JPH0613335A - プラズマcvd成膜方法 - Google Patents

プラズマcvd成膜方法

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JPH0613335A
JPH0613335A JP5064925A JP6492593A JPH0613335A JP H0613335 A JPH0613335 A JP H0613335A JP 5064925 A JP5064925 A JP 5064925A JP 6492593 A JP6492593 A JP 6492593A JP H0613335 A JPH0613335 A JP H0613335A
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plasma cvd
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Mikio Murai
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優 小田桐
Hideyuki Ueda
英之 植田
Yukikazu Ochi
幸和 大地
Tatsuya Hiwatari
竜也 樋渡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はプラズマCVD法による薄膜の製造
方法に関するものであり、接着強度が高く、かつ欠陥の
少ない薄膜を各種基板上に形成すること。 【構成】 真空槽32内の放電管26とその周囲に隔壁
29を設け、これらの空間を真空ポンプ31で排気し、
プラズマ用電源30からの電圧と、原料ガス導入口28
からの原料ガスによりプラズマ発生用電極27よりプラ
ズマ放電を発生させ、磁気テープ20上にダイヤモンド
状炭素膜を形成することにより、未反応ガスによる汚染
および急激な圧力変化による異常放電を防止することが
でき、接着強度が高く、かつ欠陥の少ないダイヤモンド
状炭素膜を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属薄膜型磁気記録媒
体の保護膜として用いられるプラズマ重合膜、ダイヤモ
ンド状炭素膜、あるいは半導体、液晶用の絶縁膜、光電
変換素子に用いられる非晶質シリコン膜、超伝導薄膜等
の形成に利用され、特に成膜欠陥を最小限に抑えると共
に膜自体の付着強度を大幅に向上させるプラズマCVD
成膜方法にに関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマCVD法により薄膜を形成する
方法として、真空槽内を放電空間とする方法では、薄膜
が形成される基板のみならず真空槽の内壁全体が汚染さ
れ、膜自体に欠陥が生じるという、工業的に生産するた
めには大きな課題があった。これらの課題を解決するた
め、真空槽内に放電管を設ける方法(例えば特公昭63
−026195号公報、特開昭63−118074号公
報等)あるいは真空槽内に極低温パネルを設ける方法
(特願平3−004149号)が提案されている。これ
らにより真空槽内の汚染についてはほぼ解決済みであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら放電管よ
り漏れた未反応ガスの影響により、形成された薄膜の基
板への密着強度が弱く、保護膜あるいは絶縁膜としての
信頼性(耐久性、耐食性等)に課題があった。また放電
管と真空槽内の急激な圧力変化により、発生する小規模
な異常放電に起因する膜自体の欠陥が生ずるという問題
点も浮上してきた。
【0004】具体例として、磁気記録媒体においては、
磁気テープの場合耐食性の低下、ドロップアウトの増加
を招き、また磁気ディスクの場合はCSS特性が十分で
なかった。
【0005】また、光電変換素子においては変換効率が
経時的に低下したり、半導体や液晶用の絶縁膜の信頼性
が低下する等の問題点があった。
【0006】本発明の目的は、前記課題を解決するた
め、薄膜形成時の未反応ガスの影響を最小限に抑えると
共に、急激な圧力変化による小規模な異常放電に起因す
る成膜欠陥を防止することができるプラズマCVD成膜
