JPH0637585B2 - 電線被覆用エチレン共重合体組成物 - Google Patents

電線被覆用エチレン共重合体組成物

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JPH0637585B2
JPH0637585B2 JP63319294A JP31929488A JPH0637585B2 JP H0637585 B2 JPH0637585 B2 JP H0637585B2 JP 63319294 A JP63319294 A JP 63319294A JP 31929488 A JP31929488 A JP 31929488A JP H0637585 B2 JPH0637585 B2 JP H0637585B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電線被覆用エチレン共重合体組成物に関するも
のである。更に詳しくは高速の電線被覆成形をするに際
し背圧が低く電線の肌粗さが改良され、且つ耐ストレス
クラック性に優れた電線被覆用高密度ポリエチレン系共
重合体組成物に関するものである。
[従来の技術・発明が解決しようとする課題] 従来、電線被覆材料としては、種々の熱可塑性樹脂が使
われてきた。その中でも通信用ケーブル、電力用ケーブ
ルの絶縁被覆材料としては、電気特性の優れた低密度ポ
リエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂が多く使用さ
れてきた。ところが、高圧法低密度ポリエチレン樹脂は
表面肌は滑らかであるが、表面硬度が低いため撚りをか
ける時にクラックが発生しやすく電気絶縁性が損われ漏
電するという問題があった。一方、高密度ポリエチレン
樹脂は1000〜2000m/minという高速被覆においては成
形時の背圧が高くなり、且つ表面肌が粗くなるという問
題があった。
しかるに、最近さらに通信の高密度化に伴う芯線の細線
化の必要性が要求される中で表面硬度が高く耐摩耗性に
も優れている高密度ポリエチレン樹脂による高速成形時
の背圧の低下と表面肌の改良が望まれてきた。この高密
度ポリエチレン樹脂の改良としては、密度が0.935g/c
m3以上の高密度ポリエチレン樹脂とエチレン−プロピレ
ンランダム共重合体とからなる組成物(特開昭51−3974
4号)、密度が0.94g/cm3以上の溶融指数の異なる2種
類の高密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂
とからなる組成物(特開昭52−11235号)、密度とメル
トインデックスの異なる2種類のポリエチレン樹脂にヒ
ドロキシステアリン酸カルシウムとステアリン酸カルシ
ウムの共沈混合物を含む組成物(特開昭55−155038号)
あるいはメルトフローレートが5.0ないし2000g/10min
で密度が0.965ないし0.975g/cm3のエチレン重合体と
メルトフローレートが0.01ないし0.20g/10minで密度
が0.890ないし0.950g/cm3のエチレンと炭素数4ない
し20のα−オレフィン共重合体との組成物(特公昭61−
26169号)が提案されている。しかし本発明者等はより
成形時の背圧が低く正面肌粗さが改良され、且つ摩耗
性、耐ストレスクラック性にも優れたエチレン共重合体
組成物の開発について検討した結果、本発明に至ったの
である。
[課題を解決するための手段] 本発明は(A)密度が0.961ないし0.969g/cm3でメル
トフローレートが300ないし1000g/10minのエチレン−
ブテン−1共重合体成分を34ないし50重量%と、(B)
密度が0.955ないし0.962g/cm3でメルトフローレート
が10ないし30g/10minのエチレン−プロピレン共重合
体成分を10ないし25重量%、(C)密度が0.925ないし
0.940g/cm3でメルトフローレートが0.04ないし0.20g
/10minのエチレン−ブテン−1共重合体成分を32ない
し47重量%とからなる組成物であり、且つ組成物の密度
が0.947ないし0.953g/cm3でメルトフローレートが0.9
