JPH07187671A - 酸化物超電導体及びその製造方法 - Google Patents
酸化物超電導体及びその製造方法Info
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- JPH07187671A JPH07187671A JP5333886A JP33388693A JPH07187671A JP H07187671 A JPH07187671 A JP H07187671A JP 5333886 A JP5333886 A JP 5333886A JP 33388693 A JP33388693 A JP 33388693A JP H07187671 A JPH07187671 A JP H07187671A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、イオン半径の大きな希土類元素の
123系超電導体において、臨界温度が90K以上で、
かつ、臨界電流の大きな超電導体およびその製造方法を
提供する。 【構成】 La,Nd,Sm等の希土類元素中の少なく
とも一つの元素を含む123系超電導体を溶融状態から
凝固させる際に、生成雰囲気の酸素分圧を0.0000
1乃至0.1気圧の範囲内で制御すると、臨界温度が9
0Kを超える超電導体が合成できる。しかも、内部に1
23組成からごくわずかに組成のずれた相が分散し、有
効なピン止め点として作用するため、臨界電流の高い超
電導体が得られる。
123系超電導体において、臨界温度が90K以上で、
かつ、臨界電流の大きな超電導体およびその製造方法を
提供する。 【構成】 La,Nd,Sm等の希土類元素中の少なく
とも一つの元素を含む123系超電導体を溶融状態から
凝固させる際に、生成雰囲気の酸素分圧を0.0000
1乃至0.1気圧の範囲内で制御すると、臨界温度が9
0Kを超える超電導体が合成できる。しかも、内部に1
23組成からごくわずかに組成のずれた相が分散し、有
効なピン止め点として作用するため、臨界電流の高い超
電導体が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臨界温度、臨界電流の
高い酸化物超電導体及びその製造方法に関し、特に、磁
気浮上や磁気シールド、超電導バルクマグネットなどに
適用して有効な技術に関するものである。
高い酸化物超電導体及びその製造方法に関し、特に、磁
気浮上や磁気シールド、超電導バルクマグネットなどに
適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】臨界温度が液体窒素温度を超える超電導
体の発見によって、全世界的に超電導応用が検討されて
いる。なかでも、Y-Ba-Cu-Oを代表とする123
系材料では、MPMGなどの溶融法の開発によって、1
23超電導マトリックス中に微細なY2BaCuO5(2
11)相を分散させることにより、大きな臨界電流を達
成することに成功している。このような超電導体は、磁
場との相互作用で大きな電磁力を発生することができ、
この力を利用したベアリング、フライホイール、搬送装
置などへの応用研究が盛んとなってきている。例え
ば、”Melt ProcessedHigh Temperature Superconducto
rs”,ed.M.Murakami(World Scientific,1993)等に提案
されている。
体の発見によって、全世界的に超電導応用が検討されて
いる。なかでも、Y-Ba-Cu-Oを代表とする123
系材料では、MPMGなどの溶融法の開発によって、1
23超電導マトリックス中に微細なY2BaCuO5(2
11)相を分散させることにより、大きな臨界電流を達
成することに成功している。このような超電導体は、磁
場との相互作用で大きな電磁力を発生することができ、
この力を利用したベアリング、フライホイール、搬送装
置などへの応用研究が盛んとなってきている。例え
ば、”Melt ProcessedHigh Temperature Superconducto
rs”,ed.M.Murakami(World Scientific,1993)等に提案
されている。
【0003】また、臨界電流の大きな超電導体では、強
い磁場をシールドしたり、逆に強磁場を捕捉して永久磁
石として機能することも明らかとなっている。このよう
な多様な応用を考える際には、できるだけ結晶粒の大き
な材料の作製と、超電導接合による大型化や、精密加工
による複雑な形状への対応が必要となってくる。
い磁場をシールドしたり、逆に強磁場を捕捉して永久磁
石として機能することも明らかとなっている。このよう
な多様な応用を考える際には、できるだけ結晶粒の大き
な材料の作製と、超電導接合による大型化や、精密加工
による複雑な形状への対応が必要となってくる。
【0004】また、酸化物超電導体は異方性の大きな材
料であるので、結晶方位の制御も重要である。さらに
は、より臨界電流の大きな材料が作製できれば、発生す
る電磁力を向上させることも可能となる。
料であるので、結晶方位の制御も重要である。さらに
は、より臨界電流の大きな材料が作製できれば、発生す
る電磁力を向上させることも可能となる。
【0005】現在、結晶方位制御及び結晶大型化の手法
として、種結晶と温度勾配の組み合せが一般的に行われ
ている。この際、種結晶としては、例えば、Y123系
の成長には、それよりも融点の高いLa,Nd,Sm1
23超電導体が用いられる。
として、種結晶と温度勾配の組み合せが一般的に行われ
ている。この際、種結晶としては、例えば、Y123系
の成長には、それよりも融点の高いLa,Nd,Sm1
23超電導体が用いられる。
【0006】一方、超電導接合を考える場合、Nd12
3やSm123超電導体を作製し、それよりも融点の低
いY123の融点近傍に加熱することで、Nd123板
の間にY123相を挟んで、Ndは固相のまま、Y12
3を溶融させて接合することも考えられる。前述した用
途には、良質なNd123,Sm123超電導体を合成
することが必要である。
3やSm123超電導体を作製し、それよりも融点の低
いY123の融点近傍に加熱することで、Nd123板
の間にY123相を挟んで、Ndは固相のまま、Y12
3を溶融させて接合することも考えられる。前述した用
途には、良質なNd123,Sm123超電導体を合成
することが必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
行われている焼結法や溶融法で、これら超電導体を製造
すると、希土類元素のイオン半径が大きいため、Baサ
イトと容易に置換し、臨界温度が大きく低下してしまう
という問題があった。例えば、H.Uwe et al.:Physica
C vol.153-155(1988)P.930-931に関連技術が記載されて
いる。
行われている焼結法や溶融法で、これら超電導体を製造
すると、希土類元素のイオン半径が大きいため、Baサ
イトと容易に置換し、臨界温度が大きく低下してしまう
という問題があった。例えば、H.Uwe et al.:Physica
C vol.153-155(1988)P.930-931に関連技術が記載されて
いる。
【0008】また、RE123(RE:Y,Ho,E
r,Dr)系超電導体において、211相を微細分散さ
せることにより、高い臨界電流が達成されているが、2
11相によるピン止め効果には限界が有り、他のピン止
め点の可能性を追及する研究も進められている。
r,Dr)系超電導体において、211相を微細分散さ
せることにより、高い臨界電流が達成されているが、2
11相によるピン止め効果には限界が有り、他のピン止
め点の可能性を追及する研究も進められている。
【0009】本発明は、前記問題点を解決するためにな
されたものであり、本発明の目的は、イオン半径の大き
い希土類元素の123系酸化物超電導体の合成におい
て、Baとの置換を極力抑え、臨界温度が90Kを超え
る酸化物超電導体を得ることが可能な技術を提供するこ
とにある。
されたものであり、本発明の目的は、イオン半径の大き
い希土類元素の123系酸化物超電導体の合成におい
て、Baとの置換を極力抑え、臨界温度が90Kを超え
る酸化物超電導体を得ることが可能な技術を提供するこ
とにある。
【0010】本発明の他の目的は、高磁場においても臨
界電流の大きな超電導体の合成が可能な技術を提供する
ことにある。
界電流の大きな超電導体の合成が可能な技術を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、下記の構成もしくは方法を特徴とする。
に、本発明は、下記の構成もしくは方法を特徴とする。
【0012】(1)RE-Ba-Cu-O(REはLa,
Nd,Smの希土類元素中の少なくとも一つの元素を含
むものである)の組成からなる酸化物超電導体におい
て、RE:Ba:Cuの比が1:2:3でOの比が6.
