JPH057477B2 - - Google Patents
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- JPH057477B2 JPH057477B2 JP63203008A JP20300888A JPH057477B2 JP H057477 B2 JPH057477 B2 JP H057477B2 JP 63203008 A JP63203008 A JP 63203008A JP 20300888 A JP20300888 A JP 20300888A JP H057477 B2 JPH057477 B2 JP H057477B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、金属の表面処理法に関するものであ
り、特に金属の耐食性及び塗料密着性の向上をは
かることを目的とするものである。 本処理方法によつて得られた表面処理鋼板は優
れた耐食性及び塗料密着性を有することから各種
家電用、建材用、自動車用の耐食性素材として使
用することができる。 〔従来の技術〕 周知のごとく、電気亜鉛めつき鋼板や溶融めつ
き鋼板、あるいは各種合金めつき鋼板が自動車、
家電、建材などに広く使用されている。 こうした中で、近年、特に耐食性に優れた表面
処理鋼板に対する要求がますます強くなり、この
ような鋼板の需要は今後ますます増加する傾向に
ある。 例えば、家電業界では省工程、省コストの観点
から塗装を省略できる裸使用の可能な優れた耐食
性を有する鋼板に対する要求がある。また、自動
車業界でも近年の環境の変化、例えば、北米、北
欧での冬の道路の凍結防止のために散布する岩塩
による腐食、また、工業地帯でのSO2ガスの発生
による酸性雨による腐食など、車体は激しい腐食
環境にさらされ安全上の観点から優れた耐食性を
有する表面処理鋼板が強く要求されている。 これら問題点を解決するため種々の検討がなさ
れ、多くの製品が開発されてきた。 これまで鋼板の耐食性を向上するために亜鉛め
つきが行なわれてきた。 亜鉛めつき鋼板は、亜鉛の犠牲防食作用によつ
て鋼板の腐食を防止するものであり、耐食性を得
ようとすれば亜鉛付着量を増加しなければならな
い。このため必要亜鉛量のコストアツプ、あるい
は加工性、溶接性、生産性の低下等いくつかの問
題点がある。また、一般に亜鉛めつき鋼板は塗料
密着性が悪い。 このような亜鉛めつき鋼板の特に耐食性を改善
する方法として、各種合金めつき鋼板が開発され
てきた。これら合金めつき鋼板として、例えば
Zn−Ni系、Zn−Ni−Co系、Zn−Ni−Cr系、Zn
−Fe系、Zn−Co系、Zn−Cr系、Zn−Mn系等を
あげることができる。これら合金めつきにより、
通常の亜鉛めつき鋼板に比べ裸の耐食性は約3〜
5倍向上することが認められる。しかし、それで
も長期間屋外に放置したり、水や塩水を噴霧する
と白錆や赤錆が発生しやすいことが問題である。 これに対し、耐食性を改善するためにクロメー
ト処理を施す方法が考えられるが、上記各種合金
めつき面に十分付着量を確保でき、かつ、密着性
に優れたクロメート皮膜を得ることのできるクロ
メート処理法は皆無である。 一般に、クロメート皮膜が形成される場合、素
地(素材)からのイオンの溶出がきわめて重要
で、クロメート皮膜は溶出してきたイオンと反応
しながら形成される。したがつて、溶出イオンの
種類及び量によつて形成されたクロメート皮膜の
特性は微妙に異なる。 上記合金めつき鋼板は優れた耐食性を有する
が、これは換言するとイオンが溶出しにくいこと
を意味し、クロメート皮膜は形成されにくく付着
量を確保できない。すなわち、耐食性がよくなる
ほどクロメート処理は困難となる。 クロメート処理法には大別して電解型クロメー
ト、塗布型クロメート、反応型クロメート法があ
るが、いずれの場合も多かれ少なかれ同じことが
言える。 また、最近の傾向として耐食性を更に改善する
ために、亜鉛系めつき鋼板にクロメート処理し各
種樹脂を塗布した、いわゆる簡易プレコート鋼板
(以下有機複合鋼板と呼ぶ)が開発され一部市販
されている。 こうした有機複合鋼板の下地用として用いるク
ロメート皮膜は同然のことながら有機樹脂との密
着性が優れていなければならない。 また、これらは車体防錆鋼板などに使用される
場合には過酷な加工を受けるため、クロメート皮
膜は素地及び有機樹脂との密着性に優れていると
ともに皮膜自身加工に耐えうる強固な皮膜でなけ
ればならない。 各種めつき鋼板に対するクロメート処理も、す
でに公知のものが多く、種々のクロメート処理法
が開発され、プロパー化されている。 例えばクロム酸を主成分とし、他に硫酸を添加
したもの(特公昭39−7461号公報)、リン酸を添
加したもの(特公昭30−3514号公報、特公昭35−
8917号公報、特公昭36−9559号公報、特公昭36−
9560号公報)、ホウ酸を添加したもの(米国特許
第2733199号、同第2780592号)、ハロゲン(Cl-、
F-)を添加したもの(特公昭39−14363号公報)
等、各種陰イオンを添加した浴を用いて、鋼板を
陰極電解処理することが行なわれてきた。 〔発明が解決しようとする課題〕 所が、耐食性の優れた合金や、各種金属に容易
に処理でき、十分付着量を確保することができ、
素材及び有機皮膜と密着性に優れ、かつ、過酷な
加工に耐えうるクロメート処理は皆無である。そ
の多くは、耐食性の優れた合金や、各種金属に処
理することが困難であり、また、耐食性に優れた
ものは塗料密着性に劣り、逆に塗料密着性に優れ
たものは耐食性に劣り、かつ、過酷な加工に耐え
うるものはない。 本発明は、上記従来の技術の欠点を解決し、金
属の耐食性及び有機皮膜との密着性に優れ、か
つ、加工性に優れた皮膜を有するクロメート処理
法を提供することを目的とするものである。 〔課題を解決するための手段〕 すなわち、本発明は、クロム酸浴にカチオンと
してCu、Zn、Ni、Co、Mnのイオンを、1種あ
るいは2種以上とF-、Cl-のイオンを1種あるい
は2種含有せしめ、しかも無水クロム酸とカチオ
ンとアニオンをそれぞれ特定の濃度に抑え、か
つ、三者が特定の割合になるように調整した処理
液中で、金属を陰極として特定の電解条件で、電
解処理することにより、金属上に極く短時間のう