方法により形成される薄膜を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明のプラズマCVD成膜方法は、真空槽内に放電管
を設け、さらに放電管を囲む隔壁を設け、かつ放電管と
隔壁との空間を真空排気し、放電管に対向して基板を設
けプラズマ放電により、基板上に薄膜を形成すること、
あるいは放電管の先端部に基板に対向して側板を設け、
プラズマ放電により、基板上に薄膜を形成することを特
徴とする。
【0008】
【作用】本発明によれば、薄膜形成時の未反応ガスを排
気することにより、十分な接着強度が得られると共に、
圧力の急激な変化に起因する小規模な異常放電による成
膜欠陥を防止することができる。従って、磁気記録媒体
の保護膜として用いた場合においては、耐久性と耐食性
の優れた磁気テープや磁気ディスクが得られ、また光電
変換素子、半導体あるいは液晶用の絶縁膜、超伝導薄膜
においては大幅に信頼性を向上させることが可能とな
る。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照しな
がら説明する。
【0010】(実施例1)(図1)は本発明の(実施例
1)における磁気テープ20の基本構造を示す。1は非
磁性基板であり、3〜20μmのポリエステル(PE
T)フィルムであり、2は強磁性金属薄膜であり0.1
〜0.2μmの膜厚でCoを主成分とする合金の斜方蒸
着により酸素を導入しながら形成される。3はバックコ
ーティング層であり、ポリエステル樹脂とカーボン等の
混合体を塗布することにより形成される。4はダイヤモ
ンド状炭素膜で、プラズマCVD法により形成される。
5は滑剤層であり湿式塗布法あるいは真空蒸着法により
形成される。
【0011】また、(図2)は本発明の実施例における
磁気テープの保護膜の形成用としての請求項1、2に対
応するプラズマCVD成膜方法の一例の概要を示す。
(図2)において、20aは非磁性基板の上に強磁性金
属薄膜2を設けた磁気テープ20であり、繰り出しロー
ラ21に巻かれるとともに、この繰り出しローラ21か
らその張力が制御され送り出されている。22、24は
パスローラであり、磁気テープ20と接触し回転する。
【0012】23はメインローラであり、装置本体(真
空槽32)より絶縁され冷媒などを介して接地されると
ともに、磁気記録媒体20を一定速度で搬送できるよう
速度制御されている。25はダイヤモンド状炭素膜4形
成後の磁気テープ20bを連続的に巻き取るローラであ
り、繰り出しローラ21と同様張力制御されている。2
6はダイヤモンド状炭素膜形成用の放電管で、27はプ
ラズマ発生用電極でありプラズマ用電源30と接続され
ている。
【0013】このプラズマ用電源30は直流あるいは交
流(50Hz〜30MHz)、あるいはそれらの重畳で
0.05〜7kvの電圧が印加できる。28は原料ガス
導入口であり、H2、Ar、CH系の反応ガスあるい
は、ケトン系、アルコール系等の気化したガスを0.5
〜0.001Torrの分圧で導入している。これら、
放電管26、プラズマ発生用電極27、原料ガス導入口
28、プラズマ用電源30の要素によりプラズマCVD
装置が構成される。また29は隔壁であり、放電管26
を囲むと共に真空ポンプ31により放電管26との空間
を排気される。さらに32は真空槽であり、真空ポンプ
33により真空排気されている。
【0014】以上のようの構成された磁気テープの保護
膜形成用のプラズマCVD成膜方法について(図2)を
参照して説明する。
【0015】まず真空槽32を、真空ポンプ33で排気
し、さらに放電管26と隔壁29との空間を真空ポンプ
31で排気し、それぞれが規定の真空度(1×10-4To
rr、1×10-2Torr)に到達した後、強磁性金属薄膜2
を形成した磁気テープ20aは、メインローラ23に密
着し、繰り出しローラ21から巻取りローラ25に向け
て連続的に送り出されている。一方ダイヤモンド状炭素
膜4形成領域に到達すると、ガス導入口28から原料ガ
スとプラズマ用電源30からの印加電圧により放電管2
6内のプラズマ発生用電極27からプラズマのイオン電
流が発生加速され、プラズマ発生用電極に対向して位置
する強磁性金属薄膜2上に到達し、ダイヤモンド状炭素
