JPH0699744B2 - 軟化棒・線材の製造方法 - Google Patents

軟化棒・線材の製造方法

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JPH0699744B2
JPH0699744B2 JP448789A JP448789A JPH0699744B2 JP H0699744 B2 JPH0699744 B2 JP H0699744B2 JP 448789 A JP448789 A JP 448789A JP 448789 A JP448789 A JP 448789A JP H0699744 B2 JPH0699744 B2 JP H0699744B2
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進 神原
裕 山内
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、軟化線材および軟化棒鋼の製造方法に関す
る。
[従来の技術] 周知のように、冷間鍛造される線材や棒鋼のうち、硬質
で成形性の悪いものは、予めその硬さを下げ、変形能を
向上させるために、軟化熱処理として球状化焼鈍が施さ
れるのが一般的である。この球状化焼鈍としては、よく
知られているように、3タイプがある。すなわち、第6
図(a)に示すように、A1点以上の温度まで加熱した
後、A1点以下の温度まで徐冷する徐冷タイプ、第6図
(b)に示すように、A1点以上の温度まで加熱した後、
A1点以下の温度まで急冷し、その温度に長時間保持する
恒温変態タイプ、第6図(C)に示すように、A1点以下
の温度に長時間保持する等温保持タイプの三つである
が、いずれも10数時間、場合によっては、20時間以上も
かかるため、省エネルギーの観点からすれば非常に不利
な熱処理である。
そこでこの球状化焼鈍時間を短縮する目的で、特開昭62
−139817号公報や特開昭58−3919号公報に示されるよう
に、圧延条件を調整する方法が提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記公報技術ではいずれも時間はそれ以
前よりは若干短縮されるものの、基本的には従来の球状
化焼鈍のヒートパターンをそのまま採用するものである
ため、処理時間の大幅な短縮化という意味ではあまり効
果がない。
この点に鑑み、本発明者は鋭意検討の結果、仕上圧延条
件とその後の冷却条件を適宜組み合わせることにより、
その後工程の軟化熱処理は球状化焼鈍だけでなく、単に
加熱−大気中放冷を行うだけで十分軟化効果があり、大
幅な熱処理時間の短縮が可能となることを見出し、本発
明を完成した。
すなわち本発明の主目的は、極めて短時間の熱処理で、
球状化組織を得ることのできる軟化棒・線材の製造方法
を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するための本発明は、1.5%以下のCを
含有する鋼材を熱間圧延するに際し、仕上圧延開始温度
を750℃以下、仕上圧延終了温度を850℃以下に制御しな
がら仕上圧延し、終了後、4℃/秒未満の冷却速度で50
0℃まで冷却し、次いで室温まで冷却した後、製品表面
のスケールを除去し、還元性ガス雰囲気中で、(A1点−
50℃)以上、(A1点+50℃)以下の温度になるまで加熱
し、この温度範囲に10分間以上保持した後、大気中で放
冷することにより、球状化組織を得ることを特徴とする
ものである。
[作 用] 本発明では、仕上圧延条件、その後の冷却条件、さらに
球状化焼鈍条件を上記のように特定することにより、脱
炭を生じることなく、極めて短時間の熱処理で球状炭化
物を形成でき、十分に軟化した線材等を得ることができ
る。また、これにより、焼鈍後のハンドリング時の折損
や置き割れの発生を防止できる。
[発明の具体的構成] 次に、本発明における各数値の限定理由等について詳説
する。まず鋼に含有するC量を1.5%以下に限定したの
は、一般に鋼に網目状に析出するいわゆる初析セメンタ
イトが存在すると、冷間鍛造時にこの初析セメンタイト
を起点として表面割れが発生するが、C量が1.5%を越
えると、いかなる条件で圧延・冷却しても上記初析セメ
ンタイトの生成を防止することは不可能であり、またそ
の後の焼鈍によってもこれを消滅せしめることは不可能
であるからである。
次に、仕上圧延開始温度を750℃以下、仕上圧延終了温
度を850℃以下に制御し、その後500℃までの冷却速度を
4℃/秒未満に規定したのは、この条件範囲内で圧延・
冷却した鋼の組織においては、炭化物が一部球状化する
ので、次工程の軟化熱処理においては、長時間を要する
いわゆる球状化焼鈍ではなく、加熱−大気放冷という極
めて短時間の熱処理で完全に炭化物を球状化し得るため
である。この冶金的理由を以下に説明する。
まず仕上圧延開始前の組織がオーステナイトあるいはオ
ーステナイト・フェライトである場合には、750℃以下
の温度での仕上圧延により、オーステナイトおよびフェ
ライト粒界に極めて微細な炭化物が加工誘起分散析出
し、これを核としてその後の4℃/秒未満の冷却中に球
状炭化物が生成する。また、圧延材が850℃を越える
と、加工誘起析出した微細炭化物が完全に固溶してしま
い、球状炭化物の生成が全く不可能になるため、仕上圧
延終了温度は850℃以下にする必要があるのである。
また仕上圧延後の冷却速度が4℃/秒以上になると、微
細炭化物を核として炭化物が成長するに十分な時間的余
裕がないため球状にはならず、全て層状になるか、ある
いは甚だしい場合には、ベイナイトやマルテンサイトな
どの急冷組織になる。したがって、仕上圧延後の冷却速
度は4℃/秒未満とする必要があり、この際500℃まで
で炭化物の析出は完了するので、4℃/秒未満での冷却
は500℃までと規定したのである。
