JPH0743019B2 - 静油圧式無段変速機 - Google Patents

静油圧式無段変速機

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JPH0743019B2
JPH0743019B2 JP60120168A JP12016885A JPH0743019B2 JP H0743019 B2 JPH0743019 B2 JP H0743019B2 JP 60120168 A JP60120168 A JP 60120168A JP 12016885 A JP12016885 A JP 12016885A JP H0743019 B2 JPH0743019 B2 JP H0743019B2
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hydraulic
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勉 林
充 齋藤
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、定容量型の斜板式油圧ポンプと可変容量型の
斜板油圧モータとの間に油圧閉回路を形成してなる静油
圧式無段変速機の改良に関する。
(2) 従来の技術 各々斜板式の油圧ポンプと油圧モータを組み合わせた静
油圧式無段変速機としては、例えば英国特許第745543号
明細書に開示される如く、ポンプシリンダとモータシリ
ンダとを同軸配置すると共にその両シリンダ間を一体的
に結合し、その両シリンダ間には、ポンプシリンダの環
状に配列された多数のシリンダ孔に連なる環状の高圧油
路と、モータシリンダの環状に配列された多数のシリン
ダ孔に連なる環状の低圧油路とを、互いに同心的に且つ
低圧油路が高圧油路に囲繞されるように形成し、その両
油路には、それら油路を介してポンプシリンダのシリン
ダ孔とモータシリンダのシリンダ孔との間に油圧ポンプ
及び油圧モータ間の油圧閉回路を形成する多数の分配弁
を、半径方向外方位置及び内方位置間を往復動可能に且
つ放射状に配設し、これら分配弁群に、ポンプ及びモー
タシリンダの回転に伴い各分配弁に往復動を与える偏心
輪を係合させるようにしたものが従来公知であり、この
ものでは、ポンプシリンダ及びモータシリンダを相対回
転させることなく油圧ポンプ及び油圧モータ間の作動油
の授受を行うことができ、しかも往復動する分配弁では
作動油の漏洩が少ない等の利点がある。
(3) 発明が解決しようとする課題 ところが上記従来公知の変速機では、分配弁に往復動を
与える偏心輪(38,45)が各分配弁の内端に係合してい
るため、同分配弁の内端に補給ポンプの吐出圧を作用さ
せた場合には、その吐出圧が、各分配弁を偏心輪との係
合方向より離隔させる方向、即ち各分配弁と偏心輪間に
ガタを生じさせる方向に作用してしまい、従ってそのガ
タに起因して運転音が大きくなる問題があるばかりか、
各分配弁を偏心輪の外周カム面に応じて精確に往復作動
させることができなくなって油圧ポンプ及び油圧モータ
間で作動油を精度よく授受し得なくなり、これが伝動効
率を低下させる原因となる。
本発明は、上記従来のものの問題を解決することができ
る静油圧式無段変速機を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明によれば、定容量型の
斜板式油圧ポンプのポンプシリンダと可変容量型の斜板
式油圧モータのモータシリンダとを同軸配置すると共
に、その両シリンダ間を一体的に結合して出力軸に支持
し、両シリンダ間には、ポンプシリンダの環状に配列さ
れた多数のシリンダ孔に連なる環状の高圧油路と、モー
タシリンダの環状に配列された多数のシリンダ孔に連な
る環状の低圧油路とを、互いに同心的に且つ低圧油路が
高圧油路に囲繞されるように形成し、その両油路には、
それら油路を介してポンプシリンダのシリンダ孔とモー
タシリンダのシリンダ孔との間に油圧ポンプ及び油圧モ
ータ間の油圧閉回路を形成する多数の分配弁を、半径方
向外方位置及び内方位置間を往復動可能に且つ放射状に
配設し、これら分配弁群に、ポンプ及びモータシリンダ
の回転に伴い各分配弁に往復動を与える偏心輪を係合さ
せるようにした静油圧式無段変速機であって、前記偏心
輪は、それの内周面を前記各分配弁の外端と係合させる
べく該分配弁の外周に配設され、前記各分配弁を前記偏
心輪との係合方向へ油圧付勢すべく、前記低圧油路に作
動油を補給するための補給ポンプの吐出側が各分配弁の
