JPH07106148B2 - アガラ−ゼ活性を有する新規酵素、その製造方法および前記酵素を産生する新規微生物 - Google Patents

アガラ−ゼ活性を有する新規酵素、その製造方法および前記酵素を産生する新規微生物

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JPH07106148B2
JPH07106148B2 JP4147909A JP14790992A JPH07106148B2 JP H07106148 B2 JPH07106148 B2 JP H07106148B2 JP 4147909 A JP4147909 A JP 4147909A JP 14790992 A JP14790992 A JP 14790992A JP H07106148 B2 JPH07106148 B2 JP H07106148B2
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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アガラ−ゼ活性を有
する新規酵素、この酵素の製造方法、およびこの酵素を
産生する新規微生物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、未利用生物資源の有効利用が考え
られている中で、海洋生物資源の新たな利用の研究は急
務の課題である。とりわけ、陸上植物と比較して高い光
合成能を有する海藻は、資源として大きな魅力がある。
しかしながら、海藻類の利用研究は、アメリカ東海岸に
おいて行われているジャイアントケルプのバイオマス資
源としての利用研究以外に目立った研究例はない。
【0003】海藻の細胞組織には特殊な多糖が多く含ま
れており、このため海藻の細胞組織は強固なものとなっ
ている。この強固な細胞組織の破壊が困難であること
が、海藻類の利用研究の進展を妨げる大きな原因であ
る。
【0004】海藻の細胞組織が強固であるため、従来行
なわれている海藻成分の抽出方法では、これらの多糖を
分解するために、酸を加えたり、加熱等の処理を施して
いる。しかしながら、不安定な生理活性物質にとって
は、このような抽出法は好ましいものではない。それに
もかかわらず、これらの生理活性物質こそが、新しい海
洋性生物資源としての可能性を秘めているのである。し
たがって、温和な海藻多糖の分解法が望まれている。ま
た、陸上農作物と同様に、海藻の有用品種を開発するこ
とも重要な課題である。そのためにも、これらの特殊な
細胞多糖の分解法の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、海藻か
らの有用物質の抽出や、細胞融合による育種を行なうた
めには、温和な条件で、必要な反応のみを行なうことが
好ましい。そのような反応を実現するためには、酵素の
使用が最適である。アガラ−ゼは海藻多糖分解酵素の1
種であり、現在数種類が知られている。
【0006】グラム陰性細菌であるシュ−ドモナス・ア
トランティカが産生するアガラ−ゼが、シグマ社(セン
トルイス、アメリカ合衆国)およびカルバイオケム社
(サンジエゴ、アメリカ合衆国)から市販されいる。し
かしながら、これらの市販アガラ−ゼは高価である。ま
た、その作用 pH は酸性側にあり、至適温度も40℃と高
いため、温和でかつ弱アルカリ性である海水条件下での
実施には好ましいものではない。
【0007】一方、市販アガラ−ゼは、主にアガロ−ス
ゲルからDNAを分離するために、遺伝子工学の分野に
おいて使用されている。しかしながら、この市販アガラ
−ゼが分解することができるアガロ−スゲルは低温融解
性のものに限られている。加えて、その操作は、固化し
たアガロ−スゲルを65℃に加熱して再融解し、再び40℃
に冷却した後酵素を添加するという煩雑なものである。
【0008】したがって、この発明は、海藻の細胞組織
に含有される多糖に対する分解活性を有し、かつその最
大活性が比較的低温および弱アルカリ性で生じる、安価
