JPH06116519A - 金属建材表面の被覆方法 - Google Patents

金属建材表面の被覆方法

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JPH06116519A
JPH06116519A JP29068392A JP29068392A JPH06116519A JP H06116519 A JPH06116519 A JP H06116519A JP 29068392 A JP29068392 A JP 29068392A JP 29068392 A JP29068392 A JP 29068392A JP H06116519 A JPH06116519 A JP H06116519A
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coating
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building material
acrylic resin
weight
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JP29068392A
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Koichi Dejima
宏一 出島
Toshiaki Arima
利明 有馬
Kenjiro Amamiya
謙二郎 雨宮
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Nippon Aluminium Co Ltd
NOF Corp
Original Assignee
Nippon Aluminium Co Ltd
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定のアクリル樹脂、ブロックイソシアネー
ト化合物、沸点が150〜250℃の溶剤を主成分として一定
の割合で含有するカチオン電着塗料を塗装することを特
徴とする金属建材表面の被覆方法。 【効果】 本発明の非鉄金属表面の被覆方法により、ア
ルミニウム、陽極酸化されたアルミニウム、ステンレス
及びその他の金属の建材表面に、耐候性、耐酸性及び素
地との密着性に優れた良好な塗膜を形成することが可能
となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム、ステン
レスなどの表面に、外観性その他に優れた被膜を形成し
得る非鉄金属建材表面の被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建材用のアルミ材料を、1コート用のア
ニオン電着塗料で塗装仕上げをする方法は、従来からよ
く実施されているが、この方法はアルミ建材の表面を陽
極酸化処理したもの、または陽極酸化処理した後電解着
色したものに、電着塗装をする方法である。しかし、上
記1コート用のアニオン電着塗料の多くは、メラミン硬
化型であり、その場合、塗膜の耐酸性が悪く、また、ク
リヤー塗装においては電解着色された素地の色調を変化
させてしまうという欠点がある。
【0003】一方、カチオン電着塗料として、特開平4
-55478号公報には、アクリル樹脂を使用し、1回の塗装
でより厚い膜が得られ、任意の塗膜色が得られる1コー
ト用の電着塗料が報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、陽極酸
化処理をしたアルミ材の表面に、前記のアクリル樹脂を
用いた1コート用カチオン電着塗料を塗装した場合に
は、良好な乾燥塗膜が得られない。この原因は、被塗物
表面に塗料が折出する際に、被塗物表面から発生する水
素ガスによるものと思われる。従って、アルミニウム、
ステンレスおよびその他の非鉄金属の建材表面の被覆用
としては、前記のアクリル樹脂を用いた1コート用カチ
オン電着塗料は使用されていないのが現状である。
【0005】本発明の目的は、アルミニウム、ステンレ
スおよびその他の非鉄金属の建材表面に対して、優れた
塗膜外観、耐候性、耐酸性、素地との密着性を備え、同
時に任意の光沢および任意の塗膜色をも付与し得る非鉄
金属建材表面の被覆方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
の原因と思われる水素ガスの発生量は、電着塗装時の電
気量に正比例することから、水素ガスの発生を極力減少
