JPH0655965B2 - 極細繊維束の製造方法 - Google Patents

極細繊維束の製造方法

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JPH0655965B2
JPH0655965B2 JP6519486A JP6519486A JPH0655965B2 JP H0655965 B2 JPH0655965 B2 JP H0655965B2 JP 6519486 A JP6519486 A JP 6519486A JP 6519486 A JP6519486 A JP 6519486A JP H0655965 B2 JPH0655965 B2 JP H0655965B2
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和成 西野
隆行 免出
春樹 長岡
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、極細繊維束の製造方法に係り、特に紡糸口金
(ダイ)から紡糸された段階で既に極細繊維束が得られ
る極細繊維束の製造方法に関する。 〔従来の技術〕 本願出願人は、先に昭和59年9月25日付けの特許出
願、特願昭59−198669号において、略円形断面
形状で実質的に不定長な直径200μ以下の熱可塑性樹
脂極細繊維の多数が、略平行状態に集束した形の極細繊
維束であって、該繊維束を構成する極細繊維同志は接着
している所が存在していることを特徴とする極細繊維束
及びその製造方法を提案した。 この出願時における極細繊維束の製造方法は、スクリュ
式押出機内に、熱可塑性樹脂、水及び熱可塑性樹脂中に
水が分散して行くことを補助する助剤を入れて溶融・混
練すると、この溶融・混練中に押出機内で自然に繊維束
となって形成されことに着目し、スクリュ式押出機によ
る溶融・混練後に1個のオリフィス孔から直径200μ
以下の極細繊維の多数が略平行状態に集束した形の繊維
束を紡糸することを特徴とするものである。 このような極細繊維束の製造方法は、従来の製造方法が
押出機から溶融ポリマーを押し出した後、これを延伸し
て紡糸するのと比べて押出機内で既に極細繊維束となっ
て紡糸されるという今までの紡糸方法からは想像のつか
ない画期的なものである。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ここで、均一でより細い繊維を作るためには水が熱可塑
性樹脂中に細かく分散していることが前提となる。 水の分散は基本的には押出機のスクリュによる混合撹拌
作用により行なわれるが、その前提として水をどのよう
に注入すべきかも、分散に大きな影響を与えることが、
その後の試験・研究により明らかとなった。 本発明は、このような背景の下になされたもので、前記
極細繊維束の製造にあたり熱可塑性樹脂中への水の分散
を効果的に行えるようにし、ひいては均一でより細い繊
維の極細繊維束を製造できるようにすることを技術的課
題とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前記技術的課題を解決するため、スクリュ式
押出機1で、熱可塑性樹脂、水及び熱可塑性樹脂中に水
が分散して行くことを補助する助剤を溶融・混練し、こ
の溶融・混練中に押出機内で形成されてダイから押し出
される極細繊維束の製造方法にあって、前記水の注入口
11を前記スクリュ式押出機1の複数箇所に設け、各注入
口11から水を注入して複数箇所で前記熱可塑性樹脂に水
を分散せしめることとしたものである。 〔作用〕 以下、本発明に係る熱可塑性樹脂、助剤、水、製造装置
等について述べた後、具体的製造工程について説明す
る。 〈熱可塑性樹脂〉 本発明に係る極細繊維束の製造に用いる熱可塑性樹脂
は、水不溶性で繊維化できる樹脂であれば結晶性、非晶
性を問わず如何なるものでもよく、例えば、高圧法低密
度ポリエチレン、中低圧法低密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、超高分子量ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ
3−メチル−1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテ
ンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メ
チル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−デセン等のα−オレフィン
同志のランダム又はブロック共重合体、エチレン・ブタ
ジエン共重合体、エチレン・エチリデンノルボルネン共
重合体等のα−オレフィンと共役又は非共役ジエンとの
共重合体、エチレン・プロピレン・ブタジエン3元共重
合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン3
元共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボ
ルネン3元共重合体等の2種以上のα−オレフィンと共
役又は非共役ジエンとの共重合体、エチレン・アクリル
酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン
・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共
重合体等のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチ
レン、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体、メタクリル酸メチル・スチレン共重合体、α−メチ
ルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化
ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタ
クリル酸メチル等のビニル共重合体、ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン1
2等のポリアミド、ポリエチレンテレフタート、ポリブ
チレンテレフタート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホ
ン、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテ
ルケトン等あるいはこれらの混合物などが例示できる。
そして、これらの中でも、とくに従来極細繊維化が困難
であった低密度ポリエチレンや超高分子量ポリエチレン
等も他の樹脂と同様に使用しうる。 〈助剤〉 本発明に係る極細繊維束の製造に使用する助剤は、熱可
塑性樹脂と水とを混練している際に水が徐々に熱可塑性
樹脂の中へ分散して転相を起こし、結果的に熱可塑性樹
脂が水に分散したような、連続相が水である水性分散物
を製造することを主たる働きとするものである。溶隔混
練によってかような現象を生じさせることが、極細繊維
束を一括して製造する原因になると考えられている。す
なわち助剤を使用しないで単に熱可塑性樹脂と水との2
者を溶隔混練するだけでは極細繊維束は製造できず、し
たがって本発明の目的は達成できない。 このような作用を示す助剤を一般的概念としては、その
分子中に親水基と親油基の両者を有するものであり、よ
り具体的には次に示す化合物を単独又は2種以上混合し
て用いる。 (A)水膨潤性又は水溶性の熱可塑性樹脂 (B)不飽和カルボン酸類で変性された水難溶性又は水
不溶性の熱可塑性樹脂 (C)界面活性剤(A及び/又はBと併用して用いる) (D)有機溶剤(A及び/又はBと併用して用いる) (E)その他(A及び/又はBと併用して用いる) (A)水膨潤性又は水溶性の熱可塑性樹脂 水に対して膨潤するか又は溶解(無限膨潤)するもので
あり、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースあるいはそのナトリウム塩、ポ
リアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸
アミド等を例示することができる。 これらの中でポリビニルアルコールとくにケン化度65〜
98更には80〜97の部分ケン化ポリビニルアルコールが好
都合である。 これらの助剤は、前述の熱可塑性樹脂と水と共に混練さ
れると、まず助剤は熱可塑性樹脂中に均一に練り込ま
れ、続いて水によって助剤が膨潤し熱可塑性樹脂を分断
