JPH07188022A - 抗低酸素症薬および防御薬としてのフタロイルヒドラ ジド誘導体の使用 - Google Patents

抗低酸素症薬および防御薬としてのフタロイルヒドラ ジド誘導体の使用

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一般式 【化1】 を有するフタロイルヒドラジド誘導体およびその塩であ
って、生きている動物体でこれまで未知であった抗低酸
素症および防御特性を有する誘導体、特に5−アミノフ
タロイルヒドラジドおよびその塩の高用量で投与したと
きの使用に関する。 【構成】 5−アミノフタロイルヒドラジドを塩の形態
で、体重1kg当たり10〜300mgの投与量で毎日
静脈内に注射して、移植組織の拒絶反応を防止し、また
はこの薬剤を20〜30%DMSO溶液で用い、局所用
および非経口用形態で乾癬の治療を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般式
【化2】 を有するフタロイルヒドラジド(訳者注:イタリア語の
5−aminoftalidrazideという用語
は、5−アミノフタロイルヒドラジドと一貫して訳され
ているが、協議した化学者によれば、「アミノフタリル
ヒドラジド」とも訳すことができる。この特定の化合物
に対する一般名は「ルミノール」である(Merck
Index))誘導体であって、生きている動物体でこ
れまで未知であった抗低酸素症および防御特性を有する
ことが判った誘導体の使用に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】これ
らの特性は、10〜300mg/kgの投与量で生体へ
投与するとき、顕著な抗低酸素症および防御作用を誘発
し得ることを含む。2,3−ジヒドロフタラジン−1,
4−ジオンおよびその誘導体の幾つかを用いて、脂質濃
度を極めて低濃度に改質することによって血清コレステ
ロール濃度を減少させる試みが行われてきた(Hall
J. M.ら、2,3−ジヒドロフタラジン−1,4
−ジオンのSprague−Dawlyラットの脂質代
謝及び血清リポタンパクに対する影響、Biomed
Biochem ActaV.47(4−5)pp.4
23−433;1988)。しかしながら、必ず毒性が
見られるため、このような状況でのこの薬剤の使用は限
定されていた。
【0003】この種類の化合物の誘導体の解毒および防
御作用は、知られておらず、文献にも記載されていな
い。本出願人らは、フタロイルヒドラジドの新規で、極
めて類のない作用機構を見いだすことに初めて成功した
が、この作用機構自体はイン・ビボで大投与量でしか示
されなかった。本出願人らによって見いだされた独特な
作用機構は、化学特性の分析からは明らかにはならな
い。
【0004】本出願人らは、実験において、ベンゼン環
または側基の水素原子の代わりに様々な基を有するフタ
ロイルヒドラジド誘導体、例えば、2,3−ジヒドロフ
タラジン−1,4ジオン;5−アミノ−2,3−ジヒド
ロフタラジン−1,2−ジオン;5−アミノ−2,3−
ジヒドロフタラジン−1,2−ジオンのナトリウム塩;
4,5−アミノ−2,3−ジヒドロフタラジン−1,2
−ジオン;および4−メチル−4,5−ジアミノ−2,
3−ジヒドロフタラジン−1,2−ジオンが顕著な薬理
活性を有し、それらを前記の投与量で投与すると、過度
の白血球活性による影響を除去する抗低酸素症および防
御作用も見られることを示した。
【0005】4−アミノフタロイルヒドラジドおよび5
−アミノフタロイルヒドラジドは、いずれの化合物も大
きな治療効果を有することが示されている。しかしなが
ら、5−アミノフタロイルヒドラジドおよびその塩は、
連続的な(薬理学的および毒性学的)試験の要件を満た
しているので、医薬に使用するのに好適な基本薬剤とし
て選択された。
【0006】化学的データ a) 物理特性 5−アミノフタロイルヒドラジドは、低分子量(200
