JPH08140630A - 肉の改質剤、調味料及びこれで処理した食用肉又は肉製品 - Google Patents

肉の改質剤、調味料及びこれで処理した食用肉又は肉製品

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JPH08140630A
JPH08140630A JP6311214A JP31121494A JPH08140630A JP H08140630 A JPH08140630 A JP H08140630A JP 6311214 A JP6311214 A JP 6311214A JP 31121494 A JP31121494 A JP 31121494A JP H08140630 A JPH08140630 A JP H08140630A
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seasoning
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ester
protease
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JP6311214A
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Manabu Toi
学 戸井
Hirotaka Sasaki
博隆 佐々木
Takaaki Yokoyama
高明 横山
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 肉質が柔らかく、肉汁に富み、更に筋っぽさ
も低減された食べ易い肉、また挽き肉を主体にした成型
食品においては、更にふっくらした食感やなめらかな食
感も付与された成型食品を提供できる肉の改質剤、調味
料及びこれで処理した食用肉又は肉製品を提供する。 【構成】 ヒドロキシカルボン酸又はその塩と脂肪酸と
のエステルを含有する肉の改質剤。ヒドロキシカルボン
酸又はその塩と脂肪酸とのエステル、及びプロテアーゼ
が含有されてなる肉の改質剤。粉末状、水又は水性液に
分散又は溶解された状態、あるいは食用油脂に分散又は
溶解された状態にある肉の改質剤および調味成分を含む
調味料。上記肉の改質剤又は調味料で処理した食用肉又
は肉製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肉の改質剤、調味料お
よびこれらの改質剤、又は調味料で処理した食用肉又は
肉製品に関する。特に、本発明は、焼く、揚げるなどの
加熱調理によっても肉質が柔らかく、肉汁に富み、良好
な風味の肉を提供できる肉の改質剤、調味料、及びこれ
らの改質剤又は調味料で処理した食用肉又は肉製品に関
する。
【0002】
【従来の技術】牛、豚などの畜肉、鳥、カモなどの鳥肉
を用いた肉料理は数多くあるが、これらの調理に際して
の焼く、炒める、揚げるなどの調理方法に拘らず、肉は
適度な柔らかさを有し、そしてうま味成分である肉汁に
富んだ状態(ジューシーな状態)で食べられることが望
ましい。特に、例えば加工品でないステーキやカツフラ
イなどの鳥獣等の比較的大きな肉片を用いた肉料理や、
これらの肉を原料とした挽き肉を主成分とするハンバー
グなどの成型食品においては、柔らかさやジューシーな
食感、またふっくらとした食感は肉をおいしく食べる重
要な要素となる。しかし、一般に上記のような肉、特に
ある程度の大きさを持つ肉片は加熱調理で固く締まる性
質があり、また肉汁も流出して失われる傾向にある。ま
た低品質の肉の場合には、上記の硬さと共にスジっぽさ
も加わり、更に食感が低下するとの問題もある。従っ
て、このような肉を使用した料理においても柔らかく、
良好な食感でおいしく食べることができる肉の改良が望
まれる。
【0003】従来から肉を柔らかくしたりあるいは肉の
保存性を高めたり等の肉を改質する方法には種々の方法
が知られている。例えば、有機酸モノグリセリド(例、
アセチル化モノグリセリド)を使用する方法(特開昭4
9−20353号公報)、レシチンを添加した植物性液
状油脂に肉を漬け込む方法(特開昭54−62356号
公報)、カルシウム塩に重炭酸ナトリウムとHLB10
以上の乳化剤(例、ショ糖脂肪酸エステル)との少なく
とも一方を加えた軟化剤を使用する方法(特開平4−1
48663号公報)、塩類等を使用する方法(特開平4
−36167号、及び特開昭61−239862号各公
報)、及び蛋白質分解酵素を使用する方法(特開昭59
−151839号、特開平4−278063号、同5−
7476号、及び同5−252911号各公報)などが
ある。
【0004】また柔らかく、ふっくらとした食感及び/
又はジューシー感に富んだ挽き肉を主成分とする成型食
品を得ることを目的として、例えば、成型食品に重炭酸
ナトリウム、酸性剤及び安定剤を配合する方法(特開昭
54−59359号公報)、食用油脂、天然ワックス及
び食用界面活性剤からなる組成物を使用する方法(特開
平1−228427号公報)、水中油滴型乳化液を成型
食品に配合する方法(特開平5−103632号公
報)、及び油中水中油滴型乳化物を成型食品に配合する
方法(特開平5−176721号公報)などの方法も知
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら本発明者
の検討では、これらの方法ではなお充分満足できる程の
改良には至ってない。本発明の目的は、肉質が柔らか
く、肉汁に富み、更に筋っぽさも低減された食べ易い
肉、また挽き肉を主体にした成型食品においては、更に
ふっくらした食感やなめらかな食感も付与された成型食
品を提供できる肉の改質剤、調味料及びこれで処理した
食用肉又は肉製品を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヒドロキシカ
ルボン酸又はその塩と脂肪酸とのエステルを含有する肉
の改質剤にある。
【0007】また本発明は、ヒドロキシカルボン酸又は
その塩と脂肪酸とのエステル、及びプロテアーゼが含有
されてなる肉の改質剤にもある。
【0008】更に本発明は、上記の肉の改質剤と調味成
分とを含有する調味料にもある。
【0009】更にまた本発明は、ヒドロキシカルボン酸
又はその塩と脂肪酸とのエステルを含有する肉の改質
剤、又は該改質剤を含有する調味料で処理した食用肉又
は肉製品にもある。
【0010】本発明者の検討によると、上記のエステ
ル、あるいは該エステルとプロテアーゼとを含む改質剤
が肉の軟化等に有効であることが判明した。この理由は
明らかではないが、特に畜肉や鳥肉から得られたある程
