JPH0648904A - 抗菌性・抗線虫組成物 - Google Patents

抗菌性・抗線虫組成物

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JPH0648904A
JPH0648904A JP5151505A JP15150593A JPH0648904A JP H0648904 A JPH0648904 A JP H0648904A JP 5151505 A JP5151505 A JP 5151505A JP 15150593 A JP15150593 A JP 15150593A JP H0648904 A JPH0648904 A JP H0648904A
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chitin
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antibacterial
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JP5151505A
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Hideyuki Matsuda
英幸 松田
Yoji Komura
洋司 小村
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SANIN KENSETSU KOGYO KK
Original Assignee
SANIN KENSETSU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微生物形成キトサン成分を有効成分とする抗
菌性乃至は抗線虫組成物を提供する。 【構成】 エンテロバクター属のG−1株を用いて、キ
チンを分解して得られるキトサンを、有効成分として含
む抗菌性乃至は抗線虫組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、抗菌性・抗線虫組成物に係り、
特にカニガラ等の甲殻類の殻にて与えられるキチン等を
微生物培養処理することにより得られるキトサンを有効
成分とした抗菌性・抗線虫組成物に関するものである。
【0002】
【背景技術】近年、カニガラ等の甲殻類の殻を化学処理
して、有用物質としてのキトサンを採取することが行な
われている。なお、この化学処理法では、先ず、カニガ
ラ等の甲殻類の殻を脱カルシウム処理して得られる脱カ
ルシウム殻を1%アルカリ若しくはプロテアーゼ処理し
て、除蛋白することにより、キチン質を取り出し、次い
でそれを40%アルカリ水溶液処理して、脱アセチル化
を行なうことにより、目的とするキトサンが得られてい
る。そして、このようにして得られるキトサンは数少な
い天然の塩基性多糖類の一つであり、主として排水処理
用凝集剤等として用いられており、また手術用糸、人工
皮膚、肥料等としても有用であることが認められてい
る。
【0003】かかる状況下、本発明者らは、キチンをよ
く分解し、特に甲殻類の殻に存在するキチンの分解能力
に優れ、しかもキトサンや各種キチン分解酵素類の生産
能力の高い微生物を広く自然界から検索しているうち、
エンテロバクター属のG−1株を用いて、キチンを分解
して得られるキトサンが、優れた抗菌作用や抗線虫作用
を有することを見い出し、またそのような微生物をキチ
ン培地にて培養して得られる培養体(液)も、同様に、
抗菌作用や抗線虫作用を有することを見い出したのであ
る。
【0004】
【解決課題】本発明は、かかる知見に基づいて完成され
たものであって、その解決課題とするところは、微生物
形成キトサン成分を有効成分とする新規な抗菌性・抗線
虫組成物を提供しようとすることにある。
【0005】
【解決手段】そして、本発明は、かかる課題解決のため
に、エンテロバクター属のG−1株を用いて、キチンを
分解して得られるキトサンを、有効成分として含む抗菌
性・抗線虫組成物を、その要旨とするものである。
【0006】なお、かかる本発明において用いられるエ
ンテロバクター・G−1からなる菌株(微生物)は、微