ちに皮膜をつくり、耐食性および有機皮膜との密
着性を著しく向上させることにより、商品価値を
著しく高めるものである。 この優れた特性は、無水クロム酸浴に上記カチ
オンのみを含有せしめた場合、あるいは上記アニ
オンのみを含有せしめた場合には得られず、ま
た、特定の電解条件からはずれても得られず、浴
組成と電解条件との組合せによつてはじめて得ら
れるものである。 この際の無水クロム酸、カチオン、アニオンの
間には次の関係がなければならないことを見いだ
した。 無水クロム酸又はクロム酸塩もしくは重クロム酸
塩を無水クロム酸に換算した濃度 =0.05〜1モル/ ……(1) 溶解しているCu++、Zn++、Ni++、Co++、Mn++
イオンのグラムイオン数 =0.01〜0.2グラムイオン/ ……(2) 溶解しているCl-、F-イオンのグラムイオン数 =0.001〜0.02グラムイオン/ ……(3) 陰極で電解処理する場合の電流密度 =0.1〜40A/dm2 ……(4) 上記(1)、(2)、(3)、(4)の条件を同時に満足する条
件で金属を陰極で電解処理した場合、生成する皮
膜は耐食性、有機皮膜との密着性が著しく向上す
ることを確認した。また、上記条件を同時に満足
する場合にはあらゆる合金及び金属の上に電気量
に応じて目的とするクロメート皮膜量を付着でき
ることがわかつた。 第1図は(2)、(3)、(4)を固定し、(1)の無水クロム
酸の濃度をかえた場合の鋼板の耐食性を、第2図
は有機皮膜との密着性を又第3図はCr付着量を
示したものである。 すなわち、Zn−Ni糸合金めつき鋼板(Ni=12
%)にCo++を2.5g/、Cl-を0.25g/とし、
陰極で電解する場合の電流密度を5A/dm2、電
気量を5C/dm2(一定)とし、CrO3の濃度を
種々かえた場合の耐食性を第1図に示し、得られ
たクロメート皮膜上にポリアクリル酸エステルの
水溶性樹脂を2μ塗布した場合の有機樹脂との密
着性を第2図に示し、また、Cr付着量の関係を
第3図に示す。 第4図は(1)、(3)、(4)を固定し、(2)のCo++イオ
ンの濃度をかえた場合の鋼板の耐食性を、第5図
は有機皮膜との密着性を、第6図はCr付着量の
関係を示したものである。 すなわち、Zn−Ni系合金めつき鋼板(Ni=12
%)にCrO3=20g/、Cl-=0.25g/とし、
陰極電解電流密度=5A/dm2、電気量=5C/d
m2(一定)とし、Co++イオンの濃度を種々かえ
た場合の耐食性を第4図に示し、得られたクロメ
ート皮膜上にポリアクリル酸エステルの水溶性樹
脂を2μ塗布した場合の有機樹脂との密着性を第
5図に示し、Cr付着量の関係を第6図に示す。 第7図は(1)、(2)、(4)を固定し、(3)のCl-イオン
の濃度をかえた場合の鋼板の耐食性を、第8図は
有機皮膜との密着性を、第9図はCr付着量の関
係を示したものである。 すなわち、Zn−Ni系合金めつき鋼板(Ni=12
%)にCrO3=20g/、Co++2.5g/とし、陰
極電解電流密度=5A/dm2、電気量=5C/dm2
(一定)とし、Cl-イオンの濃度をかえた場合の鋼
板の耐食性を第7図に示し、得られたクロメート
皮膜上にポリアクリル酸エステルの水溶性樹脂を
2μ塗布した場合の有機樹脂との密着性を第8図
に示し、また、Cr付着量の関係を第9図に示す。 第10図は(1)、(2)、(3)を固定し、陰極電解電流
密度をかえた場合の鋼板の耐食性を、第11図は
有機皮膜との密着性を、第12図はCr付着量の
関係を示したものである。 すなわち、Zn−Ni系合金めつき鋼板(Ni=12
%)にCrO3=20g/、Co++=2.5g/、Cl-
=0.25g/とし、陰極電解電流密度をかえた場
合の鋼板の耐食性を第10図に示し、得られたク
ロメート皮膜上にポリアクリル酸エステルの水溶
性樹脂を2μ塗布した場合の有機樹脂との密着性
を第11図に示し、また、Cr付着量の関係を第
12図に示す。 ここで耐食性は、JIS−Z−2371規格に準拠し
た塩水噴霧試験により(食塩水濃度5%、槽内温
度35℃、噴霧圧力20psi)600時間後の発錆状況を
示し、◎、〇、△、×、××の5段階で評価し、◎
が最良である。 ◎ :赤錆発生 0% 〇 :〃 0超〜1% △ :〃 1超〜10% × :〃 10超〜50% ××:〃 50%超 有機樹脂の密着性は陰極電解処理後ポリアクリ
ル酸エステルの水溶液を2μとなるように塗布し、
120℃で乾燥した後、塗布した試験片を30分沸騰
し、その後2mmゴバン目に皮膜をカツトしテープ
剥離し、剥離面積で評価した。 ◎ :剥離面積 0% 〇 :〃 0超〜1% △ :〃 1超〜10% × :〃 10超〜50% ××:〃 50%超 第1図から明らかなように、CrO3が0.05モ
ル/未満及び1モル/超では耐食性は低下
し、0.05〜1モル/の場合には優れた耐食性が
得られる。 第2図から明らかなように、表面に形成した有
機皮膜の密着性もCrO3が0.05〜1モル/の場
合に優れ、0.05モル/未満あるいは1モル/
超では低下する。 第3図から明らかなように、CrO3が0.05〜0.1
モル/では付着量を安定し確保できるが、0.05
モル/未満あるいは0.1モル/超ではCr付着
量は極端に低下する。 第4図から明らかなようにCo++が0.01〜0.2グ
ラムイオン/では優れた耐食性を示し、0.01グ
ラムイオン/未満あるいは0.2グラムイオン/
超では耐食性は低下する。 第5図から明らかなように有機皮膜の密着性も
Co++が0.01〜0.2グラムイオン/領域で優れ、
0.01グラムイオン/未満、0.2グラムイオン/
超では密着性は低下する。 第6図から明らかなようにCo++が0.01〜0.2グ
ラムイオン/ではCr付着量を安定して確保で
きるが、0.01グラムイオン/未満あるいは0.2
グラムイオン/超ではCr付着量は極端に低下
し、目的量を付着するが困難である。 第7図から明らかなようにCl-が0.001〜0.02グ
ラムイオン/ではきわめて優れたクロメート皮
膜が形成され、優れた耐食性を示す。0.001グラ
ムイオン/未満あるいは0.02グラムイオン/
超では耐食性は著しく低下する。 これは形成されたクロメート皮膜の構造がCl-
濃度によつて大きく異なり、Cl-が上記範囲にあ
ればCr2O3主体の皮膜が形成されるが、範囲から
はずれると金属CrやCr(OH)3・nH2O主体となる
