JPH073057A - 親水性フッ素樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
親水性フッ素樹脂フィルムの製造方法Info
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- JPH073057A JPH073057A JP8043693A JP8043693A JPH073057A JP H073057 A JPH073057 A JP H073057A JP 8043693 A JP8043693 A JP 8043693A JP 8043693 A JP8043693 A JP 8043693A JP H073057 A JPH073057 A JP H073057A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 特定化合物の存在下で、フッ素樹脂フィルム
に紫外線を照射してフッ素原子を親水基で置換すること
により、親水性が高くその耐久性に優れ、かつ耐薬品
性、耐溶剤性、耐熱性等に優れた親水性フッ素樹脂フィ
ルムを安価に製造する。 【構成】 フッ素樹脂フィルムに、フッ素原子との結合
エネルギーが128kcal/mol以上の原子と親水
基を有する化合物の溶液を接触または含浸させた後、紫
外線を照射し、フッ素樹脂フィルムのフッ素原子の一部
を親水性官能基と置換することにより親水性フッ素樹脂
フィルムとする。化合物はアルミニウム化合物、ホウ素
化合物またはリチウム化合物であることが好ましく、紫
外線光源は低圧水銀灯であることが好ましい。
に紫外線を照射してフッ素原子を親水基で置換すること
により、親水性が高くその耐久性に優れ、かつ耐薬品
性、耐溶剤性、耐熱性等に優れた親水性フッ素樹脂フィ
ルムを安価に製造する。 【構成】 フッ素樹脂フィルムに、フッ素原子との結合
エネルギーが128kcal/mol以上の原子と親水
基を有する化合物の溶液を接触または含浸させた後、紫
外線を照射し、フッ素樹脂フィルムのフッ素原子の一部
を親水性官能基と置換することにより親水性フッ素樹脂
フィルムとする。化合物はアルミニウム化合物、ホウ素
化合物またはリチウム化合物であることが好ましく、紫
外線光源は低圧水銀灯であることが好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、親水性フッ素樹脂フィ
ルムの製造方法に関する。さらに詳しくは、薬品、食
品、水などの液体の精密ろ過や限外ろ過に使用する液体
用ろ過膜、ろ過装置等に用いることができる親水性フッ
素樹脂フィルムの製造方法に関する。
ルムの製造方法に関する。さらに詳しくは、薬品、食
品、水などの液体の精密ろ過や限外ろ過に使用する液体
用ろ過膜、ろ過装置等に用いることができる親水性フッ
素樹脂フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薬品、食品、水などの液体の精密ろ過や
限外ろ過において、微粒子の除去性能、液体の透過流
束、耐薬品性、耐圧性、耐熱性等がろ過膜の重要な選択
因子である。従来、ポリテトラフルオロエチレン(以
下、PTFEと略す)、ポリフッ化ビニリデン等のフッ
素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィ
ン等の高分子重合体からなる多孔性フィルムが選ばれて
いた。
限外ろ過において、微粒子の除去性能、液体の透過流
束、耐薬品性、耐圧性、耐熱性等がろ過膜の重要な選択
因子である。従来、ポリテトラフルオロエチレン(以
下、PTFEと略す)、ポリフッ化ビニリデン等のフッ
素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィ
ン等の高分子重合体からなる多孔性フィルムが選ばれて
いた。
【0003】しかしながら、近年ではさらに親水化膜の
必要性が高まってきた。すなわち、例えば半導体工業に
おいて、シリコンウエハの洗浄は、硝酸、フッ酸、硫酸
等で行われているが、循環洗浄した後の薬品の交換時
に、薬品を排出することによってろ過用カートリッジフ
ィルター内に空気が流れ込む。
必要性が高まってきた。すなわち、例えば半導体工業に
おいて、シリコンウエハの洗浄は、硝酸、フッ酸、硫酸
等で行われているが、循環洗浄した後の薬品の交換時
に、薬品を排出することによってろ過用カートリッジフ
ィルター内に空気が流れ込む。
【0004】そのため、フィルター内のPTFE膜等の
