JPH0684330B2 - メタクリル酸の精製法 - Google Patents
メタクリル酸の精製法Info
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- JPH0684330B2 JPH0684330B2 JP13688285A JP13688285A JPH0684330B2 JP H0684330 B2 JPH0684330 B2 JP H0684330B2 JP 13688285 A JP13688285 A JP 13688285A JP 13688285 A JP13688285 A JP 13688285A JP H0684330 B2 JPH0684330 B2 JP H0684330B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、イソブチレン、第3級ブタノール、メタク
ロレインあるいはイソブチルアルデヒドを水蒸気の存在
下に分子状酸素を含有するガスにより接触酸化し、得ら
れるメタクリル酸を精製する方法に関する。
ロレインあるいはイソブチルアルデヒドを水蒸気の存在
下に分子状酸素を含有するガスにより接触酸化し、得ら
れるメタクリル酸を精製する方法に関する。
[従来の技術] イソブチレン、第3級ブタノール、メタクロレインある
いはイソブチルアルデヒドを水蒸気の存在下に分子状酸
素を含有するガスにより接触酸化し、この酸化生成物を
冷却することにより得られるメタクリル酸水溶液から、
溶媒によるメタクリル酸の抽出、溶媒の回収、メタクリ
ル酸の蒸留分離等の精製工程を経て、メタクリル酸を製
造する方法の概略は既に周知となっている。この様なメ
タクリル酸の製造方法にあっては、特に原料の接触酸化
工程において、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、アクリ
ル酸等の一塩基酸、マレイン酸、シトラコン酸等の二塩
基酸およびプロトアネモニン等が副生することも知られ
ている。これ等の副生物は、その微量が製品であるメタ
クリル酸中に混入すると、メタクリル酸の重合特性を悪
化させる理由により、メタクリル酸の精製工程において
完全に除去されることが望ましいが、これ等の副生物の
うち二塩基酸およびプロトアネモニンの完全除去は相当
困難であった。
いはイソブチルアルデヒドを水蒸気の存在下に分子状酸
素を含有するガスにより接触酸化し、この酸化生成物を
冷却することにより得られるメタクリル酸水溶液から、
溶媒によるメタクリル酸の抽出、溶媒の回収、メタクリ
ル酸の蒸留分離等の精製工程を経て、メタクリル酸を製
造する方法の概略は既に周知となっている。この様なメ
タクリル酸の製造方法にあっては、特に原料の接触酸化
工程において、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、アクリ
ル酸等の一塩基酸、マレイン酸、シトラコン酸等の二塩
基酸およびプロトアネモニン等が副生することも知られ
ている。これ等の副生物は、その微量が製品であるメタ
クリル酸中に混入すると、メタクリル酸の重合特性を悪
化させる理由により、メタクリル酸の精製工程において
完全に除去されることが望ましいが、これ等の副生物の
うち二塩基酸およびプロトアネモニンの完全除去は相当
困難であった。
プロトアネモニンの除去法については、メタクリル酸水
溶液に重亜硫酸塩を添加する方法が、特開昭59-44337に
開示されているが、二塩基酸の除去法について開示して
いる文献は見当らない。
溶液に重亜硫酸塩を添加する方法が、特開昭59-44337に
開示されているが、二塩基酸の除去法について開示して
いる文献は見当らない。
上記の如き周知のメタクリル酸精製工程におけるこれ等
に二塩基酸(以下単に二塩基酸と呼ぶ)の除去法として
は、抽出溶媒を分離回収後の蒸留工程(以下においては
第1蒸留工程と呼ぶ)において分離する方法が常識的で
ある。しかしこの方法は、蒸留の際に二塩基酸が昇華あ
るいは気相会合等の現象を示す為、極端に大きな還流比
