JPH0731200B2 - カタラ−ゼ標識抗体の製造法 - Google Patents

カタラ−ゼ標識抗体の製造法

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JPH0731200B2
JPH0731200B2 JP61247947A JP24794786A JPH0731200B2 JP H0731200 B2 JPH0731200 B2 JP H0731200B2 JP 61247947 A JP61247947 A JP 61247947A JP 24794786 A JP24794786 A JP 24794786A JP H0731200 B2 JPH0731200 B2 JP H0731200B2
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紘 神野
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エンザイムイムアッセイ用のカタラーゼ標識
抗体の製造法に関する。
〔従来の技術〕
抗原抗体反応の高い特異性を利用して検体中に含まれる
特定の抗原あるいは抗体を検出、定量し、疾病等の診断
あるいは治療に役立たせることは広く行われている。な
かでもエンザイムイムノアッセイ(EIA)は簡便さ、安
全性の面からラジオイムノアッセイ(RIA)に代わっ
て、臨床検査における微量分析手法として、その有用性
は益々高まって来ている。
EIAに於いては、測定対象の抗原あるいは抗体を検出す
るため酵素で標識した抗体(酵素標識抗体)が用いられ
る。
EIAに於ける標識酵素としては、安定で高い活性を有す
るとともに、標識反応時に失格しないものが好ましく、
従来、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β
−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ等が
用いられている。
これらの酵素を用いた場合、その活性の検出は、基質、
又は生成物の可視、紫外の吸収スペクトルあるいは蛍光
スペクトルの変化を測定する方法が用いられている。
ところで、カタラーゼは酵素活性が高く安定な酵素であ
り標識酵素として適している。更に、カタラーゼは過酸
化水素を分解し酵素を発生させるので、酵素活性を酵素
電極で直接電気的信号として捕えることができる。そこ
でカタラーゼを標識酵素とし、酸素電極を検出器とす
る、免疫セルサーが種々検討されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
カタラーゼを標識抗体として利用するには、カタラーゼ
と特定の抗体とを予め結合させる必要がある。従来行わ
れてきたグルタルアルデヒドによるか架橋法では、カタ
ラーゼと抗体との結合が進行しすぎ高分子量化して生成
物が沈澱する、酵素活性や抗体活性を低下させる、ある
いは、低収率で再現性が悪いといった欠点があり改善が
望まれていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は種々検討した結果、 カタラーゼに一般式(I) (式中、R1はC1〜C3のアルキル基を表わし、nは2〜4
の整数を表わす。) で示されるメルカプトイミデート化合物を反応させ、 (nは前記に同じ。)をカタラーゼのアミノ基に導入す
る第1工程と、 抗体に一般式(II) (式中、R2は脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素の二価
残基を表わす。) で示されるスクシニルマレイミド化合物を反応させ、 (R2は前記に同じ。)を抗体の アミノ基に導入する第2工程と、 第1工程で得られるチオール化カタラーゼと第2工程で
得られるマレイミド化抗体とを反応させ、 (n、R2は前記に同じ。)でカタラーゼと抗体とを結合
させる第3工程とからなることを特徴とするカタラーゼ
標識抗体の製造法によって前記欠点が改良出来ることを
見出して、本発明を完成した。
本発明の第1工程、第2工程及び第2工程は、夫々以下
のようにして行うことができる。