させるためには、塗着効率(クーロン効率)のより高い
タイプのカチオン電着塗料が不可欠であるとの知見を
得、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、以下に
記述する方法を見いだし、本発明を完成させた。
【0007】すなわち本発明は、下記成分(A)〜
(C)を主成分とするカチオン電着塗料を塗装すること
を特徴とする非鉄金属建材表面の被覆方法である。 (A)軟化点が−20〜60℃、樹脂固形分1kgあたりアミ
ノ基を0.4〜1.0当量、および水酸基を0.5〜3.0当量を含
み、重量平均分子量が10,000〜50,000であるアクリル樹
脂、(B)ブロックイソシアネート化合物、(C)沸点
が150〜250℃の溶剤、ただし成分(A)、(B)の混合
割合は、成分(A) および(B)の合計の固形物1kgに
対して、成分(B)に含まれるイソシアネート基0.5〜
1.5当量であり、また、成分(A)および(B)の合計
の固形分100 重量部に対して、成分(C)が5〜50重量
部である。
【0008】本発明で使用されるカチオン電着塗料の成
分(A)、すなわちアクリル樹脂は、その重合単位とし
て、アミノ基を含有する単量体、水酸基を含有する単量
体及びその他の単量体から構成される。アミノ基を含有
する単量体としては特に限定しないが、ジメチルアミノ
エチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタ
クリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレートな
どが使用できる。
【0009】水酸基を含有する単量体としては特に限定
しないが、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルア
クリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ブレ
ンマーPP1000(日本油脂株式会社、商品名、重合度3
〜8のポリプロピレンオキシドとメタクリル酸とのエス
テル)などが使用できる。
【0010】その他の単量体としては特に限定しない
が、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプ
ロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
カプロラクトン変成アクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、カプロラク
トン変成メタクリレート、ブトキシメチルアクリルアミ
ド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アシル基
変成アクリレート、アシル基変成メタクリレートなどが
使用できる。
【0011】アクリル樹脂の合成は、例えば通常の溶液
重合法により合成することができる。すなわち単量体の
混合物と重合触媒、例えばアゾビスブチロニトリルなど
との混合液を、所定温度の溶剤中に2〜5時間かけて滴
下重合させて、重量平均分子量が10,000〜50,000のアク
リル樹脂溶液を調製する。溶剤の種類としては、電着塗
装に悪影響を及ぼさないエチルセロルブやブチルセロソ
ルブなどのセロソルブ系溶剤が好ましいが、イソプロピ
ルアルコールのような低沸点溶剤で合成したのち減圧除
去し、ブチルセロソルブなどに置換することもできる。
【0012】以上によって構成されるアクリル樹脂は、
樹脂固形分1kgあたり、アミノ基を0.4〜1.0当量、およ
び水酸基を0.5〜3.0当量含むものである。軟化点はその
他のアクリル単量体の使用割合および構成によって、−
20〜60℃に調整することができる。
【0013】アミノ基が 0.4当量未満では水中への乳化
性が悪いため、安定な電着塗料が得られず、また 1.0当
量を越えるとクーロン効率が低く、ガスの発生が多くて
良好な塗膜が得られない。また、仕上がり塗膜の黄色性
も著しく、いずれも適当でない。水酸基が 0.5当量未満
であると硬化性が不十分であり所定の性能が得られず、
また 3.0当量を越えると親水性が強すぎて塗膜の耐酸性
を低下させるので好ましくない。
【0014】軟化点が−20℃未満では、塗料エマルショ
ン自体が不安定であり、60℃を越えると塗膜の加熱硬化
時のフロー性が悪く、平滑な塗面が得られず、いずれも
好ましくない。重量平均分子量が10,000未満では、クー