疎水性膜の表面に空気が接し、フィルター装着時等に有
機溶媒等で膜を親水化処理した効果が消失するために、
次に薬品を導入した際には、液体透過流束が激減する。
そのため、低い表面張力を有する液体で再度親水化しな
ければならないという問題があった。
疎水性膜の表面に空気が接し、フィルター装着時等に有
機溶媒等で膜を親水化処理した効果が消失するために、
次に薬品を導入した際には、液体透過流束が激減する。
そのため、低い表面張力を有する液体で再度親水化しな
ければならないという問題があった。
【0005】フッ素樹脂多孔体の親水化方法としては、
界面活性剤を塗布する方法あるいは特開昭56−637
72号公報に記載されているようにポリビニールアルコ
ール、ポリエチレングリコールのような水溶性高分子を
多孔体の細孔内に含浸させ、前記高分子を熱処理、アセ
タール化処理、エステル化処理、重クロム酸処理、電離
性放射線照射等により親水化する方法が知られている。
界面活性剤を塗布する方法あるいは特開昭56−637
72号公報に記載されているようにポリビニールアルコ
ール、ポリエチレングリコールのような水溶性高分子を
多孔体の細孔内に含浸させ、前記高分子を熱処理、アセ
タール化処理、エステル化処理、重クロム酸処理、電離
性放射線照射等により親水化する方法が知られている。
【0006】また、特開平2−196834号公報に開
示してあるように、フッ素樹脂の表面改質にArFレー
ザーを照射して親水化する方法が知られている。
示してあるように、フッ素樹脂の表面改質にArFレー
ザーを照射して親水化する方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記界
面活性剤を塗布する方法は、界面活性剤が多孔体に充分
付着しないため脱落しやすく、親水性が保持されにくい
という問題があった。
面活性剤を塗布する方法は、界面活性剤が多孔体に充分
付着しないため脱落しやすく、親水性が保持されにくい
という問題があった。
【0008】また、特開昭56−63772号公報に記
載の方法は、放射線照射により多孔体の分解劣化を生
じ、機械的強度が著しく低下する。さらに、熱処理、ア
セタール化、エステル化は水溶性ポリマーの一部を疎水
性とするので、親水度合が低下するという問題があっ
た。
載の方法は、放射線照射により多孔体の分解劣化を生
じ、機械的強度が著しく低下する。さらに、熱処理、ア
セタール化、エステル化は水溶性ポリマーの一部を疎水
性とするので、親水度合が低下するという問題があっ
た。
【0009】また、特開平2−196834号公報に
は、エキシマレーザーによる表面改質が記載されている
が、フッ素樹脂内部の親水化は不十分であった。
は、エキシマレーザーによる表面改質が記載されている
が、フッ素樹脂内部の親水化は不十分であった。
【0010】本発明は、前記従来技術の問題点を解決す
るため、親水性およびその耐久性に優れ、耐薬品性、耐
圧性、耐熱性等に優れ,かつ安価に製造することのでき
る親水性フッ素樹脂フィルムの製造方法を提供すること
を目的とする。
るため、親水性およびその耐久性に優れ、耐薬品性、耐
圧性、耐熱性等に優れ,かつ安価に製造することのでき
る親水性フッ素樹脂フィルムの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の親水性フッ素樹脂フィルムの製造方法は、
フッ素原子との結合エネルギーが128kcal/mo
l以上の原子と親水基を有する化合物の存在下で、フッ
素樹脂フィルムに紫外線を照射して親水化するという構
成を備えたものである。すなわち、紫外線を照射するこ
とによりフッ素樹脂のC−F結合(128kcal/m
ol)を切る。この際、後で述べるようにF原子との結
合エネルギーが、C−F結合エネルギー(128kca
l/mol)以上の原子を存在させることにより、切断
されたフッ素原子は前記原子と結合され、トラップされ
る。フッ素原子は電気陰性度が4.0と大きいので、炭
素原子(電気陰性度:2.5)より電気陰性度が小さい
原子を存在させることでC−F間の再結合を阻むことが
できる。また、その原子とフッ素原子との結合は、その
結合エネルギーがC−F結合(128kcal/mo
l)より高いので、再切断されにくい。したがって、フ
ッ素樹脂フィルムのフッ素原子の一部を親水性官能基と
置換することができる。
め、本発明の親水性フッ素樹脂フィルムの製造方法は、
フッ素原子との結合エネルギーが128kcal/mo
l以上の原子と親水基を有する化合物の存在下で、フッ
素樹脂フィルムに紫外線を照射して親水化するという構
