JPH0610086B2 - チタン酸ビスマス微粒子の製造方法 - Google Patents

チタン酸ビスマス微粒子の製造方法

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JPH0610086B2 JP8957885A JP8957885A JPH0610086B2 JP H0610086 B2 JPH0610086 B2 JP H0610086B2 JP 8957885 A JP8957885 A JP 8957885A JP 8957885 A JP8957885 A JP 8957885A JP H0610086 B2 JPH0610086 B2 JP H0610086B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、コンデンサ等の電子部品等に用いられる強誘
電体材料であるチタン酸ビスマス微粒子の製造方法に関
する。
〔発明の概要〕
本発明は、強誘電体材料であるチタン酸ビスマス微粒子
を合成するにあたり、この合成をpH14.1〜14.8
5の水溶液中で150℃以上の温度条件で行い、熱処理
を施すことなく、粒子サイズが微小かつ均一なチタン酸
ビスマス微粒子を湿式合成し得るようにしたものであ
る。
〔従来の技術〕
近年、電子部品の小型化や高密度実装が急速に進んでい
る。これに伴って、その主要部品のひとつであるコンデ
ンサについても他の電子部品と同様に小型化及び軽量化
を図り、さらに大容量化及び耐高周波特性の向上を図る
ことが要望されている。
したがって、上記コンデンサ、例えばセラミックコンデ
ンサにおいて、上述の要望を満足させるためには、セラ
ミック層の厚みを薄くかつ均一にする必要があり、セラ
ミックコンデンサの材料である強誘電体材料には、その
微粒子化が強く望まれている。また、この微粒子化は、
電歪材料、圧電材料、透明セラミック材料等の原料とし
ても、焼結性や温度特性等を改善する上で強く期待され
ている。
これら要望に応えるために、さまざまな研究機関におい
て、強誘電体材料の微粒子を得るための研究が種々の角
度から行われており、数々の優れた特性を有するチタン
酸ビスマスBi4(TiO43が注目を集めている。
従来、このチタン酸ビスマスの微粒子を製造する方法と
しては、酸化ビスマスBi23と酸化チタンTiO2
をボールミル中で粉砕混合し、高温中で固相反応させた
後、ボールミル等を使用して微粉砕し、篩分けるという
方法が知られている。しかし、このような製法で得られ
るチタン酸ビスマス微粒子は、ボールミルで微粉砕して
得た微粒子の粒度分布が悪い上に、粗大粒子の混入が避
けられず、さらに粉砕に長時間要するために、不純物で
ある金属酸化物が混入してしまうという欠点があった。
そこで、本願出願人は上述の欠点を解消するために、特
願昭59−278503号明細書(特開昭61−158
824号)において、チタン酸ビスマス微粒子の湿式合
成法を提案した。この製法は、チタン化合物の加水分解
生成物または水溶性チタン塩と、水溶性ビスマス化合物
とを、強アルカリ水溶液(pH14〜14.9)中で湿式
反応させて、アモルファス状態の微粒子沈殿を生成し、
得られた微粒子沈殿に対して熱処理を施すというもので
ある。この製法により、粒子サイズが微小かつ均一で、
しかも金属酸化物が混入しないチタン酸ビスマス微粒子
を作製することが可能となった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、このように湿式合成でチタン酸ビスマス
微粒子を作製する方法では、アモルファス相のチタン酸
ビスマスを結晶微粒子として析出させるために400℃
を越える温度での熱処理が必要であり、加熱装置を必要
とし製造工程が煩雑なものとなり、さらにこの熱処理の
温度が低いと長時間の熱処理を要し、製造時間が長くな
ってしまう。
また、上記熱処理によって、アモルファス相から0.1μm
程度の結晶質物質Bi4(TiO43を析出させるわけ
であるが、この熱処理に伴い結晶質物質が焼結され、粒
径の大きな焼結粒子がチタン酸ビスマス微粒子中に混入
する虞れがある。
あるいは、湿式反応後のアモルファス状態の微粒子沈殿
が目的の組成、すなわちBi/Tiのモル比が一定にな
っていないと、Bi4(TiO43以外の物質が微粒子
中に不純物として混入してしまう虞れもある。
本発明は、上述の実情に鑑みて提案されたものであっ