工研菌寄第10392号として寄託されたものである。
【0007】
【作用・効果】このような本発明に従う特定の菌株(エ
ンテロバクター・G−1)は、カニガラ等の甲殻類の殻
に存在するキチンを分解して、有効な抗菌作用乃至は抗
線虫作用を有するキトサンを与える微生物として単離さ
れたものであって、そのような微生物を用いて、キチン
を分解して得られるキトサンを、有効成分として、抗菌
性乃至は抗線虫組成物に調製することによって、各種の
病原菌、例えばブドウ根頭ガン腫、バラ根頭ガン腫、稲
のモンガレ病、ワサビの墨入れ病等に対して優れた抗菌
作用を示し、またマツノザイセンチュウ等の線虫に対す
る殺虫乃至は抗線虫効果を示すものである。
【0008】
【具体的構成】ところで、かかる本発明に係る微生物
は、エンテロバクター属に属する菌株であって、エンテ
ロバクター・G−1と称されるものである。この菌株
は、島根県松江市の月照寺において採取された水より得
られ、脱カルシウムカニガラ粉末及び0.2%K2 HP
4 のみを含む培地で、キチン分解活性を誘導させるた
めに、約5ヵ月間10回の連続培養を行なったものから
単離されたものであって、工業技術院微生物工業技術研
究所に昭和63年11月14日に「微工研菌寄第103
92号(FERM P−10392)」として受託され
ており、その菌学的性質は、以下の通りである。
【0009】(I)形態学的性質 本菌株は、グラム陰性の単桿菌(0.7〜1.2μm×
1.0〜1.5μm)で、胞子は形成しない。
【0010】(II)各種培地上の性質 (1)ブイヨン培地 コロニーの色はクリーム色で、コロニーは大きく広が
る。コロニーの表面は円滑で、周辺の状態は円である。
また、コロニーはほんの少し隆起している。 (2)コロイダルキチン寒天培地 コロニーの色は白色で、30℃で1日間培養後には、コ
ロニーの周辺に透明なクリアゾーンができる。コロニー
の表面には小さな凹凸がある。コロニーの表面は波打っ
ている。また、寒天の下層の方にもコロニーが広がって
いる。
【0011】(III)生理的性質 (1)生育温度範囲 液体振とう培養;15〜33℃(最適生育温度26℃) コロイダルキチン寒天培地;16〜50℃(最適生育温
度30℃) クリアゾーンを作るまでの日数;16℃・・・2日後 30℃・・・1日後 37℃・・・1日後 42℃・・・4日後 (2) 生育pH範囲 ・・・4〜9 (3) 硝酸塩の還元 ・・・陽性 (4) 硫化水素の発生 ・・・陽性 (5) インドールの生成 ・・・陰性 (6) V−Pテスト ・・・陽性 (7) O−Fテスト ・・・醗酵 (8) メチルレッドテスト・・・陰性 (9) カタラーゼ ・・・陽性 (10) オキシダーゼ ・・・陰性 (11) ウレアーゼ ・・・陰性 (12) 糖からの酸及びガスの生成試験: 酸の生成とガスの発生;D−フラクトース、D−マンノ
ース、グルコース、サッカロース 酸を生成し、ガスは発生しない;マルトース、D−ガラ
クトース、D−ソルビトール、マニトール 酸を生成せず、ガスも発生しない;アラビノース、ラク
トース、D−キシロース、ラムノース
【0012】(IV)同定 「バージーズ・マニュアル・オブ・システマティック・
バイオテクノロジー(Bergey's manual of systematic
biotechnology)」,Vol.1 及び「微生物の分類と同定
〈下〉」(長谷川武治編著、学会出版センター)から検
索すると、エンテロバクター属に属するものと考えられ
る。しかし、バージーズ・マニュアルに記載の既知菌株
中から検索すると、糖から酸の生成試験で完全に一致す
るものがない。また、硫化水素の発生に関しても、本菌
株は陽性であるが、既知菌株中には陽性のものがなく、
本菌株は新菌株であると認められ、この菌株をエンテロ
バクター(Enterobacter)G−1と命名した。
【0013】(V)微生物の培養 この菌株の培養には、通常の放線菌の培養方法が用いら
れる。培養基の炭素源としては、菌に誘導されたキチン
分解活性を喪失させないためにも、コロイダルキチン等
のキチンを主体とし、これに必要に応じて公知の適当な
炭素源を組み合わせて用いられることとなる。また、窒
