JPH07324082A - 新規抗生物質dq112−a、その製造方法および抗腫瘍剤 - Google Patents

新規抗生物質dq112−a、その製造方法および抗腫瘍剤

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JPH07324082A
JPH07324082A JP11568594A JP11568594A JPH07324082A JP H07324082 A JPH07324082 A JP H07324082A JP 11568594 A JP11568594 A JP 11568594A JP 11568594 A JP11568594 A JP 11568594A JP H07324082 A JPH07324082 A JP H07324082A
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Kazutoshi Shindo
一敏 新藤
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Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】下記の式(1)で表される抗生物質DQ112−
A; ストレプトミセス属に属する抗生物質DQ112−A生
産菌を培地に培養し、その培養物から抗生物質DQ11
2−Aを採取する、抗生物質DQ112−Aの製造方法
および、上記の式(1)で表される抗生物質DQ112−
Aおよび下記の式(2)で表される抗生物質DQ112−
から成る群より選択される少なくとも一種の抗生物質を
有効成分として含む抗腫瘍剤。 【効果】抗生物質DQ112−Aは抗腫瘍剤として有用
であり、新規な抗腫瘍剤が提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規抗生物質、その製
造方法および抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】抗生物質は微生物が生産する物質であ
り、抗菌作用、抗ウィルス作用、抗腫瘍作用、酵素阻害
作用等の種々の有用な生理活性を有するので、臨床上広
く使用されている。例えば、マイトマイシンC、ブレオ
マイシン系抗生物質、アンスラサイクリン系抗生物質等
の抗生物質は抗腫瘍活性を有し、抗腫瘍剤として一般に
使用されている。このような抗腫瘍活性を有するさらな
る新規な抗生物質が要望されている。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、新規抗生物
質およびその製造方法を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、上記抗生物質および/またはその類縁化
合物を有効成分として含む抗腫瘍剤を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意努力
した結果、ストレプトミセス sp.DQ112(Strep
tomyces sp. DQ112)が生産するある種の抗生物質が抗腫
瘍活性を有し、また、そのうちの一種が新規化合物であ
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわ
ち、本発明は、下記の式(1)で表される抗生物質DQ1
12−Aを提供するものである。
【0005】
【化4】
【0006】また、本発明は、ストレプトミセス属に属
する抗生物質DQ112−A生産菌を培地に培養し、そ
の培養物から抗生物質DQ112−Aを採取することを
特徴とする、抗生物質DQ112−Aの製造方法を提供
するものである。さらに、本発明は、下記の式(1)で表
される抗生物質DQ112−Aおよび
【0007】
【化5】
【0008】下記の式(2)で表される抗生物質DQ11
2−B
【0009】
【化6】
【0010】から成る群より選択される少なくとも一種
の抗生物質を有効成分として含む抗腫瘍剤を提供するも
のである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の抗生物質DQ112−Aを生産す
る微生物は、ストレプトミセス属に属し抗生物質DQ1
