JPH0768272B2 - ヒト由来の糖蛋白質及び該糖蛋白質からなる生理活性因子とそれを活性成分とする製剤 - Google Patents

ヒト由来の糖蛋白質及び該糖蛋白質からなる生理活性因子とそれを活性成分とする製剤

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JPH0768272B2
JPH0768272B2 JP2-504271A JP50427190A JPH0768272B2 JP H0768272 B2 JPH0768272 B2 JP H0768272B2 JP 50427190 A JP50427190 A JP 50427190A JP H0768272 B2 JPH0768272 B2 JP H0768272B2
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伸二郎 満田
伸行 島
康治 板垣
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ヒト由来の線維芽細胞の培養上清から得られ
た糖蛋白質及び該糖蛋白質からなる生理活性因子とそれ
を活性成分とする製剤に関する。
本発明の糖蛋白質は腫瘍細胞に対して障害作用を有し、
且つ正常細胞に対して障害を示さない、新規な腫瘍細胞
障害因子、白血病株分化誘導因子、細胞免疫能活性因
子、血管内皮細胞増殖因子、肝実質細胞の増殖因子であ
る。本物質は抗腫瘍剤、抗白血病剤、細胞免疫増殖剤、
創傷治療剤、肝再生促進剤等としてあるいは生化学的も
しくは薬理作用の試薬として有用である。
背景技術 ヒト由来の線維芽細胞が産生する生理活性物質、例えば
腫瘍細胞障害因子としてはβ−インターフェロンが代表
的な物質である。これは線維芽細胞を培養後、細胞をハ
ーベストしポリI−ポリCやセンダイウィルスで刺激す
ると細胞外に分泌される糖蛋白質であり、抗ウィルス、
抗腫瘍効果の他に、種々の生理活性を示すことが明らか
になっている。特開昭58−146293号公報には、CBFと呼
ばれる線維芽細胞由来の腫瘍細胞障害性糖蛋白質が開示
されている。特開昭61−33120号公報にはヒト組織由来
の繊維芽細胞培養液より抽出される分子量35,000〜45,0
00腫瘍増殖阻害因子(IN)が開示されている。又、特開
昭61−56131号公報には線維芽細胞より抽出される腫瘍
壊死因子様物質が、特開昭61−1872号公報には、線維芽
細胞由来壊死因子FNFが、特開昭62−103021号公報に
は、動物線維芽細胞から産生される分子量40,000〜60,0
00、等電点5.0±0.5の細胞障害作用を有する生理活性物
質がそれぞれ開示されている。さらに、特開昭64−1099
8号公報には、ヒト由来の線維芽細胞の培養上清から得
られる分子量36,000±1,000、等電点10.5以上の腫瘍細
胞障害因子の全アミノ酸配列およびこれをコードするcD
NA配列が開示されている。
発明の開示 本発明者らは、ヒト由来の線維芽細胞の培養上清に含ま
れる生理活性物質について検索を進めた結果、従来報告
されている物質とは分子量、等電点等において異なる種
々の生理活性を有する糖蛋白質を見出し本発明をなすに
至った。
したがって、本発明は、ヒト由来の線維芽細胞の培養上
清より得られる、新規な糖蛋白質及び該糖蛋白質からな
る生理活性因子、さらにこの生理活性因子を活性成分と
する製剤を提供することを課題とする。
本発明に係るヒト線維芽細胞由来の新規な糖蛋白質(以
下、TCF−IIという)は下記に示す物理化学的特性によ
り特定される糖蛋白質である。
a.分子量;SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による
分子量測定で、非還元では78,000±2,000又は74,000±2
000の分子量であり、還元した場合、52,000±2,000の共
通バンドAと、30,000±2,000のバンドB及び26,000±
2,000のバンドCの2本のバンドを示す。
b.等電点;7.4〜8.6 c.熱安定生60℃10分間の加熱によっても安定 d.pH安定生;pH6〜9の範囲で安定 e.糖鎖;コンカナバリンA(ConA)セファロースに吸着
性を示す。
f.生理活性;KB細胞、HeLa細胞、L−929細胞の増殖を抑
制し、IMR−90細胞の増殖を抑制しない g.抗体との反応性;抗TNF抗体、抗リンホトキシン抗
体、抗インターフェロンβ抗体によって障害活性が中和
されない。
さらに、本発明のTCF−IIは、下記のN末端アミノ酸配
列及びアミノ酸組成を有するものが好ましい。
h.N末端アミノ酸配列;上記B及びCがバンドAのサブ
チェーンとなっており、又バンドAはN末端アミノ酸が
ブロックされている。サブチェーンB及びCは共に以下
のN末端アミノ酸配列をもつ; Val−Val−Asn−Gly−Ile−Pro−Thr− または Val−Val−Asn−Gly−Ile−Pro−Thr−X−Thr−Asn−I
le−Gly−X−Met−Val−Ser−Leu− ただしXは未同定を意味する。
i.アミノ酸組成;塩酸で加水分解すると次のアミノ酸組
成を示す。
A.A nmol mol% Asp 10.375 12.97 Glu 7.750 9.69 Ser 5.000 6.25 Gly 7.250 9.06 His 3.000 3.75 Arg 5.375 6.72 Thr 5.125 6.41 Ala 2.625 3.28 Pro 5.625 7.03 Tyr 3.875 4.84 Val 4.125 5.16 Met 1.875 2.34 Cys ND − Ile 5.000 6.25 Leu 4.875 6.09 Phe 2.250 2.81 Trp ND − Lys 5.875 7.34 合計 80.000 100(99.99) なお、本発明TCF−IIのアミノ酸配列は、下記に示す手
順に従って、ヒト胎児肺由来線維芽細胞(IMR−90)か
ら、該TCF−IIをコードしたmRNAを精製した後、その遺
伝子をクローニングして塩基配列を決定し、その塩基配
列から推定した。
(1)IMR−90細胞からのポリ(A)+RNAの抽出 5%のNcw born calf serum(NBCS)を添加したDulbecc
o′s modlfied eagle(DME)培地を用いて培養したIMR
−90細胞2×108個から、グアニジンチオシアネート−
塩化セシウム法(Blochemistry 18 5294−5299(197
9))によりトータルRNAを調製した。IMR−90細胞に6M
グアニジンチオシアネート、5mMクエン酸ナトリウム、
0.5%ザルコシール、0.1M β−メルカプトエタノール溶
液8mlを添加し、ホモジィナイズした。4mlの5.7M塩化セ
