JPH0740950B2 - 微生物によるニコチアナミンの製造法 - Google Patents
微生物によるニコチアナミンの製造法Info
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- JPH0740950B2 JPH0740950B2 JP23513286A JP23513286A JPH0740950B2 JP H0740950 B2 JPH0740950 B2 JP H0740950B2 JP 23513286 A JP23513286 A JP 23513286A JP 23513286 A JP23513286 A JP 23513286A JP H0740950 B2 JPH0740950 B2 JP H0740950B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アンジオテンシン変換酵素抑制作用をもニコ
チアナミンの微生物学的製造法に関する。
チアナミンの微生物学的製造法に関する。
本発明の方法により製造されるニコチアナミンは、下記
式(I)で表される化合物である。
式(I)で表される化合物である。
ニコチアナミンは1971年にノマ(Noma)らによつてタバ
コ(Nicotiana tabacumL.)葉中から発見され〔M.Noma
et al.,Tetrahedron Letters,No.22,pp2017−2020(197
1)、但し、構造はKristensen et al.,Phytochemistry,
13,pp2791−2798(1974)により訂正〕、続いて、イ
ネ、クコ、ブナなど多くの植物から単離され、この物質
が広く植物界に分布していることが確認されている。ま
た、担子菌類(Basidiomycetes)の菌体中にもその存在
が報告されている〔R.Armin et al.,Biochem.Physiol.P
flanz.,180(8),557−63(1985)〕。しかし、接合菌
類(Zygomycetes)の液体培養物中にニコチアナミンが
蓄積されることは知られていない。また、ニコチアナミ
ンの生理活性については、細胞内の鉄の移動あるいは代
謝に重要な役割を演じているPhytosiderophoreであると
の報告〔M.Budensky et al.,Phytochemistry,19(11),
2295−2297(1980)〕はあるものの、アンジオテンシン
変換酵素を阻害するとの報告はされていない。アンジオ
テンシン変換酵素を阻害する化合物は、人の高血圧の治
療に有効であることが知られている。
コ(Nicotiana tabacumL.)葉中から発見され〔M.Noma
et al.,Tetrahedron Letters,No.22,pp2017−2020(197
1)、但し、構造はKristensen et al.,Phytochemistry,
13,pp2791−2798(1974)により訂正〕、続いて、イ
ネ、クコ、ブナなど多くの植物から単離され、この物質
が広く植物界に分布していることが確認されている。ま
た、担子菌類(Basidiomycetes)の菌体中にもその存在
が報告されている〔R.Armin et al.,Biochem.Physiol.P
flanz.,180(8),557−63(1985)〕。しかし、接合菌
類(Zygomycetes)の液体培養物中にニコチアナミンが
蓄積されることは知られていない。また、ニコチアナミ
ンの生理活性については、細胞内の鉄の移動あるいは代
謝に重要な役割を演じているPhytosiderophoreであると
の報告〔M.Budensky et al.,Phytochemistry,19(11),
2295−2297(1980)〕はあるものの、アンジオテンシン
変換酵素を阻害するとの報告はされていない。アンジオ
テンシン変換酵素を阻害する化合物は、人の高血圧の治
療に有効であることが知られている。
ニコチアナミンは、植物の葉などからの抽出法や化学合
成法などによつて製造されることが知られているが、植
物体からの抽出法では大量の植物体を恒常的に確保する
ことが困難であり、化学合成法ではラセミ体が生成する
ため、その分割のための工程が必要となるので、製造工
程が煩雑となる。
