JPH08172013A - 超電導コイルおよびその製造方法並びに超電導ワイヤ - Google Patents
超電導コイルおよびその製造方法並びに超電導ワイヤInfo
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- JPH08172013A JPH08172013A JP7257980A JP25798095A JPH08172013A JP H08172013 A JPH08172013 A JP H08172013A JP 7257980 A JP7257980 A JP 7257980A JP 25798095 A JP25798095 A JP 25798095A JP H08172013 A JPH08172013 A JP H08172013A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】クエンチの発生を抑制するとともに、常電導状
態への遷移を抑制が可能な超電導コイル及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】巻枠の外周に絶縁材料で被覆された超電導
線13を張力を加えながら巻回して巻線部4を形成し、
超電導線間に接着用樹脂14を含浸させ、熱処理によっ
て巻線部4と巻枠間の接触面圧を低下させ、常電導状態
への遷移を十分に抑制する。また、超電導線に絶縁材を
被覆して絶縁超電導線とし、これに張力を加えながら巻
線部を形成する際、内層に比べ外層で絶縁超電導線の巻
回張力を大きくし、超電導線の曲面部相互間に非鋭角の
空洞を設けて残留圧縮応力を大きくして剥離を発生しに
くくし、隣接超電導線の曲面部相互間で融着材に作用す
る熱応力を低減させて、クラックや摩擦熱の発生を防止
し、クエンチの発生を抑制する。
態への遷移を抑制が可能な超電導コイル及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】巻枠の外周に絶縁材料で被覆された超電導
線13を張力を加えながら巻回して巻線部4を形成し、
超電導線間に接着用樹脂14を含浸させ、熱処理によっ
て巻線部4と巻枠間の接触面圧を低下させ、常電導状態
への遷移を十分に抑制する。また、超電導線に絶縁材を
被覆して絶縁超電導線とし、これに張力を加えながら巻
線部を形成する際、内層に比べ外層で絶縁超電導線の巻
回張力を大きくし、超電導線の曲面部相互間に非鋭角の
空洞を設けて残留圧縮応力を大きくして剥離を発生しに
くくし、隣接超電導線の曲面部相互間で融着材に作用す
る熱応力を低減させて、クラックや摩擦熱の発生を防止
し、クエンチの発生を抑制する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は核融合装置、磁気共
鳴イメージング装置、磁気浮上式列車等に使用される超
電導コイルに係り、特に、通電時の摩擦熱を発生しにく
くして常電導状態への遷移を抑制した超電導コイルおよ
びその製造方法に関する。
鳴イメージング装置、磁気浮上式列車等に使用される超
電導コイルに係り、特に、通電時の摩擦熱を発生しにく
くして常電導状態への遷移を抑制した超電導コイルおよ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属製巻枠の外周に超電導線を
巻回して巻線部を形成した超電導コイルが知られている
(特公昭63−62084号公報)。この従来の超電導
コイルの構造について図1を参照して以下に説明する。
巻回して巻線部を形成した超電導コイルが知られている
(特公昭63−62084号公報)。この従来の超電導
コイルの構造について図1を参照して以下に説明する。
【0003】図1は、従来の超電導ソレノイドコイルを
一部切断して示している。図1において超電導コイル1
は、超電導線4を巻き付ける巻枠2を有している。この
巻枠2は、円筒状の巻枠胴部2aと、その両端に設けら
れた円環状の巻枠つば部2bとによって構成されてい
る。
一部切断して示している。図1において超電導コイル1
は、超電導線4を巻き付ける巻枠2を有している。この
巻枠2は、円筒状の巻枠胴部2aと、その両端に設けら
れた円環状の巻枠つば部2bとによって構成されてい
る。
【0004】巻枠2の外周、すなわち巻枠胴部2aの外
周面と巻枠つば部2bの互いに対向する面は、胴部対地
絶縁物3aおよびつば部対地絶縁物3bによってそれぞ
れ被覆されている。この対地絶縁物3を介して巻枠2の
外周に、複数列複数層をなすように巻回された超電導線
からなる巻線部4が形成されている。
周面と巻枠つば部2bの互いに対向する面は、胴部対地
絶縁物3aおよびつば部対地絶縁物3bによってそれぞ
れ被覆されている。この対地絶縁物3を介して巻枠2の
外周に、複数列複数層をなすように巻回された超電導線
からなる巻線部4が形成されている。
【0005】巻枠2は、アルミニウムあるいはアルミニ
ウム合金からなる。巻枠2と巻線部4間に摩擦係数の小
さいポリ四フッ化エチレンフィルム(図示せず)を配設
することがある。また、巻枠2の材質をステンレス等に
し、巻線部4にエポキシ樹脂を含浸させて巻線を接着す
ることもある。
ウム合金からなる。巻枠2と巻線部4間に摩擦係数の小
さいポリ四フッ化エチレンフィルム(図示せず)を配設
することがある。また、巻枠2の材質をステンレス等に
し、巻線部4にエポキシ樹脂を含浸させて巻線を接着す
ることもある。
【0006】しかしながら、上述した従来の超電導コイ
ルでは、超電導状態中に巻枠と巻線部との間に摩擦が起
こり、その摩擦熱によって常電導状態へ遷移することが
あった。
ルでは、超電導状態中に巻枠と巻線部との間に摩擦が起
こり、その摩擦熱によって常電導状態へ遷移することが
あった。
【0007】このような状況に対して、従来の超電導コ
イルには巻枠と巻線部の間に摩擦係数が小さい摩擦熱抑
制材料を設けているものもある。しかし、巻枠と巻線部
の間の接触面圧が高いときには、摩擦力が大きくなって
摩擦熱による常電導状態への遷移を十分抑制できなかっ
た。
イルには巻枠と巻線部の間に摩擦係数が小さい摩擦熱抑
制材料を設けているものもある。しかし、巻枠と巻線部
の間の接触面圧が高いときには、摩擦力が大きくなって
摩擦熱による常電導状態への遷移を十分抑制できなかっ
た。
【0008】また、超電導コイルとして、いわゆる融着
超電導コイルが知られている。この公知の融着超電導コ
イルについて、図1ないし図3を参照して説明する。
超電導コイルが知られている。この公知の融着超電導コ
イルについて、図1ないし図3を参照して説明する。
【0009】公知の融着超電導コイルの部分断面は前述
した図1に示すとおりである。
した図1に示すとおりである。
【0010】図2は図1における巻線部4の一部の縦断
面を示すものである。巻線部4は、融着超電導線6をこ
れに一定の張力を加えながら複数列・複数層に巻回した
後、熱処理を加えることによって構成されている。融着
超電導線6自体は、絶縁超電導線5およびそれに被覆さ
れた融着材6aからなっている。また、隣接する融着超
電導線6相互間は融着材6aによって接着されている。
絶縁超電導線5は平角形の超電導線5aおよびそれに被
覆された絶縁材5bによって構成されている。超電導線
5aの断面四隅の表面は曲面部5cとして形成されてい
る。隣接する曲面部5c相互間は、空洞が生じないよう
に融着材6aでほぼ満たされている。
面を示すものである。巻線部4は、融着超電導線6をこ
れに一定の張力を加えながら複数列・複数層に巻回した
後、熱処理を加えることによって構成されている。融着
超電導線6自体は、絶縁超電導線5およびそれに被覆さ
れた融着材6aからなっている。また、隣接する融着超
電導線6相互間は融着材6aによって接着されている。
絶縁超電導線5は平角形の超電導線5aおよびそれに被
覆された絶縁材5bによって構成されている。超電導線
5aの断面四隅の表面は曲面部5cとして形成されてい
る。隣接する曲面部5c相互間は、空洞が生じないよう
に融着材6aでほぼ満たされている。
【0011】図3は熱処理を加える前の融着超電導線6
の断面を示すものである。図示のごとく熱処理を加える
前の段階で、融着材6aは絶縁超電導線5の全面に被覆
される。
の断面を示すものである。図示のごとく熱処理を加える
前の段階で、融着材6aは絶縁超電導線5の全面に被覆
される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の融着超電導コイ
ルにおいては、隣接する融着超電導線相互間に電磁力や
熱応力によって剥離が生じやすいという傾向があったほ
かに、曲面部5c相互間に熱応力によるクラックが発生
しやすく、また巻線部3と胴部対地絶縁物2aとの接触
面に電磁力や熱応力による摩擦が発生しやすい、という
傾向があった。これらの剥離やクラック、摩擦が発生す
ると、それらの発生部には発熱を伴うので、超電導コイ
ルにとって致命的なクエンチの発生を誘発することが懸
念される。
ルにおいては、隣接する融着超電導線相互間に電磁力や
熱応力によって剥離が生じやすいという傾向があったほ
かに、曲面部5c相互間に熱応力によるクラックが発生
しやすく、また巻線部3と胴部対地絶縁物2aとの接触
面に電磁力や熱応力による摩擦が発生しやすい、という
傾向があった。これらの剥離やクラック、摩擦が発生す
ると、それらの発生部には発熱を伴うので、超電導コイ
ルにとって致命的なクエンチの発生を誘発することが懸
念される。
【0013】本発明の第1の目的は、上述の剥離やクラ
ック、摩擦に伴う発熱量を低減してクエンチの発生を抑
制しうる超電導コイルの製造方法を提供することであ
る。
ック、摩擦に伴う発熱量を低減してクエンチの発生を抑