して行き、更に水が内部にまで浸透し内部に存在する助
剤を膨潤させ熱可塑性樹脂の分断を促進し、最終的に水
によって熱可塑性樹脂が細く分断されたような水性分散
物を与えるものと考えられる。 この種類の助剤の特長としては、適用できる熱可塑性
樹脂の種類が後述の助剤に比べて少ないこと、及び製
造された極細繊維束を放置しておくと、時間が経過する
につれて極細繊維同志が強固に接着したような繊維束と
なること、更に親水性を有した繊維束となるというこ
とである。 (B)不飽和カルボン酸類で変性された水難溶性又は水
不溶性の熱可塑性樹脂 水難溶性又は水不溶性の樹脂に不飽和カルボン酸類をグ
ラフト共重合したりブロック共重合したもの、あるいは
樹脂中にランダム共重合させたものであり、とくに繊維
原料の熱可塑性樹脂と相溶性が良好なもの、更には溶隔
粘度が小さいものが好ましい。 相溶性の目安となる樹脂は溶解度パラメーター(Sp
値)であり、Sp値の差が2(Cal/cm31/2以内、
とくに1(Cal/cm31/2以内にあることが好まし
い。Sp値は凝集エネルギー密度の1/2乗値として定義
される値であり、原子団のモル容への寄与値Vi及び原子
団の凝集エネルギーEnを、D.W.Van.Klevelen “P
roperties of Polymers”(Elsevier,1972)記載
の値を用い、 式 から計算して求めることができる。また溶隔粘度の小さ
いものとは分子量の小さいワックス状のものが例示でき
る。 この変性樹脂は不飽和カルボン酸類に由来するカルボキ
シ基又は誘導基を有しているので親水性ではあるもの
の、基体となる樹脂が水難溶性又は水不溶性であるの
で、水に対して膨潤しない。 また、変性樹脂中の不飽和カルボン酸単位は、不飽和カ
ルボン酸又はそのエステルあるいはこれらを中和又はケ
ン化して不飽和カルボン酸塩の形となったものなどがあ
る。中で不飽和カルボン酸塩が重合体1g中に 基換算で、0.1〜5ミリモル当量、とくに、0.2〜4ミリ
モル当量含有するものが好適である。 変性樹脂は前述した水難溶性又は水不溶性の熱可塑性樹
脂を構成する単量体と不飽和カルボン酸類とを共重合し
たものであって、不飽和カルボン酸類として(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタ
ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソク
ロトン酸、メジック酸(エンドシス−ビシクロ〔2,
2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)、
無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン
酸又はその無水物、上記不飽和カルボン酸のメチル、エ
チル、プロピル等のモノエステル、ジエステル等のエス
テル化物、またアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、
アンモニア塩等の不飽和カルボン酸塩などを例示するこ
とができる。勿論、複数の単量体成分を共重合するかわ
りに、熱可塑性樹脂たとえばオレフィン樹脂に前記の不
飽和カルボン酸類をグラフト重合、ブロック重合しても
よいことは当業者には自明であろう。 本変性樹脂の好適態様は前述したように重合体1g中に
不飽和カルボン酸塩が 基換算で0.1〜5ミリモル当量含有するものであるが、
かかる態様の変性樹脂を製造するには、予め不飽和カル
ボン酸又は無水物又はそのエステルで変性された熱可塑
性樹脂を塩基性物質すなわちアルカリ金属、アリカル土
類金属、アンモニア及びアミン当の水中で塩基として作
用する物質、アルカリ金属の酸化物、水酸化物、弱酸
塩、水素化物、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、
弱酸塩、水素化物、これらの金属のアルコキシドなどに
よって中和又はケン化する方法が例示できる。このよう
な塩基性物質の具体例を以下に示す。 アルカリ金属としては、たとえばナトリウム、カリウ
ム、アルカリ土類金属としては、たとえば、カルシウ
ム、ストロンチウム、バリウム、 アミンとしてはヒドロキシルアミン、ヒドラジン等の
無機アミン、メチルアミン、エチルアミン、エタノール