成を備えたものである。すなわち、紫外線を照射するこ
とによりフッ素樹脂のC−F結合(128kcal/m
ol)を切る。この際、後で述べるようにF原子との結
合エネルギーが、C−F結合エネルギー(128kca
l/mol)以上の原子を存在させることにより、切断
されたフッ素原子は前記原子と結合され、トラップされ
る。フッ素原子は電気陰性度が4.0と大きいので、炭
素原子(電気陰性度:2.5)より電気陰性度が小さい
原子を存在させることでC−F間の再結合を阻むことが
できる。また、その原子とフッ素原子との結合は、その
結合エネルギーがC−F結合(128kcal/mo
l)より高いので、再切断されにくい。したがって、フ
ッ素樹脂フィルムのフッ素原子の一部を親水性官能基と
置換することができる。
【0012】前記構成においては、フィルムの表面のみ
ならず内部まで親水化する場合は、フッ素樹脂フィルム
が多孔性フッ素樹脂フィルムであることが好ましい。ま
た、前記構成においては、化合物がアルミニウム化合
物、ホウ素化合物またはリチウム化合物であることが好
ましい。
ならず内部まで親水化する場合は、フッ素樹脂フィルム
が多孔性フッ素樹脂フィルムであることが好ましい。ま
た、前記構成においては、化合物がアルミニウム化合
物、ホウ素化合物またはリチウム化合物であることが好
ましい。
【0013】また、前記構成においては、紫外線光源が
低圧水銀灯であることが好ましい。
低圧水銀灯であることが好ましい。
【0014】
【作用】前記本発明の製造方法によれば、前記親水性フ
ッ素樹脂フィルムを効率よく合理的に製造できる。すな
わち、放電処理のような真空操作が必要なく、安価に親
水性フッ素樹脂フィルムを得ることができる。
ッ素樹脂フィルムを効率よく合理的に製造できる。すな
わち、放電処理のような真空操作が必要なく、安価に親
水性フッ素樹脂フィルムを得ることができる。
【0015】また、フッ素樹脂フィルムが多孔性フッ素
樹脂フィルムであるという本発明の好ましい構成によれ
ば、さらに親水性とその耐久性に優れた親水性フッ素樹
脂フィルムを提供することができる。
樹脂フィルムであるという本発明の好ましい構成によれ
ば、さらに親水性とその耐久性に優れた親水性フッ素樹
脂フィルムを提供することができる。
【0016】また、化合物がアルミニウム化合物、ホウ
素化合物またはリチウム化合物であるという本発明の好
ましい構成によれば、さらに親水性とその耐久性に優れ
た親水性フッ素樹脂フィルムを得ることができる。
素化合物またはリチウム化合物であるという本発明の好
ましい構成によれば、さらに親水性とその耐久性に優れ
た親水性フッ素樹脂フィルムを得ることができる。
【0017】また、紫外線光源が低圧水銀灯であるとい
う本発明の好ましい構成によれば、さらに親水性とその
耐久性に優れた親水性フッ素樹脂フィルムを得ることが
できる。
う本発明の好ましい構成によれば、さらに親水性とその
耐久性に優れた親水性フッ素樹脂フィルムを得ることが
できる。
【0018】また、本発明の製造方法で得られる親水性
フッ素樹脂フィルムは、例えばディスク状、プリーツ状
に加工し支持体に接着して、容器内に組み込んでなるカ
ートリッジフィルターや、平膜状態でプレートとフレー
ムにて支持するプレートタイプモジュール、中空糸膜モ
ジュール等のろ過装置とすることができる。
フッ素樹脂フィルムは、例えばディスク状、プリーツ状
に加工し支持体に接着して、容器内に組み込んでなるカ
ートリッジフィルターや、平膜状態でプレートとフレー
ムにて支持するプレートタイプモジュール、中空糸膜モ
ジュール等のろ過装置とすることができる。
【0019】また、本発明の製造方法で得られた親水性
を付与したフィルムは、電池のセパレーターなどにも応
用することができる。また、本発明の製造方法で得られ
た親水性を付与したフィルムは、接着性が増すので耐熱
性の粘着テープなどにも応用することができる。
を付与したフィルムは、電池のセパレーターなどにも応
用することができる。また、本発明の製造方法で得られ
た親水性を付与したフィルムは、接着性が増すので耐熱
性の粘着テープなどにも応用することができる。
【0020】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。本発明者らは、種々検討の結果、特定原子と
親水基を有する化合物の存在下で、フッ素樹脂フィルム
に紫外線を照射することにより、フッ素樹脂フィルムの
フッ素原子の一部を親水性官能基と置換した。そして、
