JPH07164591A - ガスバリア性積層フィルム - Google Patents

ガスバリア性積層フィルム

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JPH07164591A
JPH07164591A JP6234947A JP23494794A JPH07164591A JP H07164591 A JPH07164591 A JP H07164591A JP 6234947 A JP6234947 A JP 6234947A JP 23494794 A JP23494794 A JP 23494794A JP H07164591 A JPH07164591 A JP H07164591A
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俊昭 吉原
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隆司 宮本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】可撓性を有するとともに酸素、水蒸気などに対
するガスバリア性に優れ、耐熱性、耐湿性、耐水性を有
し、かつ製造が容易なガスバリア性積層フィルムを提供
する。 【構成】高分子樹脂組成物からなる基材2上に、無機化
合物からなる蒸着層3を第1層とし、水溶性高分子と、
(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物
又は(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、或い
は水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤
を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜4を第2
層として積層してなることにより、高いガスバリア性を
示し、かつ耐水性、耐湿性を有するとともにある程度の
変形に耐えられる可撓性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品、医薬品等の包装
分野に用いられるガスバリア性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品、医薬品等の包装に用いられ
る包装材料は、内容物の変質、とくに食品においては蛋
白質や油脂等の酸化、変質を抑制し、さらに味、鮮度を
保持するために、また無菌状態での取扱いが必要とされ
る医薬品においては有効成分の変質を抑制し、効能を維
持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その
他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要が
あり、これら気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備
えることが求められている。
【0003】そのため、従来からポリビニルアルコール
(以下、PVAとする)、エチレンビニルアルコール共
重合体(EVOH)、或いはポリ塩化ビニリデン樹脂
(以下、PVDCとする)など一般にガスバリア性が比
較的高いと言われる高分子樹脂組成物をラミネート又は
コーティングによりガスバリア性積層体として包装材料
に用いた包装フィルムが一般的に使用されてきた。ま
た、適当な高分子樹脂組成物(単独では、高いガスバリ
ア性を有していない樹脂であっても)にAlなどの金属
又は金属化合物を蒸着した金属蒸着フィルムや最近では
一酸化珪素(SiO)などの珪素酸化物(SiOX )薄
膜、酸化マグネシウム(MgO)薄膜を透明性を有する
高分子材料からなる基材上に蒸着などの形成手段により
形成された蒸着フィルムが開発されており、これらは高
分子樹脂組成物からなるガスバリア材より優れたガスバ
リア特性を有しており、高湿度下での劣化も少なく、包
装材料に用いた包装フィルムが一般的に使用され始めて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のPV
A、EVOH系の高分子樹脂組成物を用いてなるガスバ
リア性積層体は、温度依存性及び湿度依存性が大きいた
め、高温又は高湿下においてガスバリア性の低下が見ら
れ、とくに水蒸気バリア性がなく、包装の用途によって
は煮沸処理やレトルト処理を行うとガスバリア性が著し
く低下することがある。またPVDC系の高分子樹脂組
成物を用いてなるガスバリア性積層体は、湿度依存性は
小さいが、酸素バリア性を1cm3 /m2 ・day・a
tm以下とする高ガスバリア材(ハイガスバリア材)を
実現することは、困難であるという問題がある。また被
膜中に塩素を多量に含むため、焼却処理やリサイクリン
グなど廃棄物処理の面で問題がある。
【0005】さらに上述の金属又は金属化合物を蒸着し
た金属蒸着フィルムや一酸化珪素(SiO)などの珪素
酸化物薄膜、酸化マグネシウム(MgO)薄膜を蒸着し
