JPH0713199B2 - 水溶性テトラアゾ色素およびこれを用いる染色法 - Google Patents

水溶性テトラアゾ色素およびこれを用いる染色法

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JPH0713199B2 JP15899586A JP15899586A JPH0713199B2 JP H0713199 B2 JPH0713199 B2 JP H0713199B2 JP 15899586 A JP15899586 A JP 15899586A JP 15899586 A JP15899586 A JP 15899586A JP H0713199 B2 JPH0713199 B2 JP H0713199B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な構造を有するブラウン色系の水溶性テト
ラアゾ色素に関するものであり、詳しくは、構造中にト
リアジン基を介してジスアゾ色素2分子が結合されてお
り、かつ、1つの反応基を有し、特に、セルロースおよ
び含窒素繊維に対する低pH領域での反応固着性に優れた
テトラアゾ色素およびそれを用いた染色法に関するもの
である。
〔従来技術〕
セルロースまたは含窒素繊維などを染色するための色素
としては、通常、水溶性である反応性染料が用いられ、
種々の構造を有する染料が提案されている。一般的に、
この種の染料を用いて、上述の如き繊維を浸染法により
染色する場合、染浴の温度としては例えば、60〜70℃程
度の比較的低温が採用されている。
近年、繊維素剤の多様化に伴ない、例えば、セルロース
繊維とポリエステル繊維の混合繊維が利用されている
が、このような混合繊維の染色方法としては、従来、予
め、分散染料を用いて120〜140℃程度の高温において、
ポリエステル繊維を染色し、次いで、反応染料を用いて
60〜70℃程度の低温においてセルロース繊維を染色す
る、所謂、二段法が採用されている。更に、最近、反応
性染料と分散染料とを併用し、一浴一段で120〜140℃の
高温の染浴にて、セルロースとポリエステル繊維を同時
に染色する方法が提案されている。
しかしながら、このような高温の染浴にて、従来、公知
の反応性染料を用いてセルロース繊維の染色を行なつた
場合には、染料の繊維に対する反応固着率が低く、良好
な染色物を得ることができなかつた。
そこで我々はこのような問題点を改良するための染料と
して、下記構造式〔ア〕で示されるテトラアゾ系化合物
よりなる反応性染料を先に提案した。(特願昭60−8332
7) (式中、Mは水素原子またはアルカリ金属を表わし、X
はハロゲン原子または を表わし、R1およびR2は水素原子、アルキル基、アルコ
キシ基、ハロゲン原子または−SO3Mを表わし、R3は水素
原子またはアルキル基を表わし、lは2または3を表わ
し、mおよびnは0または1を表わす)。ところが、こ
の染料の場合、染浴のpHが7〜8の領域では高い染着率
が得られるが、ポリエステル繊維とセルロース繊維の混
合繊維を染色するに特に適したpHである5〜7の領域で
は染着率が期待するほど高くならないと言う問題点を有
する。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
本発明は上記実情に鑑み、ポリエステル繊維の染色条
件、特に、低pH領域においても、セルロース繊維または
含窒素繊維に対し、より一層優れた反応固着率を示す水
溶性色素を提供することを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は遊離酸の形で下記一般式〔I〕 〔式中、R1およびR2は、水素原子、アルキル基、ヒドロ
キシエチル基、スルホン酸基、スルフアモイル基、カル
バモイル基またはカルボキシル基を表わし、lは2また
は3を表わし、mおよびnは0または1を表わし、A
はアニオンを表わす。〕で示される水溶性テトラアゾ色
素および該色素を用いる染色法をその要旨とするもので
ある。
以下、本発明を詳細に説明する。
前示一般式〔I〕で示される水溶性テトラアゾ色素にお
いて、A はピリジン核の窒素原子の正荷電とバランさ
せるに必要な負荷電であり、例えば、OH 、Cl 、Br
等が挙げられる。
前示一般式〔I〕で表わされるテトラアゾ色素は次のよ
うにして製造することができる。例えば、下記一般式
