JPH0748711Y2 - 転写捺染シート - Google Patents

転写捺染シート

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JPH0748711Y2
JPH0748711Y2 JP1990066641U JP6664190U JPH0748711Y2 JP H0748711 Y2 JPH0748711 Y2 JP H0748711Y2 JP 1990066641 U JP1990066641 U JP 1990066641U JP 6664190 U JP6664190 U JP 6664190U JP H0748711 Y2 JPH0748711 Y2 JP H0748711Y2
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photochromic
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resin
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和容 鎌田
陽介 北川
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Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、転写捺染シートに関し、より詳しくは光照射
の有無により色彩が可逆的に変化するフォトクロミック
図柄模様を地布等に熱転写することのできる転写捺染シ
ートに関する。
従来技術 従来、布製の衣料品、履物類、インテリア用品、雑貨、
文具、玩具等に熱転写により図柄模様を施すことのでき
る転写捺染シートとしては、転写した図柄模様の色彩が
不変である一般的なものの他に、感温変色性粒状物を図
柄模様の着色剤として適用した感温変色性の転写捺染シ
ートが知られている。
しかしながら、転写した図柄模様の色彩が光照射の有無
により可逆的に変化する転写捺染シートは未だ考案され
ていない。
本考案は、光照射の有無により可逆的に色彩が変化(フ
ォトクロミック機能)する図柄模様を地布等に熱転写す
ることで多彩な装飾感を提供することができるより一層
付加価値の高い転写捺染シートを得ようとなされたもの
である。
考案の概要 本考案者は、上記着想の基、転写捺染シートにフォトク
ロミック図柄層(以下、フォトクロミック層という)を
設けることで所期の目的を達成できると考えて鋭意研究
を進めた結果、有機フォトクロミック化合物及びヒンダ
ードアミン系化合物を、特定の配合割合で透明性の合成
樹脂に均一に分散させたフォトクロミック層が適してい
ることを見出した。即ち、本考案者の研究によれば、こ
のフォトクロミック層を設けた転写捺染シートが、耐光
性に優れ、しかも気温に関係なく光照射により可逆的に
変色を繰り返す図柄模様を地布等に対して転写できるこ
とが判った。
即ち、本考案は、ベースシート上の少なくとも一部に形
成された剥離層、該剥離層上に積層されたフォトクロミ
ック図柄模様層及び該フォトクロミック図柄模様層上に
積層された接着層を有する転写捺染シートであって、該
フォトクロミック図柄模様層が、有機フォトクロミック
化合物及びヒンダードアミン系化合物を均一に分散させ
た透明性の合成樹脂で形成され、該ヒンダードアミン系
化合物の使用量が、該有機フォトクロミック化合物1重
量部に対して少なくとも5重量部であることを特徴とす
る転写捺染シートに係る。
本考案転写捺染シートの一例の断面図を第1図に示す。
図中、(1)はベースシートを、(2)は剥離層を、
(3)はフォトクロミック層を、(4)は接着層をそれ
ぞれ示す。
以下、本考案転写捺染シートを構成する上記各層につい
て説明する。
ベースシート(1)としては、特に制限されずこの分野
で慣用のものを広く使用でき、具体的には、例えばセル
ロース紙、合成紙、セロファン紙、不織布、合成樹脂フ
ィルム等が挙げられ、中でも耐水性に優れたものが好ま
しい。ベースシートの厚みとしては、30〜300μm程度
が好ましい。
剥離層(2)は、ベースシート(1)に対して接着性を
有し、フォトクロミック層(3)に対して剥離性を有す
るように構成される。即ち、剥離層(2)は、例えば酢
酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、酢酸
ビニル−塩化ビニル共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素
化ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラー
ル樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポ
キシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リアミド樹脂、スチレンブタジエンラテックス、アクリ