制しうる超電導コイルの製造方法を提供することであ
る。
【0014】本発明の第2の目的は、巻枠と巻線部間の
接触面圧を低下させて常電導状態への遷移を十分に抑制
するようにした超電導コイルを提供することである。
接触面圧を低下させて常電導状態への遷移を十分に抑制
するようにした超電導コイルを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる超電導コ
イルによれば、縦弾性係数が50(GPa) 以上、室温と温
度77(K) の間の熱収縮率が0.35%以上の材料から
なる巻枠と、絶縁材料で被覆された超電導線と、前記巻
枠の外周に、絶縁材料で被覆された超電導線を張力を加
えながら巻回して形成された巻線部と、を備え、前記超
電導線間に接着用材料を含浸させ、熱処理によって前記
接着用材料を硬化させるとともに、前記巻線部と前記巻
枠間の接触面圧を低下させたことを特徴とする超電導コ
イルが提供される。
イルによれば、縦弾性係数が50(GPa) 以上、室温と温
度77(K) の間の熱収縮率が0.35%以上の材料から
なる巻枠と、絶縁材料で被覆された超電導線と、前記巻
枠の外周に、絶縁材料で被覆された超電導線を張力を加
えながら巻回して形成された巻線部と、を備え、前記超
電導線間に接着用材料を含浸させ、熱処理によって前記
接着用材料を硬化させるとともに、前記巻線部と前記巻
枠間の接触面圧を低下させたことを特徴とする超電導コ
イルが提供される。
【0016】このような超電導コイルでは、巻枠に超電
導線を巻回した後に、巻枠と巻線部を含めて熱処理をす
る。本超電導コイルは、巻枠が縦弾性係数が50(GPa)
以上、室温と温度77(K) の間の熱収縮率が0.35%
以上の材料からなるので、巻枠の熱膨張率及び熱収縮率
が巻線部のそれらより大きく、前記熱処理中の高温時に
巻枠が巻線部を半径方向外方に押し広げ、熱処理を終え
て冷却する時に巻線部より大きく収縮する。
導線を巻回した後に、巻枠と巻線部を含めて熱処理をす
る。本超電導コイルは、巻枠が縦弾性係数が50(GPa)
以上、室温と温度77(K) の間の熱収縮率が0.35%
以上の材料からなるので、巻枠の熱膨張率及び熱収縮率
が巻線部のそれらより大きく、前記熱処理中の高温時に
巻枠が巻線部を半径方向外方に押し広げ、熱処理を終え
て冷却する時に巻線部より大きく収縮する。
【0017】この熱膨張率と熱収縮率の差によって巻線
部は、高温時に巻枠によって内側から密に圧縮された状
態で接着用材料を硬化させ、冷却時に半径方向内方へは
完全には戻らない。これによって、巻枠と巻線部間の接
触面圧は、超電導線巻付け時に比べて低下する。
部は、高温時に巻枠によって内側から密に圧縮された状
態で接着用材料を硬化させ、冷却時に半径方向内方へは
完全には戻らない。これによって、巻枠と巻線部間の接
触面圧は、超電導線巻付け時に比べて低下する。
【0018】さらに、この超電導コイルの使用時には、
超電導コイルの温度がさらに極低温にまで低下するの
で、巻線部に比して巻枠が大きく収縮してさらに接触面
圧が低下して摩擦熱の発生を十分抑制することができ
る。
超電導コイルの温度がさらに極低温にまで低下するの
で、巻線部に比して巻枠が大きく収縮してさらに接触面
圧が低下して摩擦熱の発生を十分抑制することができ
る。
【0019】本発明にかかる超電導コイルによれば、巻
枠に超電導線を複数層巻回して巻線部を形成し、巻線部
の内層部分に比べて外層部分の巻回張力を大きくしてい
る。これによって、本超電導コイルの巻線部は内側部分
が比較的疎に巻かれており、熱処理の高温時に巻線内層
部が圧縮されて、巻枠と接触する内側部分が容易に拡開
して、巻枠と巻線部間の接触面圧を低下させることがで
きる。
枠に超電導線を複数層巻回して巻線部を形成し、巻線部
の内層部分に比べて外層部分の巻回張力を大きくしてい
る。これによって、本超電導コイルの巻線部は内側部分
が比較的疎に巻かれており、熱処理の高温時に巻線内層
部が圧縮されて、巻枠と接触する内側部分が容易に拡開
して、巻枠と巻線部間の接触面圧を低下させることがで
きる。
【0020】本発明にかかる超電導コイルによれば、超
電導線をエナメルによって被覆し、熱処理の最高温度を
エナメルのガラス転移温度より高くしているので、熱処
理の最高温度時にエナメルが軟化することにより、超電
導線の層間が密になるように圧縮される。これによっ
て、巻枠と巻線部間の接触面圧が低下し、摩擦熱による
超電導コイルの常電導状態への遷移を十分抑制すること
ができる。
電導線をエナメルによって被覆し、熱処理の最高温度を
エナメルのガラス転移温度より高くしているので、熱処
理の最高温度時にエナメルが軟化することにより、超電
導線の層間が密になるように圧縮される。これによっ
て、巻枠と巻線部間の接触面圧が低下し、摩擦熱による
超電導コイルの常電導状態への遷移を十分抑制すること
ができる。
【0021】本発明に係る超電導コイルによれば、巻枠
胴部の厚さd(mm)と前記巻枠胴部に近い巻線内層部の超
電導線の巻回張力F(N) の関係をd > F/10 と
したことにより、相対的に巻枠胴部の剛性が高くなって
いる。これによって、超電導線を巻回すときに、巻枠胴
部の初期縮みが少なく、熱処理によって巻線部の内側部
分を効果的に拡開させることができる。
胴部の厚さd(mm)と前記巻枠胴部に近い巻線内層部の超
電導線の巻回張力F(N) の関係をd > F/10 と
したことにより、相対的に巻枠胴部の剛性が高くなって
いる。これによって、超電導線を巻回すときに、巻枠胴
部の初期縮みが少なく、熱処理によって巻線部の内側部
分を効果的に拡開させることができる。
【0022】本発明に係る超電導コイルによれば、巻枠
胴部の厚さd(mm)と長さL(mm)の関係をd > L/2
0 としたことにより、巻枠胴部の剛性が高く、超電導
線巻き付け時に巻枠胴部の初期縮みが少ない。これによ
って、熱処理時に剛性の高い巻枠によって巻線部の内側
部分を効果的に拡開させることができる。
胴部の厚さd(mm)と長さL(mm)の関係をd > L/2
0 としたことにより、巻枠胴部の剛性が高く、超電導
線巻き付け時に巻枠胴部の初期縮みが少ない。これによ
って、熱処理時に剛性の高い巻枠によって巻線部の内側
部分を効果的に拡開させることができる。
【0023】本発明に係る超電導コイルによれば、巻枠
胴部に補強部材を設け、この補強部材を巻枠と同様の物
性の材質によって形成している。この補強部材を設ける
ことにより、巻枠胴部の剛性が高くなり、超電導線巻付
け時の巻枠胴部の初期縮みが少なく、熱処理時に巻線部
の内側部分を効果的に拡開させることができる。
胴部に補強部材を設け、この補強部材を巻枠と同様の物
性の材質によって形成している。この補強部材を設ける
ことにより、巻枠胴部の剛性が高くなり、超電導線巻付
け時の巻枠胴部の初期縮みが少なく、熱処理時に巻線部
の内側部分を効果的に拡開させることができる。
【0024】本発明に係る超電導コイルによれば、電流
を定格値まで上昇させた時の前記巻枠胴部のひずみが、
20×10-6 以下となるように巻枠と巻線部を構成し
ている。このように定格電流時の巻枠胴部のひずみを管
理することにより、結局巻枠と巻線部間の接触面圧を管
理することになり、摩擦熱による常電導状態への遷移を
高い確率で防止することができる。
を定格値まで上昇させた時の前記巻枠胴部のひずみが、
20×10-6 以下となるように巻枠と巻線部を構成し
ている。このように定格電流時の巻枠胴部のひずみを管
理することにより、結局巻枠と巻線部間の接触面圧を管
理することになり、摩擦熱による常電導状態への遷移を
高い確率で防止することができる。
【0025】また、本発明にかかる超電導コイルの製造
方法によれば、絶縁超電導線あるいは絶縁超電導線に融
着材を被覆した融着超電導線をそれに張力を加えながら
巻枠に複数列・複数層に巻回して巻線部を形成する超電
導コイルの製造方法において、巻枠に近い内層に比べ巻
枠から離れた中間層から外層にかけて絶縁超電導線の巻
回張力を大きくすることを特徴とする。
方法によれば、絶縁超電導線あるいは絶縁超電導線に融
着材を被覆した融着超電導線をそれに張力を加えながら
巻枠に複数列・複数層に巻回して巻線部を形成する超電
導コイルの製造方法において、巻枠に近い内層に比べ巻
枠から離れた中間層から外層にかけて絶縁超電導線の巻
回張力を大きくすることを特徴とする。
【0026】この構成では、超電導コイルを励磁した
際、電磁力の作用によりコイルの内層が放射方向に広げ
られ、コイル層間を押し付ける。そのため、コイル層間
の大きな摩擦や剥離が発生しにくくなり、クエンチの発
生を抑制することができる。
際、電磁力の作用によりコイルの内層が放射方向に広げ
られ、コイル層間を押し付ける。そのため、コイル層間
の大きな摩擦や剥離が発生しにくくなり、クエンチの発
生を抑制することができる。
【0027】本発明によれば、融着超電導線の少なくと
も四隅の表面を曲面部として構成し、曲面部の相互間に
非鋭角の空洞を形成すると、空洞に接している融着材が
容易に収縮したり膨張したりすることができるので、コ
イルを励磁した際の電磁力による巻線部の剥離やクラッ
クの発生を抑制することができる。
も四隅の表面を曲面部として構成し、曲面部の相互間に
非鋭角の空洞を形成すると、空洞に接している融着材が
容易に収縮したり膨張したりすることができるので、コ
イルを励磁した際の電磁力による巻線部の剥離やクラッ
クの発生を抑制することができる。
【0028】本発明によれば、巻線部に締付け装置を装
着し、巻線部に熱処理を加えながら、巻線部を内側への
変形を防止しつつ融着超電導線の巻回方向とほぼ垂直な
方向に締付け、熱処理を加えた後、締付け装置を巻線部