0ないし2.0g/10minの範囲であることを特徴とする成
形時の背圧が低く表面肌粗さが改良され、且つ摩耗性、
耐ストレスクラック性にも優れた電線被覆用エチレン共
重合体組成物を提供するものである。
本発明に用いる高いメルトフローレートエチレン−ブテ
ン−1共重合体成分(以下A成分という。)としては、
密度が0.961ないし0.969g/cm3の範囲およびメルトフ
ローレート(JIS K 6760:荷重2.16kg;以下MFRと称
する。)は300ないし1000g/10minの範囲が必要である。
密度が0.961未満の共重合体を用いるとエチレン−プロ
ピレン共重合体成分あるいは低メルトフローレートエチ
レン−ブテン−1共重合体成分として高い密度のものを
用いなければならず、そのため耐ストレスクラック性が
劣る結果となり好ましくない。また、密度が0.969g/c
m3以上となると低メルトフローレートエチレン−ブテン
−1共重合体成分として低密度のもの用いなければなら
ず、スラリー重合の際スラリー性状が悪くなり一部が溶
媒に可溶となるため、製造工程上問題が生じる。また低
メルトフローレートエチレン−ブテン−1共重合体成分
の密度が低すぎると得られる組成物の強度が低下するお
それもある。
またMFRが1000g/10minを越えるとスラリー重合でのス
ラリー性状が悪くなり、製造の安定性に劣るばかりでな
く、最終組成物の強度を低下するおそれがある。一方MF
Rが300g/10min未満では成形時の背圧が高くなり、成
形性が劣るばかりではなく、電線の表面肌が粗くなり、
本発明の目的が達せられない。
本発明に用いるエチレン−プロピレン共重合体成分(以
下B成分という。)としては、密度が0.955ないし0.962
g/cm3の範囲のものであり、またMFRは10ないし30g/
10minの範囲のものである。密度が0.962を越えると最終
組成物の強度が低下するおそれがある。一方、密度が0.
955未満では低メルトフローレートエチレン−ブテン−
1共重合体成分の密度を高くしなければならず、そのた
め耐ストレスクラック性が劣る結果となり好ましくな
い。また、MFRが10g/10min未満では成形時の背圧が高
くなり、成形性が劣るばかりではなく、電線の表面肌が
粗くなり、本発明の目的が達せられない。一方、MFRが3
0g/10min以上となると組成物のMFRが高くなり、耐ス
トレスクラッキング性が劣る結果となり好ましくない。
メルトフローレートの異なるエチレン−ブテン−1の共
重合体のみからなるものでは、後記の比較例7および1
1により明らかに最終組成物の物性が本発明のものであ
っても成形時の背圧が高くなり、電線表面肌が粗くな
る。本発明においてはB成分としてエチレン−プロピレ
ンの共重合体を配合することにより成形時背圧を低下さ
せ、かつ成形電線表面肌粗さが滑らかで良好な電線被覆
用組成物を得ることができる。
本発明に用いる低メルトフローレートエチレン−ブテン
−1共重合体成分(以下C成分という。)としては、密
度が0.940ないし0.925g/cm3の範囲のものであり、ま
たMFRが0.04ないし0.20g/10minの範囲のものである。
密度が0.940を越えると最終組成物の強度および耐スト
レスクラック性が低下するおそれがある。一方、密度が
0.925未満では本発明の組成物を得るためにはA成分あ
るいはB成分の密度を高くする必要があり、AおよびB
成分の各共重合体成分の強度が著しく低下することによ
り最終組成物の強度も低下することになり好ましくな
い。MFRが0.04g/10min未満では成形時の背圧が比較的
高くなり、成形性が劣るばかりではなく、ブツの生成に
より電線の表面肌が粗くなり、本発明の目的が達せられ
ない。またMFRが0.20g/10minを越えると最終組成物の
強度および耐ストレスクラック性が低下するおそれがあ
る。
本発明の電線被覆用エチレン共重合体組成物は前記のA
成分、B成分およびC成分とからなり、密度が0.947な
いし0.953g/cm3でMFRが0.90ないし2.0g/10minの範
囲のものである。この最終組成物の密度が0.947未満の
ものでは電線としての剛性と耐摩耗性に劣り、密度が0.