ためである。 第8図から明らかなように有機皮膜の密着性も
Cl-が0.001〜0.02グラムイオン/の領域で優
れ、0.001グラムイオン/未満、0.02グラムイ
オン/超では密着性は著しく低下する。 第9図から明らかなようにCl-が0.001グラムイ
オン/〜0.02グラムイオン/ではCr付着量を
安定して確保できるが、0.001グラムイオン/
未満あるいは0.02グラムイオン/超ではCr付着
量は低下する。 第10図から明らかなように陰極電解を行なう
に際し、電流密度を0.1A/dm2未満あるいは
40A/dm2超にした場合、耐食性は著しく劣るの
に対し、0.1〜40A/dm2で電解処理した場合に
は優れた耐食性が得られる。 第11図から明らかなように0.1〜40A/dm2
で電解処理した場合には有機皮膜は優れた密着性
を示すが、0.1A/dm2未満あるいは40A/dm2超
の場合には密着性は劣る。 これは0.1A/dm2未満で電解処理した場合に
はCr(OH)3・nH2O主体の皮膜が形成され、
40A/dm2超で電解した場合にはCr(OH)3・
nH2O及び金属Cr主体の皮膜が形成されるのに対
し、0.1〜40A/dm2で電解した場合にはCr2O3主
体のクロメート皮膜が形成されるためである。 第12図から明らかなように0.1A/dm2未満
あるいは40A/dm2超で電解処理した場合にはCr
の析出効率は著しく低下するのに対し、0.1〜
40A/dm2で電解すると安定してCr付着量を確保
することができる。 第1図〜第12図の結果はカチオンとして
Co++を用いた結果を示したが、Co++のかわりに
Cu++、Zn++、Ni++、Mn++を用いてもほぼ同同
様の結果が得られた。また、2種以上のカチオン
を共存させても同様の結果が得られた。 また、アニオンとしてCl-を用いた結果を示し
たが、Cl-のかわりにF-を用いても、あるいは両
者を共存させてもほぼ同様の結果が得られた。 (実施例参照) 以上の結果から本発明では 無水クロム酸、カチオン、アニオンの共存する
浴で電解クロメート処理を行なうに際し、 無水クロム酸、又は、クロム酸塩、もしくは、重
クロム酸塩を無水クロム酸に換算した濃度 =0.05〜1モル/ 溶解しているCu++、Zn++、Ni++、Co++、
Mn++の1種あるいは2種以上のイオンのグラム
イオン数 =0.01〜0.2グラムイオン/ 溶解しているCl-、F-イオンの1種あるいは2
種のイオンのグラムイオン数 =0.001〜0.02グラムイオン/となるようにし、
かつ、陰極で電解処理する場合の電流密度 =0.1〜40A/dm2 で処理するものである。 また、本結果はZn−Ni系合金めつき鋼板に実
施した例について示したが、本処理はあらゆる金
属、あらゆる合金にクロメート皮膜を形成するこ
とが可能で、かつ、電気量によつてCr付着量を
自由にコントロールすることができる。 従来のクロメートが素地から溶出してくるイオ
ンとの反応によつて皮膜が形成されるのに対し、
本処理の場合は素地からのイオンの溶出に無関係
に皮膜が形成されるという特徴を有し、従来のク
ロメート処理とは本質的に異なる。 また、本処理によつて得られたクロメート皮膜
は優れた耐食性を有するとともに、有機樹脂との
密着性に優れている。本結果では例としてポリア
クリル酸エステルについて示したが、オレフイ
ン/アクリル酸共重合体樹脂、ポリメタクリル酸
及びその共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステ
ル及びその共重合体樹脂、ポリアクリル酸及びそ
の共重合体樹脂、ポリアクリル酸エステル及びそ
の共重合体樹脂等の水系樹脂分散体や、エポキシ
樹脂、メラミン樹脂をはじめとする各種溶剤系樹
脂等いずれの有機樹脂とも優れた密着性が確保さ
れる。したがつて、前述した有機複合鋼板の有機
樹脂の下地用クロメートとして最適である。 一方、有機樹脂との密着性が優れていることか
ら、本クロメート皮膜にED塗装したり、あるい
はスプレー塗装した場合の塗膜との密着性に優れ
ていることから、塗装鋼板の下地用としても最適
である。 以下本発明の実施例を比較例と共に示す。 実施例 1 Zn−Ni系合金めつき鋼板(Ni=11.2%)に次
の条件で陰極電解処理した。 CrO3 30g/ Co++ 2.5g/ Cl- 0.25g/ 電解条件:電流密度 5A/dm2 電解時間 1秒 実施例 2 Zn−Fe系合金めつき鋼板(Fe=40%)に次の
条件で陰極電解処理した。 CrO3 20g/ Zn++ 2.0g/ Cl- 0.2g/ 電解条件:電流密度 2A/dm2 電解時間 2.5秒 実施例 3 Zn−Al系合金めつき鋼板(Al=12%)に次の
条件で陰極電解処理した。 CrO3 40g/ Ni++ 2.7g/ Cl- 0.3g/ 電解条件:電流密度 10A/dm2 電解時間 0.5秒 実施例 4 Zn−Cr系合金めつき鋼板(Cr=12%)に次の
条件で陰極電解処理した。 CrO3 10g/ Mn++ 3.5g/ Cl- 0.15g/ 電解条件:電流密度 3A/dm2 電解時間 1.7秒 実施例 5 Zn−Mn系合金めつき鋼板(Mn=56%)に次
の条件で陰極電解処理した。 CrO3 50g/ Cu++ 2.5g/ F- 0.15g/ 電解条件:電流密度 10A/dm2 電解時間 0.7秒 実施例 6 Zn−Ni−Co系合金めつき鋼板(Ni=10.5%、
Co=0.5%)を次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 40g/ Co++ 4.0g/ Cl- 0.2g/ 電解条件:電流密度 15A/dm2 電解時間 0.8秒 実施例 7 Zn−Ni−Cr系合金めつき鋼板(Ni=10.8%、