12−Aの生産能を有する菌種である。その一例とし
て、下記に詳述するストレプトミセス sp.DQ11
2(Streptomyces sp. DQ112)(以下、「DQ112株」
と称する)を挙げることができる。また、DQ112株
の自然的および人工的変異株を使用してもよい。
【0012】上記DQ112株は、青森県鰺ケ沢で採取
した土壌中より分離されたもので、工業技術院生命工学
工業技術研究所に平成6年4月12日付けで寄託され、そ
の微生物受託番号はFERM BP-4633である。
【0013】DQ112株は、次の菌学的性質を有す
る。
【0014】1.形態学的特徴 DQ112株は、シュクロ−ス・硝酸塩寒天培地、グル
コ−ス・アスパラギン寒天培地、グリセロ−ル・アスパ
ラギン寒天培地、スタ−チ・無機塩寒天培地、チロシン
寒天培地、栄養寒天培地、イ−スト・麦芽寒天培地、及
び、オ−トミ−ル寒天培地で良く生育し、気菌糸の着生
も良好である。基生菌糸より生じた気菌糸は、単純分枝
をなして伸長し、胞子の連鎖は30〜50個程度で、胞子鎖
は螺旋状である。胞子形は円筒形または俵形で、大きさ
は0.5〜0.8×0.8〜1.0μmであり、その表面は平滑であ
る。また、胞子嚢、鞭毛胞子、菌核などの特殊形態は認
められない。
【0015】2.各種培地における生育状態 DQ112株を下記に示す培地にて27℃で、3週間培養
し、それぞれの培地における生育状態を観察した。
【0016】1)シュクロース・硝酸塩寒天培地 生 育:良好 気 菌 糸:貧弱 気菌糸の色:明るい茶 裏面の色 :暗い赤茶 可溶性色素:なし
【0017】2)グルコース・アスパラギン寒天培地 生 育:良好 気 菌 糸:良好 気菌糸の色:明るい茶灰 裏面の色 :暗い黄 可溶性色素:なし
【0018】3)グリセロール・アスパラギン寒天培地 生 育:良好 気 菌 糸:中程度 気菌糸の色:明るい茶灰 裏面の色 :暗い黄 可溶性色素:なし
【0019】4)スターチ・無機塩寒天培地 生 育:良好 気 菌 糸:良好 気菌糸の色:茶灰 裏面の色 :暗い黄茶 可溶性色素:なし
【0020】5)チロシン寒天培地 生 育:良好 気 菌 糸:良好 気菌糸の色:明るいオリーブ灰 裏面の色 :赤茶 可溶性色素:なし
【0021】6)栄養寒天培地 生 育:良好 気 菌 糸:貧弱 気菌糸の色:黄茶 裏面の色 :黄茶 可溶性色素:なし
【0022】7)イースト・麦芽寒天培地 生 育:良好 気 菌 糸:良好 気菌糸の色:茶灰 裏面の色 :暗い黄 可溶性色素:なし
【0023】8)オートミール寒天培地 生 育:良好 気 菌 糸:良好 気菌糸の色:茶灰 裏面の色 :暗い黄 可溶性色素:なし
【0024】3.生理的性質 1)生育温度範囲 15〜37℃ 2)メラニン様色素の生成 チロシン寒天培地 陽性 ペプトン・イースト・鉄寒天培地 陽性 トリプトン・イースト液体培地 陽性 3)スターチの加水分解 陰性 4)ゼラチンの液化 陽性 5)脱脂乳の凝固 陰性 6)脱脂乳のペプトン化 陰性 7)硝酸塩の還元能 陽性 8)炭素源の利用性 プリドハム・ゴトリーブ寒天培地上での炭素源の利用性
は以下に示すとおりである。
【0025】 L−アラビノース + ラフィノース + D−キシロース − D−マンニトール + D−グルコース + ガラクトース + D−フラクトース + ソルビトール − シュークロース + D−マンノース + イノシトール + マルトース + L−ラムノース + +:利用する −:利用しない
【0026】4.化学分類学的性質 細胞壁の構成成分の1つであるジアミノピメリン酸を分
析した結果、LL型であった。
【0027】上記性質をISP(インタ−ナショナル・
ストレプトミセス・プロジェクト)の記載(E.B.Shirli
ng and D.Gottlieb:Int.J.Syst.Bact)、及び、バ−ジ
−ズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリ
オロジ−(Bergey's Manualof Systematic Bacteriolog
y)の記載と対比したところ、DQ112株はストレプ
トミセス属に属する菌株であると同定された。
【0028】ストレプトミセス属に属する抗生物質DQ
112−A生産菌を培地に培養し、その培養物から抗生