成法などによつて製造されることが知られているが、植
物体からの抽出法では大量の植物体を恒常的に確保する
ことが困難であり、化学合成法ではラセミ体が生成する
ため、その分割のための工程が必要となるので、製造工
程が煩雑となる。
本発明者らは、微生物培養物中にアンジオテンシン変換
酵素阻害物質の検索を続けた結果、バシデイオボルス属
に属するある菌株の培養物中にニコチアナミンが大量に
蓄積されていることを見出し、本発明を完成した。
酵素阻害物質の検索を続けた結果、バシデイオボルス属
に属するある菌株の培養物中にニコチアナミンが大量に
蓄積されていることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、バシデイオボルス属に属しニコチ
アナミンを生産する能力を有する微生物を培地に培養
し、培養物中にこれを生成蓄積させ採取することを特徴
とするニコチアナミンの製造法を提供するものである。
アナミンを生産する能力を有する微生物を培地に培養
し、培養物中にこれを生成蓄積させ採取することを特徴
とするニコチアナミンの製造法を提供するものである。
以下にニコチアナミンの製造法について具体的に説明す
る。
る。
(1) 生産菌及び生産菌の菌学的性状 本発明の方法に使用されるニコチアナミン生産菌として
は、バシデイオボルス属に属する微生物であつてその培
養物中に採取するに充分な量のニコチアナミンを生産す
る能力を有するものであればいかなるものであつてもよ
い。このような菌株の例としては、本発明者らにより土
壌より新たに分離されたMK3988株がある。MK3988株の菌
学的性状は下記の通りである。
は、バシデイオボルス属に属する微生物であつてその培
養物中に採取するに充分な量のニコチアナミンを生産す
る能力を有するものであればいかなるものであつてもよ
い。このような菌株の例としては、本発明者らにより土
壌より新たに分離されたMK3988株がある。MK3988株の菌
学的性状は下記の通りである。
(1) 各種培地上における培養上の特徴及び形態的性
質 1. ジヤガイモ・ブドウ糖寒天培地(PDA)上、30℃、
5日間培養 コロニーは5日間で直径4〜5cmに拡がる。色調は白
色、栄養菌糸は分枝する、直径25μmに至る、隔壁が入
り分節菌体(hypha segment)を形成する。分生子柄は
単一に栄養菌糸あるいは分節菌体から生じる、分枝せ
ず、幅は4.6〜10μm、先端が槍形上に膨潤して、胞子
嚢下部膨潤部を形成する。胞子嚢下部膨潤部は長さ21.0
〜28.0μm、巾10.7〜15.0μmの大きさ;膨潤部は先端
に1個の出芽型分生子を形成する(第一次分生子)分生
子は無色、洋ナシ形、21.5〜65.6×20.5〜60μmの大き
さ、生分子基部に微細な円錐形の突出部を有する。分生
子は胞子 下部膨潤部の内圧が高まるにつれ、能動的に
射出される。射出分生子は発芽して菌糸を出じるか、又
は第二次分生子あるいは粘着性分生子(Adhensive coni
dia)を生じる。第二次分生子は第一次分生子とほぼ同
形同大。粘着性分生子は第一あるいは第二次分生子から
生じた毛細管状の柄の先端に形成される、楕円形、長さ
40〜45μm、巾は13〜21μm、脱落性、先端に粘着性の
サツクを有する。
質 1. ジヤガイモ・ブドウ糖寒天培地(PDA)上、30℃、
5日間培養 コロニーは5日間で直径4〜5cmに拡がる。色調は白
色、栄養菌糸は分枝する、直径25μmに至る、隔壁が入
り分節菌体(hypha segment)を形成する。分生子柄は
単一に栄養菌糸あるいは分節菌体から生じる、分枝せ
ず、幅は4.6〜10μm、先端が槍形上に膨潤して、胞子
嚢下部膨潤部を形成する。胞子嚢下部膨潤部は長さ21.0
〜28.0μm、巾10.7〜15.0μmの大きさ;膨潤部は先端
に1個の出芽型分生子を形成する(第一次分生子)分生
子は無色、洋ナシ形、21.5〜65.6×20.5〜60μmの大き
さ、生分子基部に微細な円錐形の突出部を有する。分生
子は胞子 下部膨潤部の内圧が高まるにつれ、能動的に
射出される。射出分生子は発芽して菌糸を出じるか、又
は第二次分生子あるいは粘着性分生子(Adhensive coni
dia)を生じる。第二次分生子は第一次分生子とほぼ同
