JPH0722709B2 - セラミックスペーパーを用いた脱硝触媒の製造方法 - Google Patents

セラミックスペーパーを用いた脱硝触媒の製造方法

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JPH0722709B2
JPH0722709B2 JP1007152A JP715289A JPH0722709B2 JP H0722709 B2 JPH0722709 B2 JP H0722709B2 JP 1007152 A JP1007152 A JP 1007152A JP 715289 A JP715289 A JP 715289A JP H0722709 B2 JPH0722709 B2 JP H0722709B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、排ガス中の窒素酸化物(NOx)のアンモニ
ア(NH3)による選択的還元用脱硝触媒の製造方法に関
し、さらに詳しくは、いわゆるセラミックスペーパーを
用いた脱硝触媒の製造方法に関する。
従来技術およびその問題点 従来よりNH3還元選択脱硝触媒として、アナターゼ型の
チタニア(TiO2)にV2O5のような金属酸化物を担持させ
た触媒が優れた性能を示すことが知られている。この触
媒は、粉状の触媒成分に適当な無機系バインダーと水を
加え、混合物をよく練り、混練物を適当な粒径の粒状触
媒に造粒するか、または適当な寸法のモノリシス触媒
(第2図参照)に押し出し成型することによって製造せ
られる。NH3による選択還元脱硝法においては、触媒床
におけるガス流通抵抗や、ダストによる触媒床の目詰り
などを考慮すると、粒状触媒よりモノリシス型の触媒の
方が有利であるとされている。
しかしながら、アナターゼ型のTiO2は熱的安定性に欠
け、たとえば500〜600℃といった比較的低温においても
焼結による比表面積の低下や、触媒不活性のルチル型結
晶への転移などが起る。そのため、押し出し成型後の焼
結を充分に行なうことができず、モノリシス触媒の機械
的強度は非常に低い。したがって第2図に示すモノリシ
ス触媒において、高流速ガスに使用する目開き(1)が
大きい触媒では、壁厚(2)は一般に1mm以上を必要と
し、また目開き(1)が小さい低流速用触媒でも壁厚
(2)は0.5mm以下にするのは困難であるとされてい
る。さらにこの触媒は、その取扱いに注意を要し、触媒
充填作業の効率化を妨げるという問題も持っている。
以上の欠点を克服するために、金網またはメタルラス状
の金属で補強された板状触媒も提案されている。しかし
ながら、これは板厚が1mm前後と厚く、かつ製造コスト
が高くつくものであるため、押し出し成型によるモノリ
シス触媒と比べ、その有利性は疑わしい。さらに、この
触媒では、機械的強度を向上させるために触媒を極力緻
密な酸化物として形成する必要があるので、触媒細孔内
でのNOx、NH3などのガス拡散性が損なわれ、その結果V2
O5/TiO2系触媒本来の性能が発揮されていないきらいが
ある。
本発明者らは、先に、上記諸問題を解決する目的で、ガ
ラス繊維集合体(プレフォーム体)にTiO2微粉を分散保
持させることを特徴とする脱硝触媒を提案した(特開昭
55−155744号公報および特公昭58−1976号公報参照)。
しかしながら、この触媒では高活性は得られるものの、
新たにつぎのような問題が生じた。すなわち、 (1)ガラス繊維集合体に剛性を付与するために金属支
持板を使用する必要があり、 (2)触媒の板厚が1mm〜2mmと厚くなり、 (3)激しい機械的衝撃によって触媒粉がわずかずつ剥
落して飛散する。
そこでさらに、本発明者らは、従来技術の上記の如き諸
問題をことごとく克服することができる触媒として、セ
ラミックスペーパーを用いた新規構造の脱硝触媒を、本
件と同時に提案した。この触媒は、セラミックスペーパ
ーにチタニアゾルを含浸させて乾燥および焼成し、得ら
れたチタニア保持ペーパーにバナジウム酸化物を担持さ
せるものである。この触媒は薄くて軽く、機械的強度が
大きく、またTiO2のバインダー効果で同ペーパーが硬化
され、触媒に剛性か与えられて曲げ強度が増大され、そ
の結果機械的衝撃による粉落ちが少なくされ、さらに繊
維間空隙によって触媒内部の反応ガスの拡散性を確保し
て優れた活性を示すものである。この触媒では、その製
造過程で、前処理としてセラミックペーパーを低酸素雰
