JPH0610256B2 - アルカリ可溶型ポリエステル樹脂の製造法 - Google Patents

アルカリ可溶型ポリエステル樹脂の製造法

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JPH0610256B2
JPH0610256B2 JP61070520A JP7052086A JPH0610256B2 JP H0610256 B2 JPH0610256 B2 JP H0610256B2 JP 61070520 A JP61070520 A JP 61070520A JP 7052086 A JP7052086 A JP 7052086A JP H0610256 B2 JPH0610256 B2 JP H0610256B2
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孝一 廣岡
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアルカリ水に容易に溶解し得るポリエステル樹
脂の製造方法に関する。
[従来の技術] ポリエステル樹脂中に多量のカルボキシル基を存在させ
ることにより、ポリエステル樹脂の水溶性化を可能なら
しめ繊維糊剤、紙加工、塗料、接着剤等の分野への応用
をより拡大ならしめる試みは古くから研究が行われてい
る。
例えば、ポリエステル樹脂の製造時に縮合酸成分として
3官能以上の多価カルボン酸を使用したり、ポリエステ
ル樹脂に重合性の不飽和カルボン酸をグラフト重合する
方法等がカルボキシル基の導入手段として考えられる。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら前者の方法では、縮合時に増粘、ゲル化の
恐れがあるため、カルボキシル基の導入量におのずと制
限があり、後者の方法ではカルボキシル基が偏在して導
入されるため、水溶化の目的が充分に達し得ないのであ
る。即ち、かかる方法ではポリエステル樹脂の溶解度は
かなりの水準に達しても、水(アルカリ水)への溶解速
度が遅い樹脂しか得られないのである。
かかる欠点は、該樹脂の実用に当って問題となり、例え
ば繊維糊剤等として用いられる場合、糊付液の調製時は
もとより、サイジング後の糊抜に長い時間を必要とする
ことになるので、溶解速度の改善は水溶性ポリエステル
樹脂の開発に当っての重大な課題となっている。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は、かかる課題を解決すべく鋭意研究を重ね
た結果、 「芳香族ジカルボン酸を酸成分とするポリエステル樹脂
にハロゲノ酢酸を反応させる、ベンゼン環の水素との脱
ハロゲン化水素により、該樹脂中のベンゼン環の側鎖に
カルボキシル基を導入す」 場合、目的が達成出来ることを見出し本発明を完成し
た。
本発明においては、ポリエステル樹脂の主鎖中のベンゼ
ン環に非局在的に、しかも多量にカルボキシル基が導入
されることから、アルカリ水への溶解速度が極めて速い
樹脂が製造出来るものと考えられている。
従って、かかる樹脂を繊維溶糊剤(ウォータージェット
ルーム用等)に用いた場合、一段と優れた糊抜性が期待
出来ると共に抱合力等の点において従来の繊維用糊剤と
何等特色のない性能をも兼ね備えているので、実用価値
の極めて高い糊剤として利用され得るものである。
本発明のポリエステル樹脂は酸成分のすべてあるいは一
部に芳香族ジカルボン酸を必須成分としさえすれば任意
の酸成分が使用され、これと多価アルコール成分を縮合
して得られる。かかる酸成分としては、テレフタル酸、
イソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、こはく
酸、グルタール酸、アジピン酸、トリメチルアジピン
酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタール酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、フマール酸、マレイン酸、イタ
コン酸、1,3−シクロペンタジカルボン酸、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタン
ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、
2,5−ノルボルナンジカルボン酸、1,4−ナフター
ル酸、ジフェニン酸、4,4’−オキシ安息香酸、ジグ
リコール酸、チオジプロピオン、及び2,5−ナフタレ
ンジカルボン酸等が挙げられる。
これらは酸無水物、エステル、クロライド等であっても
良く、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメ
チル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソ
フタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル及びテレフタ
ル酸ジフェニルを含む。
以上の他に少量ならば3価以上の多価カルボン酸、例え
ばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット
酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−
1,2,3トリカルボン酸無水物、トリメシン酸等も使
用可能である。全酸成分中に占める芳香族ジカルボン酸