形同大。粘着性分生子は第一あるいは第二次分生子から
生じた毛細管状の柄の先端に形成される、楕円形、長さ
40〜45μm、巾は13〜21μm、脱落性、先端に粘着性の
サツクを有する。
接合胞子は近接した分節菌体の融合によつて形成され
る、球形〜亜球形、直径30.7〜40μmに至る。接合胞子
内部には油滴状物質が含有されている。接合胞子壁は2
〜4μmの厚さ、平滑。ホモタリツク種。
る、球形〜亜球形、直径30.7〜40μmに至る。接合胞子
内部には油滴状物質が含有されている。接合胞子壁は2
〜4μmの厚さ、平滑。ホモタリツク種。
2. 麦芽寒天粉末培地(MA)上、27℃、5日間の培養 本培地上での培養上の特徴、形態上の性質は上記PDA上
での性質と一致する。
での性質と一致する。
(2) 生理的性質 1. 最適生育条件(PDA培地、5日間の培養) 最適pH:5〜7 最適温度:30〜37℃ 2. 生育の範囲 pH:3〜9 温度:20〜37℃、40℃では生育せず (3) 分類学的考案 1. 属レベルの同定 本菌株(MK398)は、1)基底菌糸が隔壁の挿入により
分節菌体(hyphal segments)を形成する、2)分生子
柄は下部膨潤部を形成する、3)分生子は下部膨潤部よ
り出芽によつて常に1個形成される、4)分生子は能動
的に射出される、5)有性生殖は隣接菌糸あるいは分節
体の接合(配偶子嚢接合)による、6)ホモタリツク
種。
分節菌体(hyphal segments)を形成する、2)分生子
柄は下部膨潤部を形成する、3)分生子は下部膨潤部よ
り出芽によつて常に1個形成される、4)分生子は能動
的に射出される、5)有性生殖は隣接菌糸あるいは分節
体の接合(配偶子嚢接合)による、6)ホモタリツク
種。
これらの諸性質はC.Drechsler,Jour.Washington Acad.S
oi 45:49−56(1955)及びJ.Coremans−Pelseneer,Acta
Zoologica et Pathologica 60:1−143(1974)に記載
されているバシデイオボルス(Basidiobolus)属の特徴
によく合致した。
oi 45:49−56(1955)及びJ.Coremans−Pelseneer,Acta
Zoologica et Pathologica 60:1−143(1974)に記載
されているバシデイオボルス(Basidiobolus)属の特徴
によく合致した。
よつて本菌株(MK3988)は接合菌亜門−接合菌網−ハエ
カビ目−Basidiobolaceaeのバシデイオボルス(Basidio
bolus)属に帰属する。
カビ目−Basidiobolaceaeのバシデイオボルス(Basidio
bolus)属に帰属する。
2. 種レベルの同定 C.Drechsler,Jour.Washingtom Acad.Sci 45;49−56(19
55)、R.K.Benjamin,Aliso 5(2),223−233(1962),
D.L.Greer & L.Friedman,Sabouraudia 4;231−241(19
66),M.C.Srinivasan & M.T.Thirumalachar,Mycopath.
Mycologia Applicat a33;56−64(1967)及びJ.Coreman
s−Pelsneer,Acta Zoologica et Pathologica 60;1−14
3(1974)のバシデイオボルス(Basidiobolus)属菌に
関する分類学的文献によれば、本属には5種(B.ranaru
m,B.microsporus,B.magnus,B.haptosporus,B.meristosp
orus)が含まれている。これらの5種は1)接合胞子の
細胞壁の肥厚度合、2)37℃での生育の可否、3)気中
菌糸の発達程度、4)放線菌臭(ストレプトマイセス
臭、Streptomyces臭)の有無、5)ミクロコニデイ(mi
croconidia)の有無によつて識別されている。
55)、R.K.Benjamin,Aliso 5(2),223−233(1962),
D.L.Greer & L.Friedman,Sabouraudia 4;231−241(19
66),M.C.Srinivasan & M.T.Thirumalachar,Mycopath.