未満)のピリダジンのグループに属する。その融点は2
50℃未満である。 pH溶解度のプロフィール: pH6.5、c=2mM pH7.4、c=12mM オクタノール/水分配係数はpHによって変化する。 pH7.4では、c=0.2
【0007】b) 化学的性質 pK=6.3 安定性:この化合物は無水条件で安定である(1年間以
上保存することができる)。この化合物は、水溶液中で
不安定であることがある(おそらく、微量の濃度で含ま
れている物質の混合物による補助酸化によるものと思わ
れる)。水溶液の有効期限は、10〜20時間を超過す
る。 光学活性旋光: なし。
【0008】a) 急性毒性 急性毒性試験を2種類の動物種について行った(マウ
ス、ラット)。80匹を上回るマウスおよび100匹の
ラットを用いた。薬剤を、500および2500mg/
kg(個々の投与量)の投与量で経口的および腹腔内に
投与した。観測の期間は、14日であった。形態学的変
化は、肝臓、腎臓、心臓および脳の組織には観察されな
かった。試験群での致死個体数の割合は、コントロール
群での致死個体数の割合を上回ることはなかった。
【0009】b)変異原性 変異原性は、Amesの細菌検定法によって測定した。
試験は、S.typhi TA100、TA102およ
びTA97の菌株によって行った。ミクロソームアクチ
ベーター法を用いることによって、ラット肝にメチルコ
ラントレンを誘発した。このデーターは、5−アミノフ
タロイルヒドラジドが0.01と2mg/mlの間の濃
度では阻害または変異原性作用を持たないことを示して
いる。
【0010】C)再生毒性 催奇形性試験および胎児毒性試験を、58匹の雌性妊娠
ラットで行った。妊娠から1、3、7、10、14およ
び17日目に、腹腔内に単回投与した(60mg/k
g)。ラットは、妊娠から21日目に断頭し、子宮およ
び胎児を検討した。胎児には、異常は全く認められなか
った。子宮付着部位、胎児の数、重量および死亡率の部
位は、コントロール群について得られるものと変らなか
った。
【0011】d) 細胞毒性 対象物質として用いる細胞には、リンパ球、マクロファ
ージおよび繊維芽細胞が挙げられる。0.01〜0.8
mmol/リットルの濃度の5−アミノフタロイルヒド
ラジドにイン・ビトロで24時間暴露した後の成長力を
タンパク質の取り込みおよび/または合成によって測定
した。試験を行った投与量水準では、毒性は全く認めら
れなかった。薬剤のアレルゲン性作用を、モルモットで
検討した。薬剤が皮下または経口投与したとき、アレル
ギーの徴候は認められなかった。高投与量の場合にも、
投与部位に紅斑は認められなかった。20〜100mg
の量を投与する場合には、局部刺激の症状はなかった。
【0012】中枢神経系に対する作用の検討 中枢神経系に対する薬理学的特性を研究するために、体
重1kg当たり40〜80mgの投与量を用いた。投与
量は、医薬の使用を管理する安全基準に基づいて選択し
た。神経薬理学的効果は、性的に成熟した任意の株の雄
性マウスで検討した。体重が18〜20gのマウスに、
薬剤の溶液を腹内に投与した。神経薬理学的効果を、自
然な見当識反射の変化、誘導される攻撃性および筋の緊
張の変化に基づいて検討した。自然な見当識知覚の変化
は、通常の方法にしたがって記録した。薬剤の誘導され
る攻撃性に対する影響を研究するために、電気刺激法
(電流によって生じる疼痛)を用いた。筋緊張の変化
は、「ピボット・ピン」法によって測定した。
【0013】体重1kg当たり40〜80mgの投与量
では、薬剤は自然な見当識反射を抑制せず、また筋緊張
の変化や、疼痛閾値の改質も生じなかった。ヘキセンア
ルムによって誘発される麻酔に対する薬剤の影響を検討
した。すなわち、ヘキセンアルム溶液を80mg/kg
の投与量で投与する15分前に、薬剤を体重1kgに対
して10〜30mgの投与量で投与した。検討を行った