素源としては、アンモニウム塩、硝酸塩、酵母エキス、
ペプトン等が単独でまたは組み合わせて用いられ、更に
P源として、リン酸塩等が用いられることとなる。更
に、その他、必要に応じて、無機塩、例えばアルカリ金
属塩、硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸亜鉛、塩化マン
ガン等が適宜に添加されることとなる。
【0014】なお、培養方法としては、固体培地上での
培養も可能であるが、一般の酵母生産の方法と同様に、
液体培養を採用することが好ましく、その際には、例え
ば次の如き組成の液体培地が用いられる。 コロイダルキチン:4g K2 HPO4 :0.7g KH2 HPO4 :0.3g MgSO4 ・5H2 O:0.5g FeSO4 ・7H2 O:0.01g ZnSO4 :0.001g MnCl2 :0.001g 酵母エキス:0.25g ペプトン:0.25g 寒天:15g 蒸溜水:1000ml pH:7.0
【0015】また、かかる培養は、一般に、20〜40
℃程度の培養温度において行なわれるものである。
【0016】そして、本発明は、上記のエンテロバクタ
ー・G−1を用いて、カニガラ等の甲殻類の殻に存在す
るキチンを分解処理して、キトサンを得るものである
が、この微生物処理には、有利には甲殻類の殻を塩酸等
の適当な酸にて処理することにより、脱カルシウム化さ
れた、換言すれば殻中のCaCO3 が酸で溶出、除去さ
れたものが、粉末状態において供されることとなる。特
に、このような脱カルシウム処理を行なうことにより、
殻全体の容積を減じることが出来、以てその取扱いが容
易になると共に、微生物処理タンク中のカルシウム処理
が不要となる利点があり、また黒変微生物の殺菌が同時
に行なわれ得る利点があるところから、カニガラ処理に
有利に採用されることとなる。
【0017】また、かかる甲殻類の殻は、水等の適当な
分散媒体中に分散せしめられて分散液とされ、次いで適
当な反応容器(バイオリアクター)に収容されて、本発
明に従う前記特定の微生物を用いて微生物処理が行なわ
れるのである。なお、この微生物処理に際して、前記培
養液構成と同様な成分が適宜に添加され、そして20〜
40℃の温度に保持されて、撹拌下に10〜15日程度
培養することにより、目的とする甲殻類の殻の処理が行
なわれるのである。
【0018】なお、かかる反応容器内に収容される分散
液中の甲殻類の殻の割合や微生物の添加量、更には培養
温度、培養期間等は、目的とするキトサンの培養液中の
生産量が最大となるように適宜に決定されることとな
る。
【0019】また、このような微生物処理によって、次
のように反応が進行する。即ち、甲殻類の殻、特に脱カ
ルシウム殻は、その微生物処理によって除蛋白されてキ
チンとなり、そしてこのキチンの微生物処理により、キ
チナーゼ、キチンデアセチラーゼ及びキトサナーゼ等が
生成して、キトサンの生成、その低分子化及びキチンの
低分子化を行なわしめるのである。そして、このような
微生物処理による反応によって、生成する培養物は、目
的とする生成物の生産量が最大に達した時点において、
その培養が停止されて、目的とする生成物が単離精製さ
れることとなるが、その一つの手法としては、遠心分画
による方法がある。即ち、この遠心分画により、培養物
を上澄み液(培養濾液)と沈澱物に分画せしめ、その沈
澱物からキトサン粉末を採取するようにするのである。
なお、上澄み液からは、限外濾過膜分画、キチンアフィ
ニティクロマトグラフィ、等電点電気泳動等によって、
キチナーゼやキトサナーゼ等の有用な分解酵素類を採取
することが出来る。
【0020】さらに、本発明にあっては、培養タンク内
において連続的に微生物処理を行ないつつ、培養物を取
り出し、それより順次生成物を分離する方式も採用可能
である。即ち、所定期間の間、微生物処理された培養タ
ンクから培養物を取り出し、例えば分子量が20万以上
のものをカットするフィルタ(膜)を用いて分離するこ
とにより、微生物菌体、キチン、キトサンを取り出し、
その中からキトサンを分離する一方、微生物菌体やキチ
ンを再び培養タンク内に戻し、また必要な脱カルシウム
カニガラ等の原料を培養タンク内に供給して、かかる培