即ち、第1工程は、カタラーゼとメルカプトイミデート
化合物(I)とを、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲
気下、又はエチレンジアミン四酢酸又はその塩の存在下
に、弱アルカリ性の緩衝液、例えば、0.05Mリン酸緩衝
液(pH8.0)中で0℃〜40℃で0.5〜20時間反応させる。
カタラーゼに導入されるチオール基は、カタラーゼ1分
子当たり2〜6分子が好ましく、そのためカタラーゼに
対するメルカプトイミデート化合物(I)のモル比は、
1:10〜1:500が好ましく、又、カタラーゼの濃度は0.01
〜1mMが好ましい。
メルカプトイミデート化合物(I)としては、例えば、
メチル4-メルカプトブチルイミデート、メチル3-メルカ
プトプロピオイミデート等が挙げられる。
エチレンジアミン四酢酸又はその塩の添加量は10-4M〜
10-2Mが好ましい。エチレンジアミン四酢酸の塩として
はその2ナトリウム塩が好ましい。
カタラーゼは動植物由来のいずれでもよいが、動物、特
にその肝臓由来のものが好ましい。
このようにして得られるチオール化カタラーゼは、透
析、ゲルクロマトグラフィー、眼外濾過によって精製す
ることができるが、特に、眼外濾過が好ましい。
チオール化カタラーゼは不活性ガス雰囲気下、あるいは
エチレンジアミン四酢酸又はその塩を10-4M〜10-2M含
有する中性の緩衝液中で保存することが好ましい。
第2工程は、後述する抗体とスクシニルマレイミド化合
物(II)とを、中性の緩衝液、例えば0.05Mリン酸緩衝
液(pH7.0)中で0℃〜40℃で0.5〜20時間反応させた。
抗体に導入されるマレイミド基は、抗体1分子当たり5
〜20分子が好ましく、そのため抗体に対するスクシニル
マレイミド化合物(II)のモル比は、1:5〜1:300が好ま
しく、又、抗体の濃度は0.005〜0.1mMが好ましい。
スクシニルマレイミド化合物(II)としては、一般式
(II)に於けるR2がプロピレン、ペンチレン等の脂肪族
炭化水素の二価残基、あるいは1,3-フェニレン、1,4-フ
ェニレン等の芳香族炭化水素の二価残基である化合物を
挙げることができる。
このようにして得られるマレイミド化抗体は、透析、ゲ
ルクロマトグラフィーによって精製することができる。
本発明に用いられる抗体としては、例えば以下のような
ものが具体例として挙げられる。
インシュリン、絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、胎
盤性ラクトゲン、黄体形成ホルモンなどのポリペプチド
系ホルモンの抗体。
IgG、IgA、IgM、IgE、α‐フェトプロテイン(AF
P)、カルシノエンブリオニックアンチゲン、ハプトグ
ロビンなどの血清蛋白の抗体。
大腸菌毒素、コレラトキシン、肝炎ウィルス、風疹
ウィルス、インフルエンザウィルスなどの毒素あるいは
ウェルスの抗体。
エストラジオール、プロゲステロン、テストステロ
ン、フェニトイン、プロカインアミド、カナマイシン、
ペニシリン、バルビツール酸などのステロイドホルモン
あるいは薬剤の抗体。これらの抗体の種類は、IgG、Ig
A、IgM等のクラスいずれをも使用することができる。
又、マウス、ラット、ウサギ、ヤギあるいはヒト等から
常法によって採取した抗体を使用することができるが、
特に細胞融合法によって採取したモノクローナル抗体の
使用が均質な抗体が得られ、感度、精度の点で好まし
い。
なお、通常使用する抗体はいずれも常法によって例え
ば、硫安塩析またはDEAEイオン交換カラムクロマトグラ
フィー等で精製して用いられる。
第3工程は、第1工程で得られるチオール化カタラーゼ
と、第2工程で得られるマレイミド化抗体とを、窒素、
アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、又はエチレンジアミ
ン四酢酸又はその塩の存在下に、中性の緩衝液、例え
ば、0.05Mリン酸緩衝液(pH7.0)中で0℃〜40℃で1〜
20時間反応させる。
チオール化カタラーゼに対するマレイミド化抗体のモル
比は、1:1〜6:1が好ましい。
エチレンジアミン四酢酸又はその塩の添加量は10-4M〜