ロン効率が低く、ガスの発生が多くて良好な塗膜が得ら
れず、50,000を越えると塗膜の加熱硬化時のフロー性が
悪く、平滑な塗面が得られず、いずれも好ましくない。
【0015】同じく本発明の電着塗料で使用される成分
(B)のブロックイソシアネート化合物は、イソホロン
ジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)、IPDI,HDIの10量体以下
の重合体およびIPDI、HDIをジエレングリコール
やトリメチロールプロパンのようなポリオールと反応さ
せたジまたはトリイソシアネート化合物のイソシアネー
ト基を、アルコール、カプロラクタム、オキシムなどで
ブロックしたものを用いる。これらはいずれも非黄変型
のイソシアネート化合物である。また、黄変型であるト
リレンジイソシアネート(TDI)やジフエニルメタン
ジイソシアネートの同じくブロック体を耐候性が低下し
ない範囲で併用してもよい。
【0016】以上で説明した成分(A)のアクリル樹
脂、成分(B)のブロックイソシアネート化合物が、本
発明のカチオン電着塗料の樹脂成分を構成するが、これ
ら成分(A)および (B)の混合割合は、成分(A)と
(B)の合計の固形分1kgに対して、成分(B)に含ま
れるイソシアネート基0.5〜1.5当量である。成分(B)
に含まれるイソシアネート基が 0.5当量未満では、塗膜
の硬化が不十分なため、塗膜の硬度、耐候性が低下し、
1.5 当量を越えると、耐酸性、素地との密着性が低下
し、いずれも本発明の目的を達成することができない。
同じく本発明の電着塗料で使用される成分(C)の沸点
が150〜250℃の溶剤としては、樹脂との相溶性が良いも
のであれば特には限定しないが、ブチルセロソルブ、ヘ
キシルセロソルブなどのセロソルブ系の溶剤や、ブチル
カルビトールアセテート、イソホロン、プロピレングリ
コールモノフェニルエーテル、シクロヘキサノールなど
が好ましい。これらの溶剤は単独または混合して使用す
ることができる。
【0017】成分(C)の配合量は、樹脂成分(A)と
(B)の合計の固形分 100重量部に対して5〜50重量部
の範囲で使用する。5重量部未満では硬化時のフローが
不十分で良好な塗膜が得られず、50重量部を越えると安
定な電着エマルション塗料が得られず、いずれも好まし
くない。本発明で使用するカチオン電着塗料は、以上で
説明した成分(A)〜(C)の他に、一般に塗料に使用
される原料、すなわち、着色顔料、防食顔料、体質顔
料、染料、添加剤、ジブチルチンオキサイドなどの触媒
を必要に応じて配合することができる。また、顔料類を
配合せずにクリヤー塗料として使用することも可能であ
る。
【0018】着色顔料としては特に限定しないが、酸化
チタン、カーボンブラック、酸化鉄などの無機顔料、ア
ニリンブラック、バーミリオンレッド、レーキレッド、
フタロシアニンブルー、ファストスカイブルーのような
有機顔料が使用できる。体質顔料としては、カオリン、
硫酸バリウム、艶消し用のマイクロゲル(メチルメタク
リレートの重合体で、粒子径2〜15μm)などが使用でき
る。
【0019】本発明で使用するカチオン電着塗料組成物
の調製方法としては、通常行われる塗料の製造方法が適
用できる。以下に調製方法の一例を説明するがこれらに
限定するものではない。顔料類を配合する有色塗料の場
合は、アクリル樹脂、ブロックイソシアネート化合物、
溶剤類、マイクロゲルおよび顔料を混合し、サンドミル
などを用いて分散混合したのち、酢酸、乳酸、蟻酸など
をくわえて脱イオン水中に乳化させて、加熱残分10〜20
%の浴塗料を得る。
【0020】また、クリヤー塗料の場合は、アクリル樹
脂、ブロックイソシアネート化合物および溶剤類を十分
に混合したのち、酢酸、乳酸、蟻酸などをくわえて脱イ
オン水中に乳化させて、加熱残分10〜20%の浴塗料を得
る。電着塗装方法としては、通常のカチオン電着塗料方
法を適用することができ、被塗物表面に未硬化の塗料を
折出させたのち、ブロックイソシアネート化合物のブロ
ック剤が解離する温度以上で焼付乾燥(通常、130〜200
℃で5〜30分) を行なう。
【0021】
【作用】本発明で使用するカチオン電着塗料において
は、水酸基を持つアクリル樹脂とブロックイソシアネー
ト化合物とが、加熱硬化時にウレタン結合して、耐候
性、耐酸性および素地との密着性に優れた3次元構造の
塗膜を形成する。一方、塗料のクーロン効率が40〜70mg
/cと高いため、塗料塗着時の水素ガスの発生が少な