952を越えると耐ストレスクラック性が低下する。またM
FRが0.90未満のものでは成形時の背圧が高くなり、成形
性が劣るばかりではなく、電線の表面肌が粗くなるので
好ましくない。一方MFRが2.0を越えると成形性および電
線の表面肌粗さは良くなるが、強度および耐ストレスク
ラック性が劣るために好ましくない。さらにこれらの電
線は発泡成形されることも多いが、溶融粘度が低くなる
ことにより発泡時の泡持ち性が劣るため好ましくない。
本発明の電線被覆用エチレン共重合体組成物を得るに
は、前記のA成分を34ないし50重量%と、B成分を10な
いし25重量%と、C成分を32ないし47重量%の範囲で各
々の共重合体成分を混合することにより得られる。A成
分が34重量%未満では、溶融流動性に劣るため成形時の
背圧が高くなり、成形性が劣るばかりではなく、電線の
表面肌が粗くなるので好ましくない。またA成分が50重
量%を越えると、成形性および電線の表面肌粗さは良く
なるが、強度および耐ストレスクラック性が劣るために
好ましくない。またB成分が10重量%未満では、表面
肌粗さのの改良が十分ではない。またB成分が25重量%
を越えると、最終組成物の強度が劣るため好ましくな
い。C成分32重量%未満では、最終組成物の強度および
耐ストレスクラック性が劣るために好ましくない。また
C成分が47重量%を越えると、溶融流動性に劣るため成
形時の背圧が高くなり、成形性が劣るばかりではなく、
電線の表面肌が粗くなるので好ましくない。
前記のA成分とB成分とC成分を混合する方法として
は、別々に重合した各成分を例えば、バンバリーミキサ
ー、ニーダー、二軸混練機、一軸押出機等を用いて機械
的に混合する方法、三つの重合器で各々重合させた後パ
ウダーを均一に混合する方法等があるが特に限定される
ものではない。
本発明に用いられるA成分およびC成分を製造する方法
としては、例えば特開昭57−212210号に挙げられた様な
遷移金属触媒と有機アルミニュウム化合物によるチーグ
ラー型触媒を用いて低圧スラリー重合法によりエチレン
とブテン−1を所定の密度となるように重合して得らえ
る。その際のMFRのコントロールには水素の様な連鎖移
動剤を用いればよい。またB成分を製造する方法として
は、前記と同様な触媒を用いてエチレンとプロピレンを
所定の密度とMFRとなるように重合すればよい。
本発明の組成物を得るにあたり、通常ポリオレフィンに
用いられる酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止
剤、着色剤、発泡剤、その他の各種添加剤を本発明の目
的を損わない範囲で混合して使用することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれらの実施例に制約されるものではない。
〔実施例および比較例〕
(1)重合方法 A成分 重合器に重合溶媒としてn−ヘキサンを用い、触媒とし
てチタン系担持触媒と助触媒としてトリエチルアルミニ
ウムを用いて、所定量の水素をMFR調節剤として供給し
て、温度85℃に保ちながらコモノマーとしてブテン−1
を導入し、引き続き重合の主成分であるエチレンを全圧
8kg/cm2に保つように連続的に供給し、スラリー重合
をおこない、下記のMFR(g/10min)および密度(g/
cm3)を有するエチレン−ブテン−1共重合体であるA
成分のA−1〜A−3および比較例のためのB成分のB
−1′とB−2′を得た。
A−1:MFR 320,密度0.966 A−2:MFR 550,密度0.965 A−3:MFR 660,密度0.961 A−4:MFR 250,密度0.966 A−5:MFR 960,密度0.969 B−1′:MFR 20.8,密度0.961 B−2′:MFR 17.0,密度0.956 B成分 ブテン−1の代わりにプロピレンを導入して、A成分と
同様に重合して下記のMFR(g/10min)および密度(g
/cm3)を有するエチレン−プロピレン共重合体である
B成分のB−1〜B−4を得た。
B−1:MFR 23.4,密度0.966 B−2:MFR 16.4,密度0.965 B−3:MFR 8.5,密度0.961 C成分 温度を75℃、全圧4kg/cm2とした以外はA成分と同様
に重合して下記のMFR(g/10min)および密度(g/cm
3)を有するエチレン−ブテン−1共重合体であるC成
分のC−1〜C−7を得た。