囲気で加熱し、さらに含浸後に焼成を行なうため、有機
質バインダーは全て焼失・分解する。したがって、同バ
インダーの焼失後の触媒の強度は、もっぱらTiO2のバイ
ンダー効果に頼っている。しかし、ゾルの乾燥によって
得られるTiO2は比較的強度に劣り、かつ繊維への固着性
も低いので、それほど強力なバインダー効果は示さな
い。焼成を500〜600℃の温度で行なえば、TiO2の強度が
増しバインダー効果も向上するが、アナターゼ型のTiO2
は熱的安定性に欠け、上記の如き比較的低温の加熱によ
っても比表面積の低下や、ルチル型結晶への転移による
触媒の不活性が起る。
この発明の目的は、上述したセラミックスペーパー利用
触媒の優れた諸特性をそのまま保持し、しかも触媒の強
度をさらに高めるとともに、より薄くてより軽い脱硝触
媒の製造方法を提供することにある。
問題点を解決手段 この発明による脱硝触媒の製造方法は、上記目的の達成
のために、シリカ・アルミナ系またはアルミナ系のセラ
ミックスファイバーの抄紙によって製造されるセラミッ
クスペーパーに、チタニアゾルとシリカゾルの混合物を
含浸させて乾燥および焼成し、得られた固形物保持ペー
パーにバナジウム酸化物を担持させることを特徴とす
る。
(1) この発明においては、セラミックスペーパーへ
の含浸用ゾルとして、チタニアゾルとシリカゾルの混合
物を使用する。
セラミックスペーパーにチタニアゾルとシリカゾルの混
合物を含浸させて乾燥および焼成し、得られた固形物保
持ペーパーにバナジウム酸化物を担持させて成る触媒
は、含浸用ゾルとしてチタニアゾルのみを使用して得た
触媒に比べ、後述する実施例の耐振動試験で示すように
耐振動性の点で各段に優れているとともに、後述する実
施例の曲げ強度試験で示すように曲げ強度の点で遜色が
ない。これは、セラミックスペーパー内でゾルが乾燥固
化するときに、混入されたシリカゾルが同ペーパーの表
面に固形物を比較的均一に形成せしめ、同表面に過大な
粒径の固形物が局在化するのを防ぐ効果を果たしている
ことによるものと考えられる。
触媒の脱硝活性は、後述する実施例の活性試験結果から
明らかなように、SiO2の混入によって低下する傾向にあ
るが、SiO4混入率=[SiO2/(TiO2+SiO2)]×100が80
重量%以下であれば、SiO2の混入による影響はほとんど
ない。チタニアゾルとシリカゾルの混合比は、SiO2混入
率が通常は5〜16重量%、好ましくは7〜13重量%にな
るように設定される。
(2) 繊維プレフォーム体に触媒粉が分散保持せられ
る。
触媒活性を損なわず焼結作用によりV2O5/TiO2系の板状
触媒および/またはモノリシス触媒の強度を向上させる
ことは、原理的に無理があるので、何らかの繊維質物質
による補強を考える必要がある。この場合、触媒粉と繊
維を混練し、押し出し成型によりモノリシス触媒を製作
する方法(混練法)と、繊維集合物すなわち繊維プレフ
ォーム体に触媒粉を分散保持させる方法(繊維プレフォ
ーム法)が考えられる。
板状触媒では、板面積当りの触媒量を増大するには混練
法が優れているが、混練法では触媒内部の反応ガスの拡
散性が低く、触媒本来の性能が発揮されない。また、繊
維を混練したペーストの押し出し成型性の関係で、板厚
を0.5mm以下にするのは困難である。
繊維プレフォーム法の場合、例えば反応温度が200℃以
上であれば、触媒粉は100g/m2以下でよく、また、板厚
は繊維プレフォーム体の厚さで定まり、0.15mm以上であ
れば自在に設定できる。したがって、繊維プレフォーム
法による触媒が有利である。
(3) 繊維プレフォーム体としてはセラミックスペー
パーが使用される。
極力薄くかつ高密度に繊維が集積しておりかつ繊維自身
の剛性がある程度期待できる繊維プレフォーム体として
は、ガラス繊維ペーパーとセラミックスペーパーがあ
る。
ガラス繊維ペーパーは、一般にこれに対する無機質バイ
ンダーのバインダー効果が低く、ペーパーとしての強度
がセラミックスペーパーの強度と比べ低いので、セラミ
ックスペーパーの使用が望ましい。
無機質繊維をペーパーとして成型するには、繊維にバイ
ンダーを加える必要がある。バインダーとしては、有機
質バインダーは触媒の使用条件下で分解および/または
燃焼しその効果を失うので、原則的には無機質バインダ
ーを使用するのが好ましい。
(4) TiO2粉またはこれを含む触媒粉を無機質繊維ペ
ーパーに保持させるには、ゾル含浸法が適用される。