く、さらに、塗料中の高沸点溶剤が塗膜形成時のフロー
に寄与して、処理されたアルミその他の非鉄金属の建材
表面に、外観性に優れた平滑な乾燥塗膜を形成するもの
である。
【0022】また、電解着色された陽極酸化処理アルミ
ニウムの場合、アニオンクリアー電着塗料では電解着色
された色調が変化してしまうという欠点があったが、本
発明で使用するカチオン電着塗料では電解着色された色
調をそのまま生かすことができる。
【0023】
【発明の効果】本発明の非鉄金属建材表面の被覆方法に
より、アルミニウム、陽極酸化されたアルミニウム、電
解着色された陽極酸化処理アルミニウム、ステンレスお
よびその他の非鉄金属の建材表面に、耐候性、耐酸性お
よび素地との密着性に優れた良好な塗膜を形成すること
が可能になった。
【0024】
【実施例】次に、製造例、実施例及び比較例により、本
発明を具体的に説明する。例中の部、%はいずれも重量
基準である。 製造例1〜3、製造比較例4〜10(アクリル樹脂の合
成) 表1の配合に準じて、加温装置にセットされたフラスコ
中に、ブチルセロソルブを仕込み、90℃に加温した。続
いて同温度で攪拌しながら、単量体とアゾビスイソブチ
ロニトリルとの混合液を滴下槽から2時間かけて滴下
し、さらに同温度で1時間攪拌を続けて、10種類のアク
リル樹脂溶液A1〜A10を得た。これらの樹脂の軟化
点、1kg中のアミノ基、水酸基の当量数、重量平均分子
量および固形分を測定した。結果は表1の通りであっ
た。
【0025】
【表1】
【0026】実施例1〜4、比較例1〜9(浴塗料の調
製) 表2、表3の配合に準じて、アクリル樹脂、ブロックイ
ソシアネート化合物、顔料、溶剤およびジブチルチンオ
キシドを混合し、サンドミルで分散した。続いて酢酸を
加えディスパーで攪拌混合しながら、脱イオン水を加え
て希釈し、各試料の浴塗料を調製した。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】*1:イソホロン系ブロックイソシアネー
ト化合物 固型分70重量% 3当量/kg(三菱化成(株)
製、商品名) *2:イソホロン系ブロックイソシアネート化合物 固
型分65重量% 3当量/kg(住友バイエルウレタン(株)
製、商品名) *3:ポリメチルメタクリレート、マイクロゲル 平均
粒径10μm (東洋紡績(株) 製、商品名) *4:試薬一級品 (試験片の作製)上記で得た浴塗料にて、表4、表5に
挙げた被塗板(150×70×0.8mm)を用いて、浴塗料温度30
℃、通電150V×2分で電着塗装し塗膜を折出させた。そ
の後、80℃、10分の予備加熱を行い、続いて170℃で20
分焼付けて試験片を得た。
【0030】(試験の実施及び評価)上記で得た試験片
に対して、以下に示す項目で試験を行なった。 (1)塗面外観:塗面の平滑性や、肌あれ、艶むら、黄
色系着色などの有無を、肉眼で観察し、次のように評価
した。 ◎:塗面が平滑で、肌あれ艶むら着色が全くない。
【0031】〇:塗面が平滑で、肌あれ艶むら着色が僅
かに認められる(合格)。 △:肌あれ、艶むらまたは着色が認められる(不合
格)。 ×:肌あれ、艶むらおよび着色が明らかである。 なお、塗膜外観が不合格の試験片については、(2)、
(3)、(4)の項目の試験は実施しないこととした。
【0032】(2)耐酸性:試験片を40℃の3%酢酸水
溶液に6時間浸漬したのち、塗膜の異常の有無を目視で
判定した。 ◎:塗面に全く異常なし。 〇:殆ど異常なし。(合格) △:フクレを認める。(不合格) ×:明らかに異常あり。
【0033】(3)2次密着性:試験片を50℃、100 %
RH(相対湿度)の器内に静置した後、ただちにJIS-K-
5400(1979) 6.15(基盤目試験) に準じて試験し、残存塗
膜数で示した。100 を合格とし、99以下を不合格とし
た。 (4)促進耐候性:JIS-K-5400(1979) 6.17 ただし、
1000時間試験後の60度鏡面光沢度保持率%「[試験後の
光沢度)/(初期光沢度) ]×100 」を測定した。80%
以上を合格とした。試験の結果は表4、表5に示した通
りであった。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】 表4および表5の結果から明らかなように、本発明の方
法から外れた各比較例の試料は、塗膜外観、耐候性、耐
酸性、素地との密着性の内、少なくともいずれかで不満
な結果であったが、一方、本発明の方法に準じた実施例