8乃至7.2からなる組成物を母相とし、RE:Ba:
Cuの比が1+d:2−d:3(0<d<0.5)でO
の比が6.8乃至7.2の分散相が分散していることを特
徴とする。
Nd,Smの希土類元素中の少なくとも一つの元素を含
むものである)の組成からなる酸化物超電導体におい
て、RE:Ba:Cuの比が1:2:3でOの比が6.
8乃至7.2からなる組成物を母相とし、RE:Ba:
Cuの比が1+d:2−d:3(0<d<0.5)でO
の比が6.8乃至7.2の分散相が分散していることを特
徴とする。
【0013】前記(1)の酸化物超電導体は、臨界温度
が90Kを超えることを特徴とする。
が90Kを超えることを特徴とする。
【0014】前記(1)の酸化物超電導体は、分散相が
1%以上30%以下含有していることを特徴とする。
1%以上30%以下含有していることを特徴とする。
【0015】前記(1)の酸化物超電導体は、分散相の
大きさが5μm以下であることを特徴とする。
大きさが5μm以下であることを特徴とする。
【0016】(2)RE-Ba-Cu-O(REはLa,
Nd,Smの希土類元素中の少なくとも一つの元素を含
むもの)の組成からなる酸化物超電導体において、R
E:Ba:Cuの比が1:2:3でOの比が6.8乃至
7.2からなる組成物を母相とし、RE:Ba:Cuの
比が1+d:2−d:3(0<d<0.5)でOの比が
6.8乃至7.2の分散相及びRE4-xBa2+xCu3O
10-y(REはLaとNdの少なくとも一つの元素を含
み、0<x<0.2,0<y<0.5の範囲にあるもので
ある)相、及び/又はSm2BaCuO5相が50%以下
で零%より多く(含有率>0)含有されていることを特
徴とする。
Nd,Smの希土類元素中の少なくとも一つの元素を含
むもの)の組成からなる酸化物超電導体において、R
E:Ba:Cuの比が1:2:3でOの比が6.8乃至
7.2からなる組成物を母相とし、RE:Ba:Cuの
比が1+d:2−d:3(0<d<0.5)でOの比が
6.8乃至7.2の分散相及びRE4-xBa2+xCu3O
10-y(REはLaとNdの少なくとも一つの元素を含
み、0<x<0.2,0<y<0.5の範囲にあるもので
ある)相、及び/又はSm2BaCuO5相が50%以下
で零%より多く(含有率>0)含有されていることを特
徴とする。
【0017】前記(2)の酸化物超電導体は、臨界温度
が90Kを超えることを特徴とする。
が90Kを超えることを特徴とする。
【0018】前記(2)の酸化物超電導体は、分散相が
1%以上30%以下含有していることを特徴とする。
1%以上30%以下含有していることを特徴とする。
【0019】前記(2)の酸化物超電導体は、分散相の
大きさが5μm以下であることを特徴とする。
大きさが5μm以下であることを特徴とする。
【0020】(3)RE-Ba-Cu-O(REはLa,
Nd,Smの希土類元素中の少なくとも一つの元素を含
むものである)の組成からなる酸化物超電導体の溶融プ
ロセスにおいて、溶融状態から超電導相を凝固生成させ
る際に、生成雰囲気の酸素分圧を0.00001気圧以
上0.1気圧以下の範囲で行うことを特徴とする。
Nd,Smの希土類元素中の少なくとも一つの元素を含
むものである)の組成からなる酸化物超電導体の溶融プ
ロセスにおいて、溶融状態から超電導相を凝固生成させ
る際に、生成雰囲気の酸素分圧を0.00001気圧以
上0.1気圧以下の範囲で行うことを特徴とする。
【0021】前記(3)の酸化物超電導体の製造方法
は、溶融状態の温度が1000乃至1500℃であるこ
とを特徴とする。
は、溶融状態の温度が1000乃至1500℃であるこ
とを特徴とする。
【0022】前記(3)の酸化物超電導体の製造方法
は、溶融状態から凝固させる速度が10℃/時間以下で
あることを特徴とする。
は、溶融状態から凝固させる速度が10℃/時間以下で
あることを特徴とする。
【0023】前記(3)の酸化物超電導体の製造方法
は、溶融状態から凝固させる際に、5℃/cm以上の温
度勾配下で結晶成長させることを特徴とする。
は、溶融状態から凝固させる際に、5℃/cm以上の温
度勾配下で結晶成長させることを特徴とする。
【0024】すなわち、本発明の主要な技術思想は、1
23相が溶融状態から生成する際の雰囲気を制御して、
できるだけ、RE(REはLa,Nd,Sm等の希土類
元素中の少なくとも一つの元素を含むものである)とB
aの相互置換を抑え、良質な123結晶を得ることであ
る。
23相が溶融状態から生成する際の雰囲気を制御して、
できるだけ、RE(REはLa,Nd,Sm等の希土類
元素中の少なくとも一つの元素を含むものである)とB
aの相互置換を抑え、良質な123結晶を得ることであ
る。
【0025】図1は、表1に示す試料例のイオン半径の
大きいREのRE2O3-BaO-CuO三元状態図であ
る。本発明は、図1に示すように、123相から右上方
へ延びる線に沿った固溶域が存在している。この固溶域
は、空気中では123相からずれたRE1+xBa2-xCu
3Oy(x>0,0.6<y<7.2)相が安定となるため
である。ただし、この固溶域は、REの種類によって異
なる。また、Smの場合は422相ではなく、211相
であり、固溶域も存在しない。いずれ、イオン半径の大
きいREは、この固溶域が存在し、空気中で処理した場
合、臨界温度は大きく低下することを示している。
大きいREのRE2O3-BaO-CuO三元状態図であ
る。本発明は、図1に示すように、123相から右上方
へ延びる線に沿った固溶域が存在している。この固溶域
は、空気中では123相からずれたRE1+xBa2-xCu
3Oy(x>0,0.6<y<7.2)相が安定となるため
である。ただし、この固溶域は、REの種類によって異
なる。また、Smの場合は422相ではなく、211相
であり、固溶域も存在しない。いずれ、イオン半径の大
きいREは、この固溶域が存在し、空気中で処理した場
合、臨界温度は大きく低下することを示している。
【0026】図2は、酸素雰囲気を適当な範囲に制御す
ると、前記図1に示す三元状態図の近傍に安定領域が移
動することを説明するための図であり、図2の下部に図
示すように、母相は123相となり、組成のわずかにず
れたRE1+xBa2-xCu3Oy(0<x<0.5,6.0<
y<7.2)分散相が母相内に分布することを示してい
る。