および精留段数を使用しても尚精製の程度が不充分であ
り、経済的にも実用困難である。
に二塩基酸(以下単に二塩基酸と呼ぶ)の除去法として
は、抽出溶媒を分離回収後の蒸留工程(以下においては
第1蒸留工程と呼ぶ)において分離する方法が常識的で
ある。しかしこの方法は、蒸留の際に二塩基酸が昇華あ
るいは気相会合等の現象を示す為、極端に大きな還流比
および精留段数を使用しても尚精製の程度が不充分であ
り、経済的にも実用困難である。
本発明の発明者等は、先に、この様な問題を解決する為
の手段として、イオン交換樹脂を使用するこれ等二塩基
酸の除去法を提案した(特願昭60-49248)。この新法の
概要は、前記メタクリル酸製造法における、酸化生成物
の冷却凝縮工程において得られるメタクリル酸水溶液、
溶剤抽出工程から得られる抽出液、抽出用溶媒を分離回
収後の濃縮メタクリル酸液、第1蒸留工程中の低沸点成
分の蒸留分離後にこの濃縮メタクリル酸液から得られる
中間精製メタクリル酸液あるいは第1蒸留工程中の高沸
点成分の蒸留分離後に第1中間精製メタクリル酸液から
得られるほぼ精製されたメタクリル酸液を、塩基性イオ
ン交換樹脂により処理して二塩基酸を完全に除去する方
法である。
の手段として、イオン交換樹脂を使用するこれ等二塩基
酸の除去法を提案した(特願昭60-49248)。この新法の
概要は、前記メタクリル酸製造法における、酸化生成物
の冷却凝縮工程において得られるメタクリル酸水溶液、
溶剤抽出工程から得られる抽出液、抽出用溶媒を分離回
収後の濃縮メタクリル酸液、第1蒸留工程中の低沸点成
分の蒸留分離後にこの濃縮メタクリル酸液から得られる
中間精製メタクリル酸液あるいは第1蒸留工程中の高沸
点成分の蒸留分離後に第1中間精製メタクリル酸液から
得られるほぼ精製されたメタクリル酸液を、塩基性イオ
ン交換樹脂により処理して二塩基酸を完全に除去する方
法である。
[発明が解決しようとする問題点] しかしこの方法によりイオン交換処理される各液中の二
塩基酸含有量は、その含有量が最も少ない上記第1中間
精製メタクリル酸液から得られるほぼ精製されたメタク
リル酸液にあっても、マレイン酸およびシトラコン酸共
にそれぞれ数百ppmづつ含有され、このほぼ精製された
メタクリル酸液より上流から得られる各液に含有される
二塩基酸の量は更に多い。従って、使用されるイオン交
換樹脂にはイオン交換能力の大なるものが要求され、多
量のイオン交換樹脂を使用する設備あるいは頻繁な樹脂
の再生等が必要であり、改善の余地が残されていた。
塩基酸含有量は、その含有量が最も少ない上記第1中間
精製メタクリル酸液から得られるほぼ精製されたメタク
リル酸液にあっても、マレイン酸およびシトラコン酸共
にそれぞれ数百ppmづつ含有され、このほぼ精製された
メタクリル酸液より上流から得られる各液に含有される
二塩基酸の量は更に多い。従って、使用されるイオン交
換樹脂にはイオン交換能力の大なるものが要求され、多
量のイオン交換樹脂を使用する設備あるいは頻繁な樹脂
の再生等が必要であり、改善の余地が残されていた。
この発明の目的は、イオン交換樹脂に対する負荷が少な
く、経済的に二塩基酸が除去出来るメタクリル酸の精製
方法を提供することにある。
く、経済的に二塩基酸が除去出来るメタクリル酸の精製
方法を提供することにある。
[問題点を解決する為の手段] 上記目的を達成する本発明は、イソブチレン、第3級ブ
タノール、メタクロレインあるいはイソブチルアルデヒ
ドを水蒸気の存在下に分子状酸素を含有するガスにより
接触酸化して得られるメタクリル酸を含む生成物をメタ
ノールでエステル化した後、該エステル化によって得ら
れるメタクリル酸メチル、シトラコン酸メチル、マレイ
ン酸メチルおよび未反応メタクリル酸を含むエステル化
反応液を蒸留して得られる未反応メタクリル酸を含有す
る留分を塩基性陰イオン交換樹脂で処理することを特徴
とするメタクリル酸の精製法である。
タノール、メタクロレインあるいはイソブチルアルデヒ
ドを水蒸気の存在下に分子状酸素を含有するガスにより