な酵素を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、鋭意研究の結果、相模湾沖合の海水中より分離
した海洋性細菌が海藻多糖の成分であるアガロ−スをネ
オアガロテトラオ−ス、ネオアガロビオ−ス等に分解す
る酵素の生産菌であることを発見し、さらにその酵素が
比較的低温かつ弱アルカリ性で最大活性を生じる新規酵
素であることを見出し、上記目的を達成するに至った。
【0010】すなわち、この発明による新規酵素(以
下、アガラーゼ0107と称することがある)は、少なくと
も、寒天およびアガロ−スを分解して低分子化する反応
を触媒する酵素であって、下記理化学的性質を有する。
なお、下記性質においては、既知のアガラ−ゼとの比較
も併せて記載した。
【0011】(a)分子量 SDS- ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS- P
AGE)による測定の結果は、約 95,000 である。既知
のアガラ−ゼに、この分子量に該当する分子量を有する
ものは報告されていない。
【0012】(b)等電点 等電点電気泳動の結果は、約 6.3である。既知のアガラ
−ゼに、この値に該当する等電点を有するものは報告さ
れていない。
【0013】(c)紫外部吸収スペクトル λmax = 280 nm (d)溶解性 水に可溶である。
【0014】(e)基質特異性および作用 少なくとも寒天およびアガロ−スをエンド型に分解して
低分子化する反応を触媒する。アガロ−スを基質とした
場合、最終生成物としてネオアガロテトラオ−スおよび
ネオアガロビオ−スを得る反応を触媒する。
【0015】(f)至適温度 約30〜35℃ (g)至適pH 7〜8.5 (30℃) (h)熱安定性 50℃で15分間の加熱に対して、非加熱時の約85%の活性
を保持する。
【0016】(i)アミノ末端アミノ酸配列 Ala →Thr →Leu →Val →Thr →Ser →Phe 既知のアガロ−スに、同様のアミノ末端配列を有するア
ガラ−ゼは報告されていない。
【0017】これらの理化学的性質から、この発明によ
る酵素は、アガラ−ゼ活性を有し、比較的低温および弱
アルカリ性で作用する新規の酵素であることが明らかで
ある。
【0018】上述のように、この酵素は、少なくとも寒
天およびアガロ−スを分解する反応を触媒する。基質と
して寒天またはアガロ−スを用い、この酵素を作用させ
た場合には、ネオアガロビオ−ス、ネオアガロテトラオ
−ス、ネオアガロヘキサオ−ス等のオリゴ糖が生成す
る。これらのオリゴ糖は、今日まで応用利用がなされて
おらず、今後食品分野における高機能性食品としての利
用などが期待される。
【0019】この酵素は、温和な条件の下で使用するこ
とが可能であるため、その応用範囲も広い。また、寒天
の分解反応に用いた場合には、反応時間、酵素量等を調
節することにより、ネオアガロテトラオ−スおよびネオ
アガロビオ−スだけではなく、寒天由来の種々のオリゴ
糖を産生させることが可能である。
【0020】以下、この発明による新規酵素アガラーゼ
0107の製造方法について説明する。アガラーゼ0107を産
生する細菌は、本発明者らが相模湾沖合の海水中より分
離した海洋性細菌(JT0107)であり、下記の菌学的性
質を有する。
【0021】(1)形態 マリンブロス2216培地に生育した細胞について、 (イ)桿菌であり、細胞の大きさは0.25〜 1.2μm×
0.5〜 2.5μm (ロ)運動性を有し、鞭毛を有する (ハ)グラム染色性は陰性 (ニ)胞子は形成しない (2)生育状態 マリンブロス2216平板培地での培養において (イ)18℃〜25℃で良好に生育する (ロ)淡黄色の色素沈着を有する (ハ)菌体の生育に従って、寒天ゲルは液化される マリンブロス2216の液体培地において (ニ)pH7〜9において旺盛に生育する (3)生理学的性質 (イ)O−Fテスト F (ロ)カタラ−ゼテスト 陽性 (ハ)オキシダ−ゼテスト 陽性 (ニ)グルコ−スからのガスの生成 無 (ホ)フォゲス−プロスカウェル反応 陰性 (ヘ)メチルレッド反応 陽性 (ト)ゼラチン分解能 有 (チ)エスクリン分解能 有 (リ)硝酸還元能 有 (ヌ)通性嫌気性 これらの菌学的性質より、JT0107は、ビブリオ属の性