て、粒子サイズが微小であって、しかも粒度分布が均一
で、かつ不純物の混入がないチタン酸ビスマス微粒子
を、湿式反応で、かつ熱処理なしに合成できるチタン酸
ビスマス微粒子の製造方法を提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、上述の目的を達成するために長期に亘り
鋭意研究の結果、チタン化合物の加水分解生成物または
水溶性チタン塩と水溶性ビスマス化合物とを水溶液中で
湿式反応する際、この水溶液のpH及び温度を所定の範囲
に設定することにより、チタン酸ビスマス合成後の熱処
理をしなくても、チタン酸ビスマス微粒子が単相で得ら
れ、その粒径も微細で均一であることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいて完成されたもので
あって、チタン化合物の加水分解生成物または水溶性チ
タン塩と水溶性ビスマス化合物とを、水溶液中でpH1
4.1〜14.85,温度150℃以上で反応させるこ
とを特徴とするものである。
すなわち、本発明においてチタン酸ビスマス微粒子を製
造するには、チタン化合物の加水分解生成物または水溶
性チタン塩と、水溶性ビスマス化合物とを、オートクレ
ーブ等を使用して高温度,強アルカリ水溶液中で湿式反
応させて微粒子沈殿を生成し、得られた微粒子沈殿を水
または温水で洗浄してK,Na,Li等のアルカ
リイオンを除去して濾過・乾燥を施せば良い。
ここで、上記湿式反応時の水溶液のpHと温度が重要で
あって、pH14.1〜14.85、温度150℃以上に
設定することによりチタン酸ビスマスBi4(TiO4
3微粒子が単相として得られる。
本発明者等の実験によれば、上記湿式反応において、水
溶液がpH12.0以下ではBiOClが生成し、また
pH14.9以上ではBi23が生成することが分かっ
た。例えば、水溶液のpHを変えながら、BiとTiのモ
ル比(以下Bi/Tiと略す)を4/3とし、オートク
レーブ中で220℃で4時間の湿式反応を行い濾過・乾
燥して得たチタン酸ビスマス微粒子の相対生成量を測定
したところ、第1図に示すような結果を得た。なお、こ
こでチタン酸ビスマス微粒子の相対生成量は銅ターゲッ
ト,ニッケルフィルタを使用してX線回折を行い得られ
た回折X線ピークの(171)ピーク面積から求めた値であ
る(以下同じ)。この第1図より、pH14.1〜14.
85の範囲内であれば、チタン酸ビスマス微粒子が単相
として、高収率で合成されることが確認された。
また、上記湿式反応において、反応温度は150℃以上
にすれば良い。例えば、反応温度を変えて、pHを14.
47,Bi/Ti=4/3とし、オートクレーブ中で3
時間湿式反応を行い濾過・乾燥して得たチタン酸ビスマ
ス微粒子の相対生成量を測定したところ、第2図に示す
ような結果を得た。この第2図より、チタン酸ビスマス
微粒子の生成量は反応温度が高くなるに従って増加し、
反応温度は150℃以上、好ましくは170℃以上にす
れば良いことが確認された。
一方、出発原料に含まれるBiとTiのモル比Bi/T
iは、Bi/Ti=1.1〜1.6の範囲内であるこが
好ましい。例えば、出発原料のBiとTiの混合モル比
を変えて、水溶液のPHを14.47とし、オートクレー
ブ中で220℃で8時間湿式反応を行い濾過・乾燥して
得たチタン酸ビスマス微粒子の相対生成量を測定したと
ころ、第3図に示すような結果を得た。この第3図よ
り、Bi/Tiが1.0以下ではNa1/2Bi1/2TiO
3が混在し、またBi/Tiが1.7以上ではBi23
が混在し、チタン酸ビスマス微粒子の生成量も低下する
ことが分かる。これに対して、Bi/Ti=1.1〜
1.6の範囲内とすれば、チタン酸ビスマス微粒子Bi
4(TiO43が単相で、しかも高収率で合成でき、特
にBi/Ti=1.3近傍で生成量が最大になることが
確認された。
さらに、上記湿式反応において、反応時間をかえて、B
i/Ti=4/3とし、水溶液のpHを14.47とし
て、オートクレーブ中で220℃で湿式反応させた後、
濾過・乾燥したチタン酸ビスマス微粒子の相対生成量を
測定したところ、第4図に示すような結果を得た。この
第4図より、微粒子の相対生成量は、時間に依存して増
加し、反応時間が約20分以上になると、95%以上で
略一定となることがわかった。
〔作用〕
チタン化合物の加水分解生成物または水溶性チタン塩
と、水溶性ビスマス化合物とを、水溶液中でpH14.