から取外すようにしており、巻線部の内層が放射方向に
押し広げられた状態で固まるため、巻線部と巻枠胴部と
の間がほぼ浮いた状態になり、超電導コイルとして極低
温に冷却した時、巻線部と巻枠胴部との間は熱膨張係数
の差によって完全に浮いた状態になる。従って、巻線部
の軸方向の剛性を高め、クエンチ発生の抑制に寄与させ
ることができる。
着し、巻線部に熱処理を加えながら、巻線部を内側への
変形を防止しつつ融着超電導線の巻回方向とほぼ垂直な
方向に締付け、熱処理を加えた後、締付け装置を巻線部
から取外すようにしており、巻線部の内層が放射方向に
押し広げられた状態で固まるため、巻線部と巻枠胴部と
の間がほぼ浮いた状態になり、超電導コイルとして極低
温に冷却した時、巻線部と巻枠胴部との間は熱膨張係数
の差によって完全に浮いた状態になる。従って、巻線部
の軸方向の剛性を高め、クエンチ発生の抑制に寄与させ
ることができる。
【0029】本発明によれば、融着超電導線を巻枠に巻
回して巻線部を形成するに先立って、巻線部と巻枠の間
に低摩擦係数の離型材を介在させており、巻線部と巻枠
胴部との間の摩擦あるいは剥離に伴う発熱量を低減して
クエンチの発生を抑制し、安定的に大電流を流すことが
できる。
回して巻線部を形成するに先立って、巻線部と巻枠の間
に低摩擦係数の離型材を介在させており、巻線部と巻枠
胴部との間の摩擦あるいは剥離に伴う発熱量を低減して
クエンチの発生を抑制し、安定的に大電流を流すことが
できる。
【0030】本発明によれば、絶縁超電導線に融着材を
被覆して融着超電導線とし、この融着超電導線を巻枠に
複数列・複数層に巻回しながら融着材に熱処理を加え、
融着材を溶融させながら巻線部を形成し、融着材を固め
て、隣接する融着超電導線の相互間を接着するようにし
ているので、融着材が超電導線の巻回時に溶融し、巻線
部の層間で絶縁超電導線どうしを直に接触する。そのた
め、巻線部の層方向すなわち放射方向の剛性を向上さ
せ、また、熱処理に伴う巻線部の変位を小さくし、クエ
ンチ発生の抑制に寄与させることができる。
被覆して融着超電導線とし、この融着超電導線を巻枠に
複数列・複数層に巻回しながら融着材に熱処理を加え、
融着材を溶融させながら巻線部を形成し、融着材を固め
て、隣接する融着超電導線の相互間を接着するようにし
ているので、融着材が超電導線の巻回時に溶融し、巻線
部の層間で絶縁超電導線どうしを直に接触する。そのた
め、巻線部の層方向すなわち放射方向の剛性を向上さ
せ、また、熱処理に伴う巻線部の変位を小さくし、クエ
ンチ発生の抑制に寄与させることができる。
【0031】また、本発明によれば断面円形形状の超電
導線に絶縁材を被覆して絶縁超電導線とし、この絶縁超
電導線に融着材を被覆した後、一部の融着材を除去し、
あるいは融着材を成形してなる融着超電導線が提供され
る。この融着超電導線は、断面円形形状の超電導線に絶
縁材を被覆して絶縁超電導線とし、この絶縁超電導線に
融着材を被覆した後、一部の融着材を除去し、あるいは
融着材を成形してなる融着超電導線を製造する融着超電
導線の製造方法において、絶縁材および融着材を予め一
体化して融着材付き絶縁材とした後、融着材付き絶縁材
を超電導線に被覆したものでも、断面平角形形状の超電
導線に絶縁材を被覆して絶縁超電導線とし、絶縁超電導
線に融着材を被覆した融着超電導線において、絶縁超電
導線の一部の平面部の融着材の厚さを他の平面部の厚さ
に比べて小さくまたは0としたことを特徴とする融着超
電導線を製造する融着超電導線の製造方法において、絶
縁材および融着材を予め一体化して融着材付き絶縁材と
した後、融着材付き絶縁材を超電導線に被覆したもので
もよい。
導線に絶縁材を被覆して絶縁超電導線とし、この絶縁超
電導線に融着材を被覆した後、一部の融着材を除去し、
あるいは融着材を成形してなる融着超電導線が提供され
る。この融着超電導線は、断面円形形状の超電導線に絶
縁材を被覆して絶縁超電導線とし、この絶縁超電導線に
融着材を被覆した後、一部の融着材を除去し、あるいは
融着材を成形してなる融着超電導線を製造する融着超電
導線の製造方法において、絶縁材および融着材を予め一
体化して融着材付き絶縁材とした後、融着材付き絶縁材
を超電導線に被覆したものでも、断面平角形形状の超電
導線に絶縁材を被覆して絶縁超電導線とし、絶縁超電導
線に融着材を被覆した融着超電導線において、絶縁超電
導線の一部の平面部の融着材の厚さを他の平面部の厚さ
に比べて小さくまたは0としたことを特徴とする融着超
電導線を製造する融着超電導線の製造方法において、絶
縁材および融着材を予め一体化して融着材付き絶縁材と
した後、融着材付き絶縁材を超電導線に被覆したもので
もよい。
【0032】この発明によれば、剥離やクラックあるい
は摩擦の発生に伴う発熱によるクエンチの発生を抑制し
うる超電導コイルの製造に好適な融着超電導線を提供す
ることができる。
は摩擦の発生に伴う発熱によるクエンチの発生を抑制し
うる超電導コイルの製造に好適な融着超電導線を提供す
ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て添付の図面を用いて説明する。なお、以下の説明で
は、超電導コイルの全体の構造については、図1の従来
の超電導コイルと同様であるため、同一の部分について
は図1と同一の符号を用い、説明を省略する。 (実施の形態1)図1は、本発明の第1の実施の形態の
超電導コイルの巻枠胴部近傍の断面を拡大して示したも
のである。
て添付の図面を用いて説明する。なお、以下の説明で
は、超電導コイルの全体の構造については、図1の従来
の超電導コイルと同様であるため、同一の部分について
は図1と同一の符号を用い、説明を省略する。 (実施の形態1)図1は、本発明の第1の実施の形態の
超電導コイルの巻枠胴部近傍の断面を拡大して示したも
のである。
【0034】本実施の形態の超電導コイル10は、巻枠
2がアルミニウム合金A5056Bによって形成されている。
アルミニウム合金A5056Bは、縦弾性係数80(GPa) 、室
温と温度77(K) 間の熱収縮率は0.4%の物性を有し
ている。巻枠胴部2aの外周面は、対地絶縁物3によっ
て被覆されている。
2がアルミニウム合金A5056Bによって形成されている。
アルミニウム合金A5056Bは、縦弾性係数80(GPa) 、室
温と温度77(K) 間の熱収縮率は0.4%の物性を有し
ている。巻枠胴部2aの外周面は、対地絶縁物3によっ
て被覆されている。
【0035】この対地絶縁物3の外側には、摩擦熱抑制
材料11として離型性を有するシリコーン樹脂、フッ素
樹脂、あるいはパラフィンが厚さ10μm以下に塗布・
硬化されている。摩擦熱抑制材料11は、硬化の後表面
が平準になるまでヘラ等によって強く擦り、あるいはサ
ンドペーパ等で磨いて仕上げられる。他の種類の摩擦熱
抑制材料11としては、対地絶縁物3の外側にシート状
のポリ四フッ化エチレンを粘着させることもできる。
材料11として離型性を有するシリコーン樹脂、フッ素
樹脂、あるいはパラフィンが厚さ10μm以下に塗布・
硬化されている。摩擦熱抑制材料11は、硬化の後表面
が平準になるまでヘラ等によって強く擦り、あるいはサ
ンドペーパ等で磨いて仕上げられる。他の種類の摩擦熱
抑制材料11としては、対地絶縁物3の外側にシート状
のポリ四フッ化エチレンを粘着させることもできる。
【0036】摩擦熱抑制材料11の外側には巻線部4が
形成されている。この巻線部4は、エナメル12を被覆
させた超電導線13に張力を加えながら、巻枠2に複数
列複数層をなすように巻き回した後に、超電導線13の
間に真空加圧含浸の方法で接着用樹脂14を含浸および
硬化させたものである。
形成されている。この巻線部4は、エナメル12を被覆
させた超電導線13に張力を加えながら、巻枠2に複数
列複数層をなすように巻き回した後に、超電導線13の
間に真空加圧含浸の方法で接着用樹脂14を含浸および
硬化させたものである。
【0037】本実施の形態のエナメル被覆超電導線は、
平らな角断面を有している。エナメル12の種類は、ガ
ラス転移温度が110℃ないし120℃のポリビニルホ
ルマールである。また、接着用樹脂14は、加熱硬化性
のエポキシ樹脂である。
平らな角断面を有している。エナメル12の種類は、ガ
ラス転移温度が110℃ないし120℃のポリビニルホ
ルマールである。また、接着用樹脂14は、加熱硬化性
のエポキシ樹脂である。
【0038】超電導線13の巻回後に、本超電導コイル
10に対して熱処理を加える。この熱処理は、接着用樹
脂14を硬化させるとともに、巻枠胴部2aと巻線部4
間の接触面圧を低下させる目的で行われる。本実施の形
態では、超電導コイル10全体80℃で15時間、次に
130℃で10時間の温度を保持する熱処理を行う。
10に対して熱処理を加える。この熱処理は、接着用樹
脂14を硬化させるとともに、巻枠胴部2aと巻線部4
間の接触面圧を低下させる目的で行われる。本実施の形
態では、超電導コイル10全体80℃で15時間、次に
130℃で10時間の温度を保持する熱処理を行う。
【0039】また、本実施の形態の超電導コイル10の
巻枠2は、超電導線13を巻き付ける時に、初期縮みが
小さくなるように、導線の巻回張力に対して相対的に剛
性が高くなるように構成されている。
巻枠2は、超電導線13を巻き付ける時に、初期縮みが
小さくなるように、導線の巻回張力に対して相対的に剛
性が高くなるように構成されている。
【0040】図2は、本実施の形態の超電導コイル10
の巻枠2のみを示している。この巻枠2は、円筒状の巻
枠胴部2aを有し、その両端につば状の巻枠つば部2b
を有している。剛性を高めるために、本巻枠2の巻枠胴
