、巻戻特性に大きな影響力をもつ成分で
あり、低い方が望ましい。特に引張強さ(TS)
が180Kgf/mm2以上では、0.005%を越えると巻
付、巻戻特性が極端に劣化する場合があるの
で、0.005%以下とした。 酸素:巻付、巻戻特性と疲労特性の双方に大きな
影響力をもつ成分である。0.002%を越えると、
線径の3.0倍径巻付試験での不良率が50%を越
え、且つ引張強さ(TS)が180Kgf/mm2以上の
高炭素鋼線における疲労限が前記TS×0.19を
達成出来なくなるので、0.002%以下とした。
なお、0.002〜0.0010%とすると、上記3.0倍径
巻付試験での不良率が0%となるとともに1.5
倍径巻付試験での不良率が50%に改善され、ま
た0.0010%以下とすると、上記1.5倍径巻付試
験での不良率が30%以下に改善されるので、可
及的に低い方が好ましい成分である。 Cr:必要により添加され、引張強さの向上、特
に太径鋼線の引張強さの向上を図るための元素
である。 Crは、このように引張強さの向上に有効な成
分であり、特に太径鋼線において顕著な効果が
あるが、またCrの添加によつて顕著な高温強
度が得られる。しかし5%を越えると、必要な
巻付、巻戻特性及び疲労特性の確保が困難にな
るので、5%以下とした。 次に、本発明にあつては、亜鉛メツキ後のFe
−Zn合金層の厚さを15μm以下に制限するが、こ
れは従来品のFe−Zn合金層の厚さが20〜25μmで
あるのと対照的であり、本発明にあつてはその厚
さは可及的に小さくすることが、疲労強度の向上
にとつて好ましい。特に、鋼組成を前述の如く規
制することによつて疲労強度は40Kgf/mm2以上、
好ましくは例えば44Kgf/mm2以上と相乗的に改善
される。 Fe−Zn合金層の厚さを15μm以下に制限するに
はメツキ浴温度を低温度側にもつてくるかあるい
は浸漬メツキ時間をより短時間側にもつてくれば
よいが、一般にはメツキ浴温度を450℃以下にそ
して浸漬メツキ時間を15秒以下に制御すれば良
い。しかし亜鉛メツキ浴の溶融を安定させるため
にはメツキ浴温度は亜鉛の融点+10℃以上の温度
とする。 第1図は、下記鋼組成のZnメツキ鋼線につい
てFe−Zn合金層の厚さと疲労強度との関係を一
連の実験によつて得られたデータにもとずいて一
般的に示すグラフ、第2図はFe−Zn合金層の厚
さとメツキ浴中への浸漬時間との関係を示す同様
なグラフ(図中、浴温度440℃で、メツキ後4秒
で水冷を施した場合を○、同じく450℃で、メツ
キ後4秒で水冷を施した場合を△でそれぞれ示し
た。)そして第3図は同じく浴温度との関係を示
す同様なグラフ(図中、添字は浸漬時間(sec)、
3本の曲線はそれぞれ浸漬時間(t)が9sec、15sec、
30secの場合の関係を線図化したものである。)で
ある。 鋼組成 C Si Mi Al P S N O 0.82 0.27 0.75 0.034 0.017 0.010 0
.004 0.001 第1図ないし第3図に示すデータからも明らか
なように、40Kgf/mm2以上の疲労強度を得るには
Fe−Zn合金層の厚さは18μm以下、好ましくは
15μm以下に制限することによつて特に臨界的な
改善がなされ、そしてそのためには浴温度を450
℃以下に、浸漬時間を15秒以下に制限することが
本発明の目的にとつて望ましい。換言すれば、こ
れら2つの条件さえ考慮すればFe−Zn合金層の
厚みは実用レベルの精度でもつて制御できるので
ある。 次いで、メツキ浴中に12秒浸漬した後、種々の
時間経過した後、放冷して合金層の生成状況を調
べた。結果を第4図に示す。合金層の成長は厚さ
15μmまでは5秒間でほぼ終了することが分か
る。つまり、メツキ後水冷して合金層の生成を阻
止するにはメツキ後5秒以内に水冷を行なう必要
がある。 ところで、ACSRの製造または架線工事に際し
ての鋼線の折損や亀裂発生を防止するため、捻回
特性を従来より高くして、線径の100倍のつかみ
間隔での捻回試験において、折損もしくは亀裂の
生じるまでのねじり回数(以下捻回値という)を
例えば20回以上とすることが必要とされる。 したがつて、本発明の好適具体化例では、パテ
ンテイング処理を行なうことにより得られるオー
ステナイト組織のオーステナイト粒径を20〜60μ
mとしおよび/またはパーライト組織のラメラ間