内端面に連通される。
(2) 作用 上記構成によれば、各分配弁の内端に作用する補給ポン
プのは吐出圧を有効に利用して、多分配弁を偏心輪に対
し、その相互間にガタを生じさせることなく常に的確に
係合させることができるから、変速機の運転音が低減さ
れ、しかも各分配弁を偏心輪の内周カム面に応じて精確
にに往復作動させることができるため油圧ポンプ及び油
圧モータ間での作動油の授受が適正に行われる。
また低圧油路に作動油を補給する補給ポンプの吐出圧は
比較的低いから、その吐出圧によって各分配弁を偏心輪
との係合方向に特別に付勢しても、偏心輪の分配弁に対
する内方移動荷重は小さくて足り、しかも各分配弁を偏
心輪側に付勢するための戻しばねを特別に設ける必要は
ない。
(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する
と、第1図において、自動二輪車のエンジンの動力は、
そのクランク軸1からチエン式1次減速装置2、静油圧
式無段変速機T及びチエン式2次減速装置3を順次経て
図示しない後車輪に伝達される。
無段変速機Tは定容量型の斜板式油圧ポンプP及び可変
容量型の斜板式油圧モータMからなり、そしてクランク
軸1を支承するクランクケース4をケーシングとして、
それに収容される。
油圧ポンプPは、1次減速装置2の出力スプロケット2a
を一体に備えたカップ状の入力部材5と、この入力部材
5の内周壁にニードルベアリング6を介して相対回転自
在に嵌合されるポンプシリンダ7と、このポンプシリン
ダ7にその回転中心を囲むように設けられた環状配列の
複数且つ奇数のシリンダ孔8,8…にそれぞれ摺合される
ポンププランジャ9,9…と、これらポンププランジャ9,9
…の外端に当接するポンプ斜板10とから構成される。
ポンプ斜板10は、ポンプシリンダ7の軸線に対し一定角
度傾斜した姿勢で入力部材5の内端壁にスラストローラ
ベアリング11を介して回転自在に背面を支承され、入力
部材5の回転時、ポンププランジャ9,9…に往復動を与
えて吸入及び吐出工程を繰返させることができる。
尚、ポンププランジャ9のポンプ斜板10に対する追従性
を良くするために、ポンププランジャ9を伸長方向に付
勢するばねをシリンダ孔8に縮設してもよい。
入力部材5は、その背面をスロストローラベアリング12
を介して支持筒13に支承される。
一方、油圧モータMは、ポンプシリンダ7と同軸上でそ
の左方に配置されるモータシリンダ17と、このモータシ
リンダ17にその回転中心を囲むように設けられた環状配
列の複数且つ奇数のシリンダ孔18,18…にそれぞれ摺合
されるモータプランジャ19,19…と、これらモータプラ
ンジャ19,19…の外端に当接するモータ斜板20と、この
モータ斜板20の背面をスラストローラベアリング21を介
して支承する斜板ホルダ22と、更にこの斜板ホルダ22を
支持するカップ状の斜板アンカ23とから構成される。
モータ斜板20は、モータシリンダ17の軸線に対し直角と
なる直立位置と、或る角度で傾斜する傾斜位置の間を傾
動し得るようになっており、その傾斜位置では、モータ
シリンダ17の回転に伴いモータプランジャ19,19…に往
復動を与えて膨張及び収縮行程を繰返させることができ
る。
尚、モータプランジャ19のモータ斜板20に対する追従性
を良くするために、モータプランジャ19を伸長方向に付
勢するばねをシリンダ孔18に縮設してもよい。
ポンプシリンダ7及びモータシリンダ17間には、ポンプ
シリンダ7側から順に第1及び第2弁盤14,15が介装さ
れ、これら四者7,14,15,17の中心部を出力軸25が貫通す
る。この出力軸25の外周に一体に形成されたフランジ25
aにモータシリンダ17の外端を衝き当て、出力軸25に螺
合するナット26でポンプシリンダ7の外端を緊締するこ
とにより、上記四者7,14,15,17は相互に重合結合される
と共に出力軸25に固着される。
その際、第1A図に示すように、上記四者7,14,15,17の出
力軸25との連結を確実にし、且つそれらの相互位置を規
定するために、各シリンダ7,17と出力軸25との間にキー
16,16が装着され、またポンプシリンダ7と第1弁盤1
4、モータシリンダ17と第2弁盤15の各間にノックピン2
4,24が嵌入される。
再び第1図において、前記出力軸25は入力部材5をも貫
通すると共に該部材5をニードルベアリング27を介して
回転自在に支承する。
出力軸25の右端部外周には前記支持筒13がキー28を介し