Mycologia Applicat a33;56−64(1967)及びJ.Coreman
s−Pelsneer,Acta Zoologica et Pathologica 60;1−14
3(1974)のバシデイオボルス(Basidiobolus)属菌に
関する分類学的文献によれば、本属には5種(B.ranaru
m,B.microsporus,B.magnus,B.haptosporus,B.meristosp
orus)が含まれている。これらの5種は1)接合胞子の
細胞壁の肥厚度合、2)37℃での生育の可否、3)気中
菌糸の発達程度、4)放線菌臭(ストレプトマイセス
臭、Streptomyces臭)の有無、5)ミクロコニデイ(mi
croconidia)の有無によつて識別されている。
本菌株(MK3988)は、1)接合胞子外壁は平滑である、
2)37℃での生育良好、3)各種培地上での気中菌糸の
形成顕著、4)ストレプトマイセス(Streptomyces)臭
を欠く、5)ミクロコニデイア(microconidia)を形成
しないという特徴を有することから、C.Drechsler,Jou
r.Washington Acad.Sci 45;49−5(1955)に記載され
ているバシデイオボルスメリストスポルス(Basidiobol
us meristosporus)の諸性質とよく一致した。
2)37℃での生育良好、3)各種培地上での気中菌糸の
形成顕著、4)ストレプトマイセス(Streptomyces)臭
を欠く、5)ミクロコニデイア(microconidia)を形成
しないという特徴を有することから、C.Drechsler,Jou
r.Washington Acad.Sci 45;49−5(1955)に記載され
ているバシデイオボルスメリストスポルス(Basidiobol
us meristosporus)の諸性質とよく一致した。
従つて本菌株はバジデイオボルスメリストスポルス(Ba
sidiobolus meristosporus)MK3988と同定された。
sidiobolus meristosporus)MK3988と同定された。
MK3988株は工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌
寄第8983号(FERM P−8983)として受託されている。
寄第8983号(FERM P−8983)として受託されている。
本菌株、すなわちMK3988株は他の微生物の場合にみられ
るようにその性状が変化しやすい。たとえば、MK3988株
の、またはこの株に由来する突然変異株(自然発生また
は誘発性)、形質接合体または遺伝子組換え体であつて
もニコチアナミンの生産能を有するバシデイオボルス属
の菌はすべて本発明の方法に使用することができる。
るようにその性状が変化しやすい。たとえば、MK3988株
の、またはこの株に由来する突然変異株(自然発生また
は誘発性)、形質接合体または遺伝子組換え体であつて
もニコチアナミンの生産能を有するバシデイオボルス属
の菌はすべて本発明の方法に使用することができる。
(1) 培養法 本発明の方法では、前記の菌を通常の微生物が利用しう
る栄養物を含有する培地で培養する。栄養源としては、
グルコース、水あめ、デキストリン、シユクロース、澱
粉、糖蜜、動・植物の油等を使用できる。また窒素源と
して、大豆粉、小麦はい芽、コーンステイープ・リカ
ー、綿実かす、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸
アンモニウム、硝酸ソーダ、尿素等を使用できる。その
他、必要に応じ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、
マグネシウム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸、及びその
他のイオンを生成することのできる無機塩類を添加する
ことは有効である。また菌の生育を助け、ニコチアナミ
ンの生成を促進するような有機及び無機物を適当に添加
することができる。
る栄養物を含有する培地で培養する。栄養源としては、
グルコース、水あめ、デキストリン、シユクロース、澱
粉、糖蜜、動・植物の油等を使用できる。また窒素源と
して、大豆粉、小麦はい芽、コーンステイープ・リカ
ー、綿実かす、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸
アンモニウム、硝酸ソーダ、尿素等を使用できる。その
