JPH0813571B2 - 金属膜転写用フィルム及びその製造方法、金属膜転写用フィルム基材、及び金属膜転写用フィルムの使用方法 - Google Patents

金属膜転写用フィルム及びその製造方法、金属膜転写用フィルム基材、及び金属膜転写用フィルムの使用方法

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JPH0813571B2
JPH0813571B2 JP2178898A JP17889890A JPH0813571B2 JP H0813571 B2 JPH0813571 B2 JP H0813571B2 JP 2178898 A JP2178898 A JP 2178898A JP 17889890 A JP17889890 A JP 17889890A JP H0813571 B2 JPH0813571 B2 JP H0813571B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属膜転写用フィルム及びその製造方法、
金属膜転写用フィルム基材、及び金属膜転写用フィルム
の使用方法に関する。
〔従来の技術〕
たとえば、チューインガムのような湿気を嫌う食品の
包装紙として、湿気を防ぐための金属蒸着膜を備えた包
装紙が用いられている。係る包装紙は、紙製の包装紙に
アルミニウム等の金属を蒸着することにより製造されて
いる。ところが、包装紙に直接金属を蒸着すると、金属
蒸着膜の光沢が良好でなく、美麗な包装紙が実現できな
い。そこで、金属蒸着膜を備えた包装紙を製造するため
の方法として、金属蒸着膜層を備えた樹脂フィルム(以
下、金属膜転写用フィルムという)を用意し、この金属
膜転写用フィルムの金属蒸着膜層を包装紙に転写する方
法が採用されている。
従来、金属膜転写用フィルムとして、ポリエステルフ
ィルムの表面に離型層を設け、離型層上に金属蒸着膜を
配置したものが知られている。この金属膜転写用フィル
ムは、金属蒸着膜を包装紙等の被転写シートに重ねて圧
着し、金属蒸着膜を離型層から剥離すると金属蒸着膜を
被転写シートに転写できる。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記従来の金属膜転写用フィルムは、金属蒸着膜の転
写性を高めるために、離型層に易滑剤を添加したり、あ
るいは離型層の表面を粗くしたりしている。このため、
転写後の金属蒸着膜の表面は、平坦性が悪く、また美麗
でない。また、金属膜転写用フィルムの基材となる樹脂
フィルムに静電気が発生しやすいため、フィルムのアン
ワインディング時等の稲妻放電が起こりやすい。その結
果、金属蒸着膜の転写面に放電跡(サンダーマーク)が
生じやすい。
第1の発明の目的は、サンダーマークの発生が抑制さ
れた美麗な金属転写膜が形成でき、しかも金属転写膜の
転写性が良好な金属膜転写用フィルムを提供することに
ある。
第2の発明の目的は、第1の発明に係る金属膜転写用
フィルムの製造方法を提供することにある。
第3の発明の目的は、第1の発明に係る金属膜転写用
フィルムを製造する際に用いられる、リサイクル可能な
金属膜転写用フィルム基材を提供することにある。
第4の発明の目的は、第1の発明に係る金属膜転写用
フィルムの使用方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
第1の発明に係る金属膜転写用フィルムは、熱可塑性
樹脂フィルム層と、前記熱可塑性樹脂フィルム層の片面
に固着された、表面に金属酸化膜が形成された金属薄膜
からなる金属酸化膜層と、前記金属酸化膜層の金属酸化
膜上に配置された金属転写膜層とを備えている。
第1図は、第1の発明に係る金属膜転写用フィルムの
縦断面部分図である。金属膜転写用フィルム1は、熱可