膜4が形成される。
【0016】このとき放電管26と磁気記録媒体20と
の間隙から漏れた未反応ガスは、真空ポンプ31により
排気されるため、磁気テープ20の強磁性金属薄膜2上
及びダイヤモンド状炭素膜4上を汚染することなく強磁
性金属薄膜2とダイヤモンド状炭素膜4及びダイヤモン
ド状炭素膜4とその上に設ける滑剤層5との接着力を強
固にすることが可能となる。従って、磁気テープとして
の実用性能においては耐食性が大幅に向上する。
【0017】また(図3)に磁気テープ20と放電管2
6及び隔壁29との関係を示し、磁気テープ20の進行
方向の放電管26の長さをA、幅方向の長さをB、放電
管26の先端と磁気テープ20との間隙をC、磁気テー
プ20の進行方向の放電管26と隔壁29の間隔をD、
幅方向の間隔をE、隔壁29の先端と磁気テープ20の
間隙をFとそれぞれ定義した。
【0018】(実施例2)磁気テープの保護膜の形成用
として、放電管と隔壁との空間に極低温パネルを設ける
請求項3に対応するプラズマCVD成膜方法の装置構成
の概略を(図4)に示す。
【0019】本実施例が(実施例1)と大きく異なるの
は、放電管26と隔壁29との空間に極低温パネル40
を設けた点のみで、その他の装置構成及び動作に付いて
はほとんど(実施例1)と同様であるので構成各要素に
同一符号を付与するにとどめ詳しい説明は省略する。
【0020】本実施例の場合、放電管26と磁気テープ
20との間隙から漏れた未反応ガスを、極低温パネル4
0で吸着排気するため強磁性金属薄膜2上及びダイヤモ
ンド状炭素膜上4の汚染がさらに低減され、磁気テープ
の実用性能としてさらに耐食性が向上する。
【0021】(実施例3)磁気テープの保護膜として、
放電管26の先端部に基板と対向して側板を設ける請求
項4に対応するプラズマCVD成膜方法の装置構成の概
略を(図5a)に示す。
【0022】また(図5b)に放電管26及び側板41
との関係を示し、磁気テープ20の進行方向の放電管2
6の長さをA、幅方向の長さをB、放電管26の先端と
磁気テープ20との間隙をC、磁気テープ20の進行方
向の側板41の長さをP,幅方向の長さをQとそれぞれ
定義した。
【0023】本実施例が(実施例1)と大きく異なるの
は、隔壁29の代わりに側板41を設けた点である。そ
の他の装置構成及び動作に付いてはほとんど(実施例
1)と同様であるので構成各要素に同一符号を付与する
にとどめ詳しい説明は省略する。
【0024】本実施例の場合、放電管26内と真空槽3
2内との圧力変化が緩やかなため、放電管26の内周付
近での、圧力の急激な変化に起因する異常放電がなくな
るため、極めて均一なダイヤモンド状炭素膜4を形成す
ることができる。従って磁気テープ20としては、ドロ
ップアウトが低減する。
【0025】また、(実施例1)、(実施例2)および
(実施例3)において、実用性能測定用に用いた磁気テ
ープ20は、非磁性基板1として約10μmのポリエス
テルフィルム上に、約1800Aの厚さのCoを主成分
とする強磁性金属薄膜2を設け、その上にビッカース硬
度約2500kg/mm2で厚さ100Aのダイヤモン
ド状炭素膜4を設け、さらにその上に約30Aの含フッ
素カルボン酸からなる滑剤層5を設けた。
【0026】次に、前述した効果について、表を使って
説明する。
【0027】
【表1】
【0028】(表1)は本発明および比較例の磁気テー
プ20を、ビデオテープレコーダを用いて実用性能を評
価した時の耐食性について示したものである。
【0029】(表1)のサンプルNo.1〜19は、
(実施例1)に対応し、サンプルNo.1〜12は、磁
気テープ20と隔壁29との間隙を磁気テープ20と放
電管26の先端との間隙の比(F/C:図3参照)を5
倍とし、磁気テープ20の進行方向に対しては、(D/
A:図3参照)を2%〜250%まで、また幅方向に対
しては、(E/B:図3参照)2%〜50%の範囲で変
化させ、ダイヤモンド状炭素膜4を形成し、その上に滑
剤層5を形成したサンプルを作製した。
【0030】磁気テープの場合、幅方向については、テ
ープの端面を大きく外れる位置に、隔壁29を設けても
意味がなく、装置自体が大きくなるのみであり、(E/
B:図3参照)は、50%までとした。サンプルNo.