シウム、0.1M EDTA溶液をポリアロマー遠心管に入れ、
その上にホモジィナイズ溶液7mlをのせ、ベックマン超
遠心機40Tlローターで35,000rpm,20℃、16時間超遠心分
離を行った。遠心後、沈澱を95%エタノールで2回洗浄
し、200μlの10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5),1mM EDT
A溶液で65℃、5分間加熱することにより溶解し、トー
タルRNA溶液とした。トータルRNAから、オリゴ(dT)セ
ルロースカラムクロマト法により、ポリ(A)+RNAを精
製した。オリゴ(dT)セルロースカラムを10mMトリス塩
酸緩衝液(pH7.4),1mM EDTA,0.5M塩化ナトリウム、0.0
5%SDSで平衡化し、トータルRNAを通し、吸着画分を10m
Mトリス塩酸緩衝液(pH7.4),1mM EDTA,0.05% SDS溶出
し、ポリ(A)+RNA溶液とした。
(2)cDNAの合成 (1)で得たpoly(A)+RNAを鋳型として、cDNA合成キ
ット(Pharmacia社)により二本鎖cDNAを作成し、EcoRl
アダブターを付加した。作成方法は同社のプロトコール
に従ったが、一本鎖cDNAの合成の際、トリ骨髄非球症ウ
イルス由来の逆転写酵素(AMV RTase)を添加する改良
を加えた(40units/反応系、Life Science社)。
(3)cDNA libraryの作成 (2)で得たcDNAをファージベクターλ gt10のEcoRI a
rm(Promega社)に組み込んだ。3.3μgのpoly(A)+R
NAから合成したcDNAを150μlの66mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.6)、1mMスペルミジン、10mM塩化マグネシウム、
15mMジチオスレイトール、0.2mg/mlウシ血清アルブミン
溶液(カラム緩衝液)に溶解し、このうちの5.2μlを
1μgのλ gt10 EcoRI armと混合後、エタノールで沈
澱させた。この沈澱を9μlのカラム衝撃液に再溶解
し、1μlの10mMアデノシン三リン酸、1μlのTM DNA
リガーゼ(350units/μl)を加え、16℃で一晩反応
し、λ gt10とcDNAの組換えファージDNAを作成した。
(4)cDNAライブラリーのスクリーニング (i)オリゴヌクレオチド プローブの作成 TCF−II β鎖のN末端の1番目から6番目のアミノ酸配
列に相当する17merの相補鎖オリゴヌクレオチド混合物
(384種mix)を合成し、T4ポリヌクレオチドキナーゼ
(宝酒造)、〔γ−32P〕ATP(Amersham社)を用いて
5′末端を標識してプローブとして用いた。このプロー
ブは下記で示される。プローブとして用いる相補鎖(38
4種mix): (ii)組換えファージのスクリーニング (3)で作成した組換えファージDNA溶液をGigapack Go
ld(Stratagene社)を用いてin vitroでRackagingし、
大腸菌C600hflに感染させ、約50万個のファージのプラ
ークを得た。プラークをHybond−Nフィルター(Amersh
am社)に吸着させた後、フイルターをアルカリ変性、中
和後、80℃2時間bakingした。ハイブリダイゼーション
は、Bellら(Nature 310 775−777,1984)の方法に従
い、(i)で作成したプローブで一次スクリーニングし
た。一次スクリーニングで陽性であったプラークのなか
にTCF−II cDNA断片を含むと思われるクローンが1つ得
られた。
(5)アミノ酸に翻訳される全領域を含むTCF−II cDNA
のクローニング TCF−IIのβ鎖N末アミノ酸配列およびα鎖およびβ鎖
のリシルエンドペプチダーゼ処理により得られたそれぞ
れ一部内部アミノ酸配列(α)(1文字表示)NYMGNLSQ
TRSGLおよび(β)TSXSVYGWGYTGLINYDGLL(Xは未同定
を示す)が、ヒト肝細胞増殖因子(hHGF)のアミノ酸配
列とよく一致しているため、TCF−IIはhHGFの遺伝子フ
ァミリーの一種と考えられた、hHGFについては、宮沢ら
(Biochemical and Biophysical Research Communicati
on 163 967−973(1989)),中村(Nature 342440−44
3(1989))によってそのcDNAの塩基配列が報告されて
いるが、両者でアミノ酸配列が14箇所異なり、hHGF遺伝
子ファミリーの存在が示唆されていた。そこで両者で一
致している、ポリヌクレオチド鎖コード領域周辺の5′
−および3′−非翻訳領域のDNAの塩基配列を基にプラ
イマーとなるオリゴヌクレオチドを合成し、Polymerase
Chain Reaction(PCR)法によりTCF−II cDNAの検索を
行った。まず、DNA合成機(Applind社)により制御酵素
SalIの認識配列を有するSal−77プライマーと、制限酵
素Sph1の認識配列を有するSph2203プライマーを合成し
た。これらプライマーを下記に示す。
PCR法によるクローニングは以下の手順で行った。
(i)PCR (2)で合成したcDNA(150μlのカラム緩衝皮に溶
解) 1 μl 20μM sal−77プライマー 2.5μl 20μM sph2203プライマー 2.5μl 10xPCR反応液(500mM塩化カリウム、100mMトリス塩酸緩
衝液に(pH8.3),15mM塩化マグネシウム、0.1%(w/v)
ゼラチン) 10 μl 1.25mM dGTP,dATP,dTTP,dCTP混合液 16 μl Ampli Tap(5units/μl宝酒造) 0.5μl 蒸留水 67.5μl 上記の溶液を0.5ml用の微量遠心チューブ中で混合後、
ミネラルオイル(Sigma社)約100μlで液面をおおった
後、Quick Thermo System(日本ジェネティスク社)に
よりPCRを行った。反応条件は次に示した。94℃で7分
前処理後、55℃ 3分(アニーリング反応)、75℃ 4分
(ポリメラーゼ反応)、94℃ 2分(変性)の三段階の反
応を35回繰り返した後、後処理として55℃ 3分、72℃ 1
1分処理し、室温に戻した((注)それぞれの時間は温
度が変化する時間も含む。)。反応液のうちの一部をア
ガロースゲス電気泳動にかけたところ約2.3キロベース
(Kb)のDNA断片が得られ、これが目的のTCF−II cDNA
と考えられた。そこで反応液4本分から得た。DNAをエ
タノールで沈澱させた後、制限酵素SalIとSphIで消化
し、アガロースゲル電気泳動にかけ、DM81ペーパー(Wh
atman社)で約2.3KbのDNA断片を回収した。
(ii)サブクローニング (i)で得られた制限酵素SalIとSphIで消化された約2.