Cr=1.5%)を次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 15g/ Co++ 2.0g/ Cl- 0.15g/ 電解条件:電流密度 7.5A/dm2 電解時間 0.6秒 実施例 8 Cu板に次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 27.5g/ Co++ 2.5g/ Cl- 0.25g/ 電解条件:電流密度 10.5A/dm2 電解時間 0.5秒 実施例 9 Snめつき鋼板に次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 25.5g/ Co++ 3.0g/ Cl- 0.15g/ 電解条件:電流密度 5.0A/dm2 電解時間 0.8秒 実施例 10 Niめつき鋼板に次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 35.0g/ Co++ 2.0g/ Cl- 0.35g/ 電解条件:電流密度 15.5A/dm2 電解時間 0.2秒 実施例 11 Ti板に次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 35.0g/ Co++ 3.0g/ Cl- 0.40g/ 電解条件:電流密度 8.0A/dm2 電解時間 0.3秒 実施例 12 Al板に次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 25.0g/ Co++ 3.0g/ Cl- 0.20g/ 電解条件:電流密度 12.5A/dm2 電解時間 0.25秒 実施例 13 SUS304ステンレス鋼板に次の条件で陰極電解
処理した。 CrO3 22.0g/ Co++ 3.0g/ Cl- 0.40g/ 電解条件:電流密度 10.5A/dm2 電解時間 0.35秒 実施例 14 SUS316ステンレス鋼板に次の条件で陰極電解
処理した。 CrO3 30.0g/ Co++ 3.0g/ Cl- 0.20g/ 電解条件:電流密度 7.5A/dm2 電解時間 0.45秒 比較例 1 Zn−Ni系合金めつき鋼板(Ni=11.8%)を次
の条件で陰極電解処理した。 CrO3 50g/ H2SO4 0.25g/ 電解条件:電流密度 50A/dm2 電解時間 2秒 比較例 2 Zn−Ni−Co系合金めつき鋼板(Ni=11.5%、
Co=0.5%)を次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 40g/ H2SO4 0.2g/ 電解条件:電流密度 60A/dm2 電解時間 1.5秒 比較例 3 SUS304ステンレス鋼板に次の条件で陰極電解
処理した。 CrO3 40.0g/ H2SO4 0.3g/ 電解条件:電流密度 50.0A/dm2 電解時間 2.0秒 比較例 4 Cu板に次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 40.0g/ H2SO4 0.3g/ 電解条件:電流密度 50.0A/dm2 電解時間 2.0秒 第1表に各実施例及び比較例の塩水噴霧試験に
よる耐食性及びCr付着量を示し、第2表はオレ
フイン/アクリル酸共重合体樹脂を2μ塗布した
場合の樹脂の密着性を示す。塩水噴霧試験法及び
評価法は第1図、第4図、第7図、第10図と同
じ方式である。樹脂の密着性の評価法は第2図、
第5図、第8図、第11図と同じ方式である。 第1表から明らかなように、各種金属、合金及
び合金めつき鋼板に本発明を実施した場合、耐食
性はSST 600hでほとんど変化なく、1200hで一
部にわずかに赤錆が発生するものがある程度であ
る。これに対し公知のクロメート浴で処理した場
合比較例1、2では、SST 400h後ですでに白錆
が70%前後発生し、600hで赤錆がかなり認めら
れた。また、比較例3、4から明らかなように公
知のクロメート浴で処理した場合、一般の金属や
合金にはクロメート皮膜はほとんど形成されな
い。 一方、第2表から明らかなように本発明を実施
した場合、有機樹脂との密着性は極めて優れてい
るが、公知のクロメート浴で処理した場合比較例
1、2、3、4では、剥離の形跡が認められる。
り、特に金属の耐食性及び塗料密着性の向上をは
かることを目的とするものである。 本処理方法によつて得られた表面処理鋼板は優
れた耐食性及び塗料密着性を有することから各種
家電用、建材用、自動車用の耐食性素材として使
用することができる。 〔従来の技術〕 周知のごとく、電気亜鉛めつき鋼板や溶融めつ
き鋼板、あるいは各種合金めつき鋼板が自動車、
家電、建材などに広く使用されている。 こうした中で、近年、特に耐食性に優れた表面
処理鋼板に対する要求がますます強くなり、この
ような鋼板の需要は今後ますます増加する傾向に
ある。 例えば、家電業界では省工程、省コストの観点
から塗装を省略できる裸使用の可能な優れた耐食
性を有する鋼板に対する要求がある。また、自動
車業界でも近年の環境の変化、例えば、北米、北
欧での冬の道路の凍結防止のために散布する岩塩
による腐食、また、工業地帯でのSO2ガスの発生
による酸性雨による腐食など、車体は激しい腐食
環境にさらされ安全上の観点から優れた耐食性を
有する表面処理鋼板が強く要求されている。 これら問題点を解決するため種々の検討がなさ
れ、多くの製品が開発されてきた。 これまで鋼板の耐食性を向上するために亜鉛め
つきが行なわれてきた。 亜鉛めつき鋼板は、亜鉛の犠牲防食作用によつ
て鋼板の腐食を防止するものであり、耐食性を得
ようとすれば亜鉛付着量を増加しなければならな
い。このため必要亜鉛量のコストアツプ、あるい
は加工性、溶接性、生産性の低下等いくつかの問
題点がある。また、一般に亜鉛めつき鋼板は塗料
密着性が悪い。 このような亜鉛めつき鋼板の特に耐食性を改善
する方法として、各種合金めつき鋼板が開発され
てきた。これら合金めつき鋼板として、例えば
Zn−Ni系、Zn−Ni−Co系、Zn−Ni−Cr系、Zn
−Fe系、Zn−Co系、Zn−Cr系、Zn−Mn系等を
あげることができる。これら合金めつきにより、
通常の亜鉛めつき鋼板に比べ裸の耐食性は約3〜
5倍向上することが認められる。しかし、それで
も長期間屋外に放置したり、水や塩水を噴霧する
と白錆や赤錆が発生しやすいことが問題である。 これに対し、耐食性を改善するためにクロメー
ト処理を施す方法が考えられるが、上記各種合金
めつき面に十分付着量を確保でき、かつ、密着性
に優れたクロメート皮膜を得ることのできるクロ
メート処理法は皆無である。 一般に、クロメート皮膜が形成される場合、素
地(素材)からのイオンの溶出がきわめて重要
で、クロメート皮膜は溶出してきたイオンと反応
しながら形成される。したがつて、溶出イオンの