接触酸化して得られるメタクリル酸を含む生成物をメタ
ノールでエステル化した後、該エステル化によって得ら
れるメタクリル酸メチル、シトラコン酸メチル、マレイ
ン酸メチルおよび未反応メタクリル酸を含むエステル化
反応液を蒸留して得られる未反応メタクリル酸を含有す
る留分を塩基性陰イオン交換樹脂で処理することを特徴
とするメタクリル酸の精製法である。
本発明におけるメタクリル酸は、イソブチレン、第3級
ブタノール、メタクロレインあるいはイソブチルアルデ
ヒド(以下こら等を単に原料と呼ぶ)を水蒸気の存在下
に分子状酸素を含有するガスにより接触酸化して得られ
るものであるが、上記エステル化に供するメタクリル酸
としては、例えば以下に列挙するような周知の各工程を
経て得られるほぼ精製されたメタクリル酸が好適であ
る。すなわち、原料を水蒸気および分子状酸素を含有す
るガスの存在下に、1段あるいは2段の反応により接触
的に酸化する工程、この酸化生成物を冷却凝縮してメタ
クリル酸水溶液を得る工程、このメタクリル酸水溶液か
ら溶媒によりメタクリル酸を抽出する工程、この抽出物
から溶媒を分離回収して濃縮メタクリル酸を得る工程お
よび溶媒が除去された後の濃縮メタクリル酸から低沸点
物および高沸点物を除去してほぼ精製されたメタクリル
酸液を得る第1蒸留工程等である。尚、上記の抽出工程
においては、この種の技術で一般に広く使用されている
イソブタン、ブテン−1、シスブテン−1、シスブテン
−2、n−ペンタン、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n
−オクタン、シクロヘキサン、エチルベンゼン、キシレ
ン、トルエン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イ
ソホロン、メチルエチルケトン、ジイソブチレン等の抽
出溶媒を、単独あるいは2種以上の混合溶媒として用い
ることができる。しかし上記の諸工程によって一応の精
製作用を受けたほぼ精製されたメタクリル酸中には、前
記の如く合計1000ppm程度の二塩基酸が残存している。
ブタノール、メタクロレインあるいはイソブチルアルデ
ヒド(以下こら等を単に原料と呼ぶ)を水蒸気の存在下
に分子状酸素を含有するガスにより接触酸化して得られ
るものであるが、上記エステル化に供するメタクリル酸
としては、例えば以下に列挙するような周知の各工程を
経て得られるほぼ精製されたメタクリル酸が好適であ
る。すなわち、原料を水蒸気および分子状酸素を含有す
るガスの存在下に、1段あるいは2段の反応により接触
的に酸化する工程、この酸化生成物を冷却凝縮してメタ
クリル酸水溶液を得る工程、このメタクリル酸水溶液か
ら溶媒によりメタクリル酸を抽出する工程、この抽出物
から溶媒を分離回収して濃縮メタクリル酸を得る工程お
よび溶媒が除去された後の濃縮メタクリル酸から低沸点
物および高沸点物を除去してほぼ精製されたメタクリル
酸液を得る第1蒸留工程等である。尚、上記の抽出工程
においては、この種の技術で一般に広く使用されている
イソブタン、ブテン−1、シスブテン−1、シスブテン
−2、n−ペンタン、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n
−オクタン、シクロヘキサン、エチルベンゼン、キシレ
ン、トルエン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イ
ソホロン、メチルエチルケトン、ジイソブチレン等の抽
出溶媒を、単独あるいは2種以上の混合溶媒として用い
ることができる。しかし上記の諸工程によって一応の精
製作用を受けたほぼ精製されたメタクリル酸中には、前
記の如く合計1000ppm程度の二塩基酸が残存している。
このようなほぼ精製されたメタクリル酸をメタノールで
エステル化して、メタクリル酸メチルと未反応メタクリ
ル酸を含む本発明に言うところのエステル化反応液を得
る方法としては、既に周知となっている硫酸あるいは強
酸性陽イオン交換樹脂を触媒とする通常法が利用出来る
