JPH08103601A - 水すすぎ後の乾燥方法 - Google Patents

水すすぎ後の乾燥方法

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JPH08103601A
JPH08103601A JP23921594A JP23921594A JPH08103601A JP H08103601 A JPH08103601 A JP H08103601A JP 23921594 A JP23921594 A JP 23921594A JP 23921594 A JP23921594 A JP 23921594A JP H08103601 A JPH08103601 A JP H08103601A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 被洗浄物を水すすぎした後、該被洗浄物に残
るすすぎ水を、エチルアルコール濃度が25〜35体積
%のエチルアルコール水溶液により予備的に置換処理す
る第1置換工程、続いてパーフルオロアルカン等の不活
性液体により、さらにすすぎ水を置換処理する第2置換
工程、およびさらにその後、該第2置換工程で用いたも
のと同一の不活性液体を用いて、被洗浄物を蒸気乾燥処
理する工程を含む、水すすぎ後の乾燥方法。 【効果】 従来、非常に乾燥が困難であった複雑形状の
被洗浄物に対する乾燥性能を飛躍的に高めることがで
き、また、比較的低濃度のエチルアルコール水溶液を用
いているために、引火の危険性が少なく、安全に乾燥工
程を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水すすぎ後の乾燥方法
に関するものであり、さらに詳しくは本発明は、被洗浄
物を水すすぎした後、被洗浄物に残るすすぎ水を効果的
かつ引火の危険性なく安全に除去できる乾燥方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】被洗浄物の水すすぎ後、これを乾燥する
方法としては、風力、遠心力などを利用した物理的な液
切り処理、加熱処理、減圧処理、液体(溶剤)置換処理
などがあるが、被洗浄物形状に対する汎用性や乾燥品質
の点では、溶剤置換処理が一般的に有利である。溶剤置
換処理には、水と相溶性があるイソプロピルアルコール
を使用する場合と、パーフルオロアルカン等の不活性液
体を使用する場合とがある。水を置換する点に関して
は、水溶性であるイソプロピルアルコール等のアルコー
ルのほうが原理的には優れているが、引火性が強く火災
の危険性を伴う。また、使用するにつれて水や油脂等の
汚れがイソプロピルアルコールに溶解して混入し、置換
液の劣化が避けられないため、高い乾燥品質の維持には
頻繁な液交換が必要であり、産業廃棄物削減対策上から
も好ましくない。
【0003】それに対して、パーフルオロアルカン等の
不活性液体は、不燃性、低毒性、かつアルコールよりも
優れた蒸発性を有するうえ、水や油汚れなどをほとんど
溶解しないことから、適切な飛散防止対策を施せばほぼ
永久的に繰り返し使用できる材料である。したがって、
乾燥性能、防火対策、作業環境安全性、及び産業廃棄物
削減対策の点でパーフルオロアルカン等の不活性液体が
有利である。
【0004】この置換処理について、図2を参照して従
来方法(A)を説明する。これは被洗浄物を水系洗浄剤
による洗浄後、水すすぎし、被洗浄物中に残るすすぎ水
の乾燥を、不活性液体パーフルオロアルカンを用いた置
換処理により行ったものである。
【0005】図2において、水系洗浄剤を溶解した洗浄
液により被洗浄物の汚れを溶解または剥離させて除去し
[同図(a)]、水すすぎにより洗浄液を希釈・拡散さ
せて除去する[同図(b)]。通常、これらの工程は、
その効果が被洗浄物形状の汎用性、つまり、被洗浄物の
形状にかかわらずその効果を促進させるために、超音波
を照射する方法が一般的である。なお、水すすぎ工程で
は、精密洗浄の度合により、上水道水、イオン交換水、
精製水が用いられる。続いて、被洗浄物をパーフルオロ
アルカンまたはパーフルオロポリエーテルの液中に浸漬
し、その全面に付着した水を、水とパーフルオロアルカ
ンとの比重および表面張力の差により分離して、乾燥性
が良いパーフルオロアルカンと置換する[同図
(c)]。この水の分離を促進するため、通常、揺動、
および槽の底面または側面に取りつけられた超音波振動
子(1)からの超音波照射が併用される。その後、置換
液と同一のパーフルオロアルカン蒸気によりその沸点温
度で被洗浄物を加温し、乾燥させる[同図(d)]。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来方法
(A)の水を置換する工程で使用するパーフルオロアル
カンは、水との親和性に乏しいため、被洗浄物表面に付
着した水を引きはがして置換する力が弱く、液流、揺動
や超音波などの外力が作用しにくい被洗浄物内面や洗浄
バスケットの接触部などでは水が残りやすく、乾燥不良
が発生しやすい。とくに被洗浄物が複雑形状の場合、例
えば、巻線組立品においては、巻線内部に水分が残留
し、絶縁不良が発生するという問題がある。この点を解
決するため、パーフルオロアルカンによる置換の前に、
イソプロピルアルコール等のアルコールを用いて予備置
換を行う手段もあるが、引火性の強い処理液を乾燥工程
に使用することから、前記のように火災や爆発の危険性
がある。そのため、洗浄装置全体に火災や爆発を防止す
る設備が必要となり、装置や管理コストが増大するとい
う問題点がある。本発明は、被洗浄物の水すすぎ後、パ
ーフルオロアルカン等の不活性剤による液体置換乾燥を
行う際に生ずる上記の問題点を解決するためになされた
ものであり、引火性の危険を最小限度にしたうえで、複
雑形状の部品や組立品などの被洗浄物を、効果的に且つ
安全に乾燥することのできる乾燥方法を提供することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、上記のような従来の課題を解決することができ
た。
【0008】すなわち本発明は、被洗浄物を水すすぎし
た後、該被洗浄物に残るすすぎ水を、エチルアルコール
濃度が25〜35体積%のエチルアルコール水溶液によ
り予備的に置換処理する第1置換工程、続いて不活性液
体により、さらにすすぎ水を置換処理する第2置換工
程、およびさらにその後、該第2置換工程で用いたもの
と同一の不活性液体を用いて、被洗浄物を蒸気乾燥処理
する工程を含むことを特徴とする、水すすぎ後の乾燥方
法を提供するものである。
【0009】また本発明は、第1置換工程および第2置
換工程において、高エネルギー密度の超音波を被洗浄物
にむけて照射する、前記の乾燥方法を提供するものであ
る。
【0010】さらにまた本発明は、エチルアルコール水
溶液の温度が、15〜20℃である、前記の乾燥方法を
提供するものである。
【0011】また本発明は、第2置換工程および蒸気乾
燥工程に用いる不活性液体の沸点が100〜110℃の
範囲にある、前記の乾燥方法を提供するものである。
【0012】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明は、上記のように被洗浄物の水すすぎ、エチルアル
コール水溶液による予備的な第1置換工程、不活性液体
による第2置換工程、該不活性液体の蒸気による蒸気乾
燥処理工程を含んでいる。
【0013】本発明における被洗浄物とは、とくに制限
されないが、例えば巻線組立品、ジャイロスコープ部品
等の複雑形状であるがために乾燥しにくい物品を挙げる
ことができる。
【0014】本発明における水すすぎとは、被洗浄物と
水とを接触させる行為全般を意味し、例えば被洗浄物を
水に浸漬したり、水で洗い流したりする行為が挙げられ
る。この水すすぎに使用される水は、洗浄の目的とする
度合により、上水道水、イオン交換水、精製水などから
適宜選択される。通常、この工程においては、水すすぎ
の効果を高めるために、超音波が照射され、且つ揺動さ
れる。
【0015】なお、被洗浄物の水すすぎの前には、通
常、水系洗浄剤により被洗浄物が洗浄されることが多
い。この場合の水系洗浄剤による洗浄とは、水系の洗浄
剤を用いて被洗浄物の汚れを溶解または剥離させて除去
することを意味する。水系洗浄剤は、被洗浄物の汚れの
程度、汚染物の種類等により適宜選択することができる
が、例えば界面活性剤型、エマルジョン型、アルカリ鹸
化型などの洗浄剤が挙げられる。もちろん、このような
水系洗浄剤による洗浄工程は省略されていてもよく、例
えば被洗浄物の表面処理加工等のような後に、水すすぎ
する必要のある場合も、本発明を適用可能である。
【0016】水すすぎ後の被洗浄物は、続いてエチルア
ルコール水溶液による予備的な第1置換工程に施され
る。この第1置換工程は、被洗浄物を、エチルアルコー
ル水溶液に浸漬する等によって行うことができる。エチ
ルアルコール水溶液は、例えば被洗浄物が複雑な形状で
ある場合、その内部の隅々まで浸透していることが、後
の工程で使用される不活性液体との親和性を高め、置換
を効果的に行う上で重要である。そのため、高エネルギ
ー密度の超音波を、被洗浄物にむけて照射すれば、被洗
浄物の内部の隙間部分などにエチルアルコール水溶液が
十分に浸透するため好ましい。また、被洗浄物の揺動
(例えば上下方向)を超音波照射と併用すれば、さらに
好ましいものとなる。ここで高エネルギー密度の超音波
とは、例えば40kHzで1.5〜2.3W/cm2、さら
に具体的には1.85W/cm2(振動子面積)程度の超音
波であることができ、この超音波は、1〜3分間、被洗
浄物を揺動しながら照射することができる。エチルアル
コール水溶液におけるエチルアルコール濃度は、通常は
60体積%前後が考えられるが、25〜35体積%が好
ましく、30体積%がとくに好ましい。25体積%未満
では、後の第2置換工程で用いられる不活性液体に対す
る親和性が失われる。また35体積%を超えると、不活
性液体との親和性は増加するが、超音波を施した場合、
超音波の減衰が急激に大きくなってその効果が相殺さ
れ、水を置換する能力はあまり向上しないにもかかわら
ず、引火の危険性が大きくなるので不利となる。エチル
アルコール水溶液の温度は、エチルアルコール(30体
積%)の引火点の32℃よりも十分に低く、かつキャビ
テーション効果を大きく損なうことがないように15〜
20℃に管理することが好ましい。
【0017】続いて、上記のようにすすぎ水を、エチル
アルコール水溶液で予備的に置換した後、不活性液体を
用いて、さらにすすぎ水を置換する第2置換工程が行わ
れる。この第2置換工程は、被洗浄物を、不活性液体に
浸漬する等して行うことができる。なお、本明細書にお
いて、“不活性液体”とは、被洗浄物に対して、何ら化
学的影響を及ぼさない不活性な液体を意味する。本発明
において、不活性液体としては、好ましくは例えば沸点
が100〜110℃のパーフルオロアルカン類や、パー
フルオロポリエーテル類がよい。これらの例としては、
市販されているものが挙げられ、パーフルオロアルカン
として、PF−5080(住友スリーエム社製)、また
パーフルオロポリエーテルとしてPFエリキッド−1
(岩谷産業社製)等が挙げられ、中でも好ましくは沸点
が水よりもわずかに高い102℃のPF−5080であ
る。以下、好適な不活性液体として、パーフルオロアル
カンを例にとり説明する。パーフルオロアルカンの液温
度は、後の上記乾燥処理工程で十分な凝縮量が得られる
温度差を確保するため、室温〜60℃がよい。また、こ
の第2置換工程においても、上記の第1置換工程と同様
の超音波処理を施すことが好ましい。これにより、被洗
浄物に付着しているエチルアルコール水溶液の膜をひき
はがして分散させ、パーフルオロアルカンと置き換える
ことができる。分離されたエチルアルコール水溶液は、
パーフルオロアルカンにはほとんど溶解せず、かつ比重
差が大きいことから、比重差分離器を用いて容易に分離
することができる、また使用後のパーフルオロアルカン
