JPH064669B2 - ポリエン物質及び肥満細飽機能調節剤 - Google Patents

ポリエン物質及び肥満細飽機能調節剤

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JPH064669B2
JPH064669B2 JP1055862A JP5586289A JPH064669B2 JP H064669 B2 JPH064669 B2 JP H064669B2 JP 1055862 A JP1055862 A JP 1055862A JP 5586289 A JP5586289 A JP 5586289A JP H064669 B2 JPH064669 B2 JP H064669B2
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和哉 中込
秀興 田中
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、ポリエン物質及び肥満細胞機能調節剤に関す
るものである。
〔従来技術〕
肥満細胞は動物の結合組織及び消化管粘膜内に存在し、
細胞内にケミカルメディエーターと呼ばれる生物活性物
質を含む顆粒を数多く持っている。炎症性反応及びアレ
ルギー反応はともに、刺激を受けた肥満細胞が脱顆粒反
応を起こし、ヒスタミン、セロトニンなどのケミカルメ
ディエーターを放出するところから始まる。免疫グロブ
リンEの受容体を持つ細胞として肥満細胞が注目され、
肥満細胞における刺激の伝達機能及び脱顆粒反応の作用
機作などを解明することがアレルギー反応を理解するこ
とに直接つながるため、肥満細胞の脱顆粒作用及び脱顆
粒抑制作用等の機能調節作用をもつ物質の開発が望まれ
ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
そこで、本発明者らは、このような作用を有する物質の
開発について広く検討を行ったところ、下記一般式で示
される新規なポリエン物質が肥満細胞機能調節作用を有
することをはじめて明らかにし、本発明を完成させた。
従って、本発明は新規なポリエン物質及び肥満細胞機能
調節剤を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、下記一般式で示されるポリエン物質及
び肥満細胞機能調節剤が提供される。
前記式中、R1は水素原子又はアルキル基であり、アルキ
ル基としては、メチル、エチル、プロピル等の低級アル
キル基が挙げられる。R2は水素原子又は水酸基である。
R3は水素原子、塩形成性カチオン又はアルキル基であ
る。塩形成性カチオンとしては、ナトリウムやカリウム
等のアルカリ金属、カルシウムやマグネシウム等のアル
カリ土類金属の他、アルミニウム、アンモニウム、有機
アンモニウム等が挙げられる。アルキル基としては、メ
チル、エチル、プロピル等の低級アルキル基が挙げられ
る。
前記一般式(I)において、R3が水素原子であるポリエン
物質(以下、本物質とも言う)は、ストレプトベルティ
シリウム・ユーロシジカム (Streptoverticillium eurocidicum、IFO No.13491)株
又はストレプトベルティシリウム・アルビレティキュリ
(Streptoverticillium albireticuli、IFO No.12737)株
を、一般培地に培養し、培地中に産生させることができ
る。この場合の培養は、例えば、炭素源としてグルコー
ス、シュークロース、マルトース、デキトリン、澱粉、
グリセリン等を、窒素源としてはペプトン、肉エキス、
酵母エキス、麦芽エキス等を用い、さらに無機塩とし
て、NaCl、K2HPO4Na2HPO4、MgSO4等を加えた中性液体培
地中で、通気、攪拌することにより実施することができ
る。培地のpHは5〜8、好ましくは7付近で培養され
る。培養温度は通常、20〜35℃の範囲であるが、30℃付
近が好ましい。例えばグリコール1.5%、ペプトン0.5%、
肉エキス0.5%、酵母エキス0.5%、NaCl0.5%を含むpH7.0
の液体培地で28℃、40時間培養することにより、本物
質を生産させることができる。
培養濾液からの本物質の採取は、有機溶媒抽出法、イオ
ン交換樹脂法、及び吸着剤を用いた吸脱着法や、高速液
体ウロマトグラフィー法等を用いて行うことができる。
例えば、培養濾液中に1/10体積量のアンバーライトXAD-
7を加えて時々攪拌しながら室温で約4時間吸着処理を
行った後、アンバーライトXAD-7を濾別し、これを洗浄
後、80%メタノール溶液で溶出処理する。溶出液を減圧
濃縮後、水に再溶解し、pH4.0に調整した後、CM−トヨ
パールイオン交換クロマトグラフィーを行うと、0.05M
酢酸−酢酸アンモニウムによるpHグラジエントによりpH
5.0付近から溶出が始まる。この溶出液をさらにpH9.0に
調整し、DEAE−トヨパールイオン交換クロマトグラフィ
ーを行うとpH7.5付近から溶出が始まる。さらに活性画