ると、前記図1に示す三元状態図の近傍に安定領域が移
動することを説明するための図であり、図2の下部に図
示すように、母相は123相となり、組成のわずかにず
れたRE1+xBa2-xCu3Oy(0<x<0.5,6.0<
y<7.2)分散相が母相内に分布することを示してい
る。
【0027】通常の空気中でLa,Nd,Sm123結
晶を成長させると、図1に示したように、REとBaに
固溶域が存在し、相互置換するため、臨界温度が大きく
低下してしまう。
晶を成長させると、図1に示したように、REとBaに
固溶域が存在し、相互置換するため、臨界温度が大きく
低下してしまう。
【0028】これは、空気などの酸素分圧下では、RE
とBaが固溶したRE1+xBa2-xCu3Oy(x>0,
6.0<y<7.2)の方が安定となるためである。これ
を解決するために、焼結法などでは、いったん窒素雰囲
気中で超電導体を形成したのち、酸化することで比較的
良好な臨界温度が達成されている(例えば、T.Wada et a
l.:J.Am.Ceram.Soc.,vol.72.(1989)p.2000-2003参
照)。
とBaが固溶したRE1+xBa2-xCu3Oy(x>0,
6.0<y<7.2)の方が安定となるためである。これ
を解決するために、焼結法などでは、いったん窒素雰囲
気中で超電導体を形成したのち、酸化することで比較的
良好な臨界温度が達成されている(例えば、T.Wada et a
l.:J.Am.Ceram.Soc.,vol.72.(1989)p.2000-2003参
照)。
【0029】しかしながら、転移幅が広く、ゼロ抵抗温
度が低い。これは、焼結法は固相反応であるため、どう
しても固溶域の影響をうけ、相互置換した相が生成する
ためと考えられる。
度が低い。これは、焼結法は固相反応であるため、どう
しても固溶域の影響をうけ、相互置換した相が生成する
ためと考えられる。
【0030】そこで、溶融状態から凝固させる方法にお
いて、核生成、成長の段階で相互置換を抑制できれば、
良質なRE123相の合成が可能になると予想される。
しかも、1050℃以上の高温においては、固溶しない
123相が安定となるという報告があり、溶融プロセス
で合成すれば良質な超電導相を合成できる可能性がある
(例えば、S.I.Yoo&R.W.McCallum:Physica C vol.210(1
933)P.147-156参照)。
いて、核生成、成長の段階で相互置換を抑制できれば、
良質なRE123相の合成が可能になると予想される。
しかも、1050℃以上の高温においては、固溶しない
123相が安定となるという報告があり、溶融プロセス
で合成すれば良質な超電導相を合成できる可能性がある
(例えば、S.I.Yoo&R.W.McCallum:Physica C vol.210(1
933)P.147-156参照)。
【0031】しかしながら、種々の条件下で溶融プロセ
スを試みたが、簡単には良好な超電導体は得られないこ
とが分かった。そこで、本発明者は、核生成成長の段階
での相互置換を抑制するために、酸素分圧を制御する試
みを行った。これは、低酸素分圧下では、3価のイオン
であるREによる2価のイオンのBa置換が抑制される
と考えられるからである。
スを試みたが、簡単には良好な超電導体は得られないこ
とが分かった。そこで、本発明者は、核生成成長の段階
での相互置換を抑制するために、酸素分圧を制御する試
みを行った。これは、低酸素分圧下では、3価のイオン
であるREによる2価のイオンのBa置換が抑制される
と考えられるからである。
【0032】種々の条件で実験を行った結果、酸素分圧
が0.00001気圧から0.1気圧の範囲内にあると、
この相互置換が抑制されRE123相が安定となるとい
うことが明らかとなった。この下限は、真空などの極低
酸素分圧下では超電導相そのものが分解されることと、
上限は、低酸素分圧化の効果がなくなることで決定され
る。
が0.00001気圧から0.1気圧の範囲内にあると、
この相互置換が抑制されRE123相が安定となるとい
うことが明らかとなった。この下限は、真空などの極低
酸素分圧下では超電導相そのものが分解されることと、
上限は、低酸素分圧化の効果がなくなることで決定され
る。
【0033】つまり、本発明では、溶融状態から結晶成
長させる際の雰囲気を、ある範囲内の酸素分圧化で行う
ことで、RE半径の大きい123系超電導体において
も、臨界温度の高い123相の合成に成功した。
長させる際の雰囲気を、ある範囲内の酸素分圧化で行う
ことで、RE半径の大きい123系超電導体において
も、臨界温度の高い123相の合成に成功した。
【0034】さらに、この過程において、RE:Ba:
Cuの比が1:2:3からわずかにずれたRE1+xBa
2-xCu3Oy(x>0,0.6<y<7.2)相も同時に
生成し、それが、母相中に分散し、非常に効果的なピン
止め点として作用することが明らかとなった。
Cuの比が1:2:3からわずかにずれたRE1+xBa
2-xCu3Oy(x>0,0.6<y<7.2)相も同時に
生成し、それが、母相中に分散し、非常に効果的なピン
止め点として作用することが明らかとなった。
【0035】ただし、分散相の大きさは、含有される量
が一定ならば、微細なほど効果的であり、その下限は、
相の結晶の大きさ約1nmとなる。また、5μm以上と
なるとピン止め効果が小さくなり、その実質的効果は失
われる。また、分散相の含有量が30%を超えること
は、前記の固溶域が広がることに相当し、超電導体の臨
界温度そのものが90Kよりも低下してしまう。
が一定ならば、微細なほど効果的であり、その下限は、
相の結晶の大きさ約1nmとなる。また、5μm以上と
なるとピン止め効果が小さくなり、その実質的効果は失
われる。また、分散相の含有量が30%を超えること
は、前記の固溶域が広がることに相当し、超電導体の臨
界温度そのものが90Kよりも低下してしまう。
【0036】一方、分散相の含有量が1%よりも低い
と、そのピン止め効果が小さくなり、実質的効果が失わ
れる。
と、そのピン止め効果が小さくなり、実質的効果が失わ
れる。
【0037】しかも、この分散相は、広い磁場範囲でピ
ン止め点として作用する。これは、図2に示したよう
に、123近傍に母相が位置するものの、高温で結晶が
成長するため、ある程度統計的な分布がRE:Baに生
じ分散するためと考えられる。これら分散相領域は、臨
