JPH0811435B2 - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JPH0811435B2
JPH0811435B2 JP3113556A JP11355691A JPH0811435B2 JP H0811435 B2 JPH0811435 B2 JP H0811435B2 JP 3113556 A JP3113556 A JP 3113556A JP 11355691 A JP11355691 A JP 11355691A JP H0811435 B2 JPH0811435 B2 JP H0811435B2
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良明 青田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は種々の化粧材基材に適用
して新規でかつ自然感に富む化粧材を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の内外の仕上げ、家具の仕
上げ、装飾品の仕上げ等の目的で種々の化粧材が使用さ
れている。これらの化粧材のうち、実際の木や動物の
皮、大理石等の石、布などを除くと、多くの化粧材は用
途に合わせて適宜に選択された基材に印刷、塗装、エン
ボス加工等を行って、木、皮、石、布などの外観を模倣
するか、或いは全くそれらとは異なる抽象的な模様を創
造し、いずれにせよ人工的に化粧材を製造してそれぞれ
の用途に適用している。
【0003】化粧材を人工的に製造する際に、単に外観
の模様のみを模倣するような場合には現在の進んだ写真
製版技術や印刷技術を利用すれば足りるが、化粧材を使
用する業者や最終的な消費者の要望が高まる中で、更に
模様以外の要素をも加味した試みが今まで幾つかなされ
ている。
【0004】(イ)例えば基材に印刷を施した後、艶を
調整するための艶調整層を設ける試みが既になされてお
り、これによれば単に印刷しただけでは得られない所定
の艶をほぼ達成しうるものであるが、深み(奥行感)や
表面のテクスチャー(微細凹凸等の材質感)が表現しき
れず立体感が乏しいし、或いは天然物のもつ内部構造の
ようなものは表現しきれず、非実体的な感じは否定でき
ない。 (ロ)或いは印刷を単に平面的に行うのではなく、模様
の一部を固型分の転移量が多くなるように印刷して、上
記(イ)では得られない立体的な感じを付与する試みも
なされており、この手法ではかなり立体感が生じるが、
やはり深みや内部構造まで再現することは不可能であ
る。 (ハ)又、(ロ)の手法に加えて、艶のあるインキと艶
の消えたインキを併用し、立体的な感じをより一層強調
する試みもなされているが、やはり深みは依然として再
現できない上、表面が摩耗すると立体感が減少するもの
である。 (ニ)更に糸を一方向に並べて貼着した基材を用いて印
刷するか、あるいは延伸により同等の外観を与える基材
に印刷すると、上記(イ)〜(ハ)では表現できなかっ
たテクスチャー、内部構造の表現が可能になってくる
が、一般的に凹凸のある基材には印刷が行ないにくく、
かえって、模様を損なうものである。 (ホ)あるいは又、基材に印刷した後に、透明合成樹脂
層を形成し、エンボスする手法もあるが、依然として深
みに欠け、エンボスにより艶が決められてしまい、自由
な調整はむずかしい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明において
は、深み、テクスチャー、内部構造の一部もしくはすべ
てを上記した従来技術より改善して、かつ、印刷自体は
通常に行なえる、外観のすぐれた化粧材を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧材は、基材
の表面に、非光輝性着色隠蔽顔料入りインキの塗布また
は印刷層およびその上に形成された光輝性顔料入りのイ
ンキの塗布または印刷層の2層からなる着色層が形成さ
れており、着色層の表面には透明合成樹脂層が形成され