他、必要に応じ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、
マグネシウム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸、及びその
他のイオンを生成することのできる無機塩類を添加する
ことは有効である。また菌の生育を助け、ニコチアナミ
ンの生成を促進するような有機及び無機物を適当に添加
することができる。
培養液としては、好気的条件での培養法、特に深部培養
法が最も適している。培養に適当な温度は15−37℃であ
るが、多くの場合、26−30℃付近で培養する。ニコチア
ナミンの生産は培地や培養条件により異なるが、振とう
培養、タンク培養とも通常1−10日の間でその蓄積が最
高に達する。培養物中のニコチアナミンの蓄積量が最高
になつた時に培養を停止し、培養液から目的物質を単離
精製する。
法が最も適している。培養に適当な温度は15−37℃であ
るが、多くの場合、26−30℃付近で培養する。ニコチア
ナミンの生産は培地や培養条件により異なるが、振とう
培養、タンク培養とも通常1−10日の間でその蓄積が最
高に達する。培養物中のニコチアナミンの蓄積量が最高
になつた時に培養を停止し、培養液から目的物質を単離
精製する。
(3) 精製 本発明によつて得られるニコチアナミンの培養物からの
採取にあたつては、その性状を利用した通常の分離手
段、たとえば、溶媒抽出法、イオン交換樹脂法、吸着又
は分配カラムクロマト法、ゲルろ過法、透析法、沈殿法
等を単独で又は適宜組合わせて抽出精製することができ
る。たとえば、ニコチアナミンは培養菌体中からはアセ
トン−水又はメタノール−水で抽出される。また、培養
液中に蓄積されたニコチアナミンは強塩基性イオン交換
樹脂である“ダイヤイオンPK208"(三菱化成工業株式会
社社製)等に吸着される。
採取にあたつては、その性状を利用した通常の分離手
段、たとえば、溶媒抽出法、イオン交換樹脂法、吸着又
は分配カラムクロマト法、ゲルろ過法、透析法、沈殿法
等を単独で又は適宜組合わせて抽出精製することができ
る。たとえば、ニコチアナミンは培養菌体中からはアセ
トン−水又はメタノール−水で抽出される。また、培養
液中に蓄積されたニコチアナミンは強塩基性イオン交換
樹脂である“ダイヤイオンPK208"(三菱化成工業株式会
社社製)等に吸着される。
ニコチアナミンをさらに精製するには、シリカゲル
(“ワコーゲルC−200"、和光純薬工業株式会社製
等)、アルミナ等の吸着剤や“セフアデツクスG−10"
(フアルマシア社製)等を用いるクロマトグラフイーを
行うとよい。
(“ワコーゲルC−200"、和光純薬工業株式会社製
等)、アルミナ等の吸着剤や“セフアデツクスG−10"
(フアルマシア社製)等を用いるクロマトグラフイーを
行うとよい。
このようにして培養物中に生産されたニコチアナミンは
遊離の形、すなわちニコチアナミンそれ自体として分離
することができ、またニコチアナミンを含有する溶液又
はその濃縮液を塩基、たとえば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等のアルカリ金属化合物、たとえば水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化
合物、アンモニア等のような無機塩基、たとえばエタノ
ールアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン等の有機塩基、または酸、たとえば塩酸、硫酸、燐酸
などの無機酸またはたとえばギ酸、クエン酸、酒石酸等
の有機酸により、各工程の操作中、たとえば抽出、分離
又は精製の各工程の操作中に処理した場合、ニコチアナ
ミンは対応するその塩類の形に変化し、分離される。ま
た別にこのようにして製造されたニコチアナミンの塩類
は、常法により遊離のかたち、すなわちニコチアナミン
はそれ自体に容易に変化させることができる。
遊離の形、すなわちニコチアナミンそれ自体として分離
することができ、またニコチアナミンを含有する溶液又
はその濃縮液を塩基、たとえば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等のアルカリ金属化合物、たとえば水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化
合物、アンモニア等のような無機塩基、たとえばエタノ
ールアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン等の有機塩基、または酸、たとえば塩酸、硫酸、燐酸