ロニトリルブタジエンラテックス、シリコン樹脂、フッ
素樹脂等の合成樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、アルギン酸ソ
ーダ、澱粉、澱粉誘導体等の糊料、及びポリオレフィン
ワックス、ポリスチレンワックス、マイクロクリスタリ
ンワックス、カルナウバワックス、パラフィンワックス
等のワックス類から選ばれる1種又は2種以上に、必要
に応じて界面活性剤、乾燥調整剤、可塑剤、油脂、粘度
調整剤、体質顔料、金属石ケン等を加えてなる溶液状、
乳化状又は分散状の水性又は油性のインキをベースシー
ト(1)上の少なくとも一部にローラコート、ナイフコ
ート、グラビア印刷、スクリーン印刷等の公知の塗装方
法によって積層し、形成される。剥離層の厚みは、乾燥
膜厚で5〜50μm程度とされるのがよい。
フォトクロミック層(3)は、有機フォトクロミック化
合物及びヒンダードアミン系化合物を均一に分散させた
透明性の合成樹脂から形成される。この場合、該ヒンダ
ードアミン系化合物の使用量は、該有機フォトクロミッ
ク化合物1重量部に対して少なくとも5重量部とし、好
ましくは10〜50重量部とする。
上記有機フォトクロミック化合物としては、例えばアゾ
ベンゼン系化合物、チオインジゴ系化合物、ジチゾン金
属錯体、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化
合物、フルギド系化合物、ジヒドロピレン化合物、スピ
ロチオピラン系化合物、1,4-2H−オキサジン、トリフェ
ニルメタン系化合物、ビオロゲン系化合物などが挙げら
れるが、中でも特にスピロピラン系化合物、スピロオキ
サジン系化合物が好ましい。より具体的には、下記のも
のが例示される。
1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリノ−2,3′−(3H)
ナフト(2,1-b)(1,4)−オキサジン〕 5−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリノ
−2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)−オキサジ
ン〕 5−クロル−1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリノ−
2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)−オキサジン〕 4,7−ジエトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリ
ノ−2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)−オキサジ
ン〕 5−クロル−1−ブチル−3,3−ジメチルスピロ〔イン
ドリノ−2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)−オキ
サジン〕 1,3,3,5−テトラメチル−9′−エトキシスピロ〔イン
ドリノ−2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)−オキ
サジン〕 1−ベンジル−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,
3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)−オキサジン〕 1−(4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)
−オキサジン〕 1−(2−メチルベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)
−オキサジン〕 1−(3,5−ジメチルベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)
−オキサジン〕 1−(4−クロロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)
−オキサジン〕 1−(4−ブロモベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)
−オキサジン〕 1−(2−フルオロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)
−オキサジン〕 1,3,5,6−テトラメチル−3−エチルスピロ〔インドリ
ン−2,3′−(3H)ピリド(3,2-f)(1,4)−ベンゾオ
キサジン〕 1,3,3,5,6−ペンタメチルスピロ〔インドリン−2,3′−
(3H)ピリド(3,2-f)(1,4)−ベンゾオキサジン〕 1′,3′,3′−トリメチルスピロ(2H-1−ベンゾピラン
−2,2′−インドリン) 1′,3′,3′−トリメチルスピロ−8−ニトロ(2H-1−