塑性樹脂フィルム層2と、その上に固着された金属酸化
膜層3と、さらにその上に配置された金属転写膜層4と
を備えている。
第2図は、第1の発明に係る他の例の縦断面部分図で
ある。この金属膜転写用フィルム1aは、前記金属膜転写
用フィルム1と同じく熱可塑性樹脂フィルム層2と金属
酸化膜層3と金属転写膜層4とがこの順に積層されてお
り、さらに熱可塑性樹脂フィルム層2との他面に金属膜
層5が配置されている。
熱可塑性樹脂フィルム層 熱可塑性樹脂フィルム層2に用いられる熱可塑性樹脂
フィルムとしては、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン
樹脂等のポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリアミド樹
脂フィルム、及びポリエチレンテレフタレート樹脂等の
ポリエステル系樹脂フィルム等を例示できる。この熱可
塑性樹脂フィルムは、1軸方向または2軸方向に延伸さ
れていてもよい。なお、本発明で用いられる熱可塑性樹
脂フィルムとしては、平滑性、剛性及び強度等の観点か
ら、2軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムや2軸ポリエ
チレンテレフタレート樹脂フィルムが特に好ましい。
なお、熱可塑性樹脂フィルム層2を構成する熱可塑性
樹脂中には、シリカ,炭酸カルシウム,アルミノケイ酸
ナトリウム(ゼオライト)等の無機粒子、オレイン酸ア
ミド,ステアリン酸アミド,エルカ酸アミド,ステアリ
ン酸モノグリセライド,ステアリン酸トリグリセライ
ド,ヒドロキシ脂肪酸アミン,ハイドロジエネイティド
キャスターオイル、アミノ脂肪酸ナトリウム塩,ベタイ
ン化合物,N,N−ビスヒドロキシエチルアルキルアミン,
シリコーン系化合物等の有機物、核剤、滑剤、帯電防止
剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等が添加され
ていてもよい。特に、シリカ、オレイン酸アミド、ステ
アリン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸モノグ
リセライドを添加した場合は、その添加量等により、金
属転写膜層4の転写性を調整できる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルム層2は、金
属酸化膜層3が固着される表面の表面粗さ(Ra)が0.1
μm以下が好ましく、さらに0.07μm以下がより好まし
い。ここで、Raとは、JIS−B−0601にしたがい、カッ
トオフを0.25mmに設定した場合の中心線平均粗さをい
う。Raが上述の範囲の場合は、金属転写膜層4を紙等の
被転写物に転写したときに、転写後の金属転写膜層4表
面の平坦性及び光沢がともに良好である。
また、熱可塑性樹脂フィルム層2の金属酸化膜層3側
の表面ヌレ張力は、40dyne/cm以上が好ましく、さらに4
5dyne/cmがより好ましい。表面ヌレ張力が上述の範囲に
設定されている場合は、熱可塑性樹脂フィルム層2と金
属酸化膜層3との密着性が向上し、熱可塑性樹脂フィル
ム層2と金属酸化膜層3との剥離や金属膜転写用フィル
ム1のブロッキングが起こりにくい。また、金属酸化膜
層3上に金属転写膜層4が均一に蒸着されやすく、金属
転写膜層4の転写性が向上する。ここで、ヌレ張力は、
JIS−K−6768にしたがって測定した値である。
なお、熱可塑性樹脂フィルム層2の厚味は、10〜60μ
mが好ましく、20〜40μmがより好ましい。
金属酸化膜層 金属酸化膜層3は、熱可塑性樹脂フィルム層2の片面
上に配置されている。金属酸化膜層3は、たとえばアル
ミニウム、亜鉛、ニッケル、及びクロム等の金属薄膜か