10-2Mが好ましい。エチレンジアミン四酢酸の塩として
はその2ナトリウム塩が好ましい。
反応終了後、未反応のマレイミド基、チオール基をブロ
ックすることが、カタラーゼ標識抗体の安定性を向上さ
せる上で好ましい。マレイミド基をブロックするには、
システイン、メルカプトエタノール等のチオール化合物
を、又、チオール基をブロックするにはN-エチルマレイ
ミド等のマレイミド化合物あるいは5,5′‐ジチオビス
(2-ニトロ安息香酸)(DTNB)等が用いられる。
更に、得られたカタラーゼ標識抗体はゲルクロマトグラ
フィーによて精製することができる。
第1工程、第2工程及び第3工程を上記のようにして行
うことにより、高い酵素活性を有するカタラーゼ標識抗
体を再現性よく、しかも高収率で製造することができ
る。
(発明の効果) 本発明によって得られるカタラーゼ標識抗体は、以下の
試験結果に示すとおり、高い酸素活性を有しており、
(試験例1)、EIAに於いて、感度、精度に優れた標識
抗体として使用でき、特に免疫センサーを用いるEIAの
標識抗体として好適に使用することができる(試験例
2、3)。
試験例1 カタラーゼ標識モノクローナル抗ヒトAFP抗体の評価: (1)検体 本発明によって製造されたカタラーゼ標識モノクローナ
ル抗ヒトAFP抗体〔実施例1(a)〜(e)及び実施例
2(a),(b)の7検体〕及びグルタルアルデヒド法
によって製造された該標識抗体〔比較例1(a)〜
(g)(製造例1)の7検体〕. (2)試験方法 モノクローナル抗ヒトAFP抗体(カタラーゼの標識に用
いた抗体とはヒトAFPに対して結合部位の異なるもの、A
FP-1)50μg/mlを調製し、その0.5mlを内径0.8mmのポリ
スチレン試験管に入れ、4℃で16時間静置して内壁に抗
体を吸着固定化した。次に、蒸留水で洗浄後、0.5%の
牛血清アルブミンを含有する0.01Mリン酸緩衝生理食塩
液(pH7.2)1m1を加えて、2時間静置後、以下の試験に
使用した。
標準ヒトAFPを0又は40ng/ml、馬血清10重量%及び該標
識抗体(上記各検体)1μg/mlを含有する0.01Mリン酸
緩衝生理食塩液(pH7.2)0.5mlを、上記AFP-1固定化ポ
リスチレン試験管に入れ、37℃で2時間免疫反応を行っ
た。蒸留水1mlで3回洗浄後、0.02M過酸化水素の0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH7.0)0.5mlを加え、20分間酵素反応を行
った後、1N硫酸1mlを加えて反応を停止させ、過酸化水
素に基ずく240nmの吸光度(A240)を測定した。
本発明によって製造されたカタラーゼ標識モノクローナ
ル抗ヒトAFP抗体とグルタルアルデヒド法によって製造
された該標識抗体との標識酵素活性を、過酸化水素の減
少量〔標準ヒトAFPO(ブランク)と40ng/mlとの吸光度
の差(ΔA240)〕から比較した。
(3)結果 結果を第1表に示した。
試験例2 ヒトAFPの繰り返し測定試験(ヒトAFPの標準曲線の作
成): 製造例2で作成した免疫センサーを用い、第2図に示す
ようなフロー式の測定装置を組み、標準ヒトAFP0,2.5,
5,20ng/mlの各濃度夫々について4回ずつ以下のように
して繰り返し測定し、ヒトAFPの標準曲線を作成した。
反応セル(容量0.2ml)に蒸留水を満たし、これに標準
ヒトAFP各々0,2.5,5,20ng/ml、馬血清10重量%及び実施
例1(a)で得られたカタラーゼ標識モノクローナル抗
ヒトAFP抗体1μg/mlを含有する0.1重量%牛血清アルブ
ミン生理食塩液0.2mlを導入し、30分間静置後、20ml/mi
nの流速で1分間蒸留水を流して反応セルを洗浄した。
次いで、26.5mMの過酸化水素を含む0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.0)0.2mlを反応セルに導入し、酸素電極の酸素濃
度に比例した電流値を求めた。続いて0.1Mグリシンー塩
酸緩衝液(pH2.5,NaCl2重量%含有)を20ml/minの流速
で30秒間流した後、3.5分間静置して結合した抗体と抗
原とを解離させ、更に20ml/minの流速で1分間蒸留水を
