JPH0778135B2 - 芳香族ポリアミドフイルムおよびその製造方法 - Google Patents

芳香族ポリアミドフイルムおよびその製造方法

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JPH0778135B2
JPH0778135B2 JP62088156A JP8815687A JPH0778135B2 JP H0778135 B2 JPH0778135 B2 JP H0778135B2 JP 62088156 A JP62088156 A JP 62088156A JP 8815687 A JP8815687 A JP 8815687A JP H0778135 B2 JPH0778135 B2 JP H0778135B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、パラ配向性芳香族ポリアミドからなるフィル
ムおよびその製造方法に関し、さらに詳しくはフィルム
の長尺方向(MD方向と称する)および幅方向(TD方向と
称する)ともに優れた機会特性を示す、厚み斑の少ない
薄手のパラ配向性芳香族ポリアミドフィルムおよびその
製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
パラ配向性芳香族ポリアミドの代表であるポリ(p−フ
ェニレンテレフタルアミド)(以下、PPTAと称する)
は、特に優れた結晶性および高い融点を有し、また剛直
な分子構造のゆえに、耐熱性で高い機会的強度を有して
おり、近年、特に注目されている高分子素材である。ま
たその光学異方性の示す濃厚溶液から紡糸された繊維は
高い強度およびモジュラスを示すことが報告され、既に
工業的に実施されるに到っているが、フィルムへの応用
例の提案は少なく、実用化例もいまだ知られていない。
PPTAの有する問題点としては、その有用な高分子量のポ
リマーは有機溶媒に難溶であり、濃硫酸等の無機の強酸
が溶媒として用いられねばならないということがあげら
れ、これを回避するために、例えば特公昭56−45421号
公報では、直線配位性芳香族ポリアミドの芳香核にハロ
ゲン基を導入したものと、PPTA以外の芳香核に置換基を
もたない芳香族ポリアミドを共重合することにより有機
溶媒に可溶とし、それからフィルムを得ようとする試み
がなされている。しかし、これはモノマが高価なため、
コストが高くなる上に、折角の直線配位性芳香族ポリア
ミドの耐熱性や結晶性を損なう欠点がある。
一方、特公昭59−14567号公報には光学異方性を有する
芳香族ポリアミド溶液をスリットから短い空気層を介し
て凝固浴中に押出す方法が開示されているが、この方法
では、MD方向の機械的強度のみ強く、それと直交するTD
方向の機械的強度は極端に弱く、避けやすいものしか得
られなかった。
このように単に芳香族ポリアミドの光学異方性ドープを
押出し、そのまま凝固させただけでは、吐出方向に過度
に配向するために、フイブリル化しやすくTD方向に弱い
ものとなってしまうため、これを改良しようとするフィ
ルム製造方法が種々検討された。
例えば特公昭57−35088号公報には、光学異方性を有す
る芳香族ポリアミド溶液をリングダイから押出し、イン
フレーション法を用いてドープの状態で2軸方向に同時
流延させた後、湿式凝固させることにより等方性のフィ
ルムが得られるとしている。しかし、この方法では均一
な厚みの透明フィルムを得るのは難しく、機械的強度、
特に引裂き強度が低いという欠点がある。
また特公昭59−5407号公報、特開昭54−132674号公報で
は、直線配位性芳香族ポリアミドの光学異方性また光学
等方性のドープを、ダイ中で押出し方向と直角の方向に
機械的に剪断力を与えることにより、押出し時に押出し
方向とその直角方向の2軸方向に配向させる提案をして
いるが、ダイの構造が複雑で、工業的実施上の難点があ
る。また、配向を剪断力で行なう方法では高い引裂き強
さのフィルムを得るのは難しい。
さらに、J.Appl.Polym.Sci.vokl.27、No.8、P.2965〜29
85(1982)には、PPTAの光学異方性ドープをリングダイ
より油塗布した円錐状のマンドレル上に押出すことによ
り、2軸配向したフィルムを得ることが提案されている
が、このフィルムは、機械的強度が等方的であるものの