て嵌装され、そしてナット30で固着される。上記支持筒
13及びローラベアリング31を介して出力軸の右端部はク
ランクケース4に回転自在に支承される。
また、出力軸25は、モータ斜板20、斜板ホルダ及び斜板
アンカ23の中心部を貫通し、その左端部には、斜板アン
カ23の背面をスラストローラベアリング32を介して支承
する支持筒33がスプライン嵌合され、そして2次減速装
置3の入力スプロケット3aと共にナット34で固着され、
上記支持筒33及びローラベアリング35を介して出力軸25
の左端部はクランクケース4に回転自在に支承される。
出力軸25には、ポンプ斜板10の内周面と相対的に全方向
傾動可能に係合する半球状の調心体36が摺動自在にスプ
ライン嵌合される。この調心体36は、複数枚の皿ばね38
の力でポンプ斜板10をスラストローラベアリング11に対
して押圧し、これによりポンプ斜板10に調心作用を常に
与えている。
また出力軸25には、モータ斜板20の内周面と相対的に全
方向傾動可能に係合する半球状の調心体37が摺動自在に
スプライン嵌合される。この調心体37を、複数枚の皿ば
ね39の力でモータ斜板20をスラストロークベアリング21
に対して押圧し、これによりモータ斜板20に調心作用を
常に与えている。
各斜板10,20の調心作用を強化し、しかもポンプ斜板10
とポンププランジャ9,9…群、モータ斜板20とモータプ
ランジャ19,19…群の各間の回転方向の滑りを防止する
ために、各斜板10,20には、対応するプランジャ9,19の
球状端部9a,19aを係合させる球状凹部10a,20aがそれぞ
れ形成される。その際、球状凹部10a,20aは、斜板10,20
の如何なる回転位置においても、球状端部9a,19aとの適
正な係合状態が確保されるように、曲率半径が球状端部
9a,19aのそれより大きく設定される。
油圧ポンプP及び油圧モータ17間には、次のようにして
油圧閉回路が形成される。
第2弁盤14には環状の低圧油路41、及びこれを囲繞する
環状の高圧油路40が設けられ、その低圧油路41からポン
プシリンダ7のシリンダ孔8,8…への一方向に作動油の
流れを許容する吸入弁43,43…、及びポンプシリンダ7
のシリンダ8,8…から高圧油路40への一方向に作動油の
流れを許容する吐出弁42が第1弁盤14に設けられる。し
たがって、吸入弁43及び吐出弁42の数はそれぞれポンプ
プランジャ9,9…の本数と同数である。
また、第2弁盤15には、高圧及び低圧油路40,41を交互
にモータシリンダ17のシリンダ孔18,18…に連通制御す
る分配弁44,44…が設けられる。したがって、分配弁44
の数は、モータプランジャ19,19…の本数と同数であ
る。
分配弁は44,44…はスプール型であっても、モータシリ
ンダ17のシリンダ孔18,18…群と高、低圧油路40、41と
の間で第2弁盤15に放射状に穿設された弁孔15,45…に
摺合される。そして更に第2弁盤15には各弁孔45と高圧
及び低圧油路40,41との各間を連通する第1及び第2ポ
ートa,b,並びに各弁孔45とそれに隣接するモータシリン
ダ17のシリンダ孔18との間を連通する第3ポートcが穿
設される。而して、分配弁44は、弁孔45の半径方向外方
位置を占めると、対応する第3ポートcを第1ポートa
と連通すると主に第2ポートbと不通にして、対応する
シリンダ孔19を高圧油路40に連通する。また、弁孔45の
半径方向内方位置を占めると、対応する第3ポートcを
第2ポートbと連通すると共に第1ポートaと不通にし
て、対応するシリンダ孔19を低圧油路41に連通する。
第1及び第3図に示すように、分配弁44,44…の内、外
方位置への作動を制御すべく、分配弁44,44…群を囲ん
で偏心輪47が配設されると共に,各分配弁44の外端を偏
心輪47の内周面に係合させるように、各分配弁44の内端
面には、後述する第1給油孔72を通して補給ポンプ67の
吐出圧が運転中常に作用される。
偏心輪47は、クランクケース4に嵌着されるボールベア
リング48の内輪から構成され、そして第3図に示すよう
に、モータ斜板20の傾動軸線Oの方向にモータシリンダ
17の中心から一定距離ε偏心した位置に設置される。し
たがって、モータシリンダ17が回転すると、各分配弁44
は、その弁孔45内で偏心輪47の偏心輪εをストロークと
して前記外方位置及び内方位置間を往復動する。
前記斜板ホルダ22の両端には、モータ斜板20の傾斜軸線
O上に並ぶ一対のトラニオン軸80,80′が一体に穿設さ