が、この発明方法のエステル化工程は、メタクリル酸の
エステル化の程度が不充分な状態で終了させられる点で
周知法とは異なっている。しかし、この発明にとって、
このエステル化工程は非常に重要である。重要である理
由は、この工程において二塩基酸の含有量が大幅に減少
するからである。即ち、周知の通り通常のエステル化反
応の平衡恒数は余り大きな数ではなく、本発明における
エステル化反応となるメタクリル酸および二塩基酸のエ
ステル化も略同様であるが、本発明の発明者等の研究に
より、メタノールによるメチルエステル化の場合には、
メタクリル酸をメチルエステル化する為の通常の反応条
件において、メタクリル酸のエステル化率より二塩基酸
のエステル化率の方が相当大であることが見出され、こ
の現象の利用により、メタクリル酸のエステル化率を余
り高くすることなく、二塩基酸のエステル化率を大とす
ることが出来て、エステル化反応の生成物中の二塩基酸
含有量を、通常の値としてマレイン酸180ppm、シトラコ
ン酸140ppm以下に迄、大幅に減少させることが可能とな
った。この発明方法は、この上記の新事実を利用し、メ
タクリル酸メチルを留出させる為の通常の条件で実施さ
れる第2蒸留工程において、メタクリル酸メチルを留出
除去すると共に、その際得られる未反応メタクリル酸含
有留分をイオン交換処理することにより、小量のイオン
交換容量を有するイオン交換設備の使用で二塩基酸が完
全に除去された精製メタクリル酸を得ること、またイオ
ン交換樹脂の再生頻度を現象させること等を可能にした
方法である。
エステル化して、メタクリル酸メチルと未反応メタクリ
ル酸を含む本発明に言うところのエステル化反応液を得
る方法としては、既に周知となっている硫酸あるいは強
酸性陽イオン交換樹脂を触媒とする通常法が利用出来る
が、この発明方法のエステル化工程は、メタクリル酸の
エステル化の程度が不充分な状態で終了させられる点で
周知法とは異なっている。しかし、この発明にとって、
このエステル化工程は非常に重要である。重要である理
由は、この工程において二塩基酸の含有量が大幅に減少
するからである。即ち、周知の通り通常のエステル化反
応の平衡恒数は余り大きな数ではなく、本発明における
エステル化反応となるメタクリル酸および二塩基酸のエ
ステル化も略同様であるが、本発明の発明者等の研究に
より、メタノールによるメチルエステル化の場合には、
メタクリル酸をメチルエステル化する為の通常の反応条
件において、メタクリル酸のエステル化率より二塩基酸
のエステル化率の方が相当大であることが見出され、こ
の現象の利用により、メタクリル酸のエステル化率を余
り高くすることなく、二塩基酸のエステル化率を大とす
ることが出来て、エステル化反応の生成物中の二塩基酸
含有量を、通常の値としてマレイン酸180ppm、シトラコ
ン酸140ppm以下に迄、大幅に減少させることが可能とな
った。この発明方法は、この上記の新事実を利用し、メ
タクリル酸メチルを留出させる為の通常の条件で実施さ
れる第2蒸留工程において、メタクリル酸メチルを留出
除去すると共に、その際得られる未反応メタクリル酸含
有留分をイオン交換処理することにより、小量のイオン
交換容量を有するイオン交換設備の使用で二塩基酸が完
全に除去された精製メタクリル酸を得ること、またイオ
ン交換樹脂の再生頻度を現象させること等を可能にした
方法である。
この発明方法のエステル化工程においては、所望によ
り、メタクリル酸とメタクリル酸メチルの生産量の比を
調整することが出来るが、この点に関しては周知である
故説明を省略する。第2の蒸留工程は、エステル化反応
の副生水の分離の程度、未反応メタノールの回収の程
度、二塩基酸のメチルエステルの分離の必要性等に応じ
て多くの実施態様がある。この第2蒸留工程において
は、メタクリル酸メチルと副生水の分離を充分に実施す
るのが好ましい。更に未反応メタノール留分、メタクリ
ル酸留分および二塩基酸のメチルエステル留分に分離す
ることも可能である。そして、前記のほぼ精製されたメ