3KbのcDNA断片を、プラスミドベクターpUC18(日本ジー
ン社)を制限酵素SalIとSphIで消化したベクター断片に
ライゲーションキット(宝酒造)を用いて挿入し、大腸
菌DH5α(BRL社)の形質転換を行った(BRN社添付のプ
ロトコールに従った)。結果として、20個以上のサブク
ローンを得ることが出来た。
(iii)塩基配列決定 得られたサブクローンについてダイデオキシ法(Sequen
ase Ver.2.0東洋紡)により塩基配列を決定した。Ampi
Taq(宝酒造)のヌクレオチド取り込みのミスを複数個
のサブクローンの塩基配列を解析することにより補正し
た。上述のようにして得られたTCF−II cDNAの塩基配列
と、その配列から予想されるアミノ酸配列を第15図に示
した。翻訳開始信号ATGから停止信号TAGまで2172塩基対
(bp)あり、アミノ酸に翻訳すると723個のアミノ酸配
列からなり、1番目のメチオニン残基から29番目のアラ
ニン残基までがシグナル配列と予想された。TCF−II
は、α鎖、β鎖の二本のポリペプチド鎖がジスルフイド
結合しているが、第15図に示すように最初は1本のポリ
ペプチド鎖として合成されることがわかった。TCF−II
のα鎖のN末端はブロックされているために不明である
が、β鎖のN末端およびα鎖、β鎖の一部内部アミノ酸
配列が前述のごとく決定しており、第15図中に示した。
得られたTCF−II cDNAの塩基配列は宮沢ら(Biochemica
l and Biophysical Research Communication 163 967−
973(1989))の発見したhHGFと極めてよく一致するが
宮沢らのhHGFのアミノ酸配列でいうと、162番目のフェ
ニルアラニンから166番目のセリンまでの5残基(F−
L−P−S−S)が、今回のTCF−II cDNAでは欠失して
いる点のみが異なり、TCF−II cDNAは新しいHGF遺伝子
ファミリーの遺伝子の1つであることがわかった。上記
塩基配列から提案されるTCF−IIのアミノ酸配列と宮沢
からのhHGFのアミノ酸配列の比較は第16図に示すとおり
である。
上記物理化学的性質により特定される新規な糖蛋白質TC
F−IIを得る方法を以下に説明する。
本発明に係る物質を生産するために使用する細胞として
は、ヒト由来の線維芽細胞であればいずれでも使用可能
である。好適な細胞としては、ヒト胎児肺由来株化細
胞、ヒト胎児腎由来株化細胞、ヒト胎児包皮由来株化細
胞等が挙げられる。本発明の実施においては、これら細
胞のなかでIMR−90(ATCC CCL 186)、WI−38(ATCC CC
L 75)などが特に適している。
これらの細胞は、通常の培養に用いられる血清倍地もし
くは無血清倍地中で増殖させる。代表的な倍地の例とし
てはダルベッコーモディファイドイーグル倍地(DMEM)
に小牛血清を5%添加した倍地が挙げられる。この他に
必要に応じ、アミノ酸、トランスフェリン、脂肪酸、イ
ンシュリンなどのホルモンを添加してもよい。
この倍地中で細胞を培養するが、培養に当っては、Tフ
ラスコ等を使用した静置培養、マイクロキャリアーを使
用した浮遊培養、ホローファイバーやセラミック担体を
使用した連続培養の方法が採用し得る。培養条件は、CO
2 5%空気雰囲気下で、20〜30℃の温度、培地は2〜3
日ごとに交換することが好ましい。このようにして所望
の細胞密度に到達した後は、7〜10日ごとに培地を交換
し、培養液を回収する回収した培養液より目的物質であ
る糖蛋白質を抽出精製する。
回収した培養液は分子量6,000以下をカットするUF膜処
理により約10倍に濃縮し、その後、陽イオン交換体に吸
着させた後、食塩濃度0.3M〜0.6Mの緩衝液で溶出する。
イオン交換体としてはCMセファデックス(ファルマシア
社製)等が例示できる。このようにして溶出される活性
画分の内で腫瘍細胞増殖抑制活性を指標として最も強い
腫瘍細胞増殖抑制活性を示す画分を集め、さらに糖アフ
ィニティークロマトグラフィーを行う。糖アフィニティ
ークロマトグラフィーとしてはConA−セファロースが特
に適している。糖アフィニティークロマトカラムは0.5M
NaClを含むpH7.0の0.05Mトリス塩酸緩衝液で平衡化し
た後、上記回収画分を負荷し、さらにカラムを洗浄す
る。その後糖アフィニティーの結合糖鎖に応じた溶出液
で溶出する。上述したConAセファロースを使用した場合
は、メチルマンノピラノサイドを含む緩衝液で溶出され
る。溶出された活性画分は、水に対して透析を行い、凍
結乾燥する。その後pH6.0〜7.0の0.05Mトリス塩酸緩衝
液に溶解し、強陽イオン交換樹脂を充填剤としたHPLCに
よりさらに分離精製を行う。強陽イオン交換樹脂充填カ
ラムとしてはMonoS(ファルマシア社製)が特に適す
る。MonoSカラムからの溶出は、OM→1.0Mの食塩のクラ
ジエント溶出を行い、活性画分を集める。
本発明物質は、0.6M〜0.9Mの塩強度部分に溶出される。
このようにして得られた活性画分をさらにヘパリン−セ
ファロース(ファルマシア社製)を使用したアフィニテ
ィークロマトグラフィーにより精製する。ヘパリン−セ
ファロースカラムからの溶出は0.3M→2.0Mの食塩グラジ
エントで行い、目的物質は1.0〜1.5Mの塩強度部分に溶
出される。次に、本発明のTCF−IIの腫瘍細胞障害活性
及び肝細胞増殖活性の測定について以下に記述する。
腫瘍細胞障害活性の測定 マウスL929(ATCC CCL1)を、本発明のTCF−IIに最も感
受性の高いクローンを選別した。このようにして腫瘍細
胞障害因子高感受性クローンL929−18を得た。
L929−18を10%FCSを含むDMEMでコンフルエントになる
まで培養し、その後トリプシン処理により細胞を剥離採
取し、10%FCSおよび1μg/mlのアクチノマイシンDを
含むDMEMに6×105cells/mlの細胞密度になるように懸
濁させる。
96穴マイクロプレート(ファルコン社製)の各ウエルに
細胞懸濁液と同様に調製したDMEMを50μlに入れ、本発
明物質TCF−IIを含む試料も同様のDMEMで溶解又は希釈
し、希釈列の第一穴に50μlを添加し、混合後、その50
μlを第二穴に添加混合する。この操作を繰り返しなが
ら希釈列を作成する。
試料の希釈列に各ウエル当り、細胞懸濁液を50μl添加
し、CO2インキューベーター内で、37℃、2日間培養す
る。培養後、上清を静かに捨て、生理食塩水で2回洗浄
後各ウエルに接着して生存細胞をメタノール:水=1:4
に調製した液に溶解した0.5%クリスタルバイオレット
溶液を各ウエルに50μlずつ添加し、染色固定する。蒸
留水で各ウエルを洗浄し、染色プレートを風乾し、色素
をセレンソン緩衝液(6.1ml、0.1Mクエン酸二ナトリウ
ム3.9ml、0.1N塩酸、10mlエタノールを混合)で溶出
し、マイクロタイター分光光度計で570nmの吸光度を測
定する。
50%の細胞死滅率示す希釈倍率をTCF−IIの単位数(u/m
l)と規定する。
肝細胞増殖活性の測定 セグレンの方法(Method in cell biology,vol.13,p29,
Academic Press,New York,1976)に従い、ウィスター系
雄ラットより肝実質細胞を単離した。この肝実質細胞を
8.8×104個/0.5ml/ウェルの濃度で24ウェルのプラスチ
ックプレート(ファルコン)に播き、5%のCO2存在
下、37度で培養した。培地は、10%牛新生児血清(ハイ
クロン)、10μMデキサメタゾン、100U/mlペニシリ
ン、100ug/mlストレプトマイシンを含むウイリアムズE
培地(フローラボラトリーズ)を使用した(以下、基礎
培地と略す)。24時間培養後、被験試料を含む基礎培地
に交換し更に24時間培養の後、3H−チミジン(アマシャ
ム)を4μCi/ml(86Ci/m mol)を含む基礎培地に交換