隔を0.20μm以下とするとともに伸線加工時の減
面率を70〜95%とすることにより動的疲労特性を
さらに改善することが望ましい。 疲労強度を改善するにはオーステナイト粒径は
小さい方が良いが、捻回特性については粒径が余
り小さすぎるとかえつて劣化する。したがつて、
本発明では好ましくはオーステナイト粒径を20〜
60μmの範囲とする。なお、従来一般にはこのオ
ーステナイト粒径は100μm程度である。 第5図は前記と同じ鋼組成のZnメツキ鋼線を
製造する際のパーライトラメラ間隔(μm)と捻
回値(回)との関係を一連の実験データにもとず
いて一般的に示すグラフである。このときのオー
ステナイト粒径はほぼ97μmであつた。捻回値を
20回以上とするためにはラメラ間隔を0.24μm以
下、好ましくは0.20μm以下とすることが必要で
あるのが分かる。 このオーステナイト粒径およびパーライトのラ
メラ間隔の調整は、一般に、鋼種成分の調整適正
化および製造条件の適正化を図ることによつて行
なうことができる。例えば鉛パテンテング処理に
おいては、加熱速度、加熱温度、加熱時間ならび
に鉛浴温度をそれぞれ適正に管理する方法によつ
て行なわれる。また前記鉛パテンテングに代え
て、その他の各種のパテンテング処理法(例え
ば、熱間圧延後調整冷却する各種の直接パテンテ
ング処理法)を利用し、さらに鋼の成分および熱
間圧延条件を調整適正化する制御圧延法等の単独
もしくは2以上を併用し、それぞれの条件を適正
に管理する方法によつても行なうことができる。
このようなオーステナイト粒径およびパーライト
のラメラ間隔の調整手段それ自体については当業
者にはすでに明らかなところであろう。なお鋼線
の断面減少率つまり減面率で示した伸線加工率
は、70%未満ではCが0.6〜1.2%の炭素鋼および
低合金鋼において引張強さを目標値の180Kgf/
mm2に到達せしめることならびに耐久比の目標値
0.19の達成が困難となる。また伸線加工率が95%
を越えると、疲労強度が急激に低下して耐久比が
0.18より下となるとともに巻付巻戻特性への悪影
響も生じる。また同じく95%を越えると捻回試験
において一様なねじれが進まず、極端に低いねじ
り回数の段階で異常な破断を生じることがあり好
ましくない。 本発明の鋼線の製造法の好適態様にあつては、
パテンテング処理として鉛パテンテング処理が採
用されるが、鉛パテンテング処理後の線材表層部
の脱炭の程度が疲労強度の良否に大きく関連して
いる。すなわち、鉛パテンテングとは、線材の変
形能を高めて伸線加工を容易ならしめるものであ
り、一般には加熱炉において900〜1000℃に1時
間程度保持し、次いで530℃の鉛浴中で冷却する
というものであるが、この鉛パテンテングを受け
たとき、線材の脱炭状態としては最外層に炭化物
を一切含まないフエライト脱炭層が存在し、その
下に一部炭化物を含む、いわば不完全な脱炭層が
拡がる形態を呈する。上記フエライト脱炭の深さ
をDmFの記号で示し、一方上記不完全な脱炭層
を含む全脱炭深さをDmTの記号にて示すとこれ
ら2つの脱炭指標とZnメツキ鋼線の疲労強度と
の関係は第6図および第7図に示す通りである。 このときの鋼組成は前述の通りであり、浴温
450℃で12秒間浸漬Znメツキして得たZnメツキ鋼
線についての実験データである。図示例の場合、
全脱炭深さが150μmを越える場合、またはフエ
ライト脱炭深さが50μmを越える場合には、40Kg
f/mm2以上の疲労強度が得られない。第6図に示
す例の場合、DmFは10μmであつた。 第7図の場合、DmTは150μmであつた。した
がつて、鉛パテンテング処理を採用する本発明方
法の好適態様にあつては、DmT≦150μmおよび
DmF≦50μmとしなければならない。 以上のような脱炭管理は、鉛パテンテング処理
における処理条件の設定を調節することによつて
達成し得る。加熱温度と保持時間の組合せ、それ
に雰囲気(空燃比等)などの制御によればよく、
一般には加熱温度を低く、保持時間を短かくすれ
ば、また雰囲気ではそのO2成分を少なくすれば、
そぞれ脱炭が抑制されるものであるが、本発明の
1つの好適態様としての前述の脱炭管理のための
このような手法の採用は、鉛パテンテングのその
本来の目的の達成を阻むというようなことになる
懸念はまつたくない。 なお、従来は、この種Znメツキ鋼線について