ら構成されている。なお、金属酸化膜層3には、前記金
属のうち、安価なアルミニウムを用いるのが好ましい。
金属酸化膜層3は、熱可塑性樹脂フィルム層2の表面が
上述のようなヌレ張力に設定されているため、熱可塑性
樹脂フィルム層2の表面に固着され、容易に熱可塑性樹
脂フィルム層2から剥離しないようになっている。金属
酸化膜層3の厚みは、100〜5000Åに設定されるのが好
ましく、200〜500Åに設定されるのがより好ましい。金
属酸化膜層3の厚みが上述の範囲に設定された場合は、
金属酸化膜層3の平坦性が向上し、その結果転写後の金
属転写膜層4の光沢や美麗さが良好になる。
金属酸化膜層3の表面には、上述の金属の酸化被膜で
ある金属酸化膜が形成されている。たとえば、金属酸化
膜層3がアルミニウムにより構成されている場合は、Al
2O3またはAl(OH)3の被膜が形成されている。係る金属酸
化膜を備えた金属酸化膜層3は、金属転写膜層4との接
着強度が小さいため、金属転写膜層4の転写性を向上さ
せる。なお、金属酸化膜は、金属酸化膜層3の全面に構
成されていなくてもよく、金属酸化膜層3の60%以上形
成されていればよい。ここで、金属酸化膜の割合は、た
とえばX線電子分光法(ESCA)により金属原子と酸素原
子の比率を測定することにより判定できる。
金属転写膜層 金属転写膜層4は、金属酸化膜層3の金属酸化膜上に
配置されている。金属転写膜層4は、金属酸化膜層3と
同じくアルミニウム、亜鉛、ニッケル、クロム等の金属
により構成されている。これらの金属は、被転写体に形
成したい金属膜の種類により適宜選択される。なお、金
属転写膜層4に用いられる金属は、金属酸化膜層3に用
いられる金属と同一のものでもよいし、異なる金属が用
いられてもよい。
金属転写膜層4の厚みは、通常200〜500Åに設定され
る。厚みが前記範囲内の場合は、転写後の金属転写膜層
4の光沢等が良好である。
金属転写膜層4は、金属酸化膜層3に剥離可能に配置
されている。これは、金属酸化膜層3が上述のような金
属酸化膜を有しているため、その結果金属酸化膜層3と
金属転写膜層4との接着強度が小さくなることにより実
現される。
金属膜層 本発明の他の例に係る金属膜転写用フィルム1aの金属
膜層5は、熱可塑性樹脂フィルム層2の他の面に配置さ
れている。金属膜層5を備えた金属膜転写用フィルム1a
では、金属膜層5により制電性が向上する。このため、
金属膜転写用フィルム1aでは雷放電や稲妻放電が起こり
にくくなり、その結果被転写体に転写された金属転写膜
層4にサンダーマークが生じにくい。
なお、金属膜層5は、金属酸化膜層3及び金属転写膜
層4と同様の金属から構成されている。特に、安価なア
ルミニウムが好ましい。また、金属膜層5の厚みは、通
常200〜500Å程度に設定される。
******* 第2の発明に係る金属膜転写用フィルムの製造方法
は、次の工程を含んでいる。
◎ 熱可塑性樹脂フィルムを用意すること。
◎ 熱可塑性樹脂フィルムの片面に金属を蒸着し、金属
膜を配置すること。
◎ 金属膜を酸化雰囲気中に置くこと。
◎ 金属膜上に金属を蒸着し、金属転写膜を配置するこ
と。
第2の発明に係る金属膜転写用フィルムの製造方法
は、第1の発明に係る金属膜転写用フィルムの製造方法
である。
この製造方法では、まず上述の熱可塑性樹脂フィルム
を用意する。熱可塑性樹脂フィルムは、たとえばロール
キャスティング法により得られる。得られた熱可塑性樹
脂フィルムは、所望により1軸方向または2軸方向に延
伸される。この際、延伸倍率は、縦方向に3〜6倍、幅
方向に3〜12倍程度に設定されるのが好ましい。
次に、熱可塑性樹脂フィルムの片面にコロナ放電処理
を施す。コロナ放電処理は、通常空気中または炭酸ガス