し2時間培養した後、DNA合成を測定した。尚、上記3H
−チミジンラベルに際し、各試験群を10mMのヒドロキシ
ウレア存在の有無で取り込ませ、そのカウントの差を取
い込み量とした。上記培養によるラベル後、細胞を冷PB
S、2%過塩素酸及び95%エタノールで、それぞれ2回
洗浄したのち風乾し、2mM EDTA,20mM NaHCO3を含む2%
SDSの0.8mで可溶化し、液体シンチレーションカウンタ
ーにて測定した。
結果は第1表に示すとおりである。
肝細胞増殖のポジティブコントロールとしてhEGF(湧永
製薬)を用いた。表よりTCF−IIの肝細胞増殖活性は、h
EGFのそれより強いことが判る。
次に、本発明のTCF−IIからなる生理活性因子を活性成
分とする製剤について説明する。
本発明における上記生理活性因子は下記の薬剤活性を示
す。
抗腫瘍活性 ヒト由来腫瘍細胞であるKB、HeLa,MCF−7及びBG−1の
増殖を抑制し、マウス由来L−929細胞及び腫瘍細胞で
あるSarcoma180,Meth A Sarcoma,P388に細胞障害活性を
有するが、ヒト正常細胞であるIMR−90の増殖を抑制し
ない 白血病細胞分化誘導活性 ヒト白血病細胞HL−60を顆粒球に分化誘導する 細胞性免疫増強活性 ヒト細胞障害T細胞の増強 ヒト血管内皮細胞の増殖促進活性 ヒト臍帯由来血管内皮細胞の増殖を促進する 肝実質細胞の増殖活性 ラット肝臓由来肝実質細胞の増殖を促進する これらの活性は1−1000ng/mlの範囲を微量で発現す
る。本物質は抗腫瘍剤、抗白血病剤、細胞免疫増強剤、
創傷治療剤、肝再生化剤を含む肝疾患治療剤等として期
待される。しかし、高分子糖タンパク質である本生理活
性因子(以下TCF−IIと称する)はバイアル等のガラス
容器や注射筒等のようなポリプロピレン樹脂容器等への
吸着が著しい上に不安定な物質である。
温度や湿度等によってその活性が著しく減少し容易に失
活する。従って安定な形で製剤化されることが期待され
る。
即ち、本発明に係る製剤はタンパク質及び非イオン界面
活性剤からなる群から選択される1つ又は2つ以上を吸
着防止剤として、またタンパク質、糖類及びアミノ酸か
らなる群から選択される1つ又は2つ以上を安定化剤と
して含有すること、更に吸着防止剤として選択される1
つ又は2つ以上と安定化剤として選択される1つまたは
2つ以上との組合せを含有することを特徴とするTCF−I
I製剤である。
本発明に係る製剤は、上述のような吸着防止剤および安
定化剤がTCF−IIと混在していればよく、その剤型は凍
結乾燥、水溶液あるいは粉末のいずれでもよい。
本発明における活性成分であるTCF−IIは、いかなる方
法で製造、精製されたものでもよく、TCF−II生産細胞
の培養液から抽出し分離精製したもの、遺伝子工学的手
法により大腸菌、酵母菌、チャイニーズハムスターの卵
巣細胞等の哺乳動物細胞を宿主として生産せしめ、種々
の方法で抽出し分離精製したものが用いられる。
本発明において用いられるTCF−IIの吸着防止剤のうち
タンパク質類としてはアルブミン、ゼラチン等が、また
非イオン界面活性剤としてはツイーン80、ツイーン20等
が使用でき、また本発明に用いられるTCF−IIの安定化
剤のうちタンパク質類としてはアルブミン、ゼラチン等
が、また糖類としてソルビトール、マンニトール、キシ
リトール等、アミノ酸としてはグリシン、アラニン等が
使用できる。
これらの吸着防止剤のうちタンパク質類の添加量は0.1
%以上、好ましくは0.1〜20%で、非イオン界面活性剤
類の添加量は0.001%以上、好ましくは0.001〜1.0%で
ある。また安定化剤のうちタンパク質類の添加量は0.1
%以上、好ましくは0.1〜20.0%で、糖類の添加量は5
〜40%、アミノ酸類の添加量いは1%以上で配合するこ
とが好ましい。吸着防止剤のうち1つ又は2つ以上と安
定化剤のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて配合して
使用する場合や安定化剤の2つ以上を配合して使用する
場合においてもそれぞれ添加剤の添加量は上記範囲内で
あればよい。これらの吸着防止剤および安定化剤はそれ
ぞれの相応する量を適当な濃度とpHの水溶液に調製して
使用する。この溶液の浸透圧比は0.1〜3.0より好ましく
は1.0である。TCF−IIのpH安定性域はpH6〜9であるの
で製剤化時の水溶液のpHは6.0〜9.0に調製することが好
ましい。
次に実施例により、本発明の製剤の吸着防止性及び安定
性を更に詳しく説明する。
実験例1. 吸着防止試験 ヒト胎児肺由来線維芽細胞であるIMR−90細胞(ATCC.CC
L 186)を5%の小牛血清を含む培地で7日間培養し、
その培養上清から抽出し、分離精製したTCF−II 200μ
gを0.15Mの食塩を含む0.01Mの燐酸緩衝得pH7(PBS)10
0mlに溶解しこれを0.5mlづつガラス試験管およびポリプ
ロピレン樹脂製チューブに分注する。別に第2表a,b,c
に示す添加物質のそれぞれの濃度の2倍濃度の溶液をPB
Sで調製する。上記の分注したTCF−II溶液0.5mlに添加
物質のそれぞれの濃度の溶液を0.5ml添加しよく混和す
る。TCF−IIの最終濃度は1μg/ml、各添加物質の最終
濃度は第1表a,b,cに記載した濃度に調整される。
なお、対照はTCF−II溶液0.5mlにPBSを0.5ml添加した。
各添加物質の各濃度について2本づつ調製し、37℃で1
時間保温後TCF−II活性を測定し、結果はその平均値で
求めた。
TCF−IIの活性は以下のようにその腫瘍障害活性で測定
した。
マウスL929(ATCC,CCL1)をサブクローニングして得ら
れたTCF−IIに高感受性のクローンL929−18をターゲッ
ト細胞として用いた。
L929−18を10%FCSを含むダルベッコ改変イーグル培地
(DMEM)でコンフルエントになるまで培養し、その後ト
リプシン処理により細胞を剥離採取し、1%FCSおよび
1μg/mlのアクチノマイシンDを含むDMEMに6×105cel
ls/mlの細胞密度になるように懸濁させる。
細胞懸濁液調製に用いたDMEMを用いて試料サンプルを希
釈し、20倍以上の一連の希釈列を作製する。20倍以上の
一連の希釈列の各試料をそれぞれ50μlづつ96穴マイク
ロプレート(ファルコン社製)の各ウエルに添加する。
試料の希釈列に各ウエル当たり、細胞懸濁液を50μl添
加し、CO2インキュベーター内で、37℃.2日間培養す
る。培養後上清を静かに捨て、PBSで2回穏やかに洗浄
後各ウエルに接着した生存細胞をメタノール:水=1:4
の混合液に溶解した0.5%クリスタルバイオレット溶液
を各ウエルに50μlづつ添加し、染色固定する。蒸留水
で各ウエルを洗浄し、風乾後、色素をセレンソン緩衝液
(6.1ml,0.1Mクエン酸二ナトリウム、3.9ml,0.1N塩酸、
10mlエタノールを混合)で溶出し、マイクロタイター分
光光度計で570nmの吸光度を測定する。
50%の細胞死滅率を示す希釈倍率をTCF−IIの単位数(u
/ml)と規定し、試料調製直後の活性(u/ml)を100%と
して試験処理後の残存活性を相対活性(%)として求め
た。
結果は、第2表a,b,cに示したように、TCF−IIはガラス
やポリプロピレン樹脂表面に容易に吸着されるが、本発
明で用いる吸着防止剤が製剤の吸着防止効果を有してい
ることが判る。
実験例2. 安定性試験 TCF−IIのガラス壁への吸着を完全を防げる条件下で各
種添加物質のTCF−IIの安定性に及ぼす効果を試験し
た。即ちIMR−90由来のTCF−II 120μgを0.02%のツイ
ーン80を含むPBS30mlに溶解し、0.22μのフィルターで
濾過滅菌後、滅菌ガラス試験管に0.5mlづつ分注した。
第2表a,b,cに示す各種添加物質について2倍濃度の溶
液をPBSで溶解調製したのち、0.22μのフィルターで濾