投与量では、5−アミノフタロイルヒドラジドはヘキセ
ンアルムによって誘発される睡眠の顕著な延長を引き起
こさなかった。薬剤の抗痙攣作用を検討することによ
り、マウスへ薬剤を体重1kg当たり40〜80mgの
投与量で予防的に薬剤を投与しても、痙攣薬を静脈内へ
点滴した後のコラゾラムおよびストリキニーネによって
誘発される痙攣を防止しないことが判った。前記の投与
量では、5−アミノフタロイルヒドラジドは誘発された
痙攣を減少させなかった。
【0014】5−アミノフタロイルヒドラジドのナトリ
ウム塩の循環器系への影響の研究 5−アミノフタロイルヒドラジドのナトリウム塩の血圧
(BP)への影響を、体重230g〜270gの雄性ラ
ットで、ラットをウレタン麻酔を行った制御した実験で
検討した。血圧を電気的キモグラフによってテープに記
録した。同時に、第二の標準的位置における心電図並び
にモーレイカプセルによる呼吸の頻度および深さの変化
を記録した。5−アミノフタロイルヒドラジドを、2%
炭酸水素ナトリウム溶液(pH=8.2)で調製した水
性溶液の形態で大腿静脈に40mg/kg、80mg/
kgおよび50mg/kgの投与量で投与した。5−ア
ミノフタロイルヒドラジドに対する検討は、16匹のラ
ットで行った。
【0015】結果 5−アミノフタロイルヒドラジドの1%溶液を0.6m
l/分の速度で静脈内に投与したところ、血圧が初期水
準に比較して少し、即ち平均して1.57±5.93%
の上昇した。5−アミノフタロイルヒドラジドの投与中
には、体重1kg当たり40mgまたは50mgのいず
れの投与量でも、血圧増加の突然の変動は認められなか
った。アミノフタロイルヒドラジドの投与開始から5分
後に、血圧は徐々に降下し始め、平均して30分以内に
初期の水準に復した。5−アミノフタロイルヒドラジド
の投与から30分後に、血圧の水準の変動は最初の血圧
水準に比較して平均2.79±0.72であった。
【0016】実験中には、心臓の心電図パラメーターで
は変化は認められず、5−アミノフタロイルヒドラジド
を、体重1kg当たり20mgおよび50mgの投与量
で投与した場合には、呼吸機能の障害は認められなかっ
た。したがって、体重1kg当たり40および50mg
の投与量で投与した5−アミノフタロイルヒドラジドの
実験による検討では、循環器系または呼吸に対し悪影響
があるという証拠はなかった。観察された傾向、すなわ
ち静脈内投与直後の血圧の上昇は、アルカリ性血液水準
の変化に対するラットの循環器系の(補償)反応として
説明することができ、この要因は2%重炭酸ナトリウム
溶液の投与によって説明された。
【0017】供給の形態 最も頻繁に使用する供給の形態は、静脈内および筋肉内
注射用バイアル、直腸投与用の座薬および含嗽用溶液で
ある。 1) 5−アミノフタロイルヒドラジドのナトリウム塩
を、筋肉内および静脈内投与に適合させた。純度水準が
96%以上で98%以下の5−アミノフタロイルヒドラ
ジドのナトリウム塩を、できるだけ少量の特別に脱イオ
ンした水で希釈し、不透明な壁を有するバイアルに投入
し、それぞれのバイアルに薬剤が100mg含まれるよ
うにする。続いて、バイアルを凍結乾燥し、滅菌キャッ
プでバイアルを閉じ、キャップに封をして、バイアルを
140〜160℃の温度に60分間保持することによっ
てバイアルを滅菌した。動物用の容器は、多量の、すな
わち250mgの薬剤を含んでいた。薬剤の水性溶液
は、60〜80分間十分に活性なままである。
【0018】薬剤の治療上高い有効性を下記の特性によ
って測定した。 1) 供試動物が吸入した空気中のエタンおよびペンタ
ン含量の変化に基づいて安定化したイン・ビボの酸化防
止作用。 2)白血球の付着容量の降下。 後者の要因の方が重要であり、急性の低酸素症(心筋梗
塞、発作等)の場合には、著しく伸張した組織が白血球
の活性ために損傷を受けることが知られているからであ
る。実際に、血液の循環が再開すると、白血球が虚血性
