JPH0611749B2 - 光学活性なスルホキシド類の新規な製造法 - Google Patents

光学活性なスルホキシド類の新規な製造法

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JPH0611749B2
JPH0611749B2 JP2648985A JP2648985A JPH0611749B2 JP H0611749 B2 JPH0611749 B2 JP H0611749B2 JP 2648985 A JP2648985 A JP 2648985A JP 2648985 A JP2648985 A JP 2648985A JP H0611749 B2 JPH0611749 B2 JP H0611749B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は光学活性なスルホキシド類の新規な製造法に関
するものである。さらに詳しくいえば、本発明は、光学
活性を有する化合物を合成するための中間体や光学分割
剤などとして有用なスルホキシド類の光学活性体を、極
めて容易に高純度かつ高収率で製造しうる工業的有利な
方法に関するものである。
従来の技術 従来、一般式 で示されるように、スルホキシド基に2個の異なつた置
換基が結合した形のスルホキシド類には、硫黄原子を不
斉原子とする(+)−体及び(-)−体の2種の光学異性体が
存在することが知られている。
ところで、前記一般式のRが低級アルキル基であるスル
ホキシド類においては、相当するラセミ体から直接光学
分割して光学活性体を得る方法はこれまで知られておら
ず、例えばベンゼンチオールから のような工程で光学活性体を得る方法が知られている。
しかしながら、この方法は、極めて特殊な試薬を必要と
し、かつはん雑な操作を必要とする多数の工程を含む上
に収率も低いなどの問題点を有し、工業的に実施するに
は不適当であつた。
発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、このような事情に鑑み、スルホキシド
類のラセミ体を直接分割して、光学活性なスルホキシド
類を高純度かつ高収率で得る工業的な方法を提供するこ
とにある。
問題点を解決するための手段 本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、光学活性なβ−ジ
ナフトールを用いることにより、前記目的を達成しうる
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至つた。
すなわち、本発明は、一般式 (式中のArはアリール基又はアラルキル基、Rは低級ハ
ロゲン化アルキル基である) で示されるスルホキシド類のラセミ体に、1,1′−ビ−
2−ナフトールの光学活性体を反応させて、前記スルホ
キシド類の光学活性体と1,1′−ビ−2−ナフトールの
光学活性体との包接化合物を生成させ、これを分離して
前記スルホキシド類の光学活性体を得ることを特徴とす
る光学活性なスルホキシド類の製造方法を提供するもの
である。
本発明方法により光学分割される前記一般式(I)で示さ
れるスルホキシド類は、通常ラセミ体として得られるも
のである。前記一般式(I)中のArはフエニル基、ナフチ
ル基のようなアリール基又はベンジル基のようなアラル
キル基であり、これらの基の中に含まれる芳香族環は、
アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などの不活性
置換基により置換されていてもよい。また、一般式(I)
中のRはハロゲン化メチル基、ハロゲン化エチル基、ハ
ロゲン化プロピル基などのハロゲン化低級アルキル基で
ある。このようなスルホキシド類としては、例えば前記
一般式(I)中のArがフエニル基、o−トリル基、m−ト
リル基、p−トリル基などで、Rがフロロメチル基、ク
ロルメチル基、ブロムメチル基、α−フロロエチル基、
β−フロロエチル基、α−クロルエチル基、β−クロル
エチル基、α−ブロムエチル基、β−ブロムエチル基な
どのスルホキシド類を挙げることができる。これらの中
で特に好適に光学分割しうるスルホキシド類としては、
m−位が置換されたフエニル基をもつスルホキシド類、
例えばフロロメチル−m−トリルスルホキシド、クロル
メチル−m−トリルスルホキシド、ブロムメチル−m−
トリルスルホキシド、α−フロロエチル−m−トリルス
ルホキシド、β−フロロエチル−m−トリルスルホキシ
ド、α−クロルエチル−m−トリルスルホキシド、β−
クロルエチル−m−トリルスルホキシド、α−ブロムエ
チル−m−トリルスルホキシド、β−ブロムエチル−m
−トリルスルホキシドなどが挙げられる。
他方、光学分割剤として使用される1,1′−ビ−2−ナ
フトールの光学活性体は公知であり、市販品として容易
に入手することができる。この1,1′−ビ−2−ナフト
ールの光学活性体は、次に示す立体構造を有する(R)−
(+)−体と(S)−(-)−体の2種のエナンチオマーとして
存在する。
この(R)−(+)−体と(S)−(-)−体とはテトラヒドロフラ
ン中でそれぞれ+37.7゜及び−37.7゜の施光度を示すも
のであるが、本発明方法においては、これらのいずれの
エナンチオマーも用いることができる。そして、(R)−
(+)−体を用いた場合には、これはスルホキシド類の(-)
−体と、また(S)-(-)-体を用いた場合には、スルホキシ
ド類の(+)-体とそれぞれ選択的に結合して、モル比1:
1の包接化合物に形成する。
本発明方法に従つて、スルホキシド類の光学分割を行う
には、スルホキシド類のラセミ体を適当な溶媒に溶か
し、この中へ1,1′−ビ−2−ナフトールを加えたの
ち、室温で数時間ないし10数時間放置する。この場
合、各原料成分の溶解を促進するため、あるいは形成さ