過滅菌し、それぞれについて0.5mlづつTCF−II溶液0.5m
lに添加しよく混和して後、雑菌汚染を防ぐためガラス
試験管を密封した。対照としてTCF−II溶液0.5mlにツイ
ーン80を含まないPBS0.mlを加えたものを使用した。TCF
−IIの最終濃度は2μg/mlに、ツイーン80の最終濃度は
0.01%に、各添加剤の最終濃度は第3表a,b,cに示す濃
度になる。
各試験区につき2本調製し、40℃、1週間保存後TCF−I
I活性を測定し、保存前のTCF−II活性(u/ml)を100%
として保存後の活性を相対活性(%)で示した。
結果は平均値で求めた。結果は第2表に示す。
第3表a,b,cの結果から、本発明で用いる安定化剤が水
溶液状態において製剤の活性成分であるTCF−II活性を
安定に保つ効果を有していることが判る。
次に、本発明の製剤活性を試験した結果を示す。
ヒト新規サイトカインTCF−IIのSarcoma180に対するin
vivo抗腫瘍試験 材料および試験方法: 実験動物 ICRマウスはチャールス・リバー・ジャパンより購入
し、雌の7週齢を用いた。
腫瘍細胞 Sarcoma180は、国立癌センターより分与を受け、当研究
所にて週1回マウスで継代維持したものを用いた。
試験試料 TCF−IIは0.01%ツーイン、0.25%ヒト血清アルブミン
および0.8%の食塩を含む0.01Mリン酸緩衝液、pH7.0に
溶解し、製剤化した。
0.2μg TCF−II/0.2mlおよび1.0μg TCF−II/0.2mlの2
種類のTCF−II試料を作製した。パイロジェンの影響を
調べるため、1.0μg TCF−II中に含まれるパイロジェン
相当量の標準パイロジェン(ディフコ社製)試料(940p
g/0.2ml)を同様に調製した。
予備毒性試験 予備毒性試験は1群2匹で実施した。
ICRマウス尾静脈内に1回TCF−IIを10μgおよび20μg/
マウス投与し、動物の死亡を指標に毒性の判定を行っ
た。
抗腫瘍試験 抗腫瘍試験は1群7匹で行った。
Sarcoma180(106/mouse)をICRマウス皮下に移植し、生
着の確認された時点で群分けを行い1日1回、連日7日
間尾静脈内に試料を投与した。増殖抑制効果は対照群に
対する投与群の平均腫瘍重量(MTW)より抑制率 を求めて判定した。
試験結果: 予備毒性試験 10μgおよび20μg/mouse投与とも毒性は認められなか
った。
抗腫瘍試験 投与開始3週間後の試験結果を第4表に示す。
上記試験においてTCF−IIの最適投与量が未知であった
ので投与量に設定に多少問題があったが、この結果を見
た場合、投与量の少ないほうがより効果的であるように
思われる。
さらに、腫瘍内投与によるTCF−IIの抗腫瘍効果を下記
方法により調べた。
試験方法: ICRマウス皮下に1×606個/mouseのSarcoma180細胞を移
植し、1週間後固型腫瘍が生着したマウスを選別した、
マウス1匹当り、1日1回、7日間連続でTCF−IIを0.2
μgずつ投与した。投与終了後2週間観察したところ、
腫瘍部は黒変壊死を起していて著しい抗腫瘍効果を示し
た。また、腫瘍の消失したマウスも観察された。
図面の簡単な説明 第1図は、子牛血清を5%含有するIMR−90培養液のCM
−セファデックスC−50クロマトグラフィーから得られ
る蛋白、プラスミノーゲンアクチベーター及びTCF−II
の溶出プロフィールを示す。(1)は、0.3M NaCl含有
0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH7.0)による溶出画分を、
(2)は0.6M NaCl含有0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH7.
0)による溶出画分をそれぞれ示す。
−○−は吸光度を、−●−はプラスミノーゲンアクチベ
ーター活性を、また は腫瘍細胞障害活性をそれぞれ示す。
第2図は、IMR−90培養液のCM−セファデックスC−50
クロマトグラフィーから得られた0.6M NaCl含有0.05Mト
リス塩酸緩衝液(pH7.0)溶出画分のConAアフィニティ
クロマトグラフィーの結果を示す。
(1)は、0.5M NaCl含有0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH7.
0)による洗浄画分を、(2)は0.5M NaCl及び0.3Mα−
メチル−D−マンノピラノサイド含有0.05Mトリス塩酸
緩衝液(pH7.0)による溶出画分を示す。
−●−は吸光度を、 は腫瘍細胞障害活性をそれぞれ示す。
第3図は、ConAセファロースアフィニティクロマトグラ
フィーから得られたTCF−II画分のMonoS−HPLCによる溶
出パターンを示す。
−○−は腫瘍細胞障害活性を示す。
第4図はMonoS−HPLCから得られたTCF−II画分のヘパリ
ン−セファロースアフィニティクロマトグラフィーの溶
出パターンを示す。
(1)は洗浄、(2)は食塩濃度勾配(0.3M→2.0M)に
よる溶出を示す。
−●−は吸光度を、また は腫瘍細胞障害活性を示す。
第5図はTCF−II(未還元および還元)のSDS電気泳動を
示す。
第6図は、TCF−IIの熱安定性を示す。
第7図は TCF−IIのpH安定性を示す。
第8図は、インビトロでのヒト腫瘍細胞の障害活性に及
ぼすTCF−IIの効果を示す。
第9図は、TCF−IIのSarcoma180に対する細胞障害活性
を、第10図は、TCF−IIのMeth A及びP388に対する細胞
障害活性をそれぞれ示す。−●−はMeth A、−○−はP3
88のそれである。
第11図は、TCF−IIのヒト腫瘍細胞に対する増殖抑制率
を示す。−●−は卵巣癌細胞株BG−1、−○−は乳癌細
胞株MCF−7のそれである。
第12図は,リンパ球混合培養5日目におけるリンパ球中
に取り込まれた3Hチミジンの放射能濃度を、また第13図
は培養8日目のそれを示す。又各サンプルは6検体ずつ
測定し、平均値±SDとして示している。
第14図は、TCF−IIの血管内皮細胞HUVECに対する増殖活
性を示す。
第15図(1)および(2)はTCF−II cDNAの塩基配列及
びこの配列から推定されるTCF−IIのアミノ酸配列を示
す。
第16図は上記塩基配列から推定されるTCF−IIのアミノ
酸配列と宮沢らhHGFのアミノ酸配列との比較を示す。
発明を実施するための最良の形態 以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 糖蛋白質TCF−IIの調製 (1)ヒト線維芽細胞株IMR−90の培養 ヒト線維芽細胞IMR−90(ATCC CCL 186)細胞を5%子
牛血清(CS)を含むDMEM100mlを入れた1容量をロー
ラーボトルに3×106個の細胞を移植し0.5〜2回転/分
の回転速度で回転させながら7日間培養を続けた。総細
胞数が1×107個になったところで、トリプシンにより
細胞を剥離し、細胞をボルト底面に集め、5〜9メッシ
ュのセラミック100g(東芝セラミック社製)を滅菌して
投入し、24時間静置して培養した。その後、上記CSを5
%含むDMEM培地を500ml加え、培養を継続した。7〜10
日ごとに培地を全量回収し、新鮮培地を補給した。この
ようにして2ケ月間の生産を継続し、ローラーボルト1
本当り41の培養液を回収した。
このようにして得た培養液当りの比活性は32u/mlであっ
た。
(2)糖蛋白質TCF−IIの精製 前記(1)で得た培養液75lをアミコン製メンブランフ
ィルター(MW6,000カット)処理によりUF濃縮し、液量
を1/10にした。次いでCMセファデックスC−50(ファル
マシア社製)をpH7.0の0.05Mトリスー塩酸緩衝液で平衡
化させた後、上記UF濃縮液10l当りにつき湿重量1.5kgの
樹脂を加え、pH6.5〜7.0下でゆるやかに攪拌しながら4