種類及び量によつて形成されたクロメート皮膜の
特性は微妙に異なる。 上記合金めつき鋼板は優れた耐食性を有する
が、これは換言するとイオンが溶出しにくいこと
を意味し、クロメート皮膜は形成されにくく付着
量を確保できない。すなわち、耐食性がよくなる
ほどクロメート処理は困難となる。 クロメート処理法には大別して電解型クロメー
ト、塗布型クロメート、反応型クロメート法があ
るが、いずれの場合も多かれ少なかれ同じことが
言える。 また、最近の傾向として耐食性を更に改善する
ために、亜鉛系めつき鋼板にクロメート処理し各
種樹脂を塗布した、いわゆる簡易プレコート鋼板
(以下有機複合鋼板と呼ぶ)が開発され一部市販
されている。 こうした有機複合鋼板の下地用として用いるク
ロメート皮膜は同然のことながら有機樹脂との密
着性が優れていなければならない。 また、これらは車体防錆鋼板などに使用される
場合には過酷な加工を受けるため、クロメート皮
膜は素地及び有機樹脂との密着性に優れていると
ともに皮膜自身加工に耐えうる強固な皮膜でなけ
ればならない。 各種めつき鋼板に対するクロメート処理も、す
でに公知のものが多く、種々のクロメート処理法
が開発され、プロパー化されている。 例えばクロム酸を主成分とし、他に硫酸を添加
したもの(特公昭39−7461号公報)、リン酸を添
加したもの(特公昭30−3514号公報、特公昭35−
8917号公報、特公昭36−9559号公報、特公昭36−
9560号公報)、ホウ酸を添加したもの(米国特許
第2733199号、同第2780592号)、ハロゲン(Cl-、
F-)を添加したもの(特公昭39−14363号公報)
等、各種陰イオンを添加した浴を用いて、鋼板を
陰極電解処理することが行なわれてきた。 〔発明が解決しようとする課題〕 所が、耐食性の優れた合金や、各種金属に容易
に処理でき、十分付着量を確保することができ、
素材及び有機皮膜と密着性に優れ、かつ、過酷な
加工に耐えうるクロメート処理は皆無である。そ
の多くは、耐食性の優れた合金や、各種金属に処
理することが困難であり、また、耐食性に優れた
ものは塗料密着性に劣り、逆に塗料密着性に優れ
たものは耐食性に劣り、かつ、過酷な加工に耐え
うるものはない。 本発明は、上記従来の技術の欠点を解決し、金
属の耐食性及び有機皮膜との密着性に優れ、か
つ、加工性に優れた皮膜を有するクロメート処理
法を提供することを目的とするものである。 〔課題を解決するための手段〕 すなわち、本発明は、クロム酸浴にカチオンと
してCu、Zn、Ni、Co、Mnのイオンを、1種あ
るいは2種以上とF-、Cl-のイオンを1種あるい
は2種含有せしめ、しかも無水クロム酸とカチオ
ンとアニオンをそれぞれ特定の濃度に抑え、か
つ、三者が特定の割合になるように調整した処理
液中で、金属を陰極として特定の電解条件で、電
解処理することにより、金属上に極く短時間のう
ちに皮膜をつくり、耐食性および有機皮膜との密
着性を著しく向上させることにより、商品価値を
著しく高めるものである。 この優れた特性は、無水クロム酸浴に上記カチ
オンのみを含有せしめた場合、あるいは上記アニ
オンのみを含有せしめた場合には得られず、ま
た、特定の電解条件からはずれても得られず、浴
組成と電解条件との組合せによつてはじめて得ら
れるものである。 この際の無水クロム酸、カチオン、アニオンの
間には次の関係がなければならないことを見いだ
した。 無水クロム酸又はクロム酸塩もしくは重クロム酸
塩を無水クロム酸に換算した濃度 =0.05〜1モル/ ……(1) 溶解しているCu++、Zn++、Ni++、Co++、Mn++
イオンのグラムイオン数 =0.01〜0.2グラムイオン/ ……(2) 溶解しているCl-、F-イオンのグラムイオン数 =0.001〜0.02グラムイオン/ ……(3) 陰極で電解処理する場合の電流密度 =0.1〜40A/dm2 ……(4) 上記(1)、(2)、(3)、(4)の条件を同時に満足する条
件で金属を陰極で電解処理した場合、生成する皮
膜は耐食性、有機皮膜との密着性が著しく向上す
ることを確認した。また、上記条件を同時に満足
する場合にはあらゆる合金及び金属の上に電気量
に応じて目的とするクロメート皮膜量を付着でき
ることがわかつた。 第1図は(2)、(3)、(4)を固定し、(1)の無水クロム
酸の濃度をかえた場合の鋼板の耐食性を、第2図
は有機皮膜との密着性を又第3図はCr付着量を
示したものである。 すなわち、Zn−Ni糸合金めつき鋼板(Ni=12
%)にCo++を2.5g/、Cl-を0.25g/とし、
陰極で電解する場合の電流密度を5A/dm2、電
気量を5C/dm2(一定)とし、CrO3の濃度を
種々かえた場合の耐食性を第1図に示し、得られ
たクロメート皮膜上にポリアクリル酸エステルの
水溶性樹脂を2μ塗布した場合の有機樹脂との密
着性を第2図に示し、また、Cr付着量の関係を
第3図に示す。 第4図は(1)、(3)、(4)を固定し、(2)のCo++イオ
ンの濃度をかえた場合の鋼板の耐食性を、第5図
は有機皮膜との密着性を、第6図はCr付着量の
関係を示したものである。 すなわち、Zn−Ni系合金めつき鋼板(Ni=12
%)にCrO3=20g/、Cl-=0.25g/とし、
陰極電解電流密度=5A/dm2、電気量=5C/d
m2(一定)とし、Co++イオンの濃度を種々かえ
た場合の耐食性を第4図に示し、得られたクロメ
ート皮膜上にポリアクリル酸エステルの水溶性樹
脂を2μ塗布した場合の有機樹脂との密着性を第
5図に示し、Cr付着量の関係を第6図に示す。 第7図は(1)、(2)、(4)を固定し、(3)のCl-イオン
の濃度をかえた場合の鋼板の耐食性を、第8図は
有機皮膜との密着性を、第9図はCr付着量の関
係を示したものである。 すなわち、Zn−Ni系合金めつき鋼板(Ni=12
%)にCrO3=20g/、Co++2.5g/とし、陰
極電解電流密度=5A/dm2、電気量=5C/dm2
(一定)とし、Cl-イオンの濃度をかえた場合の鋼
板の耐食性を第7図に示し、得られたクロメート
皮膜上にポリアクリル酸エステルの水溶性樹脂を
2μ塗布した場合の有機樹脂との密着性を第8図
に示し、また、Cr付着量の関係を第9図に示す。 第10図は(1)、(2)、(3)を固定し、陰極電解電流
密度をかえた場合の鋼板の耐食性を、第11図は