低く、ドラフトをかけた場合、MD方向の機械的強度は高
いが、TD方向のそれは著しく低いという欠点があるばか
りでなく、リングダイを用いる方法は、フィルム厚みの
斑を小さくするのが難しい。
特公昭57−17886号公報には、直線配位性芳香族ポリア
ミドの光学異方性ドープを凝固直前に光学等方性となる
まで加熱した後、凝固させることによって、透明で機械
的物性が等方的であるフィルムを得ることが記載されて
いる。この方法は、従来の光学異方性ドープの活用によ
り高性能を得んとする大方の概念に逆らった独創的なも
のであり、これにより光学異方性ドープの極端な1軸配
向性の緩和と同時に、光学異方性ドープの液晶ドメイン
構造がドープを押出した後も残り、そのまま凝固して不
透明なフィルムとなってしまうことを回避することに成
功している。しかし、極薄にしてかつ厚み斑の少ない透
明フィルムについては具体的には開示されていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、パラ配向性芳香族ポリアミドを用い
て、極薄で厚み斑の少ない透明度の高い平面性に優れた
フィルムおよびその工業的な製法を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記目的に沿ったパラ配向性芳香族ポリ
アミドフィルムを得るべく鋭意研究を重ねた結果、次の
知見を得た。
すなわち、特公昭57−17886号公報に開示された技術、
すなわちPPTAの光学異方性ドープを作成し、次いでこれ
を光学等方化して凝固し、透明性のある機械的性能に優
れたパラ配向性芳香族ポリアミドフィルムを製造する方
法において、前記ドープがダイを離れた後、なるべく短
い距離で支持面に接着させた後、光学等方化して凝固、
洗浄した後、乾燥工程において起こる収縮を制限して行
なうことにより、極薄で厚み斑の少ない新規なフィルム
が、極めて高い透明性と平面性をもって得られることを
見出し、さらに研究の結果、本発明を完成した。
本発明は、対数粘度が3.5以上の実質的にパラ配向性芳
香族ポリアミドよりなるフィルムであって、8μm以下
の厚みをもち、かつフィルムの厚み斑が±5%以下であ
ることを特徴とする芳香族ポリアミドフィルムである。
また本発明の芳香族ポリアミドの製法は、対数粘度が3.
5以上のパラ配向性芳香族ポリアミドと95重量%以上の
硫酸とから実質的になる光学異方性ドープを、光学異方
性を保ったままダイから移動する支持面上に流延し、吸
湿または/および加熱により該ドープを光学等方性に転
化したのち凝固させるフィルムの製造方法において、前
記ドープをダイから30mm以下の距離で前記支持面上に接
触させたのち、光学等方性に転化し、次いで凝固・洗浄
した後、フィルムの収縮を制限した状態で乾燥すること
を特徴とする。
本発明に用いられるパラ配向性芳香族ポリアミドである
その代表的ポリマーとしてのPPTAは実質的に で表わされるポリマーであり、従来公知のパラフェニレ
ンジアミンとテレフタロイルクロライドから、低温溶液
重合法により製造するのが好都合である。
本発明のポリマーの重合度は、あまり低いと機械的性質
の良好なフィルムが得られなくなるため、3.5以上、好
ましくは4.5以上の対数粘度ηinh(硫酸100mlにポリマ
ー0.3gを溶解して30℃で測定した値)を与える重合度の
ものが選ばれる。ポリマーの重合度の上限については工
業的に製造可能なものであれば制限はない。
本発明のフィルムは以下に述べる2つの要件を満たして
始めて目的を達せられるものである。
まず第1に、本発明のフィルムとしてその厚みが8μm
以下のものが選ばれる。8μmを超える厚みをもつフィ
ルムは、例えばコンデンサーフィルムとして使ったと
き、薄い厚みのフィルムと同じ容量のコンデンサーを作
るためには、一般に厚みの2乗に比例して電極面積を大
きくする必要があるため、フィルムコンデンサーの特徴
である小型・軽量でかつ静電容量大きいものが得られな
くなる。フィルムの厚みの下限は特にないが、あまり薄
いフィルムではハンドリング(取扱い)が難しくなる。
本発明のフィルムを例えばコンデンサーに用いる場合は
5μm以下の厚みがより好ましい。
本発明のフィルムは、第2にその厚み斑が10%以下であ
ることが必要である。この要件は、前述のごとく例えば