アミン、シクロヘキシルアミン、 アルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化物、水酸
化物、水素化物とてしては、たとえば酸化ナトリウム、
過酸化ナトリウム、酸化カリウム、過酸化カリウム、酸
化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、
水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水素化ナトリ
ウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、 アルカリ金属および土類金属の弱酸塩としては、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム、炭酸水素水酸化カルシウム、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、 アンモニアおよびアミンの化合物としては、 たとえば水酸化アンモニウム、四級アンモニウム化合物
たとえばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ヒド
ラジン水和物等を挙げることができる。 塩基性物質により中和またはケン化されたカルボン酸基
あるいはカルボン酸エステル基としては、カルボン酸ナ
トリウム、カルボン酸カリウム等のカルボン酸アルカリ
金属塩、カルボン酸アンモニウムが好適であり、中でも
カルボン酸カリウムが好ましい。 (C)界面活性剤 界面活性剤は単独では助剤として使用されず、前記A及
び/又はBと一緒に併用される。使用する界面活性剤は
アニオン界面活性剤、カチオン化、ノニオン界面活性
剤、両性イオン界面活性剤のいずれでもかまわないが、
とくにアニオン界面活性剤のノニオン界面活性剤が、前
記A及び/又はBと相俟って直径が100μ以下概ね50μ
未満の超極細繊維を製造できるので好適である。 ここでアニオン界面活性剤としては、最初からアニオン
界面活性剤の形になっているもののほかに、前述した
〜の塩基性物質と反応して最終的にアニオン界面活性
剤となるような有機化合物も包含する。すなわち熱可塑
性樹脂とA及び/又はB及び該有機化合物とを溶隔混練
し、その後塩基性物質を添加して溶隔混練を続けて有機
化合物をアニオン界面活性剤に転換する方が、熱可塑性
樹脂とアニオン界面活性剤がよく混合し、更に直径の小
さい極細繊維が得られる。 かかる有機化合物は、塩基性物質と反応してアニオン界
面活性剤となるのであるば如何なるものでもよく、好適
なものとして第1級高級脂肪酸、第2級高級脂肪酸、第
1級高級アルコール硫酸エステル、第2級高級アルコー
ル硫酸エステル、第1級高級アルキルスルホン酸、第2
級高級アルキルスルホン酸、高級アルキルジスルホン
酸、スルホン化高級脂肪酸、高級脂肪酸硫酸エステル、
高級脂肪酸エステルスルホン酸、高級アルコールエーテ
ル硫酸エステル、高級アルコールエーテルスルホン酸、
高級脂肪酸アミドのアルキロール化硫酸エステル、アル
キルベンゼンスルホン酸、アルキルフェノールスルホン
酸、アルキルナフタリンスルホン酸、アルキルベンゾイ
ミダゾールスルホン酸等が例示できる。これらの中でも
取り分けて好適なものとして高級脂肪酸類とくに炭酸原
子数10〜20の飽和または不飽和の高級脂肪酸が好適であ
り、より具体的にはカプリン酸、ウンデカン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ス
テアリン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸、リンデル酸、
ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸、あるいはこ
れらの混合物などが挙げられ、とくに飽和脂肪酸が好ま
しい。 界面活性剤の具体例としては、アニオン界面活性剤及び
ノニオン界面活性剤を代表として例示すると、前者は第
1級高級脂肪酸塩、第2級高級脂肪酸塩、第1級高級ア
ルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エ
ステル塩、第1級高級アルキルスルホン酸塩、第2級高
級アルキルスルホン酸塩、高級アルキルジスルホン酸