などの無機酸またはたとえばギ酸、クエン酸、酒石酸等
の有機酸により、各工程の操作中、たとえば抽出、分離
又は精製の各工程の操作中に処理した場合、ニコチアナ
ミンは対応するその塩類の形に変化し、分離される。ま
た別にこのようにして製造されたニコチアナミンの塩類
は、常法により遊離のかたち、すなわちニコチアナミン
はそれ自体に容易に変化させることができる。
さらに遊離の形で得られたニコチアナミンを前記塩基に
より常法で対応するその塩類に変化させてもよい。
より常法で対応するその塩類に変化させてもよい。
したがつてニコチアナミンと同様に前記のようなその塩
類の製造法も、この発明の範囲内に包含されるものとす
る。
類の製造法も、この発明の範囲内に包含されるものとす
る。
前記製造法にしたがつて得られたニコチアナミンは下記
の物理化学的性質を有する。
の物理化学的性質を有する。
分子量及び分子式 303,C12H21N3O6 マススペクトル(FD−MS) m/z 304(M+H) 比較光度 ▲〔α〕25 D▼−48.3゜(c1.0,H2O) 赤外線吸収スペクトル(KBr法、cm-1) 3420,3030,2870,2600,2370,1580,1500,1470,1410,1370,
1350,1310,1290,1240,1220,1190,1150,1130,1110,1080,
1060,1010,970,940,920,880,840,800,760,670,590,570,
490,410 紫外線吸収スペクトル〔λmax nm(ε)〕 水溶液中、100μg/mlの濃度で特徴的な吸収を示さなか
つた。
1350,1310,1290,1240,1220,1190,1150,1130,1110,1080,
1060,1010,970,940,920,880,840,800,760,670,590,570,
490,410 紫外線吸収スペクトル〔λmax nm(ε)〕 水溶液中、100μg/mlの濃度で特徴的な吸収を示さなか
つた。
1H NHRスペクトル(400MHz) 重水溶液中、TSPを内部標準(0ppm)として測定した。
δ(ppm):4.80(1H,m),4.12(1H,dt),3.98(1H,d
d),3.90(1H,dd),3.78(1H,dd),3.44(1H,m),3.37
(1H,m),3.25(2H,m),2.87(1H,m),2.561H,m),2.25
(2H,m),2.17(2H,m), 13C NMRスペクトル(100MHz) 重水溶液中、ジオキサンを内部標準(67.4ppm)として
測定した。
d),3.90(1H,dd),3.78(1H,dd),3.44(1H,m),3.37
(1H,m),3.25(2H,m),2.87(1H,m),2.561H,m),2.25
(2H,m),2.17(2H,m), 13C NMRスペクトル(100MHz) 重水溶液中、ジオキサンを内部標準(67.4ppm)として
測定した。
δ(ppm):174.3,174.2,173.6,67.9,60.6,53.8,52.2,5
1.6,45.0,28.3,26.0,22.1 溶解性 水に可溶。メタノール、クロロホルム、酢酸エチル、ト
ルエン、ヘキサンに不溶。
1.6,45.0,28.3,26.0,22.1 溶解性 水に可溶。メタノール、クロロホルム、酢酸エチル、ト
ルエン、ヘキサンに不溶。
物質の色及び性状 白色微粉末 呈色反応 ニンヒドリン試薬に陽性 薄層クロマトグラフイー 〔実施例〕 以下に本発明の実施例を示すが、本発明は、その要旨を
越えない限り以下の実施例によつて限定されるものでは
ない。
越えない限り以下の実施例によつて限定されるものでは
ない。
実施例1 (培養) 水飴4.0%、大豆油0.3%、大豆粉2.0%、綿実油1.0%、
サングレイン0.5%、CaCO3 0.3%、FeSO4・7H2O 0.001
%、COCl2・6H2O 0.0001%及びNiCl2・6H2O 0.0001%を
含有する培地(pH6.0)を40mlずつ200ml三角フラスコ10
本に分注し、121℃において20分間高圧滅菌する。
サングレイン0.5%、CaCO3 0.3%、FeSO4・7H2O 0.001
%、COCl2・6H2O 0.0001%及びNiCl2・6H2O 0.0001%を
含有する培地(pH6.0)を40mlずつ200ml三角フラスコ10
本に分注し、121℃において20分間高圧滅菌する。
これにバシデイオボルス・メリストスポルス(Basidiob
olus meristosporus)MK3988株を1白金耳ずつ植菌し、