〔II〕 (式中、l、mおよびnは前記定義に同じ)で示される
化合物1モル割合と、下記一般式〔III〕 (式中、l、mおよびnは前記定義に同じ)で示される
化合物1モル割合とを縮合させて、下記一般式〔IV〕 (式中、l、mおよびnは前記定義に同じ)で示される
テトラアゾ体とする。
次に、該一般式〔IV〕で示されるテトラアゾ体に下記一
般式〔V〕 (式中、R1およびR2は前記定義に同じ)で示されるピリ
ジン化合物1モル割合を縮合させることにより、前示一
般式〔I〕のテトラアゾ色素を製造することができる。
なお、反応液から目的物を得るには通常の塩析法が用い
られるが反応液をそのままスプレー乾燥することによる
ことも出来る。
本発明のテトラアゾ色素は繊維、布を染色するための染
料、紙、合成樹脂を着色するための色素、更に、インク
ジエツト式プリンター用インクなどの色素として広く利
用することができるが、特に、染料としての適性が優れ
ている。
本発明のテトラアゾ色素を染料として用いる場合には、
対象となる繊維としては、木綿、ビスコースレーヨン、
キユプラアンモニウムレーヨン、麻などのセルロース系
繊維、更に、ポリアミド、羊毛、絹等の含窒素繊維が挙
げられるが、セルロース繊維が特に望ましい。また、こ
れらの繊維は例えば、ポリエステル、トリアセテート、
ポリアクリルニトリル、などの混合繊維でも差し支えな
い。
本発明のテトラアゾ色素を使用する繊維の染色方法にお
いては、セルロース系以外の繊維を染色するに必要な染
料、例えば、Colour Index(第3版)に記載されている
分散染料などを同時に染浴に加えて染色することができ
る。
本発明のテトラアゾ色素を使用してセルロース系繊維を
染色する場合には、例えば、上記一般式〔I〕で示され
るテトラアゾ色素および染色中に染浴をpH5〜8、特に
好ましくはpH5.5〜7に保持するに必要な緩衝剤(例え
ば、炭酸、リン酸、酢酸、クエン酸等の酸とそれらの酸
のナトリウム塩またはカリウム塩の単一または混合物で
通常0.5〜5.0g/程度)、そして必要に応じて電解質
(塩化ナトリウムまたは硫酸ナトリウム等を通常1〜15
0g/、特に好ましくは40〜80g/程度)を加えた染浴
を調製し、この染浴にセルロース系繊維を投入し、温度
100〜150℃で30〜50分間加熱することによつて良好な染
色を行うことができる。
また、セルロース系繊維に他の繊維例えば、ポリエステ
ル繊維を混合して製造されている混紡布、混織編物等を
染色するためには、本発明の上記一般式〔I〕で示され
るテトラアゾ色素と、上記Colour Index所載の分散染料
とを上記染浴に添加することにより、セルロース系繊維
とポリエステル繊維とを一浴一段法により同時に染色す
ることができる。
また、上記のような混紡布、混織編物等を染色する場合
に、従来採用されているようにどちらか一方の繊維を染
色した後に、同浴で他方の繊維を染色する一浴二段法を
適用してもよく、更には、本発明のテトラアゾ色素によ
る染色法とセルロース系繊維以外の繊維に対する染色法
とを組合せて、別々の浴からセルロース系繊維とその他
の繊維とを染色する二浴法を採用することも可能であ
る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例および染色例をあげて、さらに具
体的に説明するが、本発明は、以下の実施例等に限定さ
れるものではない。
実施例1 (a)製造例 下記構造式 で表わされるジスアゾ化合物1モル割合と、下記構造式 で表わされるジスアゾ化合物1モル割合とを水媒中、30
〜40℃で縮合させ、下記構造式 で表わされるテトラアゾ体を製造し、該反応液中に3−
カルボキシピリジン1モル割合を90℃で縮合させた後、
塩化カリウムで塩析して下記構造式のテトラアゾ色素を
製造した。尚、構造式は遊離酸の形で表わす。
(b)染色例 前記製造例で得られた本発明のテトラアゾ色素0.2g、芒
硝16g、緩衝剤としてNa2HPO412H2O0.4gおよびKH2PO40.1
gを水200mlに加えてpH=7に調製した染浴に未シルケツ
ト綿メリヤス10gを入れ30分を要して120℃迄昇温し、同
温度で60分間染色した後水洗、ソーピング、水洗、乾燥
を行い赤色ブラウンの染色物を得た。
本染料の染着率は81%と非常に良好で得られた染色物は
極めて濃厚であり、また、耐光堅牢度も5級と優れてい
た。