物質DQ112−Aを採取することにより、本発明の抗
生物質DQ112−Aを製造することができる。DQ1
12−A生産菌は常法に従って培養することができ、培
養の形態は、液体培養でも固体培養でもよいが、工業的
に有利に培養するためには、好気的液体培養が適してい
る。
【0029】培地は、DQ112−A生産菌が利用しう
る任意の栄養源を含有するものであればよい。具体的に
は、炭素源として、グルコース、シュクロース、ガラク
トース、グリセロール及び油脂類などが、窒素源とし
て、大豆粉、魚粉、綿実粕、乾燥酵母、酵母エキス、及
びコーンスティープリカーなどの有機物、並びにアンモ
ニウム塩または硝酸塩、たとえば硫酸アンモニウム、硝
酸ナトリウム及び塩化アンモニウムなどの無機物が利用
できる。必要に応じ、臭化カリウム、塩化ナトリウム、
塩化カリウム、炭酸カルシウム、燐酸塩、重金属塩など
の無機塩類を添加することもできる。発酵中の発泡を抑
制するため、慣用の適する消泡剤、たとえばシリコーン
油を添加することもできる。
【0030】培養温度、培養時間等の培養条件は使用す
る菌の発育に適し、しかもDQ112−Aの生産が最高
となるような条件が選ばれる。例えば、培地のpHはp
H6〜8が適当であり、pH6.5〜7.5が好ましく、培養
温度は15〜35℃が適当であり、25〜30℃が好ましい。攪
拌速度は、150〜 250rpmが適当であり、180〜220rpmが
好ましく、また、培養時間は、120〜 216時間が適当で
あり、144〜192時間が好ましい。しかし、これらの培養
組成物、培地のpH、培養温度、攪拌速度、培養時間等
の培養条件は、使用する菌株の種類や、外部の条件など
に応じて所望の結果が得られるように適宜調節されるべ
きであることはいうまでもない。
【0031】DQ112−Aが蓄積された培養物中にお
いて、DQ112−Aは培養濾液及び菌体中に存在す
る。これらからDQ112−Aを採取するには、培養物
から代謝産物を採取するのに通常使用される手段を適宜
利用することができるが、第1の手法は抽出操作であ
る。具体的には、培養濾液中に存在するDQ112−A
をCHCl3:MeOH (10:1) の混合溶剤、酢酸エチル、n−ブ
タノール等の水不混和性溶媒、例えば酢酸エチルで抽出
することができる。菌体中のDQ112−Aについて
は、濾過・遠心分離などで菌体集体を得、これをメタノ
ール、エタノール、アセトンなどで処理することによ
り、DQ112−Aの粗標品を得ることができる。上記
の操作において、菌体の分離を省略し、培養物をそのま
ま抽出操作に付してもよい。適当な溶媒による向流分配
法も、広義の抽出の範疇に含めることができる。
【0032】DQ112−Aを採取するための第2の手
法は、吸着法によるものである。DQ112−Aを含有
する液状物、例えば培養濾液や抽出液に適当な吸着剤、
例えばシリカゲル、活性炭、「ダイヤイオンHP20」
(三菱化成社製)などを作用させて、DQ112−Aを
吸着せしめた後、適当な溶媒で溶離して、これを減圧濃
縮乾固することにより、DQ112−Aの粗標品が得ら
れる。
【0033】かくして得られたDQ112−Aの粗標品
をさらに精製するには、上記の抽出および吸着操作に加
えて、必要に応じ、ゲル濾過法、高速液体クロマトグラ
フィーなどを必要回数行ってもよい。具体的には、シリ
カゲルなどの吸着剤、「トヨパールHW40」(東洋ソ
ーダ社製)などのゲル濾過剤によるカラムクロマトグラ
フィー、「YMCパック」(山村科学社製)などによる
高速液体クロマトグラフィー、さらにこれらと向流分配
法を組合わせてさらなる精製を行うことが可能である。
好ましくは、DQ112−Aの粗標品を少量のメタノー
ルに溶解し、「トヨパールHW40」カラムに付し、メ
タノールで活性画分を溶出せしめ、これを濃縮乾固し
て、DQ112−Aの純品を得るとよい。
【0034】上記のような微生物の培養以外の方法で、
DQ112−Aを製造することも可能であろう。例え
ば、類縁化合物から出発して、DQ112−Aを合成化
学的ないし微生物学的修飾により製造してもよい。さら
に、微生物の培養による場合でも、DQ112−Aの生
産に関与する遺伝子を適当な宿主微生物に組み込み、得
られた形質転換体を培養し、この培養物からDQ112