ハース(hearth)に浸透するのである。白血球の
攻撃は、器管および組織移植における拒絶反応の根底と
なっている。
【0019】最後に、乾癬に罹患している患者の患部組
織に遊離酸素ラジカルが過剰に形成されることにより、
疾患の臨床症状の増進が大部分決定されることになる。
ナトリウム塩の形態で100〜200mg/kgの投与
量を静脈内に投与すると、薬剤の放出時間は65〜75
分間である。とにかく、現れる効果(白血球の付着特性
の変化)は、6〜11時間中に起こる。抗低酸素症効果
の長さは、薬剤の投与量によって決定される。しかしな
がら、投与量を100mg/kgを超過して増加させて
も、効果は基本的には増加しない。60〜80mgの用
量を投与する場合には、5−アミノフタロイルヒドラジ
ドのナトリウム塩の作用の抗低酸素症活性は、これまで
医療の実施で用いられてきた酸化防止剤(ジブノロ、ヒ
スチジン、オルガネイアなど)の活性を上回る。作用を
保つためには、薬剤を12時間毎に投与しなければなら
ない。
【0020】薬剤のこれらの特性を用いて、有効な薬剤
の数が限定されている蘇生に効果を上げることができ
る。死亡例数が多いため、心筋梗塞は、急性疾患の中で
も顕著な位置を占めている。死亡率のピークは、心筋層
中の循環が再開する発病から3〜6日目に亙っている。
提案されている薬剤に類似の酸化防止剤は、白血球が
患部の虚血性組織に入ると、この組織に損傷を与える酸
素のラジカルを放出するだけでなく、毒性のある酵素や
タンパク質も放出するので、検討している治療効果が得
られない。
【0021】5−アミノフタロイルヒドラジドのナトリ
ウム塩を150〜250mg/kgの用量で静脈内に一
回投与することにより、6時間後には以前に浸透した白
血球の75%が除去されるので、患部組織が確実に生き
残ることができる。それと同時に、供試動物の血液中の
白血球水準は、2.5倍に増加した。また、それと同時
に、治療した動物の生存のチャンスが増大した。(薬剤
を投与した)実験群では、生き残っている動物の割合は
80%(p<0.01)に達したが、酸化防止剤で治療
した動物から成る対照群では生存率は50%(p>0.
05)に過ぎなかった。したがって、治療効果および作
用機構に関しては、提案を行った薬剤に匹敵する薬剤は
現在のところはない。
【0022】5−アミノフタロイルヒドラジドの筋肉内
注射は、余り有効でないことが判っており、生存動物数
は(60%)となったが、信頼性はなかった(p>0.
05)。同様の結果は、虚血性発作のモデルでも得られ
た。一連のケースでは、薬剤の投与による急性の病巣低
酸素症の影響を防止することは可能であった。しかしな
がら、この場合には、薬剤の単回投与では不十分である
ことが判っており、主要な治療効果は薬剤を12時間間
隔で2回投与した後に得られた。形態学的検討によっ
て、得られた結果を確認した。
【0023】近年急激に発達してきた医学の分野、すな
わち臓器および組織移植の分野は、移植組織に対する白
血球の攻撃を防止するための治療手段を欠いているた
め、十分に発展することができない。この影響に対して
用いられる(類似の)薬剤、すなわち、ホルモン、免疫
抑制剤などは、多くの合併症や副作用を伴い、配合した
ときでも十分な効果を発揮しない。
【0024】分析値を比較したところ、有効性に関する
かぎり、提案した薬剤は、体重1kg当たり100〜2
00mgの投与量では、これまで知られている長期作用
を有するホルモン剤(コルチコステロイド)上回ること
が判った。別の動物からの皮膚移植の2日目に治療を開
始して、45〜50日間継続した。5−アミノフタロイ
ルヒドラジドの塩、ホルモンおよび免疫抑制剤を組み合
わせて投与することにより、定着している外部移植の数
を例数の40%まで増加させることが可能となった。も
う一つの場合には、拒絶反応が起こるまでの期間を著し
く伸ばすことができた。
【0025】現在のところ、感染の治療には、コルチコ