そのフィルムは親水性が高く、その耐久性に優れ、かつ
耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性、接着性などに優れること
を見いだし本発明を完成するに至った。
説明する。本発明者らは、種々検討の結果、特定原子と
親水基を有する化合物の存在下で、フッ素樹脂フィルム
に紫外線を照射することにより、フッ素樹脂フィルムの
フッ素原子の一部を親水性官能基と置換した。そして、
そのフィルムは親水性が高く、その耐久性に優れ、かつ
耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性、接着性などに優れること
を見いだし本発明を完成するに至った。
【0021】本発明に用いるフィルムは、フッ素樹脂か
らなるものであれば特に限定されず、通常PTFEから
なるものである。また、他のフッ素樹脂、例えばテトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニールエ
ーテル共重合体、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン
樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂等からなるものであっ
てもよい。
らなるものであれば特に限定されず、通常PTFEから
なるものである。また、他のフッ素樹脂、例えばテトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニールエ
ーテル共重合体、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン
樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂等からなるものであっ
てもよい。
【0022】そして、このフィルムはシート状、チュー
ブ状等いずれの形状であってもよく、焼成品もしくは未
焼成品のいずれも使用しうる。また、このフィルムが多
孔性の場合は気孔率、細孔の公称孔径は用途に応じて種
々設定できるが、通常、気孔率は20〜80%,公称孔
径は約0.01〜10μmが好ましい。
ブ状等いずれの形状であってもよく、焼成品もしくは未
焼成品のいずれも使用しうる。また、このフィルムが多
孔性の場合は気孔率、細孔の公称孔径は用途に応じて種
々設定できるが、通常、気孔率は20〜80%,公称孔
径は約0.01〜10μmが好ましい。
【0023】なお、多孔性フッ素樹脂フィルムは種々の
方法で得ることができる。例えば、PTFE多孔性フィ
ルムは特公昭58−25332号公報、特公昭51−1
8991号公報、特公昭42−13560号公報等に記
載された延伸法、あるいは特公昭42−4974号公報
に記載された起泡剤を用いる方法等によって得ることが
できる。
方法で得ることができる。例えば、PTFE多孔性フィ
ルムは特公昭58−25332号公報、特公昭51−1
8991号公報、特公昭42−13560号公報等に記
載された延伸法、あるいは特公昭42−4974号公報
に記載された起泡剤を用いる方法等によって得ることが
できる。
【0024】また、本発明に用いる化合物は、フッ素原
子との結合エネルギーが128kcal/mol以上で
あり、電気陰性度が2.5より小さなアルミニウム(フ
ッ素原子との結合エネルギー:158kcal/mo
l、電気陰性度:1.5)、ホウ素(183kcal/
mol,2.0),カルシウム(134kcal/mo
l,1.0),バリウム(139kcal/mol,
0.9),リチウム(139kcal/mol,1.
0)等の原子を有する水酸化アルミニウム、ホウ酸、ホ
ウ酸アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム等の化合物を用いることができる。
本発明においてはこれら化合物の水溶液が好ましく用い
られる。また、溶質の溶解度を上げるために、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ塩を添加しても
よい。
子との結合エネルギーが128kcal/mol以上で
あり、電気陰性度が2.5より小さなアルミニウム(フ
ッ素原子との結合エネルギー:158kcal/mo
l、電気陰性度:1.5)、ホウ素(183kcal/
mol,2.0),カルシウム(134kcal/mo
l,1.0),バリウム(139kcal/mol,
0.9),リチウム(139kcal/mol,1.