13〜19は放電管26と隔壁29との関係(D/A、
E/B:図3参照)を一定とし、磁気テープ20と隔壁
29との間隙と、磁気テープ20と放電管26の先端と
の間隙の比(F/C:図3参照)を、0.8〜12倍ま
で変化させ、ダイヤモンド状炭素膜4を形成し、その上
に滑剤層5を形成した磁気テープ20を用いて、実用性
能として耐食性を評価した結果を示す。
【0031】また、サンプルNo.20は、(実施例
2)に対応し、サンプルNo.7の作製条件にさらに−
150℃の極低温パネル40を設けて、ダイヤモンド状
炭素膜4を形成し、その上に滑剤層5を形成した磁気テ
ープ20を用いて、(実施例1)と同様に耐食性を評価
した。
【0032】さらに効果の比較のため、(比較例1)と
して隔壁29および側板41を設けず、ダイヤモンド状
炭素膜4を形成したもの、(比較例2)として極低温パ
ネル40を真空槽内の任意の位置に設け、ダイヤモンド
状炭素膜4を形成し、(実施例1)、(実施例2)と同
様の滑剤層5を設け、耐食性を評価した。
【0033】
【表2】
【0034】(表2)は(実施例3)に対応し、側板4
1の長さ(P,Q)を、放電管26の長さ(A、B)に
対してそれぞれ同比率で20%以上確保し、かつ磁気テ
ープ20と放電管26との間隙の1.5〜120倍(P
/CおよびQ/C)まで変化させ、ダイヤモンド状炭素
膜4を形成し、その上に滑剤層5を形成した磁気テープ
20を用いて、ドロップアウトを測定した結果を示す。
【0035】次に実用性能の評価法について説明する。
耐食性のの具体的な評価方法として、約10m程度の長
さで8mm幅に切断した磁気テープ20を14mm/s
ecで走行させ相対速度3.8m/sec, トラックピ
ッチ約20μmで、突出が約30μmのヘッドを2対搭
載した外径が40mmの回転シリンダ型のビデオテープ
レコーダで23℃70%RHの環境で映像信号を記録
し、通常走行時の約2倍の荷重を負荷し、23℃10%
RHの環境でスチル寿命を測定し、磁気テープ20の強
磁性金属薄膜2まで傷が入り出力が全くでなくなった時
点を寿命とし、これを初期値とした。さらにそのままの
状態で40℃90%RHの環境に1カ月間放置した後
に、23℃10%RHの環境で初期と同一条件で測定し
た値とした。
【0036】またドロップアウトの測定方法は、前述の
ビデオテープレコーダを用いて、23℃70%RHの環
境で10分間記録再生したときの、15μsec16d
B以上再生信号が欠落した数をドロップアウトとし、そ
の数を1分間当たりに換算した値とした。
【0037】(表1)のサンプルNo.1〜12の結果
より、耐食性は(比較例1)に対して、放電管26と隔
壁29の間隔については、放電管26の長さの3%程度
から効果が出始め、磁気テープの進行方向に対しては2
00%程度までその効果があり、200%を越えると、
隔壁29の効果がなくなり隔壁29を設けない場合と同
等になる。また磁気テープ20の幅方向に対しては、装
置の関係上50%程度までは効果があるがそれ以上にな
ると、隔壁を設けない場合と同様になる。従って、磁気
テープの場合、磁気テープ20の進行方向に対しては放
電管26と隔壁29との間隔は、放電管26の長さの3
%〜200%の範囲、幅方向に対しては、3〜50%の
範囲が好ましい。
【0038】またサンプルNO.13〜19では、隔壁
29と磁気テープ20の間隙が、放電管26と磁気テー
プ20との間隙が同等程度より効果があり、5倍程度で
最もその効果が認められ、10倍を越えると隔壁29の
効果は殆どなくなる。従って、磁気テープの場合は隔壁
29と磁気テープ20との間隔が、磁気テープ20と放
電管26との間隙の1〜10倍の範囲が好ましく、放電
管26と隔壁29との空間の真空排気効率を考慮すると
さらに好ましくは2〜5倍の範囲である。
【0039】さらにサンプルNo.20では、(実施例
1)のサンプルNo.1〜12の内で最も効果のあるサ
ンプルNo.6よりさらに向上していることが確認され
た。
【0040】(表2)のサンプルNo.21〜27の結
果より、(比較例1)に比べてドロップアウトの低減率
は、側板41の長さが、磁気テープ20と放電管26の
先端との間隙の2倍程度より効果が出始め、5〜10倍
で効果が大きくなり、100倍程度まで、効果的であ
る。
【0041】100倍を越えると、真空排気系として放
電管26のコンダクタンスが小さくなり、ダイヤモンド
状炭素膜4の膜質が確保できず磁気テープ20の保護膜
形成用としては適当でない。したがって、磁気テープの
場合、側板41の長さは、放電管26の長さの20%以
上を確保し、かつ磁気テープ20と放電管26の先端と
の間隙の2〜100倍の範囲が好ましく、装置設計を考
