JPH067521B2 - 薄膜型サ−マルヘツド - Google Patents

薄膜型サ−マルヘツド

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JPH067521B2
JPH067521B2 JP60193543A JP19354385A JPH067521B2 JP H067521 B2 JPH067521 B2 JP H067521B2 JP 60193543 A JP60193543 A JP 60193543A JP 19354385 A JP19354385 A JP 19354385A JP H067521 B2 JPH067521 B2 JP H067521B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、熱記録印字に用いる薄膜型サーマルヘッドに
関するものである。
従来の技術 一般に、熱印字記録に用いられるサーマルヘッドは、絶
縁性基板上に複数個の発熱抵抗体および、この発熱抵抗
体に電力を供給するための電極を設け、個々の発熱抵抗
体に電力を供給することにより、ジュール熱を発生さ
せ、これにより、印字記録を行うものである。
これらに用いる発熱抵抗体としては、薄膜発熱抵抗体が
熱応答性が良く、高解像度化でき、信頼性が高く、ま
た、消費電力が小さい等の点で優れている。
従来薄膜発熱抵抗体としては、例えば、特開昭52−1438
41号公報にある通り、Ta−Si合金等が、耐熱性に優れて
いる。しかしながら、近年のサーマルヘッドの熱印字記
録の高速化を実現させるためには、数ミリ秒の短かい印
字パルスにより、記録を行わなければならず、そのため
には、薄膜発熱抵抗体に大電力を投入し、400℃以上
もの温度を発生させる必要がある。加えて、高電力化
は、薄膜発熱抵抗体の抵抗値を大きくしない限り、必然
的に電流が大きくなるため次の2つの問題を生じる。1
つは、薄膜発熱抵抗体の抵抗値に対して、薄膜発熱抵抗
体に電力を供給する電極の抵抗値が無視できなくなるた
め、この電極の長さの差異により、各薄膜発熱抵抗体の
発熱量が異なり、記録パターンに濃度差を生じたり、ま
た特に、高解像度化した際に、電極における電力消費が
問題になる。これを避けるには、電極の厚さを極端に大
きくすることが考えられるが、このとき構造上、大きな
不都合を生じる。もつ1つは、加熱用電源,スイッチン
グ回路等の駆動系の電流容量を大きくしなければならい
等の問題が生じる。
以上の点から、薄膜発熱抵抗対としては、高温安定性
と、高抵抗値の実現が可能であることの2つが最低限必
要である。これらの点から前記Ta−Si合金を考えると、
このTa−Si合金は、耐熱性が比較的安定な領域が、比抵
抗200〜250μΩ−cm程度と小さく、従って、大き
な抵抗値を得ようとすれば、例えばL/W=2(Lは発
熱抵抗体長さ,Wは、巾)で、500Ωの抵抗値を得る
ため(最近の技術の流れでは、これ以上の抵抗値も要求
されている)には、膜厚が100Å程度と非常に薄く、
製造時の制御が極めて難しく、また膜質としても不安定
となる。これを避けるためには、Ta−Si合金の厚みを大
きくし、蛇行形状等にパターン形成し、前記L長を増す
ことにより、抵抗値を上げることも可能であるが、高解
像度化する際、この方法は、製造上極めて難しい。
また、Ta−Si合金は、短パルス巾駆動時の耐熱性が尚十
分でなく、従ってTa−Si合金は、サーマルヘッドに要求
される高速化,高耐熱化の点で十分なものではなかっ
た。
発明が解決しようとする問題点 上述したように従来のサーマルヘッドの薄膜発熱抵抗体
材料であるTa−Si合金は、サーマルヘッドの高速化,高
耐熱化のためには、尚十分な特性を有していない。
かかる点から本発明は、サーマルヘッドの高速化,高耐
熱化のために必要な条件、即ち、高抵抗値従って高比抵
抗で、高温安定性に優れ、高耐熱性を有する薄膜発熱抵
抗体を備えた薄膜型サーマルヘッドを提供することを目
的とするものである。
問題点を解決するための手段 本発明は、上記問題点を解決するために、薄膜発熱抵抗
体として、遷移金属炭化物と炭化珪素でなるもの、特
に、遷移金属炭化物として、チタン炭化物(TiC)を選び