分を、MCIゲルCHP-20P吸着カラムに吸着させ、40%アセ
トニトリル溶出画分を分取した後、高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)を用いることにより本物質を得ることが
できる。
さらに、本物質は菌体をメタノール等の有機溶媒を用い
る抽出処理した後、ODSカラム等による吸着クロマトグ
ラフィーを用い、溶出画分を濃縮、結晶化等の通常の精
製操作を行うことによっても得ることができる。
前記、一般式(I)においてR3が塩形成性カチオン及びア
ルキル基を示すものは、一般式(I)においてR3が水素原
子を示す物質に対し、それぞれ対応するカチオンを含む
塩基及びエステル化剤を常法により反応させることによ
って得ることができる。
また、本物質は、通常用いられる化学合成法もしくは酵
素を用いる合成法によっても得ることができる。ポリエ
ン物質あるいはそれに類するものとマイコースもしくは
マイコサミンなどを用いることにより本物質を合成する
ことができる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 グルコース1.5%、ペプトン0.5%、肉エキス0.5%、酵素エ
キス0.5%、NaCl0.5%を含むpH7.5%の液体培地100mlを500
mlの坂口フラスコに分注し、120℃、20分間滅菌する。
この培地に放線菌ストレプトベルティシリウム・ユーロ
シジカム株の斜面寒天培地より1白金耳量を接種し、28
℃、3日間往復しんとう培養を行った。この培養液と同
組成の培地20を30用ジャーファーメンターに仕込
み、ストレプトベルティシリウム・ユーロシジカム株の
前培養液300mlをこの培地に移し、28℃、200回転、通気
量毎分10で40時間培養を行った。培養終了後、7000
回転の連続遠心を行うことにより、菌体と培養濾液とを
分離し、黒かっ色の培養濾液18を得た。この培養濾液
の肥満細胞脱顆粒抑制活性は642,500ユニットであっ
た。
実施例2 実施例1で得た菌体に5倍量のメタノールを加えて攪拌
後、室温にて放置した。時々攪拌しながら24時間置いた
後、菌体を濾別後、メタノール抽出液を同容量の水と混
合して、ODS吸着カラム(日本ミリポア製、カラム体積7
78ml、メタノール/水=1/1にて平衡化)に吸着させ
た。溶出液(メタノール/水=2/1)を用いてI,II及
びIIIの画分を順次得、濃縮、再結晶操作により、各画
分に対応する本物質NO.1:5.0mg、NO.2:8.7mg及びN
O.3:100mgを得た。
実施例3 (1)実施例1で得られた培養濾液のうち5中に、その1
/10体積に相当する吸着剤アンバーライトXAD-7を加え、
時々振とうしながら4時間室温にて吸着処理した。吸引
濾過におり、吸着剤を濾別し、精製水で洗浄した後、吸
着剤体積の2倍量に相当する20%メタノール水溶液で洗
浄した。その後、吸着剤体積の3倍量に相当する80%メ
タノール水溶液で溶出させ、溶出液を減圧濃縮した後、
精製水に溶解させた。ほぼ100%近い活性が回収できた。
(2)次に、CM−トヨパール650Mカラム〔東ソー製、カラ
ム体積533ml、0.05M酢酸−酢酸アンモニウム(pH4.0)で
平衡化〕にpH4.0に調整した試料溶液を吸着させ、0.05M
酢酸−酢酸アンモニウム(pH6.0)で溶出させた。活性画
分は溶出後のpH5.0から溶出してきた。活性画分の肥満
細胞脱顆粒抑制活性は25,250ユニットであった。
(3)さらに上記(2)の活性画分を、pH9.0に調整した後、D
EAE−トヨパール650Mカラム〔東ソー製、カラム体積179
ml、0.05M酢酸アンモニウム−アンモニア水でpH9.0に平
衡化〕に、吸着させ、0.05M酢酸アンモニウム−アンモ
ニア水(pH7.5)で溶出させた。この活性画分の活性は、1
6,500ユニットであった。
(4)さらに、MCIゲル(CHP-20P、三菱化成製)を充填した
吸着カラム(カラム体積40ml)に、前記(3)で得られた
活性画分を吸着させ、20%アセト−トリル水溶液で洗浄
後、40%アセトニトリル水溶液で溶出させ、減圧濃縮し
て白色物質を得た。
得られた物質をメタノールに溶解させ、HPLCにて分離し
た。この場合の分離条件は次の通りである。
カラム :ヌクレオシル5C8充填、直径10mm 長さ250mm 使用溶媒:アセトニトリル/酢酸アンモニウム 緩衝液(0.01M、pH5.0)=35/65 流 速:4ml/分 検 出:紫外波長350nmにおける吸光度測定 試料濃度:0.2mg/ml 注入量 :200μl/回 上記条件にて物質NO.1、、NO.2及びNO.3に該当する画分
を分取し、減圧濃縮して物質NO.1:1.1mg、NO.2:1.5mg
及びNo.3:10mgを得た。
実施例4 (1)物質NO.1、、NO.2及びNO.3をそれぞれ約1.5mgを正確
に計りとり、微量元素分析を行った。炭素、水素及び窒
素の含有率は、物質NO.1:C=57.59%、H=7.61%、N=1.