度の大きさの肉片、あるいはこれらを原料として得た挽
き肉を主成分とする成型食品においては、腱等の硬質タ
ンパク(コラーゲン)が比較的多く含まれ、これが加熱
調理に際して収縮、凝集し、その結果、肉が締まり、固
くなると考えられる。本発明の改質剤を使用することに
より、これらのタンパク質の収縮が抑制され、その結
果、柔らかな肉が得られると考えられる。また上記のエ
ステルとプロテアーゼとを併用すると、エステル自身に
よる上記のようなタンパク質の収縮抑制作用と共にプロ
テアーゼによる肉中の結合組織の分解作用が同時に働く
ため、更に食感の良好な肉が得られると考えられる。特
に、低品質の肉に対しては、該エステルとプロテアーゼ
との併用が効果的である。
【0011】本発明の好ましい態様は以下の通りであ
る。 (1)粉末調味料が、前記エステルを0.1〜90重量
%(更に好ましくは1〜60重量)含む。 (2)粉末調味料が、プロテアーゼを0.01〜50重
量%(更に好ましくは、0.05〜40重量%、特に、
0.1〜30重量%)含む。
【0012】(3)肉の改質剤が、水又は水性液体(あ
るいは水性調味料)中にエステルが0.1〜50重量%
(更に好ましくは、0.5〜20重量%、特に、1〜1
0重量%)の量で溶解又は分散された状態にある。 (4)肉の改質剤が、水又は水性液体(あるいは水性調
味料)中にプロテアーゼが、0.1〜30重量%(更に
好ましくは、0.5〜10重量%、特に、1〜5重量
%)の量で溶解又は分散された状態にある。
【0013】(5)肉の改質剤が、食用油脂(あるいは
油性調味料)中にエステルが0.1〜99重量%(更に
好ましくは、0.5〜50重量%、特に、3〜30重量
%)の量で溶解又は分散された状態にある。 (6)肉の改質剤が、食用油脂(あるいは油性調味料)
中にプロテアーゼが、0.1〜30重量%(更に好まし
くは、0.5〜10重量%、特に、1〜5重量%)の量
で溶解又は分散された状態にある。
【0014】(7)エステルとプロテアーゼの混合重量
比が、500:1〜1:10の範囲(更に好ましくは1
00:1〜1:2)にある。
【0015】(8)肉の改質剤、又は調味料が、肉の量
に対してエステルが0.05〜5重量%(更に好ましく
は、0.1〜3重量%、特に0.3〜2重量%)の範囲
の添加量となるような量で使用される。 (9)肉の改質剤、又は調味料が、肉の量に対してプロ
テアーゼが、0.001〜5重量%(更に好ましくは
0.005〜3重量%、特に0.01〜1重量%)の範
囲の添加量となるような量で使用される。
【0016】(10)上記肉が、肉片である。 (11)上記肉製品が、肉片を含む冷凍食品、冷蔵食
品、又はレトルト食品などの加熱調理済食品、あるいは
加熱調理用食品である。 (12)上記肉製品が、ハンバーグ、ミートボール、ミ
ートローフ、メンチカツ、ギョーザ及びシューマイから
なる群より選ばれた挽き肉を主成分とする成型食品、あ
るいはこれらの冷凍食品、冷蔵食品、又はレトルト食品
などの加熱調理済食品、又は加熱調理用食品である。
【0017】以下に、本発明の肉の改質剤(以下単に、
改質剤と称する場合がある)について説明する。本発明
の肉の改質剤は、ヒドロキシカルボン酸又はその塩と脂
肪酸とのエステルを含有する。上記エステルを構成する
ヒドロキシカルボン酸は、モノヒドロキシモノカルボン
酸(例、乳酸)、ポリヒドロキシモノカルボン酸(例、
グリセリン酸)、モノヒドロキシポリカルボン酸(例、
クエン酸)、あるいはポリヒドロキシポリカルボン酸
(例、酒石酸)及びこれらの塩のいずれでもよい。塩を
構成するカチオンとしては、カリウム、ナトリウム、カ
ルシウム、マグネシウム、及びアルミニウムを挙げるこ
とができるが、ナトリウム、カルシウムが好ましい。本
発明において、上記エステルを構成するヒドロキシカル
ボン酸は、乳酸又はその塩(ナトリウム又はカルシウ
ム)であることが好ましい。
【0018】上記エステルを構成する脂肪酸残基は、炭
素数2〜24の飽和又は不飽和の脂肪酸残基を挙げるこ
とができるが、本発明においては、炭素数18の飽和脂
肪酸残基(ステアロイル基)であることが好ましい。
【0019】本発明に係るエステルは、ヒドロキシカル
ボン酸又はその塩と脂肪酸との反応モル数、脂肪酸の種
類などによって数種の構造のものが得られ、通常はこれ
らの混合物として得られる。本発明においては、ヒドロ
キシカルボン酸又はその塩と脂肪酸との反応モル数(混
合比)が1:1により得られたものであることが好まし
い。本発明の肉の改質剤に含まれるエステルは、ステア
ロイル乳酸ナトリウム、又はステアロイル乳酸カルシウ
ムであることが好ましい。
【0020】本発明の肉の改質剤は、前記のエステルの
他にプロテアーゼを含む態様であってもよい。プロテア
ーゼは特に限定はなく、種々の起源のものが使用でき
る。例えば、パパインやブロメライン等の植物由来のも
の、すい臓抽出物等の動物由来のもの、あるいはかび等
の微生物由来のものなどを挙げることができる。これら
は単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
これらの中では、麹菌由来のプロテアーゼが好ましい。
【0021】本発明の改質剤において、エステルとプロ
テアーゼとの混合重量比は、500:1〜1:10の範
囲(更に好ましくは100:1〜1:2の範囲)にある
ことが好ましい。
【0022】本発明の肉の改質剤は、その形態が粉末
状、あるいは水又は水性液体中、あるいは食用油脂中に
溶解又は分散された液状(ペースト状も含む)であるこ
とが好ましい。また本発明においては、これらの形態に
ある改質剤が、肉料理に応じて改質剤及び調味成分を含
む調味料として構成されている態様であることも好まし
い。以下にそれぞれの態様について詳述する。
【0023】粉末状の形態にあるエステルは、得られた
エステルが粉末状であれば、そのまま使用することがで
きる。また得られたエステルが液状の場合は、例えば、
澱粉類、蛋白質類、糖類及び後述する調味成分などに含
ませ、噴霧するなどの方法で粉末状することができる。
またプロテアーゼにおいても、前記エステルと同様な方
法で粉末状とすることができる。なお、粉末状の市販品
を使用してもよい。
【0024】本発明の粉末調味料は、前記粉末状のエス
テル、あるいは該エステルとプロテアーゼ、及び各種の
調味成分を組み合わせて調製することができる。粉末調
味料には、通常その基本成分として食塩、及び香辛料が
含まれるが、肉料理に応じて種々の味付けが可能であ
る。香辛料としては、例えば、マスタード、ナツメグ、
キャラウエイ、胡椒、オールスパイス、コリアンダー、
クローブ、セージ、タイム、ローレル、ローズマリー、
