JPH0759721B2 - 金属微粒子の製造方法 - Google Patents

金属微粒子の製造方法

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JPH0759721B2
JPH0759721B2 JP62168359A JP16835987A JPH0759721B2 JP H0759721 B2 JPH0759721 B2 JP H0759721B2 JP 62168359 A JP62168359 A JP 62168359A JP 16835987 A JP16835987 A JP 16835987A JP H0759721 B2 JPH0759721 B2 JP H0759721B2
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信昭 中島
紳郎 下
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はレーザー等のエネルギーを活用し、金属化合物
の蒸気から金属微粒子を得る製造方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 従来、金属化合物の蒸気を分解して金属微粒子を製造す
る方法は公知であり、例えば気相から金属微粒子を堆積
物として析出させる方法(特開昭60−51539号公報)や
有機金属化合物をレーザーを用いて分解する方法[「ケ
ミストリー・アンド・インダストリー(Chem.and In
d)、第15巻、第247ページ(1985年)]などが知られて
いる。
ところが、従来の金属化合物の蒸気を分解する方法は、
例えば、レーザー線の場合、1分子の金属微粒子を生成
させるために、少なくとも1光子のエネルギーが必要で
あり、高価なレーザー線の多大なエネルギーを要し、ま
た、反応の制御が困難であり、さらに、副生成物の生成
などの問題があるため、経済的及び品質的に不利であ
る。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は金属化合物の蒸気から、不純物の混入のない高
純度の金属微粒子を極めて効率的に得ることを目的とす
るものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、先に、金属化合物の蒸気から高純度の金
属微粒子を得るため、少量の高密度のエネルギー線を系
内の一部に投入し、活性種を生成させ、これにより誘起
された連鎖反応により金属化合物を自動的に分解させ、
効率よく金属微粒子を製造する方法を提案しているが、
さらにこの方法のエネルギー効率を向上させるため照射
条件を変えて、鋭意研究を遂行した結果、特定濃度以上
のガス状金属化合物に、特定のエネルギー密度以上のエ
ネルギー線を照射すれば、非常にエネルギー効率よく金
属微粒子が得られることを見出し、本発明をなすに至っ
た。
すなわち、本発明は金属化合物の分解により金属微粒子
を製造する方法において、1ml当り1015分子以上の濃度
のガス状金属化合物の系内の一部に、1cm2当り10-3ジュ
ール以上のエネルギー密度のエネルギー線を照射して、
系内の一部に高濃度の活性種を生成させ、次いで該活性
種からの連鎖的分解反応により微粒子生成を行うことを
特徴とする金属微粒子の製造方法を提供するものであ
る。
本発明に用いる金属化合物は蒸気になるものであればど
のようなものでも使用できるが、例えば、鉛、ビスマ
ス、タリウム、亜鉛、アルミニュウム、カドミニウム、
水銀、金、銀、白金、コバルト、ニッケル、鉄、スズ、
ケイ素、ゲルマニウム等の金属又は半金属のアルキル
基、アリール基、アラルキル基等との間の金属−炭素結
合を有する有機金属化合物及びこれらの金属等の水素化
物、アルコキシド、カルボニル化物、メタロセン化合
物、ハロゲン化物、水酸化物、酸化物、炭化物、窒化
物、硫化物等の化合物が本発明の金属化合物として使用
できる。
本発明に用いる金属化合物としては、結合エネルギーが
小さいもの及び蒸気圧の比較的に高いものが連鎖的分解
反応の円滑な開始進行の点及び原料濃度を高くすること
ができる点から好ましい。
例えば、有機基の炭素数の少ない有機金属化合物及び金
属ハロゲン化物が蒸気圧が大きい点で好ましく、また、
有機がアルキルである有機金属化合物及び金属カルボニ