流して反応セルを洗浄した。次に、再び上記の標準AFP
溶液を反応セルに導入して同様な操作を各濃度夫々4回
ずつ繰り返してヒトAFPの標準曲線(第3図)を作成し
た。(なお、操作は免疫反応は37℃、他は室温で行っ
た。) 試験例3 hCGの繰り返し測定試験(hCGの標準曲線の作成): 製造例3で作成した免疫センサーを用い、第2図に示す
ようなフロー式の測定装置を組み、標準ヒトAFPの代わ
りにhCG及び実施例3で得られたカタラーゼ標識モノク
ローナル抗hCG抗体を用いる以外は試験例2と同様にし
て、hCG0,25,50,100,200mIU/mlの各濃度夫々について4
回ずつ繰り返し測定してhCGの標準曲線(第4図)を作
成した。
〔実施例〕
以下に実施例および製造例を挙げて、本発明を更に具体
的に説明する。
なお、カタラーゼ標識抗体の収率は、夫々反応に使用し
た抗体量(mol)と得られた標識抗体の抗体量(mol)と
の比から算出し、実施例の末尾に一括して記載した(第
2表)。該標識抗体の抗体量(mol)は、次式により算
出した該標識抗体の抗体濃度〔LA(mol/1)〕から求め
た。
ε:抗体のモル吸光係数 l:測定光路長 製造例1〔比較例1(a)〜(g)〕 カタラーゼ標識モノクローナル抗ヒトAFP抗体の製造
(グルタルアルデヒド法): 以下の操作を7回繰り返し行って、夫々比較例1(a)
〜(g)のカタラーゼ標識モノクローナル抗ヒトAFP抗
体を得た。
カタラーゼ(牛肝臓由来、シグマ社製)3mgを0.05Mリン
酸緩衝液(pH7.0)1mlに溶解し、5%グルタルアルデヒ
ド水溶液15μlを加え4℃で30分間反応後、モノクロー
ナル抗ヒトAFP抗体(免疫動物;、マウス)1mgを加え4
℃で30分間反応させた。水素化ホウ素ナトリウム1mgを
加え4℃で20分間反応させた後、0.05Mリン酸緩衝液(p
H7.0)1000mlで透析(2時間)を2回行った。次いで、
遠心分離(12000rpm、5分間)により、沈澱物を除去し
た後、高速液体カラムクロマトグラフィー〔カラム;Sep
hadex G-3000SW(東洋ソーダ社製)、溶出液;0.05Mリン
酸緩衝液(pH7.0)〕に付し、最初の画分を集めカタラ
ーゼ標識モノクローナル抗ヒトAFP抗体溶液2.4mlを得
た。
製造例2 ヒトAFP測定用免疫センサーの作成: (1)フィブロイン水溶液の調製: 生糸100gを1.0重量%のマルセル石けん水溶液5000ml中
に浸漬し、80℃で3時間精錬した。水洗後、更に0.5重
量%のマルセル石けん水溶液5000mlに浸漬して80℃で3
時間精錬し、セリシン等を実質的に除去したフィブロイ
ン原料72gを得た。
水100gとエチルアルコール80gの入ったニーダー中に塩
化カルシウム150gを溶解し、75℃に昇温後、上記のフィ
ブロイン原料70gを投入、攪拌下に1時間溶解した。次
いで180gの温水(75℃)を加えて希釈混合した。フィブ
ロインの溶解液を冷却した後、ホローファイバー型の透
析器を用いて、流水に対して透析脱塩し、5.7重量%の
フィブロイン水溶液1200mlを得た。塩化カルシウムの残
留量は0.08重量%であった。
(2)モノクローナル抗ヒトAFP抗体固定化フィブロイ
ンフィルムの製造: モノクローナル抗ヒトAFP抗体(免疫動物;マウス)を
生理食塩液に溶解し、250μg/mlの抗体溶液を調製し
た。次にこの溶液を四方を仕切ったガラス板上に抗体量
が10μg/cm2となるように流延し、15℃で3時間乾燥し
た。上記フィブロイン水溶液にグリセリンをフィブロイ
ンに対して30重量%になるように加えた溶液をその上か
ら流延し、20℃で10時間乾燥することによって皮膜化さ
せ、次いで直径0.6cmの円形に裁断し、厚さ60μmの表
記モノクローナル抗ヒトAFP抗体固定化フィブロインフ
ィルムを得た。
(3)ヒトAFP測定用免疫センサーの作成: 第1図に示すように、反応セル(容量0.2ml)に(2)
で得られたモノクローナル抗ヒトAFP抗体固定化フィブ
ロインフィルム、酸素透過膜、0-リング及びガルバニー
型酸素電極(AN型、オリエンタル電気(株)製)を順次
装着してヒトAFP測定用免疫センサーを作成した。
