JPH06158380A - 光記録媒体形成用スタンパの製造方法 - Google Patents

光記録媒体形成用スタンパの製造方法

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JPH06158380A
JPH06158380A JP31725992A JP31725992A JPH06158380A JP H06158380 A JPH06158380 A JP H06158380A JP 31725992 A JP31725992 A JP 31725992A JP 31725992 A JP31725992 A JP 31725992A JP H06158380 A JPH06158380 A JP H06158380A
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Toshiya Yuasa
俊哉 湯浅
Osamu Shikame
修 鹿目
Hirofumi Kamitakahara
弘文 上高原
Hitoshi Yoshino
斉 芳野
Takashi Kai
丘 甲斐
Naoki Kushida
直樹 串田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電部材への電鋳膜の電着をなくして電鋳膜
の原盤からの剥がれを発生しにくくし、良好なスタンパ
を得る。 【構成】 記録すべき情報に対応した凹凸パターンが表
面に形成された原盤1が挿入される支持部2には、導電
部材4を介してホルダ蓋3が設けられ、原盤1の外周縁
部を保持する。ホルダ蓋3の、導電部材4との接触部の
内周縁部には弾性体6が固定されており、弾性体6の一
部位である外縁部は、導電部材4の内周縁部4aに加圧
接触している。これにより、弾性体6の、導電部材4と
接触していない部位は押し縮められず、導電部材4の内
周縁側には弾性体6による突き出し部6aが形成された
状態となる。この突き出し部6aによって、電鋳時の導
電部材4の内周縁部4a近傍の電流密度が小さくなり、
導電部材4の内周縁部4aへの電鋳膜の電着が防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に情報の記録、
再生を行なう光記録媒体を形成するために用いられるス
タンパの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種情報の記録には、磁気テー
プ、磁気ディスク等の磁気材料、各種半導体メモリ等が
主として用いられてきた。このような磁気メモリ、半導
体メモリは、情報の書き込みおよび読み出しが容易に行
なえるという利点はあるが、反面、情報の内容を容易に
改竄されたり、また高密度記録ができないという問題点
があった。かかる問題点を解決するために、多種多様の
情報を効率よく取り扱う手段として、光記録媒体による
光学的情報記録方法が提案され、そのための光学的情報
記録坦体、記録再生方法、記録再生装置が提案されてい
る。かかる情報記録坦体としての光記録媒体は、一般に
レーザー光を用いて情報記録坦体上の光記録層の一部を
揮散させるか、反射率の変化を生じさせるか、あるいは
変形を生じさせて、光学的な反射率や透過率の差によっ
て情報を記録し、あるいは再生を行なっている。この場
合、光記録層は情報を書き込み後、現像処理等の必要が
なく、「書いた後に直読する」ことのできる、いわゆる
DRAW(ダイレクト リードアフター ライト)媒体
であり、高密度記録が可能であり、また追加書き込みも
可能であることから、情報の記録、保存媒体として有効
である。
【0003】一般的な光記録媒体では、予め、トラック
や情報に対応する凹凸パターンが形成されたスタンパを
作製しておき、熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹
脂やポリメチルメタクリル樹脂にスタンパの凹凸パター
ンを転写して溝部を形成している。情報の記録、再生
は、溝部の微細な凹凸を利用してレーザー光の位相差に
より位置決めしながら行なっている。
【0004】ここで、従来のスタンパの製造工程につい
て説明する。まず、図5の(a)に示すように、平面性
良く研磨されたガラスなどの基板151の上に、レジス
トや感光性樹脂で所定の深さに凹凸パターン152aを
形成した樹脂層152を積層して原盤101とする。次
に、図5の(b)に示すように、原盤101の表面にス