有機皮膜との密着性を、第12図はCr付着量の
関係を示したものである。 すなわち、Zn−Ni系合金めつき鋼板(Ni=12
%)にCrO3=20g/、Co++=2.5g/、Cl-
=0.25g/とし、陰極電解電流密度をかえた場
合の鋼板の耐食性を第10図に示し、得られたク
ロメート皮膜上にポリアクリル酸エステルの水溶
性樹脂を2μ塗布した場合の有機樹脂との密着性
を第11図に示し、また、Cr付着量の関係を第
12図に示す。 ここで耐食性は、JIS−Z−2371規格に準拠し
た塩水噴霧試験により(食塩水濃度5%、槽内温
度35℃、噴霧圧力20psi)600時間後の発錆状況を
示し、◎、〇、△、×、××の5段階で評価し、◎
が最良である。 ◎ :赤錆発生 0% 〇 :〃 0超〜1% △ :〃 1超〜10% × :〃 10超〜50% ××:〃 50%超 有機樹脂の密着性は陰極電解処理後ポリアクリ
ル酸エステルの水溶液を2μとなるように塗布し、
120℃で乾燥した後、塗布した試験片を30分沸騰
し、その後2mmゴバン目に皮膜をカツトしテープ
剥離し、剥離面積で評価した。 ◎ :剥離面積 0% 〇 :〃 0超〜1% △ :〃 1超〜10% × :〃 10超〜50% ××:〃 50%超 第1図から明らかなように、CrO3が0.05モ
ル/未満及び1モル/超では耐食性は低下
し、0.05〜1モル/の場合には優れた耐食性が
得られる。 第2図から明らかなように、表面に形成した有
機皮膜の密着性もCrO3が0.05〜1モル/の場
合に優れ、0.05モル/未満あるいは1モル/
超では低下する。 第3図から明らかなように、CrO3が0.05〜0.1
モル/では付着量を安定し確保できるが、0.05
モル/未満あるいは0.1モル/超ではCr付着
量は極端に低下する。 第4図から明らかなようにCo++が0.01〜0.2グ
ラムイオン/では優れた耐食性を示し、0.01グ
ラムイオン/未満あるいは0.2グラムイオン/
超では耐食性は低下する。 第5図から明らかなように有機皮膜の密着性も
Co++が0.01〜0.2グラムイオン/領域で優れ、
0.01グラムイオン/未満、0.2グラムイオン/
超では密着性は低下する。 第6図から明らかなようにCo++が0.01〜0.2グ
ラムイオン/ではCr付着量を安定して確保で
きるが、0.01グラムイオン/未満あるいは0.2
グラムイオン/超ではCr付着量は極端に低下
し、目的量を付着するが困難である。 第7図から明らかなようにCl-が0.001〜0.02グ
ラムイオン/ではきわめて優れたクロメート皮
膜が形成され、優れた耐食性を示す。0.001グラ
ムイオン/未満あるいは0.02グラムイオン/
超では耐食性は著しく低下する。 これは形成されたクロメート皮膜の構造がCl-
濃度によつて大きく異なり、Cl-が上記範囲にあ
ればCr2O3主体の皮膜が形成されるが、範囲から
はずれると金属CrやCr(OH)3・nH2O主体となる
ためである。 第8図から明らかなように有機皮膜の密着性も
Cl-が0.001〜0.02グラムイオン/の領域で優
れ、0.001グラムイオン/未満、0.02グラムイ
オン/超では密着性は著しく低下する。 第9図から明らかなようにCl-が0.001グラムイ
オン/〜0.02グラムイオン/ではCr付着量を
安定して確保できるが、0.001グラムイオン/
未満あるいは0.02グラムイオン/超ではCr付着
量は低下する。 第10図から明らかなように陰極電解を行なう
に際し、電流密度を0.1A/dm2未満あるいは
40A/dm2超にした場合、耐食性は著しく劣るの
に対し、0.1〜40A/dm2で電解処理した場合に
は優れた耐食性が得られる。 第11図から明らかなように0.1〜40A/dm2
で電解処理した場合には有機皮膜は優れた密着性
を示すが、0.1A/dm2未満あるいは40A/dm2超
の場合には密着性は劣る。 これは0.1A/dm2未満で電解処理した場合に
はCr(OH)3・nH2O主体の皮膜が形成され、
40A/dm2超で電解した場合にはCr(OH)3・
nH2O及び金属Cr主体の皮膜が形成されるのに対
し、0.1〜40A/dm2で電解した場合にはCr2O3主
体のクロメート皮膜が形成されるためである。 第12図から明らかなように0.1A/dm2未満
あるいは40A/dm2超で電解処理した場合にはCr
の析出効率は著しく低下するのに対し、0.1〜
40A/dm2で電解すると安定してCr付着量を確保
することができる。 第1図〜第12図の結果はカチオンとして
Co++を用いた結果を示したが、Co++のかわりに
Cu++、Zn++、Ni++、Mn++を用いてもほぼ同同
様の結果が得られた。また、2種以上のカチオン
を共存させても同様の結果が得られた。 また、アニオンとしてCl-を用いた結果を示し
たが、Cl-のかわりにF-を用いても、あるいは両
者を共存させてもほぼ同様の結果が得られた。 (実施例参照) 以上の結果から本発明では 無水クロム酸、カチオン、アニオンの共存する
浴で電解クロメート処理を行なうに際し、 無水クロム酸、又は、クロム酸塩、もしくは、重
クロム酸塩を無水クロム酸に換算した濃度 =0.05〜1モル/ 溶解しているCu++、Zn++、Ni++、Co++、
Mn++の1種あるいは2種以上のイオンのグラム
イオン数 =0.01〜0.2グラムイオン/ 溶解しているCl-、F-イオンの1種あるいは2
種のイオンのグラムイオン数 =0.001〜0.02グラムイオン/となるようにし、
かつ、陰極で電解処理する場合の電流密度 =0.1〜40A/dm2 で処理するものである。 また、本結果はZn−Ni系合金めつき鋼板に実
施した例について示したが、本処理はあらゆる金
属、あらゆる合金にクロメート皮膜を形成するこ
とが可能で、かつ、電気量によつてCr付着量を
自由にコントロールすることができる。 従来のクロメートが素地から溶出してくるイオ
ンとの反応によつて皮膜が形成されるのに対し、
本処理の場合は素地からのイオンの溶出に無関係
に皮膜が形成されるという特徴を有し、従来のク
ロメート処理とは本質的に異なる。 また、本処理によつて得られたクロメート皮膜
は優れた耐食性を有するとともに、有機樹脂との
密着性に優れている。本結果では例としてポリア
クリル酸エステルについて示したが、オレフイ
ン/アクリル酸共重合体樹脂、ポリメタクリル酸