慮すると、5〜10倍の範囲がより好ましい。
【0042】以上の結果より、放電管の周囲に隔壁を設
け、その空間を排気するプラズマCVD法においては、
ダイヤモンド状炭素膜形成時に未反応ガスを排気するこ
とにより、強磁性金属薄膜及びダイヤモンド状炭素膜の
汚染が防止され、強磁性金属薄膜とダイヤモンド状炭素
膜およびダイヤモンド状炭素膜と滑剤層との接着力が強
固になり、高温高湿環境で水分が界面に混入するのが防
止され、界面での水酸化物の生成が大幅に減少するた
め、耐食性が向上するものと考えられる。さらに放電間
と隔壁との空間に極低温パネルを設けることにより、未
反応ガスを漏れた極近傍で吸着し排気するため、その効
果がより大きくなると考えられる。
【0043】また、放電管の先端に側板を設ける方法に
おいては、放電管と真空槽内との急激な圧力変化による
異常放電が防止されるため、ダイヤモンド状炭素膜の欠
陥が低減され、ドロップアウトが低減すると考えられ
る。
【0044】(実施例4)(図6)は本発明の(実施例
4)における磁気ディスク50の基本構造を示す。1は
非磁性基板で、約1.2mmのアルミニウム基板であ
り、約20μmのNi−Pメッキ1aを形成し、その上
に強磁性金属薄膜2の配向性改善のために下地Cr層と
して約2000A厚さのCrをスパッタリング法により
形成している。2は強磁性金属薄膜であり約700Aの
膜厚でCo−NiーCr等の合金をスパッタリング法に
より形成する。4はダイヤモンド状炭素膜であり、プラ
ズマCVD法等の真空成膜法により形成される。5は滑
剤層であり湿式塗布法により形成される。
【0045】また、(図7)は請求項1、2に対応し、
本発明の(実施例4)における製造方法の一例の概要を
示す。 本実施例が(実施例1)と大きく異なるのは、
磁気テープを搬送するための繰り出しローラ21〜巻取
りローラ25の代わりにキャリアー51を設け、キャリ
アー51に磁気ディスク50を装着するための装着室5
3、各々の処理室間の真空シールのための仕切りバルブ
52及び処理された磁気ディスク50を取り出すための
取り出し室54を設けた点である。その他の部分は(実
施例1)と同様であるので、同一符号を付与するにとど
め詳細な説明は省略する。
【0046】以上のように構成された本実施例に付いて
(図7)を参照しながら説明する。まず装着室53を大
気解放し、強磁性金属薄膜2までが形成された磁気ディ
スク50をキャリアー51に装着する。次に装着室53
を真空排気し、規定の真空度に到達した時点で、仕切り
バルブ52を解放しキャリアー51がダイヤモンド状炭
素膜形成域に送られる。この時放電管26及び放電管2
6と隔壁29との空間も規定の真空度が確保されてい
る。以降は(実施例1)と全く同様の方法にてダイヤモ
ンド状炭素膜4が形成されるので詳細な説明は省略す
る。
【0047】このとき放電管26と磁気ディスク50と
の間隙から漏れた未反応ガスは、真空ポンプ31により
排気されるため、磁気ディスク50の強磁性金属薄膜2
上及びダイヤモンド状炭素膜4上を汚染することなく強
磁性金属薄膜2とダイヤモンド状炭素膜4及びダイヤモ
ンド状炭素膜4とその上に設ける滑剤層5との接着力を
強固にすることが可能となる。従って、磁気ディスク5
0の実用性能としてCSS特性が改善される。
【0048】また、磁気ディスク50、放電管26、隔
壁29、放電管26と隔壁29との相対関係は(図3)
の磁気テープの場合と同様である。
【0049】(実施例5)磁気ディスク50の保護膜の
形成用として、放電管26と隔壁29との空間に極低温
パネル40を設ける請求項3に対応するプラズマCVD
成膜方法の装置構成の概略を(図8)に示す。
【0050】本実施例が(実施例4)と大きく異なるの
は、放電管26と隔壁29との空間に極低温パネル40
を設けた点のみで、その他の装置構成及び動作に付いて
はほとんど(実施例4)と同様であるので構成各要素に
同一符号を付与するにとどめ詳しい説明は省略する。
【0051】本実施例の場合、放電管26と磁気ディス
ク50との間隙から漏れた未反応ガスを、極低温パネル
40で吸着排気するため強磁性金属薄膜2上及びダイヤ
モンド状炭素膜上4の汚染がさらに低減され、磁気ディ
スクの実用性能としてさらにCSS特性が向上する。
【0052】(実施例6)磁気テープの保護膜として、
放電管26の先端部に基板と対向して側板41を設ける
請求項4に対応するプラズマCVD成膜方法の装置構成
の概略を(図9a)に示す。
【0053】また(図9b)に放電管26及び側板41
との関係を示し、磁気ディスク50の進行方向の放電管
26の長さをA、幅方向の長さをB、放電管26の先端
と磁気ディスク50との間隙をC、磁気ディスク50の
進行方向の側板41の長さをP,幅方向の長さをQとそ
れぞれ定義した。
【0054】本実施例が(実施例4)と大きく異なるの
は、隔壁29の代わりに側板41を設けた点である。そ
の他の装置構成及び動作に付いてはほとんど(実施例
4)と同様であるので構成各要素に同一符号を付与する
にとどめ詳しい説明は省略する。本実施例の場合、放電
管26内と真空槽32内との圧力変化が緩やかなため、
放電管26の内周付近での、圧力の急激な変化に起因す
る異常放電がなくなるため、極めて均一なダイヤモンド
状炭素膜4を形成することができる。従って磁気ディス
クとしては、特に低温低湿でのCSS特性が向上する。
【0055】また、(実施例4)、(実施例5)および
(実施例6)において実用性能測定用に用いた磁気ディ
スク50は、非磁性基板1として、3.5インチのアル
ミニウム基板に、約20μmのNi−Pメッキ(1a)
を形成し、その上に約2000A厚さのCr(1b)を
スパッタリング法により形成したものを用い、強磁性金
属薄膜2として約700Aの膜厚でCo−NiーCr等
の合金をスパッタリング法により形成する。その上にビ
ッカース硬度2500kg/mm2、厚さ200Aダイ
ヤモンド状炭素膜4を設け、さらに約30Aのパーフロ
ロポリエーテルからなる滑剤層5を設けた。
【0056】次に、前述した効果について、表を使って
説明する。
【0057】
【表3】
【0058】(表3)は本発明および比較例の磁気ディ
スク50を、市販の磁気ディスクドライブを用いてCS
S(コンタクト・スタート・ストップ)試験を行なった
結果について示したものである。
【0059】(表3)のサンプルNo.51〜69は、
(実施例4)に対応し、サンプルNo.51〜62は、
磁気ディスク50と隔壁29との間隙を、磁気ディスク
50と放電管26との間隙の比(F/C)を10倍と
し、磁気ディスク50の進行方向および幅方向に対して
は、(D/A、E/B)をそれぞれ2%〜250%の範
囲で変化させ、ダイヤモンド状炭素膜4を形成し、さら
にその上に滑剤層5形成したサンプルを作製した。
【0060】磁気ディスクの場合、磁気ディスク50の
端面を大きく外れる位置に、隔壁29を設けるとキャリ
ヤー51が大きくなり、装置自体が大きくなるのみであ
り、(D/A、E/B)は、250%までとした。サン
プルNo.63〜69は放電管26と隔壁29との関係
(D/A、E/B)を一定とし、磁気ディスク50と隔
壁29との間隙を、磁気ディスク50と放電管26との
間隙の比(F/C)を、0.8〜12倍まで変化させ、
ダイヤモンド状炭素膜4を形成し、さらにその上に滑剤
層5形成した磁気ディスク50を用いてCSS試験を行
った。
【0061】また、サンプルNo.70は、(実施例
5)に対応し、サンプルNo.57の作製条件にさらに
−150℃の極低温パネル41を設けて、ダイヤモンド
状炭素膜4を形成し、さらにその上に滑剤層5を形成し
た磁気ディスク50を用いて、(実施例4)と同様のC
SS試験を行った。
【0062】さらに、効果の比較のため、(比較例3)
として隔壁29および側板41を設けず、ダイヤモンド
状炭素膜を形成したもの、(比較例4)として極低温パ
ネル40を真空槽内の任意の位置に設け、ダイヤモンド
状炭素膜4を形成し、(実施例4)および(実施例5)
と同様の滑剤層5を設けた磁気ディスク50を用いて、
CSS試験を行った。
【0063】
【表4】
【0064】(表4)は(実施例6)に対応し、側板4
1の長さ(P,Q)を、放電管26の長さ(A、B)に
対してそれぞれ同比率で20%以上確保し、かつ磁気デ
ィスク50と放電管26との間隙の1.5〜120倍
(P/CおよびQ/C)まで変化させ、ダイヤモンド状
炭素膜4を形成し、その上に滑剤層5を形成した磁気デ
ィスク50を用いて、(実施例4)と同様のCSS試験
を行った結果を示す。
【0065】次に、CSS試験の方法について説明す
る。CSS試験の方法は、磁気ディスクドライブのスラ
イダーにアルチックを用い、約3600rpmで回転し
ている磁気ディスク上に約10gの荷重を負荷し、約3
0secの周期で、磁気ディスク上へ着陸、離陸を繰り
返す方法であり、(表3)および(表4)には磁気ディ
スク上に傷が付きヘッドがクラッシュするまでのCSS
回数を記載した。また試験環境は5℃10%RHであ
る。
【0066】(表3)のサンプルNo.51〜62の結
果より、(比較例3)に対して、放電管26と隔壁29
との間隔については、磁気ディスク50の進行方向およ
び幅方向とも放電管26の長さの3%程度から効果が出
始め、200%程度までその効果があり、200%を越
えると、隔壁29の効果がなくなり隔壁29を設けない