パッタなどにより導電膜153を形成する。その後、図
5の(c)に示すように、電鋳法により導電膜153上
に電鋳膜155を電着する。そして、この電鋳膜155
の裏面を平滑に研磨した後、導電膜153と樹脂層15
2との界面で引き剥すことにより金属スタンパを得てい
る。
【0005】電鋳膜155の電着に当っては電鋳装置
(不図示)によって行なうが、この際には、図5の
(b)に示した原盤101を、図6に示す原盤ホルダ1
10に保持させる。原盤ホルダ110は、原盤101が
挿入される、導電性を有する支持部102を有し、支持
部102に挿入された原盤は、導電部材104を介して
取り付けられるホルダ蓋103により固定される。これ
により、原盤ホルダ110は導電部材104を介して原
盤101の導電膜153との導通をとっている。原盤1
01が固定された原盤ホルダ110は陰極として電鋳装
置の電鋳槽内に装着される。電鋳槽内にはニッケル塩を
溶解した電鋳液が満たされるとともに、原盤ホルダに対
向配置された陽極が設けられ、この陽極と原盤ホルダ1
10との間に通電することにより、原盤101の導電膜
153上に電鋳液中のニッケルが析出して電鋳膜155
が電着される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た電鋳方法では、導電膜上に電鋳膜を電着する際に、導
電部材の内周縁部にも電鋳膜が電着されてしまうため、
導電部材と原盤とが固着されるという問題点があった。
このため、電鋳膜を原盤と導電部材との境界で切断しな
ければ、電鋳後に原盤ホルダから原盤を取り出すときに
電鋳膜が導電部材とともに原盤から引き剥されてしま
う。この時点で電鋳膜が剥がれてしまっては、次工程で
の電鋳膜の裏面研磨を行なうことができない。一方、電
鋳膜を原盤と導電部材との境界で切断してから原盤を取
り出しても、切断時の応力により切断部近傍での電鋳膜
と原盤との密着性が悪くなり、電鋳膜の裏面研磨時に電
鋳膜が原盤から剥がれ易くなってしまい、いずれにして
も良好な電鋳膜を電着することは困難であった。
【0007】また、電鋳膜を電着させる際に、原盤の樹
脂層の端部に電着が集中するために、樹脂層の端部にお
いては中央部に比較して電鋳膜の膜厚が厚くなり、均一
な厚さのスタンパを得ることができなかった。その結
果、次工程での裏面研磨に時間がかかり、生産性の低下
を招いていた。これを解決するために、陰極と陽極との
間に絶縁性の補助部材を挿入するものが提案されている
が、これでも、電鋳時に陽極から陰極に向かって発生す
る電気力線はこの補助部材を容易に回避して陰極上に到
達するので、原盤上に電着される電鋳膜の膜厚を完全に
均一化することはできなかった。とりわけ、ガラス等の
基板上に形成されるレジストや感光性樹脂の凹凸による
膜厚の不均一や、エッジ部分に電気力線が集中すること
による電鋳膜の盛り上りをなくすることは非常に困難で
あった。
【0008】そこで本発明は、導電部材への電鋳膜の電
着をなくして電鋳膜の原盤からの剥がれを発生しにくく
したり、均一な膜厚の電鋳膜を形成することで、良好な
スタンパが得られる、光記録媒体形成用スタンパの製造
方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の光記録媒体形成用スタンパの製造方法は、記録
すべき情報に対応した凹凸パターンが表面に形成された
原盤を、前記原盤の表面の外縁部に接触する導電部材を
有する原盤ホルダに保持して、前記原盤の表面に電鋳を
行なうことで、光学的に情報の記録、再生を行なう光記
録媒体を形成するためにのスタンパを製造する、光記録
媒体形成用スタンパの製造方法において、前記電鋳を、
前記導電部材の内縁部での電気力線の密度を小さくして
行なうことを特徴とする。
【0010】また、前記導電部材の内縁部に弾性体の一
部位を加圧接触させることで前記導電部材の内縁部での
電気力線の密度を小さくしたものでもよく、その場合に
前記弾性体を、スポンジとしたり中空構造体としてもよ
い。
【0011】さらに、前記原盤ホルダは、前記原盤の外
縁部を保持するためのホルダ蓋を有し、前記ホルダ蓋
の、前記導電部材の内縁部近傍に突起を設けることで、
前記導電部材の内縁部での電気力線の密度を小さくした
ものでもよい。
【0012】また、記録すべき情報に対応した凹凸パタ
ーンが形成された原盤の表面に、導電化処理を施してか
ら電鋳を行なうことで、光学的に情報の記録、再生を行
なう光記録媒体を形成するためにのスタンパを製造す