塩、スルホン化高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルスル
ホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、
高級アルコールエーテルのスルホン酸塩、高級脂肪酸ア
ミドのアルキロール化硫酸エステル塩、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、アルキルフェノールスルホン酸塩、ア
ルキルナフタリンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダ
ゾールスルホン酸塩等、後者はアルキルエーテル、アル
キルアリルエーテル、アルキルチオエーテル、アルキル
エステル、ソルビタンモノアルキルエステル、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキ
ルアマイド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ン、ペンタエリスリットエステル、サッカローズエステ
ル、脂肪酸エタノールアミド、メチロールアミド、オキ
シメチルエタノールアミド等を挙げることができる。 勿論、これらの例示以外のアニオン及びノニオン界面活
性剤、更にここでは例示しないカチオン界面活性剤、両
性イオン界面活性剤を使用してもよく、これらの界面活
性剤の更に詳しい具体例は、たとえば堀口博著「合成界
面活性剤」(昭41,三共出版)に開示してある。 上記の界面活性剤のうち、塩基性物質の添加処理によっ
てアニオン界面活性剤に転換したものを用いると、製造
した極細繊維束がアルカリ側すなわちPH9以上の性質を
示す。又ノニオン界面活性剤ではPHがほぼ中性の性質を
示す極細繊維束となる。尚、ノニオン界面活性剤の場合
はHLB価が13〜19のものが更に直径の小さい極細繊維
となるので好ましい。HLB価はGriffinの式により導
かれるものであって、詳細は界面活性剤便覧(西一郎他
著、産業図書、昭35)307〜310頁に開示されてい
る。 (D)有機溶剤 有機溶剤は高分子量あるいは狭分子量分布で溶隔粘度が
高く、溶隔混練し難い熱可塑性樹脂を極細繊維束化する
ときに使用する。したがってメルトフロレート(MF
R、ASTM D 1238)が1g/10min未満の樹
脂に適用するとその効果が著しく発揮されるが、勿論溶
隔粘度の小さいすなわちMFRが1g/10min以上の樹
脂にも適用できる。また有機溶剤は単独で使用されるの
ではなく、前述のA及び/又はB更に必要に応じてCと
共に併用される。 かかる有機溶剤の例としては、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルベンゼ
ン、などの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタンなどの
脂肪族炭化水素、トリクロロエチレンなどのハロゲン化
炭化水素等がある。 (E)その他 以上A〜Dに挙げたものの他に、石油樹脂、ロジン、ア
スファルトといったものをA及び/又はB必要に応じて
更にC、Dと共に併用してもよく、中でもAの水膨潤又
は水溶性樹脂と組み合わせるのが好ましい。 〈助剤の好適態様〉 助剤の使用形態の種々あるが、たとえばA又はBの単独
使用、AとBの併用、A及び/又はBとCの併用、A及
び/又はBとDの併用、A及び/又はBとCとDの併
用、更にAとEの併用等を挙げることができる。更に好
ましくは繊維径を比較的太く(概ね50以上するときには
中和又はケン化した変性樹脂(B)を用いたり、細く(概
ね50μm未満)するときには中和又はケン化した変性樹
脂(B)と界面活性剤(C)を用いたり、とくに中性の超極細
繊維をねらうときは前記の組み合わせのうち(C)として
ノニオン界面活性剤を選択したり、溶隔粘度の大きい樹
脂の超極細繊維をねらうときには中和又はケン化した変
性樹脂(B)と界面活性剤(C)及び有機溶剤(D)を用いた
り、更には繊維束自体を強固に固化する場合には水溶性
樹脂(A)を用いたりする。 助剤の使用量は、極細繊維束化しようとする熱可塑性樹
脂の種類あるいは助剤の種類によっても異なるが、概ね
熱可塑性樹脂75〜98重量部とくには80〜95重量部及び助