これと、炭化珪素(SiC)でなるものを用いた薄膜型サー
マルヘッドを構成したものである。
作 用 上述した構成におけるチタン炭化物(以降TiCと呼ぶ)
と炭化珪素(以降SiCと呼ぶ)でなる薄膜発熱抵抗体
は、TiC,SiCいずれも高温安定性に優れるが、TiC単体
の比抵抗が、250μΩ−Cmと小さいため、これに、Si
Cを混合して比抵抗を上げ安定化させたものである。
また、TiCとSiCでなる薄膜発熱抵抗体は、次のような特
徴を有する。即ち、これと同じ材料系を用いた場合、Ti
とSiCでなるもの,TiCとSiでなるものが考えられるが、
これらは、いずれも、TiとSiのような単体元素が、Si
CX,TiCX(x<1)と反応し、中間化合物を形成し、グ
レイングロースするが、TiCとSiCでなるものにおいて
は、個々に安定な化合物状態にあり、グレイングロース
しにくいこと。
また、作成時に、窒素,酸素等を含まない材料系のた
め、TiOX(x2)などの不安定要因の生成が少なく、
極めて制御性良く作成できること等が挙げられる。
以上の通り、TiCとSiCでなる薄膜発熱抵抗体を用いるこ
とで、制御良く、高比抵抗(高抵抗値)で高温安定性に
優れ、高耐熱性に富んだ、薄膜型サーマルヘッドが構成
できる。
実 施 例 第1図に本発明における薄膜型サーマルヘッドの基本構
成を示す。本実施例では、遷移金属炭化物と炭化珪素で
なる薄膜発熱抵抗体として、TiCとSiCでなるものを用い
た。
さて、第1図において、電気絶縁性基板1上にスパッタ
リング等の薄膜形成技術により、TiCとSiCでなる薄膜発
熱抵抗体2を形成し、この上に前記薄膜発熱抵抗体2に
通電するための電極3を形成した後、フォトリングラフ
ィー技術により、パターン形成し、この上に絶縁物、半
導体等でなる保護層4(保護層4は、通常薄膜発熱抵抗
体2の酸化防止と、紙に印字する際の接触摩耗を防ぐた
めに存在する)を形成した構成をとる。
第2図にスパツタリングターゲットの一例として、本実
施例で用いたTiCとSiCでなる薄膜発熱抵抗体2の作成時
のスパッタリングターゲットを示す。150φTiCター
ゲット5上に、SiC板6を配置した構造を取る。SiC板6
の数を変化させ、TiC,SiCの面積比を変えて、Arガス圧
1.5×10-2Torr、RFパワー400W,基板温度300
℃(一定)で、RFスパッタリングを行い、電気的絶縁
性基板1上に、薄膜発熱抵抗体2を形成した。第3図
に、このときのSiCターゲット面積比(横軸)と、比抵
抗ρ,抵抗温度係数(TCR)(縦軸)の関係を示す。
同図で、曲線7,8は各々、基板温度300℃でスパッ
タリングした直後の膜(=assputter膜)の比抵抗、抵
抗温度係数であり、曲線9,10は各々スパッタリング
後に、別真空中で、650℃(2時間)の熱処理を施し
た後の膜(anneal膜)の比抵抗と抵抗温度係数である。
これより、SiC組成に対する比抵抗,抵抗温度係数の変
化は緩やかであり、また300〜650℃で、比抵抗は
殆んど変化していないことがわかる。また抵抗温度係数
は、熱処理により、若干改善されている。このような点
から、TiCとSiCでなる薄膜発熱抵抗体は、形成温度制御
範囲を広く取ることが可能と考えられ、作成時の制御は
極めて容易と考えられる。これらは、TiC,SiCが、各
々、化合物状態で安定であり、グレイン成長しにくく、
また特にSiCは、容易に他元素と化合しない等、化学的
安定性が良好である点等によりものと考えられる。
ところで、第3図より、比抵抗2000μΩ−cmで、抵抗温
度係数−130130ppm/degは、従来のTa−Si合金に比
して、同様な抵抗温度係数に対し、10倍の比抵抗増で
ある。また、ちなみに、TiとSiCでなる薄膜、TiCとSiで
なる薄膜、TiCとSiC2でなる薄膜と比較すると、TiCとSi
Cでなる薄膜が最も形成温度影響が小さく、制御性,再
現性にも優れていることがわかった。これは、TiとSiC
でなるもの,TiCとSiでなるものは、各々、前者はTi,
後者は、Siのグレイン成長および、前者は、TiC,Ti
Ox,TiSix後者はSiC,SiOx,TiSix等の生成が考えられ
ること、またTiCとSiO2でなるものは、SiO2の解離OとT