界温度や臨界磁場などの特性が母相とわずかに異なり、
強い磁場下では超電導が破れて常伝導に転移するが、組
成のずれの程度によって常伝導化する磁場が異なるた
め、低磁場から高磁場までピン止め点として作用できる
ことになる。この結果、従来、報告されている材料と比
較してはるかに高い不可逆磁場が得られている。この磁
場は、超電導体が利用できる上限であり、実用上、非常
に重要である。
ン止め点として作用する。これは、図2に示したよう
に、123近傍に母相が位置するものの、高温で結晶が
成長するため、ある程度統計的な分布がRE:Baに生
じ分散するためと考えられる。これら分散相領域は、臨
界温度や臨界磁場などの特性が母相とわずかに異なり、
強い磁場下では超電導が破れて常伝導に転移するが、組
成のずれの程度によって常伝導化する磁場が異なるた
め、低磁場から高磁場までピン止め点として作用できる
ことになる。この結果、従来、報告されている材料と比
較してはるかに高い不可逆磁場が得られている。この磁
場は、超電導体が利用できる上限であり、実用上、非常
に重要である。
【0038】また、本発明は、溶融状態から結晶成長す
る際の雰囲気調整を特徴としており、いわゆる溶融法す
べてと、単結晶を溶融状態から成長させる際にも適用で
きるものである。よって、溶融状態の温度としては、1
000乃至1500℃となる。この下限は、溶融の開始
温度であり、上限は、現有の電気炉として工業的に提供
できる上限である。ただし、イオン半径の大きなRE1
23系材料の凝固においては、1200℃以下の範囲が
好ましい。これは、1200℃以上では、支持材料との
反応が激しく、試料が汚染されるうえ、初期組成からの
ずれが大きくなるからである。
る際の雰囲気調整を特徴としており、いわゆる溶融法す
べてと、単結晶を溶融状態から成長させる際にも適用で
きるものである。よって、溶融状態の温度としては、1
000乃至1500℃となる。この下限は、溶融の開始
温度であり、上限は、現有の電気炉として工業的に提供
できる上限である。ただし、イオン半径の大きなRE1
23系材料の凝固においては、1200℃以下の範囲が
好ましい。これは、1200℃以上では、支持材料との
反応が激しく、試料が汚染されるうえ、初期組成からの
ずれが大きくなるからである。
【0039】また、凝固速度としては、10℃/時
(h)以下が必要となる。これは、10℃/時(h)を
超えた速度では、超電導体の安定的な成長が困難である
ためである。また、凝固速度は遅いほど超電導体の成長
には有利であるが、現有の制御設備では、0.1℃/時
(h)が設定できる下限である。
(h)以下が必要となる。これは、10℃/時(h)を
超えた速度では、超電導体の安定的な成長が困難である
ためである。また、凝固速度は遅いほど超電導体の成長
には有利であるが、現有の制御設備では、0.1℃/時
(h)が設定できる下限である。
【0040】さらに、凝固時に温度勾配を用いない場合
でも良質な超電導体の製造は可能であるが、大型で結晶
方位のそろった試料を得るためには、5℃/cm以上の
温度勾配下で結晶成長させる必要がある。この勾配は大
きいほど結晶成長には有利となるが、現有設備で大型の
結晶成長が可能な電気炉では、100℃/cmが上限と
なる。
でも良質な超電導体の製造は可能であるが、大型で結晶
方位のそろった試料を得るためには、5℃/cm以上の
温度勾配下で結晶成長させる必要がある。この勾配は大
きいほど結晶成長には有利となるが、現有設備で大型の
結晶成長が可能な電気炉では、100℃/cmが上限と
なる。
【0041】溶融法においては、いわゆる211相及び
422相が母相内に分布させることができるが、このよ
うな組織を持った場合でも、前記のピン止め効果は得ら
れる。ただし、これらの相が50%近傍を越えて含有さ
せると超電導特性が劣下する。したがって、これらの相
が50%以下で零%より多く(含有率>0)含有されて
いることが好ましい。
422相が母相内に分布させることができるが、このよ
うな組織を持った場合でも、前記のピン止め効果は得ら
れる。ただし、これらの相が50%近傍を越えて含有さ
せると超電導特性が劣下する。したがって、これらの相
が50%以下で零%より多く(含有率>0)含有されて
いることが好ましい。
【0042】また、211相及び422相はクラック抑
制効果があるうえ、相を微細化すれば、MPMG法で作
製したY-Ba-Cu-O系材料の場合のように、この相
によるピン止め効果を相乗させることが可能である。
制効果があるうえ、相を微細化すれば、MPMG法で作
製したY-Ba-Cu-O系材料の場合のように、この相
によるピン止め効果を相乗させることが可能である。
【0043】
【作用】前述の手段によれば、イオン半径の大きい希土
類元素の123系酸化物超電導体の合成において、Ba
との置換際に、核生成成長の段階での相互置換を抑制す
るので、臨界温度が90Kを超える酸化物超電導体を提
供することができる。
類元素の123系酸化物超電導体の合成において、Ba
との置換際に、核生成成長の段階での相互置換を抑制す
るので、臨界温度が90Kを超える酸化物超電導体を提
供することができる。
【0044】また、REとBaがわずかに置換された分
散相が母相内に微細分散し、広い酸化物超電導体でピン
止め点として作用するので、高磁場においても臨界電流
の大きな酸化物超電導体の合成を可能にすることができ
る。
散相が母相内に微細分散し、広い酸化物超電導体でピン
止め点として作用するので、高磁場においても臨界電流
の大きな酸化物超電導体の合成を可能にすることができ
る。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0046】(実施例1)本発明の実施例1の酸化物超
電導体及びその製造方法を説明する。
電導体及びその製造方法を説明する。
【0047】まず、Nd2O3,BaCO3,CuO粉末
をNd:Ba:Cuの比が1:2:3となるように混合
する。これを900℃で24時間仮焼し、白金るつぼ中
に入れ、1400℃で20分加熱溶融後、銅製のハンマ
ーで挟んで急冷する。急冷板を粉砕し、50×50×2
0mm3に成型する。このような試料を3個用意する。
これら試料を、1120℃で20分加熱後、1080℃
まで20分で冷却し、その後950℃まで1℃/時間
(h)の速度で徐冷する。この際、試料は、空気中(0.