次に、仕上圧延前にすでにオーステナイトからフェライ
ト・パーライト、ベイナイトあるいはマルテンサイトに
相変態している場合には、仕上圧延に伴う塑性変形によ
って組織内の炭化物は微細に破砕され、結果的には微細
炭化物が分散したことになる。そしてその後の4℃/秒
未満の冷却中に球状に成長するのである。またかかる仕
上圧延の効果は仕上圧延開始温度が650℃より低くなる
と特に大きくなる。したがって、該開始温度は650℃以
下が好ましい。なお、仕上圧延開始温度の下限について
は特に規定しないが、極端に低くなると圧延機にかかる
負荷が大きくなり、実質的に圧延不能となるので、圧延
機の能力に応じた下限値を設定する必要がある。
次に、還元性ガス雰囲気中で軟化熱処理することを規定
したのは、鋼表面の脱炭を防止するためである。またそ
の前に製品表面のスケールを除去することとしたのは、
還元性ガス雰囲気中でスケールが存在すると還元性ガス
とスケールが反応して酸化性ガスが発生し、却って脱炭
が進行するためである。このスケール除去は球状化焼鈍
等の熱処理では一般に行われていることであり、その方
法としては、酸洗などの化学的除去でも、ショットブラ
ストや繰返し曲げなどの機械的除去でもよい。
次に、球状化組織を得るための軟化熱処理として(A1点
−50℃)以上、(A1点+50℃)以下の温度に加熱し、こ
の温度範囲に10分間以上保持することとしたのは、この
範囲外の温度に加熱保持した場合、その後大気中放冷を
行うと、炭化物の球状化が十分に行われなくなるからで
ある。すなわち、上述の通り本発明においては、鋼線材
または棒鋼を750℃以下の低温で圧延しているため、基
地組織に多大な塑性加工エネルギーが蓄積されているの
で、若干の熱エネルギーを加えるだけで、この蓄積され
た塑性加工エネルギーが解放され、これに伴って、層状
炭化物は分断されて棒状ないし球状となり、この際固溶
した炭化物は仕上圧延・冷却後の大気放冷中に、すでに
析出した球状炭化物を核として再析出し、球状炭化物の
成長がさらに進む。このためには、少なくとも(A1点−
50℃)以上の温度に10分以上保持する必要があるが、
(A1点+50℃)の温度を越えると、すでに析出している
球状炭化物が完全に固溶し、再析出すると層状炭化物と
なってしまう。以上に理由から、上記温度範囲に加熱・
保持することとしたものである。
[実施例] 次に実施例を説明する。
S45C、SCM435の2トン鋼片をそれぞれ仕上圧延開始温
度、仕上圧延終了温度を変化させて18φmm線材を製造し
た。圧延後500℃までの冷却速度は2℃/秒であった。
次にこれら種々の条件で圧延した線材をA1点(S45C:730
℃、SCM435:745℃)まで加熱し、18分間保持した後、大
気放冷し、それぞれの線材について組織を観察して炭化
物の球状化の程度(球状化率)を測定した。
結果を第1図および第2図に示す。
両図より、S45C、SCM435とも仕上圧延開始温度および仕
上圧延終了温度がともに本発明範囲内のものはすべて80
%以上の球状化率を有している。
次にS45Cについては、仕上圧延開始温度および終了温度
がそれぞれ665℃、805℃の線材、SCM435については同じ
く675℃、805℃の線材についてその後の軟化熱処理の温
度と時間を種々変化させて炭化物の球状化率を測定し
た。結果を第3図および第4図に示す。
両図より、S45C、SCM435とも本発明範囲の条件で処理す
れば80%以上の球状化率が得られることがわかる。
さらに第5図は上記S45C線材について、仕上圧延終了後
500℃までの冷却速度を変化させ、その後A1点で18分間
保持の軟化熱処理を行った場合の球状化率について示し
たものであるが、冷却速度が4℃/秒以上になると球状
化率は急激に低下することがわかる。
次に、第3図および第4図において、A1点で18分保持し
たS45C、SCM435と、通常圧延を行った後、第6図(a)
に示す従来の球状化焼鈍(徐冷タイプ)を施したS45C、
SCM435の各特性と軟化熱処理時間を第1表に示す。
第1表から明らかなように、本発明法によれば、熱処理
時間が従来法の1/4〜1/5に短縮されたにもかかわらず、
特性はむしろ向上している。
[発明の効果] 以上の通り、本発明によれば、極めて短時間の熱処理で
球状化組織を有する軟化棒・線材の製造方法を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれS45C、SCM435における、
仕上圧延開始温度と仕上圧延終了温度の球状化率に対す
る効果を示した図、第3図および第4図はそれぞれS45
C、SCM435における、加熱温度と保持時間の球状化率に
対する効果を示した図、第5図はS45Cにおける冷却速度
と球状化率との関係を示す図、第6図(a)、(b)、
(c)は従来法における球状化焼鈍のヒートパターンを
示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1.5%以下のCを含有する鋼材を熱間圧延
    するに際し、仕上圧延開始温度を750℃以下、仕上圧延
    終了温度を850℃以下に制御しながら仕上圧延し、終了
    後、4℃/秒未満の冷却速度で500℃まで冷却し、次い
    で室温まで冷却した後、製品表面のスケールを除去し、
    還元性ガス雰囲気中で、(A1点−50℃)以上、(A1点+
    50℃)以下の温度になるまで加熱し、この温度範囲に10
    分間以上保持した後、大気中で放冷することにより、球
    状化組織を得ることを特徴とする軟化棒・線材の製造方
    法。
JP448789A 1989-01-11 1989-01-11 軟化棒・線材の製造方法 Expired - Lifetime JPH0699744B2 (ja)

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