バジル、セロリー、しそ、シナモン、ジンジャー、ガー
リック、オニオン、及びわさびなどを挙げることができ
る。また上記食塩及び香辛料以外に、例えば、酸味成分
(酢酸、乳酸、クエン酸など)、甘味成分(砂糖、デン
プン糖、ブドウ糖、糖アルコール、合成甘味料など)、
及びうま味成分(MSG、だし汁、畜肉、魚介類あるい
は野菜のストック類、蛋白加水分解物など)などの調味
成分、また野菜、海草などを適宜使用することができ
る。これらの調味成分は常法に従い粉末状として使用す
る。なお、本発明の粉末調味料は、肉料理に応じてその
形態として顆粒状としてもよいし、あるいは圧縮成型し
て、例えば、コンソメ、ブイヨンのようなキューブ状
(固形型)としてもよい。
【0025】本発明の粉末調味料には、その種類によっ
ても異なるが、前記エステルが、0.1〜90重量%含
まれていることが好ましく、更に好ましくは、1〜60
重量%である。またプロテアーゼを併用する場合には、
プロテアーゼが、調味料中に0.01〜50重量%含ま
れていることが好ましく、更に好ましくは、0.05〜
40重量%、特に、0.1〜30重量%である。なお、
この場合のエステルとプロテアーゼとの混合重量比は、
前記と同様にすることができる。
【0026】本発明に係るエステル及び/又はプロテア
ーゼが水又は水性液体中に溶解又は分散された形態にあ
る本発明の水性調味料においても前記粉末調味料と同様
に各種の調味成分を組み合わせて調製することができ
る。すなわち、本発明の水性調味料は、前記エステル等
の肉の改質成分と、甘味、酸味、苦味、塩味、そしてう
ま味の基本的な味のうちの少なくとも一種の味を付与す
るような調味成分とが含有された液状又はペースト状の
調味液(20℃で粘度0.1〜50万cp)として調製
することができる。上記調味成分としては、肉料理に通
常使用する、例えば、醤油、塩、味噌、砂糖、食酢、
酒、みりん、油脂(バターなども含む)などの調味料、
化学調味料、コンソメ、ブイヨン、だし汁などの各種ス
トック、トマトなどの各種ケチャップ、胡椒、辛子、生
姜などの各種香辛料、あるいはこれらの材料を用いて加
工したスープ、ソース、ドレッシング類などの各種の材
料をそのまま、あるいは組み合わせて使用することがで
きる。なお、これらの水性調味料の調製に際しては、安
定剤として、乳化剤、及び増粘剤を配合することができ
る。
【0027】本発明の水性調味料には、調味料の種類に
よっても異なるが、前記エステルが、0.1〜50重量
%含まれていることが好ましく、更に好ましくは、0.
5〜20重量%、特に、1〜10重量%である。またプ
ロテアーゼを併用する場合には、プロテアーゼが、調味
料中に、0.1〜30重量%含まれていることが好まし
く、更に好ましくは、0.5〜10重量%、特に、1〜
5重量%である。なお、この場合のエステルとプロテア
ーゼとの混合重量比は、前記と同様にすることができ
る。
【0028】本発明に係るエステル及び/又はプロテア
ーゼが食用油脂中に溶解又は分散された形態にある本発
明の油性調味料においても前記粉末調味料と同様に各種
の調味成分を組み合わせて調製することができる。本発
明に係るエステル等を溶解又は分散させるための食用油
脂は、特に限定されない。これらの食用油脂としては、
例えば、大豆油、ナタネ油、パーム油、コーン油、綿実
油、椰子油、パーム核油、米油、ごま油、サフラワー
油、ハイオレイックサフラワー油、サンフラワー油、及
びハイオレイックサンフラワー油等の植物油脂;牛脂、
ラード、魚油、鯨油、及び乳脂等の動物油脂;これらの
分別油;またこれらを水素添加したもの;そしてエステ
ル交換したものを挙げることができる。これらの油脂の
うち、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0029】本発明の油性調味料には、該エステルが、
油脂中に、0.1〜99重量%含まれていることが好ま
しく、更に好ましくは、0.5〜50重量%、特に、3
〜30重量%である。またプロテアーゼを併用する場合
には、プロテアーゼが、調味料中に、0.1〜30重量
%含まれていることが好ましく、更に好ましくは、0.
5〜10重量%、特に、1〜5重量%である。なお、こ
の場合のエステルとプロテアーゼとの混合重量比は、前
記と同様にすることができる。
【0030】本発明の肉の改質剤、又は調味料は、肉の
形状により、あるいは肉料理によってその使用方法は異
なるが、改質剤又は調味料が直接肉に接触するような方
法で使用することが有利である。例えば、粉末状の改質
剤又は調味料を用いる場合は、ステーキなどの比較的大
きな形状の肉片においては、これを直接肉片に塗布、散
布などの方法で使用することが有利であり、また挽き肉
においては、これを主成分とした成型食品を調製する際
に、挽き肉に粉末状の改質剤又は調味料を添加し、改質
剤又は調味料が直接挽き肉と接触するような状態で使用
する方法が有利である。また液状の改質剤又は調味料
は、肉の表面への直接塗布用、肉の漬け込み用として利
用することも可能であるが、特に油脂中に溶解又は分散
されてなる形態の改質剤又は調味料の場合には、肉を焼
く、炒めるなどの加熱調理の際の敷油として用いること
が有利である。
【0031】本発明の肉の改質剤、又は調味料は、粉末
状、液状のいずれの態様においてもヒドロキシカルボン
酸又はその塩と脂肪酸とのエステルが肉の量に対して
0.05〜5重量%(更に好ましくは、0.1〜3重量
%、特に0.3〜2重量%)の範囲の添加量となるよう
な量で使用されることが好ましい。またプロテアーゼを
ヒドロキシカルボン酸又はその塩と脂肪酸とのエステル
と併用する場合においては、改質剤、又は調味料は、プ
ロテアーゼが肉の量に対して0.001〜5重量%(更
に好ましくは0.005〜3重量%、特に0.01〜1
重量%)の範囲の添加量となるような量で使用されるこ
とが好ましい。
【0032】本発明の肉の改質剤又は調味料は、牛、
豚、羊などの畜肉、鶏、七面鳥、カモ、ガチョウ等の鳥
肉、あるいはアジ、サケ、またはたら、ヒラメなどの白
身魚などの魚肉を用いて調理するときに効果があるが、
特に畜肉、鳥肉において効果が大である。また肉の部位
としては、カタ、モモ等の比較的硬質のタンパク質を多
く含む部位のものを用いるときに効果がある。更に肉の
形態としては、前述のように肉片としての形状のあるも
の(厚切り肉、薄切り肉、細切り肉)を用いるときに特
に有効であるが、上記のような肉の挽き肉を主体にした
成型食品においても効果がある。本明細書において、肉
片とは、畜肉等の生肉から切り出した、比較的形状の大
きな肉(例えば、肉片の表面積が1cm2 程度以上のも
の)を意味し、例えば、ステーキ、焼き肉用の肉、唐