無機質繊維ペーパーに触媒粉を保持させる方法として
は、TiO2コロイドゾルを含浸させる方法(ゾル含浸法)
と、抄紙段階においてTiO2粉またはこれにV2O5を担持さ
せた触媒粉を漉き込む方法(触媒粉漉き込み法)とが考
えられる。ゾル含浸法でTiO2を保持させた場合、セラミ
ックス繊維は、TiO2との接触性がガラス繊維とTiO2との
接着性と比べ良好であり、ガラス繊維ペーパー使用の場
合と比べ触媒の粉落ち量が少ない特徴を示す。
セラミックスペーパーを使用する場合、ゾル含浸法によ
りTiO2を保持させると、保持されたTiO2はバインダーと
しての効果を示し、板状触媒としての剛性とくに曲げ強
度が向上するので、触媒粉漉込み法と比べ有利である。
このようにして製造された触媒は、触媒内部の反応成分
の拡散性が高く、触媒粉が本来の性能を発揮できるの
で、押し出し成型法による従来のモノリシス触媒と比べ
活性が高い。また、触媒厚さを0.1mm程度にまで薄肉化
できる。したがって、この触媒は、体積当りの触媒表面
積を一定とした場合、従来のV2O5/TiO2系モノリシス触
媒と比べ、空隙率が高く、したがってガス流通抵抗が低
いという特徴を示す。
(5) 予めセラミックスペーパーを低酸素雰囲気で加
熱処理するのが好ましい。
触媒の剛性を高めるには、セラミックスペーパーとして
高密度のものを使用する必要がある。高密度のセラミッ
クスペーパーは一般に有機バインダーと無機質バインダ
ーを併用して抄紙されている。このようなペーパーにゾ
ル含浸法を施す場合、TiO2およびSiO2と繊維との固着性
を改善する目的で、ゾルの含浸の前に、低酸素雰囲気で
ペーパーを加熱し、繊維表面の有機質バインダーの炭化
除去しておくのが好ましい。この場合、酸素が5%以上
存在すると有機質バインダーが完全に除去され、ペーパ
ーとしての強度がはなはだしく低下する。また酸素が全
く存在しないと、繊維表面に炭素が多量に残留し、密着
性が改善できない。したがって、酸素濃度1〜5%でセ
ラミックスペーパーを加熱することが望ましい。加熱条
件は300〜500℃で0.5〜4時間、好ましくは350〜400℃
で2〜3時間である。
TiO2としては、硫酸チタン、四塩化チタン、テトラプロ
ピルチタネート等のチタン塩の加水分解により形成した
アナターゼ型TiO2が好ましい。こうして形成したTiO2は
1000Å以上の大きな細孔を多く有しているため、粉体内
での反応ガスの拡散速度が大きい。
チタン分はセラミックスペーパー表面1m2当りTiO2とし
て20〜300g、好ましくは30〜200g含ませられている。
シリカゾルとしては市販のものが使用できる。バナジウ
ム酸化物は、たとえば、セラミックスペーパーにメタバ
ナジン酸アンモン溶液を含浸させ、乾燥および焼成する
ことによってセラミックスペーパーに担持される。バナ
ジウム酸化物の前駆物質は上記のものに限定されない。
発明の効果 この発明による脱硝触媒の製造方法は、セラミックスペ
ーパーへのチタニアゾルとシリカゾルの混合物の含浸に
よって同ペーパーにTiO2とSiO2を保持させ、得られた固
形物保持ペーパーにバナジウム酸化物を担持させるもの
であるので、セラミックスペーパーの使用によって触媒
の厚みを著しく薄くすることができるとともに、機械的
強度を大巾に増大させることができる。また、チタニア
ゾルとシリカゾルの混合物の使用によってセラミックス
ペーパーの繊維にTiO2を強固に固着させることができ
る。すなわち、本発明ではチタニアゾルは、触媒として
だけでなく、繊維間に入り込んでバインダーとしても働
くのである。したがって、セラミックペーパーをより強
固に硬化させ、触媒に剛性を与えて曲げ強度を増大させ
ることができる。その結果、機械的衝撃による粉落ちを
極力少なくすることができる。さらにセラミックスペー
パーを構成する繊維の繊維間空隙によって、触媒内部の
反応ガスの拡散性を確保し、本書冒頭で述べた従来のV2
O5/TiO2系脱硝触媒に比べ、高い活性を示すことができ
る。
実 施 例 つぎに、この発明の実施例を比較例とともに示す。
a.触媒の調製 表1に示す仕様の3種類のセラミックスペーパー(A)
(B)(C)を、3%の酸素と残N2との混合ガスで400
℃2時間焼成した。ついで表2に示す各種混合比のチタ
ニアゾル(TiO2分=33重量%、pH=3〜4)とシリカゾ
ル(SiO2分=20重量%、pH=6〜7)との混合物に、セ
ラミックスペーパーをそれぞれ浸漬し、120℃で乾燥