1〜4の試料では、塗面状態が良好で、耐酸性、素地と
の密着性、耐候性においても満足な結果を示し、非鉄金
属建材表面の被膜方法として優れた方法であることが明
らかである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 金属建材表面の被覆方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム、ステン
レスなどの表面に、外観性その他に優れた被膜を形成し
得る金属建材表面の被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建材用のアルミ材料を、1コート用のア
ニオン電着塗料で塗装仕上げをする方法は、従来からよ
く実施されているが、この方法はアルミ建材の表面を陽
極酸化処理したものに、電着塗装をする方法である。し
かし、上記1コート用のアニオン電着塗料の多くは、メ
ラミン硬化型であり、その場合、塗膜の耐酸性が悪いと
いう欠点がある。
【0003】一方、カチオン電着塗料として、特開平4
-55478号公報には、アクリル樹脂を使用し、1回の塗装
でより厚い膜が得られ、任意の塗膜色が得られる1コー
ト用の電着塗料が報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、陽極酸
化処理をしたアルミ材の表面に、前記のアクリル樹脂を
用いた1コート用カチオン電着塗料を塗装した場合に
は、良好な乾燥塗膜が得られない。この原因は、被塗物
表面に塗料が折出する際に、被塗物表面から発生する水
素ガスによるものと思われる。従って、アルミニウム、
ステンレスおよびその他の金属の建材表面の被覆用とし
ては、前記のアクリル樹脂を用いた1コート用カチオン
電着塗料は使用されていないのが現状である。
【0005】本発明の目的は、アルミニウム、ステンレ
スおよびその他の非鉄金属の建材表面に対して、優れた
塗膜外観、耐候性、耐酸性、素地との密着性を備え、同
時に任意の光沢および任意の塗膜色をも付与し得る金属
建材表面の被覆方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
の原因と思われる水素ガスの発生量は、電着塗装時の電
気量に正比例することから、水素ガスの発生を極力減少
させるためには、塗着効率(クーロン効率)のより高い
タイプのカチオン電着塗料が不可欠であるとの知見を
得、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、以下に
記述する方法を見いだし、本発明を完成させた。
【0007】すなわち本発明は、無処理または陽極酸化
処理をしたアルミニウム材またはステンレス材を被塗物
とし、下記成分(A)〜(C)を主成分とするカチオン
電着塗料を塗装することを特徴とする金属建材表面の被
覆方法である。 (A)軟化点が−20〜60℃、樹脂固形分1kgあたりアミ
ノ基を0.4〜1.0当量、および水酸基を0.5〜3.0当量を含
み、重量平均分子量が10,000〜50,000であるアクリル樹
脂、(B)ブロックイソシアネート化合物、(C)沸点
が150〜250℃の溶剤、ただし成分(A)、(B)の混合
割合は、成分(A) および(B)の合計の固形物1kgに
対して、成分(B)に含まれるイソシアネート基0.5〜
1.5当量であり、また、成分(A)および(B)の合計
の固形分100 重量部に対して、成分(C)が5〜50重量
部である。
【0008】本発明で使用されるカチオン電着塗料の成
分(A)、すなわちアクリル樹脂は、その重合単位とし
て、アミノ基を含有する単量体、水酸基を含有する単量
体及びその他の単量体から構成される。アミノ基を含有
する単量体としては特に限定しないが、ジメチルアミノ
エチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタ
クリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレートな
どが使用できる。
【0009】水酸基を含有する単量体としては特に限定
しないが、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルア
クリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ブレ
ンマーPP1000(日本油脂株式会社、商品名、重合度3
〜8のポリプロピレンオキシドとメタクリル酸とのエス
テル)などが使用できる。
【0010】その他の単量体としては特に限定しない
が、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプ
ロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
カプロラクトン変成アクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、カプロラク
トン変成メタクリレート、ブトキシメチルアクリルアミ
ド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アシル基
変成アクリレート、アシル基変成メタクリレートなどが
使用できる。
【0011】アクリル樹脂の合成は、例えば通常の溶液
重合法により合成することができる。すなわち単量体の
混合物と重合触媒、例えばアゾビスブチロニトリルなど
との混合液を、所定温度の溶剤中に2〜5時間かけて滴
下重合させて、重量平均分子量が10,000〜50,000のアク
リル樹脂溶液を調製する。溶剤の種類としては、電着塗
装に悪影響を及ぼさないエチルセロルブやブチルセロソ
ルブなどのセロソルブ系溶剤が好ましいが、イソプロピ
ルアルコールのような低沸点溶剤で合成したのち減圧除
去し、ブチルセロソルブなどに置換することもできる。
【0012】以上によって構成されるアクリル樹脂は、
樹脂固形分1kgあたり、アミノ基を0.4〜1.0当量、およ
び水酸基を0.5〜3.0当量含むものである。軟化点はその
他のアクリル単量体の使用割合および構成によって、−
20〜60℃に調整することができる。
【0013】アミノ基が 0.4当量未満では水中への乳化
性が悪いため、安定な電着塗料が得られず、また 1.0当
量を越えるとクーロン効率が低く、ガスの発生が多くて
良好な塗膜が得られない。また、仕上がり塗膜の黄色性
も著しく、いずれも適当でない。水酸基が 0.5当量未満
であると硬化性が不十分であり所定の性能が得られず、
また 3.0当量を越えると親水性が強すぎて塗膜の耐酸性
を低下させるので好ましくない。
【0014】軟化点が−20℃未満では、塗料エマルショ
ン自体が不安定であり、60℃を越えると塗膜の加熱硬化
時のフロー性が悪く、平滑な塗面が得られず、いずれも
好ましくない。重量平均分子量が10,000未満では、クー
ロン効率が低く、ガスの発生が多くて良好な塗膜が得ら
れず、50,000を越えると塗膜の加熱硬化時のフロー性が
悪く、平滑な塗面が得られず、いずれも好ましくない。
【0015】同じく本発明の電着塗料で使用される成分
(B)のブロックイソシアネート化合物は、イソホロン
ジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)、IPDI,HDIの10量体以下
の重合体およびIPDI、HDIをジエレングリコール
やトリメチロールプロパンのようなポリオールと反応さ
せたジまたはトリイソシアネート化合物のイソシアネー
ト基を、アルコール、カプロラクタム、オキシムなどで
ブロックしたものを用いる。これらはいずれも非黄変型
のイソシアネート化合物である。また、黄変型であるト
リレンジイソシアネート(TDI)やジフエニルメタン
ジイソシアネートの同じくブロック体を耐候性が低下し
ない範囲で併用してもよい。
【0016】以上で説明した成分(A)のアクリル樹
脂、成分(B)のブロックイソシアネート化合物が、本
発明のカチオン電着塗料の樹脂成分を構成するが、これ
ら成分(A)および (B)の混合割合は、成分(A)と
(B)の合計の固形分1kgに対して、成分(B)に含ま
れるイソシアネート基0.5〜1.5当量である。成分(B)
に含まれるイソシアネート基が 0.5当量未満では、塗膜
の硬化が不十分なため、塗膜の硬度、耐候性が低下し、
1.5 当量を越えると、耐酸性、素地との密着性が低下
し、いずれも本発明の目的を達成することができない。
同じく本発明の電着塗料で使用される成分(C)の沸点
が150〜250℃の溶剤としては、樹脂との相溶性が良いも
のであれば特には限定しないが、ブチルセロソルブ、ヘ
キシルセロソルブなどのセロソルブ系の溶剤や、ブチル
カルビトールアセテート、イソホロン、プロピレングリ
コールモノフェニルエーテル、シクロヘキサノールなど
が好ましい。これらの溶剤は単独または混合して使用す
ることができる。
【0017】成分(C)の配合量は、樹脂成分(A)と
(B)の合計の固形分 100重量部に対して5〜50重量部