ル化合物が結合エネルギーが小さい点で好ましい。
好ましい金属化合物としては、テトラメチルシラン、テ
トラメチルゲルマン、テトラメチルスズ、テトラメチル
鉛、テトラエチルシラン、テトラエチルゲルマン、トリ
メチルビスマス、ジメチル水銀、ジメチル亜鉛、ジエチ
カドミウム、ジプロピルカドミウム、鉄カルボニル、ニ
ッケルカルボニル、クロムカルボニル、モリブデンカル
ボニル、タングステンカルボニルなどがある。
本発明に用いる金属化合物は、系内における金属化合物
の濃度が1015分子/ml以上、好ましくは、1016分子/ml以
上、特に好ましくは、1017分子/ml以上にして分解反応
を行わせることが必要である。この場合系内に希釈ガス
を存在させてもよく、希釈ガスとして、ヘリウム、窒
素、水素、空気等が使用できる。
希釈ガスを使用するときは、金属化合物の蒸気濃度の2
倍以下、好ましくは、等倍以下の濃度で、該ガスを系内
に導入することができる。
本発明における金属化合物の蒸気濃度は該金属化合物の
エネルギーの吸収係数との関係で適切な条件を選択でき
る。例えば、エネルギー線の振動数を選択して、吸収効
率が大きい条件で照射を行うときは、該蒸気濃度を小さ
くしても連鎖的分解反応は開始する。
本発明において、系内の金属化合物の濃度が低いと、連
鎖開始の活性種の濃度が低くなり、活性種の寿命のある
間に金属化合物との反応が起こりにくくなり、活性種が
失活してしまうので連鎖反応が開始しない。
本発明の連鎖開始反応のエネルギー源に用いるエネルギ
ー線は、例えば、電磁波(紫外、可視及び赤外のレーザ
ー光、水銀ランプやキセノンランプ等の非コヒーレント
光、軌道放射光、マイクロ波、X線等の放射線など)、
イオンビーム、電子ビーム、プラズマのように、ガス状
の金属化合物に、分解に要するエネルギーを付与するも
のであればどのようなものでも使用できる。このうち、
レーザー、特にエキシマ−レーザーがエネルギー密度が
大きく、その上、金属化合物に対する吸収係数が大きい
ので、効率的に活性種を発生させることができるので好
ましい。また、その他軌道放射光やX線なども励起エネ
ルギーが大きいという点で好ましい。
本発明におけるエネルギー線は、連続エネルギー線でも
よいが、パルス線が簡便であり好ましい。
本発明におけるエネルギー線の照射は、照射する金属化
合物の吸収係数(エネルギー線がレーザー等の光である
場合は、モル吸光係数)が大きい条件で実施するのが望
ましい。例えば、テトラメチル鉛を原料として用いると
きは、波長約200nm付近で吸収係数の極大値があり、こ
の場合は、波長193nmのAiFエキシマ−レーザーを使用す
るのが、好適である。さらに、ArFエキシマ−レーザー
の照射量は、1015光子以上、好ましくは、1015光子以上
にして高濃度の活性種を得ることができる。
本発明におけるエネルギー線の照射は、エネルギー密度
が高いほど有利である。
本発明では、照射時間を非常に短くして、失活率を低く
抑えることが好ましく、これを10-3秒以内、特に好まし
くは、10-4以内、さらに好ましくは、10-5以内にするこ
とがよい。この値より照射時間を長くしても活性種の失
活が起こるため活性種の濃度が高くすることができなく
なることがある。
また、その際、照射線のエネルギー密度は、1cm2当り、
10-3ジュール以上であればよく、これより少ない密度で
は連鎖的分解反応がほとんど開始しない。
上記の本発明の照射によって、系内の一部に、1015個/m
l以上、好ましくは、1016個/ml以上の高濃度の活性種が
発生し、この活性種により連鎖的分解反応が逐次的に起
こり、瞬間的に有機金属化合物がほとんど完全に分解
し、該金属の超微粒子が生成する。
このようにして得られる金属微粒子の径は、1μm以下
であるが、大部分は0.3μm以下の粒子で構成されてい
る。
[発明の効果] 本発明の金属微粒子の製造方法によれば、系内の一部に
活性種を生成させるに必要なエネルギーを最初少量与え
るだけで、系内すべての金属化合物が微粒子に分解され
る。このような効果は工業的規模で大きな容器を使用し
た場合その容積に比例して増大する。
この理由により、本発明は、種々の高純度金属微粒子を
極めて少ないエネルギーにより効率的に得ることに達成
したものであり、無機微粒子材料の経済的製造方法とし
て非常に有用である。