ベンゾピラン−2,2′−インドリン) 1′,3′,3′−トリメチル−6−ヒドロキシスピロ(2H
-1−ベンゾピラン−2,2′−インドリン) 1′,3′,3′−トリメチルスピロ−8−メトキシ(2H-1
−ベンゾピラン−2,2′−インドリン) 5′−クロル−1′,3′,3′−トリメチル−6−ニトロ
スピロ(2H-1−ベンゾピラン−2,2′−インドリン) 6,8−ジブロモ−1′,3′,3′−トリメチルスピロ(2H-
1−ベンゾピラン−2,2′−インドリン) 8−エトキシ−1′,3′,3′,4′,7′−ペンタメチルス
ピロ(2H-1−ベンゾピラン−2,2′−インドリン) 5′−クロル−1′,3′,3′−トリメチルスピロ−6,8
−ジニトロ(2H-1−ベンゾピラン−2,2′−インドリ
ン) 3,3,1−ジフェニル−3H−ナフト−(2,1-13)ピラン 1,3,3−トリフェニルスピロ〔インドリン−2,3′−(3
H)−ナフト(2,1-b)ピラン〕 1−(2,3,4,5,6−ペンタメチルベンジル−3,3−ジメチ
ルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナフト(2,1-
b)ピラン〕 1−(2−メトキシ−5−ニトロベンジル)−3,3−ジ
メチルスピロ〔インドリン−2,3′−ナフト(2,1-b)ピ
ラン〕 1−(2−ニトロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−ナフト(2,1-b)ピラン〕 1−(2−ナフチルメチル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3′−ナフト(2,1-b)ピラン〕等 ヒンダードアミン系化合物としては、例えば下記のもの
が挙げられる。
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバ
ケート ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セ
バケート コハク酸ジメチル 1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物 ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ
−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕 2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2-n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル) 1−〔2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−4−
{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン 8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル
−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジ
オン テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ブタンカルボネート等 また、透明性の合成樹脂としては、特に制限されず、例
えば酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合樹
脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンブタジエン
ラテックス、アクリロニトリルブタジエンラテックス、
塩素化ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ
る。合成樹脂の配合比は、有機フォトクロミック化合物
とヒンダードアミン系化合物との合計の0.1〜2000重量
倍程度、好ましくは1〜200量倍程度とされるのが好ま
しい。
フォトクロミック層(3)は、例えば以下のようにして
剥離層(2)上に形成され得る。即ち、所望の配合比の
有機フォトクロミック化合物とヒンダードアミン系化合
物とを、必要に応じて適当な揮発性の溶剤を用い、均一
に混合或いは加熱溶融して溶液となす。この溶液を上記
合成樹脂の溶解乃至分散した水性又は油性のビヒクル中
に攪拌下添加し、必要であれば公知の染顔料、蛍光顔
料、サーモクロミック材料等の着色剤、界面活性剤、乾
燥調整剤、可塑剤、油脂、粘度調整剤、粘性改質剤、架
橋剤、触媒、体質顔料、白色顔料等の添加剤を添加し
て、塗料又はインキとする。そして、この塗料又はイン
キを剥離層(2)上にスクリーン印刷、フレキソ印刷、
グラビア印刷、オフセット印刷、ロータリー印刷、ロー
ラコート、ナイフコート、シャワーコート、スプレーコ
ート等の公知の塗装方法で塗布することによりフォトク
ロミック層を形成することができる。フォトクロミック