質を有していることが明らかとなり、ビブリオs(Vi
brio sp )と同定された。このJT0107は工業技術院微
生物工業技術研究所特許微生物寄託センタ−に寄託され
ており、その受託番号はFERM BP−4541であ
る。
【0022】このJT0107は海洋由来の細菌であるた
め、通常の細菌の取扱い方法では好ましくない結果を得
る場合が多々ある。換言すると、この細菌を液体培養す
る際には、塩濃度を十分保たなければ増殖しない。
【0023】天然海水を基本とした培地を用いる場合に
は、海水濃度が約70%以下になると増殖速度が暫時減少
を始め、50%以下になると明らかに増殖阻害が見られ
る。すなわち、塩濃度として、塩化ナトリウム、塩化マ
グネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化
カリウム、臭化マグネシウムがそれぞれ26g/l、 3.3
g/l、 2.1g/l、 1.4g/l、 0.7g/l、0.08g
/lであることが好ましい。したがって、天然海水を希
釈して使用するのは好ましいものではなく、天然海水
に、培養に必要な物質等を添加して培地を作成すること
が好ましい。培地の調製に必要な炭素源としては、寒
天、アガロ−ス、ペプトン等のJT0107が資化可能な物
質を挙げることができるが、好ましくは寒天である。ま
た、pHについては、 7.5〜8.5 程度の弱アルカリ性で
あれば、実用上問題はない。さらに、窒素源としては酵
母エキスの使用が好ましく、アンモニウム塩、硝酸塩等
を添加しても増殖促進に顕著な効果は現われない。JT
0107の増殖のみを目的とする場合には、天然海水を使用
する代わりに、マリンブロス2216(ディフコ社製)を使
用することもできる。
【0024】固体培地を用いる場合には、JT0107が寒
天分解能を有するという性質上、取扱いに特に注意を要
する。寒天平板培養においては、例えば、マリンブロス
2216に 1.5%寒天を添加した培地を用いることができ
る。寒天平板にJT0107を20℃で画線培養すると、10日
後には菌体の増殖に従って寒天が液化する。このため、
平板の倒置培養は避けるべきである。菌体の色は僅かに
黄色味のある白色である。寒天斜面培地を用いて 4℃冷
蔵保存する場合には、1ケ月以内に植え継ぎをしなけれ
ばならない。この植え継ぎを怠ると、斜面培地が徐々に
液化して菌体が死滅する。 -86℃での50%グリセリン凍
結保存においては、少なくとも 9ケ月の生存が確認され
ている。
【0025】アガラーゼ0107を生産するためには、寒天
もしくはアガロ−スを炭素源として、上記JT0107の液
体培養を行なえばよい。この培養における培養温度は、
JT0107がアガラーゼ0107を産生する範囲内で変更し得
るが、通常18℃〜25℃程度での回転振とう培養を行な
い、好ましくは20℃、 150 rpmでの振とう培養を行な
う。培養時間は 5〜 7日程度が適当である。
【0026】培養終了後、培養液から遠心分離により固
形物を除去し、培養上清を回収する。次いで、得られた
培養上清から、JT0107により分泌産生されたタンパク
質を塩析させる。この塩析は、例えば、培養上清に、80
〜90%飽和になるように硫酸アンモニウムを添加するこ
とにより行なうことができる。塩析物は遠心分離等によ
り回収し、これを精製してアガラーゼ0107を得る。この
精製は、例えば、回収した塩析物を20mM- トリス塩酸
緩衝液(pH 8.0)を透析外液として透析を行ない、その
後透析サンプルを強陰イオン交換カラムに通してタンパ
ク質を溶出させ、アガラーゼ0107のみを分離することに
より行なう。
【0027】このようにして得られたJT0107培養液も
しくはアガラーゼ0107を、紅藻類に含まれる多糖である
寒天もしくはアガロ−スを基質として反応させることに
より、ネオアガロビオ−ス、ネオアガロテトラオ−ス、
ネオアガロヘキサオ−ス等のオリゴ糖を製造することが