76%と、物質NO.2:C=57.70%、H=7.57%、N=1.65%、
物質NO.3:C=58.86%、H8.10%、N=1.86%と測定され、
それぞれ、C39H63O17N(理論値C=57.27%、H=7.76%、
N=1.71%)C40H65O17N(理論値:C=57.75%、H=7.87
%、N=1.68%)、C40H65O16N(C=58.88%、H=8.03%、N
=1.72%)の組成をもつものであると明らかになった。
(2)物質NO.1、、NO.2及びNO.3について、その質量分析を
行った。FAB-MS法による測定結果は、物質NO.1は、(M+
H)+=782.36となり、C39H59O15N(M=781.39)と判明し
た。物質NO.2は、(M+H)+=796.47となり、C40H61O15N(M
=795.40)と判明した。物質NO.3は、(M+H)+=780.45と
なり、C40H61O14N(M=799.41)と判明した。元素分析法
の値はそれぞれ2水塩(2H2O)であると推定された。
(3)物質NO.1、、NO.2及びNO.3をメタノールに溶解し紫外
線吸収スペクトル分析を行った。その結果は、物質NO.
1、NO.2及びNO.3はいずれも302nm、316nm、331nm及び34
9nmに極大波長を示すペンタエン構造であることが明ら
かとなり、吸収の強さはE(1%、MeOH)で表わすと、物質N
O.1では、398(302nm)、844(316nm)、1375(331nm)及び13
88(349nm)となり、物質NO.2では、344(302nm)、700(316
nm)、1122(331nm)及び1144(349nm)となり、物質NO.3で
は、362(302nm)、760(316nm)、1210(331nm)及び1232(34
9nm)となった。
(4)物質NO.1、、NO.2及びNO.3をそれぞれ約10μg計りと
り、臭化カリウムと混合して錠剤をつくり、KBrタブレ
ット法による赤外線吸収スペクトル分析法を行った。そ
の結果、各物質とも、3380cm-1、1700cm-1、1560cm-1
1390cm-1、1070cm-1及び1005cm-1に吸収を示し、ポリエ
ン物質としての特徴を示していた。
(5)物質NO.1、、NO.2及びNO.3をそれぞれ重水素置換ジメ
チルホルムアミド(DMF-d)もしくは重水素置換ジメチル
スルホキシド(DMSO-d)に溶解して核磁気共鳴スペクトル
を行った。1H核磁気共鳴スペクトル、13C核磁気共鳴ス
ペクトル、13C-DEPT測定及び1H-1Hシフト相関二次元核
磁気共鳴スペクトル分析を行い、各物質の構造は前記一
般式(I)において、物質NO.1の場合、R1=H、R2=OH、R3
=H、物質NO.2の場合、R1=CH3、R2=OH、R3=H、物質N
O.3の場合、R1=CH3、R2=H、R3=Hを示すものであるこ
とを決定した。
実施例5 (1)ウィスター系雌性ラット(体重150〜250g)を脱血致
死させ、腹腔内にタイロード液を20ml注入し、腹部を約
2分間軽くマッサージした。開腹後覆水を採取し、4℃
にて150×g、10分間の条件で遠心分離し、沈澱する細
胞を集めた。この細胞をタイロード液2mlに懸濁させ、
比重1.068に調整した牛血清アルブミン含有生理食塩水4
mlに重層し、4℃、100×gの条件で12分間遠心分離
後、沈澱する細胞を集めた。タイロード液で2回洗浄し
た後、0.2%牛血清アルブミンを含むタイロード液に液に
肥満細胞が約106個/mlとなるように懸濁させ、肥満細
胞浮遊液を得た。
(2)被験化合物を含む生理食塩水20μlと肥満細胞浮遊
液20μlを10分間37℃にて反応させ、最終濃度1μg/
mlとなるようにコンパウンド48/80溶液10μlを加え、
さらに10分間反応させた。反応後1分間氷冷した後、1,
500×g、4分間の条件で遠心し、上澄と細胞とを分離し