ステロイドおよび抗真菌剤、例えばシクロスポリンが用
いられている。しかしながら、大部分の場合には、組み
合わせた治療でも効果がないことが判っている。患者に
12〜20mg/kgの投与量で毎日投与したところ、
疾患の臨床像が変化した。顕著な変化が見られ、すなわ
ち掻痒感が消失し、温度が低下し、患部の表面積が縮小
した。
【0026】皮膚の断片を、5−アミノフタロイルヒド
ラジドをDMSOの10%溶液に溶解した4%溶液で更
に処理したときにはいつも、製剤の治療効果は著しく増
大した。その場合には、総ての病理学的徴候は、短期
間、すなわち10〜12日間で除くことができた。同時
に、膿疱の上皮化が起きた。残存している病理学的形成
物を組織学的に分析することにより(生検検体)、変化
した上皮細胞の好中球含量の減少(80〜92%まで)
を測定した。これらの疾患の目に見える症状は、治療の
開始から45〜55日で消失した。4〜8ケ月後に、再
発が認められた。それ故、皮膚組織を局部的に治療する
ことなく、10〜15mg/kgの薬剤投与量で4か月
毎に1回10〜15日間予防治療を患者に施すことが望
ましい。既知の投与量で用いた薬剤の作用は、多くの場
合に確認されている。総ての場合に、この時点で知られ
ている同様な薬剤と比較して、薬剤の高い治療効果およ
びそれが提供する利点が明らかにされている。行った薬
理学的検討から、この薬剤を動物体に投与した場合に
は、毒性がみられないことが判った。
【0027】例1 動物の耐低酸素症性に基づいて、薬理学的活性を評価し
た。そのために、動物(マウス、体重18〜20g)を
大気圧室に入れ、その動物を100m/秒の速度で1
0,400mの高度まで「持ち上げた」。薬剤を10〜
300mgの投与量で、生理学的溶液0.1mlに溶解
して投与した。幾つかの場合には、溶解度が低いため、
これらの誘導体を懸濁液の形態で注射した。コントロー
ル動物には、生理学的溶液0.1mlを投与した。様々
な薬剤の主要な効果は、10〜200mg/kgの投与
量で明らかであるという証拠を提供した。 フタロイルヒドラジド:10〜15mg/kg、 5−アミノフタロイルヒドラジド;60〜80mg/k
g、 5−アミノフタロイルヒドラジドナトリウム塩:50〜
70mg/kg、 4−アミノフタロイルヒドラジド:105〜130mg
/kg、 4,5−アミノフタロイルヒドラジド:150〜180
mg/kg、 4,5−メチルアミノフタロイルヒドラジド:160〜
200mg/kg。
【0028】治療効果の程度はいずれも同じではなく、
供試動物の寿命は88〜299秒間で変動したが、コン
トロール動物については、寿命は41±2.5であっ
た。最大の薬理活性は、60〜80mg/kgの投与量
での5−アミノフタロイルヒドラジドのナトリウム塩に
よって提供され、222±45、最少の薬理活性はジメ
チルジアミノフタロイルヒドラジドによって提供され
た、すなわち89±12。 結論: フタロイルヒドラジドは顕著な抗低酸素効果を
有する。
【0029】例2 高水準の低酸素に対する動物の耐性を試験するための実
験を、体重が18〜20gで、性的に成熟した120匹
の雄性マウスで行った。実験の5分前に、動物に下記の
投与量で筋肉内に投与した。 第一群(対照群)、生理学的溶液0.1ml、 第二群(試験群)、20%オイル溶液、30mg/kg
の投与量、 第三群、5−アミノフタロイルヒドラジド、30mg/
kgの投与量、 第四群、5−アミノフタロイルヒドラジド、60mg/
kgの投与量、 第五群、5−アミノフタロイルヒドラジド、80mg/
kgの投与量、 第六群、5−アミノフタロイルヒドラジド、150mg
/kgの投与量、 第七群、200mg/kgの投与量の薬剤。
【0030】低酸素への耐性期間を、動物を100m/
秒の速度で10,400mの高度まで持ち上げることに
よって測定した。表のデーターから得ることができるよ
うに、薬剤により総ての場合における高水準の低酸素の