できる。寒天を基質とした場合に得られるオリゴ糖は、
3,6-アンヒドロ-L- ガラクト−スとD-ガラクト−スとが
交互に結合した糖である。
【0028】
【実施例】以下、この発明の実施例を具体的に説明する
が、この発明はこれらに限定されるものではなく、種々
応用することが可能である。 実施例1 JT0107の培養および保存 相模湾沖合から得られた天然海水 100μlを、寒天を
1.5%含有するマリンブロス2216の平板上に塗沫し、20
℃で好気的に 6日間培養した。次に、寒天平板を陥没さ
せるコロニ−を白金耳で単離して滅菌海水に懸濁し、そ
の後再び寒天平板上に塗沫した。これを培養した後、生
じた単一コロニ−を分離し、新しい寒天平板上に画線培
養して、JT0107として保存した。
【0029】天然海水 1000 ml、寒天 3g、リン酸水
素二カリウム 0.3g、および酵母エキス 1gを混合し、
1規定水酸化ナトリウム水溶液で pH 8.0 に調整した培
地をオ−トクレ−ブ滅菌した。この培地にJT0107を植
菌し、20℃、 150 rpmで 6日間振とう培養した。その
後、培養液を 1ml分取し、 1mlのグリセリン溶液を
含む小型バイアル瓶に入れ、 -86℃で凍結保存した。残
りの培養液は以下の実験に供した。
【0030】実施例2 アガラーゼ0107の製造 JT0107の培養液 1,000mlを遠心分離し、約 900ml
の培養上清と固形物とに分離した。タンパク質を塩析す
るために、この培養上清に、硫酸アンモニウムを90%飽
和になるように撹拌しながら徐々に添加し、 5℃で一晩
放置した。生じた塩析物を遠心分離により回収し、セロ
ハンチュ−ブを透析膜として、20mMトリス塩酸緩衝液
(pH 8.0) 3,000mlに対して透析した。透析は 5℃で
18時間行ない、その間透析外液を 2回交換した。得られ
たサンプルを、予め20mMトリス塩酸緩衝液(pH 8.0)
で平衡化したQAEトヨパ−ル(東ソ−社製の強陰イオ
ン交換樹脂)を担体としたカラム( 1cm× 2.5cm)
に吸着させた。このサンプルを、20mMトリス塩酸緩衝
液(pH 8.0)から 0.5M塩化ナトリウムを含有する20m
Mトリス塩酸緩衝液(pH 8.0)への直線濃度勾配法(総
溶出量 4ml)により溶出させ、塩化ナトリウム濃度が
0.5M以降に溶出してくる画分 6mlを回収した。得ら
れた画分に20mMトリス塩酸緩衝液を加えて24mlと
し、前述の緩衝液で予め平衡化したMONO- Q(ファ
ルマシア社製の強陰イオン交換樹脂)を担体としたカラ
ム( 0.5cm× 5cm)に吸着させて前述の直線濃度勾
配法(総溶出量15ml)により溶出させた。
【0031】MONO- Qクロマトグラフィ−における
溶出パタ−ンを図1に示す。図1においては、タンパク
溶出量を波長 280nmにおける吸収を用いて示した。ま
た、下記実施例3により測定された、溶出したタンパク
質の酵素活性も併せて図1に示した。この図から明らか
なように、この発明の酵素アガラーゼ0107は 0.5Mの塩
化ナトリウム濃度で溶出し、分離することができた。
【0032】波長 280nmにおける紫外吸収の吸光度か
アガラーゼ0107の収量を求めたところ、培養液 1,000
ml当り0.91mgであった。また、酵素活性を測定した
結果、酵素 1mg当り約 6.3ユニットの力価を示した。
ここで、ガラクト−ス量に換算して、 1分間当り 1マイ
クロモルのガラクト−ス量に相当する還元糖を得る酵素
活性を 1ユニットとした。この結果より、アガラーゼ01
07の単位重量当りの活性は、培養上清と比較して約48倍
に上昇したことが分かる。
【0033】さらに、得られたアガラーゼ0107を、SD
Sを含有するポリアクリルアミドゲルの濃度が10〜20%
のグラジエントゲルを用いて、分子量マ−カ−(分子量
94,000 のホスホリラ−ゼ、 67,000 のウシ血清アルブ
ミンおよび 43,000 の卵白アルブミン)と共に電気泳動
してアガラーゼ0107の分子量を求めたところ、約 95,00
0 であった。また、アガラーゼ0107の等電点をファルマ