−Aを取得するような遺伝子工学的手法を用いてもよ
い。
【0035】上記のようにして得られるDQ112−A
の物理化学的性質は以下のとおりである。
【0036】外観 :黄色粉末 融点 :153〜155℃(分解) 溶解性 :メタノール、エタノール、クロロホルム、ア
セトンおよび酢酸エチルに可溶、水およびn−ヘキサン
に不溶 薄層クロマトグラフィー:メルク社製シリカゲル60F
254 溶媒 クロロホルム:メタノール=15:1 Rf値 0.48 FAB−MSスペクトル(m/z):(M+H)+ 713 紫外線吸収スペクトル:図1に示す。 λMeOH max nm(ε) 218 (29200)、318 (4700)、425
(5100) 赤外線吸収スペクトル(KBrディスク法):図2に示
す。1 H−NMRスペクトル(500 MHz, 重ベンゼン中) :図
3に示す。13 C−NMRスペクトル(125 MHz, 重ベンゼン中) :図
4に示す。
【0037】分子式 :C374414 上記の物理化学的性質から、DQ112−Aは以下の式
(1)で表される新規化合物であることが明らかとなっ
た。
【0038】
【化7】
【0039】DQ112−Aは、抗菌活性、抗腫瘍活
性、血小板凝集阻害活性等の生理活性を有し、抗菌剤、
抗腫瘍剤、抗血液凝固剤等に使用することが可能であ
る。腫瘍の治療を目的として、本発明の抗生物質DQ1
12−Aおよびその類縁化合物で以下の式(2)で表わさ
れる化合物DQ112−Bを使用することができる。
【0040】
【化8】
【0041】DQ112−Bは、上記のDQ112株に
より生産される抗生物質のひとつであり、DQ112−
Aの製造方法と同様の方法で製造することができる。例
えば、DQ112株の培養物から酢酸エチル等の水不混
和性溶媒で抽出し、濃縮した後、シリカゲルカラム等の
適当な吸着カラムにかけて、DQ112−AとDQ11
2−Bとの混合物の画分を得てこれを濃縮し、その後、
この濃縮物を例えばトヨパールHW40カラム等の適当な
ゲル濾過カラムにかけ、例えばメタノール等の適当な溶
媒で活性画分を溶出させることによりDQ112−Aと
DQ112−Bを分離し、さらに精製することによりD
Q112−Bを得ることができる。
【0042】このようにして得られるDQ112−Bの
物理化学的性質は以下のとおりである。
【0043】外観 :黄色粉末 融点 :143〜145℃(分解) 溶解性 :メタノール、エタノール、クロロホルム、ア
セトンおよび酢酸エチルに可溶、水およびn−ヘキサン
に不溶 薄層クロマトグラフィー:メルク社製シリカゲル60F
254 溶媒 クロロホルム:メタノール=15:1 Rf値 0.48 FAB−MSスペクトル(m/z):(M+H)+ 711 紫外線吸収スペクトル:図5に示す。 λMeOH max nm(ε) 218 (31000)、318 (4500)、425
(5000) 赤外線吸収スペクトル(KBrディスク法):図6に示
す。1 H−NMRスペクトル(500 MHz, 重ベンゼン中) :図
7に示す。13 C−NMRスペクトル(125 MHz, 重ベンゼン中) :図
8に示す。 分子式 :C374214
【0044】抗生物質DQ112−Aおよび抗生物質D
Q112−Bから成る群より選択される少なくとも一種
の抗生物質を有効成分として含む抗腫瘍剤は、経口およ
び非経口投与のいずれの投与経路でも使用可能である。
具体的には、動物の場合は、腹腔内投与、皮下投与、静
脈または動脈への血管内投与および注射による局所投与
などの方法により投与することができ、また、ヒトの場
合は、静脈内投与、動脈内投与、注射による局所投与、
腹腔、胸腔への投与、経口投与、皮下投与、筋肉内投
与、舌下投与、経皮吸収、または直腸投与などの方法に
より投与することができる。
【0045】上記の抗腫瘍剤は、投与方法、投与目的に
よってきまる適当な剤型、例えば、注射剤、点滴剤、懸
濁剤、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、細粒剤、軟膏
剤、クリーム剤等に製剤化することができる。これらの
製剤を製造するには、製薬上許容される担体あるいは希
釈剤の他、可溶化剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定