養タンクにて微生物処理を続行せしめるようにすること
が出来るのである。
【0021】このようにして得られたキトサンは、優れ
た抗菌作用乃至は抗線虫(殺虫)作用を有するものであ
って、それ故それを有効成分として、公知の処方に従っ
て、抗菌性乃至は抗線虫組成物として調製乃至は利用す
ることが出来るのである。また、このような微生物処理
によって形成されるキトサンは、本発明に従う微生物
(エンテロバクター・G−1)を培養するために、栄養
培地として、キチン培地、例えばコロイダルキチン寒天
培地を用いるものであるところから、それを培養して得
られる培養液(培養体)にも、同様な抗菌作用乃至は抗
線虫作用が存し、それ故そのような培養液を用いて抗菌
性乃至は抗線虫組成物を調製することも出来るのであ
る。
【0022】なお、かかる本発明に従う微生物処理によ
って得られたキトサンが、病原微生物の増殖を阻害し、
同時に植物細胞を活性化する機構は、未だ充分に解明さ
れていないが、現時点では、そのメカニズムは、次のよ
うに考えると、実験結果をよく説明し得ると考えられ
る。即ち、汚染土壌においては、植物細胞は、病原微生
物の感染、線虫の侵入或いは昆虫の食害等を受け、生理
機能低下、栄養障害、生育不良となり、ついには枯死す
るようになる。他方、キトサンを加えた活性土壌におい
ては、次の4つの働きが惹起される。第一は、添加キト
サンは、共存する微生物によって加水分解されて、低分
子で水に可溶なキトサンオリゴ糖となり、これは植物細
胞の中に入って、DNAからRNAの転写を促進する。
第二は、その結果、植物細胞は蛋白合成が盛んになり、
その中でキチナーゼ、キトサナーゼ等の酵素類及びファ
イトアレキシンのような抗菌性物質の生合成が促進され
る。第三は、これらの酵素が病原生微生物の細胞壁を分
解し、細胞の中にファイトアレキシン、キトサンオリゴ
糖等が入り、RNAの転写を抑えて、増殖を阻害する。
第四は、この細胞壁分解で生成した新たなキトサンオリ
ゴ糖は、植物細胞の活性化を促進させる。また、このよ
うにして生成するキトサンオリゴ糖や各種酵素は、線虫
を攻撃し、生育を阻害するものと考えられる。そして、
これらの一連の反応は、キトサンによって刺激されてス
タートするが、その主役は、キトサンをキトサンオリゴ
糖に分解する土壌中の微生物群と言える。そして、この
ことは、微生物の機能を利用して生産されたキトサンの
優れた点を示していると言うことが出来る。
【0023】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。なお、以下の実施例中の百分率は、特に断
わりのない限り、重量基準によって示されるものであ
る。
【0024】微生物処理キトサンの調製 先ず、1%のHCl水溶液にて脱カルシウム処理された
脱Caカニガラ粉末:400g、0.025%ペプトン
及び0.2%K2 HPO4 を含み、更にエンテロバクタ
ー・G−1の種培養菌700mlを含むpH7.0の培
養液:30lを準備し、これを30℃の温度に保持しつ
つ、14日間振盪培養を行なった。そして、かかる培養
の後、その培養液から遠心分離して得られた沈澱物は、
乾燥重量で約200gであり、赤外線吸収スペクトル分
析の結果、最大約50〜60%脱アセチル化された粗キ
チン、キトサン等の混合物であることが認められた。ま
た、これを酢酸で処理すると、48%の約90gが酢酸
不溶性粗キトサンとして得られ、残り52%の約105
gが酢酸可溶性成分として得られた。この酢酸可溶性成
分は、キトサン及びカニガラ結合蛋白質から得られる酢
酸可溶性蛋白質を含むものである。
【0025】一方、前記した遠心分離により得られた培
養濾液中には、脱Caカニガラの200g分が可溶化し
て存在し、これは、キチン、キトサンの可溶性低分子成
分等、即ち粗N−アセチルグルコサミンオリゴ糖、グル
コサミンオリゴ糖、及び部分的にアセチル化されている
グルコサミンオリゴ糖等が生成しているものと考えられ
る。
【0026】また、上記の培養処理によって生成した各
酵素の活性測定は、キチナーゼについては、0.5%コ
ロイダルキチン水溶液の0.5ml、0.1Mクエン酸
−0.2Mリン酸水素二ナトリウム緩衝液(pH 7.