云えば、DmTは150μmをこえて170〜200μm程
度になつており、またDmFについても50μmを上
廻つて60〜70μm程度であるのが通例である。 かくして得られる線材には伸線加工に先立つて
潤滑処理が行なわれる。ここに、潤滑処理とは一
般に、鉛パテンテイング−酸洗後においてまず、
リン酸亜鉛系の下地潤滑剤、例えばボンデライト
(商品名:日本パーカー社製)を浸漬等により塗
布し、その上に更にステアリン酸ナトリウム系の
潤滑剤、例えばボンダリユーベ(同上)を塗布し
て、これらの両層間にステアリン酸ナトリウムの
層を形成させることである。 潤滑処理に関し、本発明者らが見い出したとこ
ろによれば、下地潤滑剤の付着量が7g/m2以下
で耐久比が最も良好な値を示す。一方、下地潤滑
剤の付着量が3g/m2未満になると、潤滑という
本来の機能が損われ、伸線時において焼付の危険
が生じる。 なお、従来法では、この下地潤滑剤の付着量と
しては、10g/m2以上になつており、これでは優
れた疲労特性は期待できない。従来かかる潤滑剤
の塗布については一般に、伸線中の焼付防止その
ことのみ考えて行なわれており、このため安全を
図る立場から前記付着量も10g/m2以上という必
要以上に多いものになつていたのである。 次に実施例によつて本発明をさらに説明する。 実施例 1 第1表に示す鋼組成を有する鋼種No.1〜18を4
トン電気炉で溶製し、直径8.0mmの素材の線材に
熱間圧延した。この線材を900℃に加熱して鉛パ
テンテング処理を行なつた。パテンテング処理時
のオーステナイト粒径30μm、パテンテング処理
後のパーライト組織のラメラ間隔0.15μmそして
全脱炭層深さ(DmT)50μmフエライト脱炭層
深さゼロのパテンテング処理材を得た。次いで酸
洗後、下地潤滑剤としてのリン酸亜鉛被膜の付着
量が6g/m2となるように潤滑処理を施し、直径
3.11mmの線材にまで連続伸線した(減面率=85.9
%)。 亜鉛浸漬メツキは、Znメツキ浴温度450℃、浸
漬メツキ時間12秒とし、メツキ4秒後に水冷却を
行なつて実施した。 第2表に各供試鋼の機械的性質をまとめて示
す。同表から各比較鋼に比べ、本発明鋼の機械的
性質が明らかに優れていることが判る。
【表】
【表】
第1図は、Znメツキ鋼線におけるFe−Zn合金
層の厚さと疲労強度との関係を一般的に示すグラ
フ;第2図は、Fe−Zn合金層の厚さとメツキ浴
中への浸漬時間との関係を示す同様なグラフ;第
3図は、Fe−Zn合金層の厚さと浴温度との関係
を示す同様なグラフ;第4図は、Fe−Zn合金層
の成長と放冷時間との関係を示すグラフ;第5図
は、伸線前のパーライト組織のラメラ間隔と捻回
値との関係を示すグラフ;第6図は、鉛パテンテ
ング処理による全脱炭深さとそのとき得られる鋼
線の疲労強度との関係を示すグラフ;および第7
図は、同じくフエライトの脱炭深さと疲労強度と
の関係を示すグラフである。
層の厚さと疲労強度との関係を一般的に示すグラ
フ;第2図は、Fe−Zn合金層の厚さとメツキ浴
中への浸漬時間との関係を示す同様なグラフ;第
3図は、Fe−Zn合金層の厚さと浴温度との関係
を示す同様なグラフ;第4図は、Fe−Zn合金層
の成長と放冷時間との関係を示すグラフ;第5図
は、伸線前のパーライト組織のラメラ間隔と捻回
値との関係を示すグラフ;第6図は、鉛パテンテ
ング処理による全脱炭深さとそのとき得られる鋼
線の疲労強度との関係を示すグラフ;および第7
図は、同じくフエライトの脱炭深さと疲労強度と
の関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.6〜1.2%、Si:2%以下、Mn:2%
以下、Al:0.1%以下、 残部Feおよび不可避的不純物 からなり、不純物としてのP、S、Nおよび酸素
が、 P≦0.025%、S≦0.015%、P+S≦0.03%、
N≦0.005%、酸素≦0.002%、 の各条件を満たす鋼組成を有し、引張強さ180Kg
f/mm2以上、疲労強度40Kgf/mm2以上である、
Znメツキ鋼線であつて、メツキ被膜のFe−Zn合
金層の厚さが15μm以下であることを特徴とする
鋼芯Alより線の鋼芯用高張力Znメツキ鋼線。 2 C:0.6〜1.2%、Si:2%以下、Mn:2%
以下、Al:0.1%以下、さらに、Cr:5%以下を