コンデンサーフィルムの場合、同一の静電容量のコンデ
ンサーを作るためには不可欠であり、好ましくは6%以
下である。フィルムの厚み斑が10%より大きいものをコ
ンデンサーにした場合、歩どまりが多く生産性が悪くな
るばかりでなく、コンデンサー中で空間が発生するた
め、交流電源印加によりフィルムの振動が発生し、周波
数に対応する音が発生するので使用できるものではな
い。
本発明にいう厚みおよび厚み斑は、例えば静電容量式接
触厚さ計(小野測器社製タイプCL−230型)を用いて、
当該フィルムから任意に選んだ10点の測定点における厚
みの平均値と、(最大値−最小値)/平均値×100で、
定義される。
本発明のフィルムは、好ましくは極めて高い透明性と平
滑な平面性を有している。高い透明性は、例えば、600n
mの波長の可視光線の透過率が好ましくは55%以上、よ
り好ましくは70%以上を有する。
また、本発明のフィルムは、好ましくは実質的にボイド
を含まない。
さらに、本発明のフィルムは、通常、その密度が1.370
〜1.420g/cm3の範囲にある。この密度の値は四塩化炭素
−トルエンを使用した密度勾配管法により30℃で測定さ
れたものである。この密度の範囲は、公知のPPTA繊維の
それが1.43g/cm3から1.46g/cm3の範囲にあるのに較べて
かなり小さい値である。該密度が1.370g/cm3未満になる
と機械的物性が低下し、1.420g/cm3を超えると面配向性
従って機械的性質の等方性の損なわれたフィルムとな
る。いずれにしても、このように密度が小さいことか
ら、軽くて高強度のフィルムが得られることになる。
本発明のフィルムは、以下に述べるX線回折による結晶
配向角で定義される面配向性を有することが好ましい。
すなわちフィルム表面に直角に入射したX線による2θ
≒23°のピークに関する結晶配向角が30°以上であり、
フィルム表面に並行に入射したX線による2θ≒18°の
ピークに関する結晶配向角が60°以下であるのが好まし
い。
X線の入射は、フィルム表面に直角に入射する場合(以
下、TV方向と称する)と表面に並行に入射する場合(以
下、SV方向と称する)とに分けられるが、本発明のフィ
ルムはTV方向からのX線により2θ≒23°に大きな回折
ピークを持つが、この2θ≒23°における結晶配向角が
30°以上であるのが好ましい。さらに50℃以上であるの
がより好ましい。さらにSV方向からの入射により2θ≒
18°の大きな回折ピークが赤道線上に現れるが、この2
θ≒18°における結晶配向角が60°以下であるのが好ま
しい。これらの両方の結晶配向角が満たされたとき本発
明のフィルムがいわゆる面配向の構造を持つということ
がいえ、フィルムの引取り方向およびそれと直角な方向
の双方ともに高い機械的性質(例えば強度、伸度、ヤン
グ率)を有し、また大きい引裂き強度を有する上で非常
に好ましい。そしてこの点において、特公昭55−14170
号公報に開示されたフィルムと明確に区別できる。
結晶配向角の測定方法としては公知の方法が採用でき、
例えば次のような方法によって行なわれる。所定の2θ
の角度に計数管を置き、フィルムを180°回転すること
より、回折強度曲線を得る。なお、TVにおいては、最高
強度を中心とし、前後90°間を回転させる。この曲線の
最高強度の、最低強度点間に引いたベースラインに対す
る半分の強度を示す点に対応する、回折写真における円
弧長を度で表わした値(すなわち、最高強度のベースラ
インに対する50%の点に対する角度)を測定し、それを
試料の結晶配向角とする。測定に際し、フィルムは必要
により何枚か重ねて回折強度を測ることができる。
このような薄手で、かつ厚み斑の少ないフィルムは、下
記の方法に従って製造することができる。なお、フィル
ムの斑の少ないことについては、後述するように乾燥時
の収縮を制限して行なうことも関連している。
本発明の方法においては、まずPPTAの光学異方性ドープ
を調整する必要がある。
本発明のPPTAフィルムの成型に用いるドープを調整する
のに適した溶媒は、95重量%以上の濃度の硫酸である。
95%未満の硫酸では溶解が困難であったり、溶解後のド
ープが異常に高粘度になる。本発明のドープには、クロ
ル硫酸、フルオロ硫酸、五酸化リン、トリハロゲン化酢
酸などが少し混入されていてもよい。硫酸は100重量%
以上のものも可能であるが、ポリマーの安定性や溶解性