C−1:MFR 0.075,密度0.932 C−2:MFR 0.092,密度0.932 C−3:MFR 0.050,密度0.932 C−4:MFR 0.11,密度0.926 C−5:MFR 0.20,密度0.926 C−6:MFR 0.034,密度0.932 C−7:MFR 0.25,密度0.933 (2)ブレンド 上記のようにして得られたA成分、B成分およびC成分
を第1表〜第4表に示した所定の割合で混合し、高分子
量フェノール系およびチオエーテル系酸化防止剤、ハイ
ドロタロサイト類化合物の塩素捕捉剤および高級脂肪酸
金属塩の滑剤を添加し、二軸押出機を用いて混練造粒を
行い、各組成物を得た。
得られた組成物のESCRはJIS K 6760によりプレ
スシートの厚み2mm、ノッチ深さ0.3mm、温度50℃、界
面活性剤:ノニオンNS210 10%水溶液で測定した。
(3)電線被覆成形 上記(2)で得られた各組成物を以下に示す条件で電線
被覆成形を行い、その結果を第1〜4表に示した。
電線成形条件 成形機:65mmφ単軸押出機 導体:0.4mmφ銅導体 導体予熱温度:135℃ 仕上外径:0.68mmφ 成形速度:1200m/min スクリーン:80/100/120/80メッシュ 設定温度:C CH D 190 210 230 230 230 なお、成形線の表面肌粗さは、JIS BO601に規定されて
いる中心線平均粗さに準拠して測定した。
本発明の組成物では、ESCRが20以上であって電線被覆
形成引っ張り速度1200m/分において、背圧が約500
以下、表面肌粗さが約1μmRa以下となるものを良好と
した。
実施例および比較例により明らかなように、A成分が3
4%以下の比較例3(A成分:30%)においては、電
線被覆成形時の背圧が高くなり電線被覆用組成物として
は適当でない。またA成分が50%以上の比較例19に
おいては、組成物のMFRが2以上となり、密度も高くな
りESCRの低下を招き好ましくない。
B成分が25%を越えた比較例6および8においては、
組成物のMFRが2を越えたり、ESCRが不良となる。
〔発明の効果〕
本発明はメルトフローレートの異なるエチレン−ブテン
−1共重合体の少なくとも2種とエチレン−プロピレン
共重合体とからなる電線被覆組成物であって、従来のポ
リエチレンを主成分としたエチレン−ブテン共重合体等
との組み合わせによる組成物に比し、本発明の組成物を
電線被覆に用いる場合、従来の被覆より高速押出成形の
際の背圧を低くすることができ、作業効率が高くなり工
業上有用である。
さらに得られる被覆表面は、ブツがなく平滑であって、
成形性に優れ、かつ耐ストレスクラック性に富むもので
あります。
従って、本発明の電線被覆用エチレン共重合体組成物を
用いて高速成形により電線被覆成形を行なうことによ
り、成形時の背圧が低く成形加工性の良い、表面肌粗さ
の少ない被覆電線が成形できる。また得られた電線は剛
性が高く、耐摩耗性にすぐれており、耐ストレスクラッ
ク性が良いために市内の通信ケーブル用として適してい
る。
フロントページの続き (72)発明者 大友 進 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部興 産株式会社千葉石油化学工場内 (72)発明者 時田 幹雄 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部興 産株式会社千葉石油化学工場内 (56)参考文献 特開 昭61−148703(JP,A) 特公 昭61−26169(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)密度が0.961ないし0.969g/cm3
    メルトフローレートが300ないし1000g/10minのエチレ
    ン−ブテン−1共重合体成分を34ないし50重量%と、
    (B)密度が0.955ないし0.962g/cm3でメルトフロー
    レートが10ないし30g/10minのエチレン−プロピレン
    共重合体成分を10ないし25重量%、(C)密度が0.925
    ないし0.940g/cm3でメルトフローレートが0.04ないし
    0.20g/10minのエチレン−ブテン−1共重合体成分を3
    2ないし47重量%とからなる組成物であり、且つ組成物
    の密度が0.947ないし0.953g/cm3でメルトフローレー
    トが0.90ないし2.0g/10minの範囲であることを特徴と
    する電線被覆用エチレン共重合体組成物。
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