℃で24時間吸着させた。吸着後、樹脂ワットマンNo.2で
濾過し、回収した樹脂は、pH7の0.05トリスー塩酸緩衝
液で洗浄した。約1500gの洗浄後の樹脂を径7cm×40cmの
カラムに充填し、0.01%トウィーン20および0.3M食塩含
有0.05トリスー塩酸緩衝液PH7.0で溶出した、280nmの吸
収はモニターし、蛋白がほぼ溶出し終えたところでさら
に塩強度を0.6M食塩として溶出を行った。各フラクショ
ンは、腫瘍細胞障害活性を測定すると共に、IMR−90が
生産する組織プラスミノーゲンアクチベーター(t−P
A)活性を測定した。このようにして得た溶出パターン
を第1図に示した。0.6Mの食塩強度で溶出される画分が
強い腫瘍細胞障害活性を示した。この画分をTCF−II画
分とした。
次いで、ConA−セファロースCL−6B(ファルマシア社
製)を0.5M食塩含有のpH7.0、0.05Mトリスー塩酸緩衝液
で平衡化し、径2.5cm×8cmのカラムに充填した。このカ
ラムを同じ緩衝液でさらに良く洗浄し、CM−セファデッ
クスカラムで溶出されたTCF−II画分(pH7.0)を負荷し
た、その後再度カラム容量の10倍量の0.5Mの食塩含有pH
7.0、0.05Mトリスー塩酸緩衝液でカラムを洗浄した後、
0.5M食塩及び0.3Mα−メチル−D−マンノピラノサイド
含有pH7.0、0.05Mトリスー塩酸緩衝液で1時間当り70ml
の流速で溶出した。各溶出画分は腫瘍細胞障害活性を測
定するとともに280nmの蛋白吸収をモニターした。第2
図に示す溶出パターンを示した。
最初に溶出される画分を回収し、蒸留水に対し4℃で48
時間透析を行い、その後凍結乾燥を行い、白色の粉末を
得た。この粉末を最少量の0.01%トウィーン20を含むpH
7.0、0.05Mトリスー塩酸緩衝液で溶解し、0.01%トウィ
ーン20含有pH7.0の0.01Mリン酸緩衝液で平衡化したHPLC
用MonoSカラム(ファルマシア社製)に負荷した。負荷
後0.01%トウィーン含有pH7.0、0.01Mリン酸緩衝液で20
分間、0.5ml/分の流速で洗浄した後、60分間0.5ml/分の
流速で、最終塩濃度が食塩1Mになるような濃度勾配で溶
出を行った。溶出のパターンは第3図に示す。活性画分
は0.76M食塩を頂点として溶出された。活性画分を回収
し、再度MonoSカラムに負荷し、同じ緩衝液で、食塩濃
度、1.0Mまでの濃度勾配で再度溶出を行った。
活性画分を回収し、次いで、径1.0cm×7cmのカラムに5m
l充填したヘパリン−セファロース(ファルマシア社
製)を0.3M食塩を含有したpH7.5、10mMトリスー食塩緩
衝液で平衡化し、このカラムに活性画分を食塩濃度が0.
3Mになるように0.01Mトリスー塩酸緩衝液(pH7.0)で希
釈し、上記ヘパリンセファロースカラムに負荷した。そ
の後充填ゲル量の10倍量のpH7.5、0.3M食塩含有0.01Mト
リスー塩酸緩衝液で洗浄した。さらに同じpHの緩衝液
で、0.3Mから2.0Mまでの食塩濃度勾配により1時間当り
20mlの流速で溶出した。溶出パターンを第4図に示す。
このようにして糖蛋白質を得た。第5表ひ示す通り、75
lの培養液を出発材料として0.12mgの活性を蛋白質を得
ることができた。同時に、この糖蛋白質は、腫瘍細胞障
害因子であり、比活性は5,248,000u/mgであった。
上述のようにして得られたTCF−IIの物理化学的性質を
測定した結果を以下に例示する。
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量
測定 0.1%SDSを含むポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳
動による分子量測定を行った。糖蛋白質は78,000及び7
4,000の近接したバンドを示した。また2−メルカプト
エタノールにより還元処理を行い、同様に電気泳動を行
ったところ分子量52,000及び28,000、32,000の3本のバ
ンドが得られた(第5図参照)。このことからTCF−II
は、分子量52,000の共通サブユニットに、分子量32,000
のサブユニットあるいは分子量28,000サブユニットが結
合した複合体であることが予測される。
等電点 LKB製等電点電気泳動装置を用いPhast Gel IEF3−9に
よる等電点を測定したところ、7.4〜8.55の等電点を示
した。
熱安定性 pH7.5に調製した0.01%ツイン20を含む0.1Mトリス−塩
酸緩衝液に51,200u/mlの活性に溶解したTCF−IIを加
え、512u/mlの溶液を調製した。この活性を有する液を2
5、35、50、60、70、80、90、95℃の各温度で10分間処
理し、25℃の活性に対する相対活性を測定した。第6図
に示す通り、60℃までは熱安定であった。
pH安定性 第6表に示す組成の各緩衝液(いずれも0.01%ツイン20
を含有)を精製し、各pHの緩衝液に、pH8調製時に51.20
0u/mlに相当するTCF−IIを溶解し、37℃で1時間放置後
の活性を測定し、pH8、室温で1時間放置した場合と比
較した相対活性を測定した。第7図に示す通り、pH6〜
9の範囲で安定であった。
N末端アミノ酸配列 50μgのTCF−IIを還元し、エレクトロプロット法によ
り、分子量52,00のA、32,000のB、28,000のCと3蛋
白質に分離し、各蛋白質についてアプライド社製477A型
プロテインシーケンサによりN末端アミノ酸配列を分析
した。AはN末端がブロックされているため、N末端ア
ミノ酸配列の分析が測定できなかったが、B、Cは共に
下記に示す共通のN末端アミノ酸配列を示した。
Xは未同定を示す。
このBおよびCのN末端アミノ酸配列が全く同一である
ことがらTCF−IIは分子量52,000のAと分子量32,000の
Bあるいは分子量28,000のCがSS結合により結合した2
本鎖構造を有していると考えられる。
アミノ酸組成 バイオラッド社製プロテインアッセイキットにより測定
した蛋白量10μgに相当する量を塩酸加水分解により分
解し、日立製L−8500型アミノ酸分析計によりアミノ酸
組成を測定した。
次に示すアミノ酸組成を得た。
アミノ酸組成: A.A nmol mol% Asp 10.375 12.97 Glu 7.750 9.69 Ser 5.000 6.25 Gly 7.250 9.06 His 3.000 3.75 Arg 5.375 6.72 Thr 5.125 6.41 Ala 2.625 3.28 Pro 5.625 7.03 Tyr 3.875 4.84 Val 4.125 5.16 Met 1.875 2.34 Cys ND − Ile 5.000 6.25 Leu 4.875 6.09 Phe 2.250 2.81 Trp ND − Lys 5.875 7.34 合計 80.000 100(99.99) 実施例2 本例は、実施例1で得た糖蛋白質TCF−IIの腫瘍細胞障
害活性を示す。
腫瘍細胞増殖抑制 腫瘍細胞株であるHeLa、KB、ヒト2倍体細胞であるIMR
−90をそれぞれ10%FCF含有DMEMに105/mlの細胞密度に
調製した細胞懸濁液を作製した。マイクロウエルプレー
ト(フアルコン社製)に50μlずつ各細胞を播種した。
各ウエルに、5,120u/mlのTCF−IIを上述の培地より10,2
0,40,80,160倍に希釈したものを50μlずつ加え、混合
後CO2インキュベーター中で37℃3日間培養した。各ウ
エルに生存した細胞をメタノール:水=1:4に調製した
液に溶解した0.5%クリスタルバイオレット溶液を各ウ
エルに50μlずつ添加し染色固定した。蒸留水で各ウエ
ルを洗浄後プレートを風乾し、色素をセレンソン緩衝液
で溶出し、マイクロタイター分光光度計で570nmの吸光
度を計測した。
各細胞についてTCF−II無添加群を対照として細胞増殖