た蒸着フィルムは、ガスバリア層に用いられる無機化合
物の薄膜が可撓性に欠けており、揉みや折り曲げに弱
く、また基材との密着性が悪いため、取り扱いに注意を
要し、とくに印刷、ラミネート、製袋など包装材料の後
加工の際に、クラックを発生しガスバリア性が著しく低
下する問題がある。また、形成方法に真空蒸着法、スパ
ッタリング法、プラズマ化学気相成長法などの真空プロ
セスを用いて形成するため、装置が高価であり、また形
成工程において局部的に高温となり、基材に損傷を生じ
たり、低分子量部或いは可塑剤などの添加剤部などの分
解、脱ガスなどを起因とする無機薄膜中に欠陥、ピンホ
ール等を発生することがあり、高いガスバリア性を達成
できないこと、コスト的に高価となるという問題を有し
ている。
【0006】そのため、上記問題に対して、特開昭62
−295931号公報に記載されるように、基材に金属
アルコキシドの被膜を形成してなるガスバリア材が提案
されている。このガスバリア材は、ある程度の可撓性を
有するとともに、液相コーティング法による製造ができ
るため、コスト的にも安価とすることができる。
【0007】しかしながら、上記ガスバリア材は、基材
単体の場合に比べて、ガスバリア性が向上すると言える
が、絶対的なガスバリア性を有するとは言えないもので
あった。
【0008】さらに、特開平5−9317号公報に記載
されるように、ガスバリア性の付与された樹脂成形品の
製造方法として、基材に酸化珪素(SiOX )の蒸着薄
膜を形成し、その蒸着薄膜上にSiO2 粒子と水溶性樹
脂あるいは水性エマルジョンの混合溶液をコーティング
した後、乾燥する方法が提案されている。この製造方法
による樹脂成形品は、外部応力による変形の際に、Si
X 蒸着薄膜上にコーティングされたSiO2 粒子と樹
脂との混合層がSiOX 蒸着薄膜に生じるマイクロクラ
ックの広がりを抑え、クラック部位を保護することによ
り、ガスバリア性の低下を抑制することができるもので
ある。しかしながら、この構成からなる樹脂成形品は、
SiOX 蒸着薄膜に生じるマイクロクラックの広がりを
抑え、ガスバリア性の低下を抑制するのみであり、その
効果は単なる蒸着薄膜の保護層としての役割に過ぎな
い。上記構成の樹脂成形品のガスバリア性は蒸着層の上
に形成されるコーティング層が単なるSiO2 粒子と樹
脂の混合被膜であるため、基材に単に蒸着薄膜を形成し
た蒸着フィルムのガスバリア性を示す程度であり、より
高いガスバリア性を得ることは不可能であった。
【0009】そこで、本発明は、可撓性を有するととも
に酸素、水蒸気などに対するガスバリア性に優れ、耐熱
性、耐湿性、耐水性を有し、かつ製造が容易なガスバリ
ア性積層フィルムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
高分子樹脂組成物からなる基材上に、無機化合物からな
る蒸着層を第1層とし、水溶性高分子と、(a)1種以
上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は(b)塩
化錫の少なくとも一方を含む水溶液、或いは水/アルコ
ール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加
熱乾燥してなるガスバリア性被膜を第2層として積層し
てなることを特徴とするガスバリア性積層フィルムであ
る。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
発明に基づき、水溶性高分子がポリビニルアルコールで
あることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性積層
フィルムである
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1記載の
発明に基づき、金属アルコキシドは、テトラエトキシシ
ラン又はトリイソプロポキシアルミニウム、或いはそれ
らの混合物であることを特徴とするガスバリア性積層フ
ィルムである。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1記載の
発明に基づき、無機化合物からなる蒸着層が酸化アルミ
ニウム、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化珪素の何れ
かであることを特徴とするガスバリア性積層フィルムで
ある。
【0014】
【作用】本発明によれば、高分子樹脂組成物からなる基
材上に、無機化合物からなる蒸着層を第1層とし、水溶
性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びそ
の加水分解物又は(b)塩化錫の少なくとも一方を含む
水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコ
ーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性
被膜を第2層として積層してなることにより、第2層が