タクリル酸中に含有され、エステル化工程においてエス
テル化されなかった二塩基酸は、メタクリル酸留分中に
含有されて留出する故、この留分をイオン交換処理する
ことにより、二塩基酸を完全に除去することが出来る。
又この留め分には未反応メタノールおよび/または二塩
基酸のエステルが含有されていてもイオン交換処理に影
響を与えない。この様にイオン交換処理されたメタクリ
ル酸含有留分は、所望に応じ製品とすることも出来る
し、又エステル化工程に返送することも出来る。更にま
たイオン交換処理の後工程として第3の蒸留工程を設
け、この第3蒸留工程において、未反応メタノールおよ
び/または二塩基酸のエステルを蒸留分離することも出
来る。第3蒸留工程における上記の蒸留分離は、分離す
べき各成分間の沸点差が大きく、また有機酸の間に起る
気相会合も無いので、極めて容易である。
り、メタクリル酸とメタクリル酸メチルの生産量の比を
調整することが出来るが、この点に関しては周知である
故説明を省略する。第2の蒸留工程は、エステル化反応
の副生水の分離の程度、未反応メタノールの回収の程
度、二塩基酸のメチルエステルの分離の必要性等に応じ
て多くの実施態様がある。この第2蒸留工程において
は、メタクリル酸メチルと副生水の分離を充分に実施す
るのが好ましい。更に未反応メタノール留分、メタクリ
ル酸留分および二塩基酸のメチルエステル留分に分離す
ることも可能である。そして、前記のほぼ精製されたメ
タクリル酸中に含有され、エステル化工程においてエス
テル化されなかった二塩基酸は、メタクリル酸留分中に
含有されて留出する故、この留分をイオン交換処理する
ことにより、二塩基酸を完全に除去することが出来る。
又この留め分には未反応メタノールおよび/または二塩
基酸のエステルが含有されていてもイオン交換処理に影
響を与えない。この様にイオン交換処理されたメタクリ
ル酸含有留分は、所望に応じ製品とすることも出来る
し、又エステル化工程に返送することも出来る。更にま
たイオン交換処理の後工程として第3の蒸留工程を設
け、この第3蒸留工程において、未反応メタノールおよ
び/または二塩基酸のエステルを蒸留分離することも出
来る。第3蒸留工程における上記の蒸留分離は、分離す
べき各成分間の沸点差が大きく、また有機酸の間に起る
気相会合も無いので、極めて容易である。
この発明方法において処理される塩基性陰イオン交換樹
脂は、強塩基性、中塩基性および弱塩基性のものの何れ
でも良いが、これ等のうちにおいても非水溶液用のもの
が好ましく、強塩基性の樹脂の例としては、次式のイオ
ン交換基を有するもの、 中塩基性の樹脂の例としては、式-CONH(CH2)nN(CH3)2を
イオン交換基として有するもの、弱塩基性樹脂の例とし
ては、式-N(CH3)2を交換基として有するもの等がある。
また樹脂の形状としても多孔質型およびゲル型の何れで
も良い。イオン交換処理は、上記のメタクリル酸含有留
分が、これ等の塩基性陰イオン交換樹脂中を通過させる
ことにより実現される。回分式通過法あるいは連続式通
過法の何れでも良いが、工業的には、連続式が通常有利
である。連続式処理においては、塩基性陰イオン交換樹
脂を充填したカラムに、所定の温度のメタクリル酸含有
留分を一定の流速で通過させる。その際の温度は20〜60
℃特に30〜40℃が好ましい。低過ぎる温度はメタクリル
酸の固化を発生し、またイオン交換樹脂のイオン交換能
力が低下するので好ましくなく、また高過ぎる温度は、
イオン交換樹脂の耐熱性およびメタクリル酸の重合が始
まる観点から好ましくない。イオン交換処理の際の空間
速度は、イオン交換樹脂の1当り、メタクリル酸含有
留分の0.2〜30l/時、特に2〜20l/時を通過させるのが
好ましい。空間速度が小に過ぎる場合には、樹脂の再生
頻度が減少する利点があるが、最初に準備する樹脂量が
増加して経済的に不利となり、空間速度が大に過ぎる場
合には、二塩基酸の除去率が低下すると共に、樹脂の再
生頻度が増加し、この増加に伴なって再生用の薬剤使用
量、洗浄水の使用量、排水の量等が増加する故好ましく
ない。