れ、これらトラニオン軸80,80′は、ニードルベアリン
グ81を介して前記斜板アンカ23に回転自在に支承され
る。換言すれば、これらトラニオン軸80,80′によって
前記傾斜軸線Oが規定される。
一方のトラニオン軸80の外端には作動レバー82が固設さ
れる。而して、作動レバー82をもってトラニオン軸80を
回動すれば、それと一体の斜段ホルダ22も回動し、モー
タ斜板20の回転中でも、これを自由に傾動させることが
できる。
前記斜板アンカ23は、モータリング17の外周にニードル
ベアリング78を介して支承され、そして出力軸25周りに
回動しないように、一対の位置決めピン49,49を介して
クランクケース4に連結される。
上記構成において、1次減速装置2から油圧ポンプPの
入力部材5が回転されると、ポンプ斜板10によりポンプ
プランジャ9,9…に吸入及び吐出行程が交互に与えられ
る。すると、各ポンププランジャ9は吸入行程を行なう
とき低圧油路41から作動油を吸入し、吐出行程を行なう
とき高圧油路40へ高圧の作動油を給送する。
高圧油路40に送られた高圧の作動油は、膨張行程のモー
タプランジャ19を収容するシリンダ孔18に外方位置の分
配弁44を介して給送される一方、収縮行程のモータプラ
ンジャ19を収容するシリンダ孔18内の作動油は内方位置
の分配弁44を介して低圧油路41へ排出される。
この間に、ポンプシリンダ7が吐出行程のポンププラン
ジャ9を介してポンプ斜板10から受ける反動トルクと、
モータシリンダ17が膨張行程のモータプランジャ19を介
してモータ斜板20とから受ける反動トルクとの和によっ
て、ポンプシリンダ7及びモータシリンダ17は回転さ
れ、その回転トルクは出力軸25から2次減速装置3へ伝
達される。
この場合、入力部材5に対する出力軸25の変速比は次式
によって与えられる。
したがって、油圧モータMの容量を零から成る値に変え
れば、変速比を1から成る必要な値まで変えることがで
きる。
ところで、油圧モータMの容量はモータプランジャ19の
ストロークにより決定されるので、モータ斜板20の直立
位置から或る傾斜位置まで傾動させることにより変速比
を1から或る値まで無段階に制御することができる。
油圧ポンプP及び油圧モータMのこのような作動中、ポ
ンプ斜板10はポンププランジャ9,9…群から、またモー
タ斜板20はモータプランジャ19,19…群からそれぞれ反
対方向のスラスト荷重を受けるが、ポンプ斜板10が受け
るスラスト荷重はスロストローラベアリング11、入力部
材5、スラストローラベアリング12、支持筒13及びナッ
ト30を介して出力軸25に支承され、またモータ斜板20が
受けるスラスト荷重はスラストローラベアリング21、斜
板ホルダ22、斜板アンカ23、スラストローラベアリング
32、支持筒33、スプロケット3a及びナット34を介して同
じく出力軸25に支承される。したがって、上記スラスト
荷重は、出力軸25に引張応力を生じさせるだけで、該軸
25を支持するクランクケース4には全く作用しない。
再び第1図において、第2弁板15には、更に、高、低圧
油路40,41間を適時連通し得る1個または複数個のクラ
ッチ弁50が設けられる。このクラッチ弁50は、低圧油路
41から高圧油路40を貫通して第2弁盤15の外周に開口す
る半径方向の弁孔51に摺合される。クラッチ弁50には、
その内端面に開口する縦孔52と、この縦孔52と交差して
クラッチ弁50の外周面に開口する横孔53とが穿設されて
おり、クラッチ弁50が弁孔81の半径方向内方位置(クラ
ッチオン位置)を占めるとき横孔53は弁孔51の内壁によ
り閉じられ、また半径方向外方位置(クラッチオフ位
置)を占めるとき横孔53は高圧油路40に開口するように
なっている。
クラッチ弁50はクラッチオフ位置側に付勢されるよう
に、その内端に低圧油路40の油圧を受け、その外端に
は、ポンプシリンダ7及び第1,第2弁盤14,15の外周に
摺動自在に嵌装したクラッチ制御環54が係合される。
クラッチ制御環54は、クラッチ弁50のクラッチオン位置
を規定する円筒状内周面54a、及びその内周面の一端に
連なりクラッチ弁50のクラッチオフ位置を規定するテー
パ面54bを有し、そしてクラッチ弁50をクラッチオン位
置に保持する側に、ばね55によって付勢される。このば
ね55は、クラッチ制御環54と、ポンプシリンダ7の外周
に係止されたリテーナ56との間に縮設される。
第2図に示すように、クラッチ制御環54は、シフトフォ
ーク57、中間レバー58及びクラッチワイヤ59を介して図