ており、透明合成樹脂層の表面には下層を透視可能な模
様が施されており、該模様の表面には艶消剤を含有する
透明合成樹脂よりなる表面艶調整層が形成されており、
最表面にはその全面にエンボス加工が施されていること
を特徴とするものである。
【0007】次に本発明の具体例を紙に木目模様を付し
た木目化粧紙について説明する。なお、後で述べるよう
に本発明の基材は紙に限らないし、又、模様を以下の例
で木目模様としたのは、化粧材の分野では木目模様の再
現が最もむずかしく、又、需要も多いためであり、木目
模様の表現手法はほとんど他の模様に適用できるからで
ある。
【0008】図1は木目化粧紙の基本的な構造を示す模
式的な断面図であって、木目化粧紙1は紙2の表面にベ
タ(全面均一)着色層3、透明合成樹脂層4、木目模様
層5、艶調整層6が順次積層され、かつ、表面にエンボ
ス7を有する構造となっている。
【0009】紙2としては、薄葉紙、晒もしくは未晒の
クラフト紙、上質紙などの通常のものや、いわゆる紙間
強化紙(ラテックス含浸紙)、合成樹脂を混抄した混抄
紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石こうボード紙等が
使用できる。
【0010】着色層3は紙2を隠蔽し、化粧紙全体に隠
蔽性および木目模様層5の印刷下地色を与えると共に、
天然の木目板の有する照りを再現するためのものであ
り、前記着色層3は非光輝性着色隠蔽顔料入りインキの
塗布または印刷層及びその上に形成された光輝性顔料入
りインキの塗布または印刷層の2層からなる。前記非光
輝性着色隠蔽顔料としては、通常、隠蔽性を増すために
二酸化チタンのような隠蔽性の高い顔料を多量に含んだ
インキが用いられる。着色層3は通常は木目の最も明る
い色(ハイライト)でベタ印刷される。光輝性顔料とし
ては例えば、 (i)パール顔料と称するもの、具体的には
貝がらの内側の壁の部分や真珠の粉砕粉、雲母、雲母の
微粒子(1〜100μm程度の径)にTio2 もしく
は、酸化鉄を焼き付けたもの、 (ii) 金属粉、具体的に
は銅、アルミニウム、真ちゅう、青銅、金、銀等の、こ
のましくは1〜120μmの微粒子、(iii) 蒸着された
プラスチックフィルムの破片、例えばポリエチレンテレ
フタレートフィルムに(ii) で示したような金属、通常
はアルミニウムを蒸着し、粉砕したもの(銀色粉)、蒸
着後、透明な黄色塗装を行ない、その後に粉砕したもの
(金色粉)を使用することができる。これら光輝性顔料
は再現しようとするものの光沢、照り、輝きに応じて選
択し、1種又は2種以上用いることができる。
【0011】なお光輝性顔料は着色層3の上層であれば
いかなる場所にも併用することができるので、必要に応
じ、他の層にも用いるとよい。
【0012】透明合成樹脂層4は、着色層3と木目模様
層5の間に間隔を生じさせ、模様に奥行感を与えると共
に、場合によっては模様層5による陰影を着色層3の表
面に与えるためのものであり、層4は透明な合成樹脂を
使用し、適宜な塗布方法によって形成することができ
る。合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、もしくはア
イオノマーなどのポリオレフィン系樹脂、飽和ポリエス
テル樹脂やポリ塩化ビニルのようなポリオレフィン以外
の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタ
ン樹脂などの熱硬化性樹脂等が好適な例である。
【0013】木目模様層5は下層が透視可能なものであ
る。模様を下層が透視可能にするには、インキ自体が透
明性のあるものを用いることにより、あるいは不透明な
インキを用いても、透かし模様(切り抜き模様)状の模
様とすることにより実現できるが、通常の印刷法により
形成された模様は網点によって構成されているので網点
の間が必ず透光性となり、インキ自体の透明・不透明と
は無関係に下層が透視可能である。
【0014】艶調整層6は化粧紙1の表面を保護し、木
目模様の消失を防止すると共に化粧紙1の表面に好まし