0)の1ml及び上記の培養濾液(粗酵素液)の0.5
mlの計2mlを、30℃×30分間インキュベーショ
ンし、更に100℃で5分間煮沸して、酵素を失活さ
せ、生じた還元末端をスカーレス(SCHALES)の変法で定
量して求めた。なお、1μmol のN−アセチルグルコサ
ミン相当の還元糖を生成する酵素量を1単位(unit)と
した。そしてまた、キトサナーゼ活性の測定は、1%コ
ロイダルキトサン水溶液(pH6.0)0.5mlに、
上記の培養濾液の0.5mlを加えて、30℃の温度で
30分間インキュベーションし、その後、100℃の温
度で5分間煮沸して酵素反応を失活させた後、遊離した
還元糖をスカーレスの変法で定量して求めた。なお、1
分間に1μmol のグルコサミンを生成する酵素量を1単
位とする。更に、キチンデアセチラーゼ活性は、0.5
%コロイダルキチン水溶液0.5ml、0.1Mクエン
酸−0.2Mリン酸水素二ナトリウム緩衝液(pH7.
0)1ml及び上記の培養濾液0.5mlの計2ml
を、30℃の温度下で30分間インキュベーションし、
その後、酵素を100℃の温度で5分間加熱することに
よって失活せしめ、そして生じたNH2 基をコロイド滴
定法によって測定して求めた。
【0027】以上の結果、最高で約210gのキトサン
を含む酢酸可溶性成分が生産され、また数gのN−アセ
チルグルコサミン及びグルコサミンが得られることが分
かった。キチンからキトサンを含む酢酸可溶性成分の生
成率は、約52%となる。この時、キチナーゼ及びキト
サナーゼ酵素は、酵素蛋白質として180〜300mg
生産される。1μmol のβ−1,4−グルコシド結合を
1分間に切断する酵素量を1単位とすると、360〜6
00単位となる。同様に、キチンデアセチラーゼは、酵
素蛋白質として120〜180mg生産され、酵素量と
しては210〜300単位となることが分かった。
【0028】微生物処理キトサン及び微生物培養液の抗菌性試験 上記のようにして得た微生物処理キトサンを用い、その
0.1%、0.5%または1%等の各濃度で添加した寒
天培地及び無添加のコントロールの寒天培地、更には比
較のために化学処理によって得られたコロイダルキトサ
ン、粉末キトサン、そしてコロイダルキチンの各種の濃
度の寒天培地を調製した。一方、ブドウ根頭ガン腫、イ
ネのモンガレ病、ワサビの墨入れ病の羅病植物または病
原微生物を入手し、上記の微生物処理キトサン添加寒天
培地や化学処理キトサン添加寒天培地等に植え継ぎ、そ
の抗菌性を調べた。
【0029】より具体的には、ブドウ根頭ガン腫病原菌
(Agrobacterium tumefaciens)に対する抗菌性について
は、先ず、培地として、普通寒天培地(肉エキス5g、
塩化ナトリウム5g、ペプトン10g、寒天15g/水
1000ml、pH7.0)をコントロールとして、こ
れに、コロイダルキトサン、粉末キトサン、微生物処理
キトサン、コロイダルキチンを、各種の濃度において加
えて調製したものを用い、そして予め液体培地で生育さ
せておいた病原菌を、かかる培地に塗抹し、3日間30
℃で培養の後、菌数を測定した。その結果は、下記表1
に示す通りである。
【0030】なお、バラ根頭ガン腫についても、上記と
同様な抗菌性テストを実施したところ、同様な結果が得
られた。
【0031】
【表1】
【0032】また、ワサビの墨入れ病の病原菌(Phoma
wasabiae Yokogi)に対する抗菌性については、上記と同
様な普通寒天培地をコントロールとして、それに、コロ
イダルキトサン、粉末キトサン、微生物処理キトサン、
及びコロイダルキチンを、各種濃度に加えてなる培地に
病原菌を9ヶ所植え付け、30℃での温度で8日間培養
した後、コロニーの直径の平均値でそれぞれの抗菌性を