21気圧の酸素)、0.01気圧の酸素分圧、及び1気
圧の酸素分圧下で熱処理を行った。その後、500℃で
100時間1気圧の酸素中で処理した。
をNd:Ba:Cuの比が1:2:3となるように混合
する。これを900℃で24時間仮焼し、白金るつぼ中
に入れ、1400℃で20分加熱溶融後、銅製のハンマ
ーで挟んで急冷する。急冷板を粉砕し、50×50×2
0mm3に成型する。このような試料を3個用意する。
これら試料を、1120℃で20分加熱後、1080℃
まで20分で冷却し、その後950℃まで1℃/時間
(h)の速度で徐冷する。この際、試料は、空気中(0.
21気圧の酸素)、0.01気圧の酸素分圧、及び1気
圧の酸素分圧下で熱処理を行った。その後、500℃で
100時間1気圧の酸素中で処理した。
【0048】図3に得られた試料の磁化の温度依存性を
示す。空気中及び1気圧の酸素分圧下で処理したもの
は、臨界温度が低いうえ、転移幅も広くなっている。こ
れに対し、本発明の0.01気圧の酸素分圧下で作製し
た試料では、90K以上の臨界温度を有し、転移幅も非
常に狭く、良質な超電導体であることがわかる。
示す。空気中及び1気圧の酸素分圧下で処理したもの
は、臨界温度が低いうえ、転移幅も広くなっている。こ
れに対し、本発明の0.01気圧の酸素分圧下で作製し
た試料では、90K以上の臨界温度を有し、転移幅も非
常に狭く、良質な超電導体であることがわかる。
【0049】また、この超電導体の臨界電流を試料振動
型磁束計で臨界電流を測定すると、図4に示したような
いわゆるピーク効果が観測され、しかも、高磁場側まで
高臨界電流が得られる。これは、高い磁場下で作用する
ピン止め点の存在を示唆するものである。この種のピン
止め点として、Y-Ba-Cu-O系材料では酸素欠損が
報告されているが、その場合は、わずかな酸素アニール
条件で大きな変化を示す。ところが、本実施例1の試料
においては、このような変化は認められない。これは、
そのピン止めが酸素欠損によらないことを示唆してい
る。
型磁束計で臨界電流を測定すると、図4に示したような
いわゆるピーク効果が観測され、しかも、高磁場側まで
高臨界電流が得られる。これは、高い磁場下で作用する
ピン止め点の存在を示唆するものである。この種のピン
止め点として、Y-Ba-Cu-O系材料では酸素欠損が
報告されているが、その場合は、わずかな酸素アニール
条件で大きな変化を示す。ところが、本実施例1の試料
においては、このような変化は認められない。これは、
そのピン止めが酸素欠損によらないことを示唆してい
る。
【0050】さらに、本実施例1で作製した試料は、い
ままでに最も高い臨界電流を示すMPMG法で作製した
Y-Ba-Cu-O系材料のデータ(図5:N.Nakamura et
al.Cryogenics vol.32(1992)p.949-953より転載)と比
較しても、その特性を超える値が得られている。
ままでに最も高い臨界電流を示すMPMG法で作製した
Y-Ba-Cu-O系材料のデータ(図5:N.Nakamura et
al.Cryogenics vol.32(1992)p.949-953より転載)と比
較しても、その特性を超える値が得られている。
【0051】また、90K以上の臨界温度を有する試料
から数種類の試片を切り出して、元素分析を行った結
果、RE:Ba:Cuの比は、ほぼ1:2:3であり、
Oは6.8から7.2の間に分布していることが分かっ
た。
から数種類の試片を切り出して、元素分析を行った結
果、RE:Ba:Cuの比は、ほぼ1:2:3であり、
Oは6.8から7.2の間に分布していることが分かっ
た。
【0052】(実施例2)次に、本発明の実施例2の酸
化物超電導体及びその製造方法を説明する。
化物超電導体及びその製造方法を説明する。
【0053】まず、Nd2O3,BaCO3,CuOの粉
末をNd:Ba:Cuの比が1:2:3、1.4:2.
2:3.2、2.0:2.5:3.5となるように混合し、
以下前記実施例1と同様の方法で作製したのち、108
0℃からの徐冷を0.01気圧の酸素分圧中で行う。こ
れらの試料では、Ndの422相が、図6(写真図)に
示すように、母相中に分散しているが、ゼロ抵抗温度
は、92K,93K,91Kであり、すべて良質な超電
導体が合成されていることがわかる。また、臨界電流密
度は温度77K,磁場3Tでそれぞれ8000、850
0、7500アンペア(A)/cm2であり、図5に示し
たMPMG法で作製したY-Ba-Cu-O材料よりも高
い。これは、422相が存在しても母相のピン止め効果
を維持できることが分かる。これら試料を1気圧の酸素
中で500℃で100時間(h)酸素アニールを施した
ところ、臨界温度はわずかに上昇したが、それ以上の酸
素処理では、わずかではあるが低下した。よって、酸素
濃度を変化させることで、臨界温度を変化させることは
可能であるが、本実施例2で作製した試料では、Oの範
囲が6.8乃至7.2にあれば、ゼロ抵抗温度が90Kを
超えるものが得られる。
末をNd:Ba:Cuの比が1:2:3、1.4:2.