の割合は20モル%〜100モル%、好ましく50モル
%〜100モル%である。
又、多価アルコールとしてはエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ピロピレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサ
ン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プ
ロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2−エチ
ル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチ
ル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリ
メチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘ
キサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,
4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオー
ル、4,4′−チオジフェノール、4,4′−メチレン
ジフェノール、4,4′−(2−ノルボルニリデン)ジ
フェノール、4,4′−ジヒドロキシビフェノール、o
−,m−及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4′−イ
ソプロピリデンフェノール、4,4′−イソプロピリデ
ンビス(2,6−ジクロロフェノール)、2,5−ナフ
タレンジオール及びp−キシレンジオールが挙げられ
る。
以上の他に少量ならば3価以上の多価アルコール、例え
ばペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ト
リペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロール
プロパン、トリメチロールエタン、1,3,6−ヘキサ
ントリオール等も使用可能である。
上記酸成分、多価アルコール成分の他に通常公知の方法
によってスルホン酸塩基を樹脂中に導入することもでき
る。かかる際に用いられる縮合成分としては5−ソジオ
スホイソフタル酸、5−カリウムソルホイソフタル酸が
代表的であるが、これらに限定されるものではない。
上記酸成分並びに多価アルコール成分を縮合させてポリ
エステル樹脂を製造するには特別な操作は必要でなく、
従来公知の任意の方法で良いが、代表的な例を挙げると
酸成分に対し1.0〜2.0倍モルの多価アルコール成
分を触媒とともに反応器に仕込み、140〜280℃に
昇温して脱水縮合を行う。かかる際に用いる触媒として
は酢酸亜鉛、塩化亜鉛、ラウリル第一錫、ジブチル錫オ
キサイド等が使用され、これらは通常ジカルボン酸に対
し、0.05〜0.15重量部仕込まれる。溶媒は特に
必要でないが必要ならば酢酸メチル、ベンゼン、アセト
ン、キシレン、トルエン等の不活性溶媒を使用しても良
い。該ポリエステル樹脂の分子量は3,000〜30,
000が適当である。
本発明では上記のポリエステル樹脂にハロゲノ酢酸を反
応させ、ベンゼン環の水素と脱ハロゲン化水素を行なわ
せる。
ハロゲノ酢酸としては、好適にはモノクロル酢酸が用い
られるが、モノブロム酢酸等の使用も可能である。勿
論、必ずしもこれらに限定されるものではない。
モノハロゲノ酢酸は、ポリエステル樹脂中の芳香族ジカ
ルボン酸1モルに対して0.5〜1.0モルの割合で用
いられる。
上記の反応を行なうに当っては特に制限はなく、無溶媒
又は有機溶媒中で反応を実施する。溶媒としては、キシ
レン、トルエン等が用いられる。触媒としては第二酸化
鉄、臭化カリウム等が挙げられ、反応温度は150〜2
50℃、反応時間は2〜25時間が適当である。
最終樹脂の分子量は5,000〜20,000、酸価1
00〜300KOHmg/gのものが実用的である。
かくして得られるアルカリ可溶性のポリエステル樹脂は
繊維用糊剤、塗料、接着剤、成型物等多分野への応用が
可能であり、アンモニア水、水酸化ナトリウム水、炭酸
ナトリウム水等に溶解されて用いられるが、糊剤への用
途が本発明の効果を最も発揮できる。
糊液の調製に当っては上記樹脂を直接あるいは必要に応
じてポリエステル樹脂をアルカリ水等で中和した後、水
に希釈又は溶解する。前記樹脂と共に澱粉類、PVA、
PVA誘導体、アクリル糊料、油剤およびその他の助剤
などを必要に応じて併用しても差支えない。この場合、
糊液の濃度は糊液中での気泡の蓄積、糊の繊維に対する
適切な付着量などの点から5〜30重量%の範囲で、そ
の粘度は濃度10重量%(20℃)において5〜20cp
s程度の範囲になるように調整するのが適当である。
該糊剤は前記の如く優れた効果を奏することが出来るの
で、天然繊維、合成繊維の別あるいはサイジング方式の
別を問わず、広く一般の紡績糸、フィラメントの糊付け
時に有利に適用される。
[作 用] 本発明で得られるアルカリ可溶型ポリエステル樹脂はア
ルカリ水への溶解速度が向上しているので、特に繊維用
糊剤とした時、糊抜が効率良く実施出来る。
[実 例] 次に実施例を挙げて本発明の方法を更に具体的に説明す
る。
実施例1 撹拌機、精留塔、窒素導入管、真空装置を具備した2
容ガラスライニング反応缶にイソフタル酸1モル、エチ
レングリコール1.0モル、ジエチレングリコール0.