26℃において4日間、210回転にて振とう培養する。別
にコーンスターチ2.0%、グルコース0.5%、大豆油5
%、大豆粉6.25%、綿実油2.0%、スタミノール0.2%及
びCaCO3 1.0%を含有する培地(pH6.0)を80mlずつ500m
l三角フラスコ50本に分注し、121℃において20分間高圧
滅菌する。各フラスコに上記の方法で得られた前培養物
を4mlずつ接種し26℃において6日間、210回転にて振と
う培養する。得られた培養物を遠心分離して、上清3.2
を得た。
olus meristosporus)MK3988株を1白金耳ずつ植菌し、
26℃において4日間、210回転にて振とう培養する。別
にコーンスターチ2.0%、グルコース0.5%、大豆油5
%、大豆粉6.25%、綿実油2.0%、スタミノール0.2%及
びCaCO3 1.0%を含有する培地(pH6.0)を80mlずつ500m
l三角フラスコ50本に分注し、121℃において20分間高圧
滅菌する。各フラスコに上記の方法で得られた前培養物
を4mlずつ接種し26℃において6日間、210回転にて振と
う培養する。得られた培養物を遠心分離して、上清3.2
を得た。
実施例2 実施例1で得られた培養ろ液3.2Lを“ダイヤイオンPK−
208"(H+型300ml)のカラムに通し、通過液3.2Lのうち
の2Lをさらに“ダウエツクス1×2"(Cl-型300ml)のカ
ラムおよび活性炭(300ml)のカラムを順次通過させ
た。この通過液を濃縮乾燥すると39kgの褐色粉末が得ら
れた。
208"(H+型300ml)のカラムに通し、通過液3.2Lのうち
の2Lをさらに“ダウエツクス1×2"(Cl-型300ml)のカ
ラムおよび活性炭(300ml)のカラムを順次通過させ
た。この通過液を濃縮乾燥すると39kgの褐色粉末が得ら
れた。
実施例3 実施例2で得られた褐色粉末28gを少量の水に溶かした
のち20gのシリカゲルにまぶし減圧下充分乾燥した。こ
れをシリカゲル(1000ml)のカラムの上部に充填し展開
溶媒プロパノール−ピリジン−酢酸−水(50:10:3:6)4
00ml、次いでプロパノール−ピリジン−酢酸−水(15:1
0:3:12)6000mlで展開するとFr・150−270にニコチアナ
ミンを主に含む画分が溶出され、これを濃縮乾固すると
53.4gの白色粉末が得られた。
のち20gのシリカゲルにまぶし減圧下充分乾燥した。こ
れをシリカゲル(1000ml)のカラムの上部に充填し展開
溶媒プロパノール−ピリジン−酢酸−水(50:10:3:6)4
00ml、次いでプロパノール−ピリジン−酢酸−水(15:1
0:3:12)6000mlで展開するとFr・150−270にニコチアナ
ミンを主に含む画分が溶出され、これを濃縮乾固すると
53.4gの白色粉末が得られた。
この白色粉末を18gを少量の水に溶かし“セフアデツク
スG−10"(800ml)のカラムの上部に乗せ、水で展開し
ニコチアナミンを主に含む画分を集め、減圧濃すると24
9mgの白色粉末が得られた。
スG−10"(800ml)のカラムの上部に乗せ、水で展開し
ニコチアナミンを主に含む画分を集め、減圧濃すると24
9mgの白色粉末が得られた。
実施例4 実施例3で最後に得られた白色粉末104mgを少量の水に
とかし、“ダイヤイオンPK−208"(H+,50ml)のカラム
に吸着させ、水洗後に0.5Nの水酸化アンモニウムで溶離
した。この溶離液を濃縮し濃縮液を“キレツクス100"
(Na+,5ml,バイオラド社製)のカラムを通過させた。通
過液のpHを“CM−セフアデツクスC−25"(H+)で6.5に
調製したのち濃縮乾固すると42mgのニコチアナミンが得
られた(1C50=0.82μg/ml)。
とかし、“ダイヤイオンPK−208"(H+,50ml)のカラム
に吸着させ、水洗後に0.5Nの水酸化アンモニウムで溶離
した。この溶離液を濃縮し濃縮液を“キレツクス100"
(Na+,5ml,バイオラド社製)のカラムを通過させた。通
過液のpHを“CM−セフアデツクスC−25"(H+)で6.5に
調製したのち濃縮乾固すると42mgのニコチアナミンが得
られた(1C50=0.82μg/ml)。
本発明方法によれば、ニコチアナミンを効率よく得るこ
とができる。