揚、フライあるいは照り焼き用の肉などの肉片を挙げる
ことができる。
【0033】また本発明の改質剤又は調味料は、肉を加
熱調理する際の使用により効果が得られるが、焼く、炒
める、揚げる、煮る、蒸すなどの調理方法によっては制
限されず何れの調理方法においても効果が得られる。特
に、焼く、炒めるなどの調理において顕著な効果が得ら
れる。適用できる肉料理の例としては、焼き肉、ステー
キ、カツフライ、唐揚、竜田揚げ、カレー、シチュー、
しゃぶしゃぶなどの比較的大きな肉片を用いた肉料理、
あるいはまたハンバーグ、ミートボール、ミートロー
フ、メンチカツ、ギョーザ、シューマイ、ワンタン、春
巻、及び肉まんなどの挽き肉を主成分とした成型食品の
肉料理を挙げることができる。
【0034】更に、本発明の改質剤又は調味料は、冷
凍、冷蔵、あるいはレトルトなどの常温保存可能な肉片
を含む肉製品、あるいはこれらの形態の挽き肉を主成分
とした成型食品においても適用できる。本発明の改質剤
又は調味料で処理された肉片を含む肉製品、あるいは挽
き肉を主成分とした成型食品は、既に加熱調理されてい
るものでも良いし(加熱調理済食品)、あるいはまた食
べるときに加熱調理するように調理されているものでも
良い(未加熱調理食品、加熱調理用食品)。すなわち、
加熱調理済食品においては、これを製造する際の加熱調
理工程で本発明の改質剤又は調味料で処理されていれば
良く、一方未加熱調理食品においては、食べるときの加
熱調理する際に本発明の改質剤又は調味料が作用するよ
うに予め肉に付着させたり、食品中に含有させる等の処
理をしておけば良い。本発明の改質剤又は調味料で処理
された肉を含む肉製品は、保存後においても、肉の柔ら
かさやジューシーさが維持され、良好な風味のものとな
る。また挽き肉を主成分とする成型食品においては、柔
らかさ等と共にふっくらとした食感も付与される。
【0035】本発明の改質剤又は調味料で処理した肉片
を含む肉製品としては、例えば、カツフライ、唐揚、カ
レー、ハヤシ、シチュー、肉ジャガ、酢豚などを挙げる
ことができる。また挽き肉を主成分とした成型食品で、
冷凍、冷蔵、あるいはレトルト食品の例も前述した、ハ
ンバーグ等を挙げることができる。
【0036】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を示し、
本発明を更に具体的に説明する。なお、「部」は「重量
部」を表わす。
【0037】[実施例1]焼き肉用の厚さ5mmのオー
ストラリア産牛モモ肉50gに対してステアロイル乳酸
カルシウムの粉末約0.25gを肉表面に散布した後、
200℃のホットプレート上で焼成し、焼き肉を作っ
た。
【0038】[比較例1]上記実施例1において、ステ
アロイル乳酸カルシウムを使用しなかった以外は、上記
実施例1と同様にして焼き肉を作った。
【0039】[実施例2]鶏モモ肉を1切れ約30gの
ぶつ切りにして、醤油、酒、胡椒を振り、下味をつけ
た。更にこれに、ステアロイル乳酸ナトリウムの粉末約
1gをまぶした後、液卵、小麦粉をつけて160℃に加
熱したサラダ油で揚げ、唐揚を作った。
【0040】[比較例2]上記実施例2において、ステ
アロイル乳酸ナトリウムを使用しなかった以外は、上記
実施例2と同様にして唐揚を作った。
【0041】[実施例3]5倍濃縮昆布だし200ml
とステアロイル乳酸カルシウム10gを水800mlに
加え、沸騰させた。これにしゃぶしゃぶ用の牛肉10g
を5秒間湯通しした。
【0042】[比較例3]上記実施例3において、ステ
アロイル乳酸カルシウムを使用しなかった以外は、上記
実施例3と同様にして牛肉を湯通しした。
【0043】[実施例4]厚さ2cmのオーストラリア
産牛ロース150gに適当量の食塩、胡椒を振った後、
更にステアロイル乳酸ナトリウムの粉末約1gを肉表面
に散布し、直ちに200℃のホットプレート上で焼成
し、ステーキを作った。
【0044】[比較例4]上記実施例1〜4において、
ステアロイル乳酸ナトリウムを使用しなかった以外は、
上記実施例4と同様にしてステーキを作った。
【0045】[実施例5]厚さ2cmのオーストラリア
産牛ロース150gに適当量の食塩、胡椒を振った後、
ステアロイル乳酸ナトリウムと麹菌由来のプロテアーゼ
(スミチームLP−20、酵素含有量:23重量%、新
日本化学工業(株)製)との混合物(重量比2:1)約
1gを肉表面に散布した。この後、直ちに200℃のホ
ットプレート上で焼成し、ステーキを作った。
【0046】[比較例5]上記実施例5において、ステ
アロイル乳酸ナトリウムと麹菌由来のプロテアーゼの混
合物を使用しなかった以外は、上記実施例5と同様にし
てステーキを作った。
【0047】[実施例6]厚さ1cmの国産豚ロース1
00gに適当量の食塩、胡椒を振った後、更にステアロ
イル乳酸カルシウム約2gを肉表面に散布した。この
後、肉の表面に小麦粉、液卵、パン粉の順で衣を付け、
これを180℃の加熱したサラダ油で揚げ、カツフライ
を作った。
【0048】[比較例6]上記実施例6において、ステ
アロイル乳酸カルシウムを使用しなかった以外は、上記
実施例6と同様にしてカツフライを作った。
【0049】[実施例7]厚さ1cmの国産豚ロース1
00gに適当量の食塩、胡椒を振った後、更にステアロ
イル乳酸カルシウムと麹菌由来のプロテアーゼ(スミチ
ームLP−20、酵素含有量:23重量%、新日本化学
工業(株)製)の混合物(重量比2:1)約2gを肉表
面に散布した。この後、肉の表面に小麦粉、液卵、パン
粉の順で衣を付け、これを180℃の加熱したサラダ油
で揚げ、カツフライを作った。
【0050】[比較例7]上記実施例7において、ステ
アロイル乳酸カルシウムと麹菌由来のプロテアーゼの混
合物を使用しなかった以外は、上記実施例7と同様にし
てカツフライを作った。
【0051】[改質剤で調理した肉製品の評価]上記の
ようにして得られた各種肉料理を20人のパネルにより
官能評価を行った。評価は、実施例と比較例で得られた
各肉料理の「柔らかさ」、「ジューシーさ」を比較し、
比較例に比べ実施例の方が、『明らかに柔らかい(又は
ジューシー)』、『やや柔らかい(又はジューシ
ー)』、そして『変わらない』の3段階で行った。ま
た、得られた各種肉料理の肉の物性値を測定し、肉の柔
らかさを評価した。『柔らかさ』は、ミートシェア(ワ
ーナーブラッツラー社製)による剪断応力値で表した。
値が小さい程、肉が柔らかいことを示す。結果を以下の
表1に示す。