は、その中に含まれる微小固形粒子等を濾過材で循環除
去すれば、半永久的に使用することができる。
【0018】続いて、第2置換工程において不活性液体
で置換処理された被洗浄物は、蒸気乾燥処理工程におい
て、乾燥される。この蒸気乾燥処理工程に用いられる蒸
気は、第2置換工程で用いられた不活性液体と、同じ種
類のものが用いられる。この蒸気乾燥処理工程は、適当
な加熱手段により加熱蒸発した不活性液体雰囲気に被洗
浄物を適当な時間、例えば1〜3分間おくことにより行
うことができる。この工程により、被洗浄物中に不活性
液体は凝縮し、被洗浄物を乾燥温度に高めるとともに、
被洗浄物内部の表面にエマルジョン化した状態で存在す
る可能性がある水を凝縮液により洗い流すことができ
る。不活性液体として、沸点が100〜110℃程度の
ものを用いれば、蒸気乾燥処理工程において、1〜3分
間で被洗浄物の表面温度が水の沸点である100℃に達
するため、被洗浄物内部にわずかに残留した水分があっ
ても、これは蒸発し、水の除去を促進することができ好
ましい。さらに、沸点が100〜110℃程度の不活性
液体を用いれば、蒸気乾燥処理工程における被洗浄物の
加熱温度もその範囲内となり、そのため被洗浄物に対す
る熱ストレスを最小限度に管理することができる。
【0019】蒸気乾燥処理工程後は、被洗浄物における
蒸気を回収し、冷却して、全乾燥工程を終了させること
ができる。
【0020】
【作用】本発明においては、第1置換工程でエチルアル
コール水溶液、例えばエチルアルコール濃度が約30体
積%のものを用いて、被洗浄物の全表面に付着している
水をエチルアルコール水溶液と置き換えることにより、
第2置換工程で使用するパーフルオロアルカン等の不活
性液体との親和性が高められる。そして第2置換工程
で、被洗浄物に付着した水が、揮発性の高いパーフルオ
ロアルカンと効果的に置き換えられ、その結果、乾燥性
能が高められる。この親和性は、エチルアルコール濃度
が高いほど大きくなるが、その反面、引火の危険性が高
まることになる。従って、乾燥性能を損なうことなく、
引火の危険性が最小限度になるまでエチルアルコール濃
度を低くする必要がある(通常は消防法の適用を受けな
い60%以下で使用することになるが、この濃度でも引
火の危険性がかなり存在し、洗浄装置自体に火災や爆発
を防止する設備が必要となる)。ところで、上記の各置
換工程において照射する超音波の作用が強いほど、置換
が効率よく行われ、乾燥性能が向上することが知られて
いる。第1置換工程に用いられるエチルアルコール水溶
液は、エチルアルコール濃度が60体積%付近で超音波
の吸収が最大となり、超音波の作用力が最も弱い。それ
に対して、低濃度側、とくに35体積%付近以下では超
音波の吸収が急激に低下するため、超音波が有効に作用
しやすくなる。一方、エチルアルコール濃度が低くなり
過ぎると、後の第2置換工程でのパーフルオロアルカン
との親和性が失われるので、約25体積%以上のエチル
アルコール濃度は必要である。このような理由から、エ
チルアルコール濃度が約25〜35体積%でも60体積
%に匹敵する置換性能が得られることが可能である。ま
た、沸点が100℃よりやや高いパーフルオロアルカン
を使用することにより、第2置換工程でわずかに残留し
た水を蒸気乾燥処理工程で蒸発除去することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例 1 図1は本発明の一実施例を示すものであり、被洗浄物を
水系洗浄剤により洗浄後(a)、水すすぎ工程(b)と
パーフルオロアルカンによる置換工程(c)との間に予
備的な置換工程として、エチルアルコール濃度が30体
積%のエチルアルコール水溶液による第1置換工程
(e)を設けたものである。
【0022】以下、この乾燥工程について説明する。洗
浄工程(a)において、水系洗浄剤として液温度45℃
のポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルを
主成分とするエマルジョン型洗浄剤(商品名:PC−N
01L2100、岩谷産業社製)により、被洗浄物の汚
れを溶解または剥離させて除去する。本実施例の洗浄工
程(a)では、水すすぎ工程(b)でのすすぎ性や排水
処理負荷を考慮して洗浄剤濃度の高い(15%)洗浄槽
(a1)と洗浄剤濃度の低い(5%)洗浄槽(a2)の
二段階となっている。また、各槽の容量は18リットル
であり、その底部には、超音波振動子が設けられ(槽a
1は28kHz、600W、槽a2は40kHz、60
0W)、また、被洗浄物が揺動するようになっている。
【0023】洗浄工程(a)の後、水ですすぎ工程
(b)により洗浄液を清浄な水を用いて希釈・拡散させ
て除去する。水すすぎ工程(b)ではすすぎの精度を高
めるため、18リットル容のすすぎ槽(b1)、(b
2)、(b3)の三段階とし、すすぎ槽(b2)、(b
3)では純水を使用している。このすすぎ工程(b)に
おいても、前記の洗浄工程(a)と同様に、超音波が照
射するようになっており(槽b1は40kHz、600
W、槽b2およびb3は40kHz、300W)、ま
た、被洗浄物が揺動するようにもなっている。
【0024】水すすぎ工程(b)の後は、第1置換工程
(e)に施される。被洗浄物は、18リットル容の槽
(e)中、エチルアルコール濃度が30体積%のエチル
アルコール水溶液に浸漬され、さらに被洗浄物に対して
高エネルギー密度の超音波(40kHz、600W)を
1〜3分間照射しながら揺動し、被洗浄物の全表面に付
着している水をエチルアルコール水溶液と置き換える。
このときのエチルアルコール温度は、例えば15〜20
℃とする。
【0025】この第1置換工程(e)の後、第2置換工
程(c)では、沸点が102℃のパーフルオロアルカン
(商品名:PF−5080、住友スリーエム社製)を使
用し、液温度は35℃とする。槽(c)は23リットル
容とし、ここに被洗浄物が浸漬される。ここでも第1置
換工程(e)と同様に、高エネルギー密度の超音波(4
0kHz、1200W)を1〜3分間照射しながら揺動
する。槽(c)からオーバーフローしたパーフルオロア
ルカンは、予備タンク(2)に付属させた比重差分離器
3で容易に浮上分離することができる。また分離したパ
ーフルオロアルカンを濾過材で循環除去すれば、半永久
的に使用できる。
【0026】続いて、蒸気乾燥工程(d)において、第
2置換工程で用いた沸点温度102℃のパーフルオロア
ルカンの蒸気中に被洗浄物を置いて、パーフルオロアル
カンを凝縮させ、被洗浄物表面を乾燥温度に高める。同
時に被洗浄物内部の表面にエマルジョン化した状態で存
在する可能性のある水を洗い流す。被洗浄物中のパーフ
ルオロアルカンの凝縮が終了した後、被洗浄物を蒸気回
収用凝縮コイル4がある冷却ゾーンへ引き上げて移動
し、約30秒間停止させて、パーフルオロアルカン蒸気
の回収と被洗浄物の冷却を行い、乾燥工程を終了する。
【0027】実施例 2 図4および5に示される複雑形状の被洗浄物を用いて、
上記実施例1の態様における本発明の乾燥方法を試験し
た。なお、エチルアルコール濃度は、20、30、40
および60体積%で変化させた。エチルアルコール濃度
が0体積%とは、エチルアルコール水溶液の代わりに水
を用いたことを意味する。図4および5において、被洗
浄物は、共にハウジング5内部に巻線組立品6や機構部
品などが収納された状態の複雑形状の組立品であって、
隙間部分が多く存在し、乾燥が困難なものである。とく
に図4の被洗浄物は、円筒形状のハウジング5の両端が
シールされ(断面図b参照)、その両端面にあいたそれ
ぞれ2か所の直径1.5mmの小さい穴7、8が内部に通
じている(平面図a1および底面図a2参照)のみで、
内部まで乾燥することが非常に困難であるため、この被
洗浄物を用いて、乾燥処理後の残存液重量を測定し、乾
燥性能の評価を行った。また、図5の被洗浄物について
は、電気絶縁性評価と拡大鏡による外観評価を行った。
その結果を図3に示す。なお、「外観評価」とは、被洗
浄物の表面に残存している水滴の有無を検査するもので