脂は、強塩基性、中塩基性および弱塩基性のものの何れ
でも良いが、これ等のうちにおいても非水溶液用のもの
が好ましく、強塩基性の樹脂の例としては、次式のイオ
ン交換基を有するもの、 中塩基性の樹脂の例としては、式-CONH(CH2)nN(CH3)2を
イオン交換基として有するもの、弱塩基性樹脂の例とし
ては、式-N(CH3)2を交換基として有するもの等がある。
また樹脂の形状としても多孔質型およびゲル型の何れで
も良い。イオン交換処理は、上記のメタクリル酸含有留
分が、これ等の塩基性陰イオン交換樹脂中を通過させる
ことにより実現される。回分式通過法あるいは連続式通
過法の何れでも良いが、工業的には、連続式が通常有利
である。連続式処理においては、塩基性陰イオン交換樹
脂を充填したカラムに、所定の温度のメタクリル酸含有
留分を一定の流速で通過させる。その際の温度は20〜60
℃特に30〜40℃が好ましい。低過ぎる温度はメタクリル
酸の固化を発生し、またイオン交換樹脂のイオン交換能
力が低下するので好ましくなく、また高過ぎる温度は、
イオン交換樹脂の耐熱性およびメタクリル酸の重合が始
まる観点から好ましくない。イオン交換処理の際の空間
速度は、イオン交換樹脂の1当り、メタクリル酸含有
留分の0.2〜30l/時、特に2〜20l/時を通過させるのが
好ましい。空間速度が小に過ぎる場合には、樹脂の再生
頻度が減少する利点があるが、最初に準備する樹脂量が
増加して経済的に不利となり、空間速度が大に過ぎる場
合には、二塩基酸の除去率が低下すると共に、樹脂の再
生頻度が増加し、この増加に伴なって再生用の薬剤使用
量、洗浄水の使用量、排水の量等が増加する故好ましく
ない。
[実施例] 以下に、本発明の実施例を示す。
実施例1 イソブチレンを2段酸化した後、前記の抽出工程、抽出
溶媒の回収工程、第1蒸留工程等によりほぼ精製された
メタクリル酸であって、マレイン酸およびシトラコン酸
をそれぞれ225ppmおよび173ppm含有するものにメタノー
ルを混合し、強酸性陽イオン交換樹脂が触媒として充填
されているエステル化反応塔に、空間速度0.5l/l時、温
度70℃の条件下に通過させて、エステル化反応を実施し
た。得られた反応生成物の粗製は、メタクリル酸メチル
43.2%(重量%、断わりなき限り以下においても同
様)、メタクリル酸26.6%、メタノール21.8%、マレイ
ン酸45ppm、シトラコン酸26ppmおよび残部の水であっ
た。この反応生成物を蒸留してマレイン酸およびシトラ
コン酸をそれぞれ164および96ppm含有するメタクリル酸
留分を得た。このメタクリル酸留分を、弱塩基性イオン
交換樹脂(アンバーリストA-21:交換基;-N=(CH3)2)
が内径20mm長さ300mmのカラムに50ml充填された処理塔
に、30℃の温度、空間速度10l/l時の流速で通液した。
通液の初期には、マレイン酸およびシトラコン酸と共に
メタクリル酸も樹脂に吸着されるが、メタクリル酸は逐
次マレイン酸とシトラコン酸により置換され、マレイン
酸およびシトラコン酸を実質的に含有しない精製メタク
リル酸が得られた。処理済留分を高速液体クロマトグラ
フ法により分析した結果、両酸共その含有量において、
検出限界である1ppm以下であることが確認された。シト
ラコン酸が漏出する迄に得られた精製メタクリル酸にお
けるメタクリル酸の回収率は99.2モル%であった。
溶媒の回収工程、第1蒸留工程等によりほぼ精製された
メタクリル酸であって、マレイン酸およびシトラコン酸
をそれぞれ225ppmおよび173ppm含有するものにメタノー
ルを混合し、強酸性陽イオン交換樹脂が触媒として充填
されているエステル化反応塔に、空間速度0.5l/l時、温
度70℃の条件下に通過させて、エステル化反応を実施し
た。得られた反応生成物の粗製は、メタクリル酸メチル
43.2%(重量%、断わりなき限り以下においても同
様)、メタクリル酸26.6%、メタノール21.8%、マレイ
ン酸45ppm、シトラコン酸26ppmおよび残部の水であっ
た。この反応生成物を蒸留してマレイン酸およびシトラ