剤、等張化剤、保存剤、抗酸化剤等を添加することがで
きる。
【0046】担体あるいは希釈剤としては、液体、ゲ
ル、固体のいかなる形態のものも使用することができ、
水、生理食塩水等の液体材料、乳糖、デンプン、結晶セ
ルロース、マンニトール、マルトース、リン酸水素カル
シウム、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウム等の固体材
料、および、無脂肪性軟膏、ゲルベース、ローション、
FAPG基剤等のゲル材料を挙げることができる。ま
た、可溶化剤として、エタノール、ポリソルベート等
が、結合剤としては、デンプン、ポリビニルピロリド
ン、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム等が、
崩壊剤としては、デンプン、カルボキシメチルセルロー
スカルシウム等が、滑沢剤としては、ステアリン酸マグ
ネシウム、タルク、硬化油等が、安定剤としては、乳
糖、マンニトール、マルトース、ポリソルベート類、マ
クロゴール類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が、
等張化剤として、食塩、ブドウ糖、クエン酸塩、酢酸
塩、リン酸塩等が、保存剤として、安息香酸、パラオキ
シ安息香酸エステル、デヒドロ酢酸、ホウ酸、クロロブ
タノール、ベンジルアルコール等が、抗酸化剤として、
トコフェノール、アスコルビン酸、クエン酸等があげら
れる。また、必要に応じて、グリセリン、ジメチルアセ
トアミド、70%乳酸ナトリウム、界面活性剤、塩基性物
質(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、炭
酸ナトリウム、アルギニン、メグルミン、トリスアミノ
メタン)を添加することもできる。
【0047】有効成分である抗生物質の投与量は、対象
とする腫瘍を有効に治療するのに十分な量であればよい
が、投与方法、患者または被処理動物の年齢、体重、性
別、感受性および食事(食餌)投与時間、併用する薬
剤、病気の程度等に応じて変化することは言うまでもな
い。一般には、成人1日あたり0.01〜500mg程度の投
与量が適当であり、0.1〜100mg程度の投与量が好まし
い。
【0048】マウスを用いてDQ112−AおよびDQ
112−Bの急性毒性試験を行ったところ、DQ112
−Aの毒性値は、静注で6.25〜12.5mg/Kg であり、DQ
112−Bの毒性値は、静注で6.25〜12.5mg/Kg であっ
た。以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、
本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0049】
【実施例】
〔製造例〕 DQ112株からのDQ112−AおよびDQ112−
Bの製造
【0050】(1)種母の調製 下記の組成の成分を1リットルの水に溶解して培地を調
製した。 グルコース 25.0g ソイビーンミール 15.0g ドライイースト 2.5g 炭酸カルシウム 4.0g pH 6.2 上記培地100mlを500ml容のイボ付き三角フラスコヘ
分注し、殺菌した後、DQ112株をスラントより各々
のフラスコヘ1白金耳ずつ接種し、27℃にて7日間、20
0rpmで振盪培養した。
【0051】(2)DQ112−AおよびDQ112−
Bの採取 上記の条件で培養後、培養液(1リットル)をブフナー
濾過して菌体を得た。この菌体を0.5リットルのアセト
ンで抽出した。抽出液を減圧下0.2リットルに濃縮後、
培養濾液と合一し、等量の酢酸エチルで2回抽出した。
抽出液に無水硫酸ナトリウムを添加して脱水し、濾過し
た後、濾液を濃縮し、150mgの濃縮物を得た。この濃
縮物をクロロホルム−メタノ−ル(100:1)で平衡化
したシリカゲル(和光純薬製「ワコーゲル C−20
0])のカラム(3cmφ×30cm)にかけ、同一組成
の溶液300mlで展開した。DQ112−AとDQ11
2−Bは、その混合物として全く同じ画分に溶出され
た。この画分(65mg) を集めて減圧下濃縮後、メタノー
ルに溶解し、トヨパールHW40カラム(3cmφ x
50cm)にかけ、メタノールで活性画分を溶出させた。