剤2〜25重量部とくには5〜20重量部である(但し両者
の合計は100重量部)。とくに本発明の好適態様として
熱可塑性樹脂と中和又はケン化した変性樹脂及び界面活
性剤を使用する場合には各75〜98重量部、1〜20重量
部、1〜5重量部(合計は100重量部である。とくには8
0〜95重量部、3〜16重量部、2〜4重量部の割合で混
合する。またこの組み合わせにおいて界面活性剤の代わ
りに水膨潤性又は水溶性の熱可塑性樹脂を用いる場合も
ほぼ前記の割合でもよい。 〈水の添加〉 熱可塑性樹脂及び助剤とからなる系に添加する水の量
は、熱可塑性樹脂と助剤の合計100重量部に対して3〜4
0重量部とくには10〜30重量部である。水の量がこの範
囲内にあるとにより、目的とする熱可塑性樹脂を極細繊
維束化できる。 また、添加する水は、純粋に水として添加するだけでな
く、たとえば助剤に界面活性剤を用いる際、水溶液とし
て添加して界面活性剤と水とを一緒に添加する方法があ
る。 〈本発明に用いる装置〉
【押出機】
本発明に用いる押出機は、後記の〈極細繊維束の製造〉
の項で述べる理由から、第1図に示すように、溶融樹脂
の押出方向に対して平行方向に剪断力が作用しないよう
な一軸押出機1であることが望ましい。スクリュー形状
としては、中間混合型スクリュが好適に使用される。 そして、押出機1のシリンダ10(バレルともいう)途中
には水を熱可塑性樹脂中に注入すべき注入口11が複数箇
所に設けられており、各注入口11にポンプ4がそれぞれ
接続される。このポンプ4としては、例えば高圧プラン
ジャーポンプが用いられる。 水の注入口11を設ける箇所は、押出機の基本機能と、こ
の基本機能に基づく熱可塑性樹脂の相変化の過程とを考
慮して決定される。 第1図に示す押出機において、この相変化の過程を説明
する。 ホッパ12より供給された熱可塑性樹脂及び助剤は、まず
固体状態で搬送・圧縮され次第に溶融・混練されて行
く。この過程においては熱可塑性樹脂及び助剤は完全に
溶融していることが重要である。 もし、熱可塑性樹脂の溶融が不十分のままに次の過程で
ある水の圧入が行なわれると、水は未溶融樹脂の間隙を
ぬってホッパ12側に逆流して押出不良もしくは押出不能
となる。 熱可塑性樹脂が完全に溶融し、シール機能を備えたとこ
ろで水を圧入する。圧入された水はスクリューの混練効
果により溶融樹脂中に分散して行くが、この分散をより
効果的に行うために水の注入口11を複数とする。更に分
散を効果的に行なうためには公知のダルメージ部等の中
間混合部を設けるのが好ましい。 このようにして樹脂中に細かく分散した水は引き続きス
クリューにより混練されると、〈極細繊維束の製造〉の
項で後述するところの転相寸前の状態となり、繊維束を
形成する。 以上により、水の注入口11は熱可塑性樹脂が完全に溶融
する場所の直後に設けるのが好ましいと言える。また、
中間混合部を設ける場合はその上流側に注入口11を設け
るのが好ましい。そして、この注入口11は第1図に示す
ように、シリンダ10の軸方向に複数設けてもよく、ま
た、第2図に示すよう、シリンダ10の周方向に複数設け
てもよい。
【ダイ】
押出機1のダイ2としては、単一或は、複数のオリフィ
ス3を備えた通常の紡糸口金の他に、メッシュスクリー
ン等の多孔性部材をオリフィスとして備えているものを
用いることができる。更に、T−ダイや、サーキュラー
ダイを使用することも可能である。第3図に示すような
ダイを使用することも可能である。第3図に示すような
ダイを使用した場合のオリフィス3の口径は、0.1〜3mm
φ、好ましくは0.3〜1.5mmφである。
【解繊装置】
ダイ2のオリフィス3から押し出された繊維束を解繊す
るための装置としては、第3図(a)(b)に示すように、オ
リフィス3の上下にノズル口6をそれぞれ設け、これら
のノズル口6から極細繊維束に向けて上下方向からエア
ーコンプレッサ7による圧縮空気等、気体を吹き付けた
りするものや、所謂粉砕機のような機械的手段によって
行うこともできるし、水流吹き付け等の液体を用いる手
段によって行なうこともできる。また、紡糸された繊維
束を所定のサイズに切断した後、解綿機に通すか、ある
いはパルパー等の解砕機にかけることにより、単繊維の
綿もしくは単繊維の解砕スラリーを得ることができる。 〈極細繊維束の製造〉 以上の装置を用いて極細繊維束を製造するには、前記の