反応性に富む無機成分を含有し、水溶性高分子との複合
被膜がガスバリア性に優れることから第1層と第2層と
の界面に両層の反応層を生じるか、或いは第2層が第1
層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥或い
は微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成され
るため、高いガスバリア性、耐水性、耐湿性を有すると
ともに、変形に耐えられる可撓性を有する。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例を詳細に説明する。図1は
本発明のガスバリア性積層体の構成を説明する概略図で
ある。
【0016】図1において、1はガスバリア性積層体あ
り、基材2、第1層である無機蒸着層3、第2層である
ガスバリア性被膜層4である。基材2は、シート状また
はフィルム状のものであって、ポリオレフィン(ポリエ
チレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ネイロン−
6、ナイロン−66等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド
など、或いはこれら高分子の共重合体など通常包装材料
として用いられるものが使用できる。基材は用途に応じ
て上記材料から適宜選択される。
【0017】この基材2に用いられる高分子樹脂材料
に、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、
着色剤など公知の添加剤を加えることができ、必要に応
じて適宜添加される。
【0018】さらに基材2の表面をコロナ処理、アンカ
ーコート処理等の表面改質を行い、被膜の密着性を向上
させることも可能である。
【0019】第1層である無機蒸着層3は、珪素、アル
ミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、マグネシウムな
どの酸化物、窒化物、弗化物の単体、或いはそれらの複
合物からなり、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズ
マ気相成長法(CVD法)などの真空プロセスにより形
成される。とくに酸化アルミニウムは、無色透明であ
り、ボイル・レトルト耐性等の特性にも優れており、広
範囲の用途に用いることができる。
【0020】無機蒸着層3の膜厚は、用途や第2層の膜
厚によって異なるが、数十Åから5000Åの範囲が望
ましいが、50Å以下では薄膜の連続性に問題があり、
また3000Åを越えるとクラックが発生しやすく、可
撓性が低下するため、好ましくは50〜3000Åであ
る。
【0021】第2層であるガスバリア性被膜層4は、水
溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及び
その加水分解物又は(b)塩化錫の少なくとも一方を含
む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とする
コーティング剤からなる。水溶性高分子と塩化錫を水系
(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶
液、或いはこれに金属アルコキシドを直接、或いは予め
加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を
基材2上の無機薄膜層3にコーティング、加熱乾燥し、
形成したものである。コーティング剤に含まれる各成分
について以下に詳述する。
【0022】本発明でコーティング剤に用いられる水溶
性高分子はポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる、と
くにポリビニルアルコール(以下、PVAとする)を本
発明のガスバリア性積層体のコーティング剤に用いた場
合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、
一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢
酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVA
から酢酸基が数%しか残存していない完全けん化PVA
までを含み、とくに限定されるものではない。
【0023】また塩化錫は塩化第一錫(SnCl2 )、
塩化第二錫(SnCl4 )、或いはそれらの混合物であ
ってもよく、無水物でも水和物でも用いることができ
る。
【0024】さらら金属アルコキシドは、テトラエトキ
シシラン〔Si(OC2 5 4 〕、トリイソプロポキ
シアルミニウム〔Al(O−2’−C3 7 3 〕など
の一般式、 M(OR)n (M:Si Ti Ai Zr等の金属, R:CH3
2 5 等のアルキル基)で表せるものである。なかで
もテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニ
ウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定で
あるので好ましい。
【0025】上述した各成分を単独またはいくつかを組
み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらに
コーティング剤のバリア性を損なわない範囲で、イソシ
アネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散
剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤など公知の添加剤を
加えることができる。
【0026】例えばコーティング剤に加えられるイソシ
アネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネ
ート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレ
ンジイソシアネート(以下、TDIとする)、トリフェ
ニルメタントリイソシアネート(以下、TTIとす
る)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(以下、
TMXDIとする)などのモノマー類と、これらの重合
体、誘導体などがある。
【0027】コーティング剤の塗布方法には、通常用い
られる、ディッピング法、ロールコーティング法、スク
リーン印刷法、スプレー法など従来公知の手段が用いら
れる。被膜の厚さはコーティング剤の種類によって異な
るが、乾燥後の厚さが約0.01〜100μmの範囲で
あればよいが、50μm以上では、膜にクラックが生じ
やすくなるため、0.01〜50μmとすることが望ま
しい。
【0028】なお、詳細は不明なところが多いが、この
第1層としての無機蒸着層3と第2層としての上記コー
ティング剤からなる被膜との間に、何らかの反応層が形
成されるか、或いは第2層が第1層に生じるピンホー
ル、クラック、粒界などの欠陥或いは微細孔を充填、補
強することで、緻密構造が形成され、これがガスバリア
性の向上と第1層である蒸着薄膜層の保護層としての役
割を果たす。またコーティング剤の組成が、金属アルコ
キシド或いは塩化錫からなる無機成分とPVA等の水溶
性高分子を主剤とするものであることから、ガスバリア
性の向上が図れるものである。すなわち金属アルコキシ
ド或いは塩化錫からなる無機成分は溶液中で加水分解、
重縮合反応して鎖状或いは三次元樹枝状のポリマーを形
成し、乾燥加熱にともなう溶媒の蒸発によってさらに重
合が進行する、反応性に富む無機成分であり、水溶性高
分子とは分子レベルの複合体を形成していると考えられ
る。したがって、特定の粒子径からなるシリカ(SiO
2 )などの微粒子や珪酸ソーダ(水ガラス)から得られ
るシリカゾル(コロイダルシリカ)など単に微粒子を分
散したものとは異なるものである。
【0029】さらに本発明のガスバリア性積層体上に
は、必要に応じてヒートシール可能な熱可塑性樹脂層、
印刷層をガスバリア性被膜層上または基材2上に積層す
ることができ、また複数の樹脂を接着層を介して積層す
ることも可能である。
【0030】本発明のガスバリア性積層体を具体的な実
施例を挙げて説明する。
【0031】〔実施例1〕厚さ12μmのポリエチレン
テレフタレート(以下、PETとする)を基材とし、そ
の上面にSiO(酸化珪素)を蒸着源とし、電子線加熱
方式による真空蒸着法により、膜厚400Åの薄膜層を
形成し、さらに下記組成を組み合わせ、所定の割合に混
合してなるコーティング剤をバーコーターにより塗布し
乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.3μm
の被膜を形成しガスバリア性積層体を得た。
【0032】(コーティング剤の成分) (A)テトラエトキシシラン〔Si(OC2 5 4
以下、TEOSとする〕10.4gに塩酸(0.1N)
89.6gを加え、30分間攪拌し加水分解させた固形
分3wt%(SiO2 換算)の加水分解溶液。 (B)トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−
2’−C3 7 3 :以下、TPAとする〕6.0gを
80℃の熱水90g中で溶解した後、塩酸(5N)4g
を添加し解膠させた固形分3wt%(Al2 3 換算)
の加水分解溶液 (C)塩化第一錫(無水物)の3wt%の水/エタノー
ル溶液(水:エタノール重量比で50:50) (D)塩化第二錫(無水物)の3wt%の水溶液 (E)ポリビニルアルコールの3.0wt%水/イソプ
ロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重
量比で90:10) (F)ポリビニルピロリドンの3wt%の水/エタノー
ル溶液(水:エタノール重量比で50:50) (G)水性グラビアインキ(アクリル系) 水性ビヒク
ルのみ使用。アクリル樹脂固形分10wt%水/エタノ
ール溶液(水:エタノール重量比50:50) (H)シリカ微粒子(平均粒径0.1μm)の3.0w