し、300℃で3時間焼成した。こうしてセラミックスペ
ーパーにTiO2とSiO2の固形物を保持させた。固形物の保
持量は混合液を純水で希釈することによって調整した。
つぎにTiO2とSiO2を保持したセラミックスペーパーをメ
タバナジン酸アンモンの室温飽和溶液中にそれぞれ8時
間浸漬し、120℃で乾燥し、300℃で3時間焼成した。こ
うして表2に示す9種類のV2O5/TiO2系触媒を得た。
b.耐振動性 上記の如く調製した各触媒について、第1図に示す耐振
動試験機を用いて振動による触媒の粉落ち量を測定し
た。同試験機は箱体(3)と、この上に水平に配置され
た厚さ0.8mmのステンレス鋼製の振動板(4)と、この
上面に設けられた60Hzの加振機(5)とより構成されて
おり、供試触媒(6)は振動板(4)の下面に両面接着
テープで固着されている。
積算粉落ち量の測定結果を表2に示す。同表から明らか
なように、含浸用ゾルとしてチタニアゾルとシリカゾル
の混合物を使用して得た触媒は、チタニアゾルのみを使
用して得た触媒に比べ、激しい振動に対しても粉落ち量
が著しく少なく、耐振動性の点で格段に優れている。
c.曲げ強度 上記表1のセラミックスペーパー(A)(B)を用いか
つ上述した方法に従って、TiO2保持量の異なる多種類の
触媒と、SiO2混入率10重量%で固形物保持量の異なる多
種類の触媒とをそれぞれ調製した。これら触媒について
支点間距離20mmで3点曲げ試験を行ない、次式に従って
曲げ強度を計測した。
曲げ強度(kgf/mm) =[3×破断荷重(kgf)×支点間距離(mm)] /[2×試験片幅(mm)×試験片厚さ(mm)] 固形物保持量と曲げ強度の関係を第3図のグラフに示
す。同グラフから明らかなように、含浸用ゾルとしてチ
タニアゾルとシリカゾルの混合物を使用して得た触媒
は、チタニアゾルのみを使用して得た触媒に比べ、曲げ
強度の点で全く遜色がない。
d.SiO2の混入率と触媒活性 上記表1のセラミックスペーパー(B)を用いかつ上述
した方法に従って、SiO2混入率および固形物保持量の異
なる多種類の触媒とをそれぞれ調製した。これら触媒に
ついて、内径1インチのステンレス製流通型反応管を用
いてそれぞれ活性試験を行なった。すなわち触媒を上記
反応管に充填して固定し、ついで反応温度を所定値に制
御して、容量で、入口NOx=50ppm、酸素=15%、水蒸気
=10%の組成の試験用調製排ガスの反応管に流した。面
積速度(A・V)すなわち触媒の幾何表面積(m2)当り
の通ガス流量(Nm3/時)を43m/時とし、またNH3比(入
口NH3濃度ppm/出口NH3濃度ppm)を1.2とし、入口NH3濃
度は60ppmとした。
各触媒について、温度150℃、200℃および300℃におけ
る脱硝率=[(入口NOx濃度ppm−出口NOx濃度ppm)/入
口NOx濃度ppm]×100を求めた。得られた脱硝率を表3
に示す。また、SiO2の混入率と触媒活性の関係を第4図
のグラフに示し、固形分保持量と触媒活性の関係を第5
図のグラフに示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は耐振動試験機の垂直断面図、第2図は従来のモ
ノリシス型触媒の部分斜視図、第3図は固形物保持量と
曲げ強度の関係を示すグラフ、第4図はSiO2混入率と脱
硝率の関係を示すグラフ、第5図は固形物保持量と脱硝
率の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/22 ZAB A 8017−4G

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリカ・アルミナ系またはアルミナ系のセ
    ラミックスファイバーの抄紙によって製造されるセラミ
    ックスペーパーに、チタニアゾルとシリカゾルの混合物
    を含浸させて乾燥および焼成し、得られた固形物保持ペ
    ーパーにバナジウム酸化物を担持させることを特徴とす
    る、セラミックスペーパーを用いた脱硝触媒の製造方
    法。
JP1007152A 1989-01-14 1989-01-14 セラミックスペーパーを用いた脱硝触媒の製造方法 Expired - Lifetime JPH0722709B2 (ja)

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