部2aは、厚さdと長さLの関係をd > L/20
にしている。具体的には本実施の形態においては、巻枠
胴部2aの厚さdを10mm、長さLを120mmにしてい
る。
の巻枠2のみを示している。この巻枠2は、円筒状の巻
枠胴部2aを有し、その両端につば状の巻枠つば部2b
を有している。剛性を高めるために、本巻枠2の巻枠胴
部2aは、厚さdと長さLの関係をd > L/20
にしている。具体的には本実施の形態においては、巻枠
胴部2aの厚さdを10mm、長さLを120mmにしてい
る。
【0041】また、超電導線13の巻回張力に対する巻
枠2の剛性を高めるために、巻枠胴部2aの厚さd(m
m) に対して超電導線13の巻回張力F(N) の関係を、
巻線内層部についてd > F/10 にしている。具
体的には、本実施の形態のエナメル超電導線12,13
の巻回張力は、巻枠胴部2aに近い巻線部4の厚さのほ
ぼ1/3を占める巻線内層部に対しては60(N) になる
ようにし、巻枠胴部2aから離れた残りの巻線部4の厚
さの2/3を占める巻線外層部に対しては90(N) とな
るようにしている。
枠2の剛性を高めるために、巻枠胴部2aの厚さd(m
m) に対して超電導線13の巻回張力F(N) の関係を、
巻線内層部についてd > F/10 にしている。具
体的には、本実施の形態のエナメル超電導線12,13
の巻回張力は、巻枠胴部2aに近い巻線部4の厚さのほ
ぼ1/3を占める巻線内層部に対しては60(N) になる
ようにし、巻枠胴部2aから離れた残りの巻線部4の厚
さの2/3を占める巻線外層部に対しては90(N) とな
るようにしている。
【0042】次に、上記構成を有する本実施の形態の超
電導コイル10の作用について、図3を用いて以下に説
明する。熱処理前(左側)と熱処理後(右側)の超電導
コイル10の変化を、超電導コイル10の一部(中心線
に関して片側)によって示している。この超電導コイル
10は、巻枠2を縦弾性係数が50(GPa) 以上の材料に
よって形成し、巻線内層部の巻回張力Fに対して巻枠胴
部2aの厚さdをd > F/10 とし、巻枠胴部2
aの厚さdに対して巻枠胴部2aの長さLをd > L
/20 と短くしたことにより、超電導線13の巻回張
力Fに対して巻枠2の相対的な剛性を高くしている。こ
のため、超電導線13を巻回した際に、巻枠胴部2aが
半径方向内方へ大きく縮むことがない。
電導コイル10の作用について、図3を用いて以下に説
明する。熱処理前(左側)と熱処理後(右側)の超電導
コイル10の変化を、超電導コイル10の一部(中心線
に関して片側)によって示している。この超電導コイル
10は、巻枠2を縦弾性係数が50(GPa) 以上の材料に
よって形成し、巻線内層部の巻回張力Fに対して巻枠胴
部2aの厚さdをd > F/10 とし、巻枠胴部2
aの厚さdに対して巻枠胴部2aの長さLをd > L
/20 と短くしたことにより、超電導線13の巻回張
力Fに対して巻枠2の相対的な剛性を高くしている。こ
のため、超電導線13を巻回した際に、巻枠胴部2aが
半径方向内方へ大きく縮むことがない。
【0043】また、室温と温度77(K) の間の熱収縮率
が0.35%以上の材料によって巻枠2を形成している
ことにより、巻線部4に比して巻枠2の熱膨張率及び熱
収縮率が大きくなっている。このため、温度80℃の熱
処理を行っている間、縮んでいた巻枠胴部2aが対地絶
縁物3を介して巻線部4を半径方向外方へ押し広げる。
また、巻線部4の巻線内層部の超電導線13の巻回張力
Fを小さくしているため、熱処理前は疎に巻かれた巻線
内層部が巻枠胴部2aによって内側から密に圧縮され、
中心部分が拡開した状態になる。この間、接着用樹脂1
4の硬化反応は進行する。
が0.35%以上の材料によって巻枠2を形成している
ことにより、巻線部4に比して巻枠2の熱膨張率及び熱
収縮率が大きくなっている。このため、温度80℃の熱
処理を行っている間、縮んでいた巻枠胴部2aが対地絶
縁物3を介して巻線部4を半径方向外方へ押し広げる。
また、巻線部4の巻線内層部の超電導線13の巻回張力
Fを小さくしているため、熱処理前は疎に巻かれた巻線
内層部が巻枠胴部2aによって内側から密に圧縮され、
中心部分が拡開した状態になる。この間、接着用樹脂1
4の硬化反応は進行する。
【0044】次に、温度130℃の熱処理を行っている
間、巻枠胴部2aが巻線部4を半径方向外方へさらに押
し広げる。このとき、熱処理温度(130℃)は、エナ
メル12のガラス転移温度(110℃ないし120℃)
を超えているため、エナメル12が軟化し、超電導線1
3の巻回張力Fによって変形し、巻線部4の層間が詰ま
った密な状態になる。この間、接着用樹脂14の硬化反
応は終了する。
間、巻枠胴部2aが巻線部4を半径方向外方へさらに押
し広げる。このとき、熱処理温度(130℃)は、エナ
メル12のガラス転移温度(110℃ないし120℃)
を超えているため、エナメル12が軟化し、超電導線1
3の巻回張力Fによって変形し、巻線部4の層間が詰ま
った密な状態になる。この間、接着用樹脂14の硬化反
応は終了する。
【0045】熱処理を終えて超電導コイル10を室温に
戻したとき、巻線部4の内層部分は密に圧縮された状態
のまま半径方向内方へは完全には戻らない。このため、
図3の左側に示すように熱処理前は大きかった巻枠胴部
2aと巻線部4間の接触面圧σr が、図3の右側に示す
ように低下する。
戻したとき、巻線部4の内層部分は密に圧縮された状態
のまま半径方向内方へは完全には戻らない。このため、
図3の左側に示すように熱処理前は大きかった巻枠胴部
2aと巻線部4間の接触面圧σr が、図3の右側に示す
ように低下する。
【0046】さらに、使用時に超電導コイル1の温度が
極低温にまで低下した場合、巻線部4に比して巻枠2が
大きく収縮し、巻線部4と巻枠胴部2aの間が浮いたよ
うな状態になって、接触面圧σr がほぼゼロになる。こ
れによって、巻線部4と巻枠胴部2a間の摩擦熱の発生
を防止して、常電導状態への遷移を抑制することができ
る。
極低温にまで低下した場合、巻線部4に比して巻枠2が
大きく収縮し、巻線部4と巻枠胴部2aの間が浮いたよ
うな状態になって、接触面圧σr がほぼゼロになる。こ
れによって、巻線部4と巻枠胴部2a間の摩擦熱の発生
を防止して、常電導状態への遷移を抑制することができ
る。
【0047】図4は、超電導コイル10と従来の超電導
ソレノイドコイルのトレーニング特性を比較して示した
ものである。図4より明らかなように、本発明の超電導
コイルは、従来例の超電導ソレノイドコイルに比べてク
エンチ電流が高く安定する。 (実施の形態2)図5は、本発明の第2の実施の形態に
よる超電導コイルの巻枠を一部切断して示している。こ
の巻枠15は、円筒状の巻枠胴部15aとその両端のつ
ば状の巻枠つば部15bとからなり、巻枠胴部15aの
中央部につば状の補強部材16を設けている。巻枠つば
部15bと補強部材16は、巻枠胴部15aに対して溶
接あるいは一体成形されている。本実施の形態の巻枠胴
部15aはアルミニウム合金A5056B(JIS)からな
り、巻枠つば部15bおよび補強部材16はアルミニウ
ム合金A5052 (JIS)からなる。
ソレノイドコイルのトレーニング特性を比較して示した
ものである。図4より明らかなように、本発明の超電導
コイルは、従来例の超電導ソレノイドコイルに比べてク
エンチ電流が高く安定する。 (実施の形態2)図5は、本発明の第2の実施の形態に
よる超電導コイルの巻枠を一部切断して示している。こ
の巻枠15は、円筒状の巻枠胴部15aとその両端のつ
ば状の巻枠つば部15bとからなり、巻枠胴部15aの
中央部につば状の補強部材16を設けている。巻枠つば
部15bと補強部材16は、巻枠胴部15aに対して溶
接あるいは一体成形されている。本実施の形態の巻枠胴
部15aはアルミニウム合金A5056B(JIS)からな
り、巻枠つば部15bおよび補強部材16はアルミニウ
ム合金A5052 (JIS)からなる。
【0048】本実施の形態の巻枠15によれば、巻枠胴
部15aの中央部に補強部材16を設けていることによ
り、巻枠胴部15aの剛性を向上させることができる。
また、巻線部4(図示せず)より大きな熱膨張率および
熱収縮率を有する巻枠胴部15aとほぼ同様の材料によ
って補強部材16を形成しているので、昇温・降温の間
は、補強部材16は巻枠胴部15aとともに大きく膨張
・収縮し、巻枠胴部15aと巻線部4の間の接触面圧σ
r を低減させることができる。これによって、本実施の
形態の超電導コイルは、従来の超電導ソレノイドコイル
に比してクエンチ電流が高く安定する。
部15aの中央部に補強部材16を設けていることによ
り、巻枠胴部15aの剛性を向上させることができる。
また、巻線部4(図示せず)より大きな熱膨張率および
熱収縮率を有する巻枠胴部15aとほぼ同様の材料によ
って補強部材16を形成しているので、昇温・降温の間
は、補強部材16は巻枠胴部15aとともに大きく膨張
・収縮し、巻枠胴部15aと巻線部4の間の接触面圧σ
r を低減させることができる。これによって、本実施の
形態の超電導コイルは、従来の超電導ソレノイドコイル
に比してクエンチ電流が高く安定する。
【0049】以上に説明したように、本発明は巻枠胴部
と巻線部の間の接触面圧を低下させることが要部である
が、定格電流時の巻枠胴部のひずみの管理によって間接
的に接触面圧の低減を図ることができる。
と巻線部の間の接触面圧を低下させることが要部である
が、定格電流時の巻枠胴部のひずみの管理によって間接
的に接触面圧の低減を図ることができる。
【0050】図6は、この定格電流時の巻枠胴部のひず
みから見た本発明の超電導コイルと従来の超電導コイル