[実施例] 本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 テトラメチル鉛1.6ミリモルの蒸気を1の合成石英製
容器内に、室温、29Torrの圧力で入れた。このとき系内
のテトラメチル鉛の蒸気は1ml当たり、9.6×1017分子の
濃度になっている。
これにArFエキシマ−レーザー(波長193nm)からのレー
ザー光を1パルス(10-8秒)照射し、エネルギー密度が
1cm2当たり1.0×10-2ジュールのエネルギー線を4.0×10
-2ジュール投入した。この結果9.6×1015光子が照射さ
れたことになる。これは、照射表面から1.9mmの範囲内
で、99.9%以上の光が吸収されていて、このことは、最
初存在したテトラメチル鉛分子が極めて高密度に励起さ
れ、活性種になっていることを示す。
レーザーの照射後系内で発光を伴って連鎖的分解反応が
起こり、1光子当たり、100000分子の割合でテトラメチ
ル鉛が瞬間的に分解した。その結果黒色の鉛微粒子326m
gが得られた。この鉛微粒子は、大部分が0.3μm以下の
粒径であった。
反応終了後のガス成分は、エタン(64%)、エチレン
(11%)、メタン(19%)、プロピレン(6%)であっ
た。
以上の結果より、該レーザーを1パルス(10-8秒)照射
しただけでテトラメチル鉛は完全に鉛微粒子とメチルラ
ジカルに分解されていることが確認できる。
これは従来の方法に比して、10万倍以上のエネルギー効
率である。系内の一部に生成した活性種から金属蒸気の
存在する限り連鎖的に反応が進行するので、この効率
は、使用容器の容量を数倍にすれば、それに応じて数倍
にすることができる。
この点を考慮すれば、工業的規模の場合エネルギー効率
の向上は膨大なものになる。
実施例2 トリメチルビスマス0.55ミリモルを1の合成石英製容
器内に10Torrで入れ、3.3×1020分子を存在させた。
これにArFエキシマレーザー(193nm)からのレーザー光
を1パルス(10-8秒)照射し、エネルギー密度が1cm2
たり、2.5×10-2ジュールのエネルギーを1.0×10-1ジュ
ール投入した。
この結果、連鎖的にトリメチルビスマスの分解反応が進
行し、1光子当たり、14000分子のトリメチルビスマス
が分解し、大部分が0.3μm以下の粒径である黒色のビ
スマス微粒子を115mg生成した。この収量は、トリメチ
ルビスマスが完全に分解し、理論収率で金属ビスマスが
得られたことに相当する。反応終了後のガス成分は、エ
タン(83%)、エタン(11%)、エチレン(3%)、プ
ロピレン(3%)であった。
実施例3 トリメチルビスマスを0.23ミリモル使用したこと以外は
実施例2と同じ操作をした。
その結果連鎖的にトリメチルビスマスの分解反応が完全
に進行し、大部分が0.3μm以下の粒径の黒色のビスマ
ス微粒子を48.5mg生成した。
比較例1 テトラメチル鉛を0.166ミリモル使用し、エネルギー密
度を1cm2当たり1×10-5ジュールとした以外は、実施例
1と同様の操作を行ったが、連鎖的な分解反応は全く起
こらなかった。反応容器内のレーザー照射部分のみに僅
かに鉛の薄膜が生成した。
比較例2 テトラメチル鉛を1.1×10-5ミリモルを使用したこと以
外は実施例2と同じ操作を行った。その結果連鎖的な分
解反応は全く進行しなかった。
反応容器内のレーザー照射した部分のみ薄膜が生成し
た。
比較例3 トリメチルビスマスを0.046ミリモル使用し、付与する
エネルギー密度を1cm2あたり、10-5ジュールとしたこと
以外は実施例2と同じ操作を行った。
その結果、連鎖的な分解反応は全く進行しなかった。
反応容器内のレーザー照射した部分のみ薄膜が生成し
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属化合物の分解により金属微粒子を製造
    する方法において、1ml当り1015分子以上の濃度のガス
    状金属化合物の系内に一部に、1cm2当り10-3ジュール以
    上のエネルギー密度のエネルギー線を照射して、系内の
    一部に高濃度の活性種を生成させ、次いで該活性種から
    の連鎖的分解反応により微粒子生成を行うことを特徴と
    する金属微粒子の製造方法。
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