中で行われる。コロナ放電処理の程度は、フィルムのヌ
レ張力が40dyne/cm以上、好ましくは45dyne/cm以上とな
るように設定される。
次に、コロナ放電処理が施された熱可塑性樹脂フィル
ムの表面に金属を蒸着する。これにより、熱可塑性樹脂
フィルムの片面に金属膜が配置される。金属の蒸着方式
は、特に限定されるものではなく、たとえば電熱加熱溶
融蒸着法、イオンビーム蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等の周知の蒸着方法が採用でき
る。なお、蒸着は、金属膜の厚みが100〜5000Å、好ま
しくは200〜500Åとなるように行われる。
次に、蒸着された金属膜を酸化雰囲気中に置く。これ
により、金属膜が酸化され、金属膜の表面に金属酸化膜
が形成される。たとえば、金属膜がアルミニウムの場合
は、上述のようなAl2O3やAl(OH)3の被膜が形成される。
金属膜の酸化は、金属膜をたとえば大気中に一定時間
放置することにより行える。ここで、金属膜を大気中に
置いた場合に起こる、金属膜表面の金属部分の割合の変
化を示すグラフを第3図に示す。第3図から、金属膜が
アルミニウムの場合は、大気中に30分程度放置すると、
60%程度が酸化されることが判る。また、金属膜を1時
間以上放置しても、アルミニウムの酸化はほとんど進行
しないことが判る。したがって、アルミニウム金属膜の
場合は、30分から1時間程度大気中に放置すれば、60%
程度の酸化膜が得られることになる。
なお、ここでは、金属膜を大気中に置くことにより金
属酸化膜を形成する場合について説明したが、金属膜を
積極的に酸化するようにしてもよい。たとえば、金属膜
を高温で高酸素雰囲気中に置くことにより、金属酸化膜
を形成するようにしてもよい。
次に、金属酸化膜が形成された金属膜上に重ねて金属
を蒸着する。これにより、金属膜上に金属転写膜が配置
される。この際の蒸着方法は、金属膜を形成したときと
同様の方法が採用される。また、蒸着膜の厚みは、200
〜500Å程度に設定される。
こうして得られた金属膜転写用フィルムでは、金属転
写膜が金属膜の金属酸化膜上に配置されているため、金
属膜と金属転写膜との接着力が小さく、金属転写膜のみ
を容易に剥離できる。
熱可塑性樹脂フィルムの他面にも制電用の金属膜を配
置する場合は、その金属膜を上述の金属膜または金属転
写膜の蒸着時に同時に蒸着する。あるいは、制電用の金
属膜のみを、別に蒸着してもよい。なお、制電用の金属
膜の蒸着時には、蒸着すべき熱可塑性樹脂フィルムの表
面をあらかじめコロナ放電処理しておくのが好ましい。
******* 第3の発明に係る金属膜転写用フィルム基材は、金属
転写膜層を転写するために用いられるフィルム基材であ
る。この金属膜転写用フィルム基材は、熱可塑性樹脂フ
ィルム層と、熱可塑性樹脂フィルム層とは逆側の表面に
金属酸化膜が形成された金属薄膜からなる金属酸化膜層
とを備えている。そして、金属酸化膜層は、熱可塑性樹
脂フィルム層の片面に固着されている。
本発明に係る金属膜転写用フィルム基材は、第1の発
明に係る金属膜転写用フィルムを製造する際に用いられ
るフィルム基材である。第4図に示すように、このフィ
ルム基材10は、第1の発明に用いられているのと同様の
熱可塑性樹脂フィルム層12と、熱可塑性樹脂フィルム層
12上に配置された金属酸化膜層13は、第1の発明に係る
金属酸化膜層と同様の金属材料から構成された金属薄膜
からなり、熱可塑性樹脂フィルム層とは逆側に表面に金
属酸化膜が形成されている。
このフィルム基材10は、第1の発明に係る金属膜転写
用フィルムを製造するための第2の発明において、金属
膜が酸化雰囲気中に置かれた熱可塑性樹脂フィルムに相
当している。したがって、本発明のフィルム基材10は、