iCとの反応によるTiOxの生成が考えられることなどに比
して、TiCとSiCでなるものは、TiCとSiCが化合物状態で
安定で、グレイン成長にしくいこと及び、酸素等の供給
源が少ないことにより中間生成物が発生しにくいことな
どが考えられる。
次に、第1図に示す構造としてサーマルヘッドとした
後、これにパルス巾1msec、パルス周期10msec、で連続
パルス印加を行い、6×104回パルスを印加した際に、
抵抗値変動+10%を与える薄膜発熱抵抗体の単位面積
当りの印加電力(W/mm2)(=破断電力と呼ぶ)をTa
−Si合金及び、TiCとSiCでなる薄膜発熱抵抗体(650
℃熱処理後)について下表に示す。
表より、耐熱性の面でも、このTiCとSiCでなる薄膜発熱
抵抗体は、Ta−Si合金薄膜発熱抵抗体に比して、格段に
改善されていることは、明らかである。
また、第4図に抵抗変化特性の一例として、パルス巾1m
sec、パルス周期20msec、印加電力64W/mm2で連続パル
ス印加した際の抵抗変化率を示す。同図で、横軸は、パ
ルス印加回数、縦軸は、抵抗変化率を表わす。
曲線11は、Ta−Si合金薄膜発熱抵抗体,曲線12は、本
発明のTiCとSiCでなる(以降TiC−SiCと略記)薄膜発熱
抵抗体の各々抵抗変化特性を示す。
また、比較として、TiCとSiでなる(以降、TiC−Siと略
記)薄膜発熱抵抗体,TiCとSiO2でなる(以降TiC−SiO2
と略記)薄膜発熱抵抗体の抵抗変化特性を各々曲線1
3,14として付記する。
同図より、従来のTa−Si合金薄膜発熱抵抗体は、比較的
早いパルス回数で抵抗変化が負方向に急激に変位し、
(Ta−Siのグレイン成長による)これによる過剰な電力
の投入により、破壊が生じやすくなるのに対し、前記Ti
C−SiC,TiC−Si,TiC−SiO2は、いずれも抵抗変化特性
が格段に改善されているが、特に、その中でも、本発明
のTiC−SiC薄膜発熱抵抗体が最も優れている。これは、
TiC,SiCが、グレイン成長しにくく、また酸化等に対し
ても安定になっていることによる。
このように、チタン炭化物と炭化珪素で構成される薄膜
発熱抵抗体は、高比抵抗で高温安定性,耐熱性に優れ、
抵抗変化が小さく、また作成時の制御性も良好で、これ
を用いた薄膜型サーマルヘッドは、高速化,高耐熱化に
容易に対応できる。
尚、本実施例では、遷移金属炭化物として、チタン炭化
物を用いたが、これ以外の高融点な遷移金属炭化物、例
えば、ジルコニウム炭化物,ハフニウム炭化物,バナジ
ウム炭化物,ニオブ炭化物,タンタル炭化物,モリブデ
ン炭化物,タングステン炭化物などを用いても、これら
は硬質で、高温安定性を有し、化学的にも安定であるた
め、これらに炭化珪素を適切に混合し薄膜発熱抵抗体を
構成することで、同様の効果を得ることができる。
発明の効果 以上述べてきたように、本発明は、遷移金属炭化物と炭
化珪素で構成される作成時の制御性が良く高比抵抗でか
つ熱安定度が高く耐熱性に富みかつ抵抗変化の小さい薄
膜発熱抵抗体を備えた薄膜型サーマルヘッドであり、こ
れによりサーマルヘッドの高速化,高耐熱化に容易に対
応でき、その工業的価値は非常に高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明における薄膜型サーマルヘッドの基本
構造を示す要部の断面図、第2図〜第4図は、各々、本
発明の一実施例としての薄膜発熱抵抗体のスパッタリン
グターゲット形状の一例を示す上面図ならびに比抵抗と
抵抗温度係数,抵抗変化特性を示す特性図である。 1……電気絶縁性基板、2……遷移金属炭化物と炭化珪
素でなる薄膜発熱抵抗体、3……電極、4……保護層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遷移金属炭化物と炭化珪素でなる薄膜発熱
    抵抗体を備えたことを特徴とする薄膜型サーマルヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】遷移金属炭化物が、チタン炭化物である特
    許請求の範囲第1項に記載の薄膜型サーマルヘッド。
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