とを比較したグラフである。図6のグラフは、横軸に電
流Iを示し、縦軸に巻枠胴部のひずみεθを示してい
る。巻枠胴部のひずみεθは、巻枠胴部の内周面複数箇
所にひずみゲージを貼り、電流Iが上昇したときの円周
方向(θ方向)のひずみが最大になったひずみゲージの
測定値をその値とする。
みから見た本発明の超電導コイルと従来の超電導コイル
とを比較したグラフである。図6のグラフは、横軸に電
流Iを示し、縦軸に巻枠胴部のひずみεθを示してい
る。巻枠胴部のひずみεθは、巻枠胴部の内周面複数箇
所にひずみゲージを貼り、電流Iが上昇したときの円周
方向(θ方向)のひずみが最大になったひずみゲージの
測定値をその値とする。
【0051】巻線部と巻枠胴部間の接触面圧σr を低減
させるということは、巻枠胴部の半径方向内方への圧縮
を小さくすることであり、圧縮力が小さくなれば、電流
Iを上昇させたときの巻枠胴部ひずみεθが減少する。
つまり、定格電流時の巻枠胴部ひずみεθを所定値以下
に抑えるということは、巻線部と巻枠胴部の間の接触面
圧σr を低減させることと同値である。
させるということは、巻枠胴部の半径方向内方への圧縮
を小さくすることであり、圧縮力が小さくなれば、電流
Iを上昇させたときの巻枠胴部ひずみεθが減少する。
つまり、定格電流時の巻枠胴部ひずみεθを所定値以下
に抑えるということは、巻線部と巻枠胴部の間の接触面
圧σr を低減させることと同値である。
【0052】このことをふまえて本実施の形態の超電導
コイルは、電流Iを定格値まで上昇させた際のひずみε
θが20×10-6 以下となるように、巻枠の材質ある
いは剛性、超電導線の巻回張力、熱処理の方法等を調整
したものである。本実施の形態による定格電流時の巻枠
胴部ひずみεθを所定値以下に抑えた超電導コイルは、
クエンチ電流が高く安定することが認められる。
コイルは、電流Iを定格値まで上昇させた際のひずみε
θが20×10-6 以下となるように、巻枠の材質ある
いは剛性、超電導線の巻回張力、熱処理の方法等を調整
したものである。本実施の形態による定格電流時の巻枠
胴部ひずみεθを所定値以下に抑えた超電導コイルは、
クエンチ電流が高く安定することが認められる。
【0053】本発明は、本発明の要旨を逸脱しない限
り、上述した各実施態様に限られない。すなわち、巻枠
胴部や巻枠つば部は、円筒形あるいは円環状である必要
はなく、たとえばレーストラック形やD形とすることが
できる。また、エナメル被覆の超電導線の代わりに、自
己融着エナメル超電導線を使用し、接着用樹脂の使用を
省くことができる。また、エナメルの代わりにポリイミ
ド粘着テープやプリプレグガラステープを使用し、接着
用樹脂の使用を省くことができる。また、予め対地絶縁
物の外周面を磨き、磨いた平滑面を摩擦熱抑制材料とみ
なすことができる。
り、上述した各実施態様に限られない。すなわち、巻枠
胴部や巻枠つば部は、円筒形あるいは円環状である必要
はなく、たとえばレーストラック形やD形とすることが
できる。また、エナメル被覆の超電導線の代わりに、自
己融着エナメル超電導線を使用し、接着用樹脂の使用を
省くことができる。また、エナメルの代わりにポリイミ
ド粘着テープやプリプレグガラステープを使用し、接着
用樹脂の使用を省くことができる。また、予め対地絶縁
物の外周面を磨き、磨いた平滑面を摩擦熱抑制材料とみ
なすことができる。
【0054】上記説明から明らかなように、本発明の超
電導コイルによれば、縦弾性係数が50(GPa) 以上、室
温と温度77(K) の間の熱収縮率が0.35%以上の材
料によって巻枠を構成しているので、巻線部より巻枠の
熱膨張率及び熱収縮率が大きく、熱処理を通じて巻枠胴
部が巻線部の内側を拡開させることができる。
電導コイルによれば、縦弾性係数が50(GPa) 以上、室
温と温度77(K) の間の熱収縮率が0.35%以上の材
料によって巻枠を構成しているので、巻線部より巻枠の
熱膨張率及び熱収縮率が大きく、熱処理を通じて巻枠胴
部が巻線部の内側を拡開させることができる。
【0055】また、超電導コイル使用時には、温度が極
低温に低下するために、巻枠胴部が縮んで巻線部との接
触面圧をさらに低減させることができる。
低温に低下するために、巻枠胴部が縮んで巻線部との接
触面圧をさらに低減させることができる。
【0056】これにより、超電導コイル使用時には、巻
線部と巻枠胴部間の接触面圧をほぼゼロにすることがで
き、摩擦熱による超電導コイルの常電導状態への遷移を
効果的に防止する超電導コイルを提供することができ
る。 (実施の形態3)図7ないし図13を参照して本発明の
第3の実施の形態について説明する。図7は実施の形態
3に従って構成された巻線部7の部分断面を示すもので
ある。巻線部20は融着超電導線23を複数列・複数層
に巻回し、後述するように締め付けた状態で熱処理を加
えた後、室温に戻すことによって構成されたものであ
る。図の下側はここには図示していない巻枠胴部2a
(図1参照)に近い内層であり、上側は巻枠胴部2aか
ら離れている外層である。図7の縦方向が層方向であ
り、横方向が列方向である。図7には層間間隙24およ
び列間間隙25が示されている。融着超電導線23は絶
縁超電導線21および融着材22から構成されている。
線部と巻枠胴部間の接触面圧をほぼゼロにすることがで
き、摩擦熱による超電導コイルの常電導状態への遷移を
効果的に防止する超電導コイルを提供することができ
る。 (実施の形態3)図7ないし図13を参照して本発明の
第3の実施の形態について説明する。図7は実施の形態
3に従って構成された巻線部7の部分断面を示すもので
ある。巻線部20は融着超電導線23を複数列・複数層
に巻回し、後述するように締め付けた状態で熱処理を加
えた後、室温に戻すことによって構成されたものであ
る。図の下側はここには図示していない巻枠胴部2a
(図1参照)に近い内層であり、上側は巻枠胴部2aか
ら離れている外層である。図7の縦方向が層方向であ
り、横方向が列方向である。図7には層間間隙24およ
び列間間隙25が示されている。融着超電導線23は絶
縁超電導線21および融着材22から構成されている。
【0057】絶縁超電導線21は断面平角形形状の超電
導線21aおよびそれを被覆するほぼ一様な厚さの絶縁
材21bによって構成されている。絶縁材21bは例え
ばホルマール樹脂またはポリイミドテープなどからなっ
ている。融着材22は例えばフェノキシ樹脂や、半硬化
状態のエポキシ樹脂あるいはホットメルト接着剤から構
成される。この融着材22は後述のごとく絶縁超電導線
21に被覆される。融着材22は巻回後の熱処理による
溶融の後に室温に戻すことによって、または、熱処理時
の硬化作用によって固まった状態になっている。したが
って、隣接する融着超電導線23の相互間は融着材22
で接着されている。
導線21aおよびそれを被覆するほぼ一様な厚さの絶縁
材21bによって構成されている。絶縁材21bは例え
ばホルマール樹脂またはポリイミドテープなどからなっ
ている。融着材22は例えばフェノキシ樹脂や、半硬化
状態のエポキシ樹脂あるいはホットメルト接着剤から構
成される。この融着材22は後述のごとく絶縁超電導線
21に被覆される。融着材22は巻回後の熱処理による
溶融の後に室温に戻すことによって、または、熱処理時
の硬化作用によって固まった状態になっている。したが
って、隣接する融着超電導線23の相互間は融着材22
で接着されている。
【0058】超電導線21aの横断面における四隅の表
面は丸みをもたせた曲面部21cとして構成され、その
他の表面は層間間隙24側の平面部21dおよび列間2
5側の平面部21eとして構成されている。曲面部21
c、平面部21dおよび平面部21eの各表面は粗く形
成される。このように粗い表面とすることにより、平滑
面である場合に比べ超電導線21aと絶縁材21bとの
接着性が向上する。曲面部21cの存在により隣接する
絶縁超電導線21の角部相互間には空所が形成される
が、それらの空所が融着材22で全て満たされることは
なく一部は空洞26として残るように、絶縁超電導線2
1を被覆する融着材22の当初の厚さを調節する(図8
参照)。空洞26の存在により、それに接している融着
材22は容易に収縮し、あるいは膨張することができ
る。層間間隙24側の平面部21dの相互間は厚さ10
0μm以下の融着材22で満たされている。融着材22
は後述するように予め成形されており、巻線部20は後
述するように締め付けているため、列間間隙25側の平
面部25eの相互間には融着材22が介在していない。
面は丸みをもたせた曲面部21cとして構成され、その
他の表面は層間間隙24側の平面部21dおよび列間2
5側の平面部21eとして構成されている。曲面部21
c、平面部21dおよび平面部21eの各表面は粗く形
成される。このように粗い表面とすることにより、平滑
面である場合に比べ超電導線21aと絶縁材21bとの
接着性が向上する。曲面部21cの存在により隣接する
絶縁超電導線21の角部相互間には空所が形成される
が、それらの空所が融着材22で全て満たされることは
なく一部は空洞26として残るように、絶縁超電導線2
1を被覆する融着材22の当初の厚さを調節する(図8
参照)。空洞26の存在により、それに接している融着
材22は容易に収縮し、あるいは膨張することができ
る。層間間隙24側の平面部21dの相互間は厚さ10
0μm以下の融着材22で満たされている。融着材22
は後述するように予め成形されており、巻線部20は後
述するように締め付けているため、列間間隙25側の平
面部25eの相互間には融着材22が介在していない。
【0059】融着超電導線23を巻回するにあたって
は、その巻回張力を内層に比べ中間層から外層では1.