製造例3 hCG測定用免疫センサーの作成: (1)ポリクローナル抗hCG抗体固定化フィブロインフ
ィルムの製造(特開昭60-155129号公報参照): ポリクローナル抗hCG抗体(免疫動物;ヤギ)を生理食
塩液に溶解し、250μg/mlの抗体溶液を調製した。次に
この溶液を、四方を仕切ったガラス板上に抗体量が10μ
g/cm2となるように塗布し、20℃で3時間乾燥した。次
いで製造例2(1)と同様にして得たフィブロイン水溶
液を濃縮して15.7重量%のフィブロイン水溶液とし、更
にグリセリンをフィブロインに対して30重量%になるよ
うに加えた溶液をその上から流延し、20℃で8時間乾燥
することによて皮膜化させ、次いで直径0.7cmの円形に
裁断し、厚さ90μmのポリクローナル抗hCG抗体固定化
フィブロインフィルムを、得た。
(2)hCG測定用免疫センサーの作成: (1)で得られたポリクローナル抗hCG抗体固定化フィ
ブロインフィルムを、製造例2(3)と同様にしてガル
バニー型酸素電極(AN型、オリエンタル電気(株)製)
に装着してhCG測定用免疫センサーを作成した。
実施例1(a)〜(e) カタラーゼ標識モノクローナル抗ヒトAFP抗体の製造: 以下の操作を5回繰り返し行って、夫々実施例1(a)
〜(e)のカタラーゼ標識モノクローナル抗ヒトAFP抗
体を得た。
(1)チオール化カタラーゼの製造(第1工程): カタラーゼ(牛肝臓由来、シグマ社製)15mgを0.05Mリ
ン酸緩衝液(pH8.0)2.5mlに溶解し、窒素曝気(60ml/m
in)を10分間行い、次に、メチル4-メルカプトブチルイ
ミデート1mgを加え、窒素雰囲気下に4℃で2時間反応
させた。反応終了後、ダイアフローメンブラン (アミ
コン社製)を用いて窒素雰囲気下に限外濾過し、0.05M
リン酸緩衝液(pH7.0)3mlを加え、再度限外濾過を行っ
た。この操作を3回繰り返し、未反応のメチル4-メルカ
プトブチルイミデートを除去した後、チオール化カタラ
ーゼ溶液3mlを得た。
以下の方法によって求めたチオール基の導入量は、カタ
ラーゼ1分子に対して4分子であった。
チオール基の定量: チオール化カタラーゼ1ml(5mg)にDTNB1mgを加えて1
時間反応後、限外濾過によって、未反応のDTNB等の低分
子化合物を除去した。
2mlの蒸留水を加え、ジチオスレトール又は2-メルカプ
トエタノールで還元し、5-メルカプト‐2-ニトロ安息香
酸を遊離させ、50%トリクロロ酢酸を0.5ml加えて静置
後、遠心分離(12000rpm、5分間)により沈澱物を除去
した。1N NaOHでpH8にした後、全量を5mlとして412nmの
吸光度より遊離した5-メルカプト‐2-ニトロ安息香酸の
量を求め、カタラーゼへのチオール基導入量を算出し
た。
(2)マレイミド化モノクローナル抗ヒトAFP抗体の製
造(第2工程): モノクローナル抗ヒトAFP抗体(免疫動物;マウス)10m
gを0.05Mリン酸緩衝液(pH7.0)5.0mlに溶解し、N-(γ
‐マレイミドブチロキシ)スクシンイミド(GMBS)0.5m
gをジオキサン0.5mlに溶解して加えた。4℃で2時間反
応させた後、0.05Mリン酸緩衝液(pH7.0)1000mlで透析
(2時間)を2回行ってマレイミド化モノクローナル抗
ヒトAFP抗体溶液6mlを得た。
以下の方法によって求めたマレイミド基の導入量は、抗
体1分子に対して10分子であった。
マレイミド基の定量: マレイミド化抗体0.5mgを0.05Mリン酸緩衝液(pH7.0)
で全量を1mlとした後、13.4mMのシステイン10μl及び
0.1M EDTA溶液10μlをを加え、窒素雰囲気下37℃で30
分間反応させる。0.05Mリン酸緩衝液(pH7.0)1mlを加
えた後、0.67mM DTNB溶液0.2mlを加え、未反応のシステ
インを、5-メルカプト‐2-ニトロ安息香酸の412nmの吸
光度を測定することによって定量し、消費されたシステ
インの量を求め、抗体1分子当たりの消費されたシステ
インの量から導入されたマレイミド基の量を求めた。
(3)カタラーゼ標識モノクローナル抗ヒトAFP抗体の
製造(第3工程): 第1工程で製造したチオール化カタラーゼ溶液2ml(10m
g)と第2工程で製造したマレイミド化モノクローナル