シア社製のファストゲルシステムによって測定したとこ
ろ、約 6.3であった。
【0034】実施例3 アガラーゼ0107の酵素活性測定 実施例2において得られた各画分における、酵素反応に
よって生じた還元糖の量をネルソン- ソモギ法により測
定した。その測定法を詳細に説明すると、次の通りであ
る。まず、20mMトリス塩酸緩衝液(pH 8.0)に溶解し
た 0.2%の低温融解性アガロ−ス(シグマ社製)のゲル
を作成した。次に、アガラーゼ0107を含有する溶液10μ
lに、このゲル90μlを基質として混合し、30℃で 5分
間反応させた。反応終了後、銅試薬 100μlを添加し、
沸騰水中で10分間加熱した。加熱後、水で急速冷却し、
ネルソン試薬 100μlを添加した後、さらに蒸留水で全
容積を 2.5mlとした。60分後に 660nmにおける吸光
度を測定した。この測定値をガラクト−ス量に換算し、
1分間当り 1マイクロモルのガラクト−ス量に相当する
還元糖を得る酵素活性を 1ユニットとして酵素活性値を
算出した。その結果を図1に示す。
【0035】実施例4 アガラーゼ0107の至適pHの測
定 pHを 4および 5(酢酸緩衝液)、 6および 7(リン酸
緩衝液)、 8(トリス塩酸緩衝液)、並びに 9および10
(グリシン水酸化ナトリウム緩衝液)に調製した 0.2%
の低温融解性アガロ−ス(シグマ社製)のゲル90μl
に、アガラーゼ0107溶液( 0.2μg/μl)10μlを加
え、30℃で 5分間反応させた。反応終了後、銅試薬 100
μlを加えて沸騰水中で10分間加熱した。加熱後、水で
急速冷却し、ネルソン試薬 100μlを添加して蒸留水で
全容積を 2.5mlにした。60分後に660nmにおける吸
光度を測定し、実施例3と同様の方法で酵素活性を算出
した。その結果を図2に示す。図2において、横軸はp
H、縦軸は最大酵素活性値を100%とした場合の相対値
で表わした酵素活性をそれぞれ示す。この図より明らか
なように、アガラーゼ0107の至適pHは、 7.0〜 8.5の
中性から弱アルカリ性であった。
【0036】実施例5 アガラーゼ0107の耐熱性の測定アガラーゼ0107 溶液( 0.1μg/μl)10μlを、30
℃、40℃、50℃および60℃の水浴中で15分間加熱した
後、 0.2%の低温融解性アガロ−ス(シグマ社製)のゲ
ル90μl(pH 8.0)に加え、30℃で 5分間反応させた。
反応終了後、銅試薬100μlを添加し、沸騰水中で10分
間加熱した。加熱後、水で急速冷却し、ネルソン試薬 1
00μlを加えた後蒸留水を加えて全容積を 2.5mlにし
た。60分後に660nmにおける吸光度を測定し、実施例
3と同様の方法で酵素活性を算出した。その結果を図3
に示す。図3において、横軸は温度、縦軸は最大酵素活
性値を100%とした場合の相対値で表わした酵素活性を
それぞれ示す。この図から明らかなように、アガラーゼ
0107の非加熱時の活性を 100%としたとき、30℃および
40℃では 100%、50℃では85%の残存活性を示し、60℃
ではほぼ完全に失活した。
【0037】実施例6 アガラーゼ0107のアミノ末端ア
ミノ酸配列の測定 この実施例においては、アガラーゼ0107のアミノ末端ア
ミノ酸配列をエドマン分解法により決定した。
【0038】アガラーゼ0107溶液( 0.4μg/μl) 1
00μlを、 0.1%SDSを含有する蒸留水を透析外液と
して透析した。得られた酵素溶液をアミノ酸配列分析装
置 477Aプロテインシ−クエンサ−(アプライドバイオ
システム社製)にかけ、アガラーゼ0107のアミノ末端側
7個のアミノ酸配列を決定した。その結果、アガラーゼ
0107のアミノ末端側のアミノ酸配列は、 Ala →Thr →Leu →Val →Thr →Ser →Phe であることが判明した。
【0039】実施例7 オリゴ糖の製造 実施例2において得られた精製酵素 1ユニットと、 0.2
%に調製したアガロ−ス 1mlとを小試験管内で混合
し、30℃の水浴中で一昼夜反応させた。その後、ブタノ