金属酸化膜層13上に重ねて金属を蒸着して金属転写膜を
配置することにより、第1の発明に係る金属膜転写用フ
ィルムとなる。金属転写膜が配置されたフィルム基材10
は、金属転写膜層を被転写物に転写するために用いら
れ、金属転写膜層が転写された後再びフィルム基材10に
戻る。このフィルム基材10は、再度金属を蒸着して金属
転写膜層を配置できるため、第1の発明に係る金属膜転
写用フィルムを製造するために数回リサイクルして用い
られる。
****** 第4の発明に係る金属膜転写用フィルムの使用方法
は、熱可塑性樹脂フィルム層と金属酸化膜層と金属転写
膜層とがこの順に積層された金属膜転写用フィルムから
金属転写膜層を被転写シートに転写する方法である。こ
の使用方法は、次の工程を含んでいる。
◎ 被転写シートの転写面に接着層を配置すること。
◎ 金属転写膜層と被転写シートの接着層とが対面する
ように金属膜転写用フィルムと被転写シートとを重ねる
ことと。
◎ 金属転写膜層が金属酸化膜層よりも被転写シートの
接着層に強く接着するように、金属膜転写用フィルムと
被転写シートとを圧着することと。
◎ 金属酸化膜層と金属転写膜層との間で分離すること
により、金属転写膜層を失った金属膜転写用フィルムと
金属転写膜層を得た被転写シートとを得ること。
本発明は、第1の発明に係る金属膜転写用フィルムの
使用方法である。第1の発明に係る金属膜転写用フィル
ムは、たとえば金属膜層を有する食品包装紙を製造する
ために用いられる。係る包装紙の製造では、金属膜転写
用フィルムの金属転写膜を包装用紙側に転写する。
第5図は、本発明に係る金属膜転写用フィルムの使用
方法を実施するための金属転写膜転写装置の一例を示
す。図において、金属転写膜転写装置20は、金属膜転写
用フィルムの巻出しロール21と、上下に別個に配置され
た2つの巻取りロール22,23と、巻出しロール21と巻取
りロール22,23との間に配置された転写ロール24とから
主に構成されている。巻出しロール21には、第1の発明
に係る金属膜転写用フィルム1が巻き付けられており、
金属膜転写用フィルム1を転写装置24へ供給可能になっ
ている。また、転写ローラ24は、表面が平滑な金属ロー
ラ25と、金属ローラ25の上部に圧着可能なゴムローラ26
とにより構成されている。
上述の金属転写膜転写装置20では、巻出しロール21か
らの金属膜転写用フィルム1が転写装置24を介して上側
の巻取りロール22に巻き取られる。転写ローラ24では、
金属膜転写用フィルム1は、熱可塑性樹脂フィルム層側
がゴムローラ26と対面するように、金属ローラ25とゴム
ローラ26との間に挟まれる。一方、転写ローラ24には、
図示しない被転写シート供給部から、たとえば包装紙等
の被転写シート27が供給される。被転写シート27は、転
写ローラ24で金属膜転写用フィルムの金属転写膜と対面
するように、金属膜転写用フィルム1と重ね合わされて
圧着される。この際、金属膜転写用フィルム1の金属転
写膜が金属酸化膜層3から剥離されて被転写シート27に
転写される。これにより、被転写シート27に金属転写膜
層4が積層された転写シート28が得られる。なお、被転
写シート27の転写面には、あらかじめ、アクリル系やウ
レタン系等の接着層を配置する。あるいは、転写ローラ
24の直前で、金属膜転写用フィルム1の金属転写膜側を
配置する。
なお、金属膜転写用フィルム1は、金属酸化膜層3を
備えており制電性が良好なため、金属転写膜層4の転写
時に稲妻放電を起こしにくい。このため、被転写シート
27側に転写された金属転写膜層4には、サンダーマーク
が生じにくい。
転写シート24で得られた転写シート28は、巻取りロー
ル23により巻き取られる。一方、金属転写膜層4が剥離
された金属膜転写用フィルム1は、巻取りロール22によ