コン酸をそれぞれ164および96ppm含有するメタクリル酸
留分を得た。このメタクリル酸留分を、弱塩基性イオン
交換樹脂(アンバーリストA-21:交換基;-N=(CH3)2)
が内径20mm長さ300mmのカラムに50ml充填された処理塔
に、30℃の温度、空間速度10l/l時の流速で通液した。
通液の初期には、マレイン酸およびシトラコン酸と共に
メタクリル酸も樹脂に吸着されるが、メタクリル酸は逐
次マレイン酸とシトラコン酸により置換され、マレイン
酸およびシトラコン酸を実質的に含有しない精製メタク
リル酸が得られた。処理済留分を高速液体クロマトグラ
フ法により分析した結果、両酸共その含有量において、
検出限界である1ppm以下であることが確認された。シト
ラコン酸が漏出する迄に得られた精製メタクリル酸にお
けるメタクリル酸の回収率は99.2モル%であった。
実施例2 イオン交換樹脂をアンバーリストA-26(交換基;-N(OH)
(CH3)3)に取り替えた以外は、実施例1と同様の試験を
実施した結果、得られた精製メタクリル酸中のマレイン
酸およびシトラコン酸の含有量は共に1ppm以下であり、
またシトラコン酸が漏出する迄に得られた精製メタクリ
ル酸におけるメタクリル酸の回収率は99.0モル%であっ
た。
(CH3)3)に取り替えた以外は、実施例1と同様の試験を
実施した結果、得られた精製メタクリル酸中のマレイン
酸およびシトラコン酸の含有量は共に1ppm以下であり、
またシトラコン酸が漏出する迄に得られた精製メタクリ
ル酸におけるメタクリル酸の回収率は99.0モル%であっ
た。
[発明の効果] この発明の利点の第1は、既に記載した通り、原料を分
子状酸素により酸化して精製メタクリル酸を製造する際
に、酸化工程で必須的に副生し、実用的検知から従来法
では除去困難であった二塩基酸を含有せず、その結果と
して重合特性の点でアセトンシアンヒドリン法により製
造されたものと同等あるいはそれ以上に優れた精製メタ
クリル酸が、周知の従来法に比し安価に製造出来る点に
ある。その理由も既に記載した通り、従来法では、二塩
基酸を第1蒸留工程において除去する場合に必要とな
る、極端に大きな還流比と精留段数の使用が不必要とな
るからである。又本発明方法は、前記した本発明者等の
前回の提案と比較しても、必要なイオン交換樹脂の量
が、エステル化処理によって大幅に減少し、著しく改良
された方法となっている。
子状酸素により酸化して精製メタクリル酸を製造する際
に、酸化工程で必須的に副生し、実用的検知から従来法
では除去困難であった二塩基酸を含有せず、その結果と
して重合特性の点でアセトンシアンヒドリン法により製
造されたものと同等あるいはそれ以上に優れた精製メタ
クリル酸が、周知の従来法に比し安価に製造出来る点に
ある。その理由も既に記載した通り、従来法では、二塩
基酸を第1蒸留工程において除去する場合に必要とな
る、極端に大きな還流比と精留段数の使用が不必要とな
るからである。又本発明方法は、前記した本発明者等の
前回の提案と比較しても、必要なイオン交換樹脂の量
が、エステル化処理によって大幅に減少し、著しく改良
された方法となっている。
この発明の利点の第2は、エステル化工程において副生
するメタクリル酸メチルおよび二塩基酸それぞれのメチ
ルエステルが容易に蒸留分離可能であり、これ等を製品
として利用できる点にある。周知の通り、メタクリル酸
メチルは大量に消費されいる故、本発明方法の場合の如
く、同一の生産設備により二種の製品の生産量比を大き
く変更出来ることは、両製品の消費量の時間的変動に対
応し易くなる点で特に好都合である。
するメタクリル酸メチルおよび二塩基酸それぞれのメチ
ルエステルが容易に蒸留分離可能であり、これ等を製品
として利用できる点にある。周知の通り、メタクリル酸
メチルは大量に消費されいる故、本発明方法の場合の如
く、同一の生産設備により二種の製品の生産量比を大き
く変更出来ることは、両製品の消費量の時間的変動に対