れた包接化合物の析出を促進するために、所望に応じ加
温又は冷却することもできる。
スルホキシド類と、1,1′−ビ−2−ナフトールとの使
用量は、モル比で約1:1の割合が望ましいが、所望な
らばいずれか一方を過剰に用いることもできる。
溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、ケロセン、石油エ
ーテルのような脂肪族炭化水素類、アセトン、メチルエ
チルケトンのようなケトン類、ベンゼン、トルエン、キ
シレンのような芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、
ジプロピルエーテル、テトラヒドロフランのようなエー
テル類、メタノール、エタノールのようなアルコール
類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類などが
用いられる。これらは単独で用いてもよいし、また2種
以上混合して用いてもよい。
次に、前記のようにして析出した包接化合物の結晶をろ
別し、必要に応じ再結晶などにより精製したのち、それ
を溶媒に溶かし、シリカゲル、アルミナゲル、シリカ−
アルミナゲルなどで処理することにより1,1′−ビ−2
−ナフトールの光学活性体とスルホキシド類の光学活性
体とに分解する。また、このようなシリカゲル、アルミ
ナゲルによる処理を行う代りに、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムのようなアルカリで処理したり、あるいは
ラセミ化を起さない緩和な条件下で蒸留処理して各成分
光学活性体に分解することもできる。また、該包接化合
物の結晶をろ別した際のろ液から、必要に応じ、残留す
る1,1′−2−ナフトールを除去したのち、溶媒を留去
させることによつて、光学活性なスルホキシド類を析出
させることもできる。
このようにして、高純度のスルホキシド類の光学活性体
を高収率で得ることができる。
発明の効果 本発明方法はスルホキシド類のラセミ体を直接光学分割
して、該スルホキシド類の光学活性体を工業的有利に製
造する方法であり、この方法によると、スルホキシド類
の光学活性体が極めて容易に、高純度かつ高収率で得ら
れる。得られたスルホキシド類の光学活性体は、光学活
性を有する化合物を合成するための中間体として、また
光学活性な成分と選択的に包接化合物を形成するので、
光学分割剤として有用である。
実施例 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 ブロムメチル−m−トリルスルホキシドのラセミ体5.50
gと(R)−(+)−1,1′−ビ−2−ナフトール〔〔α〕D
+37.7゜(THF中)〕3.16gとをベンゼン30mに溶解
し、これにn−ヘキサン30mを加えて室温で12時
間放置し、次いで析出した(R)−(+)−1,1′−ビ−2−
ナフトール1モルと(-)−ブロムメチル−m−トリルス
ルホキシド1モルとから成る包接化合物をろ取し、ベン
ゼン40mで2回再結晶したのち乾燥すると、無色プ
リズム状結晶〔融点116〜118℃、〔α〕D−58.9゜(エ
タノール中)〕2.35gを得た。
次に、前記結晶をベンゼン30mを溶解し、この溶液
を10重量%NaOH水溶液30mに加えて室温で30分
間かきまぜたのち、ベンゼン層をよく水洗し、乾燥後ベ
ンゼンを留去すると、(-)−ブロムメチル−m−トリル
スルホキシド〔〔α〕D−155.9゜(エタノール中)〕
1.06gが得られた。
一方、前記包接化合物の結晶をろ別したろ液に、10重
量%NaOH水溶液を加えて(R)−(+)−1,1′−ビ−2−ナ
フトールを除くと、(+)-ブロムメチル−m−トリルスル
ホキシド〔〔α〕D+76.2゜(エタノール中)〕2.4
5gが得られた。これを、(S)−(-)−1,1′−ビ−2−
ナフトール〔〔α〕D-37.7゜(THF中)〕2.75gととも
にベンエン30mに溶解して、12時間室温で放置す
ると(S)−(-)−1,1′−ビ−2−ナフトール1モルと(+)
-ブロムメチル−m−トリルスルホキシド1モルとから
成る包接化合物が析出した。この包接化合物をろ取して
ベンゼン40mで2回再結晶したのち、乾燥すると、
無色プリズム状結晶〔融点116〜118℃、〔α〕D+69.8
゜(エタノール中)〕1.25gが得られた。この結晶を1
0重量%NaOH水溶液で処理すると、(+)−−ブロムメチ
ル−m−トリルスルホキシド〔〔α〕D+188.9゜(エ
タノール中)〕0.57gが得られた。
実施例2 β−クロルエチル−m−トリルスルホキシドのラセミ体
7.03gと(R)−(+)−1,1′−ビ−2−ナフトール4.66g
とをベンゼン40mに溶解して、室温で12時間放置
したのち、析出物をろ別除去した。得られたろ液に3重
量%NaOH水溶液を加え、激しく振とうして(R)−(+)−1,
1′−ビ−2−ナフトールを除去したのち、ベンゼンを
留去したところ、(+)−β−クロルエチル−m−トリル
スルホキシド〔〔α〕D+152゜(エタノール中)〕3.0
7gが得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中のArはアリール基又はアラルキル基、Rは低級ハ
    ロゲン化アルキル基である) で示されるスルホキシド類のラセミ体に、1,1′−ビ−
    2−ナフトールの光学活性体を反応させて、前記スルホ
    キシド類の光学活性体と1,1′−ビ−2−ナフトールの
    光学活性体との包接化合物を生成させ、これを分離して
    前記スルホキシド類の光学活性体を得ることを特徴とす
    る光学活性なスルホキシド類の製造法。
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