2:3.2、2.0:2.5:3.5となるように混合し、
以下前記実施例1と同様の方法で作製したのち、108
0℃からの徐冷を0.01気圧の酸素分圧中で行う。こ
れらの試料では、Ndの422相が、図6(写真図)に
示すように、母相中に分散しているが、ゼロ抵抗温度
は、92K,93K,91Kであり、すべて良質な超電
導体が合成されていることがわかる。また、臨界電流密
度は温度77K,磁場3Tでそれぞれ8000、850
0、7500アンペア(A)/cm2であり、図5に示し
たMPMG法で作製したY-Ba-Cu-O材料よりも高
い。これは、422相が存在しても母相のピン止め効果
を維持できることが分かる。これら試料を1気圧の酸素
中で500℃で100時間(h)酸素アニールを施した
ところ、臨界温度はわずかに上昇したが、それ以上の酸
素処理では、わずかではあるが低下した。よって、酸素
濃度を変化させることで、臨界温度を変化させることは
可能であるが、本実施例2で作製した試料では、Oの範
囲が6.8乃至7.2にあれば、ゼロ抵抗温度が90Kを
超えるものが得られる。
【0054】(実施例3)次に、本発明の実施例3の酸
化物超電導体及びその製造方法を説明する。
化物超電導体及びその製造方法を説明する。
【0055】まず、Nd2O3,BaCO3,CuOの粉
末をNd:Ba:Cuの比が1:2:3となるように混
合し、以下前記実施例1と同様の方法で作製したのち、
1080℃からの徐冷を0気圧乃至0.2気圧の酸素分
圧中で行う。表1にこれら試料のゼロ抵抗温度を示す。
また、酸素分圧が0.1気圧を超えると、臨界温度が低
下する。
末をNd:Ba:Cuの比が1:2:3となるように混
合し、以下前記実施例1と同様の方法で作製したのち、
1080℃からの徐冷を0気圧乃至0.2気圧の酸素分
圧中で行う。表1にこれら試料のゼロ抵抗温度を示す。
また、酸素分圧が0.1気圧を超えると、臨界温度が低
下する。
【0056】
【表1】
【0057】(実施例4)次に、本発明の実施例4の酸
化物超電導体及びその製造方法を説明する。
化物超電導体及びその製造方法を説明する。
【0058】まず、RE元素としてLa2O3及びSm2
O3粉末を用意し、RE:Ba:Cuの比が1.2:2.
1:3.1となるように混合し、以下前記実施例1と同
様の方法で作製したのち、徐冷開始温度をそれぞれ11
00℃及び1060℃とし、空気中及び0.01気圧の
酸素分圧中で900℃まで1℃/時間(h)の速度で徐冷
した。その後、室温まで冷却したのち、500℃で10
0時間、1気圧の酸素中で処理した。空気中で処理した
ものは、ゼロ抵抗温度がそれぞれ10K及び50Kであ
ったが、0.01気圧の酸素分圧下で処理したものは、
90K及び92Kであった。
O3粉末を用意し、RE:Ba:Cuの比が1.2:2.
1:3.1となるように混合し、以下前記実施例1と同
様の方法で作製したのち、徐冷開始温度をそれぞれ11
00℃及び1060℃とし、空気中及び0.01気圧の
酸素分圧中で900℃まで1℃/時間(h)の速度で徐冷
した。その後、室温まで冷却したのち、500℃で10
0時間、1気圧の酸素中で処理した。空気中で処理した
ものは、ゼロ抵抗温度がそれぞれ10K及び50Kであ
ったが、0.01気圧の酸素分圧下で処理したものは、
90K及び92Kであった。
【0059】(実施例5)次に、本発明の実施例5の酸
化物超電導体及びその製造方法を説明する。
化物超電導体及びその製造方法を説明する。
【0060】まず、Nd2O3,BaCO3,CuOの粉
末をNd:Ba:Cuの比が1:2:3となるように混
合し、以下前記実施例1と同様の方法で作製したのち、
1080℃からの冷却を10℃/時間(h),5℃/時間
(h),0.1℃/時間(h)の速度で行ったところ、ゼロ
抵抗温度はそれぞれ90K、90K,92Kであった。
末をNd:Ba:Cuの比が1:2:3となるように混
合し、以下前記実施例1と同様の方法で作製したのち、
1080℃からの冷却を10℃/時間(h),5℃/時間
(h),0.1℃/時間(h)の速度で行ったところ、ゼロ
抵抗温度はそれぞれ90K、90K,92Kであった。
【0061】0.1℃/時(h)以下の冷却速度でも製造
は可能であるが、現有の制御装置では、これ以下の値を
設定することができない。
は可能であるが、現有の制御装置では、これ以下の値を
設定することができない。
【0062】また、1080℃からの冷却を、設定温度
1050℃、1020℃、990℃を選び、それぞれ設
定温度の間を30℃/時(h)で冷却し、各温度における
保持時間を20時間(h)とした場合でも、臨界温度91
Kのものが得られる。これは、凝固時のトータルの冷却
速度が10℃/時間以下であれば良質な超電導体が得ら
れることを示している。
1050℃、1020℃、990℃を選び、それぞれ設
定温度の間を30℃/時(h)で冷却し、各温度における
保持時間を20時間(h)とした場合でも、臨界温度91
Kのものが得られる。これは、凝固時のトータルの冷却
速度が10℃/時間以下であれば良質な超電導体が得ら
れることを示している。
【0063】(実施例6)次に、本発明の実施例6の酸
化物超電導体及びその製造方法を説明する。
化物超電導体及びその製造方法を説明する。
【0064】まず、Nd2O3,BaCO3,CuOの粉
末をNd:Ba:Cuの比が1:2:3となるように混
合し、950℃で24時間(h)仮焼を行い、直径2c
m、高さ1cmのペレットに成型する。これを、酸素分
圧が0.01気圧の電気炉内入れ、1100℃に1時間
(h)加熱後、1080℃から1℃/時間(h)の速度で9
00℃まで徐冷する。その後、室温まで炉内で放冷す
る。この試料のゼロ抵抗温度は95Kであった。
末をNd:Ba:Cuの比が1:2:3となるように混
合し、950℃で24時間(h)仮焼を行い、直径2c
m、高さ1cmのペレットに成型する。これを、酸素分
圧が0.01気圧の電気炉内入れ、1100℃に1時間
(h)加熱後、1080℃から1℃/時間(h)の速度で9
00℃まで徐冷する。その後、室温まで炉内で放冷す
る。この試料のゼロ抵抗温度は95Kであった。
【0065】(実施例7)次に、本発明の実施例7の酸
化物超電導体及びその製造方法を説明する。
化物超電導体及びその製造方法を説明する。
【0066】まず、Nd2O3,BaCO3,CuOの粉
末をNd:Ba:Cuの比が1:2:3となるように混
合し、950℃で24時間(h)仮焼を行い、直径2c
m、高さ1cmのペレットに成型する。これを、酸素分
圧が0.01気圧の温度勾配の電気炉内に入れ、110
0℃に1時間(h)加熱後、1080℃から1℃/時間
(h)の速度で900℃まで徐冷する。この際、温度勾配
として5℃/cm、10℃/cm、100℃/cmを用
いた。その結果、いずれの試料においても、ゼロ抵抗と
して95Kが得られた。
末をNd:Ba:Cuの比が1:2:3となるように混
合し、950℃で24時間(h)仮焼を行い、直径2c