などの点から98〜100重量%濃度が好ましく用いられ
る。
本発明に用いられるドープ中のポリマー濃度は、常温
(約20〜30℃)またはそれ以上の温度で光学異方性を示
す濃度以上が好ましく、具体的には約10重量%以上が好
適である。常温またはそれ以上の温度で光学異方性を示
さないポリマー濃度では、成型されたPPTAフィルムが好
ましい機械的性質を持たなくなることが多い。ドープの
ポリマー濃度の上限は特に限定されるものではないが、
通常は20重量%以下、特に高いηinhのPPTAに対しては1
8重量%以下が好ましく用いられ、さらに好ましくは16
重量%以下である。
本発明のドープには普通の添加剤、例えば増量剤、除光
沢剤、紫外線安定化剤、熱安定化剤、抗酸化剤、顔料、
溶解助剤などを混入してもよい。
ドープが光学異方性か光学等方性であるかは、公知の方
法、例えば特公昭50−8474号公報記載の方法で調べるこ
とができるが、その臨界点は溶媒の種類、温度、ポリマ
ー濃度、ポリマーの重合度、非溶媒の含有量等に依存す
るので、これらの関係をあらかじめ調べることによっ
て、光学異方性ドープを作り、光学等方性ドープとなる
条件に変えることにより、光学異方性から光学等方性に
変えることができる。
本発明に用いられるドープは、成型・凝固に先立って可
能な限り不溶性のゴミ、異物等を濾過等によって取除い
ておくこと、および溶解中に発生または巻込まれる空気
等の基体を取除いておくことが好ましい。脱気は、一旦
ドープを調整したあとに行なうこともできるし、調整の
ための原料の仕込み段階から一貫して真空(減圧)下に
行なうことによっても達成しうる。ドープの調整は連続
または回分で行なうことができる。
このようにして調整されたドープは、光学異方性を保っ
たまた、ダイ、例えばスリットダイから移動している支
持面上に流延されるが、本発明においてはダイより出た
フィルム状のドープが支持面上に接するまでの距離が肝
要であり、30mm以下でなければならない。この距離が30
mm以上になると、理由は明らかでないが、粒状物が発生
し厚み斑となるばかりでなく、破れ等が発生する。この
現象は、特にフィルムを薄くする場合に顕著に表われる
ことから、±5%以下の厚み斑の少ない薄いフィルムを
得るには不可欠な要件である。なお、ダイより出たフィ
ルム状のドープが、支持面上に接するまでの距離は、可
能な限り短くしたほうがよい。
本発明において、流延およびそれに続く光学等方性への
転化、凝固、洗浄、延伸、乾燥などの工程は好ましくは
連続的に行なわれるが、もし必要ならばこれらの全部ま
たは一部を断続的に、つまり回分式に行なってもよい。
本発明の機械的性質に優れた透明フィルムを得るには、
ドープを支持面上に流延した後、凝固に先立ってドープ
を光学異方性から光学等方性に転化する必要がある。
光学異方性から光学等方性にするには、具体的には支持
面上に流延した光学異方性ドープを凝固に先立ち、吸湿
させてドープを形成する溶剤の濃度を下げ、溶剤の溶解
能力およびポリマー濃度の変化により光学等方性域に転
移させるか、または加熱することによりドープを昇温
し、ドープの相を光学等方性に転移させるか、または吸
湿と加熱とを同時または逐次的に併用することにより達
成できる。これらのうち、特に吸湿を利用する方法は、
加熱を併用する方法も含めて、光学異方性の光学等方化
が効率よく、かつPPTAの分解を引き起こすことなく行な
われるので有用である。
ドープを吸湿させるには、通常の温度および湿度の空気
でもよいが、好ましくは加湿または加温加湿された空気
を用いる。加湿空気は飽和蒸気圧をこえて霧状の水分を
含んでいてもよく、いわゆる水蒸気であってもよい。た
だし、約45℃以下の過飽和水蒸気は大きい粒状の凝縮水
を含むことが多いので好ましくない場合がある。吸湿は
通常、室温〜約180℃、好ましくは50〜150℃の加湿空気
によって行なわれる。
加熱による方法の場合、加熱の手段は特に限定されず、
上記のごとき加湿された空気を流延ドープに当てる方
法、赤外線ランプを照射する方法、誘電加熱による方法
などがあげられる。
支持面上で光学等方化された流延ドープは次に凝固駅と
接触して凝固をうける。本発明において、ドープの凝固
液として使用できるのは、例えば水約70重量%以下の希
硫酸、約20重量%以下の水酸化ナトリウム水溶液および