層の厚みは、乾燥膜厚で10〜150μm程度、好ましくは2
0〜100μm程度とされるのがよい。
接着層(4)は、フォトクロミック層(3)で用いたの
と同種の樹脂に、必要に応じて界面活性剤、乾燥調整
剤、可塑剤、油脂、粘度調整剤、架橋剤、触媒、体質顔
料、白色顔料等を加えてなる溶液状、乳化状又は分散状
の水性又は油性のインキを上記公知の塗装方法によって
積層し、形成される。接着層の厚は、乾燥膜厚で20〜20
0μm程度、好ましくは40〜150μm程度とされるのがよ
い。
また、本考案では、必要に応じ剥離層(2)とフォトク
ロミック層(3)との間に保護層を形成することがで
き、保護層は、剥離層における透明性の高いものを同様
の方法にて積層し、形成される。保護層の厚みは、乾燥
膜厚で5〜50μm程度とされるのがよい。保護層を形成
することにより、被転写体に転写されたフォトクロミッ
ク図柄模様の被膜の柔軟性、耐洗濯性及び耐摩擦性がよ
り一層向上する。
更には、フォトクロミック層(3)と接着層(4)との
間に隠蔽層を形成することも任意である。隠蔽層は、例
えば二酸化チタン、亜鉛華、鉛白、炭酸カルシウム、酸
化アルミニウム、硫酸バリウム、カオリン、硅酸アルミ
ニウム等の隠蔽性物質を塗布し、形成される。隠蔽層の
厚みは、乾燥膜厚で5〜50μm程度とされるのがよい。
隠蔽層の形成により、転写されたフォトクロミック図柄
模様は、下地の色種にかかわらず、常に鮮明な色彩を浮
かび上げる。
本考案転写捺染シートにおいて、上記隠蔽層を設けると
きは、接着層(4)を前記の様に形成する以外に、該隠
蔽層が乾燥する前にその全面にエチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩素化ポリオ
レフィン樹脂等のホットメルト性接着剤の粉末を散布
し、乾燥後、図柄模様層以外に付着した該粉末を取り除
くことにより形成することもできる。
以上の様にして各層を形成した後、必要に応じて全体を
80〜200℃程度で0.5〜10分間程度熱処理を行ってもよ
い。この熱処理によって被転写体に熱転写される図柄模
様は、その柄際がシャープとなり、被転写体に対して一
層強固に固着できて耐洗濯性及び摩擦堅牢度に優れたも
のとなる。
また、本考案者の研究によれば、上記構造の転写捺染シ
ートにおいて、フォトクロミック層(3)に、有機フォ
トクロミック化合物をヒンダードアミン系化合物中に分
散乃至溶解し、これを高分子化合物でマイクロカプセル
化したものを均一に分散させた透明性の合成樹脂を使用
したときは、フォトクロミック層の耐光性をより一層向
上することができることを見出した。
上記マイクロカプセル化は、例えば以下のようにして行
われる。即ち、まず有機フォトクロミック化合物をヒン
ダードアミン系化合物中で加熱溶融する。次にこれを界
面活性剤、保護コロイド等を必要に応じて含有させた水
又は有機溶媒中に皮膜形成物質である高分子化合物と共
に投入し、攪拌乳化して油滴とし、この油滴の粒径が1
〜50μm程度、好ましくは3〜20μm程度となるように
攪拌速度を調整し、界面重合法、インサイト重合法、コ
アセルベーション法等の公知のカプセル化法によりマイ
クロカプセル化することができる。
上記高分子化合物としては、例えばポリ尿素、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、ゼラチン、エチルセルロース、ポ
リスチレン、ポリ酢酸ビニル等の高分子化合物が挙げら
れる。マイクロカプセル化に当ってのこれら高分子化合
物の使用量は、常法に従えばよく広い範囲から選択でき
る。例えばカプセル中に内包される有機フォトクロミッ
ク化合物とヒンダードアミン系化合物の合計量に対して
0.1〜1重量倍程度とするのがよい。
また、上記カプセル化法おける界面活性剤、保護コロイ
ド、pH調整剤、電解質、有機溶媒等としては、従来より
該カプセル化法で使用されるものが好ましく使用でき
る。
また必要に応じて、これらマイクロカプセル化物の表面
を、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ア
ルデヒド系化合物、イソシアネート系化合物等で架橋
し、カプセル皮膜を熱硬化性とすることで、皮膜がより
強固となり耐熱性も向上する。
本考案におけるマイクロカプセル化物のより好ましい形
態は、上記の様にして得られるマイクロカプセル化物の
うち、そのカプセル皮膜が熱硬化性のものの表面を、更
にアラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸ソ
ーダ、ポリアクリル酸アマイド、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合物、エチレン−無水マレイン酸共重合物等の
親水性高分子化合物により被覆したものである。このと
きの被覆は、例えばインサイト法、コアセルベーション
法、気中懸濁法、界面沈降法等の公知方法により行われ
得る。