1倍から1.5倍程度に大きくして巻回する。従って融
着超電導線23は内層では外層に比べ相対的に巻回張力
を小さくして巻回されるため、放射方向に広げやすくな
る。しかも、巻線部20は後述するように軸方向(列方
向)に締め付けた状態で固めるので、融着超電導線23
の内層は放射方向に広がる。
は、その巻回張力を内層に比べ中間層から外層では1.
1倍から1.5倍程度に大きくして巻回する。従って融
着超電導線23は内層では外層に比べ相対的に巻回張力
を小さくして巻回されるため、放射方向に広げやすくな
る。しかも、巻線部20は後述するように軸方向(列方
向)に締め付けた状態で固めるので、融着超電導線23
の内層は放射方向に広がる。
【0060】図8は図10中の空洞26およびその近傍
の拡大断面を示すものである。熱処理の温度は融着材2
2の溶融時の粘度が0.5〜5Nsm-2程度に小さくな
るように設定する。このため、融着材22は毛細管現象
で曲面部5c相互間の狭い空間に集まってから固まって
いる。これに伴い、空洞26の角部26aは丸くなって
いる。丸い角部26aは鋭角の角部に比べ応力が低くな
る。
の拡大断面を示すものである。熱処理の温度は融着材2
2の溶融時の粘度が0.5〜5Nsm-2程度に小さくな
るように設定する。このため、融着材22は毛細管現象
で曲面部5c相互間の狭い空間に集まってから固まって
いる。これに伴い、空洞26の角部26aは丸くなって
いる。丸い角部26aは鋭角の角部に比べ応力が低くな
る。
【0061】図9は成形後で、かつ、熱処理を加える前
の融着超電導線23aの横断面を示すものである。融着
超電導線23aの外周部は後述する融着材22の成形に
よって±10μmの寸法精度で仕上げられる。絶縁超電
導線21の曲面部21cおよび平面部21dに位置する
絶縁材21bの上には融着材22aが被覆されている。
これに対し、平面部21eに位置する絶縁材21bの上
には融着材22が薄く被覆されているか、または被覆さ
れていない。
の融着超電導線23aの横断面を示すものである。融着
超電導線23aの外周部は後述する融着材22の成形に
よって±10μmの寸法精度で仕上げられる。絶縁超電
導線21の曲面部21cおよび平面部21dに位置する
絶縁材21bの上には融着材22aが被覆されている。
これに対し、平面部21eに位置する絶縁材21bの上
には融着材22が薄く被覆されているか、または被覆さ
れていない。
【0062】図10は成形する前の融着超電導線23b
の横断面構造を示すものである。この段階では絶縁材2
1bの上に融着材22bがほぼ一様な厚さに被覆されて
いる。
の横断面構造を示すものである。この段階では絶縁材2
1bの上に融着材22bがほぼ一様な厚さに被覆されて
いる。
【0063】図11は融着超電導線およびその成形装置
の部分斜視図である。この成形装置は矢印Pの方向に回
転する複数対の加熱ローラ30を備えている。加熱ロー
ラ30の成形部30aは図9の融着超電導線23aの曲
面部21cおよび平面部21eの形状に合わせてある。
また、成形部30aは図10の融着材22bが軟化する
温度に加熱され、曲面部21cおよび平面部21eを融
着材22bを介して押しつける。加熱ローラ30はその
回転により融着超電導線23を図中の矢印Qの方向に走
行させながら、図10の状態の融着超電導線23bを図
12の状態の融着超電導線23aに成形する。
の部分斜視図である。この成形装置は矢印Pの方向に回
転する複数対の加熱ローラ30を備えている。加熱ロー
ラ30の成形部30aは図9の融着超電導線23aの曲
面部21cおよび平面部21eの形状に合わせてある。
また、成形部30aは図10の融着材22bが軟化する
温度に加熱され、曲面部21cおよび平面部21eを融
着材22bを介して押しつける。加熱ローラ30はその
回転により融着超電導線23を図中の矢印Qの方向に走
行させながら、図10の状態の融着超電導線23bを図
12の状態の融着超電導線23aに成形する。
【0064】図12は融着超電導コイルの締付けおよび
熱処理のために用いる締付け装置40を示すものであ
る。融着超電導コイルは熱処理前にこの締付け装置に装
着された状態で、図示していない加熱炉内に装入され
る。加熱炉の内部温度、すなわち熱処理温度は100〜
250℃に設定され、この温度で融着超電導コイルの巻
線部20に熱処理が加えられる。融着超電導コイルの上
の巻枠つば部2bと巻枠胴部2aおよび下の巻枠つば部
2bとは分割可能に構成されており、上の巻枠つば部2
bは巻枠胴部2aおよび下の巻枠つば部2bに対して下
方に同軸的に動くことができるようになっている。締付
け装置は主に台座部41、巻枠胴部2aの中心孔内に位
置し巻線部20に対する締付けの際の巻枠に対する補強
部材として作用する巻枠補強部15、および上部の巻枠
つば部2bを介して巻線部20を矢印Rで示すように軸
方向に押圧するための押え部43から構成されている。
熱処理のために用いる締付け装置40を示すものであ
る。融着超電導コイルは熱処理前にこの締付け装置に装
着された状態で、図示していない加熱炉内に装入され
る。加熱炉の内部温度、すなわち熱処理温度は100〜
250℃に設定され、この温度で融着超電導コイルの巻
線部20に熱処理が加えられる。融着超電導コイルの上
の巻枠つば部2bと巻枠胴部2aおよび下の巻枠つば部
2bとは分割可能に構成されており、上の巻枠つば部2
bは巻枠胴部2aおよび下の巻枠つば部2bに対して下
方に同軸的に動くことができるようになっている。締付
け装置は主に台座部41、巻枠胴部2aの中心孔内に位
置し巻線部20に対する締付けの際の巻枠に対する補強
部材として作用する巻枠補強部15、および上部の巻枠
つば部2bを介して巻線部20を矢印Rで示すように軸
方向に押圧するための押え部43から構成されている。
【0065】押え部43は図示していないプレス装置に
よって下方に押圧される。ここで巻線部20を軸方向に
押圧することによって融着超電導線23の巻回方向に対
しほぼ垂直な方向に締付け力が作用する。巻枠補強部4
2は融着超電導線23の巻回前に巻枠胴部2aの内側に
押し当てられ、巻枠胴部2aおよび巻線部20が内側に
変形しないように作用する。また、巻枠補強部42は巻
線部7に比べて熱膨張係数の大きな材料、例えば巻枠2
と同じ材質のアルミニウム合金で構成される。そのた
め、巻枠補強部42および巻枠胴部2aは押え部43に
よる押圧の際、巻線部20の内層を放射方向に押し広げ
るように作用する。下の巻枠つば部2bは台座部41に
固定される。下の巻枠つば部2bから巻線部20の端子
44が導出され、その端子44は台座部41に形成され
た孔45内に挿入される。
よって下方に押圧される。ここで巻線部20を軸方向に
押圧することによって融着超電導線23の巻回方向に対
しほぼ垂直な方向に締付け力が作用する。巻枠補強部4
2は融着超電導線23の巻回前に巻枠胴部2aの内側に
押し当てられ、巻枠胴部2aおよび巻線部20が内側に
変形しないように作用する。また、巻枠補強部42は巻
線部7に比べて熱膨張係数の大きな材料、例えば巻枠2
と同じ材質のアルミニウム合金で構成される。そのた
め、巻枠補強部42および巻枠胴部2aは押え部43に
よる押圧の際、巻線部20の内層を放射方向に押し広げ
るように作用する。下の巻枠つば部2bは台座部41に
固定される。下の巻枠つば部2bから巻線部20の端子
44が導出され、その端子44は台座部41に形成され
た孔45内に挿入される。
【0066】以上のように巻線部20を締付けた状態で
加熱し融着材が軟化してから室温に戻した後、締付け装
置を巻線部20から取り外す。そうすると巻線部20の
内層は放射方向に広がった状態で固まるため、巻線部2
0と巻枠胴部2aとの間はほぼ浮いた状態になる。超電
導コイルとして機能させるために極低温に冷却すると、
巻線部20と巻枠胴部2aとの間は両者の熱膨張係数の
差によって完全に浮いた状態になる。しかも融着材22
は列間間隙25側の平面部21eには被覆されておらず
(図12参照)、巻線部20は軸方向に押圧された状態
で固まるため、巻線部20の軸方向(列方向)の剛性が
高くなる。
加熱し融着材が軟化してから室温に戻した後、締付け装
置を巻線部20から取り外す。そうすると巻線部20の
内層は放射方向に広がった状態で固まるため、巻線部2
0と巻枠胴部2aとの間はほぼ浮いた状態になる。超電
導コイルとして機能させるために極低温に冷却すると、
巻線部20と巻枠胴部2aとの間は両者の熱膨張係数の
差によって完全に浮いた状態になる。しかも融着材22
は列間間隙25側の平面部21eには被覆されておらず
(図12参照)、巻線部20は軸方向に押圧された状態
で固まるため、巻線部20の軸方向(列方向)の剛性が
高くなる。
【0067】図13は図7に示した本発明による融着超
電導コイルおよび図21に示した従来技術による融着超
電導コイルにおけるクエンチ電流Iq の測定結果を示す