【0052】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 実施例 実 施 例 の方が 1 2 3 4 5 6 7 ──────────────────────────────────── 明らかに 12 13 14 10 14 5 9 柔らかい やや柔らかい 8 7 6 10 6 13 10 変わらない 0 0 0 0 0 2 1 ──────────────────────────────────── 明らかに 13 10 9 6 8 8 8 ジューシー ややジューシー 7 9 10 12 11 12 12 変わらない 0 1 1 2 1 0 0 ──────────────────────────────────── 剪断応力値(kg) 実施例 2.0 2.4 0.5 3.0 2.7 2.2 2.0 比較例 3.2 5.2 1.0 5.0 5.0 3.1 3.1 ────────────────────────────────────
【0053】上記表1に示された結果から明らかなよう
に、本発明の改質剤(ステアロイル乳酸塩)を使用した
肉料理(実施例1〜7)は、これを使用しない肉料理
(比較例1〜7))に比べ肉が柔らかく、かつジューシ
ーであり、この効果は、ステアロイル乳酸塩とプロテア
ーゼを併用した場合(実施例5及び7)には、更に向上
する。
【0054】[実施例8]豚挽き肉350gに酒20
g、醤油6g、卵50g、ポテトデンプン15g、ねぎ
(みじん切り)10g及びステアロイル乳酸カルシウム
粉末3.5gを加え、混合し、直径2.5cmにまるめ
た。得られた成型物を170℃のサラダ油で揚げ、ミー
トボールを作った。
【0055】[比較例8]上記実施例8において、ステ
アロイル乳酸カルシウムを使用しなかった以外は、上記
実施例8と同様にしてミートボールを作った。
【0056】[実施例9]タマネギ(みじん切り)15
0gを15gのバターで予め炒め、更にマッシュルーム
(みじん切り)100g、レモン果汁5gを炒め合わ
せ、これに食塩2g、及び胡椒0.5gを加えて味を調
え、冷ました。これに更に牛豚合い挽き肉(6:4)5
00g、ナツメグ0.25g、マスタード2g、食塩5
g、及びステアロイル乳酸ナトリウム粉末2.5gを混
ぜ合わせた。得られた混合物をバターを塗った型に詰
め、200℃のオーブンで焼き、ミートローフを作っ
た。
【0057】[比較例9]上記実施例9において、ステ
アロイル乳酸ナトリウムを使用しなかった以外は、上記
実施例9と同様にしてミートローフを作った。
【0058】[実施例10]牛挽き肉350gにパン粉
18g、牛乳15g、卵35g、食塩3.5g、胡椒
0.35g、ナツメグ0.18g、及びステアロイル乳
酸カルシウム粉末1.4gを加え、充分練った。得られ
た混合物を1個約40gのハンバーグに成型し、200
℃のホットプレート上で焼成し、ハンバーグを作った。
【0059】[比較例10]上記実施例10において、
ステアロイル乳酸カルシウムを使用しなかった以外は、
上記実施例10と同様にしてハンバーグを作った。
【0060】[実施例11]牛挽き肉350gにパン粉
18g、牛乳15g、卵35g、食塩3.5g、胡椒
0.35g、ナツメグ0.18g、及びステアロイル乳
酸カルシウム粉末と麹菌由来のプロテアーゼ(スミチー
ムLP−20、酵素含有量:23重量%、新日本化学工
業(株)製)の混合物(重量比2:1)1.4gを加
え、充分練った。得られた混合物を1個約40gのハン
バーグに成型し、200℃のホットプレート上で焼成
し、ハンバーグを作った。
【0061】[比較例11]上記実施例11において、
ステアロイル乳酸カルシウムと麹菌由来のプロテアーゼ
の混合物を使用しなかった以外は、上記実施例11と同
様にしてハンバーグを作った。
【0062】[実施例12]上記実施例10で作ったハ
ンバーグを冷まし、−20℃の冷蔵庫に一週間保管し
た。その後冷蔵庫から取り出し、電子レンジで解凍し、
再加熱してハンバーグを作った。
【0063】[比較例12]上記比較例10で作ったハ
ンバーグを冷まし、−20℃の冷蔵庫に一週間保管し
た。その後冷蔵庫から取り出し、電子レンジで解凍し、
再加熱してハンバーグを作った。
【0064】[実施例13]上記実施例10と同様に、
得られた混合物を1個40gのハンバーグ型に成型した
後、これを−20℃の冷蔵庫に一週間保管した。成型物
を冷蔵庫から取り出し、室温に放置解凍後、これを20
0℃のホットプレート上で焼成し、ハンバーグを作っ
た。
【0065】[比較例13]前記比較例10と同様に、
得られた混合物を1個40gのハンバーグ型に成型した
後、これを−20℃の冷蔵庫に一週間保管した。成型物
を冷蔵庫から取り出し、室温に放置解凍後、これを20
0℃のホットプレート上で焼成し、ハンバーグを作っ
た。
【0066】[改質剤で調理した肉製品の評価2]上記
のようにして得られた各種挽き肉料理を20人のパネル
により官能評価を行った。評価は、実施例と比較例で得
られた各料理の「ジューシーさ」を比較し、比較例に比
べ実施例の方が、『明らかにジューシー』、『ややジュ
ーシー』、そして『変わらない』の3段階で行った。ま
た各料理の「ふっくら感」、及び「なめらかさ」につい
ても同様な方法で評価した。結果を以下の表2に示す。
【0067】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 実施例 実 施 例 の方が 8 9 10 11 12 13 ──────────────────────────────────── 明らかにふっくら 12 8 11 11 10 12 ややふっくら 7 10 8 8 8 6 変わらない 1 2 1 1 2 2 ──────────────────────────────────── 明らかにジューシー 7 6 13 14 14 12 ややジューシー 11 10 5 6 6 7 変わらない 2 4 2 1 1 1 ──────────────────────────────────── 明らかになめらか 13 12 12 12 10 12 ややなめらか 4 6 5 7 7 7 変わらない 3 2 3 1 3 1 ────────────────────────────────────
【0068】上記表2に示された結果から明らかなよう
に、本発明の改質剤(ステアロイル乳酸塩)を使用した
挽き肉料理(実施例8〜13)は、これを使用しない挽
き肉料理(比較例8〜13))に比べ、ふっくらとし、
ジューシーで、しかもなめらかである。また本発明の改
質剤を使用して加熱調理した後、一旦冷蔵庫に保管した
ような加熱調理済の挽き肉製品(実施例12)あるいは
予め本発明の改質剤を含ませた成型物を作り、これを一
旦冷蔵庫に保管し、後に加熱調理して食べるような未加