アンモニア水、約10重量%以下の硫酸ナトリウム、塩化
ナトリウム水溶液および塩化カルシウム水溶液などであ
る。
本発明において、凝固液の温度は、好ましくは15℃以下
であり、さらに好ましくは5℃以下である。一般に凝固
液温度を低くしたほうが、フィルムに包含されるボイド
が少なくなる傾向が見出された。
凝固されたフィルムはそのままでは酸が含まれているた
め、加熱による機械的物性の低下の少ないフィルムを製
造するには酸分の洗浄、除去をできるだけ行なう必要が
ある。酸分の除去は、具体的には約500ppm以下まで行な
うことが望ましい。洗浄液としては水が通常用いられる
が、必要に応じて温水で行なったり、アルカリ水溶液で
中和洗浄した後、水などで洗浄してもよい。洗浄は、例
えば洗浄液中でフィルムを走行させたり、洗浄液を噴霧
する等の方法により行なわれる。
洗浄されたフィルムは、次に乾燥をうける前に、湿潤状
態で延伸してもよい。延伸は乾燥前の湿潤状態で行なう
必要があり、硫酸が多量に残っている状態や乾燥後では
機械的性質向上に有効な延伸が施せない。
乾燥は、緊張下、定長下またはわずかに延伸しつつ、フ
ィルムの収縮を制限して行なう必要がある。もし、洗浄
液(例えば水)の除去とともに収縮する傾向を有するフ
ィルムを、何らの収縮の制限を行なうことなく乾燥した
場合には、ミクロに不均一な構造形成(結晶化など)が
起こるためか得られるフィルムの光線透過率が小さくな
ってしまう。また、本発明の薄手フィルムの場合、機械
的性質が劣るフィルムしか得られないことが多いばかり
でなく、部分収縮等が起こるため厚み斑となったり、さ
らにはフィルムの平面性が損なわれたり、カールしてし
まうこともある。収縮を制限しつつ乾燥するには、例え
ばテンター乾燥機や金属枠に挟んでの乾燥などを利用す
ることができる。乾燥に係る他の条件は特に制限される
ものではなく、加熱気体(空気、窒素、アルゴンなど)
や常温気体による方法、電気ヒータや赤外線ランプなど
の輻射熱の利用法、誘電加熱法などの手段から自由に選
ぶことができ、乾燥温度も、特に制限されるものではな
いが、常温以上であればよい。ただし、フィルムの機械
的強度を大にするためには、乾燥温度は高温のほうが好
ましく、例えば100℃以上、さらに好ましくは200℃以上
が用いられる。乾燥の最高温度は特に限定されるもので
はないが、乾燥エネルギーやポリマーの分解性を考慮す
れば500℃以下が好ましい。
本発明の方法において、全工程を通してフィルムを連続
的に走行させつつ製造することが好ましい実施態様の1
つであるが、望むならば部分的に回分式に行なってもよ
い。また任意の工程で油剤、識別用の染料などをフィル
ムに付与してもさしつかえない。
なお、本発明において、透明性の優れた、すなわち、光
線透過率の極めて大きい、フィルムを得るために、ドー
プはむろんのこと、吸湿用気体、加熱用気体、支持面
体、凝固液、洗浄液、乾燥気体等のゴミやチリの含有量
が可及的に少なくなるようにすることが好ましく、この
点、いわゆるクリーンルームやクリーン水で本発明のフ
ィルムを製造するのも好ましい実施態様の1つである。
〔実施例〕
以下に実施例および参考例(PPTA)の製造例を示すが、
これらの参考例および実施例は本発明を説明するもので
あって、本発明を限定するものではない。なお、実施例
中特に規定しない場合は重量部または重量%を示す。対
数粘度ηinhは98%硫酸100mlにポリマー0.2gを溶解し、
30℃で常法で測定した。ドープの粘度は、B型粘度計を
用いて1rpmの回転速度で測定したものである。フィルム
の厚みは、静電容量式非接触厚さ計(小野測器社製、タ
イプCL−230型)を用いて、フィルムから任意に選んだ1
0点の測定点における厚みの平均値により求め、また厚
み斑は(最大値−最小値)/平均値×100から算出され
た。強伸度およびモジュラスは、定速伸長型強伸度測定
機により、フィルム試料を100mm×10mmの長方形に切り
取り、最初のつかみ長さ30mm、引張り速度30mm/分で荷
重−伸長曲線を5回描き、これより算出したものであ
る。
参考例(PPTAの製造) 低温溶液重合法により、次のごとくPPTAを得た。特公昭
53−43986号公報に示された重合装置中でN−メチルピ
ロリドン1000部に無水塩化リチウム70部を溶解し、次い
でパラフェニレンジアミン48.6部を溶解した。8℃に冷