る、光記録媒体形成用スタンパの製造方法において、前
記導電化処理後に、前記原盤の表面の、前記電鋳時に電
気力線の密度が大きくなる部位に水溶性樹脂を塗布して
から前記電鋳を行なうことを特徴としたものでもよい。
【0013】
【作用】上記のとおり構成された請求項1乃至5に記載
の発明では、導電部材の内縁部に弾性体の一部位を加圧
接触させたり、原盤の外縁部を保持するホルダ蓋の、導
電部材の内縁部近傍に突起を設けることで、導電部材の
内縁部での電気力線の密度が小さくなる。その結果、導
電部材への電鋳膜の電着が防止され、導電部材が原盤に
固着されることがなくなる。
【0014】請求項5に記載の発明では、導電化処理後
に、原盤の表面の、電鋳時に電気力線の密度が大きくな
る部位に水溶性樹脂を塗布してから電鋳を行なうこと
で、電鋳初期には、水溶性樹脂を塗布した部分には電着
が起こらず、その他の部分のみに電着が起こる。その
後、水溶性樹脂が液中に溶解していき、導電化面が露出
して他の部分より遅れて電着が始まり、最終的に均一な
膜厚の電鋳膜が得られる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の、光記録媒体形成用スタンパ
の製造方法の実施例について図面を参照して説明する。
【0016】(第1実施例)図1は、本発明の光記録媒
体形成用スタンパの製造方法の実施に使用される電鋳装
置の概略断面図である。図1に示すようにこの電鋳装置
は、電鋳槽9内に互いに間隔をおいて対向配置された陽
極7と原盤ホルダ(陰極)10とを有し、電鋳液9を、
調整槽12からポンプ13によって汲み上げ、吐出口1
4より陽極7と原盤ホルダ10との間に向けて(図示矢
印A方向)吐出させることにより、電鋳液8が電鋳槽9
に供給される構成となっている。原盤ホルダ10は、後
述する原盤1を保持するもので、モータ11によって回
転可能に設けられている。一方、陽極7は、試料である
金属球7aをチタンよりなる網状の保持体7b中に保持
したものである。陽極7と原盤ホルダ10との間に通電
することにより、陽極7では金属球7aがアノード溶解
され、原盤ホルダ10では金属球7aが還元されて、原
盤1の表面に電鋳膜が電着される。この電鋳膜が、裏面
を平滑に研磨された後原盤1から引き剥されて最終的に
は光記録媒体形成用スタンパとなる。電鋳時の電流密度
は、電鋳膜に反りや応力が発生しない範囲で設定され、
その値としては、例えば1〜30A/dm2 、好ましく
は3〜10A/dm2 の範囲がよい。電鋳槽9に供給さ
れた電鋳液8は、排出口15から調整槽12に回収さ
れ、電鋳液8は電鋳槽9と調整槽12とを循環して電鋳
槽9には常に新しい電鋳液8が供給される。
【0017】電鋳液8を電鋳槽9に送り込むための吐出
口14は、陰極面に垂直方向に向ければ効果が大きい
が、水素ガスを均一に除去するために必要に応じて角度
をつけたり、また吐出口14を複数個設けてもよい。電
鋳液8の吐出流量は、少なすぎると陰極面上の水素ガス
を除去するだけの流速が得られず、一方、多すぎるとポ
ンプ13や吐出口14等に過大な圧力がかかって好まし
くないので、15〜300l/min程度が好ましい。
【0018】次に、図1に示した原盤ホルダ10の構成
について説明する。図2は、図1に示した原盤ホルダの
要部断面図である。図2に示すように、記録すべき情報
に対応した凹凸パターン(不図示)が表面に形成された
原盤1が挿入される、十分な強度と導電性を有するステ
ンレス、チタン等の金属材料からなる支持部2には、リ
ング状の導電部材4を介してポリメチルメタクリル樹脂
や塩化ビニル樹脂等からなるホルダ蓋3が設けられてお
り、これにより原盤1の外周縁部が保持される。導電部
材4としては、導電性に優れ、加工し易い材料であれば
一般的に用いられている材料の中から選択されるもの
で、例えば銅等の金属材料を用いることができる。ホル
ダ蓋3には原盤1の端部にいくにしたがい電流密度を小
さくして電着を少なくするためのテーパー5が形成され
ている。ホルダ蓋3の、導電部材4との接触部の内周縁
部には、その全周にわたって弾性体6が固定されてお
り、弾性体6の一部位である外縁部は、導電部材4の内
周縁部4aに加圧接触している。
【0019】これにより、弾性体6の、導電部材4との
接触部は弾性変形して押し縮められ、他方、導電部材4
と接触していない部位は押し縮められず、導電部材4の
内周縁側には弾性体6による突き出し部6aが形成され
た状態となる。この突き出し部6aによって、電鋳時の