の範囲で使用する。5重量部未満では硬化時のフローが
不十分で良好な塗膜が得られず、50重量部を越えると安
定な電着エマルション塗料が得られず、いずれも好まし
くない。本発明で使用するカチオン電着塗料は、以上で
説明した成分(A)〜(C)の他に、一般に塗料に使用
される原料、すなわち、着色顔料、防食顔料、体質顔
料、染料、添加剤、ジブチルチンオキサイドなどの触媒
を必要に応じて配合することができる。また、顔料類を
配合せずにクリヤー塗料として使用することも可能であ
る。
【0018】着色顔料としては特に限定しないが、酸化
チタン、カーボンブラック、酸化鉄などの無機顔料、ア
ニリンブラック、バーミリオンレッド、レーキレッド、
フタロシアニンブルー、ファストスカイブルーのような
有機顔料が使用できる。体質顔料としては、カオリン、
硫酸バリウム、艶消し用のマイクロゲル(メチルメタク
リレートの重合体で、粒子径2〜15μm)などが使用でき
る。
【0019】本発明で使用するカチオン電着塗料組成物
の調製方法としては、通常行われる塗料の製造方法が適
用できる。以下に調製方法の一例を説明するがこれらに
限定するものではない。顔料類を配合する有色塗料の場
合は、アクリル樹脂、ブロックイソシアネート化合物、
溶剤類、マイクロゲルおよび顔料を混合し、サンドミル
などを用いて分散混合したのち、酢酸、乳酸、蟻酸など
をくわえて脱イオン水中に乳化させて、加熱残分10〜20
%の浴塗料を得る。
【0020】また、クリヤー塗料の場合は、アクリル樹
脂、ブロックイソシアネート化合物および溶剤類を十分
に混合したのち、酢酸、乳酸、蟻酸などをくわえて脱イ
オン水中に乳化させて、加熱残分10〜20%の浴塗料を得
る。電着塗装方法としては、通常のカチオン電着塗料方
法を適用することができ、被塗物表面に未硬化の塗料を
折出させたのち、ブロックイソシアネート化合物のブロ
ック剤が解離する温度以上で焼付乾燥(通常、130〜200
℃で5〜30分) を行なう。
【0021】
【作用】本発明で使用するカチオン電着塗料において
は、水酸基を持つアクリル樹脂とブロックイソシアネー
ト化合物とが、加熱硬化時にウレタン結合して、耐候
性、耐酸性および素地との密着性に優れた3次元構造の
塗膜を形成する。一方、塗料のクーロン効率が40〜70mg
/cと高いため、塗料塗着時の水素ガスの発生が少な
く、さらに、塗料中の高沸点溶剤が塗膜形成時のフロー
に寄与して、処理されたアルミその他の金属の建材表面
に、外観性に優れた平滑な乾燥塗膜を形成するものであ
る。
【0022】
【発明の効果】本発明の金属建材表面の被覆方法によ
り、アルミニウム、陽極酸化されたアルミニウム、ステ
ンレスおよびその他の金属の建材表面に、耐候性、耐酸
性および素地との密着性に優れた良好な塗膜を形成する
ことが可能になった。
【0023】
【実施例】次に、製造例、実施例及び比較例により、本
発明を具体的に説明する。例中の部、%はいずれも重量
基準である。 製造例1〜3、製造比較例4〜10(アクリル樹脂の合
成) 表1の配合に準じて、加温装置にセットされたフラスコ
中に、ブチルセロソルブを仕込み、90℃に加温した。続
いて同温度で攪拌しながら、単量体とアゾビスイソブチ
ロニトリルとの混合液を滴下槽から2時間かけて滴下
し、さらに同温度で1時間攪拌を続けて、10種類のアク
リル樹脂溶液A1〜A10を得た。これらの樹脂の軟化
点、1kg中のアミノ基、水酸基の当量数、重量平均分子
量および固形分を測定した。結果は表1の通りであっ
た。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1〜4、比較例1〜9(浴塗料の調
製) 表2、表3の配合に準じて、アクリル樹脂、ブロックイ
ソシアネート化合物、顔料、溶剤およびジブチルチンオ
キシドを混合し、サンドミルで分散した。続いて酢酸を
加えディスパーで攪拌混合しながら、脱イオン水を加え
て希釈し、各試料の浴塗料を調製した。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】*1:イソホロン系ブロックイソシアネー
ト化合物 固型分70重量% 3当量/kg(三菱化成(株)
製、商品名) *2:イソホロン系ブロックイソシアネート化合物 固
型分65重量% 3当量/kg(住友バイエルウレタン(株)
製、商品名) *3:ポリメチルメタクリレート、マイクロゲル 平均
粒径10μm (東洋紡績(株) 製、商品名) *4:試薬一級品 (試験片の作製)上記で得た浴塗料にて、表4、表5に