0)等の原子を有する水酸化アルミニウム、ホウ酸、ホ
ウ酸アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム等の化合物を用いることができる。
本発明においてはこれら化合物の水溶液が好ましく用い
られる。また、溶質の溶解度を上げるために、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ塩を添加しても
よい。
【0025】本発明において上記化合物を存在させる方
法としては、フッ素樹脂フィルムに好ましくは上記化合
物の水溶液を含浸、塗布などにより接触させる方法があ
げられる。
法としては、フッ素樹脂フィルムに好ましくは上記化合
物の水溶液を含浸、塗布などにより接触させる方法があ
げられる。
【0026】本発明の方法では、まず、多孔性フッ素樹
脂フィルムの場合は、その細孔内に化合物水溶液が含浸
される。多孔性フッ素樹脂フィルムは有機溶媒に浸漬、
または有機溶媒中で超音波洗浄等を行ったものを用いて
もよい。
脂フィルムの場合は、その細孔内に化合物水溶液が含浸
される。多孔性フッ素樹脂フィルムは有機溶媒に浸漬、
または有機溶媒中で超音波洗浄等を行ったものを用いて
もよい。
【0027】多孔性フッ素樹脂フィルムの細孔内への化
合物水溶液の含浸は、種々の方法で行いうるが、このフ
ィルムが疎水性である点を考慮して、下記の方法を採用
することが好ましい。 (1)(a)多孔性フッ素樹脂フィルムを、水との相溶
性に優れかつ表面張力が30dyne/cm以下の有機
溶媒(メタノール、エタノール、アセトン、エーテル、
イソプロピルアルコール等)に浸漬し、フィルム内に溶
媒を含浸させる第1工程。 (b)次いで、これを水に浸漬し、溶媒を水と置換する
(細孔内に水が含浸される)第2工程。 (c)その後、化合物溶液にフィルムを浸漬し、水を該
水溶液と置換する(細孔内に該水溶液が含浸される)第
3工程。 以上、3工程を経て含浸する方法。
合物水溶液の含浸は、種々の方法で行いうるが、このフ
ィルムが疎水性である点を考慮して、下記の方法を採用
することが好ましい。 (1)(a)多孔性フッ素樹脂フィルムを、水との相溶
性に優れかつ表面張力が30dyne/cm以下の有機
溶媒(メタノール、エタノール、アセトン、エーテル、
イソプロピルアルコール等)に浸漬し、フィルム内に溶
媒を含浸させる第1工程。 (b)次いで、これを水に浸漬し、溶媒を水と置換する
(細孔内に水が含浸される)第2工程。 (c)その後、化合物溶液にフィルムを浸漬し、水を該
水溶液と置換する(細孔内に該水溶液が含浸される)第
3工程。 以上、3工程を経て含浸する方法。
【0028】(2)上記のごとく低表面張力の有機溶媒
に化合物を混合して、30dyne/cm以下の溶液を
調整して、フッ素樹脂フィルムに塗布、あるいは噴霧、
あるいはフッ素樹脂フィルムを浸漬することにより、フ
ッ素樹脂フィルムの細孔内に該溶液を含浸する方法。
に化合物を混合して、30dyne/cm以下の溶液を
調整して、フッ素樹脂フィルムに塗布、あるいは噴霧、
あるいはフッ素樹脂フィルムを浸漬することにより、フ
ッ素樹脂フィルムの細孔内に該溶液を含浸する方法。
【0029】上記のような方法によって、多孔体の細孔
内に化合物溶液を含浸させることができる。
内に化合物溶液を含浸させることができる。
【0030】該水溶液を含浸中に次工程の紫外線を照射
すると、フッ素樹脂フィルムのフッ素原子の一部が親水
基と置換される。紫外線光源は低圧水銀灯、高圧水銀
灯、YAGレーザー(4倍波)、メタルハライドランプ
等の光子エネルギーが128kcal/mol以上の輝
線を用いることで、C−F結合を切断して親水基と置換
することができるが、特に低圧水銀灯を用いるのが好ま
しい。照射時間は出力、照射距離、化合物水溶液の種
類、濃度、フィルムの形状,厚さ等種々の要因を考慮し
て設定するが、通常は約20秒〜30分である。
すると、フッ素樹脂フィルムのフッ素原子の一部が親水
基と置換される。紫外線光源は低圧水銀灯、高圧水銀
灯、YAGレーザー(4倍波)、メタルハライドランプ
等の光子エネルギーが128kcal/mol以上の輝
線を用いることで、C−F結合を切断して親水基と置換
することができるが、特に低圧水銀灯を用いるのが好ま
しい。照射時間は出力、照射距離、化合物水溶液の種
類、濃度、フィルムの形状,厚さ等種々の要因を考慮し
て設定するが、通常は約20秒〜30分である。
【0031】また、非多孔性フィルムの場合は、化合物
溶液に浮かべる、浸漬する、フィルム上に溶液をのせる
などの方法で溶液と接触させ、紫外線照射することで親
水化することができる。
溶液に浮かべる、浸漬する、フィルム上に溶液をのせる
などの方法で溶液と接触させ、紫外線照射することで親