示しないクラッチレバーに連結される。シフトフォーク
57は、基端部がクランクケース4に軸支60されると共
に、中間部がクラッチ制御ワイヤ54のフランジ部54c側
面に係合され、そして先端部がプッシュロッド61を介し
て中間レバー58と連接される。
而して、クラッチワイヤ59を牽引することにより、シフ
トフォーク57を介してクラッチ制御ワイヤ54をばね55の
力に抗して第1図で右動させれば、クラッチ制御環54の
テーパ面54bがクラッチ弁50に対向することからクラッ
チ弁50は低圧油路40の圧力により外方位置、即ちクラッ
チオフ位置へ動かされる。その結果、高圧油路40はクラ
ッチ弁50の縦孔52及び横孔53を介して低圧油路41に短絡
するため、高圧油路40の圧力が低下し、油圧モータMへ
の圧油の給送を不能にし、油圧モータMを不作動状態に
することができる。
また、クラッチ制御環54をばね55の強発力により左動し
てクラッチ弁50をクラッチオン位置へ作動すれば、クラ
ッチ弁50の横孔53が弁孔51の内壁に閉鎖されるため、高
圧及び低油圧40,41間が遮断され、これら経路40,41を通
して油圧ポンプP及び油圧モータM間で作動油の前述の
ような循環が行なわれ、油圧モータMを作動状態に復帰
させることができる。この場合、クラッチ弁50のクラッ
チオン位置への作動は、クラッチ弁50の内端面に作用す
る低圧油路41の油圧に抗して行なわれるので、クラッチ
制御環54を左動するばね55の断発力を比較的弱く設定す
ることができ、延いてはクラッチ制御環54の操作力の軽
減を図ることができる。
クラッチ制御環54の上記右通位置と左位置との中間位置
では、クラッチ弁50の横孔53の開度が適度に絞られ(第
1B図参照)、その開度に応じて油圧ポンプP及び油圧モ
ータM間での作動油の循環が行われるので、油圧モータ
Mを半クラッチ状態とすることができる。この場合、ク
ラッチ弁50の移動に伴い、横孔53の開度が漸増または漸
減するので、半クラッチ状態が容易に得られ、スムーズ
な過度運転を行なうことができる。
再び、第1図及び第2図において、出力軸25には、その
中心部に奥が行止まりとなった油路63が穿設され、この
油路63の開放端には、クランクケース4の側壁に支持さ
れる給油管64が挿入される。この給油管64は、クランク
ケース4の側壁中に形成された油路45、同側壁に装着さ
れたフイルタ66、補給ポンプ67及びストレーナ68を介し
てクランクケース4底部のオイルパン69内と連通され、
補給ポンプ69は前記入力部材5から歯車70,71を介して
駆動される。したがって、入力部材5の回転中常に補給
ポンプ67によってオイルパン69内の油が油路63に供給さ
れる。
出力軸25には、また、油路63から分配弁44の弁孔45に向
かって半径方向に延びる1または複数の第1給油孔72
と、この第1給油孔72を弁孔45,45…群に連通する環状
溝73とが設けられ、分配弁44が弁孔45の外方位置にくる
と、低圧油路41に連なる第2ポートbが対応する弁孔45
を介して第1給油孔72と連通するようになっている。し
たがって、油圧ポンプP及び油圧モータM間の油圧閉回
路から作動軸が漏洩すれば、分配弁44が弁孔45の外方位
置にきたとき、第1給油孔72から低圧油路41へ作動油が
補給される。
出力軸25には、更に、油路63から半径方向に延びてカッ
プ状入力部材5の内部に開口する第2給油孔74と、同油
路63から同じく半径方向に延びてカップ状傾斜アンカ23
の内部に開口する第3給油孔75とが穿設され、これら給
油孔74,75にはオリフィス76,77がそれぞれ設けられる。
これらオリフィス76,77により、油路63に補給ポンプ67
の吐出圧を保持して第1給油孔72から低圧油路41への作
動軸の補給を確実に行いつつ、油路63から入力部材5及
び斜板アンカ23内部に適量の潤滑油を供給することがで
きる。
入力部材5の内部に供給された油は、調心体36、ポンプ
斜板10、ポンププランジャ9…、スラストローラベアリ
ング11、ニードルベアリング6等を潤滑し、また斜板ア
ンカ22の内部に供給された油は、調心体37、モータ斜板
20、モータプランジャ19…、スラストベアリング21等を
潤滑する。この場合、カップ状入力部材5の開放端には
ニードルベアリング6を介してポンプシリンダ7が嵌合
してるので、入力部材5内には多量の潤滑油が保持され
る。一方、斜板アンカ23の開放端にはニードルベアリン
グ78を介してモータシリンダ17が嵌合しているので、斜
板アンカ23内にも多量の潤滑油が保持される。