り巻き取られる。巻取りロール22により巻き取られた金
属膜転写用フィルムは、第3の発明に係る金属膜転写用
フィルム基材に相当する。したがって、巻取りロール22
に巻き取られた金属膜転写用フィルム1は、金属酸化膜
層3上に再び金属を蒸着すると、金属転写膜層4を備え
た金属膜転写用フィルム1に再生される。そして、再生
された金属膜転写用フィルム1は、転写シート28の製造
用に再利用される。
〔発明の効果〕
第1の発明に係る金属膜転写用フィルムは、熱可塑性
樹脂フィルム層上に上述のような金属酸化膜層と金属転
写膜層とを備えている。このため、本発明によれば、サ
ンダーマークの発生が抑制された美麗な転写膜が形成で
き、しかも転写膜の転写性が良好な金属膜転写用フィル
ムが実現できる。
第2の発明では、熱可塑性樹脂フィルムに配置された
金属膜を酸化雰囲気中に置いた後、金属膜上に金属転写
膜を配置している。このため、本発明によれば、転写性
が良好な第1の発明に係る金属膜転写用フィルムが製造
できる。
第3の発明では、熱可塑性樹脂フィルム層に金属転写
膜層を剥離可能に積層できる金属酸化膜層が固着されて
いる。このため、本発明によれば、第1の発明に係る金
属膜転写用フィルムを製造するために用いられる、リサ
イクル可能な金属膜転写用フィルム基材が実現できる。
第4の発明では、第1の発明に係る金属膜転写用フィ
ルムの金属転写膜層を、上述の工程により被転写シート
に転写している。このため、本発明によれば、第1の発
明に係る金属膜転写用フィルムを用いて金属転写膜を備
えた転写シートが得られる。
〔実施例〕
実施例1 ステアリン酸アミド0.1重量%とN,N−ビス−ヒドロキ
シエチルアルキルアミン0.1重量%とステアリン酸モノ
グリセライド0.4重量%とシリカ無機微粒子0.03重量%
とを含むアイソタクチックポリプロピレン樹脂(アイソ
タクチック度97.5%、粘度2.2)を用意した。このアイ
ソタクチックポリプロピレン樹脂を260℃の押出機に供
給して溶融押出しし、20℃のキャスティングドラムで受
けて樹脂シートを作成した。そして、得られた樹脂シー
トを140℃で長手方向に4.8倍延伸し、続いて160℃のテ
ンター内で幅方向に9倍延伸し、さらに160℃で幅方向
に9%弛緩処理し、厚さ20μmの2軸延伸樹脂フィルム
を得た。
得られた2軸延伸樹脂フィルムの片面に、炭酸ガスと
窒素ガスとの混合気体中でコロナ放電処理し、ヌレ張力
を52dyne/cmに設定した。得られた2軸延伸樹脂フィル
ムのコロナ放電処理面の表面粗さは、カットオフを0.25
mmに設定してJIS−B−0601にしたがって求めた値が0.0
5μmであった。
得られた2軸延伸樹脂フィルムを真空蒸着器の中へセ
ットし、コロナ放電処理面に厚さ300Åのアルミニウム
蒸着膜を形成した。なお、蒸着時の条件は、1.0×10-4T
orr、200m/分に設定した。
次に、アルミ蒸着膜が配置された2軸延伸樹脂フィル
ムを真空蒸着器から取り出して大気中に1日放置し、ア
ルミニウム蒸着膜にアルミニウムの酸化膜層を形成し
た。そして、アルミニウムの酸化膜層が形成された樹脂
フィルムを再び真空蒸着器内にセットし、上述と同じ条
件でアルミニウムの酸化被膜層上に重ねて厚さ300Åの
アルミニウム転写膜を蒸着し、金属膜転写用フィルムを
得た。
実施例2,3 シリカ無機微粒子の添加料を0.06重量%に変更した
点、及びキャスティングドラムの温度を55℃に設定した
点を覗き、実施例1と同様の条件で厚さ20μmの2軸延
伸樹脂フィルムを得た。
得られた2軸延伸樹脂フィルムの片面に、ヌレ張力が
43dyne/cmとなるようにコロナ放電処理を行った。コロ
ナ放電処理面の表面粗さは、0.1μmであった。
次に、コロナ放電処理された2軸延伸樹脂フィルムを
用い、実施例1と同じ手法により金属膜転写用フィルム
を製造した。ただし、アルミニウムの酸化膜層とアルミ
ニウムの転写膜層との厚みは、第2表の様に設定した。
実施例4 熱可塑性樹脂フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸
ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(ルミラーP6
0:東レ(株)製)を用い、実施例1と同様にして金属膜
転写用フィルムを得た。
実施例5 実施例1で得られた金属膜転写用フィルムの裏面(非
蒸着面)に、厚さ250Åのアルミニウム蒸着膜を配置し
た金属膜転写用フィルムを製造した。なお、蒸着は、1.
0×10-4Torr、200m/部の条件で行った。
比較例1 実施例1で使用した2軸延伸樹脂フィルムを用意し、
このフィルムの片面をヌレ張力が43dyne/cmとなるよう
にコロナ放電処理した。そして、コロナ放電処理面に、
実施例1と同じ条件で厚さ300Åのアルミニウム蒸着膜
層を配置し、金属膜転写用フィルムを得た。
比較例2 実施例2で用いた2軸延伸樹脂フィルムを用い、比較
例1と同様の金属膜転写用フィルムを製造した。
比較例3 厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹
脂フィルム(ルミラーTタイプ:東レ(株)製)を用
い、比較例1と同様の金属膜転写用フィルムを製造し
た。
比較例4 実施例4で用いた樹脂フィルムに、シリコンオイルを
0.3重量%含むアクリル樹脂からなる厚さ1.0μmの離型
層を配置した。そして、その離型層に比較例1と同様の
アルミニウム蒸着膜を配置し、金属膜転写用フィルムを
得た。
比較例5 比較例1で得られた金属膜転写用フィルムの裏面(非
蒸着面)に厚さ250Åのアルミニウム蒸着膜を配置した
金属膜転写用フィルムを得た。
試験 各実施例及び各比較例で得られた金属膜転写用フィル
ムについて、アルミニウム蒸着膜の付着強度、及び転写
後のアルミニウム蒸着膜の光沢と外観とを調べた。試験
方法及び評価の基準は次の通りである。
アルミニウム蒸着膜の付着強度 アルミニウム蒸着面に市販のセロハンテープ(ニチバ
ン(株)製)を貼着し、このテープを180℃剥離したと
きに残るアルミニウム蒸着膜の表面積を調べた。付着指
数と蒸着膜の残留面積との関係は、第1表の通りであ
る。
付着指数が小さいほと転写性が良好であり、付着指数
が大きいほど接着性が良いことを示している。
光沢 厚さ20μmのルミラーTタイプ(東レ(株)製)の片
面にポリウレタン系接着剤(日本ポリウレタン(株)製
のニッポラン3016(同社製ゴロネートL=4/1の混合
物)を4g/m2(固形分換算)でグラビアコーティング
し、この接着剤を80℃で1分間乾燥した被転写シートを
作成した。そして、この被転写シートの接着剤面と金属
膜転写用フィルムの転写膜面とを重ね合わせて金属ロー
ルで圧着し、被転写シート側にアルミニウム転写膜の転
写を行った。そして、転写されたアルミニウム転写膜の
光沢を測定した。光沢の測定は、JIS−Z−8471の方法
2に基づいて行った。なお、値が高いほど、光沢及び反
射性が良好である。
外観 金属膜転写用フィルムの転写面に光沢の試験で用いた
のと同様のポリウレタン系接着剤を5g/m2(固形分換
算)でコーティングし、この接着剤を80℃で1分間乾燥
した。そして、この接着剤面にアート紙を重ねて両者を
貼着し、転写面をアート紙側に転写した。そして、転写
された転写面の外観を感応評価した。評価の基準は次の
とおりである。
◎:光沢及び美麗さがともに良好。
○:光沢が若干劣るが美麗さは良好。
×:光沢が悪く、転写面にむらがあり、さらにサンダー