い艶を与える透明合成樹脂上塗層である。艶調整層6は
適宜なベヒクルを用いた塗料を塗布することにより形成
されている。ベヒクルとしては次のようなものが例示さ
れる;ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、
ニトロセルロース樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、メラミン樹脂、酢酸
セルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂。
上記のベヒクルとして挙げた樹脂は単独でもしくは複合
して使用することができる。
【0015】艶調整層6を形成するための塗料には次の
ような艶消剤を分散して所望の艶とする。使用できる艶
消剤の例としては次のようなものがある;マイカ、シリ
カ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ケイ砂、
シラスバルーンのような無機質中空体。
【0016】エンボス7は化粧紙1の表面に、模様であ
る例えば木の繊維感および材質感を付与するものであ
り、化粧紙1の最表面の全面に、好ましくは、木目模様
層5の繊維方向に沿ったヘアーラインの凹凸を有するよ
うに施される。
【0017】前記ヘアーラインは、細い毛髪のごとき細
い線の多数本が平行に並んで形成する線模様を意味し、
通常、ラインの流れは直線からなる(特公昭54−23
024号公報第2欄第2行〜第4行、及び初歩のラジオ
編集部編「初歩のステレオ製作技術」第5版、(株)誠
文堂新光社(昭和51−6−1)第121頁中欄○ヘア
ー・ライン加工の欄参照)。
【0018】なお、エンボス7には、他のエンボス、例
えば木目模様層5に適合する木目の導管溝を表現したも
の、塗装板の艶状態を再現したもの、あるいはこれ等を
共存させたものでもよい。その他、木目模様を印刷した
ときには、木の板の表面の凹凸を模したもの、特に
うずくりの感じを表現したもの、艶を出すための鏡面
に近いもの、艶を消すために梨地のものなどが適合
し、皮目模様を印刷したときには、皮の表面の凹凸であ
る皮絞(しぼ)を模したものや前記の梨地、場合によ
ってはの鏡面に近いものが適合し、また、石目模様の
印刷の場合には、石の表面の状態、例えば凹凸や割れ目
を模したものや、磨いた石を表現するときは前記のも
のが適合し、さらに、布目模様の場合には、平織、斜文
織、もしくは朱子織、又はこれらの組合せからなる布目
の凹凸が適合する。
【0019】図1に示した木目化粧紙は模様の下に透明
合成樹脂層4が設けられているので奥行感があり、しか
も表面のエンボス7により木の繊維感および材質感が付
与され、艶調整層により好ましい艶に調整されているも
のである。
【0020】図2は木目化粧紙の更に好ましい構造を示
すものであり、図1のものに加えて、艶調整層6の上に
別の艶調整層8を有している。例えば層6は艶消層であ
り、層8は艶出層であり、艶出層8は木目模様の特定部
分、特に木目の秋材部に相当する箇所に設けると、木目
模様の実体感が向上する。この図2に示したものは例え
ば杉の板を「うづくり加工」したものの再現に適してお
り、天井等に用いるとよい。
【0021】なお、ここで艶消層上に艶出層をパターン
状に設ける以外にも、艶出層を設けた上に艶消層を設け
るやり方や、艶消層を艶出層と区分けして同一面上に設
けるやり方もあるし、或いは艶消層もしくは艶出層のい
ずれか一方を模様状に設けてもよく、要するに艶調整層
が模様状に設けられていると、下層の模様と適合して視
覚的な立体感が増すものである。
【0022】図2に示した木目化粧紙は図1のものにく
らべて部分的に艶の変化が付されているので図1の木目
化粧紙の効果に加えて、より一層の立体感が得られるも
のである。
【0023】本発明においては図1及び図2に示したも
のに加えて、更に次のような要素を追加すると一層よ
い。すなわち、図1及び図2に示した印刷模様層5は透
明合成樹脂層4上に設けたが、印刷模様層5は図1及び
図2に示した位置に加えて、着色層3と透明合成樹脂層