また、ポンププランジャ9の摺動面及び入力部材5の内
部の更なる潤滑のために、ポンププランジャ9にその内
外を連通する細い油孔112が穿設され、モータプランジ
ャ9の摺動面及び斜板アンカ23の内部の異なる潤滑のた
めに、モータプランジャ19にその内外を連通する細い油
孔113が穿設される。
第2図,第4図及び第5図において、前記モータ斜板20
の傾動操作のために、前記トラニオン軸80の作動レバー
82には変速制御装置83が接続される。
変速制御装置83は、クランクケース4に固着されたシリ
ンダ84と、このシリンダ84に摺合されたピストン85とを
備える。シリンダ84の側壁には窓86が、またピストン85
の中央部にはそれを横方向に貫通して上記窓86に臨む連
結孔8が穿設されており、前記トラニオン軸80の作動レ
バー82は、その窓86を通して連結孔87に係合され、トラ
ニオン軸80の回転に応じてピストン85を摺動させ得るよ
うになっている。
第4図において、作動レバー82、したがってピストン85
の左動がモータ斜板20の直立状態をもたらすものであ
り、そのピストン85とシリンダ84の左端壁との間に第1
油室88が、またピストン85とシリンダ84の右端壁との間
に第2油室89がそれぞれ画成され、第1油室88にはピス
トン85を第2油室89側へ付勢する戻しばね90が縮設され
る。
第1及び第2油室88,89は、途中に変速制御弁91を介装
した油圧導管92を介して相互に連通され、これらの内部
には作動油が充填される。
上記変速制御弁91は、車両の操縦装置の適所に配置され
て油圧導管92の途中に介入する弁函93と、この弁函93内
の油路94に直列に介装される第1及び第2逆止弁95,96
とから構成される。これら第1及び第2逆止弁95,96
は、順方向が相互に逆になるように配置されと共に、そ
れぞれ弁ばね97,98により常に閉弁方向へ付勢されてい
る。
第1及び第2逆止弁95,96とは、これらを開弁方向に押
動し得る第1及び第2回弁棒100,101がそれぞれ連接さ
れる。またこれら第1及び第2回弁棒500,101は、弁函9
3に揺動自在に軸支103されるシーソ型の変更レバー102
の左右の左右両端部下面にそれぞれ連接される。
変速レバー102は、操縦者により、水平なホールド位置
A、左方へ揺動した加速位置B及び右方へ地動した像即
位置Cに操作される。そのホールド位置Aでは両逆止9
6,96の閉弁状態を保ち、減速位置Bでは第1開弁棒100
を押下げて1逆止弁9を強制開弁させ、減速位置Cでは
第2開始棒101を押下げて第2逆止弁96を強制開弁させ
ることができる。
ところで、モータプランジャ19,19…の本数が奇数とし
てあるために、モータシリンダ17の回転中、モータプラ
ンジャ19,19…群がモータ斜板20に及ぼすスラスト荷重
は、モータ斜板20の傾動軸線Oを境としてその一側と他
側とで強弱が交互に変わり、モータ斜板20には振動的な
傾動トルクが作用する。そして、この振動的な傾動トル
クは、作動レバー82を介してピストン85に左右方向交互
に押圧力として作用する。
そこで、変速レバー102を増速位置Cにシフトすれば、
第1逆止弁95は開弁状態とされるので、第2逆止弁96に
よって、第1油室88から第2油室89への油の流れは許容
されるが、それと逆方向の流れは阻止され、作動レバー
82からピストン85に左向きの押圧力が作用するときだ
け、第1油室88から第2油室89へ油が流れる。その結
果、ピストン85は第1油室88側へ移動し、作動レバー82
をモータ斜板20の起立方向へ回動させることになる。
次に変速レバー102を減速位置Bにシフトすれば、今度
は第2逆止弁96が開弁状態とされるので、第1逆止弁95
によって、第2油室89から第1油室88への油の流れは許
容されるが、それと逆方向の流れは阻止され、作動レバ
ー82からピストン85に右向きの押圧力が作用するときだ
け、第2油室89から第1油室88へ油が流れる。その結
果、ピストン85は第2油室89側へ移動し、作動レバー82
をモータ斜板20の傾斜方向へ回動させることになる。
変速レバー102をホールド位置Aに戻せば、開弁状態と
される両逆止弁96,96が協働して弁函93内の油の流通を
完全に阻止するので、ピストン85は移動不能になって、
そのときの位置で作動レバー82を保持し、モータ斜板20
を直立位置または傾斜位置に固定することができる。
また、変速機Tの停止状態において、変速レバー102を
減速位置Bにシフトして第1逆止弁95を開弁すれば、第