挙げた被塗板(150×70×0.8mm)を用いて、浴塗料温度30
℃、通電150V×2分で電着塗装し塗膜を折出させた。そ
の後、80℃、10分の予備加熱を行い、続いて170℃で20
分焼付けて試験片を得た。
【0029】(試験の実施及び評価)上記で得た試験片
に対して、以下に示す項目で試験を行なった。 (1)塗面外観:塗面の平滑性や、肌あれ、艶むら、黄
色系着色などの有無を、肉眼で観察し、次のように評価
した。 ◎:塗面が平滑で、肌あれ艶むら着色が全くない。
【0030】〇:塗面が平滑で、肌あれ艶むら着色が僅
かに認められる(合格)。 △:肌あれ、艶むらまたは着色が認められる(不合
格)。 ×:肌あれ、艶むらおよび着色が明らかである。 なお、塗膜外観が不合格の試験片については、(2)、
(3)、(4)の項目の試験は実施しないこととした。
【0031】(2)耐酸性:試験片を40℃の3%酢酸水
溶液に6時間浸漬したのち、塗膜の異常の有無を目視で
判定した。 ◎:塗面に全く異常なし。 〇:殆ど異常なし。(合格) △:フクレを認める。(不合格) ×:明らかに異常あり。
【0032】(3)2次密着性:試験片を50℃、100 %
RH(相対湿度)の器内に静置した後、ただちにJIS-K-
5400(1979) 6.15(基盤目試験) に準じて試験し、残存塗
膜数で示した。100 を合格とし、99以下を不合格とし
た。 (4)促進耐候性:JIS-K-5400(1979) 6.17 ただし、
1000時間試験後の60度鏡面光沢度保持率%「[試験後の
光沢度)/(初期光沢度) ]×100 」を測定した。80%
以上を合格とした。試験の結果は表4、表5に示した通
りであった。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】 表4および表5の結果から明らかなように、本発明の方
法から外れた各比較例の試料は、塗膜外観、耐候性、耐
酸性、素地との密着性の内、少なくともいずれかで不満
な結果であったが、一方、本発明の方法に準じた実施例
1〜4の試料では、塗面状態が良好で、耐酸性、素地と
の密着性、耐候性においても満足な結果を示し、非鉄金
属建材表面の被膜方法として優れた方法であることが明
らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雨宮 謙二郎 大阪府大阪市淀川区三国本町1−16−27− 314

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分(A)〜(C)を主成分とするカチ
    オン電着塗料を塗装することを特徴とする非鉄金属建材
    表面の被覆方法。 (A)軟化点が−20〜60℃、樹脂固形分1kgあたりアミ
    ノ基を0.4〜1.0当量、および水酸基を0.5〜3.0当量を含
    み、重量平均分子量が10,000〜50,000であるアクリル樹
    脂、 (B)ブロックイソシアネート化合物、 (C)沸点が150〜250℃の溶剤、 ただし成分(A) 、(B)の混合割合は、成分(A)お
    よび(B)の合計の固形分1kgに対して、成分(B)に
    含まれるイソシアネート基 0.5〜1.5 当量であり、ま
    た、成分(A) および(B)の合計の固形分100 重量部
    に対して、成分(C)が5〜50重量部である。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5961809A (en) * 1995-03-08 1999-10-05 Henkel Kommanditgesellschaft Auf Aktien Chromium-free process for improving paint adhesion after thin-layer anodization
JP2000219848A (ja) * 1998-11-17 2000-08-08 Vianova Resins Ag 塗膜用の付着性向上剤
JP2001131472A (ja) * 1999-11-01 2001-05-15 Kansai Paint Co Ltd カチオン電着塗料用樹脂組成物
KR100405823B1 (ko) * 2000-12-30 2003-11-14 주식회사 디피아이 내열성이 우수한 아크릴계 양이온 전착도료 조성물

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