また本考案において、有機フォトクロミック化合物及び
ヒンダードアミン系化合物の他に、カプセル中、当分野
で従来より用いられている可塑剤、溶剤、酸化防止剤、
赤外線吸収剤、一重項酸素消光剤、油脂、ワックス、合
成樹脂等の添加剤を必要に応じ適宜添加しても構わな
い。これら添加剤の配合比は、有機フォトクロミック化
合物及びヒンダードアミン系化合物の総重量の30%程度
までの範囲とするのがよく、この範囲内であれば転写捺
染シートの耐光性を低下させることなく、発色濃度を高
めたり、色彩を変化させたりすることが可能である。こ
うして得られるマイクロカプセル化物は、非熱可塑性で
しかもシームレスな皮膜のものであり、マイクロカプセ
ル化物に内蔵される有機フォトクロミック化合物及びヒ
ンダードアミン系化合物は外部と完全に遮断され、耐熱
性、耐摩擦圧力性がより一層優れたものとなる。
フォトクロミック層に、マイクロカプセル化物を用いた
ときの有機フォトクロミック化合物と、ヒンダードアミ
ン系化合物及び合成樹脂の配合比、並びに該層の厚み
は、前記と特に変わることはない。
以上の様にしてなる本考案転写捺染シートは、例えば布
帛(繊維織物、編物及び不織布)、皮革、合成皮革、更
には合成樹脂、紙、陶磁器、ガラス、金属、木材等の表
面に、温度80〜200℃程度、圧力10〜1000g/cm2程度、時
間1〜60秒間程度の条件で熱転写することができる。
本考案熱転写捺染シートを適用できるより具体例を下記
に示す。
衣料品:ジャンパー、コート、ジャッケト、セーター、
ズボン、スカート、スポーツウェアー、Tシャツ、ブラ
ウス、靴下、シームレスストッキング、手袋、帽子、マ
フラー、ハンカチ、タオル、ネッカチーフなど。
インテリア用品:ノレン、ペナント、テーブルクロス、
マット、カーテン、コースター、カバーなど。
雑貨:サンダル、スリッパ、靴、長靴(ブーツ)カバ
ン、手提袋、絵本、カレンダー、ポスター、玩具、造
花、リボンなど。
考案の効果 本考案によれば、光照射の有無により色彩が可逆的に変
化する図柄模様を、布帛をはじめ各種の被転写材に簡単
に熱転写できる転写捺染シートを得ることができる。
本考案転写捺染シートは、発色濃度が高く、しかも耐光
性に優れたフォトクロミック機能を有する図柄模様を与
える。また、このシート図柄模様は、色変化の幅が広
く、その色種の選択の幅も広いので、該シートは極めて
実用性の高いものである。
実施例 以下実施例を示し、本考案の特徴とするところをより一
層明確なものとする。
尚、以下において「耐光性」とは、須賀長市著「耐候光
と色彩」(スガ試験機株式会社、1988)の記載に準じて
測定したものである。
参考例1 1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)
ナフト(2,1-b)(1,4)オキサジン〕5部(重量部、以
下同じ)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート105部及びエポキシ樹脂(“エピコー
ト828"油化シェルエポキシ(株)製)30部の均一な熱溶
液を60℃の5%ヒドロオキシエチルセルロース水溶液50
0部中に投入し攪拌にて直径約10μmの油滴状に分散さ
せ、次いでエポキシ樹脂用硬化剤(“エピキュアU"油化
シェルエポキシ(株)製)18部を投入し、引続き攪拌を
続け、90℃に昇温して2時間反応させた。その後、冷却
し、生成したマイクロカプセル粒子を濾別、水洗、乾燥
することにより約155部の粗マイクロカプセル化物を得
た。得られた粗マイクロカプセル化物155部を、60℃に
加熱した5%ゼラチン水溶液500部中に加え、攪拌を続
け、均一に分散した。この分散液中に5%カルボキシメ
チルセルロース水溶液50部を、攪拌しながら添加した。
pHを5.5に調整した後、10℃に冷却し、10%ホルマリン
水溶液25部を加え、5分間放置し、更に10%カセイソー
ダ液を添加しながら系のpHを10に調整した。生成した粒
径12〜15μmのカプセル分散液を濾別、水洗、自然乾燥
した後、更に80℃で2時間乾燥することにより約177部
のマイクロカプセル化物を得た。以下これをカプセルA
という。
参考例2〜4 1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)
ナフト(2,1-b)(1,4)オキサジン〕を1−ベンジル−
3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)ナフ
ト(2,1-b)(1,4)オキサジン〕、1−(2,3,4,5,6−
ペンタメチルベンジル)−3,3−ジメチルスピロ〔イン
ドリン−2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)ピラン〕又は1,
3,3−トリフェニルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)
ナフト(2,1-b)ピラン]に代える以外は参考例1と同