含み、残部Feおよび不可避的不純物 からなり、不純物としてのP、S、Nおよび酸素
が、 P≦0.025%、S≦0.015%、P+S≦0.03%、
N≦0.005%、酸素≦0.002%、 の各条件を満たす鋼組成を有し、引張強さ180Kg
f/mm2以上、疲労強度40Kgf/mm2以上である、
Znメツキ鋼線であつて、メツキ被膜のFe−Zn合
金層の厚さが15μm以下であることを特徴とする
鋼芯Alより線の鋼芯用高張力Znメツキ鋼線。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12666082A JPS5920427A (ja) | 1982-07-22 | 1982-07-22 | 鋼芯Alより線の鋼芯用鋼線及びその製造法 |
| US06/435,413 US4525598A (en) | 1982-01-12 | 1982-10-20 | Steel wire for use in stranded steel core of an aluminum conductor, steel reinforced and production of same |
| GB08229953A GB2113751B (en) | 1982-01-12 | 1982-10-20 | Steel wire for use in straned steel core of an aluminum conductor steel reinforced and production of same |
| AU90003/82A AU543136B2 (en) | 1982-01-12 | 1982-10-29 | High tensile steel wire support for aluminium alloy high tension conductor |
| DE3240621A DE3240621C2 (de) | 1982-01-12 | 1982-11-03 | Verwendung eines Stahldrahtes als Litzenstahldrahtkern für stahlverstärkte Aluminiumleiter |
| FR8219802A FR2522692B1 (fr) | 1982-01-12 | 1982-11-25 | Fil d'acier utilisable dans le noyau d'acier toronne d'un conducteur d'aluminium renforce d'acier et son procede de fabrication |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12666082A JPS5920427A (ja) | 1982-07-22 | 1982-07-22 | 鋼芯Alより線の鋼芯用鋼線及びその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5920427A JPS5920427A (ja) | 1984-02-02 |
| JPH0565581B2 true JPH0565581B2 (ja) | 1993-09-20 |
Family
ID=14940711
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12666082A Granted JPS5920427A (ja) | 1982-01-12 | 1982-07-22 | 鋼芯Alより線の鋼芯用鋼線及びその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5920427A (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS60116745A (ja) * | 1983-11-30 | 1985-06-24 | Kobe Steel Ltd | スチ−ルコ−ド用線材 |
| JPS60181255A (ja) * | 1984-02-28 | 1985-09-14 | Azuma Seikosho:Kk | 直接空気パテンテイング型線材 |