マークが発生している。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれ第1の発明に係る金属膜転
写用フィルムの一例の縦断面部分図、第3図は第2の発
明においてアルミニウム蒸着膜を酸化雰囲気中においた
場合の変化状態を示すグラフ、第4図は第3の発明に係
る金属膜転写用フィルム基材の縦断面部分図、第5図は
第4の発明を実施するための金属転写膜転写装置の一例
の概略正面図である。 1,1a……金属膜転写用フィルム、2,12……熱可塑性樹脂
フィルム層、3,13……金属酸化膜層、4……金属転写膜
層、5……金属膜層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B44C 1/165 C 7361−3K 1/17 H 7361−3K C23C 14/06 N 8939−4K

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルム層と、 前記熱可塑性樹脂フィルム層の片面に固着された、表面
    に金属酸化膜が形成された金属薄膜からなる金属酸化膜
    層と、 前記金属酸化膜層の金属酸化膜上に配置された金属転写
    膜層と、 を備えた金属膜転写用フィルム。
  2. 【請求項2】前記熱可塑性樹脂フィルム層が、2軸延伸
    ポリプロピレン樹脂フィルム層である請求項(1)に記
    載の金属膜転写用フィルム。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性樹脂フィルム層が、2軸延伸
    ポリエステル樹脂フィルム層である請求項(1)に記載
    の金属膜転写用フィルム。
  4. 【請求項4】前記熱可塑性樹脂フィルム層の他面が、さ
    らに金属膜層を備えている請求項(1)に記載の金属膜
    転写用フィルム。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂フィルムを用意することと、 前記熱可塑性樹脂フィルムの片面に金属を蒸着し、金属
    膜を配置することと、 前記金属膜を酸化雰囲気中に置くことと、 前記金属膜上に金属を蒸着し、金属転写膜を配置するこ
    とと、 を含む金属膜転写用フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】金属転写膜層を転写するために用いられる
    金属転写用フィルム基材であって、 熱可塑性樹脂フィルム層と、 前記熱可塑性樹脂フィルム層の片面に固着された、前記
    熱可塑性樹脂フィルム層とは逆側の表面に金属酸化膜が
    形成された金属薄膜からなる金属酸化膜層と、 を備えた金属膜転写用フィルム基材。
  7. 【請求項7】熱可塑性樹脂フィルム層と金属酸化膜層と
    金属転写膜層とがこの順に積層された金属膜転写用フィ
    ルムから前記金属転写膜層を被転写シートに転写する、
    金属膜転写用フィルムの使用方法であって、 前記被転写シートの転写面に接着層を配置することと、 前記金属転写膜層と前記被転写シートの接着層とが対面
    するように前記金属膜転写用フィルムと前記被転写シー
    トとを重ねることと、 前記金属転写膜層が前記金属酸化膜層よりも前記被転写
    シートの接着層に強く接着するように、前記金属膜転写
    用フィルムと前記被転写シートとを圧着することと、 前記金属酸化膜層と前記金属転写膜層との間で分離する
    ことにより、前記金属転写膜層を失った前記金属膜転写
    用フィルムと前記金属転写膜層を得た前記被転写シート
    とを得ることと、 を含む金属膜転写用フィルムの使用方法。
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