条件下での寿命が伸びた。体重1kg当たり30mgの
投与量では、薬剤は既知の酸化防止剤であるジブノロ
(Dibunolo)よりも治療効果が低く、投与量を
100mgまで増加したところ、薬剤の効果は高い信頼
性(p<0.001)でジブノロの効果を上回った。8
0mg/kgの用量で投与したときに、最大の治療効果
を記録した。薬剤の投与量を最大にまで増加しても、得
られる治療効果は増加しなかった。
【0031】例3 実験は、前もって調製した60匹のラットに就いて行っ
た。主要な実験の開始30日前に、冠状動脈の一部を結
紮した。次いで、軽い麻酔を施した後、血管を閉塞する
ことによって心筋虚血の広範なハース(hearth)
を作成した。12〜15分後に、血液循環を突然回復し
た。結紮を開放した直後に、ナトリウム塩を30、10
0、200および250mgの投与量で静脈内に投与し
た。対照群では、ラットに生理学的溶液を投与し、試験
群には酸化防止剤ジブノロ(30mg/kgの投与量の
20%油状溶液)を投与した。下記の観察結果が得られ
た。 1) 対照実験のシリーズでは、動物の死亡率は60%
に達した。死亡例数は2日目に最大になった。 2) 試験群では、動物の生存率に増加傾向が見られた
が、得られた結果は信頼性が低かった(p>0.0
5)。 3) 試験群では治療効果の明らかな徴候が見られた
が、30mg/kgの投与量ではいずれの動物の死亡も
防止しなかった。 4) 薬剤の投与量を100mg/kg以上まで増加さ
せたところ、生存動物数は増加した(p<0.01〜
0.001)。
【0032】生存動物の割合は各種のシリーズについて
80〜100%で変動し、本質的には薬剤の投与量を極
限まで増加させても変化しなかった。薬剤の投与量の増
加極限量は、技術的に困難であることによって決定し
た。心筋層の形態学的分析により、対照シリーズでは広
汎な壊死ハース(hearths)が認められた。試験
群では、損傷した部分は視覚的に認めることはできなか
った。小さな壊死ハース(hearths)は僅かであ
り、散らばっていた。それ故、薬剤を体重1kg当たり
100mg〜300mgの投与量で静脈内に投与する場
合に最大の治療効果が起こると結論することができる。
【0033】例4 軽い麻酔の下で頸動脈を結紮することによって、50匹
のマウスについて錐体の実験を行った。7分後に、結紮
を開放し、虚血部分に血液循環を回復した。対照群の動
物の死亡率は50%に達し、ジブノロ、ヒスチジンまた
は他の酸化防止剤の作用によっては全く防止されなかっ
た。体重1kg当たり30mgの投与量で投与した薬剤
は、病理学的過程に影響せず、信頼性が高かった。生存
動物の割合は増加しなかった(p>0.05)。顕著な
治療効果は、薬剤を100mg/kgの投与量で静脈内
に投与した場合に得られた。この群では、10匹の動物
の9匹が生き残った。8例では、神経の障害の症状はな
かった。同じ投与量の筋肉内投与の場合は、治療効果は
無関係であった。10匹の動物のうち6匹が生き残った
が、神経障害の症状が3例に記録された。しかしなが
ら、薬剤の筋肉内投与は有効でないことが決定された。
薬剤の量を極限まで増加しても、100mg/kgの投
与量と比較して、動物の生存率に信頼性のある増加は見
られなかった。150mg/kgの投与量を投与したと
ころ、生存動物数は80%に達したが、2例に中枢神経
系に対する障害の症状が見られた。100mg/kgの
投与量で12時間間隔で薬剤を2回投与したところ、9
匹の動物が生き残り、神経障害の症状は見られなかっ
た。対照実験のシリーズでは、生存している動物の少な
くとも半数に神経て神経学的障害の症状が記録された点
を指摘すべきである。それ故、2回投与を行う100m
g/kgの投与量では、薬剤を用いて神経系の極めて広
汎で重篤な障害、脳の血流の急激な変化の治療に顕著な
成果を得ることができるということができる。
【0034】例5 実験は30匹のチンチラを用い、これから2×2cmの