実施例2 (a)製造例 下記構造式〔イ〕 で表わされるジスアゾ化合物1モル割合と、2,4,6−ト
リクロロトリアジン1モル割合とを、0℃pH6〜7で反
応させ、下記構造式 で表わされるジスアゾ化合物を製造し、更に、続いて上
記構造式〔イ〕で表わされるジスアゾ化合物1モル割合
と20〜30℃、pH6〜7で縮合させ下記テトラアゾ体を製
造した。
そして、更に、該テトラアゾ体1モル割合と3−カルバ
モイルピリジン1モル割合を縮合させた後スプレー乾燥
して下記構造式のテトラアゾ色素を製造した。尚、構造
式は遊離酸の形で表わす。
(b)染色例 前記製造例で得られたテトラアゾ色素0.2g、芒硝16g、
緩衝剤としてNa2B4O7・10H2O0.1gおよびKH2PO40.4gを水
200mlに加えて調製した染浴に未シルケツト綿メリヤス1
0gを入れ、30分を要して130℃迄昇温し、同温度で30分
間染色した後、水洗、ソーピング、水洗、乾燥を行い赤
色ブラウンの染色物を得た。
なお本染色浴は染色前、後を通じてpH6.0であつた。
得られた染色物は極めて濃厚で、本染料の染着率は77%
と非常に良好であり、また、耐光堅牢度も5級と良好で
あつた。
実施例3 遊離後の形で下記構造式 で示されるテトラアゾ色素0.2g及び分散染料として公知
の下記構造式 で示されるモノアゾ染料0.2gよりなる混合染料を用い、
これに芒硝12g、緩衝剤としてNa2B4O7・10H2O0.1gおよ
びKH2PO40.4gを水200mlに加えて調製した染浴にポリエ
ステル/木綿=50:50の混紡布10gを入れ30分を要して13
0℃迄昇温し、同温度で60分間染色した後、水洗、ソー
ピング、水洗、乾燥を行い、同色性良好な赤色ブラウン
の染色物を得た。なお本染料の染着前、後においてpH6
であつた。
この染色テストにおける染着性は非常に良好で得られた
染色物は極めて濃厚であり、また、耐光堅牢度も5級と
良好であつた。
また、本実施例で使用したテトラアゾ色素は実施例1に
記載の方法に従つて製造した。
実施例4 実施例1または実施例2に記載の方法に準じて、第1表
(遊離酸の形で表わした)に示される本発明のテトラア
ゾ色素を製造し、そして、実施例2に記載の方法に従つ
て、綿布を染色したところ各染布の染着率は70%以上
で、耐光堅牢度は5級といずれも良好であつた。
また、得られた染布の色調およびλmaxは第1表に示す
通りの結果であつた。
〔発明の効果〕 本発明のテトラアゾ色素は構造中にトリアジン基を介し
てジスアゾ色素2分子が結合されており、しかも、ピリ
ジン環よりなる反応基を有する新規な水溶性テトラアゾ
系化合物であり、ブラウン系の色素として有用なもので
ある。特に、この化合物をセルロース又は含窒素繊維を
含有する繊維の染色に用いた場合には、各種堅牢度が良
好な上、染着性が優れていると言う効果を有する。そし
て、この効果は従来、ポリエステルの染色条件として採
用されている例えば、120〜140℃の高温で、しかも、低
pH領域の染色条件において得ることができる。したがつ
て、本発明の化合物は例えば、ポリエステル/セルロー
スまたは含窒素繊維との混合繊維を水不溶性の分散染料
と共に用いて、一段一浴で同時に染色するための反応性
染料として特に適している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊離酸の形で下記一般式〔I〕 〔式中、R1およびR2は水素原子、アルキル基、ヒドロキ
    シエチル基、スルホン酸基、スルフアモイル基、カルバ
    モイル基またはカルボキシル基を表わし、lは2または
    3を表わし、mおよびnは0または1を表わし、A
    アニオンを表わす〕で示される水溶性テトラアゾ色素。
  2. 【請求項2】セルロースまたは含窒素繊維を含有する繊
    維を染色する方法において、遊離酸の形で下記一般式
    〔I〕 〔式中、R1およびR2は水素原子、アルキル基、ヒドロキ
    シエチル基、スルホン酸基、スルフアモイル基、カルバ
    モイル基またはカルボキシル基を表わし、lは2または
    3を表わし、mおよびnは0または1を表わし、A
    アニオンを表わす。〕で示される水溶性テトラアゾ色素
    を用いることを特徴とする染色法。
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