2油室89から第1油室88への油の流動が可能となるの
で、ピストン85は左動位置にあっても、戻しばね90の弾
発力をもって右動限まで移動し、作動レバー82をモータ
斜板20の最大傾斜位置まで回動させることができる。
第5図に示すように、シリンダ84は出力軸25の軸線に対
して直角またはそれに近い位置に配置される。このよう
にすると、作動レバー82がピストン85を押圧するとき、
その反力がトラニオン軸80を介して斜板アンカ23に出力
軸25の軸線方向へ作用させることを回避することができ
る。
第4図において、シリンダ84の上部には、リザーブタン
ク109が装備され、このリザーブタンク109をシリンダ84
内に連通するリリーフポート110及びサプライボート111
がシリンダ84の上壁に穿設される。
ピストン85の右端部及び右端部の外周には、シリンダ84
の内周面に密接する一方向シール機能を有する第1及び
第2カップシール105,106が装着され、またシリンダ84
の内周には、前記窓86の左右両側においてピストン85の
中間部外周面に密接するOリング107,108が装着され
る。
而して、リリーフポート110は、ピストン85が右動限に
位置するとき、第1カップシール105の直前で第1油圧
室88に開口し、サプライポート111は常に第2カップシ
ール106とOリング108との間でシリンダ84内面に開口す
るようになっている。
したがって、ピストン85が右動限に位置するとき、油温
の上昇等により第1油室88に圧力上昇が生じると、その
圧力はリリーフポート110からリザーブタンク109へ放出
される。またピストン85の左動時には、第1カップシー
ル105がリリープポート110の開口部を通過したときから
第1油室88がピストン85により加圧され、第1油圧室88
から第2油室89への油の流れを可能にする。その際、第
2油圧室89が所定圧力以下に減圧すれば、リザーブタン
ク109内と第2油室89間の圧力差により、リザーブタン
ク109内の油がサプライポート111からシリンダ84及びピ
ストン85の摺動間隙を通り、第2カップシール106を第
2油室89側へ撓ませつつ該室89へ補給される。
尚、リザーブタンク109内を高圧状態に保持しておけ
ば、油圧導管92には油圧による予張力が与えられるの
で、ピストン85の作動に伴う油圧変化に対する油圧導管
92の剛性が強化され、ピストン85の作動を安定させるこ
とができる。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、分配弁に往復動を与える
偏心輪が、それの内周面を各分配弁の外端と係合させる
べく該分配弁群の外周に配設され、各分配弁を偏心輪と
の係合方向へ油圧付勢すべく、低圧油路に作動油を補給
するための補給ポンプの吐出側が各分配弁の内端面に連
通するので、各分配弁の内端に作用する補給ポンプの吐
出圧を有効に利用して、各分配弁を偏心輪に対し、その
相互間にガタを生じさせることなく常に適確に係合させ
ることができ、従って変速機の運転音低域に寄与し得る
ばかりか、各分配弁を偏心輪の内周カム面に応じて精確
に往復作動させことができて油圧ポンプ及び油圧モータ
間での作動油の授受を常に適正に行わせることができ、
伝動効率の向上に寄与することができる。
また低圧油路に作動油を補給する補給ポンプの吐出圧は
比較的低いから、その吐出圧によって各分配弁を偏心輪
との係合方向に特別に付勢しても、偏心輪の分配弁に対
する内方移動荷重は小さくて済んで、動力損失を少なく
抑えることができ、しかも各分配弁を偏心輪側に付勢す
るための戻しばねを特別に設ける必要はないから、それ
だけ構造の簡素化にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は自動二
輪車の動力伝達系に介装した静油圧式無段変速機の縦断
面図、第1A図は第1図中のポンプシリンダ、モータシリ
ンダ、第1,第2弁盤及び出力軸の組立体縦断面図、第1B
図は第1図中のクラッチ弁の作動図、第2図は上記無段
変速機の一部縦断背面図、第3図は第1図のIII−III線
断面図、第4図は第2図のIV−IV線断面図、第5図は無
段変速機の平面図である。 T……無段変速機、P……油圧ポンプ、M……油圧モー
タ、7……ポンプシリンダ、8……シリンダ孔、9……
ポンププランジャ、10……ポンプ斜板、14……第1弁
盤、15……第2弁盤、16……キー、17……モータシリン
ダ、18……シリンダ孔、19……モータプランジャ、20…