皮膚のストリップを取り除いた。生じる損傷を外部から
の移植組織で被覆した。動物を3つの群に分けた。第一
の群は、伝統的な治療薬(プレドニゾロンおよびシクロ
スポリン)で治療し、第二の群は、5−アミノフタロイ
ルヒドラジドを150mg/kgの投与量で毎日投与
し、第三の群は組み合わせた治療を受けた。薬剤の効果
を評価するために、拒絶反応が起きるまでの期間を測定
し、形態学的検討を行った。予測したように、伝統的な
治療では、ごく僅かな顕著な治療作用しか得られなかっ
た。移植組織の拒絶反応は31日目と42日目の間に起
きた。第二のシリーズの実験では、この期間は確実に5
6〜70日まで増加したが、第三の群では、移植組織の
拒絶反応の症状は120〜180日後に起きた。これら
四つの場合には、1年間変化がなかった(観察はこれ以
上行わなかった)。形態学的検討中には、移植組織の拒
絶反応の徴候は認められなかった。
【0035】結論 5−アミノフタロイルヒドラジドを静脈内に投与する
と、伝統的な治療薬と比較して拒絶反応過程をかなり遅
くした(p〈0.01)。既知の方法と組み合わせて、
多くの場合に、拒絶反応を完全に防止することができ
た。
【0036】例6 患者K.、女性、35才、病歴5年は、その期間中に病
院で数回治療を受けた。掻痒感、全般的脱力衰弱、皮膚
の一部の不快感を訴えた。検査の結果、皮膚に多くの紅
斑および個々の円形膿疱が見られることが明らかになっ
た。 診断: 急性相に近い乾癬。 薬剤を、患者の静脈内に投与した。10日間治療を行っ
たところ、掻痒感および脱力衰弱は消失し、温度は低下
して、皮膚症状は消失した。20日目には、皮膚組織の
罹患部分は収縮した。手の屈筋部の個々の膿疱および丘
疹はそのまま残った。疾患の急性症状は、4月後に戻っ
た。これは、現行の治療が不十分であるという徴候であ
った。引き続いて12日間の治療サイクルにより、主な
症状を除去し、おもな症状を長期間に亙り鎮静化するこ
とができた。
【0037】例6A 患者V.、女性、42才は、病歴13年であり、数回治
療を受けた。しかしながら、この2年間は、伝統的治療
では成果がないままであった。患者は、掻痒感および全
般的脱力衰弱を訴えた。検査の結果、罹患した皮膚に多
くの斑、多くの膿疱、集中した紅斑が見られた。 診断: 全身性乾癬。 薬剤を体重1kg当たり20mgの投与量で10日間投
与したところ、掻痒感がなくなり、皮膚症状が縮小し
た。引き続いて、薬剤を15%DMSO溶液に溶解した
溶液を皮膚に適用したところ、濃胞を含む皮膚症状は速
やかに消失した。残存している皮膚系生物の生検検体の
組織分析を行ったところ、上皮細胞中の好中球の数がか
なり減少していることが明らかになった。30日間治療
を行ったところ、皮膚は完全にきれいになり、鎮静期間
は8カ月間に達した。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗低酸素症薬および防御薬の活性成分と
    しての、体重1kg当たり10〜300mgの投与量で
    これらの特性を示す、一般式 【化1】 を有するフタロイルヒドラジド誘導体のクラスの化合
    物、およびその製薬上許容可能な塩。
  2. 【請求項2】 誘導体が、梗塞の治療および移植の拒絶
    反応を防止する目的で、塩の形態で毎日静脈内に投与さ
    れる毒性のない5−アミノフタロイルヒドラジドであ
    る、請求項1に記載の誘導体。
  3. 【請求項3】 乾癬を更に効果的に治療するための5−
    アミノフタロイルヒドラジドの塩を製造する目的での、
    前記薬剤の局所および非経口的投与形態と組み合わせた
    関連使用。
  4. 【請求項4】 局所投与の目的で、前記薬剤をDMSO
    の20〜30%溶液で用いる、請求項3に記載の使用。
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