ものである。本発明による融着超電導コイルは従来技術
によるものに比べてクエンチ電流Iq の値が大きくなっ
ていることを認めることができる。 (実施の形態4)図14は本発明の第4の実施の形態に
よる融着超電導線27の処理方法を説明するものであ
る。この実施の形態において当初は図示のごとく絶縁超
電導線21の全外周面に融着材22が被覆される。列方
向の平面部21eおよび曲面部21cに対し矢印Sで示
すようにまず一方向から砂28を吹き付けることによ
り、一面側の曲面部21cおよび平面部21eの融着材
22を除去する。この後、矢印Sとは反対側から砂28
を吹き付けることにより反対側の曲面部21cおよび平
面部21eの融着材22を除去する。平面部21eの両
面から融着材22を除去した融着超電導線27を図9の
融着超電導線23aの代わりに用いる。この後の処理は
実施の形態3の場合に準じて行われる。この実施の形態
4によっても実施の形態3の場合と同様の作用・効果を
得ることができる。 (実施の形態5)図15は実施の形態5による融着超電
導線31を示すものである。絶縁超電導線21の曲面部
21cから平面部21dにかけて帯状の融着材32が加
熱ローラにより圧着される。このようにして融着材32
を圧着した融着超電導線21を図7の融着超電導線23
aの代わりに用い、実施の形態3または実施の形態4と
同様の作用・効果を得ることができる。 (実施の形態6)図16および図17は実施の形態6に
よる融着超電導線を示すものである。図16は成形後の
融着超電導線33aの断面構造を示し、図17は成形前
の融着超電導線33bを示すものである。図16におい
て、融着超電導線33aの曲面部21cの外周は成形さ
れた融着材34aによって±10μmの寸法精度で仕上
げられている。融着材34aは絶縁超電導線21の曲面
部21cにのみ形成されており、平面部21dおよび2
1eには形成されていない。
電導コイルおよび図21に示した従来技術による融着超
電導コイルにおけるクエンチ電流Iq の測定結果を示す
ものである。本発明による融着超電導コイルは従来技術
によるものに比べてクエンチ電流Iq の値が大きくなっ
ていることを認めることができる。 (実施の形態4)図14は本発明の第4の実施の形態に
よる融着超電導線27の処理方法を説明するものであ
る。この実施の形態において当初は図示のごとく絶縁超
電導線21の全外周面に融着材22が被覆される。列方
向の平面部21eおよび曲面部21cに対し矢印Sで示
すようにまず一方向から砂28を吹き付けることによ
り、一面側の曲面部21cおよび平面部21eの融着材
22を除去する。この後、矢印Sとは反対側から砂28
を吹き付けることにより反対側の曲面部21cおよび平
面部21eの融着材22を除去する。平面部21eの両
面から融着材22を除去した融着超電導線27を図9の
融着超電導線23aの代わりに用いる。この後の処理は
実施の形態3の場合に準じて行われる。この実施の形態
4によっても実施の形態3の場合と同様の作用・効果を
得ることができる。 (実施の形態5)図15は実施の形態5による融着超電
導線31を示すものである。絶縁超電導線21の曲面部
21cから平面部21dにかけて帯状の融着材32が加
熱ローラにより圧着される。このようにして融着材32
を圧着した融着超電導線21を図7の融着超電導線23
aの代わりに用い、実施の形態3または実施の形態4と
同様の作用・効果を得ることができる。 (実施の形態6)図16および図17は実施の形態6に
よる融着超電導線を示すものである。図16は成形後の
融着超電導線33aの断面構造を示し、図17は成形前
の融着超電導線33bを示すものである。図16におい
て、融着超電導線33aの曲面部21cの外周は成形さ
れた融着材34aによって±10μmの寸法精度で仕上
げられている。融着材34aは絶縁超電導線21の曲面
部21cにのみ形成されており、平面部21dおよび2
1eには形成されていない。
【0068】図17は成形する前の融着超電導線33b
を示すものである。絶縁超電導線21の曲面部21cに
紐状の融着材34bが加熱ローラによって圧着されてい
る。融着材34bはガラス繊維あるいはアラミド繊維の
糸にエポキシ樹脂を含浸し、エポキシ樹脂を半硬化状態
に固めたものである。または、溶融したフェノキシ樹脂
やホットメルト接着剤などをノズルから曲面部21cに
押し出して固めたものであってもよい。融着材34bを
加熱ローラで成形すると融着超電導線33bが融着超電
導線33aになる。融着超電導線33aを図9の融着超
電導線23aの代わりに用いても実施の形態1のものと
同様の作用・効果を得ることができる。しかも、融着材
34aは平面部21eにも平面部21dにも形成してい
ないため、固めた巻線部の剛性は列方向に加え層方向に
も高くなる。 (実施の形態7)図18および図19は本発明の実施の
形態5による融着超電導線をを示すものである。図18
は巻線部50の断面構造を示し、図19は熱処理を加え
る前の融着超電導線51aの断面構造を示すものであ
る。図18の巻線部50は融着超電導線51を複数列・
複数層に巻回し、締付けた状態で熱処理を加えた後、室
温に戻したものである。図の下側は図示していない巻枠
胴部2aに近い内層であり、上側は巻枠胴部2aから離
れている外層である。図の縦方向が層方向であり、横方
向が列方向である。図には層間間隙54および列間間隙
55も示されている。融着超電導線51は絶縁超電導線
52および融着材53から構成されている。隣接する融
着超電導線51相互間は融着材53で接着されている。
絶縁超電導線52は超電導線52aおよび絶縁材52b
で構成されており、超電導線52aに絶縁材52bを一
様な厚さに被覆している。
を示すものである。絶縁超電導線21の曲面部21cに
紐状の融着材34bが加熱ローラによって圧着されてい
る。融着材34bはガラス繊維あるいはアラミド繊維の
糸にエポキシ樹脂を含浸し、エポキシ樹脂を半硬化状態
に固めたものである。または、溶融したフェノキシ樹脂
やホットメルト接着剤などをノズルから曲面部21cに
押し出して固めたものであってもよい。融着材34bを
加熱ローラで成形すると融着超電導線33bが融着超電
導線33aになる。融着超電導線33aを図9の融着超
電導線23aの代わりに用いても実施の形態1のものと
同様の作用・効果を得ることができる。しかも、融着材
34aは平面部21eにも平面部21dにも形成してい
ないため、固めた巻線部の剛性は列方向に加え層方向に
も高くなる。 (実施の形態7)図18および図19は本発明の実施の
形態5による融着超電導線をを示すものである。図18
は巻線部50の断面構造を示し、図19は熱処理を加え
る前の融着超電導線51aの断面構造を示すものであ
る。図18の巻線部50は融着超電導線51を複数列・
複数層に巻回し、締付けた状態で熱処理を加えた後、室
温に戻したものである。図の下側は図示していない巻枠
胴部2aに近い内層であり、上側は巻枠胴部2aから離
れている外層である。図の縦方向が層方向であり、横方
向が列方向である。図には層間間隙54および列間間隙
55も示されている。融着超電導線51は絶縁超電導線
52および融着材53から構成されている。隣接する融
着超電導線51相互間は融着材53で接着されている。
絶縁超電導線52は超電導線52aおよび絶縁材52b
で構成されており、超電導線52aに絶縁材52bを一
様な厚さに被覆している。
【0069】この超電導線52aの断面形状は円形であ
り、超電導線52aの表面は全て曲面部52cになって
いる。曲面部52c相互間が全て融着材53で満たされ
ることのないように融着材53の厚さが調節され、融着
材53の熱処理後も結果的に絶縁超電導線52相互間に
空洞56が形成されるようになっている。このようにす
ることにより、空洞56に接している融着材53は容易
に収縮したり膨張したりすることができる。融着材53
は毛細管現象によって曲面部52c相互間の狭い空間に
集まってから固まる。それに伴い空洞56の角部は丸く
なっている。丸い角部は鋭角の角部に比べ応力が低くな
る。
り、超電導線52aの表面は全て曲面部52cになって
いる。曲面部52c相互間が全て融着材53で満たされ
ることのないように融着材53の厚さが調節され、融着
材53の熱処理後も結果的に絶縁超電導線52相互間に
空洞56が形成されるようになっている。このようにす
ることにより、空洞56に接している融着材53は容易
に収縮したり膨張したりすることができる。融着材53
は毛細管現象によって曲面部52c相互間の狭い空間に
集まってから固まる。それに伴い空洞56の角部は丸く
なっている。丸い角部は鋭角の角部に比べ応力が低くな
る。
【0070】図19は熱処理を加える前の融着超電導線
51aを示すものである。融着超電導線51aは図示の
ごとく絶縁材52bの上に融着材53を一様な厚さに被
覆したものである。かくして絶縁超電導線52相互間は