応し易くなる点で特に好都合である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 與口 勝治 新潟県北蒲原郡中条町協和町2―3 (72)発明者 瀬崎 義広 大阪府和泉市弥生町3丁目2
Claims (1)
- 【請求項1】イソブチレン、第3級ブタノール、メタク
ロレインあるいはイソブチルアルデヒドを水蒸気の存在
下に分子状酸素を含有するガスにより接触酸化して得ら
れるメタクリル酸を含む生成物をメタノールでエステル
化した後、該エステル化によって得られるメタクリル酸
メチル、シトラコン酸メチル、マレイン酸メチルおよび
未反応メタクリル酸を含むエステル化反応液を蒸留して
得られる未反応メタクリル酸を含有する留分を塩基性陰
イオン交換樹脂で処理することを特徴とするメタクリル
酸の精製法。
Priority Applications (8)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13688285A JPH0684330B2 (ja) | 1985-06-25 | 1985-06-25 | メタクリル酸の精製法 |
| US06/835,737 US4879412A (en) | 1985-03-14 | 1986-03-03 | Purification process of methacrylic acid |
| IN160/CAL/86A IN163288B (ja) | 1985-03-14 | 1986-03-04 | |
| DE8686301763T DE3661909D1 (en) | 1985-03-14 | 1986-03-12 | Process for purifying methacrylic acid |
| EP86301763A EP0194867B1 (en) | 1985-03-14 | 1986-03-12 | Process for purifying methacrylic acid |
| KR1019860001812A KR880000112B1 (ko) | 1985-03-14 | 1986-03-13 | 메타크릴산의 정제법 |
| CA000503986A CA1274541A (en) | 1985-03-14 | 1986-03-13 | Purification process of methacrylic acid |
| CN86102590A CN86102590B (zh) | 1985-03-14 | 1986-03-14 | 甲基丙烯酸的提纯方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13688285A JPH0684330B2 (ja) | 1985-06-25 | 1985-06-25 | メタクリル酸の精製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62437A JPS62437A (ja) | 1987-01-06 |
| JPH0684330B2 true JPH0684330B2 (ja) | 1994-10-26 |
Family
ID=15185748
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13688285A Expired - Fee Related JPH0684330B2 (ja) | 1985-03-14 | 1985-06-25 | メタクリル酸の精製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0684330B2 (ja) |
-
1985
- 1985-06-25 JP JP13688285A patent/JPH0684330B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62437A (ja) | 1987-01-06 |
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |