JPH0780877B2 - エルゴリン誘導体およびその酸付加塩 - Google Patents

エルゴリン誘導体およびその酸付加塩

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JPH0780877B2
JPH0780877B2 JP11397587A JP11397587A JPH0780877B2 JP H0780877 B2 JPH0780877 B2 JP H0780877B2 JP 11397587 A JP11397587 A JP 11397587A JP 11397587 A JP11397587 A JP 11397587A JP H0780877 B2 JPH0780877 B2 JP H0780877B2
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左千雄 大野
夕子 海老原
昌幸 孝森
賢二 市原
孝男 坂
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マルコ製薬株式会社
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【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は,式 で表わされる新規な8β−エルゴリン誘導体およびその
酸付加塩に関する。
本発明化合物は優れた抗高血圧作用を有しており,高血
圧性疾患などを予防あるいは治療する医薬品として有用
である。
B.従来の技術と問題点 麦角アルカロイドおよび関連化合物は多彩な薬理作用を
有しており,降圧作用を有することも良く知られている
[例えば,Lancet,211(1977);Collect.Czech.Chem.Com
mun.,42,1407(1977);Br.J.Pharmacol.,75,143p(198
2);Arzneim.−Forsch.,33,1094(1983);Arch.Int.Pha
rmacodyn.Ther.,272,71(1984);新薬と臨床,35,63
(1986)などを参照。]。
半合成アルカロイドであるジヒドロエルゴトキシンは脳
および末梢循環障害改善薬としての他,抗高血圧薬とし
ても臨床的に用いられている[例えば,新薬と臨床,3
5,63(1986)などを参照。]。
ブロモクリプチンは末端肥大症,下垂体性巨人症,高プ
ロラクチン血症,パーキンソン氏病治療薬として用いら
れているが,降圧作用を有しているため高血圧症にも試
用されている[例えば,Lancet,211(1977)などを参
照。]。
一方,麦角アルカロイドおよびその関連化合物は薬理作
用が多彩な故に,薬理作用の選択性に乏しく,又,ドー
パミンD2−受容体刺激作用に基づくと考えられる嘔気お
よび嘔吐がかなりの頻度で観察され,時として臨床使用
に制限を強いられる。例えば,ブロモクリプチンを例に
とれば,嘔気が56.1%,嘔吐が23.3%と極めて高率で患
者に認められている[産科と婦人科,48,117(1981);i
bid,48,241(1981)などを参照。]。このため,目的と
する薬理作用が強く,選択的であり,嘔気,嘔吐などの
副作用の少ない麦角アルカロイド関連化合物の創製が望
まれる。
本願化合物に密接に関係する化合物,すなわち,6−メチ
ルエルゴリン−8β−イルメチル基がヘテロ5員環に結
合した化合物に関する報告はわずかしか知られていな
い。特開昭58−194884には3,5−ジメチル−4−(6−
メチルエルゴリン−8β−イルメチル)ピラゾールおよ
び関連化合物について記載されており,抗プロラクチン
作用および血圧降下作用が述べられている。本願に特に
密接に関係する,すなわち,6−メチルエルゴリン−8β
−イルメチル基がヘテロ5員環内の窒素原子に結合した
化合物について記載した文献には,特開昭59−206382お
よび60−84286がある。前者は,例えば,1−(6−メチ
ルエルゴリン−8β−イルメチル)イミダゾリジン−2,
4−ジオンおよび関連化合物において降圧作用を開示し
ている。前者においては,さらにプロラクチン分泌抑制
作用についても記載している。後者は,例えば,3−(2
−ピリジル)−5−メチル−1−(6−メチルエルゴリ
ン−8β−イルメチル)ピラゾールおよび関連化合物に
ついて,PGF2α拮抗作用を開示している。さらに抗セロ
トニン作用,低血圧作用,プロラクチンレベル低下作
用,ドーパミン受容体アゴニスト作用を記載している。
しかし,2−フェニルイミダゾールの5員環内の窒素原子
に2−ブロモ−6−メチル−8β−エルゴリニル基が結
合した化合物は知られていない。本発明化合物(I)
は,従来の技術から予測できない優れた薬理特性を有し
ている。
C.問題点を解決するための手段および作用 本発明者らは,優れた薬理作用を有するエルゴリン誘導
体を合成し,特許出願した(特願60−299203および61−
177138)。今回さらに鋭意研究を行なった結果,極めて
優れた薬理作用を有する8β−エルゴリン誘導体である
本発明化合物(I)を合成し,本発明を完結するに至っ
た。
本発明化合物(I)は,一般式 (式中,Xはクロル,ブロムおよびヨード原子などのハロ
ゲン原子,あるいはOSO2Rで表わされるスルホニルオキ
シ基などの酸残基である脱離基を示す。Rはメチル,エ
チル,プロピルなどの低級アルキル基,あるいはフェニ
ル,クロロフェニル,メトキシフェニル,メチルフェニ
ルなどのアリル基を示す。)で表わされる化合物[Xが
ブロム原子である化合物はGer.Offen.,2,335,750(197
4)[Chem.Abstr.,80:146400d(1974)],およびUS,4,
054,660(1977)[Chem.Abstr.,88:51070x(1977)],X
がOSO2RでRが4−メチルフェニル基である化合物はEu
r.Pat.Appl.,8,801(1980)[Chem.Abstr.,93:132675d
(1980)],およびEur.Pat.Appl.,30,351(1981)[Ch
em.Abstr.,95:187505v(1981)]に記載されている。]
にジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,ヘキ
サメチルホスホルトリアミド,アセトン,メチルエチル
ケトンなどの反応に不活性な溶媒中,水素化ナトリウ
ム,炭酸カリウム,炭酸ナトリウムなどの塩基存在下,2
−フェニルイミダゾールを,あるいは2−フェニルイミ
ダゾールのナトリウム塩あるいはカリウム塩などを,50
〜140°の温度で5分〜15時間反応させることにより,
容易に製造することができる。本発明化合物(I)は通
常の方法にて所望の酸付加塩とすることができる。酸付
加塩としては薬学的に無毒性な塩,たとえばフマル酸,
マレイン酸,酒石酸,塩酸,硫酸,メタンスルホン酸な
どの塩が適当である。
本発明化合物(I)は極めて優れた抗高血圧作用を示し
た。本発明化合物(I)は単独で,または他の組成物と
共に,例えば,錠剤,トローチ剤,丸剤,顆粒剤,散
剤,カプセル剤,アンプル剤,坐剤などの形態で使用す
ることができる。他の組成物としては,例えば,デンプ
ン,デキストリン,庶糖,乳糖,ケイ酸,カルボキシメ
チルセルロース,セルロース,ゼラチン,ポリビニルピ
ロリドン,グリセリン,寒天,炭酸カルシウム,炭酸水
素ナトリウム,パラフィン,セチルアルコール,ステア
リン酸エステル,カオリン,ペントナイト,タルク,ス
テアリン酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウム,ポ
リエチレングリコール,水,エタノール,イソプロピル
アルコール,プロピレングリコールなどがあげられる。
本発明化合物(I)の,例えば経口投与に対する1日当
たりの投薬量は,体重1kg当たり,0.005〜10mgが適当で
ある。当然のことながら,投与する時の状態により,適
宜増減されるべきである。
D.実施例 (1)1−(2−ブロモ−6−メチル−8β−エルゴリ
ニルメチル)−2−フェニルイミダゾール 60%油性水素化ナトリウム(0.8g)をジメチルホルムア
ミド(30ml)に加え,ついで2−フェニルイミダゾール
(3.0g)を徐々に添加。発泡が収まった後,2−ブロモ−
6−メチル−8β−エルゴリニル トシレートを添加
し,水浴上で1時間加熱。放冷後,水で希釈し放置。析
出結晶を濾取し,水洗。シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(酢酸エチル:エタノール=16:1)にて精製。エ