場合と同等になる。従って、磁気ディスクの場合、放電
管26と隔壁29の間隔は、磁気ディスク50の進行方
向および幅方向の放電管26の長さの3%〜200%の
範囲が好ましい。また装置設計を考慮すると、その効果
が大きい20〜50%の範囲がより好ましい。
【0067】またサンプルNO.63〜69では、隔壁
29と磁気ディスク50の間隙が、放電管26と磁気デ
ィスク50との間隙が同等程度より効果があり、5倍程
度で最もその効果が認められ、10倍を越えると隔壁の
効果は殆どなくなる。従って、磁気ディスクの場合は、
隔壁29と磁気ディスク50との間隔が、磁気ディスク
50と放電管26との間隙の1〜10倍の範囲が好まし
く、放電管26と隔壁29との空間の真空排気効率を考
慮するとさらに好ましくは2〜5倍の範囲である。
【0068】さらにサンプルNo.70では、(実施例
4)のサンプルNo.51〜69の中で最も効果のある
サンプルNo.57よりさらに向上していることが確認
された。
【0069】(表4)のサンプルNo.71〜77の結
果より、(比較例3)に比べて、側板41の長さが、磁
気ディスク50と放電管26との間隙の2倍程度より効
果が出始め、5〜20倍で効果が大きくなり、100倍
程度まで、効果的である。100倍を越えると、真空排
気系として放電管26のコンダクタンスが小さくなり、
ダイヤモンド状炭素膜4の膜質が確保できず磁気テープ
の保護膜形成用としては適当でない。したがって、磁気
ディスクの場合、磁気ディスク50の進行方向および幅
方向の側板41の長さは、磁気ディスク50と放電管2
6の先端との間隙の2〜100倍の範囲が好ましく、装
置設計を考慮すると、5〜10倍の範囲がより好まし
い。また側板41の長さは、磁気ディスク50の進行方
向および幅方向の放電管26の長さの20%までは、側
板41を設けないのと同じでその効果はない。
【0070】以上の結果より、放電管の周囲に隔壁を設
け、その空間を排気するプラズマCVD法においては、
ダイヤモンド状炭素膜形成時に未反応ガスを排気するこ
とにより、強磁性金属薄膜及びダイヤモンド状炭素膜の
汚染が防止され、強磁性金属薄膜とダイヤモンド状炭素
膜およびダイヤモンド状炭素膜と滑剤層との接着力が強
固になり、CSS特性が向上するものと考えられる。さ
らに放電管と隔壁との空間に極低温パネルを設けること
により、未反応ガスを漏れた極近傍で吸着し排気するた
め、その効果がより大きくなると考えられる。
【0071】また、放電管の先端に側板を設ける方法に
おいては、放電間と真空槽内との急激な圧力変化による
異常放電が防止されるため、ダイヤモンド状炭素膜の欠
陥が低減され、ヘッドへのダメージが低減されるためC
SS特性が向上すると考えられる。
【0072】以上磁気記録媒体の保護膜のうちダイヤモ
ンド状炭素膜について詳しく説明したが、保護膜として
のプラズマ重合膜等も、大幅な信頼性の向上が確認され
た。またそのほかの用途として半導体あるいは液晶用の
絶縁膜あるいは光電変換素子においては、耐食性の向上
および変換効率の向上、さらに超伝導薄膜においては、
通電容量及び寿命の向上等が認められ、産業上の適用用
途は極めて広範囲である。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、真空槽内に放電管を設
け、さらにそれを囲む隔壁を設けそれらの空間を真空排
気するか、放電管先端に側板を設け、プラズマCVD法
により、強磁性金属薄膜上に付着強度が高く、かつ欠陥
の少ないダイヤモンド状炭素膜を形成することができ磁
気テープにおいては、耐食性の向上あるいはドロップア
ウトが低減する。また磁気ディスクにおいてはCSS特
性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気テープの断面図
【図2】本発明の(実施例1)のプラズマCVD成膜方
法の一例として、磁気テープの場合の、放電管の周囲に
隔壁を設けた場合のプラズマCVD装置を示す概略図
【図3】(a)は本発明の(実施例1)の放電管、隔
壁、基板の相対関係を示す平面図 (b)は本発明の(実施例1)の放電管、隔壁、基板の
相対関係を示す側面図
【図4】本発明の(実施例2)のプラズマCVD成膜方
法の一例として、磁気テープの場合の、放電管と隔壁と
の空間に極低温パネルを設けた場合のプラズマCVD装
置を示す概略図
【図5】(a)は本発明の(実施例3)のプラズマCV
D成膜法方の一例として、磁気テープの場合の、放電管
の先端に側板を設けた場合のプラズマCVD装置を示す
概略図 (b)は本発明の(実施例3)の放電管と側板の相対関
係を示す概略図
【図6】磁気ディスクの断面図