却した後、テレフタル酸ジクロライド91.4部を粉末状で
一度に加えた。数分後に重合反応物はチーズ状に固化し
たので、特公昭53−43986号公報記載の方法に従って重
合装置より重合反応物を排出し、直ちに2軸の密閉型ニ
ーダーに移し、同ニーダー中で重合反応物を微粉砕し
た。次に微粉砕物をヘキシエルミキサー中に移し、ほぼ
等量の水を加えさらに粉砕した後、濾過し数回温水中で
洗浄して、110℃の熱風中で乾燥した。ηinhが5.5の淡
黄色のPPTAポリマー95部を得られた。なお、異なったη
inhのポリマーは、N−メチルピロリドンとモノマー
(パラフェニレンジアミンおよびテレフタル酸ジクロラ
イド)の比、または/およびモノマー間の比等を変える
ことによって容易に得ることができる。
実施例1〜2・比較例1 ηinhが5.3のPPTAポリマーを99.6%の硫酸にポリマー濃
度12.0%で溶解し、60℃で光学異方性のあるドープを得
た。このドープの粘度を常温で測定したところ、10,200
ポイズだった。製膜しやすくするために、このドープを
約60℃に保ったまま、真空下に脱気した。この場合も上
記と同じく光学異方性を有し、粘度は4000ポイズであっ
た。タンクからフィルタを通し、ギアポンプを経てダイ
に到る1.5mmの曲管を約60℃に保ち、0.2mm×250mmのス
リットを有するダイから、鏡面に磨いたタンタル製のベ
ルト(3〜8m/分で移動)に第1表に示すダイと支持面
の距離でベルトにキャストし、相対湿度約15%の約90℃
の空気を吹きつけて、流延ドープを光学等方化し、ベル
トともに、5℃の水の中に導いて凝固させた。次いで凝
固フィルムをベルトから引きはがし、約20℃の水中を走
行させて洗浄した。
洗浄したフィルムを、金わくに挟み、定長下に320℃で
乾燥した。ベルトの速度を変えて得られた厚みの異なる
フィルムをサンプリングした結果をまとめて第1表に示
す。なお比較例1のフィルムには一面に粒状の凹凸があ
った。
比較例2 実施例1と同じ装置および方法で、ベルト速度4m/分に
してダイより出たフィルム状のドープを40mmの距離でベ
ルトに接触させキャストしようとしたら、ドープが切れ
てキャストできなかった。
〔発明の効果〕 本発明のフィルムは、実施例に示したように市販のフィ
ルムでは見られない極薄で厚み斑が少なく、しかも高い
強度と高いヤング率で表わされる良好な機械的性質を有
している。またこれらの機械的特性のみならず、優れた
電気絶縁性、耐熱性、耐油性、耐圧性、強酸以外の耐薬
品性、構造の綴密性を有する。このため、本発明のフィ
ルムは、高速回転する電気機器の絶縁材料や磁器テー
プ、フレキシブルプリント配線基板、電線被覆材、濾過
膜等に好適に使用することができ、さらにもう一つの特
徴である透明性に優れていることから、包装材料、製版
材料、写真フィルム等にも有用なものである。
また本発明のフィルムは、極めて薄くて、厚み斑が少な
く、さらに耐熱性に優れるため、コンデンサーフィルム
として使用されたとき軽量で超小型でありながら、溶解
したハンダ浴に直接入れてハンダ付けのできるコンデン
サーとなり得ることから有機フィルムでは例を見ないコ
ンデンサー用フィルムとして有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対数粘度が3.5以上の実質的にパラ配向性
    芳香族ポリアミドよりなるフィルムであって、8μm以
    下の厚みをもち、かつフィルムの厚み斑が10%以下であ
    ることを特徴とする芳香族ポリアミドフィルム。
  2. 【請求項2】対数粘度が3.5以上のパラ配向性芳香族ポ
    リアミドと95重量%以上の硫酸とから実質的になる光学
    異方性ドープを、光学異方性を保ったままダイから移動
    する支持面上に流延し、吸湿または/および加熱により
    該ドープを光学等方性に転化したのち凝固させるフィル
    ムの製造方法において、前記ドープをダイから30mm以下
    の距離で前記支持面上に接触させたのち光学等方性に転
    化し、次いで凝固・洗浄した後、フィルムの収縮を制限
    した状態で乾燥することを特徴とする芳香族ポリアミド
    フィルムの製造方法。
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