4の間にも設けると一層の立体感が得られる。同様に、
印刷模様を艶調整層6の上にも設けるとよいが、このと
きは図2の艶調整層8と兼ねて設けるのがよく、適宜な
着色を施した艶調整された組成物により設けるとよい。
なお印刷模様を図1及び図2に示した位置に加えて、前
記した2カ所にも設け、合計3カ所に印刷模様を設けて
もよい。
【0024】本発明の化粧材の製造方法は概略、次の通
りである。まず、表面が着色された基材を準備する。基
材2としては紙以外にも化粧材の基材として使用するも
のであればいずれでもよい。紙以外に使用できる基材の
例は次の通りである;ポリエチレンフィルム、ポリプロ
ピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビ
ニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネート
フィルム、ナイロンフィルム、ポリスチレンフィルム、
エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレンビニル
アルコール共重合体フィルム、アイオノマー等のプラス
チックフィルム、木、合板、パーチクルボード等の木質
基材、石こうボート、石こうスラグボード等の石こう系
基材、パルプセメント板、石綿セメント板、木片セメン
ト板等の繊維セメント板、GRC及びコンクリート、
鉄、アルミニウム、銅等の金属箔若しくはシート、並び
に以上の各基材の複合体等。なお、複合体とする前に第
1の基材を用いて化粧材を一旦製造し、更に第2の基材
に添着する等してもよい。
【0025】上記基材の表面に着色用のインキもしくは
塗料組成物を用いて着色する。インキもしくは塗料組成
物としてはベヒクルに顔料若しくは染料の着色剤、可塑
剤、安定剤、その他の添加剤、溶剤若しくは希釈剤を混
練してなるものを用い、ベヒクルとしては例えば、エチ
ルセルロール、エチルヒドロキシエチルセルロース、セ
ルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース等
のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリαメチルスチ
レンなどのスチレン樹脂及びスチレン共重合樹脂、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリア
クリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどの、アクリ
ル又はメタクリル樹脂の単独又は共重合樹脂、ロジン、
ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹
脂、重合ロジンなどのロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ブチ
ラール樹脂等のうち一種ないしは二種以上を選択して使
用し、作成したものを用いるとよい。
【0026】これら組成物は適宜な塗布方法、例えば、
グラビアコート、ロールコート、エアーナイフコート、
スプレーコート、フローコート等により、或いは通常の
印刷方法によるベタ印刷により基材に塗布し着色層を形
成する。
【0027】次に、着色層上に透明合成樹脂層4を形成
する。透明合成樹脂層4を形成するための合成樹脂とし
ては図1の説明において述べたもの以外にも、着色層を
形成する際に用いたベヒクル中からも選択し使用するこ
とができる。これらは樹脂の性状に合わせてエクストル
ージョン、Tダイ、ロールコートもしくはグラビアコー
ト等の適宜な塗布手段を選択して塗布する。透明合成樹
脂層4はその目的を達するため5μm以上必要であり、
より好ましくは20μm以上である。層4は厚みが厚い
ほどその効果は大きいが、5mmを越えると効果の向上
は期待できず、材料の必要量が過大になるので好ましく
ない。
【0028】なお透明合成樹脂層4を形成する際、特に
接着性の良好ではないポリオレフィン系の樹脂をエクス
トルージョンコートするようなときには、これに先立っ