調べた。その結果を、下記表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】さらに、イネのモンガレ病の病原菌に対す
る抗菌性については、上記と同様な普通寒天培地をコン
トロールとして、それに、コロイダルキトサン、粉末キ
トサン、微生物処理キトサン、及びコロイダルキチンを
各種濃度で加えた培地に対し、予め液体培地で生育させ
ておいた病原菌を塗抹し、30℃の温度で1日間培養し
た後、コロニーの生育状況を観察した。その結果、コン
トロール、粉末キトサンの0.5%、1%添加培地、コ
ロイダルキチンの0.5%、1%添加培地、コロイダル
キトサンの0.5%、1%添加培地は、何れも、全面に
生えていることが認められた。これに対して、微生物処
理キトサンを添加した培地(0.5%,1%,5%)に
あっては、病原菌の生育が著しく抑制されていることが
認められ、特に微生物処理キトサンの5%添加培地にあ
っては、病原菌の生育が全く認められなかった。
【0035】以上の抗菌性テストの結果から明らかなよ
うに、何れの場合も、微生物処理キトサンの効果が優れ
ていることが認められた。これは、化学処理キトサンに
比べて、微生物処理キトサンが比較的低分子で水に分
散、可溶化し易く、その抗菌性が速やかに発揮されるか
らであると考えられる。また、微生物処理キトサンは、
40〜50%のアセチル基を有していると考えられるの
で、その低分子キトサン化が徐々に進行することによ
り、速やかな効力と共に、遅効性も期待されるのであ
る。
【0036】一方、マツクイムシによるマツの枯死の主
要な原因と考えられているマツのザイセンチュウに対す
る効果を調べたところ、図1に示されるように、5%微
生物処理キトサンの適用例にあっては、5時間、25℃
で90%の線虫を殺すことが認められた。他方、化学処
理キトサンを適用した場合には、同一条件で殆ど効果の
ないことが分かった。これは、両キトサンの水に対する
分散、可溶性の差に依存しているためと思われる。ま
た、エンテロバクター・G−1菌の2週間培養した培養
液は、25%の濃度で、25℃、5時間で95%の線虫
を殺すことが分かった。微生物の培養液中に低分子キト
サン及び各種キチナーゼが共存しているため、効果が現
れたものと考えられる。また、これらの結果は、微生物
処理キトサン及びエンテロバクター・G−1菌の培養液
が天然の抗菌剤及び抗線虫剤として、実用上、農業にお
いても、利用出来る可能性を示しているのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において得られた、マツのザイセンチュ
ウに対する微生物処理キトサンの殺虫性の結果を示すグ
ラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンテロバクター属のG−1株を用い
    て、キチンを分解して得られるキトサンを、有効成分と
    して含む抗菌性・抗線虫組成物。
  2. 【請求項2】 前記キチンが、脱カルシウム処理された
    カニガラにて与えられる請求項1に記載の抗菌性・抗線
    虫組成物。
  3. 【請求項3】 前記キチンが、キチン培地にて与えられ
    る請求項1に記載の抗菌性・抗線虫組成物。
JP5151505A 1988-12-06 1993-05-28 抗菌性・抗線虫組成物 Pending JPH0648904A (ja)

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JP63308344A JPH0660B2 (ja) 1988-12-06 1988-12-06 キチンを分解し得る新規な微生物
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