t%水分散液 (I)シリカゾル(日産化学工業社製 商品名: スノ
ーテックス)を水で希釈した3.0wt%シリカゾル溶
【0033】 (コーティング剤の組成) 実施例 No.1 (A)/(E) 配合比(wt%)60/40 実施例 No.2 (A)/(B)/(F)配合比(wt%)50/10/40 実施例 No.3 (C)/(E) 配合比(wt%)60/40 実施例 No.4 (A)/(C)/(E)配合比(wt%)40/30/30 実施例 No.5 (A)/(D)/(E)配合比(wt%)40/30/30 比較例 No.6 コーティング無し 配合比(wt%) 比較例 No.7 (E) 配合比(wt%) 100 比較例 No.8 (F) 配合比(wt%) 100 比較例 No.9 (G) 配合比(wt%) 100 比較例 No.10(H)/(E) 配合比(wt%)60/40 比較例 No.11(I)/(E) 配合比(wt%)60/40
【0034】得られたガスバリア性積層体を40℃−9
0%RHの恒温恒湿下で4週間保存し、その前後のガス
バリア性を酸素透過度及び水蒸気透過度の測定により評
価した。酸素バリア性を25℃−100%RH雰囲気下
で酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製 MO
CON OXTRAN 10/40A)を用いて測定
し、水蒸気バリア性を40℃−90RH雰囲気下で水蒸
気透過度測定装置(モダンコントロール社製 PERM
ATRAN W6)を用いて測定し、その結果を表1に
示す。なお比較例としてコーティングなしの蒸着膜のみ
のフィルムと水溶性高分子のみの被膜及び水性インキの
みの被膜からなる積層フィルム、金属アルコキシドの代
わりにシリカ微粒子、或いはシリカゾルを用いた水溶性
樹脂との混合被膜からなる積層フィルムを作製し同様に
測定評価した。
【0035】
【表1】
【0036】これらから蒸着フィルムにコーティング剤
を塗布したもの(No.1〜5)は酸素バリア性及び水
蒸気バリア性はともに、コーティング無しのNo.6に
比べ高く、高ガスバリア性を示した。比較例の水溶性高
分子(No.7、8)及び水性インキ(No.9)はガ
スバリア性が若干向上するが、高湿下保存後にガスバリ
ア性の低下が認められた。さらにシリカ微粒子、或いは
シリカゾルを用いた水溶性樹脂との混合被膜(No.1
0、11)はコーティング無しのNo.6と比べてガス
バリア性の向上はほとんど見られず、本発明のガスバリ
ア性積層フィルムのアルコキシドを用いた場合に比べ劣
っており、明らかに構成による相違を示している。
【0037】〔実施例2〕実施例1のNo.1、No.
4、No.6、No.9の積層フィルムのコーティング
面を接着面としてポリオール−イソシアネート系接着剤
にて未延伸ポリプロピレン(CPP、30μm)フィル
ムと接着しラミネートフィルムを作製しガスバリア性積
層体を得た。酸素透過度及び水蒸気透過度の測定と接着
強度の測定を行い評価した。接着強度の測定は、15m
m幅、T字剥離、300mm/minの条件で行った。
その結果を表2に示す。なお比較例として、蒸着膜を施
されていないPETフィルムにコーティングし膜厚0.
3μmの被膜を形成した積層フィルムについても同様に
測定評価した。
【0038】
【表2】
【0039】これによれば、本発明のコーティング被膜
は第1層である蒸着膜が施されていなくても、酸素バリ
ア性に優れるものの水蒸気バリア性が低い。基材に蒸着
膜を設けることで、各々単体では得られない高い酸素バ
リア性及び水蒸気バリア性を得ることができた。また接
着強度は蒸着膜無しのフィルムに比べ、著しく向上し
た。
【0040】〔実施例3〕実施例2のNo.13、N
o.16、No.18にCPPをラミネートした積層フ
ィルムを引張試験機を用いて所定伸率引張り試験を行っ
た後、酸素透過度、水蒸気透過度の測定及び可撓性の評
価を行った。その結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】比較例の蒸着膜のみのフィルム(No.1
6)は数%の伸びで引っ張りによる変形に耐えられず膜
にクラックを生じ、ガスバリア性が著しく低下したが、
本発明のガスバリア性積層フィルム(No.13)は1
0%程度まではほとんど劣化が認められず、その後の引
っ張りによる変形によってもその劣化は少なく、比較例
の蒸着膜単体の積層フィルムに比べてかなりの可撓性を
有している。さらに比較例の水性グラビアインキの積層
フィルム(No.18)も数%の伸びで引っ張りによる
変形が始まり、多少の劣化の抑制が認められるもののそ
の効果は僅かである。
【0043】〔実施例4〕PETフィルム(12μm)
を基材として、その片面にAl2 3 、SnO2、Mg
Oを蒸着源として電子線加熱方式により真空蒸着法によ
り、膜厚400Åの薄膜層を形成し、さらにこの薄膜層
上に実施例1のNo.4のコーティング剤を用いて、実
施例1と同様に被膜を形成し、酸素透過度及び水蒸気透
過度の測定評価を行った。なお比較例としてコーティン