導電部材4の内周縁部4a近傍の電流密度が小さくな
り、導電部材4の内周縁部4aへの電鋳膜の電着が防止
される。その結果、原盤1と導電部材4との電鋳膜によ
る固着が発生しなくなるので、原盤ホルダ10から原盤
1を取り出す際の原盤1からの電鋳膜の剥がれや、原盤
1と導電部材4との境界での電鋳膜の切断による電鋳膜
の密着性の低下が防止でき、次工程での電鋳膜の裏面研
磨を良好に行なうことができる。
【0020】弾性体6としては、スポンジ、もしくは中
空構造体を用いることが好ましい。スポンジとしては、
ポリエチレンスポンジ、ニトリルスポンジ、ネオプレン
スポンジ、EPDMスポンジ、NRスポンジ、ポリウレ
タンスポンジ、ブチルゴムスポンジ、塩化ビニリデンス
ポンジ等が挙げられる。また、これらの複合材によるも
のでもよい。中空構造体としては、シリコンゴム、ネオ
プレン、SBR、ニトリルゴム、アクリルゴム、ブタジ
エンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、フッ素
ゴム、アクリルゴム等の弾性体の内部を中空にしたもの
が用いられる。その形状としては、縦が1〜4mm、横
が1〜5mmの断面を有する棒状弾性体が好ましい。こ
の弾性体6はホルダ蓋3に接着剤等で貼着して用いれば
よい。
【0021】次に、本実施例の実験例について説明す
る。
【0022】まず、縦×横が340mm×300mm、
厚さが10mmのガラス板と、それと同じ大きさで所定
の凹凸パターンが形成されたフォトマスクとの間に、フ
ォトポリマー(日本化薬社製、商品名INC−118)
を厚さ80μmで真空注入し、紫外線露光装置で露光、
硬化させた。硬化後にフォトマスクを外して、溝幅2.
5μm、ランド長9μmの凹凸パターンが形成された原
盤1を得た。その後、この原盤にスパッタにより厚さ1
000Åのニッケル膜を形成して導電化をした。
【0023】一方、ホルダ蓋3の、導電部材4の外周縁
部4aに対応する部位に幅2mm、深さ1.5mmの溝
を形成し、この溝に弾性体6として厚さ2mm、幅2m
mのポリエチレンスポンジ(栗原産業社製、商品名N
o.311)を貼着した。
【0024】次に、原盤1を原盤ホルダ10の支持部2
に挿入し、導電部材4として銅製のコンタクトリングを
介してホルダ蓋3を装着した。これを、図1に示した電
鋳装置の電鋳槽9に取り付け、電鋳を行なった。陽極7
としては、ニッケル球をチタン製の籠に入れたものであ
る。電鋳槽9の容量は500lで、電鋳液8としては表
1に示す組成のものを用いた。
【0025】
【表1】 電鋳液8は、1N−スルファミン酸によりpHを4.2
に調整し、液温度が45℃、吐出口14からの吐出流量
は39l/min、原盤ホルダ10の回転速度は20r
pmとした。また、電流条件は、3Aの初期電流を30
分間流し、その後50Aで積算電流値が10600A・
分となるまで電鋳を行なった。これにより、原盤1に中
央部の膜厚が240μmの電鋳膜を形成した。
【0026】その後、ホルダ蓋3をあけ、コンタクトリ
ングを取り外し、電鋳膜が形成された原盤1を支持部2
から取り出した。その結果、コンタクトリングへの電着
や、それに伴う原盤1の膜剥がれは発生しなかった。
【0027】以上述べた実験例では、弾性体6としてポ
リエチレンスポンジを用いたが、これにかえて、直径が
3mmの中空シリコンチューブを用いたり、EPDMス
ポンジを用いて上述した方法と同様に電鋳を行なって
も、コンタクトリングへの電着、および原盤1からの膜
剥がれは見られなかった。
【0028】なお、比較のために、弾性体6を設けない
他は、上述した方法と同様の方法で電鋳を行なったとこ
ろ、コンタクトリングに電着が生じ、これによりコンタ
クトリングを取り外す際に原盤から電鋳膜が剥がれてし
まった。
【0029】(第2実施例)図3は、本発明の光記録媒
体形成用スタンパの製造方法の第2実施例の実施に使用
される原盤ホルダの要部断面図である。この原盤ホルダ
30は、ホルダ蓋23の導電部材24の内周縁側近傍に
突起26が形成されており、突起26と原盤21との間
隔Dは導電部材24の厚さよりも小さくなっている。こ
れにより、電鋳時の導電部材24の内周縁部近傍の電流
密度が小さくなり、導電部材24への電鋳膜の電着が防
止される。
【0030】この突起26は、原盤21や導電部材24
と導通しない位置であれば、導電部材24の内周縁から
ホルダ蓋23のテーパー25の端までの範囲の中で自由
に設定位置を決めることができる。また、突起26が原