抗ヒトAFP抗体溶液3ml(5mg)とを窒素雰囲気下で混合
し、4℃で16時間反応させた。
未反応のマレイミド基をブロックするためシステイン1m
gを加え、4℃で30分間反応させた後、0.05Mリン酸緩衝
液(pH7.0)1000mlで透析(2時間)を行った。更に、
未反応のチオール基をブロックするためN-エチルマレイ
ミド1mgを加え、4℃で30分間反応させた後、0.05Mリン
酸緩衝液(pH7.0)1000mlで透析(2時間)を行った。
次いで、遠心分離(12000rpm、5分間)により、沈澱物
を除去した後、高速液体カラムクロマトグラフィー〔カ
ラム;Sephadex G-3000SW(東洋ソーダ社製)、溶出液;
0.05Mリン酸緩衝液(pH7.0)〕に付し、最初の画分を集
めカタラーゼ標識モノクローナル抗ヒトAFP抗体溶液12m
lを得た。
実施例2(a),(b) カタラーゼ標識モノクローナル抗ヒトAFP抗体の製造: 以下の操作を2回繰り返し行って、夫々実施例2
(a),(b)のカタラーゼ標識モノクローナル抗ヒト
AFP抗体を得た。
実施例1に於いて、窒素雰囲気下で行う操作を、該操作
に代えて、全てエチレンジアミン四酢酸2ナトリウム塩
10-3Mを添加して行うことによりカタラーゼ標識モノク
ローナル抗ヒトAFP抗体溶液12mlを得た。
なお、上記で得られたチオール化カタラーゼのチオール
基導入量は、実施例1(1)と同様にして求めた結果、
カタラーゼ1分子に対して4分子であった。
実施例3 カタラーゼ標識モノクローナル抗hCG抗体の製造: (1)チオール化カタラーゼの製造(第1工程): 実施例1(1)と同様にしてチオール化カタラーゼ溶液
3mlを得た。
実施例1(1)と同様にして求めたチオール基の導入量
は、カタラーゼ1分子に対して4分子であった。
(2)マレイミド化モノクローナル抗hCG抗体の製造
(第2工程): モノクローナル抗hCG抗体3mgを0.05Mリン酸緩衝液(pH
7.0)1.5mlに溶解し、GMBS0.125mgをジオキサン125μg
に溶解して加えた。4℃で2時間反応させた後、0.05M
リン酸緩衝液(pH7.0)1000mlで透析(3時間)を2回
行ってマレイミド化モノクローナル抗hCG抗体溶液1.5ml
を得た。
実施例1(2)と同様にして求めたマレイミド基の導入
量は抗体1分子に対して11分子であった。
(3)カタラーゼ標識モノクローナル抗hCG抗体の製造
(第3工程): 第1工程で製造したチオール化カタラーゼ溶液2.4ml(1
2mg)と第2工程で製造したマレイミド化モノクローナ
ル抗hCG抗体溶液1.5ml(3mg)とを窒素雰囲気下で混合
し、4℃で16時間反応させた。
以下実施例1(3)と同様にしてカタラーゼ標識モノク
ローナル抗hCG抗体溶液9.6mlを得た。
【図面の簡単な説明】
第1図は製造例2、3で作成した免疫センサーの概略図
を表わす。 第2図は試験例2、3で用いたフロー式の測定装置の概
略図を表わす。 第3図は試験例2のヒトAFPの標準曲線を表わし、第4
図は試験例3のhCGの標準曲線を表わす。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カタラーゼに一般式(I) (式中、R1はC1〜C3のアルキル基を表わし、nは2〜4
    の整数を表わす。) で示されるメルカプトイミデート化合物を反応させ、 (nは前記に同じ。)をカタラーゼのアミノ基に導入す
    る第1工程と、 抗体に一般式(II) (式中、R2は脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素の二価
    残基を表わす。) で示されるスクシニルマレイミド化合物を反応させ、 (R2は前記に同じ。)を抗体の アミノ基に導入する第2工程と、 第1工程で得られるチオール化カタラーゼと第2工程で
    得られるマレイミド化抗体とを反応させ、 (n、R2は前記に同じ。)でカタラーゼと抗体とを結合
    させる第3工程とからなることを特徴とするカタラーゼ
    標識抗体の製造法。
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