…モータ斜板、24……ノックピン、40……高圧油路、41
……低圧油路、42……吐出弁、43……吸入弁、44……分
配弁、47……偏心輪、67……補給ポンプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】定容量型の斜板式油圧ポンプ(P)のポン
    プシリンダ(7)と可変容量型の斜板式油圧モータ
    (M)のモータシリンダ(17)とを同軸配置すると共
    に、その両シリンダ(7,17)間を一体的に結合して出力
    軸(25)に支持し、前記両シリンダ(7,17)間には、ポ
    ンプシリンダ(7)の環状に配列された多数のシリンダ
    孔(8)に連なる環状の高圧油路(40)と、モータシリ
    ンダ(17)の環状に配列された多数のシリンダ孔(18)
    に連なる環状の低圧油路(41)とを、互いに同心的に且
    つ低圧油路(41)が高圧油路(40)に囲繞されるように
    形成し、その両油路(41,40)には、それら油路を介し
    てポンプシリンダ(7)のシリンダ孔(8)とモータシ
    リンダ(17)のシリンダ孔(18)との間に油圧ポンプ
    (P)及び油圧モータ(M)間の油圧閉回路を形成する
    多数の分配弁(44)を、半径方向外方位置及び内方位置
    間を往復動可能に且つ放射状に配設し、これら分配弁
    (44)群に、ポンプ及びモータシリンダ(7,17)の回転
    に伴い各分配弁(44)に往復動を与える偏心輪(47)を
    係合させるようにした静油圧式無段変速機であって、前
    記偏心輪(47)は、それの内周面を前記各分配弁(44)
    の外端と係合させるべく該分配弁(44)群の外周に配設
    され、前記各分配弁(44)を前記偏心輪(47)との係合
    方向へ油圧付勢すべく、前記低圧油路(41)に作動油を
    補給するための補給ポンプ(67)の吐出側が各分配弁
    (44)の内端面に連通されることを特徴とする、静油圧
    式無段変速機。
JP60120168A 1985-05-28 1985-06-03 静油圧式無段変速機 Expired - Lifetime JPH0743019B2 (ja)

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DE8888115793T DE3686268T2 (de) 1985-05-28 1986-05-28 Stufenlos regelbares hydrostatisches getriebe.
EP86304060A EP0206550B1 (en) 1985-05-28 1986-05-28 Static hydraulic pressure type continuously variable transmission
EP88115793A EP0307969B1 (en) 1985-05-28 1986-05-28 Static hydraulic pressure type continuously variable transmission
DE8686304060T DE3684962D1 (de) 1985-05-28 1986-05-28 Stufenlos einstellbares hydrostatisches getriebe.
US07/068,731 US4735050A (en) 1985-05-28 1987-06-30 Static hydraulic pressure type continuously variable transmission

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB745543A (en) 1952-05-13 1956-02-29 Franco Pavesi Improvements in hydraulic variable speed transmission mechanisms

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB745543A (en) 1952-05-13 1956-02-29 Franco Pavesi Improvements in hydraulic variable speed transmission mechanisms

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