て、アルキルチタネートやポリエチレンイミンなどのア
ンカー剤をコートしておくとよい。
【0029】同様に接着性の観点から透明合成樹脂層上
にも接着性向上のための処理を施こすとよく、例えばポ
リオレフィン系の樹脂で透明合成樹脂層を形成したとき
は透明合成樹脂層上にコロナ放電処理することにより透
明合成樹脂層の表面の「ぬれ指数」を38dyne/c
2 以上とすることが望ましく、38dyne/cm2
以上とすることにより印刷インキの接着性が向上する。
【0030】なお、本発明の化粧材は基材上に各層を順
次積層して行く方法で製造するのが一般的であると考え
られるが、少なくとも表面が着色された基材と、適当な
剥離性基材上に艶調整層及び印刷模様を形成したものと
を、透明合成樹脂層の形成と共に積層してもよく、或い
はいずれか一方に透明合成樹脂層を積層しておき、その
後、両者を圧着する等の方法を採用することも可能であ
り、エンボス加工も積層と同時に、或いは積層の後に行
うこともできる。
【0031】一般的には、透明合成樹脂層を形成後、そ
の表面に印刷を施こす。印刷方式としては基材2が可撓
性シートであるときは通常はグラビア印刷法であるが、
これ以外の一般的な印刷法も適用できる。又、基材2が
板状のものであるときはシルクスクリーン印刷法やグラ
ビアオフセット印刷法を適用するのが通例であるが、こ
れら以外の印刷方式でもよい。本発明において透明合成
樹脂層上に形成する印刷模様は下層がある程度以上の割
合が見えた方がよいので、インキとして隠蔽性のものを
用いたときは勿論、非隠蔽性のものを用いたときでも印
刷模様の全面積に対する割合は80%以下、好ましくは
70%以下程度とすることが望ましい。印刷模様層形成
後、次に艶調整層を形成する。艶調整層を図1中符号6
で示すように印刷模様上に一様に形成するときは着色層
を形成するときと同様の塗布もしくはベタ印刷の方式に
よればよいが、前述したごとく艶調整層を図2中符号6
及び8、あるいはその他のやり方で形成するときは印刷
模様を形成するときと同様の印刷方式による。
【0032】艶調整層の形成後、表面に例えばヘアーラ
イン状の凹凸を有するエンボスを形成する。エンボスの
方式としては平板プレスもしくはロールプレスによって
行なうのがよいが、これ以外の物理的及び化学的手段に
よって行なう公知のエンボス手法を用いても差支えな
い。化粧材を巻取状になるよう連続加工して製造するに
はロールプレス方式によって行なうのがよく、エンボス
ロースとしては金属等の硬度があり、耐熱性、耐摩耗性
のあるロール素材の表面に彫刻、自動グラビア印刷版彫
刻機(西独ヘル社製、ヘリオクリショグラフなど)によ
る彫刻、腐蝕等により所望の凹凸形状を形成したものを
用いて行ない、通常はエンボス対象及び/もしくはエン
ボスロールを90〜160℃程度に加熱しつつ、対向す
るゴムロールとの間で加圧しながら賦型し、その後、4
0〜60℃程度で冷却して巻き取る。エンボスの際の型
の凹凸としては最大で1,500μm程度である。
【0033】
【作用】本発明の化粧材は下地基材の着色面と印刷模様
との間に透明合成樹脂層を有しているので、表面から眺
めたときに印刷模様が浮いて見えると共に印刷模様の影
が見える。その為、模様が木目模様である場合には、天
然木目板の有する深み(奥行感)を再現できる。
【0034】また、光輝性顔料を含有する着色層自体の
強烈な光沢が、表面艶消調整層の光の等方均一拡散によ
り、柔和で自然な(特に、実施例にあるような杉板の表
面光沢に近い)光沢に変換され、これとエンボスによる
異方性のある光の収束、発散との組み合わせによる相乗
効果によって、天然の木目板の照りおよび微細繊維束構
造断面にきわめて近い外観が再現される。
【0035】さらに、本発明においては、着色層を非光
輝性顔料層(非光輝性着色隠蔽顔料入りのインキの塗布
または印刷層)とその上に形成された光輝性顔料のみを
有する層(光輝性顔料入りインキの塗布または印刷層)
との2層構造とすることにより以下に詳述するような作
用を奏する。
【0036】i.光輝性顔料の作用の有効性の向上、そ