水化することができる。
【0032】以下、具体的な実施例により本発明をさら
に詳細に説明する。 実施例1 厚さ60μm、公称孔径0.1μm、気孔率75%、縦
横の長さがそれぞれ10cmのPTFE多孔性フィルム
をメタノールおよび水に順次10分ずつ浸漬し、さらに
化合物水溶液に10分浸漬し、細孔内に化合物水溶液を
含浸させた。ここで、化合物水溶液として、4.1重量
%ホウ酸水溶液を用いた。水溶液含浸状態で、出力50
Wの低圧水銀灯を60秒照射した後、純水で洗浄、乾燥
し親水性フッ素樹脂フィルムを得た。
に詳細に説明する。 実施例1 厚さ60μm、公称孔径0.1μm、気孔率75%、縦
横の長さがそれぞれ10cmのPTFE多孔性フィルム
をメタノールおよび水に順次10分ずつ浸漬し、さらに
化合物水溶液に10分浸漬し、細孔内に化合物水溶液を
含浸させた。ここで、化合物水溶液として、4.1重量
%ホウ酸水溶液を用いた。水溶液含浸状態で、出力50
Wの低圧水銀灯を60秒照射した後、純水で洗浄、乾燥
し親水性フッ素樹脂フィルムを得た。
【0033】このフィルムを純水に浸漬したところ、速
やかに吸水した。さらにこのフィルムをESCA(elec
tron spectroscopy for chemical analysis )により表
面分析を行ったところ、親水化処理前のO/Cの比が0
に対して親水化処理後は0.18であった。また、F/
Cの値が各々2.0と0.28であったことから、フッ
素原子が親水基と置換したことを確認できた。また、波
形解析を行ったところ、−CF2 −結合(292eV)
の炭素原子数を100とすると、−C−O−結合(28
6eV)が81、−C=O(288eV)結合が18で
あり、親水性官能基が存在していることを確認した。処
理前にはそれら官能基は存在しなかった。
やかに吸水した。さらにこのフィルムをESCA(elec
tron spectroscopy for chemical analysis )により表
面分析を行ったところ、親水化処理前のO/Cの比が0
に対して親水化処理後は0.18であった。また、F/
Cの値が各々2.0と0.28であったことから、フッ
素原子が親水基と置換したことを確認できた。また、波
形解析を行ったところ、−CF2 −結合(292eV)
の炭素原子数を100とすると、−C−O−結合(28
6eV)が81、−C=O(288eV)結合が18で
あり、親水性官能基が存在していることを確認した。処
理前にはそれら官能基は存在しなかった。
【0034】このフィルムを、フッ酸(50重量%)、
塩酸(36重量%)、硫酸(97重量%)に室温で1日
浸漬後、水で洗浄、乾燥後も親水性を維持していた。ま
た、エタノール、アセトンで洗浄、乾燥後も親水性を維
持していた。
塩酸(36重量%)、硫酸(97重量%)に室温で1日
浸漬後、水で洗浄、乾燥後も親水性を維持していた。ま
た、エタノール、アセトンで洗浄、乾燥後も親水性を維
持していた。
【0035】この親水性フッ素樹脂フィルムを圧力差2
35mmHgで透水試験に供したところ、純水の透過流
束は3.7cm3 /cm2 /minであった。親水化処
理を行わないフィルムは純水に濡れないために0であ
り、そのフィルムをエタノールにより湿潤させた後測定
した純水の透過流束は3.7cm3 /cm2 /minで
あった。したがって、親水化処理したことによるフィル
ムの透過流束の低下はみられなかった。
35mmHgで透水試験に供したところ、純水の透過流
束は3.7cm3 /cm2 /minであった。親水化処
理を行わないフィルムは純水に濡れないために0であ
り、そのフィルムをエタノールにより湿潤させた後測定
した純水の透過流束は3.7cm3 /cm2 /minで
あった。したがって、親水化処理したことによるフィル
ムの透過流束の低下はみられなかった。
【0036】この親水性フッ素樹脂フィルムにテトラエ
トキシシランを接触させた後洗浄し、X線マイクロアナ
ライザーで観察したところ、多孔体孔内までSi原子が
存在しており、親水化していることを確認した。
トキシシランを接触させた後洗浄し、X線マイクロアナ
ライザーで観察したところ、多孔体孔内までSi原子が
存在しており、親水化していることを確認した。
【0037】実施例2 実施例1と同様に、化合物溶液として2N水酸化リチウ
ム水溶液を用いた以外は同じ方法で低圧水銀灯による紫
外線を照射した。得られたフィルムは洗浄、乾燥後も純
水に浸漬すると吸水した。また,膜性能は実施例1とほ
ぼ同様であった。
ム水溶液を用いた以外は同じ方法で低圧水銀灯による紫
外線を照射した。得られたフィルムは洗浄、乾燥後も純
水に浸漬すると吸水した。また,膜性能は実施例1とほ
ぼ同様であった。
【0038】実施例3 実施例1と同様に、化合物溶液として1N水酸化アルミ