1〜14.85、温度150℃以上の条件のもとで湿式
反応させることにより、粒子サイズが微小かつ均一で、
不純物の混入がないチタン酸ビスマス微粒子が熱処理を
施すことなく合成できる。
〔実施例〕
以下、本発明をより具体的な実施例により説明する。な
お、本発明が以下の実施例に限定されるものではないこ
とを言うまでもない。
実施例1 50gの塩化チタンTiC4を氷水100m中に2
〜3分かけて滴下して塩化チタン水溶液を調製した。こ
の水溶液に水酸化ナトリウムNaOH溶液を加えてpH
7.0とした後、水を加えて500mとした。
次に、この溶液を50m採取し、硝酸ビスマスBi
(NO33・5H2Oを17.0g加え、続いて水酸化
ナトリウムNaOHを加えてpH7.0とし、さらに水酸
化ナトリウムNaOHを12g加えた後、水を加えて1
00mとした。この水溶液のpHは14.5であった。
次いで、この水溶液をオートクレーブを用いた密閉容器
中で撹拌しながら、250℃で3時間反応させた。反応
後、生成した白色沈殿に対してデカンテーションを繰り
返すことによりアルカリイオン等の不純物を除去し、さ
らに濾過・水洗いを行った後、100℃で一晩乾燥させ
た。
上述の操作で得られた微粒子をX線回折法で分析した。
結果を第5図に示す。この第5図に示す回折パターンは
ASTM(The American Society for Testing Material
s)カ−ドの12−213と一致しており斜方晶系(オル
ソロンビック相)のチタン酸ビスマス微粒子であること
が分かった。このチタン酸ビスマス微粒子の電子顕微鏡
(TEM)写真を第6図に示す。
なお、上記チタン酸ビスマス微粒子のX線回折データよ
り格子定数を算出した。この結果、得られたチタン酸ビ
スマス微粒子は、ao=5.438,bo=32.70,
o=5.415の斜方晶系の結晶であることが確認さ
れた。
実施例2 50gの塩化チタンTiC4中に水100mを2〜
3分けて滴下して塩化チタン水溶液を調製した。この水
溶液に40gの水酸化ナトリウムNaOHを加えて白色
懸濁液をつくり、この懸濁液に硫酸ビスマスBi2(S
43を24.81g加え、水酸化ナトリウムNaOH
を加えてpH7とした後、水を加えて500mとした。
次に、この溶液を50m採取し、水酸化ナトリウムN
aOHを8g加え、さらに水を加えて100mとし
た。この水溶液のpHは14.3であった。
次いで、この水溶液をオートクレーブを用いた密閉容器
中で撹拌しながら、220℃で1時間反応させた。反応
後、生成した白色沈殿に対してデカンデーションを繰り
返すことによりアルカリイオン等の不純物を除去し、さ
らに濾過・水洗いを行った後、80℃で一昼夜乾燥させ
た。
上述の操作により得られた微粒子を、X線回折法により
分析したところ、第5図に示すチタン酸ビスマス微粒子
Bi4(TiO43の回折パターンと全く同じであっ
た。また、この微粒子のTEM写真は、第6図に示す結
晶と類似の形状及び大きさの結晶であった。したがっ
て、この微粒子は斜方晶系のチタン酸ビスマス微粒子B
4(TiO43であることが分かった。
実施例3 50gの塩化チタンTiC4を氷水200m中に3
〜5分かけて滴下して塩化チタン水溶液を調製した。こ
の水溶液に濃アンモニア水NH4OHを加えて白色懸濁
液をつくり、この懸濁液にアンモニア水NH4OHを加
えてpH8とし、水を加えて500mとした。
次に、この溶液を50m採取し、塩化ビスマスBiC
3を11.08g加えた後、水酸化ナトリウムNaO
H溶液と水を加えて100mとした。この水溶液のpH
は14.7であった。
次いで、上記水溶液をオートクレーブを用いた密閉容器
中で撹拌しながら、290℃で3時間反応させた。反応
後、生成した白色沈殿に対してデカンテーションを繰り
返すことによりアルカリイオン等の不純物を除去し、さ
らに濾過・水洗いを行った後、90℃で一昼夜乾燥させ
た。
上述の操作により得られた微粒子を、X線回折法により
分析したところ、第5図に示すチタン酸ビスマス微粒子
Bi4(TiO43の回折パターンと全く同じであり、
また、この微粒子のTEM写真は、第6図に示す結晶と