熱可塑性樹脂及び助剤及び水とを溶融混練し、ダイ2と
しての紡糸ノズルのオリフィス3より紡糸する。これに
より、1個のオリフィス3当り直径200μ以下の極細繊
維の多数が略平行状態に集束した形の1個の繊維束を紡
糸することができる。 この際、水が実質上フラッシュしない条件下に押出すこ
とが重要であり、また、オリフィス3が複数あればオリ
フィス3毎に繊維束が形成されることに着目する必要が
ある。 更に、溶融混練される樹脂組成物を単繊維が平行に集束
した形に転換するためには、押出機中で溶融樹脂の押圧
方向に平行な方向には剪断力を受けないように、即ち上
記平行な方法を除いた二次元方向にのみ剪断力を受ける
ように混練を行うことが一般に必要である。 この点について説明すると、二軸押出機中で溶融混練の
ように、三次元方向に剪断力が作用する溶融混練条件で
は水が連続相、溶融樹脂が分散粒子となった所謂O/W
型の転相を生じ易く連続した繊維状の樹脂を得ることが
できない。これが本発明の方法に使用すべき押出機とし
て、二次元方向のみの剪断・混練に適した一軸押出機が
好ましいとされる理由である。但し、多軸押出機であっ
ても本発明に適するよう改良されたものであれば使用可
能であることは言うまでない。 本発明方法で形成される溶融物の分散状態では、溶融樹
脂が押出方向に配向した多数の独立の柱状相であり、水
がこれら多数の柱状相の間隙を充填する充填相の形で存
在する。即ち、この分散形態では、押出方向に対する横
断面では溶融樹脂が分散相及び水が連続相となった所謂
O/W分散形態となるが、押出方向に対しては溶融樹脂
も水も共に実質上連続しているものと考えられている。
そして、系に添加されている水は混練による剪断力及び
助剤の作用によって溶融樹脂中に序々に取込まれて行
き、最初はW/O型の分散物となる。更に、二次元方向
の剪断力を掛け続けられると、今度は分散している水の
量が少ない(熱可塑性樹脂と助剤の合計100重量部に対
して高々3〜40重量部である)のにもかかわらず、押出
方向に対して横断方向にみたとき、樹脂が分散相及び水
が連続相となった上記の分散形態が形成されるものと思
われる。 本発明では、W/O型から上記の分散形態への転相に至
るまで、複数の箇所で水がシリンダ10内に供給されて熱
可塑性樹脂中に水が満遍無く分散されるので、前記転相
が良好に行なわれて、均一で径の細い繊維を得ることが
できる。 溶融混練物を最終的に外部へ紡糸する時には、含有され
ている水が実質的にフラッシュしない条件、即ち従来の
フラッシュ紡糸法のように水がフラッシュするように急
激に押し出すことは止めるべきである。もし、フラッシ
ュ紡糸法のように溶融混練物を高流動状態で急激に押し
出したりすると単繊維付着の水分子膜が蒸発し、単繊維
が融着し合ったり、水分が樹脂中に気泡として取り込ま
れ発泡して目的とする繊維束が得られない。より具体的
には紡糸温度を融点付近まで下げ、かつ、流動性を失わ
ない範囲内で紡糸する。 得られる繊維束の水分含有量は溶融物中に存在する水分
量と実質上同じであるが、紡糸に際して若干の水分が蒸
発する場合がある。更に、繊維束を解繊した最終繊維で
は水分が蒸発して水分含有量が実質上ゼロであることも
有り得る。 〈合成繊維の性状〉 本発明方法による紡出物は、略円形断面形状で実質的に
不定長な直径200μ以下の均一な熱可塑性樹脂極細繊維
の多数が、略平行状態に撚りをかけられることなく、集
束した形の極細繊維束であって、該繊維束を構成する極
細繊維同志は部分的に接着している所が存在している。
紡糸された直後の状態では個々の単繊維の表面には水分
子膜が存在している。 〈解繊〉 このような性状の極細繊維束の解繊は、前記各種解繊装
置を用いて行うが、極細繊維束に向けて気体を吹き付け
る手段によれば、オリフィス3から出てきた繊維束を気
体と共に吹き飛ばすことにより、繊維束は解繊される。
また、紡糸直後に個々の単繊維の表面に付着していた水
分子膜は、蒸発してしまうので、解繊された繊維の集合
体は殆ど乾燥した状態となる。そして、繊維束を解繊す
ることにより、単繊維の状態、或は単繊維相互が絡み合
った集合体の形に解繊することができる。 〈解繊後の繊維の用途〉 解繊後の繊維は、紙おむつの吸水綿への混入用、不織布
のバインダ、抄紙用パルプのバインダ等に用いる。 〔発明の効果〕 本発明では、複数の箇所で水がシリンダ内に供給されて