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三川 隆 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 平山 耕一郎 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 大岸 治行 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成工業株式会社総合研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】バシデイオボルス(Basidiobolus)属に属
し、ニコチアナミン(Nicotianamine)を生産する能力
を有する微生物を栄養培地に培養し、培養物中にニコチ
アナミンを生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴
とする微生物によるニコチアナミンの製造法。 - 【請求項2】バシデイオボルス属に属する生産菌がバシ
デイオボルス・メリストスポルス(Basidiobolus meris
tosporus)MK 3988(微工研菌寄第8983号)である特許
請求の範囲第1項記載の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23513286A JPH0740950B2 (ja) | 1986-10-02 | 1986-10-02 | 微生物によるニコチアナミンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23513286A JPH0740950B2 (ja) | 1986-10-02 | 1986-10-02 | 微生物によるニコチアナミンの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6387990A JPS6387990A (ja) | 1988-04-19 |
| JPH0740950B2 true JPH0740950B2 (ja) | 1995-05-10 |
Family
ID=16981527
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23513286A Expired - Fee Related JPH0740950B2 (ja) | 1986-10-02 | 1986-10-02 | 微生物によるニコチアナミンの製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0740950B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19824307A1 (de) * | 1998-05-20 | 1999-11-25 | Inst Pflanzengenetik & Kultur | Nicotianamin-Synthase-Gene, ihre Isolierung und ihre Verwendung |
| JP2002179647A (ja) | 2000-12-11 | 2002-06-26 | Kikkoman Corp | ニコチアナミン又はニコチアナミン含有物の製造法 |
| JP2004331556A (ja) * | 2003-05-07 | 2004-11-25 | Japan Science & Technology Agency | 2”−ヒドロキシニコチアナミン、その製造方法、並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤、血圧降下剤及び健康食品 |
| FR2943666B1 (fr) * | 2009-03-31 | 2011-04-15 | Commissariat Energie Atomique | Metallophore derive de nicotianamine et ses procedes de fabrication |
| CN111018953B (zh) * | 2020-01-19 | 2022-08-26 | 安徽农业大学 | 具有抗真菌和清除自由基活性的环酪-异亮-亮-色-苏肽及制备方法 |
-
1986
- 1986-10-02 JP JP23513286A patent/JPH0740950B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6387990A (ja) | 1988-04-19 |
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Legal Events
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