熱調理の挽き肉製品(実施例13)においても、ふっく
らとして、ジューシーであり、かつなめらかであり、改
質剤による効果は維持されている。
【0069】[実施例14]下記配合の本発明に従う粉
末調味料(A)を調製した。 焼き肉用の厚さ5mmのオーストラリア産牛モモ肉10
0gに対して上記の粉末調味料(A)1gを振りかけ、
200℃のホットプレート上で焼成し、焼き肉を作っ
た。
【0070】[実施例15]下記配合の本発明に従う粉
末調味料(B)を調製した。 プロテアーゼ:麹菌由来のプロテアーゼ(スミチームL
P−20、酵素含有量:23重量%、新日本化学工業
(株)製) 上記実施例14において、粉末調味料(A)の代わり
に、上記で調製した粉末調味料(B)を用いた以外は、
実施例14と同様にして焼き肉を作った。
【0071】[実施例16] 本発明に従う粉末調味料(C)の調製 上記実施例14において、ステアロイル乳酸カルシウム
の代わりに、ステアロイル乳酸ナトリウムを配合した以
外は、実施例14と同様に本発明に従う粉末調味料
(C)を調製した。ステーキ用の厚さ1.5cmのオー
ストラリア産サーロインステーキ150gに上記で調製
した粉末調味料(C)を2g振りかけ、230℃のホッ
トプレート上で焼成し、ステーキを作った。
【0072】[実施例17] 本発明に従う粉末調味料(D)の調製 上記実施例15において、ステアロイル乳酸カルシウム
の代わりに、ステアロイル乳酸ナトリウムを配合した以
外は、実施例15と同様に本発明に従う粉末調味料
(D)を調製した。上記実施例15において、粉末調味
料(C)の代わりに、上記で調製した粉末調味料(D)
を用いた以外は、実施例15と同様にしてステーキを作
った。
【0073】[実施例18]厚さ1cmの国産豚ロース
肉100gに、上記の実施例14で用いた粉末調味料
(A)2gを振りかけ、次いで、この上に小麦粉、卵、
及びパン粉の順でまぶした後、180℃のサラダ油で揚
げ、トンカツを作った。
【0074】[実施例19]鶏モモ肉を1切れ約30g
のぶつ切りにして、醤油、酒、及び胡椒を振り、下味を
つけた。更にこれに上記実施例15で用いた粉末調味料
(B)を約1.5gまぶした後、液卵、小麦粉を付け
て、160℃に加熱したサラダ油で揚げ、唐揚を作っ
た。
【0075】[実施例20]豚挽き肉350gに酒20
g、醤油6g、卵50g、ポテトデンプン15g、玉葱
(みじん切り)10g、及び上記実施例16で用いた粉
末調味料(C)5gを加え、直径2.5cmに丸め、成
型した。得られた成型物を170℃のサラダ油で揚げ、
ミートボールを作った。
【0076】[実施例21]牛挽き肉350gにパン粉
18g、牛乳15g、卵35g、ナツメグ0.18g、
上記実施例17で用いた粉末調味料(D)5gを加え、
充分練った。得られた混合物を1個40gの円盤状に成
型し、200℃のホットプレート上で焼成し、ハンバー
グを作った。
【0077】[比較例14〜21]実施例14〜21に
おいて、粉末調味料の代わりに、食塩、胡椒を用いた以
外は、実施例14〜21と同様にしてそれぞれに対応す
る肉料理を作った。
【0078】[粉末調味料で調理した肉製品の評価]上
記のようにして得られた各種肉料理について前記と同様
な方法で評価した。結果を以下の表3に示す。
【0079】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 実施例 実 施 例 の方が 14 15 16 17 18 19 20 21 ──────────────────────────────────── 明らかに 11 13 12 14 10 12 − − 柔らかい やや柔らかい 7 7 6 4 5 3 − − 変わらない 2 0 2 2 5 2 − − ──────────────────────────────────── 明らかに 13 12 9 9 8 9 11 14 ジューシー やや 7 6 10 10 7 11 8 5 ジューシー 変わらない 0 1 1 1 5 0 1 1 ──────────────────────────────────── 明らかに − − − − − − 7 11 ふっくら ややふっくら − − − − − − 12 6 変わらない − − − − − − 1 3 ──────────────────────────────────── 明らかに − − − − − − 13 17 なめらか ややなめらか − − − − − − 4 3 変わらない − − − − − − 2 0 ──────────────────────────────────── 剪断応力値(kg) 実施例 2.0 1.7 3.1 2.8 2.4 3.1 − − 比較例 3.2 3.2 5.1 5.1 3.4 5.2 − − ────────────────────────────────────
【0080】上記表3に示された結果から明らかなよう
に、本発明のステアロイル乳酸塩を含有した粉末調味料
を使用することで、柔らかく、ジューシーな肉料理を作
ることができる。また挽き肉料理においては、ジューシ
ーさと共に、ふっくら感、なめらかさも付与され、非常
に食べ易い肉料理となる。
【0081】[実施例22]下記配合の水性調味料をホ
モミキサを用いて、70℃で7000rpm、10分間
のホモジナイズ後、冷却し、調製した。 厚さ3mmの国産牛ロース100gに対して上記の水性
調味料(A)20gをからめ、15分間漬け込んだ後、
200℃のホットプレート上で焼成した。
【0082】[比較例22]上記実施例22において、
水性調味料(A)のステアロイル乳酸カルシウムの代わ
りに、水を配合した調味料を用いた以外は、実施例22
と同様にして肉を焼成した。
【0083】[実施例23]下記配合の水性調味料を前
記実施例22と同様にして調製した。 厚さ5mmの豚ロース肉100gを上記の水性調味料
(B)30gに30分間漬け込んだ後、フライパンで焼
成した。
【0084】[比較例23]上記実施例23において、
水性調味料(B)のステアロイル乳酸ナトリウムの代わ
りに、水を配合した調味料を用いた以外は、実施例23
と同様にして肉を焼成した。
【0085】[実施例24]下記配合の水性調味料を前
記実施例22と同様にして調製した。 鶏モモ肉のかたまり200gを上記の水性調味料(C)
30gに30分漬け込んだ後、肉に片栗粉をまぶし、1
80℃のサラダ油で揚げ、唐揚を作った。
【0086】[比較例24]上記実施例24において、
水性調味料(C)のステアロイル乳酸カルシウムの代わ
りに、水を配合した調味料を用いた以外は、実施例24
と同様にして唐揚を作った。
【0087】[実施例25]下記配合の水性調味料を前