熱可塑性樹脂中に水が満遍無く分散されるので、繊維束
の形成に必要な転相が良好に行なわれて、均一で径の細
い繊維を得ることができる。 従って、最終的に得られる極細繊維束も均質なものとす
ることができ、これを解繊して得られる綿状の繊維集合
体も繊維の太さにばらつきがなく、均質なものとするこ
とができ、様々な用途に使用しやすいものとすることが
できる。 〔実施例および比較例〕 〈実施例1〉 以下の条件で極細繊維束を紡糸し、解繊した。 (イ)装置 押出機1として、口径20φ、L/D=36の単軸スクリ
ュ式押出機(池貝鉄工株式会社製の中間ミキシングタイ
プ)を用いた。 水の注入口11は、第4図に示すように、シリンダ10の上
流側で樹脂が完全に溶融する直後の部分で、シリンダ10
の左右に対向して一対の注入口11を設けてある。 ダイ2のオリフィス3は、第3図(b)に示すように、直
径0.5mmφのものを4つ並設したものである。 また、圧縮空気を噴出するノズル口6の角度は、垂直面
たるダイ2前面に対するノズル口6内部の上面傾斜角θ
が40度で、ノズル口6内部の下面傾斜角ψが45度となっ
ており、このノズル口6から噴出する圧縮空気は極細繊
維束に対して略45度の角度でその上下左右方向から吹き
付けられる。 スクリュ出口とダイ2のオリフィス3との間に介在させ
るスクリーンメッシュ5は使用していない。 (ロ)配合 低密度ポリエチレン(三井石油化学工業株式会社製
商品名 ミラソン FL−60)を96重量部 酸変性低分子量ポリエチレン(三井石油化学工業株式
会社製 商品名 三井ハイワックス2203A、分子量270
0、密度0.93g/cm3、酸価30kOHmg/g)を4重量部 ノニオン系界面活性剤(株式会社 花王製 商品名
エマルゲン430ポリオキシエチレンオレイルエーテルH
LB=16.2)の20%水溶液を30重量部 (ハ)運転条件 押出機各部の温度 C・・120℃ C・・155℃ C・・155℃ C・・120℃ ダイの温度 95℃ 圧縮空気の温度 95℃ 圧縮空気の空気圧 4kg/cm2・G 押出量 1kg/Hr 水の注入量 2箇所等分 (ニ)結果 第6図に示す写真及び第1表のように、無造作に選んだ
50本の繊維の径を顕微鏡で観察した結果、繊維径が100
μを越えるものが無い、極めて手ざわりのよい繊維束が
得られた。 〈実施例2〉 水の注入口11を、第5図に示すように、シリンダ10の上
流側で、樹脂が完全に溶融する直後の部分に1箇所と、
その下流の中間混合部に1箇所の合計2箇所とした以外
は実施例1と同一条件である。 結果は、第1表のように、繊維径が、100μを越えるも
のが極めて少ない手ざわりの良好な繊維束が得られた。 〈比較例1〉 第4図の水の注入口、2箇所の内1箇所のみを使用した
以外は実施例1と同一条件である。 得られた繊維束を構成する単繊維の径に、第1表に示す
ようにばらつきがあり、均一でなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いる押出機の断面図、第2図の第1
図のA−A断面図、第3図(a)(b)はダイ及び解繊装置部
分の断面図及び正面図、第4図は実施例1に用いる押出
機の断面図、第5図は実施例2に用いる押出機の断面
図、第6図は実施例1で得た繊維の形状を示す写真であ
る。 1……スクリュ式押出機、2……ダイ、3……オリフィ
ス、11……水の注入口。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スクリュ式押出機で、熱可塑性樹脂、水及
    び熱可塑性樹脂中に水が分散して行くことを補助する助
    剤を溶融・混練し、この溶融・混練中に押出機内で形成
    されてダイから押し出される極細繊維束の製造方法にお
    いて、 前記水の注入口を前記スクリュ式押出機の複数箇所に設
    け、各注入口から水を注入して複数箇所で前記熱可塑性
    樹脂に水を分散せしめることを特徴とする極細繊維束の
    製造方法。
  2. 【請求項2】極細繊維束に向かってダイの少なくとも一
    方向から気体を吹き付けて解繊する特許請求の範囲第1
    項記載の極細繊維束の製造方法。
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