−ル、酢酸および水を2:1:1の比率で混合してなる
展開溶媒を用いて反応生成物の薄層クロマトグラフィ−
を行ない、分離した。その結果、還元末端がD-ガラクト
−スであり、3,6-アンヒドロ-L- ガラクト−スとD-ガラ
クト−スとが交互に合計四分子連なったネオアガロテト
ラオ−スなる四糖と、3,6-アンヒドロ-L- ガラクト−ス
とD-ガラクト−スとが結合したネオアガロビオ−スなる
二糖が得られた。
【0040】実施例8 アガロ−スゲルの分解 10mMのエチレンジアミン四酢酸を含有する40mMのト
リス酢酸緩衝液(以下、TAEと記載する)10mlに、
非低温融解性の汎用アガロ−ス(宝酒造社製)100mg
を加えて加熱融解し、その60μlを冷却してゲル化し
た。これに25μl(0.027 ユニット)のアガラーゼ0107
を添加し、30℃で45分間反応させた。反応後のゲルは軟
弱化していた。
【0041】この結果を定量的に調べるために、以下に
記載の手順により、生成した還元糖の量をネルソン- ソ
モギ法を用いて測定した。すなわち、まず、反応後のゲ
ルに85μlの銅試薬を添加して沸騰水中で10分間加熱
し、水で急速冷却した。これにネルソン試薬85μlを加
え、次いで蒸留水で全容積を 2.5mlにし、60分後に 6
60nmにおける吸光度を測定した。その結果、ガラクト
−ス量に換算して約 280μg/mlのオリゴ糖が生成し
ていることが確認された。
【0042】これに対して、シュウドモナス アトラン
ティカの産生する市販アガラ−ゼを用いて同様の実験を
行なったところ、オリゴ糖の収量は、約29μg/mlで
あった。すなわち、アガラーゼ0107を使用して汎用アガ
ロ−スから得たオリゴ糖量は、市販アガラ−ゼを使用し
た場合の約10倍であった。
【0043】実施例9 アガロ−スゲルからのDNAの
回収と制限酵素による反応 TAE 100mlに、非低温融解性の汎用アガロ−ス(宝
酒造社製) 800mgを加え、DNA電気泳動用のアガロ
−スゲルを作製した。このアガロ−スゲルを用いて、制
限酵素 EcoRIで切断される塩基配列を1か所のみ有する
環状DNAの電気泳動を行なった。泳動後、環状DNA
を含むアガロ−スゲルを切り出し、プラスティック棒で
潰した後、アガラーゼ0107 50 μl(0.054 ユニット)
を添加して30℃で 120分間反応させた。反応後、フェノ
−ル 120μlを添加して混合し、遠心分離によりその上
清を得た。この上清に 3Mの酢酸ナトリウム 7μlを添
加し、さらに冷エタノ−ル 140μlを添加して 15,000
rpm で15分間遠心することによりDNAをエタノ−ル沈
殿させた。上清を除去して沈殿に70%冷エタノ−ル140
μlを加え、15,000 rpmで15分間遠心した後、再び上清
を除去し、真空ポンプを用いて沈殿を 5分間乾燥させ
た。これに滅菌蒸留水 9μl、反応緩衝液 1μlおよび
制限酵素 EcoRI(宝酒造社製、12ユニット/μl) 1μ
lを添加して混合し、37℃で15分間反応させた。反応
後、反応液中のDNAをアガロ−スゲル電気泳動で調べ
たところ、環状DNAが EcoRIによって切断されて生じ
た直鎖状DNAのみが見出された。
【0044】実施例10 アガラーゼ0107のミカエリス定
数および最大反応速度の測定 3,6-アンヒドロ-L- ガラクト−スとD-ガラクト−スと
が、交互に、合計 6分子連なったネオアガロヘキサオ−
スなる六糖を基質として、種々の濃度の基質溶液を作成
した。この各々に、アガラーゼ0107溶液( 0.3μg/μ
l)10μlを添加し、実施例3と同様の方法により酵素
活性を測定した。
【0045】基質濃度の逆数、およびそれに対応する酵
素活性の逆数を二次元座標上にプロットし、ラインウィ
−バ−・バ−クの式からミカエリス定数(Km )および
最大反応速度(Vmax )を求めた。その結果、Km
0.98 ± 0.10 mM、Vmax =1.91 ± 0.19 μmol /mi
n.であった。
【0046】
【発明の効果】以上のように、この発明による新規酵素
アガラーゼ0107は、海藻の細胞組織に含有される、寒