抑制率(%)を計算し、TCF−II濃度との関係を求め
た。第8図に示す通り、正常細胞であるIMR−90には増
殖抑制を示さないが、KB、HeLa細胞には強い抑制を示し
た。
既存物質に対する抗体との反応 TCF−IIを10%FCS含有DMEMに320u/mlの濃度になるよう
に溶解調製した。一方、抗LT抗体を同じ培養液中にLT10
00u/mlを中和するタイター価になるように加え、37℃で
1時間放置し反応させた。同様にして抗TNF抗体を1×1
06u/ml、抗INF β抗体を1000u/mlとなるように加え反応
させた。尚、各抗体はいずれも市販のものを用いた。
反応後、各抗体による中和効果を、TCF−II活性を測定
することによって確認したが、いずれも活性の中和効果
は認められなかった。
実施例3 本例は実施例1で得た糖蛋白質TCF−IIのマウス由来各
種腫瘍細胞に対する細胞障害活性を示す。
マウス由来腫瘍細胞株として、Sarcoma180、MethA sarc
omaおよびP−388の3株を用いた。
Sarcoma180細胞は10%牛胎児血清を含むDMEMにまたMeth
AおよびP388は細胞10%牛胎児血清を含むRPMI1640培地
に、それぞれ2×104細胞/mlとなるように懸濁し、それ
ぞれの細胞懸濁液を調製した。
96ウエル平底マイクロウエルプレート(ファルコン社
製)の各細胞懸濁液を50μlづつ播種した。
TCF−IIはSarcoma180用には10%牛胎児血清を含むDMEM
に、またMethAおよびP−388用には10%牛胎児血清を含
むRPMI1640培地に溶解、希釈して、TCF−II溶液を調製
した。それぞれの細胞懸濁液を播種した各ウエルにTCF
−II溶液を50μlづつ添加し、TCF−IIの最終濃度が
0、2、4、8、16、31、62、125、250、500、1000ng/
mlになるように調製した。混合後、CO2インキュベータ
ー中、37℃、3日間培養した。各ウエル中の細胞をトリ
パンブルーで染色し、生細胞のみを血球計算板を用いて
計数し、2回の実験値の平均値を求めた。各細胞につい
てTCF−II無添加群を対照として、細胞障害活性(%)
を以下の計算式により計算し、TCF−II濃度との関係を
求めた。
この結果、得られたTCF−IIのSarcoma180に対する細胞
障害活性を第9図に、またMeth A sarcomaおよびP−38
8に対するそれを第10図に示した。
いずれの細胞をTCF−IIに高い感受性を示し、TCF−IIに
よるSarcoma180、Meth A sarcomaおよびP−388に対す
る細胞障害活性IC50はそれぞれ6、40および460ng/mlで
あった。
実施例4 本例は、実施例1で得られた糖蛋白質TCF−IIのヒト腫
瘍細胞株の、卵巣癌細胞株BG−1および乳癌細胞株MCF
−7に対する増殖抑制効果を示す。BG−1は1%FCS含
むマッコイ培地に、MCF−7は10%FCS、非必須アミノ酸
混合液、ピルビン酸およびイーグル塩を含むイーグルME
Mに2×104/mlとなるようにそれぞれの細胞懸濁液を調
製した。一方、TCF−IIは、BG−1用には10%FCSを含む
マッコイ培地に溶解し4μg/ml濃度のTCF−II溶液を調
製し、順次、同培地で2倍づつ希釈し、TCF−IIの段階
希釈列を作成した。同様に、MCF−7用には、上記MCF−
7用増殖培地でTCF−IIの段階希釈列を作成した。
96ウエルマイクロウエルプレート(ファルコン社製)に
50μlづつ各細胞懸濁液を播種した、次いで、BG−1を
播種した各ウエルにBG−1用に調製したTCF−IIの各段
階希釈溶液をそれぞれ50μlづつ加え混合した。MCF−
7についても同様に実施した。CO2インキュベーターで3
7℃、5日間培養した。培養後、培養液を取りのぞき、
マイクロウエルプレートをPBSで2回洗浄し、各ウエル
に付着している細胞をメタノール:水=1:4の混液に溶
解した0.5%クリスタルバイオレット溶液に各ウエルに5
0μlづつ添加して、染色固定した。蒸留水で各ウエル
を洗浄後、プレートを風乾し、色素をセレンソン緩衝液
で溶出し、マイクロタイター分光光度計で570nmの吸光
度を計測した。
各細胞についてTCF−II無添加群を対照として を計算し、TCF−II濃度との関係を求めた。結果を第11
図に示す通りであった。
この結果、BG−1、MCF−7両腫瘍株ともTCF−IIにより
増殖が抑制されることが確認された。
実施例5 本例は、実施例1で得られた糖蛋白質TCF−IIによる前
骨髄性白血病株、HL−60の分化誘導活性を示す。
HL−60細胞を10%牛胎児血清を含むRPMI1640倍地に3.5
×105/mlとなるように懸濁し、細胞懸濁液を調製した。
96穴平底マイクロタイタープレート(ファルコン)の各
穴に細胞懸濁液を100μlづつ分注した。ついで同培地
で溶解、希釈したTCF−II溶液100μlを最終濃度が15.
6、62.5、125、250、500および1000ng/mlとなるように
加えた。
37℃、3および7日間培養し、TCF−IIによるHL−60分
化誘導活性をニトロブルーテトラゾリウム(NBT)還元
能により測定した。また形態変化についても検討した。
1)NBT還元能 NBT還元能を第7表に示した。
表中の数値は少なくとも200個以上の細胞を計数し、そ
の中でNBTを還元し、黒青色フオルマザンを含んでいる
細胞の割合を示す。(計2回の実験を平均値を示す)。
(HL−60は正常細胞の分化するとNBT還元能を獲得し、
青黒色フオルマザンを細胞内に蓄積する) この結果、TCF−IIは前骨髄性白血病株、HL−60を分化
誘導し、250ng/mlで最も高い分化誘導活性を有すること
が判明した。
2)形態変化 HL−60は分化誘導剤の違いによりマクロファージ系とモ
ノサイト系の2通りの分化を示すことが知られている。
37℃−7日間培養後のTCF−IIで分化した細胞の形態又
は核変化をライトギムザ染色により調べた結果、TCF−I
IはHL−60をモノサイトに分化誘導することを認めた。
実施例6 実施例1で得られた糖蛋白質TCF−IIによる細胞免疫活
性を示す。すなわち、TCF−II添加条件下でリンパ球混
合培養試験を行ない、リンパ球幼若化反応に対するTCF
−IIの活性を検討した。
ヒト株小血より、Ficall−Conray法によりリンパ球を分
離し、RPMI1640−10%FCS培地に懸濁した。2個人のリ
ンパ球を、1:1の比で合計1×105/100μl/ウエルとなる
ように丸底マイクロプレートに添加した後、各種濃度の
TCF−IIを添加し、CO2インキュベーター下でPRMI−10%
FCS培地にて培養した。培養終了の16時間前に3Hチミジ
ンを0.25μ Ci/ウエル加えた。培養終了後セルハーベス
ターにて細胞を回収し、PBSで洗浄後シンチレーション
カウンターにより細胞内に取込まれた3Hチミジンの放射
能を測定した。
この結果を第12図及び第13図に示す。
第12図に示すように培養5日目には、TCF−IIの作用は
認められなかったが、培養8日目において第13図に示す
ように、最終濃度100ng/mlのTCF−II添加群では対照群
と比較して有意に3H取込みの上昇が認められ、TCF−II
はサイトトキシックT細胞の増殖、すなわち細胞性免疫
を増強する効果を有することが認識された。
実施例7 実施例1で得られた糖蛋白質TCF−IIによる血管内皮細
胞増殖活性を示す。
ヒト臍帯由来血管内皮細胞、HUVEC、を供試細胞として
用いた。ヒト血管内皮細胞HUVECを2%の牛胎児血清を
含むE−GM培地に2.5×104/mlとなるように懸濁した。
96ウエル平底マイクロウエルプレート(ファルコン社
製)の各ウエルに上記細胞懸濁液を50μlづつ分注し
た。
TCF−IIを2%牛胎児血清を含むF−GM培地に溶解し、
その50μlづつを細胞懸濁液を入った各ウエルに添加