ニウムと1N水酸化ナトリウムの混合水溶液を用い、同
様な方法で低圧水銀灯による紫外線を照射した。このと
き、溶液を含浸したフィルムをその水溶液中に沈めて出
力100Wの低圧水銀灯または2kWの高圧水銀灯を用
いて紫外線照射を行った。得られたそれぞれのフィルム
は洗浄、乾燥後も純水に浸漬すると吸水した。また,そ
れぞれの膜性能は実施例1とほぼ同様であった。
ニウムと1N水酸化ナトリウムの混合水溶液を用い、同
様な方法で低圧水銀灯による紫外線を照射した。このと
き、溶液を含浸したフィルムをその水溶液中に沈めて出
力100Wの低圧水銀灯または2kWの高圧水銀灯を用
いて紫外線照射を行った。得られたそれぞれのフィルム
は洗浄、乾燥後も純水に浸漬すると吸水した。また,そ
れぞれの膜性能は実施例1とほぼ同様であった。
【0039】比較例 実施例1と同様のPTFE多孔性フィルムを用い、化合
物溶液を使用しない以外は同じ方法で紫外線を照射し
た。得られたフィルムは洗浄、乾燥後に純水に浸漬して
も親水化されていなかった。
物溶液を使用しない以外は同じ方法で紫外線を照射し
た。得られたフィルムは洗浄、乾燥後に純水に浸漬して
も親水化されていなかった。
【0040】実施例4 非多孔性のPTFEフィルム(日東電工株式会社製、商
品名ニトフロンテープ、No.900,38μm厚)を
用い、実施例1と同じ化合物溶液に浮かべて紫外線照射
を行った。得られたフィルムの純水に対する接触角は5
5゜となり、親水化されていた。親水化前は120゜で
あった。
品名ニトフロンテープ、No.900,38μm厚)を
用い、実施例1と同じ化合物溶液に浮かべて紫外線照射
を行った。得られたフィルムの純水に対する接触角は5
5゜となり、親水化されていた。親水化前は120゜で
あった。
【0041】親水化した溶液との接触面側に両面接着テ
ープ(日東電工株式会社製、品番No.500)を貼付
し、180゜引きはがし法による接着力(JIS Z
0237)は照射前の13倍になった。
ープ(日東電工株式会社製、品番No.500)を貼付
し、180゜引きはがし法による接着力(JIS Z
0237)は照射前の13倍になった。
【0042】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の製造方法に
よれば、前記親水性フッ素樹脂フィルムを効率よく合理
的に製造できる。すなわち、放電処理のような真空操作
が必要なく、安価に親水性フッ素樹脂フィルムを得るこ
とができる。
よれば、前記親水性フッ素樹脂フィルムを効率よく合理
的に製造できる。すなわち、放電処理のような真空操作
が必要なく、安価に親水性フッ素樹脂フィルムを得るこ
とができる。
【0043】また、フッ素樹脂フィルムが多孔性フッ素
樹脂フィルムであるとフィルム内部まで親水化でき、さ
らに親水性とその耐久性に優れた親水性フッ素樹脂フィ
ルムを提供することができる。
樹脂フィルムであるとフィルム内部まで親水化でき、さ
らに親水性とその耐久性に優れた親水性フッ素樹脂フィ
ルムを提供することができる。
【0044】また、化合物がアルミニウム化合物、ホウ
素化合物またはリチウム化合物であると、さらに親水性
とその耐久性に優れた親水性フッ素樹脂フィルムを得る
ことができる。
素化合物またはリチウム化合物であると、さらに親水性
とその耐久性に優れた親水性フッ素樹脂フィルムを得る
ことができる。
【0045】また、紫外線光源が低圧水銀灯であると、
さらに親水性とその耐久性に優れた親水性フッ素樹脂フ
ィルムを得ることができる。また、本発明の製造方法で
得られた親水性フッ素樹脂フィルムは、例えばディスク
状、プリーツ状に加工し支持体に接着して、容器内に組
み込んでなるカートリッジフィルターや、平膜状態でプ
レートとフレームにて支持するプレートタイプモジュー
ル、中空糸膜モジュール等のろ過装置とすることができ
る。
さらに親水性とその耐久性に優れた親水性フッ素樹脂フ
ィルムを得ることができる。また、本発明の製造方法で
得られた親水性フッ素樹脂フィルムは、例えばディスク
状、プリーツ状に加工し支持体に接着して、容器内に組
み込んでなるカートリッジフィルターや、平膜状態でプ
レートとフレームにて支持するプレートタイプモジュー
ル、中空糸膜モジュール等のろ過装置とすることができ
る。
【0046】また、本発明の製造方法で得られた親水性
を付与したフィルムは、電池のセパレーターなどにも応
用することができる。また、本発明の製造方法で得られ
た親水性を付与したフィルムは、接着性が増すので耐熱
性の粘着テープなどにも応用することができる。
を付与したフィルムは、電池のセパレーターなどにも応
用することができる。また、本発明の製造方法で得られ
た親水性を付与したフィルムは、接着性が増すので耐熱