類似の形状及び大きさの結晶であった。したがって、こ
の微粒子は斜方晶系のチタン酸ビスマス微粒子Bi
4(TiO43であることが分かった。
実施例4 50gの塩化チタンTiC4中に水100mを3〜
5分けて滴下して塩化チタン水溶液を調製した。この水
溶液に140g/の水酸化ナトリウムNaOH溶液を
約200m加えて白色懸濁液をつくり、この懸濁液に
硫酸ビスマスBiC3を11.08g及び水酸化ナト
リウムNaOHを所定量を加えてpH7.0とし、さらに
水を加えて500mとした。
次に、この溶液に水酸化ナトリウムNaOHを120g
加えた後、水を加えて1000mに調製した。
次いで、この水溶液を100m採取し、オートクレー
ブを用いた密閉容器中で撹拌しながら、1時間反応させ
た。反応後、生成した白色沈殿に対してデカンテーショ
ンを繰り返すことによりアルカリイオン等の不純物を除
去し、さらに濾過・水洗いを行った後、100℃で一晩
乾燥させた。
上述の操作において、反応温度を変えてチタン酸ビスマ
ス微粒子を合成し、得られたチタン酸ビスマス微粒子に
ついて、それぞれX線回折を行った。結果を第1表に示
す。
第1表からも明らかなように、上述の操作により得られ
た微粒子は、X線回折法により分析し結果が、第5図に
示すチタン酸ビスマス微粒子Bi4(TiO43の回折
パターンと全く同じであり、また、この微粒子のTEM
写真が、第6図に示す結晶と類似の形状及び大きさの結
晶であった。したがって、この微粒子は斜方晶系のチタ
ン酸ビスマス微粒子Bi4(TiO43であることが分
かった。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、チ
タン化合物の加水分解生成物または水溶性チタン塩と、
水溶性ビスマス化合物とを、水溶液中でpH14.1〜1
4.85、温度150℃以上の条件のもとで湿式反応さ
せてチタン酸ビスマス微粒子を合成しているので、粒度
サイズが微小で、かつ粒度分布が均一なチタン酸ビスマ
ス微粒子を熱処理を加えることなく合成することができ
る。したがって、得られるチタン酸ビスマス微粒子は、
電歪材料,圧電材料あるいは透明セラミック材料等の種
々の電子材料に好適なものとなる。
また、上記湿式反応後は熱処理をする必要がないので、
熱処理によって生じる焼結した粒子等の混入がなくな
り、不純物の混入がなく、組成変動の少ないチタン酸ビ
スマス微粒子Bi4(TiO43が得られる。さらに、
加熱装置が不要となるとともに、製造時間の短縮、ある
いは生産性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図はチタン酸ビスマス微粒子の相対生成量のpH依存
性を示す特性図、第2図はチタン酸ビスマス微粒子の相
対生成量の温度依存性を示す特性図,第3図はチタン酸
ビスマス微粒子の相対生成量のBi/Ti(モル比)依
存性を示す特性図、第4図はチタン酸ビスマス微粒子の
相対生成量の湿式反応時間依存性を示す特性図、第5図
は本発明の製造方法により製造されたチタン酸ビスマス
微粒子の回折X線スペクトル、第6図は得られたチタン
酸ビスマス微粒子の電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン化合物の加水分解生成物または水溶
    性チタン塩と水溶性ビスマス化合物とを、水溶液中でpH
    14.1〜14.85,温度150℃以上で反応させる
    ことを特徴とするチタン酸ビスマス微粒子の製造方法
JP8957885A 1984-12-29 1985-04-25 チタン酸ビスマス微粒子の製造方法 Expired - Lifetime JPH0610086B2 (ja)

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EP85116614A EP0187383B1 (en) 1984-12-29 1985-12-27 Method for producing bismuth titanate fine powders
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