タノール−ヘキサンより再結晶し,無色プリズム晶,mp2
60〜267°(decomp.),0.95gを得。
NMR(CDCl3)δ:0.99(1H,brq,J=12.0Hz),1.56−2.97
[1OH,m,2.40(3H,s)],3.15(1H,dd,J=14.3,3.8H
z),3.96(2H,d,J=6.8Hz),6.58−6.83(1H,m),6.90
−7.20(4H,m),7.25−7.63(5H,m),8.21(1H,brs)。
Anal.Calcd forC25H26BrN4:C,64.94;H,5.67;N,12.12.Fo
und:C,64.77;H,5.56;N,11.84。
(2)抗高血圧作用 体重300〜350g(21〜25週齢)の自然発症高血圧ラット
を用い,tail cuff法により,無麻酔下で尾動脈収縮期圧
を非観血的に血圧計にて測定した。心拍数は脈波出力に
接続した心拍計を用い同時に測定した。血圧測定は予め
ラットを40℃の保温箱に10分間入れた後,ラットホルダ
ーに保定して行なった。検体は0.5%アラビアゴム末に
懸濁し,0.5ml/100gの容量で経口投与した。なお,ヒド
ララジン塩酸塩は水溶液として投与した。結果は表1お
よび2に示した。
(3)嘔吐作用 体重10〜15kgの雑種成犬を用いた。十分な食餌を与え,3
0分後,上腕静脈内に被検薬を投与。投与後5時間,嘔
吐および一般行動を観察した。被検薬は0.1NHClに溶解
した後,さらに生理食塩水で希釈し投与した。結果は表
3に示した。
E.効果 本発明化合物(I)は極めて優れた薬理特性を有する。
すなわち,強い降圧作用を示す一方,嘔吐などの副作用
は極めて弱い。
例えば,表1より明らかな如く,自然発症高血圧ラット
において,本発明化合物(I)は極めて強力な降圧作用
を示し,この作用は持続性であった。3mg/kgの経口投与
時の最大降圧は本発明化合物(I)では76mmHgと極めて
大きかった。一方,ブロモクリプチンメタンスルホン酸
塩,シアネルゴリン[Arzneim.Forsh.,33,1094(1983)
に記載の化合物],ヒドララジン塩酸塩の最大降圧はそ
れぞれ,38,40,47mmHgであった。ジヒドロエルゴトキシ
ンメタンスルホン酸塩では10mg/kg投与時においても20m
mHgと極めて低かった。
降圧剤として臨床的に使用されているヒドララジン塩酸
塩は降圧に伴い,副作用として頻脈をおこすことが知ら
れている。表2より明らかな如く,心拍数を強く増加さ
せている。一方,本発明化合物(I)は,心拍数には全
く影響を与えなかった。
犬に於ける嘔吐作用の結果を表3に示した。ジヒドロエ
ルゴトキシンメタンスルホン酸塩は,10μg/kgの静注投
与時強い嘔吐作用を示した。ブロモクリプチンメタンス
ルホン酸塩は10〜30μg/kg,シアネルゴリンは100μg/kg
で嘔吐作用を示した。一方,本発明化合物(I)は,300
μg/kgにおいても嘔吐作用を示さなかった。
本発明化合物(I)は,以上の如く,極めて強い抗高血
圧作用を有しているにもかかわらず,心拍数に影響を与
えず,しかも嘔吐作用は極めて弱い,換言すれば安全域
が極めて広いという優れた薬理特性を有している。本発
明化合物(I)は,高血圧症および高血圧を伴う各種疾
患の予防あるいは治療のための医薬品として極めて有用
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 で表わされる8β−エルゴリン誘導体およびその酸付加
  2. 【請求項2】一般式 (式中、Xはハロゲン原子、スルホニルオキシ基などの
    酸残基である脱離基を示す。)で表わされる反応性中間
    体に、2−フェニルイミダゾール、あるいはその金属塩
    を反応させることを特徴とする式 で表わされる8β−エルゴリン誘導体およびその酸付加
    塩の製造方法。
  3. 【請求項3】式 で表わされる8β−エルゴリン誘導体およびその酸付加
    塩を必須成分とする高血圧性疾患治療剤。
JP11397587A 1987-05-11 1987-05-11 エルゴリン誘導体およびその酸付加塩 Expired - Lifetime JPH0780877B2 (ja)

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