記実施例22と同様にして調製した。 豚ロース肉100gを炒め、これにキャベツ80g、玉
ねぎ45g、及び人参25gを加え、炒めた後、更に上
記の水性調味料(D)を20g加えて炒め、野菜炒めを
作った。
【0088】[比較例25]上記実施例25において、
水性調味料(D)のステアロイル乳酸ナトリウムの代わ
りに、水を配合した調味料を用いた以外は、実施例25
と同様にして野菜炒めを作った。
【0089】[実施例26]下記配合の水性調味料を前
記実施例22と同様にして調製した。 厚さ3mmの国産牛ロース肉200g、焼き豆腐1/2
丁、しらたき40g、えのき茸40g、及び春菊30g
を上記の水性調味料(E)150g中で煮込み、すき焼
きを作った。
【0090】[比較例26]上記実施例26において、
水性調味料(E)のステアロイル乳酸カルシウムの代わ
りに、水を配合した調味料を用いた以外は、実施例26
と同様にしてすき焼きを作った。
【0091】[実施例27] 麹菌由来のプロテアーゼ:スミチームLP−20、酵素
含有量:23重量%、新日本化学工業(株)製 上記実施例22において、水性調味料(A)の代わり
に、上記配合の水性調味料(F)を使用した以外は、実
施例22と同様にして焼き肉を作った。
【0092】[比較例27]上記実施例27において、
水性調味料(F)のステアロイル乳酸カルシウムの代わ
りに、水を配合した調味料を用いた以外は、実施例27
と同様にして焼き肉を作った。
【0093】[実施例28]下記配合の水性調味料を前
記実施例22と同様にして調製した。 国産牛ひき肉350gにパン粉18g、牛乳15g、上
記の水性調味料(G)30gを混合し、充分練った。こ
れを1個40gに形成し、ハンバーグを作り、これをフ
ライパンで焼成した。
【0094】[比較例28]実施例28において、水性
調味料(G)のステアロイル乳酸カルシウムの代わり
に、水を配合した調味料を用いた以外は、実施例27と
同様にしてハンバーグを作った。
【0095】[実施例29]上記実施例28と同様にし
てハンバーグを焼成した後、これを冷まし、−20℃の
冷蔵庫に1週間保管した。1週間後、これを室温で解凍
し、オーブントースターで再加熱した。
【0096】[比較例29]上記比較例28と同様にし
てハンバーグを焼成した後、これを冷まし、−20℃の
冷蔵庫に1週間保管した。1週間後、これを室温で解凍
し、オーブントースターで再加熱した。
【0097】[実施例30]上記実施例28と同様にし
て焼成前のハンバーグを作った。これを−20℃の冷蔵
庫に1週間保管した。1週間後、これを室温で解凍し、
フライパンで焼成してハンバーグを作った。
【0098】[比較例30]上記比較例28と同様にし
て焼成前のハンバーグを作った。これを−20℃の冷蔵
庫に1週間保管した。1週間後、これを室温で解凍し、
フライパンで焼成してハンバーグを作った。
【0099】[実施例31]下記配合の水性調味料を前
記実施例22と同様にして調製した。 上記実施例28において、水性調味料(G)の代わり
に、水性調味料(H)を使用した以外は、実施例28と
同様にしてハンバーグを作った。
【0100】[比較例31]上記実施例31において、
水性調味料(H)のステアロイル乳酸カルシウムの代わ
りに、水を配合した調味料を用いた以外は、実施例31
と同様にしてハンバーグを作った。
【0101】[水性調味料で調理した肉料理の評価]上
記のようにして得られた各種肉料理について、前記と同
様な方法で官能評価を行った。結果を以下の表4に示
す。
【0102】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 実施例 実 施 例 の方が 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 ──────────────────────────────────── 明らかに 16 12 9 7 6 18 − − − − 柔らかい やや柔らかい 2 5 8 8 10 1 − − − − 変わらない 2 3 3 5 4 1 − − − − ──────────────────────────────────── 明らかに 15 14 11 7 8 19 13 12 13 13 ジューシー やや 3 4 6 8 8 1 4 7 5 4 ジューシー 変わらない 2 2 3 5 4 0 3 1 2 3 ──────────────────────────────────── 明らかに − − − − − − 12 10 14 13 ふっくら ややふっくら − − − − − − 6 8 5 5 変わらない − − − − − − 2 2 1 2 ──────────────────────────────────── 明らかに − − − − − − 17 16 17 17 なめらか ややなめらか − − − − − − 1 2 1 2 変わらない − − − − − − 2 2 2 1 ──────────────────────────────────── 剪断応力値(kg) 実施例 1.8 2.3 3.2 2.0 1.8 1.6 − − − − 比較例 2.8 3.4 5.5 3.5 3.0 2.9 − − − − ────────────────────────────────────
【0103】上記表4に示された結果から、ステアロイ
ル乳酸塩を含む本発明に従う水性調味料を使用すること
により、肉が柔らかく、かつジューシーな肉料理を作る
ことができる。また挽き肉料理(ハンバーグ)において
は、ジューシーさと共に、ふっくら感、なめらかな食感
も得られることがわかる。また本発明に従う水性調味料
を使用して加熱調理した後、一旦冷凍庫に保管したよう
な場合や、予め本発明に従う水性調味料を使用して処理
し、一旦冷凍庫に保管し、後に加熱調理して食べるよう
な場合においても上記のような改質効果は維持されてい
る。
【0104】[実施例32]下記配合の調理用油脂を調
製した。 調理用油脂(A)の配合 コーン油 85部 ステロイル乳酸カルシウム 15部 ────────────────────────── 100部 厚さ5mmの国産牛ロース100gを上記調理用油脂
(A)10gを敷いたフライパン上でキャベツ80g、
玉ねぎ45g、及び人参45gと共に炒め、塩、胡椒で
味つけをし、肉野菜炒めを作った。
【0105】[実施例33]下記配合の調理用油脂を調
製した。 調理用油脂(B)の配合 コーン油 85部 ステロイル乳酸カルシウム 12部 麹菌由来のプロテアーゼ 3部 ────────────────────────── 100部 上記実施例32において、調理用油脂(A)の代わり