| JPS60208463A (ja) * | 1984-03-30 | 1985-10-21 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 捻回特性の優れた亜鉛メツキ鋼線と製造方法 |
| JPS60208464A (ja) * | 1984-03-30 | 1985-10-21 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高張力亜鉛メツキ鋼線とその製造方法 |
| JPS62284044A (ja) * | 1986-06-02 | 1987-12-09 | Shinko Kosen Kogyo Kk | 靭延性に優れた高強度高靭性鋼線の製造方法 |
| JPS63192846A (ja) * | 1987-02-04 | 1988-08-10 | Nippon Steel Corp | 極細鋼線用高張力鋼線材および極細鋼線の製造方法 |
| JP6497156B2 (ja) * | 2015-03-24 | 2019-04-10 | 新日鐵住金株式会社 | 導電性に優れた鋼線材 |
| WO2019106815A1 (ja) * | 2017-11-30 | 2019-06-06 | 日本製鉄株式会社 | アルミ覆鋼線及びその製造方法 |
-
1982
- 1982-07-22 JP JP12666082A patent/JPS5920427A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5920427A (ja) | 1984-02-02 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4525598A (en) | Steel wire for use in stranded steel core of an aluminum conductor, steel reinforced and production of same | |
| KR910001324B1 (ko) | 고강도와 고인성을 구비한 봉강, 강환봉 및 강선의 제조방법 | |
| CN110832096A (zh) | 高强度钢丝 | |
| JP3246210B2 (ja) | 高強度高靭性溶融めっき鋼線およびその製造方法 | |
| JPS5920427A (ja) | 鋼芯Alより線の鋼芯用鋼線及びその製造法 | |
| US4556609A (en) | Heat-resistant galvanized iron alloy wire | |
| WO1997042352A1 (en) | Chromium-silicon spring wire | |
| KR20210079672A (ko) | 고강도 도금 강선 및 이들의 제조방법 | |
| KR100882122B1 (ko) | 염회특성이 우수한 고강도 교량용 강선의 제조방법 | |
| JP3505047B2 (ja) | 鉄損の低いacsr用鋼線 | |
| KR102256373B1 (ko) | 고온연화저항성이 우수한 강재 및 그 제조방법 | |
| JP3520109B2 (ja) | 高強度亜鉛めっき鋼線およびその製造方法 | |
| JP7230669B2 (ja) | 鋼線及びアルミ被覆鋼線 | |
| JPH075992B2 (ja) | 高強度鋼線の製造方法 | |
| JPH0371502B2 (ja) | ||
| KR100435468B1 (ko) | 송전선 보강용 선재의 제조방법 | |
| JPH10110246A (ja) | 高磁場で鉄損の低い高強度acsr用鋼線 | |
| JPH0373625B2 (ja) | ||
| JPS58130252A (ja) | 銅芯Al撚線の鋼芯用高張力鋼線 | |
| JPS58120735A (ja) | 鋼芯Al撚線用亜鉛メツキ鋼線の製造方法 | |
| JPH0372365B2 (ja) | ||
| JPH0551657B2 (ja) | ||
| JPS602656A (ja) | 亜鉛めつきFe−Ni系合金線 | |
| JPH10110216A (ja) | 中低磁場で鉄損の低い高強度acsr用鋼線 | |
| US4514237A (en) | Method of heat treating steel wire |