し、TCF−IIの最終濃度が0、4、8、16、31、62、12
5、250、500および1000ng/mlとなるように調製した。37
℃、CO2インキュベーター内で6日間培養した。各ウエ
ルの細胞数は、各ウエルの培他を除き、PBSで洗浄後、
トリプシン処理により細胞をはがし、生細胞数を血球計
算板にて計数した。
この結果、得られたTCF−IIの正常ヒト血管内皮細胞HUV
ECに対する作用を第14図に示した。TCF−IIは正常細胞
である血管内皮細胞には細胞障害活性を示さず、逆に増
殖促進活性を有していることが確認された。特に、TCF
−II濃度が125ng/mlの時に増殖促進活性が最大となっ
た。
以下の実施例は、本発明に係る製剤の処方を示したもの
である。
実施例8 TCF−II 20μg ヒト血清アルブミン 100mg 上記組成をpH7.0の0.01Mリン酸緩衝液(PBS)で溶解、
全量を20mlに調製し滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注
し、凍結乾燥し密封した。
実施例9 TCF−II 40μg ツイーン80 1mg ヒト血清アルブミン 50mg 上記組成を注射用生理食塩水に溶解、全量を20mlに調製
し濾過滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥
し密封した。
実施例10 TCF−II 20μg ツイーン80 2mg ソルビトール 4g 上記組成をPBSに溶解、全量を20mlに調製し、滅菌後、
バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥し密封した。
実施例11 TCF−II 40μg ツイーン80 2mg グリシン 2g 上記組成を注射用生理食塩水に溶解、全量を20mlに調製
し濾過滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥
し密封した。
実施例12 TCF−II 40μg ツイーン80 1mg ソルビトール 2g グリシン 1g 上記組成を注射用生理食塩水に溶解、全量を20mlに調製
し濾過滅菌後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥
し密封した。
実施例13 TCF−II 20μg ソルビトール 4g ヒト血清アルブミン 50mg 上記組成をPBSに溶解、全量を20mlに調製し濾過滅菌
後、バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥し密封し
た。
実施例14 TCF−II 40μg グリシン 2g ヒト血清アルブミン 50mg 上記組成を注射用生理食塩水に溶解、全量を20mlに調製
し濾過滅菌後、バイアル瓶に分注し、凍結乾燥し密封し
た。
産業上の利用可能性 本発明は、新規な糖蛋白質を提供するものであって、本
発明の糖蛋白質は、腫瘍細胞障害因子、白血病株化誘導
因子、細胞免疫能活性因子、血管内皮細胞増殖因子等と
なり、通常提供することができる。また、本発明の糖蛋
白質は生化学的あるいは薬理学用の試薬としても用いら
れる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12P 21/02 C 9282−4B (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト由来の線維芽細胞の培養上清から得ら
    れ次のa.〜h.の性質を有する糖蛋白質; a. 分子量;SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法によ
    る分子量測定で、非還元では78,000±2,000又は74,000
    ±2,000の分子量であり、還元した場合、52,000±2,000
    の共通バンドAと、30,000±2,000のバンドB及び26,00
    0±2,000のバンドCの2本のバンドを示す。 b. 等電点;7.4〜8.6 c. 熱安定性;60℃10分間の加熱によっても安定 d. pH安定性;pH6〜9の範囲安定 e. 糖鎖;コンカナバリンA(ConA)セファロースに吸
    着性を示す。 f. 生理活性;KB細胞、HeLa細胞、L−929細胞の増殖を
    抑制し、IMR−90細胞の増殖を抑制しない。 g. 抗体との反応性;抗TNF抗体、抗リンホトキシン抗
    体、抗インターフェロンβ抗体によって障害活性が中和
    されない。 h. N末端アミノ酸配列;上記B及びCがバンドAのサ
    ブチェーンとなっており、又バンドAはN末端アミノ酸
    がブロックされている。サブチェーンB及びCは共に以
    下のN末端アミノ酸配列をもつ; Val−Val−Asn−Gly−Ile−Pro−Thr− または Val−Val−Asn−Gly−Ile−Pro−Thr−X−Thr−Asn−I
    le−Gly−X−Met−Val−Ser−Leu− ただしXは未同定を意味する。
  2. 【請求項2】請求の範囲(1)に記載された糖蛋白質を
    活性成分として含有し、さらにタンパク質類および非イ
    オン界面活性剤類から成る群から選択される1種もしく
    は2種以上を吸着防止剤として、またはタンパク質類、
    糖類およびアミノ酸から成る群から選択される1種もし
    くは2種以上を安定化剤として含有して成る下記の生理
    活性を示すヒト線維芽細胞由来の生理活性因子製剤; 抗腫瘍活性 ヒト由来腫瘍細胞であるKB、HeLa,MCF−7及びBG−1の
    増殖を抑制し、マウス由来L−929細胞及び腫瘍細胞で
    あるSarcoma180,Meth A Sarcoma,P388に細胞障害活性を
    有するが、ヒト正常細胞であるIMR−90の増殖を抑制し
    ない 白血病細胞分化誘導活性 ヒト白血病細胞HL−60を顆粒球に分化誘導する 細胞性免疫増強活性 ヒト細胞障害性T細胞の増強 ヒト血管内皮細胞の増殖促進活性 ヒト臍帯由来血管内皮細胞の増殖を促進する 肝実質細胞の増殖活性 ラット肝臓由来肝実質細胞の増殖を促進する
  3. 【請求項3】製剤の吸着防止剤として選択するタンパク
    質がアルブミン又はゼラチンのいずれかである請求の範
    囲(2)に記載の生理活性因子製剤。
  4. 【請求項4】製剤の吸着防止剤として選択する非イオン
    界面活性剤がツイーン80又はツイーン20のいずれかであ
    る請求の範囲(2)に記載の生理活性因子製剤。
  5. 【請求項5】製剤の安定化剤として選択するタンパク質
    がアルブミン又はゼラチンのいずれかである請求の範囲
    (2)に記載の生理活性因子製剤。
  6. 【請求項6】製剤の安定化剤として選択する糖類がソル
    ビトール、マンニトール、キシリトールのいずれかであ
    る請求の範囲(2)に記載の生理活性因子製剤。
  7. 【請求項7】製剤の安定化剤として選択するアミノ酸が
    グリシン又はアラニンのいずれかである請求の範囲
    (2)に記載の生理活性因子製剤。
  8. 【請求項8】吸着防止剤としてタンパク質類および非イ
    オン界面活性剤類から選択される1つ又は2つ以上と安
    定化剤としてタンパク質類、糖類およびアミノ酸類から
    選択される1つ又は2つ以上との種々の組合せを含有す
    る請求の範囲(2)に記載の生理活性因子製剤。
  9. 【請求項9】次のアミノ酸配列を含む配列の蛋白質をコ
    ードするDNA。
  10. 【請求項10】請求の範囲(9)記載のアミノ酸配列を
    コードする塩基配列を含むcDNA。
  11. 【請求項11】次の塩基配列を含むcDNA。
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