天、アガロ−ス等の多糖に対する分解活性を有し、しか
もその最大活性が比較的低温および弱アルカリ性で生じ
る。この酵素を利用することにより、これまで得ること
ができなかった、熱や酸に弱い海藻中の生理活性物質の
抽出が可能となる。また、海藻細胞のプロトプラスト調
製に利用することもできる。
【0047】さらに、この発明による新規酵素アガラー
ゼ0107は、室温においても失活が少ないことから、市販
のアガラ−ゼよりも取扱いが容易である。加えて、酵素
精製工程についても市販のアガラ−ゼよりも簡便であ
る。
【0048】このように、この発明による新規酵素アガ
ラーゼ0107は、従来の生化学研究用のみならず、高機能
性食品、海藻組織培養、海藻中のファインケミカルズ抽
出法等への応用が期待でき、極めて有用な酵素である。
【0049】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 配列の種類:タンパク質 フラグメント型:N末端フラグメント 起源 生物名:ビブリオs(Vibrio sp ) 株名:JT0107 配列 Ala Thr Leu Val Thr Ser Phe 1 5
【図面の簡単な説明】
【図1】海洋性細菌JT0107の培養液から得られたタン
パク質のMONO- Qクロマトグラフィ−の溶出パタ−
ン(実線)と酵素活性(点線)との関係を示す図。
【図2】この発明による酵素アガラーゼ0107の酵素活性
とpHとの関係を示す図。
【図3】この発明による酵素アガラーゼ0107の熱安定性
を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 9/42 C12R 1:63) (72)発明者 野間 正名 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社生命科学研究所内 (72)発明者 有田 正俊 神奈川県小田原市酒匂4丁目13番20号 日 本たばこ産業株式会社海水総合研究所内 (72)発明者 中静 素子 神奈川県小田原市酒匂4丁目13番20号 日 本たばこ産業株式会社海水総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記理化学的性質を有する新規酵素。 (a)作用:少なくとも寒天およびアガロ−スをエンド
    型に分解して低分子化する反応を触媒する(b)基質特異性:寒天およびアガロースを加水分解す
    (c)至適pH: 7〜8.5 (30℃) (d)至適温度:約30〜35℃ (e)熱安定性:50℃で15分間の加熱で最大活性の約85
    %を保持する (f)等電点:約 6.3 (g)分子量:約 95,000 (10〜20%SDS−ポリアク
    リルアミドゲル電気泳動による) (h)アミノ末端アミノ酸配列: Ala →Thr →Leu →Val →Thr →Ser →Phe
  2. 【請求項2】 寒天分解能を有することを特徴とするビ
    ブリオスピーシーズ(sp)JT0107
  3. 【請求項3】 ビブリオ属に属し、アガラーゼ活性を有
    する新規酵素生産能を有する微生物を培地に培養し、培
    養物中にアガラーゼ活性を有する新規酵素を生成蓄積さ
    せ、これを採取することを特徴とする新規酵素の製造方
JP4147909A 1991-05-17 1992-05-15 アガラ−ゼ活性を有する新規酵素、その製造方法および前記酵素を産生する新規微生物 Expired - Lifetime JPH07106148B2 (ja)

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JP3865801B2 (ja) * 1995-04-27 2007-01-10 株式会社ヤクルト本社 新規なβ−アガラーゼ,その製造方法及びその用途
JP4441486B2 (ja) * 2003-04-01 2010-03-31 独立行政法人海洋研究開発機構 寒天分解酵素およびその利用
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