様にしてマイクロカプセル化物を得た。以下これらをカ
プセルB、C及びDという。
実施例1 厚さ100μmのパーチメント紙(330×430mm)上にシリ
コン樹脂5部、アマイド系ワックス10部及びキシロール
85部からなるインキをロールコーターにて全面に乾燥膜
厚約20μmとなるように塗布して剥離層を形成した。乾
燥後その表面に、1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリ
ン−2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)オキサジ
ン〕0.28部及びビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート2.8部の混合物を加熱して溶解
し、この溶液を熱可塑性ポリウレタン樹脂(“パンディ
スクT-5205"大日本インキ化学工業(株)製)の20%シ
クロヘキサノール溶液:セルソルブアセテート=1:1溶
液(以下、20%ウレタン樹脂溶液という)100部中に分
散させたインキをアルファベット文字スクリーン版(15
0メッシュ)にて乾燥膜厚約40μmとなるように印刷し
フォトクロミック層を形成し、乾燥した。続いて20%ウ
レタン樹脂溶液90部、ホットメルト性ポリエステル樹脂
パウダー(“バイロン903P"東洋紡(株)製)10部から
なるインキを上記アルファベット逆文字版より1mm拡大
した輪郭のスクリーン版(120メッシュ)にて上記アル
ファベット文字の表面に乾燥膜厚約80μmとなるように
印刷して接着層を形成し、十分乾燥を行い、本考案転写
捺染シートを得た。
この転写シートの接着面を綿製Tシャツの胸部に当接
し、160℃×10秒×100g/cm2の条件で熱転写を行い、ベ
ースシートを剥離してアルファベット図柄を施した。こ
のTシャツは、光の当らない場所では全面白色の無地で
あるが、光を当てると胸部に青色のアルファベット柄が
現れた。光を取除くとアルファベット柄が消え、再び無
地となった。この色彩の変化は、何度でも反覆できた。
また、この転写模様の耐光性は4〜5級であった。
比較例1 実施例1におけるフォトクロミック層において、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
トを添加しない以外は実施例1と同様にして転写捺染シ
ートを得た。
このシートを実施例1と同様にしてTシャツに熱転写し
た図柄模様は、光によって白色青色を繰り返したが、
その耐光性は1級と極めて低かった。
実施例2 実施例1における1,1,3,3−トリメチルスピロ〔インド
リン−2,3′−(3H)ナフト(2,1-b)(1,4)オキサジ
ン〕0.28部とビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート2.8部に代えて、カプセルA10部を使
用する以外は実施例1と同様にして転写捺染シートを
得、Tシャツに熱転写した。熱転写された図柄模様は、
実施例1と同様の色彩変化を見せ、その耐光性は6〜7
級であった。
実施例3 厚さ90μmの晒クラフト紙(330×430mm)の表面にポリ
エチレンワックス(“サンワックス151P"三洋化成工業
(株)製)15部、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(“ソ
アレックスR-BH"日本合成化学(株)製)10部、トルエ
ン72部及びカチオン化硅薄土(“オルベン”白石工業
(株)製)3部からなる剥離製材料を乾燥膜厚約20μm
となるようにローラーコートし、剥離層を形成した。次
に20%ウレタン樹脂溶液100部及びシリコーン系消泡剤
(“シリコーンSH-720"東レシリコーン(株)製)0.3部
からなる印刷インキを星柄、アルファベット文字及び花
柄のそれぞれの1mm拡大セルスクリーン版(150メッシ
ュ)にて乾燥膜厚約15μmとなるように印刷し、保護層
を形成し、乾燥した。次いで20%ウレタン樹脂溶液100
部に(イ)カブセルAを20部、(ロ)カーボンブラック
1部、(ハ)フタロシアニングリーン(有機顔料)1部
及び(ニ)カプセルC20部をそれぞれ加えたインキを準
備し、保護層上に保護層の輪郭より1mm縮少した輪郭の
スクリーン版(120メッシュ)にて(イ)星及びアルフ
ァベット文字、(ロ)花と葉の輪郭、(ハ)葉の緑色、
(ニ)花の紫色を、(イ)及び(ニ)は乾燥膜厚約50μ
m、(ロ)及び(ハ)は乾燥膜厚約25μmとなるように
印刷し、乾燥し、フォトクロミック図柄模様層及び不変
色性着色インキ図柄模様層を形成した。続いて、20%ウ
レタン樹脂溶液100部に酸化チタン(“TiO2JR701"帝国
化工(株)製)20部を加えたインキを上記図柄模様層上
にこの図柄模様層の輪郭より1mm縮少したスクリーン版
(150メッシュ)を用いて乾燥膜厚約20μmとなるよう
に印刷し、隠蔽層を形成し、乾燥を施した。更に隠蔽層
表面に前記保護層で用いたのと同組成のインキ及び同じ
スクリーン版を用い保護層の輪郭と一致する接着層を形
成し、最後に50℃で20分間乾燥し、本考案転写捺染シー
トを得た。
このシートの接着面を塩化ビニル製カバンに相接し、14
0℃×3秒×50g/cm2の条件で熱転写を行い、ベースシー
トを剥離し、塩化ビニル製カバンにフォトクロミック図
柄模様を施した。このカバンの図柄模様は光の当らない
場所では星とアルファベットと花びらは白色であるが、
光を当てると星とアルファベットは青色に、花びらは紫
色に変化した。この変化は何度でも可逆的に反覆でき
る。耐光性は、6〜7級であった。
実施例4 シリコン樹脂で処理した剥離性を有する厚さ200μmの
ポリエステルフィルム(600×400mm)上にアルファベッ
ト文字柄を彫刻したスクリーン版(120メッシュ)を用
いて、塩化ビニル樹脂(“ゼオン121"日本ゼオン(株)
製)64部、ジイソノニルフタレート32部、Ba-Zn安定剤
3部及びジブチルスズラウレート1部からなる塩化ビニ
ルペーストレジンにカプセルA20部及び蛍光顔料(“グ
ローエローMF2G"(株)松井色素化学工業所製)1部加
えたインキを乾燥膜厚約60μmとなるように印刷し、13
0℃で1分間の熱処理を施し、フォトクロミック層を形
成した。次に上記アルファベット文字柄の輪郭より1mm
拡大した形状に彫刻したスクリーン版(120メッシュ)
を用いて、アルファベット文字柄上に前記塩化ビニルペ
ーストレジン100部及び酸化チタン(“TiO2 JR701")15
部からなるインキを乾燥膜厚約30μmとなるように印刷
し、隠蔽層を形成した。隠蔽層が乾燥する前にホットメ
ルト性ポリエステル樹脂粉末(“バイロンGM900"東洋紡
(株)製)をこのシートの全面に乾燥膜厚約80μmとな
るように散布し、該隠蔽層上以外の部分に付着した余分
の粉末を除き、引き続き熱風にて150℃で3分間熱処理
を施し、転写捺染シートを得た。
このシートを、紺地染ポリウレタンレザー/レーヨンの
ラミネート布のポリウレタン面と相接し、160℃×10秒
×100g/cm2の条件で熱転写を行いベースシートを剥離し
た。斯くして、このウレタンレザー布帛上に転写された
アルファベット文字柄は、光の当らない場所では黄色で
あるが、光を当てると緑色となった。この変化は、何度
でも反覆できる。しかもこのアルファベット文字柄は光
沢に優れ、且つ文字の輪郭が極めて鮮鋭であった。耐光
性は、6〜7級であった。
実施例5 隠蔽層までは実施例4と同様に形成した後、隠蔽層を形
成するために用いたのと同じスクリーン版で、熱可塑ポ
リウレタン樹脂(“クリスボン3454"大日本インキ化学
工業(株)製)50部、シクロヘキサノン35部及びイソホ
ロン15部からなるインキを乾燥膜厚約50μmとなるよう
に印刷して接着層を形成し、十分乾燥して転写捺染シー
トを得た。
この転写捺染シートをクロロプレンゴムを発泡成形して
得たウェットスーツの皆面に140℃×3秒×100g/m2の条
件で熱転写を行い、アルファベット文字柄を形成した。
転写されたアルファベット文字柄は、光の当らない場所
では黄色であるが、光を当てると緑色となった。この変
化は、何度でも反覆できる。耐光性は、6〜7級であっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案転写捺染シートの一例の断面図を示
す。 (1)……ベースシート (2)……剥離層 (3)……フォトクロミック図柄模様層 (4)……接着層

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースシート上の少なくとも一部に形成さ
    れた剥離層、該剥離層上に積層されたフォトクロミック
    図柄模様層及び該フォトクロミック図柄模様層上に積層
    された接着層を有する転写捺染シートであって、該フォ
    トクロミック図柄模様層が、有機フォトクロミック化合
    物及びヒンダードアミン系化合物を均一に分散させた透
    明性の合成樹脂で形成され、該ヒンダードアミン系化合
    物の使用量が、該有機フォトクロミック化合物1重量部
    に対して少なくとも5重量部であることを特徴とする転
    写捺染シート。
  2. 【請求項2】ベースシート上の少なくとも一部に形成さ
    れた剥離層、該剥離層上に積層されたフォトクロミック
    図柄模様層及び該フォトクロミック図柄模様層上に積層
    された接着層を有する転写捺染シートであって、該フォ
    トクロミック図柄模様層が、有機フォトクロミック化合
    物をヒンダードアミン系化合物中に分散乃至溶解した組
    成物のマイクロカプセル化合物を均一に分散させた透明
    性の合成樹脂で形成され、該ヒンダードアミン系化合物
    の使用量が、該有機フォトクロミック化合物1重量部に
    対して少なくとも5重量部であることを特徴とする転写
    捺染シート。
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