に、上記配合の調理用油脂(B)を用いた以外は、実施
例32と同様に肉野菜炒めを作った。
【0106】[実施例34]ぶつ切りにしたオーストラ
リア産牛モモ肉200gを上記実施例32で用いた調理
用油脂(A)15gで炒め、肉表面に焦げ目を付け、更
に乱切りした人参1本、馬鈴薯3個、スライスした玉ネ
ギ1.5個を加え、軽く炒めた。これに水1リットルを
加え、1時間煮込んだ後、カレー粉を加え、カレーを作
った。
【0107】[実施例35]厚さ5mmの豚ロース肉1
00gに醤油、酒、胡椒、及び生姜のすりおろしを振
り、30分間付け込み下味をつけた。これを5gの上記
実施例32で用いた調理用油脂(A)を用いてフライパ
ンで焼成した。
【0108】[実施例36]上記実施例35と同様にし
て焼成した肉を−20℃で1週間保存した後、解凍し、
再びフライパンで焼成した。
【0109】[実施例37]適当量の塩及び胡椒を振っ
て味付けをした厚さ2cmのオーストラリア産牛ステー
キ用肉150gを上記実施例32で用いた調理用油脂
(A)を20g敷いたフライパン上で250℃で焼成し
た。
【0110】[実施例38]上記実施例37と同様にし
て焼成した肉を−20℃で1週間保存した後、解凍し、
再びフライパンで焼成した。
【0111】[比較例32〜38]上記実施例32〜3
8において、上記調理用油脂の代わりに、サラダ油を使
用した以外は、上記実施例32〜38と同様にしてぞれ
ぞれに対応する調理を行った。
【0112】[実施例39]下記配合の可塑性油脂を調
製した。
【0113】適当量の塩及び胡椒を振って味付けをした
厚さ2cmのオーストラリア産牛ステーキ用肉150g
を上記可塑性油脂(A)を20g敷いたフライパン上で
250℃で焼成した。
【0114】[実施例40]下記配合の可塑性油脂を調
製した。
【0115】上記実施例39において、可塑性油脂
(A)の代わりに可塑性油脂(B)を使用した以外は、
実施例39と同様にしてステーキを作った。
【0116】[実施例41]上記実施例39と同様にし
て焼成した肉を−20℃で1週間保存した後、解凍し、
再びフライパンで焼成した。
【0117】[比較例39〜41]上記実施例39〜4
1において、上記可塑性油脂の代わりに、ステアロイル
乳酸ナトリウム及びプロテアーゼを含まない下記配合の
可塑性油脂を使用した以外は、上記実施例39〜41と
同様にしてぞれぞれに対応する調理を行った。
【0118】下記配合の可塑性油脂を調製した。
【0119】[油性調味料で調理した肉製品としての評
価]上記のようにして得られた各種肉料理について前記
評価と同様な方法で評価した。結果を以下の表5に示
す。
【0120】
【表5】 表5 ──────────────────────────────────── 実施例 実 施 例 の方が 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 ──────────────────────────────────── 明らかに 9 12 8 10 9 10 11 13 15 13 柔らかい やや柔らかい 6 5 6 6 6 7 8 4 3 4 変わらない 5 3 6 4 5 3 1 3 2 3 ──────────────────────────────────── 明らかに 7 9 11 9 7 13 13 12 12 11 ジューシー やや 7 6 4 7 9 3 3 4 4 3 ジューシー 変わらない 6 5 5 4 4 4 4 5 5 6 ──────────────────────────────────── 剪断応力値(kg) 実施例 2.3 2.0 2.9 2.3 2.4 3.6 3.6 3.3 3.0 3.3 比較例 3.5 3.5 4.3 3.4 3.9 5.6 5.9 5.4 5.4 5.8 ────────────────────────────────────
【0121】上記表5に示された結果から明らかなよう
に、ステアロイル乳酸塩を油脂中に溶解又は分散させた
形態にある本発明の改質剤を使用することにより、柔ら
かく、かつジューシーな肉料理を作ることができる。ま
た本発明の改質剤を使用して加熱調理した後、一旦冷蔵
庫に保管したような場合であっても肉は柔らかく、かつ
ジューシーな食感は維持されている。
【0122】
【発明の効果】本発明のステアロイル乳酸塩又は、ステ
アロイル乳酸塩及びプロテアーゼを含む食肉用改質剤又
は調味料を用いることにより、肉質が柔らかく、かつ肉
汁に富み、また挽き肉を主体とした料理においては、ふ
っくら感やなめらかさも加わり、各種の肉料理をよりお
いしく作ることができる。そしてプロテアーゼとの併用
では、肉質を更に柔らかく、スジっぽさもなくなり、非
常に食べ易くなる。特に、ある程度の大きさを持つ肉片
を用いる肉料理に有効である。また本発明の食肉用改質
剤又は調味料を使用することにより、冷凍食品、冷蔵食
品、あるいはレトルト食品のような保存可能な肉製品に
おいても、その保存後でも上記のような食感は肉の改質
効果は維持され、おいしく食べることができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシカルボン酸又はその塩と脂肪
    酸とのエステルを含有する肉の改質剤。
  2. 【請求項2】 上記エステルが、ステアロイル乳酸ナト
    リウム又はステアロイル乳酸カルシウムである請求項1
    に記載の肉の改質剤。
  3. 【請求項3】 ヒドロキシカルボン酸又はその塩と脂肪
    酸とのエステル、及びプロテアーゼが含有されてなる肉
    の改質剤。
  4. 【請求項4】 上記プロテアーゼが麹菌由来のプロテア
    ーゼである請求項3に記載の肉の改質剤。
  5. 【請求項5】 粉末状である請求項1〜4のいずれかの
    項に記載の肉の改質剤。
  6. 【請求項6】 水又は水性液体中に溶解又は分散された
    状態にある請求項1〜4のいずれかの項に記載の肉の改
    質剤。
  7. 【請求項7】 油脂中に溶解又は分散された状態にある
    請求項1〜4のいずれかの項に記載の肉の改質剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかの項に記載の肉
    の改質剤と調味成分とを含有する調味料。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかの項に記載の肉
    の改質剤、又は該肉の改質剤を含有する調味料で処理し
    た食用肉又は肉製品。
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