あり、水滴が全く確認されなければ○印を付した。図3
から、第1置換工程で用いるエチルアルコール濃度が3
0体積%でも60体積%に匹敵する乾燥性能が得られて
いることがわかる。また、電気絶縁性は、エチルアルコ
ール濃度が30体積%で優れた結果を示していることが
わかる。
【0028】実施例 3 上記実施例1で示される本発明の一態様は、図6に示さ
れる態様に変更することもできる。すなわち、実施例1
では、第2置換工程(c)と蒸気乾燥工程(d)をそれ
ぞれ独立した槽で行っているが、これを図6に示すよう
に、第2置換槽(c)の上部で蒸気乾燥処理を行うこと
により1槽化して開口部面積を半減させ、高価なパーフ
ルオロアルカン等の不活性液体の飛散による消耗量を抑
制することもできる。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、水すす
ぎ後、パーフルオロアルカン等の不活性液体で水を置換
し、乾燥する場合において、パーフルオロアルカン等の
不活性液体で置換する前に、エチルアルコール濃度が2
5〜35体積%のエチルアルコール水溶液による予備置
換工程を設けることにより、従来、非常に乾燥が困難で
あった複雑形状の被洗浄物に対する乾燥性能を飛躍的に
高めることができる。また、比較的低濃度のエチルアル
コール水溶液を用いているために、引火の危険性が少な
く、安全に乾燥工程を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乾燥工程の一実施例を示す各工程の説
明図である。
【図2】従来の乾燥工程を示す各工程の説明図である。
【図3】本発明の実施例における乾燥試験の結果を示す
図である。
【図4】乾燥試験に用いられた被洗浄物の平面図a1、
断面図bおよび底面図a2である。
【図5】乾燥試験に用いられた被洗浄物の平面図a1、
断面図bおよび底面図a2である。
【図6】本発明の乾燥工程の別の実施例を示す各工程の
説明図である。
【符号の説明】
1 超音波振動子 2 予備タンク 3 比重差分離器 4 凝縮コイル 5 ハウジング 6 巻線部 7,8 穴部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被洗浄物を水すすぎした後、該被洗浄物
    に残るすすぎ水を、エチルアルコール濃度が25〜35
    体積%のエチルアルコール水溶液により予備的に置換処
    理する第1置換工程、続いて不活性液体により、さらに
    すすぎ水を置換処理する第2置換工程、およびさらにそ
    の後、該第2置換工程で用いたものと同一の不活性液体
    を用いて、被洗浄物を蒸気乾燥処理する工程を含むこと
    を特徴とする、水すすぎ後の乾燥方法。
  2. 【請求項2】 第1置換工程および第2置換工程におい
    て、高エネルギー密度の超音波を被洗浄物にむけて照射
    する、請求項1に記載の乾燥方法。
  3. 【請求項3】 エチルアルコール水溶液の温度が、15
    〜20℃である、請求項1または2に記載の乾燥方法。
  4. 【請求項4】 第2置換工程および蒸気乾燥工程に用い
    る不活性液体の沸点が100〜110℃の範囲にある、
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の乾燥方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100403999B1 (ko) * 2001-01-19 2003-11-01 석계술 캔류 표면처리후 잔류수분 건조방법

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KR100403999B1 (ko) * 2001-01-19 2003-11-01 석계술 캔류 표면처리후 잔류수분 건조방법

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