性の粘着テープなどにも応用することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】該水溶液を含浸中に次工程の紫外線を照射
すると、フッ素樹脂フィルムのフッ素原子の一部が親水
基と置換される。紫外線光源は低圧水銀灯、高圧水銀
灯、YAGレーザー(4倍波)、メタルハライドラン
プ、エキシマランプ等の光子エネルギーが128kca
l/mol以上の輝線を用いることで、C−F結合を切
断して親水基と置換することができるが、特に低圧水銀
灯を用いるのが好ましい。照射時間は出力、照射距離、
化合物水溶液の種類、濃度、フィルムの形状,厚さ等種
々の要因を考慮して設定するが、通常は約20秒〜30
分である。
すると、フッ素樹脂フィルムのフッ素原子の一部が親水
基と置換される。紫外線光源は低圧水銀灯、高圧水銀
灯、YAGレーザー(4倍波)、メタルハライドラン
プ、エキシマランプ等の光子エネルギーが128kca
l/mol以上の輝線を用いることで、C−F結合を切
断して親水基と置換することができるが、特に低圧水銀
灯を用いるのが好ましい。照射時間は出力、照射距離、
化合物水溶液の種類、濃度、フィルムの形状,厚さ等種
々の要因を考慮して設定するが、通常は約20秒〜30
分である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 周治 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 フッ素原子との結合エネルギーが128
kcal/mol以上の原子と親水基を有する化合物の
存在下で、フッ素樹脂フィルムに紫外線を照射して親水
化することからなる親水性フッ素樹脂フィルムの製造方
法。 - 【請求項2】 フッ素樹脂フィルムが多孔性フッ素樹脂
フィルムである請求項1に記載の親水性フッ素樹脂フィ
ルムの製造方法。 - 【請求項3】 化合物がアルミニウム化合物、ホウ素化
合物またはリチウム化合物である請求項1に記載の親水
性フッ素樹脂フィルムの製造方法。 - 【請求項4】 紫外線光源が低圧水銀灯である請求項1
に記載の親水性フッ素樹脂フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8043693A JPH073057A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | 親水性フッ素樹脂フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8043693A JPH073057A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | 親水性フッ素樹脂フィルムの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH073057A true JPH073057A (ja) | 1995-01-06 |
Family
ID=13718217
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8043693A Pending JPH073057A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | 親水性フッ素樹脂フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH073057A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101016622B1 (ko) * | 2010-06-30 | 2011-02-23 | 김화민 | 폴리테트라플루오로에틸렌 구조물의 형성 방법 |
| GB2604254B (en) * | 2020-06-25 | 2023-05-03 | Mikasa Corp | Bearing for ship propulsion shaft |
-
1993
- 1993-04-07 JP JP8043693A patent/JPH073057A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101016622B1 (ko) * | 2010-06-30 | 2011-02-23 | 김화민 | 폴리테트라플루오로에틸렌 구조물의 형성 방법 |
| GB2604254B (en) * | 2020-06-25 | 2023-05-03 | Mikasa Corp | Bearing for ship propulsion shaft |
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