5モル及びジブチルオキサイド0.05部、三酸化アン
チモン0.05部を仕込み、180〜230℃でエステ
ル化した後、0.1〜1.0mmHgの真空下で縮合を行な
い、分子量20,000、酸価1KOHmg/g、水酸基価6K
OHmg/gのポリエステル樹脂を製造した。
次に上記と同一の反応缶にポリエステル樹脂100部、
モノクロル酢酸0.28部を導入し、更に第二酸化鉄
0.2部、臭化カリウム0.8部を添加し、210℃で
8時間反応を行った。
得られたアルカリ可溶型ポリエステル樹脂は分子量1
8,000、酸化128KOHmg/gであった。
該樹脂について諸物性を測定した。結果を表に示す。
実施例2〜3 実施例1で用いたポリエステル樹脂に代えてテレフタル
酸/イソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチル
グリコール=0.5/0.5/1.0/0.5(モル
比)よりなるポリエステル樹脂(実施例2)及びイソフ
タル酸/アジピン酸/エチレングリコール/ジエチレン
グリコール=0.8/0.2/0.8/0.7(モル
比)よりなるポリエステル樹脂(実施例3)をそれぞれ
ベースポリマーとして同例と同一の反応を行った。その
結果を表に示す。
対照例として実施例1のベースポリマーに対してアクリ
ル酸をグラフト重合した場合の実験を行った。その結果
も表に示す。
尚、諸物性の測定は次の通りである。
(1)アルカリ水溶解性 アルカリ可溶型ポリエステル樹脂の酸価と当量のアンモ
ニア水に濃度20%になる如く、溶解するまでの時間を
測定。
(2)糊剤評価 <糊液調製> ポリエステル樹脂中のカルボキシル基当量に等しい量の
アンモニアを含む水に溶解して10%濃度の水溶液を調
製した。これをウォータージェットルーム用糊剤として
使用した。
<糊付条件> 原 糸;ポリエステル糸(50d/24フィラメント) 糊付条件; イ サイザー ワーピングスラッシャー ロ 糊付温度 20℃ ハ 糊付速度 100m/min ニ 乾燥速度 チャンバー 120℃ シリンダー 90℃ <物性測定> 付着率 糊付糸2〜3gを100倍量の0.5%炭酸ソーダ水溶
液に入れ90℃で3回糊抜きを行ない、水洗乾燥後に重
量を測定し、糊付糸と糊抜糸の重量差により求めた。
絞り率 前記付着量(%)の糊付濃度(%)で除し、100倍して求め
た。
抱合力試験 松井精製機TM式抱合力試験機を用い、加重100g、
角度145゜(10mm)で糸割れするまでの平均摩擦回
数を測定した。
糊抜率 糊付糸2〜3gを100倍量の水に入れ、80〜85℃
で10秒及び20秒間糊抜を行い、水洗乾燥後に重量測
定し、糊付糸と糊抜糸の重量差により糊抜量を求め、付
着量に対する比率を示した。
[発明の効果] 本発明で得られるアルカリ可溶型ポリエステル樹脂に
は、カルボキシル基が非局在化して導入されるので、ア
ルカリ水への溶解速度が著しく向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 167/02 JFU 8933−4J D06M 15/507 D21H 17/53 (56)参考文献 特開 昭62−1725(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸を酸成分とするポリエ
    ステル樹脂において、ハロゲノ酢酸を反応させ、ベンゼ
    ン環の水素との脱ハロゲン化水素により、該樹脂中にカ
    ルボキシル基を導入することを特徴とするアルカリ可溶
    型ポリエステル樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】ハロゲノ酢酸としてモノクロル酢酸を使用
    することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造
    法。
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