盤21に接触すると、この部位で電鋳膜が切れてしま
い、他方、間隔Dが広すぎると導電部材24への電鋳膜
の付着を防止することができなくなるので、突起26と
原盤21との間隔Dの大きさは、導電部材24の厚さの
100分の1〜100分の99の範囲であることが好ま
しい。ただし、導電部材24の厚さが薄い場合には、隙
間Dの値は0.1mm以上であることが望ましい。突起
26は、通常は導電部材24の端部の全周にわたって形
成されていなければならないが、原盤21の形状によっ
ては全周にわたって形成しないことも可能である。例え
ば、四角い原盤21を用いる場合には、原盤21の辺の
部分のみに突起26を形成すれば、角近傍には形成しな
くてもよい。突起26の幅は、電鋳時に隙間Dを一定に
保持できればいずれの幅としてもよいが、好ましい範囲
は0.01mm以上である。突起26は、ホルダ蓋23
と一体化して形成することもできるし、後から設けるこ
ともできる。支持部22の導電部材24を押えるシール
材料に形成したり、導電部材24の内周縁部に形成して
もよい。突起26の材料としては、電鋳時に隙間Dを一
定に保持できる材料であればいずれの材料を用いてもよ
く、シリコン樹脂や塩化ビニル樹脂等の樹脂材料、金や
銅やステンレス等の金属材料、ガラス、あるいはセラミ
クス等が好ましい。
【0031】次に、本実施例の実験例について説明す
る。
【0032】縦×横が340mm×300mm、厚さが
10mmのガラス板と、それと同じ大きさで表面にピッ
チ12μm、幅3.0μm、深さ3000Åの凹凸パタ
ーンが光カードの標準フォーマットで形成されたフォト
マスクとの間に、紫外線硬化樹脂(旭化成工業社製、
A.P.R.)を厚さ20μmで真空注入し、紫外線露
光装置で露光、硬化させた。硬化後に、フォトマスクを
外して原盤21を得た。この原盤21に、スパッタによ
り厚さ1000Åでニッケル膜を形成して導電化をした
後で、外径が550mmの丸型の原盤ホルダ30の支持
部22に原盤21を挿入した。ホルダ蓋23は、250
×290mmの長方形の開口が形成され、原盤21の表
面に対する角度が10°、長さが10mmのテーパー2
5が形成されたものである。導電部材24は、厚さが
0.5mm、外径が550mmの銅板に、290×33
0mmの長方形の孔を形成したものである。
【0033】一方、テーパー25の端部で、導電部材2
4の内周縁部から0.5mmの位置に、厚さ100μm
の粘着テープ(住友3M社製、#851)を0.5mm
幅に切断してから3枚重ねたものを全外周にわたって貼
着し、これを突起26とした。原盤21を原盤ホルダ3
0に装着した状態で、突起26と原盤30との間隔Dを
測定したところ、0.2mmであった。
【0034】そして、原盤21が装着された原盤ホルダ
30を図1に示した電鋳装置に取り付け、電鋳を行なっ
た。本実験で用いた電鋳液は、硼酸を30g/lの割合
で含む他は表1に示したものと同じ組成のものを用い、
液温度は50℃で、電鋳液全体を10回/時間のサイク
ルで循環させた。また、電流密度は、原盤ホルダと陽極
間で最初は0.1A/dm2 で30分間流してから、5
A/dm2 まで電流密度を上げて、12000A・分の
積算電流値になるまで電鋳を行なった。
【0035】電鋳終了後、原盤21に形成された電鋳膜
の膜厚を測定したところ、原盤21の中央部で250±
5μm、外周部で290±10μmで、所定の膜厚で電
鋳膜が形成された。そして、導電部材25には全く電鋳
膜は形成されておらず、その結果、導電部材24と原盤
21とが固着されていないので原盤21からの電鋳膜の
剥がれを生じることなく、導電部材24を原盤21から
容易に取り外すことができた。
【0036】以上述べた実験例では、粘着テープにより
突起26を形成した例を示したが、その他に、厚さ40
0μmの軟質塩化ビニル樹脂板(筒中プラスチック社
製)を0.5mm幅に切断し、これを上述した実験例と
同じ位置に接着剤(ソニーケミカル社製、商品名 SC
55)を用いて貼り付けたものを突起26とし、原盤2
1と突起26との間隔を0.1mmとした場合でも、上
述と同様の結果が得られた。さらに、ホルダ蓋23の、
突起26を形成すべき部位に幅3mm、深さ3mmの溝
を形成し、この溝に、高さ250μm、幅0.5mmの
突起が形成された厚さ5mmのシリコン樹脂板(キヤノ
ンケミカル社製)を2mm幅で切断したものを、接着剤
(信越化学工業社製、商品名 KE45)を用いて貼り
付けて突起26を設け、原盤21と突起26との間隔を