及びその共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステ
ル及びその共重合体樹脂、ポリアクリル酸及びそ
の共重合体樹脂、ポリアクリル酸エステル及びそ
の共重合体樹脂等の水系樹脂分散体や、エポキシ
樹脂、メラミン樹脂をはじめとする各種溶剤系樹
脂等いずれの有機樹脂とも優れた密着性が確保さ
れる。したがつて、前述した有機複合鋼板の有機
樹脂の下地用クロメートとして最適である。 一方、有機樹脂との密着性が優れていることか
ら、本クロメート皮膜にED塗装したり、あるい
はスプレー塗装した場合の塗膜との密着性に優れ
ていることから、塗装鋼板の下地用としても最適
である。 以下本発明の実施例を比較例と共に示す。 実施例 1 Zn−Ni系合金めつき鋼板(Ni=11.2%)に次
の条件で陰極電解処理した。 CrO3 30g/ Co++ 2.5g/ Cl- 0.25g/ 電解条件:電流密度 5A/dm2 電解時間 1秒 実施例 2 Zn−Fe系合金めつき鋼板(Fe=40%)に次の
条件で陰極電解処理した。 CrO3 20g/ Zn++ 2.0g/ Cl- 0.2g/ 電解条件:電流密度 2A/dm2 電解時間 2.5秒 実施例 3 Zn−Al系合金めつき鋼板(Al=12%)に次の
条件で陰極電解処理した。 CrO3 40g/ Ni++ 2.7g/ Cl- 0.3g/ 電解条件:電流密度 10A/dm2 電解時間 0.5秒 実施例 4 Zn−Cr系合金めつき鋼板(Cr=12%)に次の
条件で陰極電解処理した。 CrO3 10g/ Mn++ 3.5g/ Cl- 0.15g/ 電解条件:電流密度 3A/dm2 電解時間 1.7秒 実施例 5 Zn−Mn系合金めつき鋼板(Mn=56%)に次
の条件で陰極電解処理した。 CrO3 50g/ Cu++ 2.5g/ F- 0.15g/ 電解条件:電流密度 10A/dm2 電解時間 0.7秒 実施例 6 Zn−Ni−Co系合金めつき鋼板(Ni=10.5%、
Co=0.5%)を次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 40g/ Co++ 4.0g/ Cl- 0.2g/ 電解条件:電流密度 15A/dm2 電解時間 0.8秒 実施例 7 Zn−Ni−Cr系合金めつき鋼板(Ni=10.8%、
Cr=1.5%)を次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 15g/ Co++ 2.0g/ Cl- 0.15g/ 電解条件:電流密度 7.5A/dm2 電解時間 0.6秒 実施例 8 Cu板に次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 27.5g/ Co++ 2.5g/ Cl- 0.25g/ 電解条件:電流密度 10.5A/dm2 電解時間 0.5秒 実施例 9 Snめつき鋼板に次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 25.5g/ Co++ 3.0g/ Cl- 0.15g/ 電解条件:電流密度 5.0A/dm2 電解時間 0.8秒 実施例 10 Niめつき鋼板に次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 35.0g/ Co++ 2.0g/ Cl- 0.35g/ 電解条件:電流密度 15.5A/dm2 電解時間 0.2秒 実施例 11 Ti板に次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 35.0g/ Co++ 3.0g/ Cl- 0.40g/ 電解条件:電流密度 8.0A/dm2 電解時間 0.3秒 実施例 12 Al板に次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 25.0g/ Co++ 3.0g/ Cl- 0.20g/ 電解条件:電流密度 12.5A/dm2 電解時間 0.25秒 実施例 13 SUS304ステンレス鋼板に次の条件で陰極電解
処理した。 CrO3 22.0g/ Co++ 3.0g/ Cl- 0.40g/ 電解条件:電流密度 10.5A/dm2 電解時間 0.35秒 実施例 14 SUS316ステンレス鋼板に次の条件で陰極電解
処理した。 CrO3 30.0g/ Co++ 3.0g/ Cl- 0.20g/ 電解条件:電流密度 7.5A/dm2 電解時間 0.45秒 比較例 1 Zn−Ni系合金めつき鋼板(Ni=11.8%)を次
の条件で陰極電解処理した。 CrO3 50g/ H2SO4 0.25g/ 電解条件:電流密度 50A/dm2 電解時間 2秒 比較例 2 Zn−Ni−Co系合金めつき鋼板(Ni=11.5%、
Co=0.5%)を次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 40g/ H2SO4 0.2g/ 電解条件:電流密度 60A/dm2 電解時間 1.5秒 比較例 3 SUS304ステンレス鋼板に次の条件で陰極電解
処理した。 CrO3 40.0g/ H2SO4 0.3g/ 電解条件:電流密度 50.0A/dm2 電解時間 2.0秒 比較例 4 Cu板に次の条件で陰極電解処理した。 CrO3 40.0g/ H2SO4 0.3g/ 電解条件:電流密度 50.0A/dm2 電解時間 2.0秒 第1表に各実施例及び比較例の塩水噴霧試験に
よる耐食性及びCr付着量を示し、第2表はオレ
フイン/アクリル酸共重合体樹脂を2μ塗布した
場合の樹脂の密着性を示す。塩水噴霧試験法及び
評価法は第1図、第4図、第7図、第10図と同
じ方式である。樹脂の密着性の評価法は第2図、
第5図、第8図、第11図と同じ方式である。 第1表から明らかなように、各種金属、合金及
び合金めつき鋼板に本発明を実施した場合、耐食
性はSST 600hでほとんど変化なく、1200hで一
部にわずかに赤錆が発生するものがある程度であ
る。これに対し公知のクロメート浴で処理した場
合比較例1、2では、SST 400h後ですでに白錆
が70%前後発生し、600hで赤錆がかなり認めら
れた。また、比較例3、4から明らかなように公