このカラムクロマトによりDQ112−AおよびDQ1
12−Bをそれぞれ分離し、それぞれの画分を濃縮乾固
することにより、精製DQ112−Aを25mg、精製D
Q112−Bを20mg得た。
【0052】精製DQ112−Aの紫外線吸収スペクト
ル(メタノール中)、赤外線吸収スペクトル(KBrデ
ィスク法)、 1H−NMRスペクトル(500 MHz, 重ベン
ゼン中) および13C−NMRスペクトル(125 MHz, 重ベ
ンゼン中) を、それぞれ、図1、2、3および4に示
す。また、精製DQ112−Bの紫外線吸収スペクトル
(メタノール中)、赤外線吸収スペクトル(KBrディ
スク法)、 1H−NMRスペクトル(500 MHz, 重ベンゼ
ン中) および13C−NMRスペクトル(125 MHz, 重ベン
ゼン中) を、それぞれ、図5、6、7および8に示す。
【0053】〔試験例〕 DQ112−AおよびDQ112−Bの抗腫瘍活性の測
定 U底96穴マイクロプレートにて、RPMI 1640に牛胎
児血清(10%)、ペニシリン(100U/ml),ストレ
プトマイシン(100μg/ml)、2−メルカプトエタ
ノール(5.0 x10-5M)を加えた培地で被試験物質DQ
112−AおよびDQ112−Bを、それぞれ、1.0〜
0.01μg/mlに段階希釈し、これにマウスの腫瘍細胞
であるL1210細胞5x103/ウエルを加え、5%CO2
のインキュベーター中で、37゜Cで2日間培養した後、
細胞数をMTT法(Michael C. Alley et al., Cancer
Res., 48 589-601 (1988))でカウントした。なお、被試
験物質は水に難溶なので、メタノールに溶解した後、上
記の培地で希釈した。コントロールとして、被試験物質
を添加しなかった他は上記の操作を繰り返した。
【0054】細胞数がコントロールの50%に減少した濃
度をIC50(μg/ml)として、DQ112−Aおよ
びDQ112−BのIC50を測定した。その結果、DQ
112−AのIC50は0.16μg/mlであり、DQ11
2−BのIC50は 0.16μg/mlであった。
【0055】
【発明の効果】本発明により、新規抗生物質DQ112
−Aおよびその製造方法が提供された。抗生物質DQ1
12−Aは、抗腫瘍活性を有するので、抗腫瘍剤として
有用である。また、本発明により、有効な抗腫瘍剤が提
供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の抗生物質DQ112−Aの紫
外線吸収スペクトル(メタノール中)を示す図である。
【図2】図2は、抗生物質DQ112−Aの赤外線吸収
スペクトル(KBrディスク法)を示す図である。
【図3】図3は、抗生物質DQ112−Aの 1H−NM
Rスペクトル(500MHz、重ベンゼン中)を示す図であ
る。
【図4】図4は、抗生物質DQ112−Aの13C−NM
Rスペクトル(125MHz、重ベンゼン中)を示す図であ
る。
【図5】図5は、抗生物質DQ112−Bの紫外線吸収
スペクトル(メタノール中)を示す図である。
【図6】図6は、抗生物質DQ112−Bの赤外線吸収
スペクトル(KBrディスク法)を示す図である。
【図7】図7は、抗生物質DQ112−Bの 1H−NM
Rスペクトル(500MHz、重ベンゼン中)を示す図であ
る。
【図8】図8は、抗生物質DQ112−Bの13C−NM
Rスペクトル(125MHz、重ベンゼン中)を示す図であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(1)で表される抗生物質DQ1
    12−A。 【化1】
  2. 【請求項2】 ストレプトミセス属に属する抗生物質D
    Q112−A生産菌を培地に培養し、その培養物から抗
    生物質DQ112−Aを採取することを特徴とする、抗
    生物質DQ112−Aの製造方法。
  3. 【請求項3】 下記の式(1)で表される抗生物質DQ1
    12−Aおよび 【化2】 下記の式(2)で表される抗生物質DQ112−B 【化3】 から成る群より選択される少なくとも一種の抗生物質を
    有効成分として含む抗腫瘍剤。
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