た。上澄に含まれるヒスタミンをOndaらのHPLC法(Hiro
chima J.Med.Sci,第27巻、93〜97ページ、1987年によ
り)定量することにより脱顆粒を測定した。この場合、
肥満細胞脱顆粒抑制活性は以下の式より算出した。
A;細胞をコンパウンド48/80とのみ反応させ た時に遊離されたヒスタミン量 B;被験化合物を細胞と反応させた後、コンパウンド48
/80を加えてさらに反応させた時 に遊離されたヒスタミン量 C;細胞を緩衝液(もしくは生理食塩水)とのみ 反応させた時に遊離されたヒスタンミン量 脱顆粒誘発剤としては、コンパウンド48/80(シグマ社
製)の他、コンカナバリンA、イオノフォアA23187はじ
め一般に知られている任意の薬剤を用いることができ
る。
被験化合物の濃度を種々変えて測定を行い、本測定系で
1μg/mlのコンパウンド48/80により誘発される肥満細
胞脱顆粒を50%抑制する化合物の濃度〔IC50〕値を
求めた。また、コンパウンド48/80の存在しない状態
や、コレステロールを添加した状態など各種の状態や、
コレステロールを添加した状態など各種の条件下で本物
質を肥満細胞に対する機能調節作用の測定も合せて行
い、その結果は以下に示すように、本物質には、強い肥
満細胞機能調節作用をもつことが認められた。
なお、本測定系で1μg/mlコンパウンド48/80により
誘発される肥満細胞脱顆粒作用を50%抑制する化合物の
濃度を1単位/ml〔1ユニット/ml〕とした。
(3)1mg/mlのコンパウンド48/80の誘発する肥満細胞脱
顆粒作用に対して物質NO.1、NO.2及びNO.3の示した作用
は次の通りであった。
(3)−(i) 物質NO.1、NO.2及びNO.3は低濃度領域では肥満細胞脱顆
粒抑制作用を示し、そのIC50値は、物質NO.1:3.6μg
/ml、物質NO.2:1.8μg/ml、物質NO.3:1.0μg/ml
であった。
(3)−(ii) 物質NO.1、NO.2及びNO.3は高濃度領域では単独で肥満細
胞脱顆粒作用を示し、本作用は、反応液のカルシウムイ
オン濃度を約1mM以上にした時に発現し、反応液のカル
シウムイオン濃度が0に近い時は発現しないというカル
シウムイオン依存性を示した。
(3)−(iii) 反応液にコレステロールを一定濃度(約2μg/ml)以上
加えることにより、上記(3)−(i)及び(3)−(ii)の作用
はコレステロールに対して濃度依存的に減少した。
実施例6 物質NO.1を100mg計りとり、ジメチルスルホキシド2mlに
溶解した後、無水メタノール0.2mlを加えて希釈した。
0.3モル濃度のジアゾメタンを含むテトラヒドロフラン1
mlをこれに加えて4℃にて約2分間反応させ、エステル
化を行った。反応液に無水エチルエーテル20mlを加えて
沈殿する物質を遠心にて集め、少量の無水エチルエーテ
ルにて洗浄後、同溶媒にて再結晶化操作を行い、物質N
O.1のメチルエステル(前記一般式(I)においてR1=C
H3、R2=H、R3=CH3を示すもの)、72mgを得た。
メチルエステルの同定は質量分析及び核磁気共鳴スペク
トル分析により行った。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明により、特定のポリエン物質が肥
満細胞機能調節作用を有することが明らかにされた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式で示されるポリエン物質。 (式中、R1は水素原子又はアルキル基、R2は水素原子又
    は水酸基、R3は水素原子、塩形成性カチオン又はアルキ
    ル基を示す)
  2. 【請求項2】請求項1のポリエン物質からなる肥満細胞
    機能調節剤
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