知のクロメート浴で処理した場合、一般の金属や
合金にはクロメート皮膜はほとんど形成されな
い。 一方、第2表から明らかなように本発明を実施
した場合、有機樹脂との密着性は極めて優れてい
るが、公知のクロメート浴で処理した場合比較例
1、2、3、4では、剥離の形跡が認められる。
【表】
【表】
【表】
【表】
<発明の効果>
従来、公知のクロメート処理には、各種金属や
合金に処理して目的量のクロメートを安定して確
保し、耐食性と有機樹脂との密着性を十分満足す
るものは存在しなかつた。これに対し、無水クロ
ム酸、特殊なアニオン、カチオンをそれぞれ特定
の濃度範囲にコントロールし、かつ、特定の条件
で陰極電解処理することにより、これらの相乗効
果によつて、きわめ優れた耐食性と有機樹脂との
密着性に優れた皮膜が形成され、本発明を適用す
ることにより、その経済的効果はきわめて大なる
ものである。
合金に処理して目的量のクロメートを安定して確
保し、耐食性と有機樹脂との密着性を十分満足す
るものは存在しなかつた。これに対し、無水クロ
ム酸、特殊なアニオン、カチオンをそれぞれ特定
の濃度範囲にコントロールし、かつ、特定の条件
で陰極電解処理することにより、これらの相乗効
果によつて、きわめ優れた耐食性と有機樹脂との
密着性に優れた皮膜が形成され、本発明を適用す
ることにより、その経済的効果はきわめて大なる
ものである。
第1図〜第3図はCo++イオン濃度、Cl-イオン
濃度、電流密度を固定し、無水クロム酸の濃度を
かえた場合の耐食性、有機皮膜との密着性、Cr
付着量の関係を示したものである。第4図〜第6
図は無水クロム酸濃度、Cl-イオン濃度、電流密
度を固定し、Co++イオンの濃度をかえた場合の
耐食性、有機皮膜との密着性、Cr付着量の関係
を示したものである。第7図〜第9図は無水クロ
ム酸濃度、Co++イオン濃度、電流密度を固定し
Cl-イオンの濃度をかえた場合の耐食性、有機皮
膜との密着性、Cr付着量の関係を示したもので
ある。第10図〜第12図は無水クロム酸濃度、
Co++イオン濃度、Cl-イオン濃度、を固定し、電
流密度をかえた場合の耐食性、有機皮膜との密着
性、Cr付着量の関係を示したものである。
濃度、電流密度を固定し、無水クロム酸の濃度を
かえた場合の耐食性、有機皮膜との密着性、Cr
付着量の関係を示したものである。第4図〜第6
図は無水クロム酸濃度、Cl-イオン濃度、電流密
度を固定し、Co++イオンの濃度をかえた場合の
耐食性、有機皮膜との密着性、Cr付着量の関係
を示したものである。第7図〜第9図は無水クロ
ム酸濃度、Co++イオン濃度、電流密度を固定し
Cl-イオンの濃度をかえた場合の耐食性、有機皮
膜との密着性、Cr付着量の関係を示したもので
ある。第10図〜第12図は無水クロム酸濃度、
Co++イオン濃度、Cl-イオン濃度、を固定し、電
流密度をかえた場合の耐食性、有機皮膜との密着
性、Cr付着量の関係を示したものである。
Claims (1)
- 1 無水クロム酸又はクロム酸塩もしくは重クロ
ム酸塩を、無水クロム酸に換算して、0.05モル/
〜1モル/含む浴に、Cu++、Zn++、Ni++、
Co++、Mn++のイオンの1種または2種以上を
0.01グラムイオン/〜0.2グラムイオン/含
有せしめ、さらにCl-、F-イオンの1種または2
種を0.001グラムイオン/〜0.02グラムイオ
ン/含有せしめた浴で、0.1A/dm2〜40A/d
m2の電流密度で陰極電解処理することを特徴とす
る金属の表面処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20300888A JPH0254797A (ja) | 1988-08-15 | 1988-08-15 | 金属の表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20300888A JPH0254797A (ja) | 1988-08-15 | 1988-08-15 | 金属の表面処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0254797A JPH0254797A (ja) | 1990-02-23 |
| JPH057477B2 true JPH057477B2 (ja) | 1993-01-28 |
Family
ID=16466806
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20300888A Granted JPH0254797A (ja) | 1988-08-15 | 1988-08-15 | 金属の表面処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0254797A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5474120A (en) * | 1991-10-15 | 1995-12-12 | Sundstrand Corporation | Two-channel cooling for providing back-up cooling capability |
| US5249741A (en) * | 1992-05-04 | 1993-10-05 | International Business Machines Corporation | Automatic fan speed control |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE2528490C2 (de) * | 1975-06-26 | 1983-04-28 | Henkel KGaA, 4000 Düsseldorf | Verfahren zur Herstellung saurer Protease |
-
1988
- 1988-08-15 JP JP20300888A patent/JPH0254797A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0254797A (ja) | 1990-02-23 |
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