0.1mmとした場合でも、上述と同様の結果が得られ
た。
【0037】なお、比較のために、突起26を設けない
他は、上述した方法と同様の方法で電鋳を行なったとこ
ろ、導電部材の内周縁部近傍にも50〜100μmの厚
さで電鋳膜が形成された。このため導電部材と原盤とは
互いに固着して一体となっているので、導電部材と原盤
の境界に形成された電鋳膜を切断せずに、導電部材と原
盤を剥すことはできなかった。そして、導電部材と原盤
との境界の電鋳膜を切断して両者を分離したが、原盤の
端部付近の電鋳膜が原盤から剥離してしまった。
【0038】(第3実施例)図4は、本発明の光記録媒
体形成用スタンパの製造方法の第3実施例を説明するた
めの原盤の断面図である。
【0039】まず、図4の(a)に示すように、平面性
良く研磨されたガラスなどの基板51の表面に、レジス
トや感光性樹脂で所定の深さに凹凸パターン52aを形
成したフォトポリマー等の樹脂層52を積層して原盤4
1とする。次に、図4の(b)に示すように、原盤41
の表面にスパッタなどにより導電膜53を形成する。そ
の後、図4の(c)に示すように、原盤41の端部や樹
脂層52の端部等の、電鋳時に電気力線が集中し易い部
位に水溶性樹脂54を塗布し、これを、図1に示した電
着装置に装着して電鋳を行なう。これにより電鋳初期に
は、水溶性樹脂54を塗布した部分には電着が起こら
ず、その他の部分のみに電着が起こる。その後、水溶性
樹脂54が電鋳液中に溶解していき、導電膜53が露出
して他の部分より遅れて電着が始まる。すなわち、水溶
性樹脂54を塗布した部分では電鋳が抑制され、図4の
(d)に示すように均一な厚さの電鋳膜55を得ること
ができる。その結果、次工程での電鋳膜55の裏面研磨
が容易となり、光記録媒体形成用スタンパの生産性を向
上させることができる。
【0040】水溶性樹脂54としては、ポリビニルアル
コール樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、カルボキシメチル
セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、グアーガム樹
脂、アルギン酸系樹脂、水溶性ナイロン樹脂、ポリビニ
ルピロリドン樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、3
〜35wt%程度水に溶解させ、導電膜53上に塗布し
て用いるのが好ましい。
【0041】次に、本実施例の実験例について説明す
る。
【0042】まず、第1実施例の実験例と同様にして原
盤41を作製し、この原盤41に、導電膜53としてス
パッタにより1000Åの厚さでニッケル膜を形成して
導電化をした。
【0043】次に、樹脂層52の端部付近のニッケル膜
表面に、水溶性樹脂54としてポリビニルアルコール
(日本合成化学社製、商品名 ゴーセノールGL−0
3)の10wt%溶液を15mmの幅で塗布、乾燥させ
る。その後、この原盤41を図1に示した電鋳装置に取
り付け、第1実施例の実験例と同様の条件で電鋳を行な
った。その結果、膜厚が250μmの均一な電鋳膜が得
られた。
【0044】以上述べた実験例では、水溶性樹脂54と
してポリビニルアルコールを用いたが、これにかえて、
ポリビニルピロリドンK−30(キシダ化学社製試薬)
を用いたり、カルボキシメチルセルロースナトリウム
(キシダ化学社製試薬)を用いて上述した方法と同様に
電鋳を行なっても、均一な電鋳膜が得られた。
【0045】なお、比較のために、ニッケル膜表面に水
溶性樹脂54を塗布しない他は、上述した方法と同様の
方法で電鋳を行なったところ、得られた電鋳膜の膜厚
は、中央部で230μm、端部で300μmとなり、膜
厚が均一な電鋳膜は得られなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり構成されて
いるので、以下に記載する効果を奏する。
【0047】導電部材の内縁部での電気力線の密度を小
さくして光記録媒体形成用スタンパの電鋳を行なうこと
で、導電部材への電鋳膜の電着が防止され、導電部材が
原盤に固着されることがなくなる。その結果、次工程で
の電鋳膜の裏面研磨時に原盤から剥がれにくい良好な電
鋳膜を得ることができる。そして、前記電気力線の密度
を小さくすることは、導電部材の内縁部に弾性体の一部
位を加圧接触させたり、原盤の外縁部を保持するホルダ
蓋の、導電部材の内縁部近傍に突起を設けることで、容