グ無しのものを同様に測定評価した。その結果を表4に
示す。
【0044】
【表4】
【0045】この結果から、Al2 3 、SnO2 、M
gOからなる蒸着薄膜層上に形成されるコーティング剤
を用いた被膜(コーティング)によるガスバリア性の著
しい向上を示すことから、本発明の構成からなるガスバ
リア性積層フィルムの被膜による効果は明らかである。
【0046】〔実施例5〕PETフィルム(12μm)
を基材として、実施例1および4と同様に、その片面に
SiO、Al2 3 を蒸着源として電子線加熱方式によ
り真空蒸着法により、膜厚400Åの薄膜層を形成し、
この薄膜層上に実施例1のNo.4のコーティング剤を
用いて、実施例1と同様に被膜を形成した。さらにポリ
オール−イソシアネート系接着剤によりCCPフィルム
(60μm)を接着しラミネートフィルムを作製しガス
バリア性積層フィルムを得た。このラミネートフィルム
を用いて、200mm×150mmのパウチを作製し、
内容物として水200ccを封入した。これをレトルト
処理(120℃−20min)し、処理前後の酸素透過
度の測定及びラミネート強度の評価を行った。なお比較
例としてコーティング無しのものを同様に測定評価し
た。その結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】この結果から、蒸着薄膜層上にコーティン
グ剤を用いた被膜を形成した本発明のガスバリア性積層
フィルムは、レトルト処理によるガスバリア性の低下及
び接着強度の劣化が抑制される。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように本発明のガスバリア性
積層フィルムは、高分子樹脂組成物からなる基材上に、
無機化合物からなる蒸着層を第1層とし、水溶性高分子
と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分
解物又は(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、
或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティン
グ剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜を第
2層として積層してなることにより、高いガスバリア性
を有し、かつ可撓性、ラミネート強度、耐水性、耐湿
性、ボイル・レトルト耐性に優れ、さらに他の樹脂と積
層しても、その強度は十分実用に耐えるものである。す
なわち高温・高湿度雰囲気下においてもガスバリア性を
損なうことなく、食品や医薬品など内容物を劣化させる
ことなく長期保存を可能とするものである。また包装材
料として印刷やラミネート、製袋など後加工においても
ガスバリア性を損なうことがないとする効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリア性積層フィルムの構成を説
明する概略図である。
【符号の説明】
1 ガスバリア性積層フィルム 2 基材 3 無機蒸着層 4 ガスバリア性被膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蒲生 美香 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子樹脂組成物からなる基材上に、無機
    化合物からなる蒸着層を第1層とし、水溶性高分子と、
    (a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物
    又は(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、或い
    は水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤
    を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜を第2層
    として積層してなることを特徴とするガスバリア性積層
    フィルム。
  2. 【請求項2】前記水溶性高分子がポリビニルアルコール
    であることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性積
    層フィルム。
  3. 【請求項3】前記金属アルコキシドは、テトラエトキシ
    シラン又はトリイソプロポキシアルミニウム、或いはそ
    れらの混合物であることを特徴とする請求項1、2記載
    のガスバリア性積層フィルム。
  4. 【請求項4】前記無機化合物からなる蒸着層が酸化アル
    ミニウム、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化珪素の何
    れかであることを特徴とする請求項1、2、3記載のガ
    スバリア性積層フィルム。
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