れに伴う添加必要量の低下およびコストの逓減 着色層を非光輝性顔料と光輝性顔料とを混合添加した一
層構造とすると、非光輝性顔料層内に沈みこんだ光輝性
顔料は、非光輝性顔料の隠蔽性によりその光輝性の作用
が阻止され無駄になる。これに対し、本発明において
は、非光輝性顔料層をまず形成し、この上に光輝性顔料
のみを有する層を形成するので、上記の光輝性顔料の作
用の有効性は全体として向上し、結果として高価な光輝
性顔料の添加必要量が低下し、コスト逓減につながる。
【0037】ii.印刷適正の向上; 該光輝性顔料は、一般に通常顔料よりも粗粒であり(通
常良く使われるのは粒径数10μm程度〜100μm程
度、又客観的事実として、これくらい粗粒でないと「キ
ラキラ」した輝きが出ない。) 、しかも、通常、球型で
はなく鱗片・箔片形状をしている。したがって、インキ
や塗料中に光輝性顔料を含有(添加)させると、顔料の
分散性、印刷・塗布適性は悪化する。具体的には、印
刷、塗布中に経時的に、光輝性顔料が分散、沈降して、
光輝性の程度が変化したり、光輝性顔料の分散性が悪
いため、印刷・塗布した着色層の光輝性が場所によって
バラツキ、ムラとなったり、印刷時に筋やインキ抜
け、等の印刷不良が発生したり、光輝性と色相との両
方を合せなければならないため、インキ・塗料の調合時
あるいは印刷・塗布工程中における色合せ、色管理が、
格段にむつかしくなる。
【0038】などの問題がある。これら〜の問題は
いづれも、光輝性顔料と非光輝性顔料との相互作用で悪
化するものである。
【0039】一方、本件発明の場合、まず(非光輝性)
着色顔料のみが有する組成物塗布または印刷層を設け、
その後に、その上に光輝性顔料のみ含有する組成物の塗
布または印刷層を設けるので、色相の色合せを行うとき
は、色相の色合せのみを行えばよく、光輝性の色合せを
行う時は光輝性の色合せのみ行えばよく、の問題は生
じない。すなわち色相と光輝性の色合せ・色補正(イン
キ調合、あるいは印刷、塗布工程中の)が、容易であ
る。そのため、も管理して光輝性の変動を抑えること
も容易となる。
【0040】また、光輝性顔料入りインキには着色顔料
を添加しないため、着色顔料添加によってただでさえ流
動性の悪い光輝性インキの流動性をさらに悪化させるこ
ともなくの問題も光輝性顔料本来の程度ですみ、必要
最低限におさえられる。その上、光輝性顔料の濃度ムラ
が生じたときも光輝性顔料の密度が粗になった部分に着
色顔料が入り込んだり、光輝性顔料の密度が密になった
部分から着色顔料が排除されたりすることによって、光
輝性のムラと色相のムラが相乗効果的に強調されて目立
つこともなくなるための問題も軽減される。すなわち
総括すれば、本発明によれば、光輝性顔料と非光輝性顔
料との相互作用、相乗効果で不良・欠点が増幅されるこ
とが防止される。また、光輝性と色相を、別個に管理
(測定・補正等)でき、良好に光輝性と色とを再現し得
る。
【0041】
【発明の効果】本発明により着色層形成時における種々
の問題を回避でき、かつ、模様の立体感、柔和で自然な
光沢等がきわめて良好に再現されるた化粧板が得られ
る。
【0042】
【実施例】実施例1 基材として薄葉紙(坪量40g/m2 )を使用し、ま
ず、下記インキ(A)を用い、続いて下記インキ(B)
を用いて、いずれもグラビアベタ版を用いてベタ印刷し
た後、更に印刷面にポリエチレン樹脂コーティング用の
アンカー剤としてポリエチレンイミンを水80%、メタ
ノール20%の混合溶剤で濃度1%に希釈したものをグ
ラビアロールコートにより10g/m2 (塗布時)塗布
し、乾燥させた。
【0043】インキ(A)(下地隠蔽用)
【0044】インキ(B)(パール光沢形成用)
【0045】次に高密度ポリエチレン樹脂(三井ポリケ
ミカル製、ミラソン14)を用い、上記の薄葉紙のアン
カー剤塗布面にエクストルージョンコーティングを行な
い、厚み50μmのポリエチレン樹脂層を形成した後、
ポリエチレン樹脂層表面にコロナ放電処理を行ない、ぬ
れ指数を38dyne/cm2 以上になるようにした。