【図7】本発明の(実施例4)のプラズマCVD成膜方
法の一例として、磁気ディスクの場合の、放電管の周囲
に隔壁を設けた場合のプラズマCVD装置を示す概略図
【図8】本発明の(実施例5)のプラズマCVD成膜方
法の一例として、磁気ディスクの場合の、放電管と隔壁
との空間に極低温パネルを設けた場合のプラズマCVD
装置を示す概略図
【図9】(a)は本発明の(実施例6)のプラズマCV
D成膜法方の一例として、磁気ディスクの場合の、放電
管の先端に側板を設けた場合のプラズマCVD装置を示
す概略図 (b)は本発明の(実施例6)の放電管と側板の相対関
係を示す概略図
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 強磁性金属薄膜 3 バックコーティング層 4 ダイヤモンド状炭素膜 5 滑剤層 20 磁気テープ 21 繰り出しローラ 22、24 パスローラ 23 メインローラ 25 巻き取りローラ 26 放電管 27 プラズマ発生用電極 28 原料ガス導入口 29 隔壁 30 プラズマ用電源 31、33 真空ポンプ 32 真空槽 40 極低温パネル 41 側板 50 磁気ディスク 1a NiーPメッキ 1b 下地Cr 51 キャリアー 52 仕切りバルブ 53 装着室 54 取り出し室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 英之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大地 幸和 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 樋渡 竜也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空槽内に放電管を設け、さらに前記放電
    管の周囲を囲む隔壁を設け、かつ前記放電管と前記隔壁
    との空間を真空排気し、前記放電管に対向して基板を設
    け、プラズマ放電により、前記基板上に薄膜を形成する
    ことを特徴とするプラズマCVD成膜方法。
  2. 【請求項2】放電管と隔壁との間隔が、基板の進行方向
    および幅方向の前記放電管の長さの3%以上で、かつ隔
    壁の先端と基板との間隙が、前記放電管の先端と前記基
    板との間隙の1〜10倍であることを特徴とする請求項
    1記載のプラズマCVD成膜方法。
  3. 【請求項3】放電管と隔壁との空間に極低温パネルを設
    けたことを特徴とする請求項1もしくは2のいずれかに
    記載のプラズマCVD成膜方法。
  4. 【請求項4】真空槽内に放電管を設け、さらに前記放電
    管に対向して基板を設け、前記放電管の先端部に前記基
    板に対向し、ほぼ平行に側板を設け、プラズマ放電によ
    り、前記基板上に薄膜を形成することを特徴とするプラ
    ズマCVD成膜方法。
  5. 【請求項5】基板の進行方向および幅方向の側板の長さ
    が、放電管の先端と基板との間隙の2倍以上で、かつ前
    記基板の進行方向および幅方向の前記放電管の長さの2
    0%以上であることを特徴とする請求項4記載のプラズ
    マCVD成膜方法。
  6. 【請求項6】薄膜が磁気記録媒体の保護膜であることを
    特徴とする請求項1、2、3、4もしくは5のいずれか
    に記載のプラズマCVD成膜方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4835027A (en) * 1986-03-28 1989-05-30 Hitachi, Ltd. Optical disc
JP2006312778A (ja) * 2005-04-06 2006-11-16 Toyo Seikan Kaisha Ltd 表面波プラズマによる蒸着膜の形成方法及び装置
JP2013209679A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Fujifilm Corp 成膜装置
CN115044885A (zh) * 2022-06-14 2022-09-13 上海征世科技股份有限公司 一种制备高纯度cvd钻石晶片的mpcvd装置及方法

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CN115044885B (zh) * 2022-06-14 2023-02-10 上海征世科技股份有限公司 一种制备高纯度cvd钻石晶片的mpcvd装置及方法

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