易に行なうことができる。
【0048】また、導電化処理後に、原盤の表面の、電
鋳時に電気力線の密度が大きくなる部位に水溶性樹脂を
塗布してから電鋳を行なうことで、均一な膜厚の電鋳膜
を得ることができ、ひいては次工程の裏面研磨による膜
厚均一化を容易にして光記録媒体形成用スタンパの生産
性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体形成用スタンパの製造方法
の実施に使用される電鋳装置の一例の概略断面図であ
る。
【図2】図1に示した原盤ホルダの要部概略断面図であ
る。
【図3】本発明の光記録媒体形成用スタンパの製造方法
の第2実施例の実施に使用される原盤ホルダの要部断面
図である。
【図4】本発明の光記録媒体形成用スタンパの製造方法
の第3実施例を説明するための、原盤の断面図である。
【図5】従来の光記録媒体形成用スタンパの製造方法を
説明するための、原盤の断面図である。
【図6】従来の光記録媒体形成用スタンパの製造に用い
られる原盤ホルダの断面図である。
【符号の説明】
1、21、41 原盤 2、22 支持部 3、23 ホルダ蓋 4、24 導電部材 4a 内周縁部 5、25 テーパー 6 弾性体 6a 突き出し部 7 陽極 7a 金属球 7b 保持体 8 電鋳液 9 電着槽 10、30 原盤ホルダ(陰極) 11 モータ 12 調整槽 13 ポンプ 14 吐出口 15 排出口 26 突起 51 基板 52 樹脂層 52a 凹凸パターン 53 導電膜 54 水溶性樹脂 55 電鋳膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳野 斉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 甲斐 丘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 串田 直樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録すべき情報に対応した凹凸パターン
    が表面に形成された原盤を、前記原盤の表面の外縁部に
    接触する導電部材を有する原盤ホルダに保持して、前記
    原盤の表面に電鋳を行なうことで、光学的に情報の記
    録、再生を行なう光記録媒体を形成するためにのスタン
    パを製造する、光記録媒体形成用スタンパの製造方法に
    おいて、 前記電鋳を、前記導電部材の内縁部での電気力線の密度
    を小さくして行なうことを特徴とする、光記録媒体形成
    用スタンパの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記導電部材の内縁部に弾性体の一部位
    を加圧接触させることで前記導電部材の内縁部での電気
    力線の密度を小さくする、請求項1に記載の光記録媒体
    形成用スタンパの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記弾性体はスポンジである、請求項2
    に記載の光記録媒体形成用スタンパの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記弾性体は中空構造体である、請求項
    2に記載の光記録媒体形成用スタンパの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記原盤ホルダは、前記原盤の外縁部を
    保持するためのホルダ蓋を有し、 前記ホルダ蓋の、前記導電部材の内縁部近傍に突起を設
    けることで、前記導電部材の内縁部での電気力線の密度
    を小さくする、請求項1に記載の光記録媒体形成用スタ
    ンプの製造方法。
  6. 【請求項6】 記録すべき情報に対応した凹凸パターン
    が形成された原盤の表面に、導電化処理を施してから電
    鋳を行なうことで、光学的に情報の記録、再生を行なう
    光記録媒体を形成するためにのスタンパを製造する、光
    記録媒体形成用スタンパの製造方法において、 前記導電化処理後に、前記原盤の表面の、前記電鋳時に
    電気力線の密度が大きくなる部位に水溶性樹脂を塗布し
    てから前記電鋳を行なうことを特徴とする、光記録媒体
    形成用スタンパの製造方法。
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