m、高さ1cmのペレットに成型する。これを、酸素分
圧が0.01気圧の温度勾配の電気炉内に入れ、110
0℃に1時間(h)加熱後、1080℃から1℃/時間
(h)の速度で900℃まで徐冷する。この際、温度勾配
として5℃/cm、10℃/cm、100℃/cmを用
いた。その結果、いずれの試料においても、ゼロ抵抗と
して95Kが得られた。
【0067】また、前記実施例1から実施例6のよう
に、温度勾配を用いない場合でも良質な超電導体を得る
ことは可能であるが、大型で結晶方位のそろった試料を
得るためには、5℃/cm以上の温度勾配が必要であ
る。さらに、温度勾配として100℃/cm以上も可能
であるが、本発明で用いた制御装置では、これ以上の値
を得ることができなかった。
に、温度勾配を用いない場合でも良質な超電導体を得る
ことは可能であるが、大型で結晶方位のそろった試料を
得るためには、5℃/cm以上の温度勾配が必要であ
る。さらに、温度勾配として100℃/cm以上も可能
であるが、本発明で用いた制御装置では、これ以上の値
を得ることができなかった。
【0068】以上説明したように、前記実施例によれ
ば、RE-Ba-Cu-O酸化物超電導体を溶融状態から
凝固させる際に、酸素分圧を制御すると、臨界温度及び
臨界電流の高い酸化物超電導体を得ることができる。
ば、RE-Ba-Cu-O酸化物超電導体を溶融状態から
凝固させる際に、酸素分圧を制御すると、臨界温度及び
臨界電流の高い酸化物超電導体を得ることができる。
【0069】以上、本発明を実施例に基づき具体的に説
明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更し得
ることはいうまでもない。
明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更し得
ることはいうまでもない。
【0070】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、イオン半径の大きい希土類元素の123系酸化物超
電導体の合成において、核生成成長の段階でBaとの相
互置換を抑制するので、臨界温度が90Kを超える酸化
物超電導体を提供することができる。
ば、イオン半径の大きい希土類元素の123系酸化物超
電導体の合成において、核生成成長の段階でBaとの相
互置換を抑制するので、臨界温度が90Kを超える酸化
物超電導体を提供することができる。
【0071】また、REとBaがわずかに置換された分
散相が母相内に微細分散し、広い酸化物超電導体でピン
止め点として作用するので、高磁場においても臨界電流
の大きな酸化物超電導体の合成を可能にすることができ
る。
散相が母相内に微細分散し、広い酸化物超電導体でピン
止め点として作用するので、高磁場においても臨界電流
の大きな酸化物超電導体の合成を可能にすることができ
る。
【図1】本発明の試料のイオン半径の大きいREのRE
2O3-BaO-CuO三元状態図である。
2O3-BaO-CuO三元状態図である。
【図2】本発明の酸素雰囲気を適当な範囲に制御する
と、三元状態図の近傍に安定領域が移動することを説明
するための図である。
と、三元状態図の近傍に安定領域が移動することを説明
するための図である。
【図3】本発明の実施例1の試料の磁化の温度依存性を
示す図である。
示す図である。
【図4】本実施例1の試料の臨界電流の磁場依存性を示
す図である。
す図である。
【図5】従来の溶融法の一種であるMPMG法で作製し
たY-Ba-Cu-O酸化物超電導体の液体窒素温度にお
ける臨界電流の磁場依存性を示す図である。
たY-Ba-Cu-O酸化物超電導体の液体窒素温度にお
ける臨界電流の磁場依存性を示す図である。
【図6】本実施例1の試料の初期組成を422相が含ま
れるような領域で、合成したNd-Ba-Cu-O酸化物
超電導体の組織写真図である。
れるような領域で、合成したNd-Ba-Cu-O酸化物
超電導体の組織写真図である。
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試料のイオン半径の大きいREのRE
2O3-BaO-CuO三元状態図である。
2O3-BaO-CuO三元状態図である。
【図2】本発明の酸素雰囲気を適当な範囲に制御する
と、三元状態図の近傍に安定領域が移動することを説明
するための図である。
と、三元状態図の近傍に安定領域が移動することを説明
するための図である。
【図3】本発明の実施例1の試料の磁化の温度依存性を
示す図である。
示す図である。
【図4】本実施例1の試料の臨界電流の磁場依存性を示
す図である。
す図である。
【図5】従来の溶融法の一種であるMPMG法で作製し
たY-Ba-Cu-O酸化物超電導体の液体窒素温度にお
ける臨界電流の磁場依存性を示す図である。
たY-Ba-Cu-O酸化物超電導体の液体窒素温度にお
ける臨界電流の磁場依存性を示す図である。
【図6】本実施例1の試料の初期組成を422相が含ま
れるような領域で、合成したNd-Ba-Cu-O酸化物
超電導体の結晶構造の写真である。
れるような領域で、合成したNd-Ba-Cu-O酸化物
超電導体の結晶構造の写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/653 ZAA H01B 12/00 ZAA 13/00 565 D (71)出願人 000003300 東ソー株式会社 山口県新南陽市開成町4560番地 (72)発明者 村上 雅人 東京都江東区東雲一丁目14番3 財団法人 国際超電導産業技術研究センター 超電 導工学研究所内 (72)発明者 ユー サング イム 東京都江東区東雲一丁目14番3 財団法人 国際超電導産業技術研究センター 超電 導工学研究所内 (72)発明者 坂井 直道 東京都江東区東雲一丁目14番3 財団法人 国際超電導産業技術研究センター 超電 導工学研究所内 (72)発明者 高市 浩 東京都江東区東雲一丁目14番3 財団法人 国際超電導産業技術研究センター 超電 導工学研究所内 (72)発明者 樋口 天光 東京都江東区東雲一丁目14番3 財団法人 国際超電導産業技術研究センター 超電 導工学研究所内 (72)発明者 田中 昭二 東京都江東区東雲一丁目14番3 財団法人 国際超電導産業技術研究センター 超電 導工学研究所内
Claims (12)
- 【請求項1】 RE-Ba-Cu-O(REはLa,N
d,Smの希土類元素中の少なくとも一つの元素を含む
ものである)の組成からなる酸化物超電導体において、
RE:Ba:Cuの比が1:2:3でOの比が6.8乃
至7.2からなる組成物を母相とし、RE:Ba:Cu
の比が1+d:2−d:3(0<d<0.5)でOの比
が6.8乃至7.2の分散相が分散していることを特徴と
する酸化物超電導体。 - 【請求項2】 請求項1に記載の酸化物超電導体におい
て、臨界温度が90Kを超えることを特徴とする酸化物
超電導体。 - 【請求項3】 請求項1に記載の酸化物超電導体におい