【0046】上記コロナ放電処理面に下記インキ(C)
を用いて、杉の目模様をグラビア印刷方式により印刷
し、印刷後、下記艶消オーバープリントニス(D)を用
いてグラビアベタ印刷により全面に艶消層を形成し、更
に、下記艶出ニス(E)を用い、やはり、グラビア印刷
方式にて、杉の板目模様のうち秋材部に相当する部分に
同調させて印刷を行なった。
【0047】インキ(C)(柄印刷用)
【0048】艶消オーバープリントニス(D) (諸星インキ製、UM No. 50)
【0049】艶出ニス(E)
【0050】以上で得られた印刷紙の印刷面を120℃
に加熱してポリエチレン樹脂層を軟化させ、表面温度2
0℃のヘアライン状エンボスロールを設置したエンボス
機にて、印刷紙の最表面の全面に、杉の板目模様の繊維
方向(木の生長する方向)にヘアラインの方向を一致さ
せてエンボスを行ない化粧紙を得た。
【0051】得られた化粧紙は深み(奥行感)があると
共に、表面のヘアライン状のエンボスのために木の繊維
質が疑似的に表現され、表面の艶消層に木目の秋材部と
一致させた艶出部を有しているために杉のうづくり加工
によってもたらされる部分的な艶が表現されており、更
にインキ(B)によって形成された層の光沢が印刷模様
層を通して表面から見えるために天然木の有する照りが
再現されているため、天然の杉板をうづくり加工したも
のにきわめて似通った外観を有するものであった。上記
の化粧紙は常法により440mm×1,820mmの合板に
接着し、天井用の板とすることができた。
【0052】実施例2 基材として薄葉紙(坪量40g/m2 )を使用し、ま
ず、下記インキ(F)を用い、続いて下記インキ(G)
を用いて、いずれもグラビアベタ版を用いてベタ印刷し
た後、更に印刷面に下記塩化ビニル樹脂ペースト(H)
をロールコートし、加熱してゲル化させ、厚み70μm
のポリ塩化ビニル樹脂の透明層を形成した。
【0053】インキ(F)(下地隠蔽用)
【0054】インキ(G)(パール光沢形成用)
【0055】塩化ビニル樹脂ペースト(H)(透明層形
成用)
【0056】上記で形成された薄葉紙上の透明層の表面
に下記インキ(I)を用いて実施例1と同様に印刷し、
印刷後、実施例1で用いた艶消オーバープリントニス
(D)及び艶出ニス(E)を用いて実施例1と同様に印
刷した。
【0057】インキ(I)(柄印刷用)
【0058】その後、実施例1と同様にエンボスを施こ
し、実施例1で得たのと同様な化粧紙を得た。
【0059】実施例2で得られた化粧紙は実施例1で得
られた化粧紙にくらべて透明合成樹脂層の透明度が高い
ので全体に透明感がすぐれ、又、透明合成樹脂層がポリ
塩化ビニル樹脂からできているために耐熱性及び防火性
がすぐれているほかは実施例1で得られた化粧紙と同様
の効果を有していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の実施例を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 化粧紙 2 紙(基材) 3 着色層 4 透明合成樹脂層 5 模様層 6,8 艶調整層 7 エンボス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04C 2/00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の表面に、非光輝性着色隠蔽顔料入
    りインキの塗布または印刷層およびその上に形成された
    光輝性顔料入りのインキの塗布または印刷層の2層から
    なる着色層が形成されており、着色層の表面には透明合
    成樹脂層が形成されており、透明合成樹脂層の表面には
    下層を透視可能な模様が施されており、該模様の表面に
    は艶消剤を含有する透明合成樹脂よりなる表面艶調整層
    が形成されており、最表面にはその全面にエンボス加工
    が施されていることを特徴とする化粧材。
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