て、分散相が1%以上30%以下含有していることを特
徴とする酸化物超電導体。 - 【請求項4】 請求項1に記載の酸化物超電導体におい
て、分散相の大きさが5μm以下であることを特徴とす
る酸化物超電導体。 - 【請求項5】 RE-Ba-Cu-O(REはLa,N
d,Smの希土類元素中の少なくとも一つの元素を含む
ものである)の組成からなる酸化物超電導体において、
RE:Ba:Cuの比が1:2:3でOの比が6.8乃
至7.2からなる組成物を母相とし、RE:Ba:Cu
の比が1+d:2−d:3(0<d<0.5)でOの比
が6.8乃至7.2の分散相及びRE4-xBa2+xCu3O
10-y(REはLaとNdの少なくとも一つの元素を含
み、0<x<0.2,0<y<0.5の範囲にあるもの)
相、及び/又はSm2BaCuO5相が50%以下で零%
より多く(含有率>0)含有されていることを特徴とす
る酸化物超電導体。 - 【請求項6】 請求項5に記載の酸化物超電導体におい
て、臨界温度が90Kを超えることを特徴とする酸化物
超電導体。 - 【請求項7】 請求項5に記載の酸化物超電導体におい
て、分散相が1%以上30%以下含有していることを特
徴とする酸化物超電導体。 - 【請求項8】 請求項5に記載の酸化物超電導体におい
て、分散相の大きさが5μm以下で零より大きい(>
0)あることを特徴とする酸化物超電導体。 - 【請求項9】 RE-Ba-Cu-O(REはLa,N
d,Smの希土類元素中の少なくとも一つの元素を含む
ものである)の組成からなる酸化物超電導体の溶融プロ
セスにおいて、溶融状態から超電導相を凝固生成させる
際に、生成雰囲気の酸素分圧を0.00001気圧以上
0.1気圧以下の範囲で行うことを特徴とする酸化物超
電導体の製造方法。 - 【請求項10】 請求項7に記載の酸化物超電導体の製
造方法において、溶融状態の温度が1000乃至150
0℃であることを特徴とする酸化物超電導体の製造方
法。 - 【請求項11】 請求項7に記載の酸化物超電導体の製
造方法において、溶融状態から凝固させる速度が10℃
/時間以下であることを特徴とする酸化物超電導体の製
造方法。 - 【請求項12】 請求項7に記載の酸化物超電導体の製
造方法において、溶融状態から凝固させる際に、5℃/
cm以上の温度勾配下で結晶成長させることを特徴とす
る酸化物超電導体の製造方法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5333886A JPH07187671A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 酸化物超電導体及びその製造方法 |
| DE69423082T DE69423082T2 (de) | 1993-12-27 | 1994-12-20 | Supraleiter und Verfahren zu dessen Herstellung |
| EP94309596A EP0660423B1 (en) | 1993-12-27 | 1994-12-20 | Superconductor and method of producing same |
| US08/452,138 US5525584A (en) | 1993-12-27 | 1995-05-26 | Superconductor and method of producing same |
| US08/683,915 US5849667A (en) | 1993-12-27 | 1996-07-19 | Superconductor and method of producing same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5333886A JPH07187671A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 酸化物超電導体及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07187671A true JPH07187671A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18271058
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5333886A Pending JPH07187671A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 酸化物超電導体及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07187671A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012031003A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Nippon Steel Corp | 酸化物超電導バルク材料の製造方法 |
| WO2014025088A1 (en) * | 2012-08-06 | 2014-02-13 | Snu R&Db Foundation | Superconducting body and method of forming the same |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04243917A (ja) * | 1991-01-29 | 1992-09-01 | Dowa Mining Co Ltd | 酸化物超電導焼結体の作製方法 |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP5333886A patent/JPH07187671A/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04243917A (ja) * | 1991-01-29 | 1992-09-01 | Dowa Mining Co Ltd | 酸化物超電導焼結体の作製方法 |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2015532630A (ja) * | 2012-08-06 | 2015-11-12 | エスエヌユー アールアンドディービー ファウンデイション | 超伝導体及び超伝導体の形成方法 |
| RU2598150C1 (ru) * | 2012-08-06 | 2016-09-20 | СНУ Р энд ДБ ФАУНДЭЙШН | Сверхпроводящий объект и способ его получения |
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