列間間隙55で接するため、接していない場合に比べ巻
線部50の列方向の剛性が高くなる。超電導線52aの
断面形状を円形にしても、空洞56の角部は丸くなって
いる。 (実施の形態8)上述した実施の形態以外の実施の形態
について、すでに参照した図面を流用して説明する。図
7の融着材22を予め一体化しておいても、実施の形態
3と類似の作用・効果を得ることができる。例えば、ガ
ラス繊維を織って作ったテープ状基材にフェノキシ樹脂
を含浸したテープを製作し、このテープを超電導線21
aに被覆して融着超電導線にすることができる。あるい
は、ポリイミドテープの両面にフェノキシ樹脂を塗布し
たテープを製作し、このテープを超電導線21aに被覆
して融着超電導線にすることができる。超電導線21a
は強制冷却導体にしても、実施の形態1と類似の作用・
効果を得ることができる。巻線部7と巻枠胴部1aとの
間に低摩擦係数の離型材を介在させておくと、巻線部2
0と巻枠胴部2aとの間の摩擦あるいは剥離に伴う発熱
量を低減させることができる。 (実施の形態9)実施の形態7までは、融着超電導線を
複数列・複数層に巻回した後、熱処理を加えるものであ
るが、ここでは実施の形態9として、巻回しながら熱処
理を加える超電導コイルについて説明する。巻回しなが
ら熱処理を加えることにより融着材が巻回時に溶融する
ことがないので、巻線部の層間で絶縁超電導線どうしが
直接に接する。そのため、接していない場合に比べ巻線
部の層方向の剛性が高くなる。また熱処理に伴う巻線部
の変位を小さくすることができる。 (実施の形態10)実施の形態7までは融着超電導コイ
ルについて説明したが、ここでは融着材を用いない超電
導コイルについて説明する。巻枠に近い内層に比べ巻枠
から離れた中間層から外層で絶縁超電導線の巻回張力を
大きくする。こうすることにより超電導コイルを励磁し
た際、電磁力は内層を放射方向に広げ、層間を押し付け
る。このため、層間の大きな摩擦や剥離を発生しにくく
することができる。
51aを示すものである。融着超電導線51aは図示の
ごとく絶縁材52bの上に融着材53を一様な厚さに被
覆したものである。かくして絶縁超電導線52相互間は
列間間隙55で接するため、接していない場合に比べ巻
線部50の列方向の剛性が高くなる。超電導線52aの
断面形状を円形にしても、空洞56の角部は丸くなって
いる。 (実施の形態8)上述した実施の形態以外の実施の形態
について、すでに参照した図面を流用して説明する。図
7の融着材22を予め一体化しておいても、実施の形態
3と類似の作用・効果を得ることができる。例えば、ガ
ラス繊維を織って作ったテープ状基材にフェノキシ樹脂
を含浸したテープを製作し、このテープを超電導線21
aに被覆して融着超電導線にすることができる。あるい
は、ポリイミドテープの両面にフェノキシ樹脂を塗布し
たテープを製作し、このテープを超電導線21aに被覆
して融着超電導線にすることができる。超電導線21a
は強制冷却導体にしても、実施の形態1と類似の作用・
効果を得ることができる。巻線部7と巻枠胴部1aとの
間に低摩擦係数の離型材を介在させておくと、巻線部2
0と巻枠胴部2aとの間の摩擦あるいは剥離に伴う発熱
量を低減させることができる。 (実施の形態9)実施の形態7までは、融着超電導線を
複数列・複数層に巻回した後、熱処理を加えるものであ
るが、ここでは実施の形態9として、巻回しながら熱処
理を加える超電導コイルについて説明する。巻回しなが
ら熱処理を加えることにより融着材が巻回時に溶融する
ことがないので、巻線部の層間で絶縁超電導線どうしが
直接に接する。そのため、接していない場合に比べ巻線
部の層方向の剛性が高くなる。また熱処理に伴う巻線部
の変位を小さくすることができる。 (実施の形態10)実施の形態7までは融着超電導コイ
ルについて説明したが、ここでは融着材を用いない超電
導コイルについて説明する。巻枠に近い内層に比べ巻枠
から離れた中間層から外層で絶縁超電導線の巻回張力を
大きくする。こうすることにより超電導コイルを励磁し
た際、電磁力は内層を放射方向に広げ、層間を押し付け
る。このため、層間の大きな摩擦や剥離を発生しにくく
することができる。
【0071】以上説明したように、本発明の融着超電導
コイルにおいては、内層の融着超電導線が放射方向に広
げてあるため、層間に圧縮応力が作用している。この圧
縮応力は層間に熱応力や電磁力が作用した際にも残るた
め、層間は大きく剥離しない。融着超電導線の曲面部相
互間は空洞にしてあり、空洞の角部は丸くしてあるた
め、融着材に作用する熱応力が低減し、大きなクラック
が発生しなくなる。巻線部と巻枠胴部の間は浮いた状態
になるように固めてあるため、強く接した状態を保つよ
うに固めた場合に比べて摩擦熱が小さくなる。また、巻
線部は剛性が高くなるように締付けて固めてあるため、
電磁力で大きく変形せず、巻線部と胴部対地絶縁物の間
の大きな摩擦は発生しなくなる。このように、剥離、ク
ラックあるいは摩擦に伴って大きく発生しないように
し、融着超電導コイルのクエンチ電流が高くなるように
してあるため、安定的に大電流を流すことができる。ま
た、巻線部を固めた後、締付け装置を取り外すため、融
着超電導コイルを小型化することができ、締付け装置を
繰り返し使うことができる。
コイルにおいては、内層の融着超電導線が放射方向に広
げてあるため、層間に圧縮応力が作用している。この圧
縮応力は層間に熱応力や電磁力が作用した際にも残るた
め、層間は大きく剥離しない。融着超電導線の曲面部相
互間は空洞にしてあり、空洞の角部は丸くしてあるた
め、融着材に作用する熱応力が低減し、大きなクラック
が発生しなくなる。巻線部と巻枠胴部の間は浮いた状態
になるように固めてあるため、強く接した状態を保つよ
うに固めた場合に比べて摩擦熱が小さくなる。また、巻
線部は剛性が高くなるように締付けて固めてあるため、
電磁力で大きく変形せず、巻線部と胴部対地絶縁物の間
の大きな摩擦は発生しなくなる。このように、剥離、ク
ラックあるいは摩擦に伴って大きく発生しないように
し、融着超電導コイルのクエンチ電流が高くなるように
してあるため、安定的に大電流を流すことができる。ま
た、巻線部を固めた後、締付け装置を取り外すため、融
着超電導コイルを小型化することができ、締付け装置を
繰り返し使うことができる。
【0072】
【発明の効果】本発明にかかる超電導コイルによれば、
巻枠に超電導線を巻回した後に、巻枠と巻線部を含めて
熱処理をする。本超電導コイルは、巻枠が縦弾性係数が
50(GPa) 以上、室温と温度77(K) の間の熱収縮率が
0.35%以上の材料からなっており、巻枠の熱膨張率
及び熱収縮率が巻線部のそれらより大きく、前記熱処理
中の高温時に巻枠が巻線部を半径方向外方に押し広げ、
熱処理を終えて冷却する時に巻線部より大きく収縮する
ので、この熱膨張率と熱収縮率の差によって巻線部は、
高温時に巻枠によって内側から密に圧縮された状態で接
着用材料を硬化させ、冷却時に半径方向内方へは完全に
は戻らないことによって、巻枠と巻線部間の接触面圧
は、超電導線巻付け時に比べて低下し、摩擦熱の発生を
防止してクエンチの発生を抑制するとともに常電導状態
への遷移を十分に抑制することが可能となる。
巻枠に超電導線を巻回した後に、巻枠と巻線部を含めて
熱処理をする。本超電導コイルは、巻枠が縦弾性係数が
50(GPa) 以上、室温と温度77(K) の間の熱収縮率が
0.35%以上の材料からなっており、巻枠の熱膨張率
及び熱収縮率が巻線部のそれらより大きく、前記熱処理
中の高温時に巻枠が巻線部を半径方向外方に押し広げ、
熱処理を終えて冷却する時に巻線部より大きく収縮する
ので、この熱膨張率と熱収縮率の差によって巻線部は、
高温時に巻枠によって内側から密に圧縮された状態で接
着用材料を硬化させ、冷却時に半径方向内方へは完全に
は戻らないことによって、巻枠と巻線部間の接触面圧
は、超電導線巻付け時に比べて低下し、摩擦熱の発生を
防止してクエンチの発生を抑制するとともに常電導状態
への遷移を十分に抑制することが可能となる。
【0073】巻枠に超電導線を複数層巻回して巻線部を
形成し、巻線部の内層部分に比べて外層部分の巻回張力
を大きくしている。これによって、本超電導コイルの巻
線部は内側部分が比較的疎に巻かれており、熱処理の高
温時に巻線内層部が圧縮されて、巻枠と接触する内側部
分が容易に拡開して、巻枠と巻線部間の接触面圧を低下
させることができる。
形成し、巻線部の内層部分に比べて外層部分の巻回張力
を大きくしている。これによって、本超電導コイルの巻
線部は内側部分が比較的疎に巻かれており、熱処理の高
温時に巻線内層部が圧縮されて、巻枠と接触する内側部
分が容易に拡開して、巻枠と巻線部間の接触面圧を低下
させることができる。
【0074】本発明にかかる超電導コイルによれば、超
電導線をエナメルによって被覆し、熱処理の最高温度を
エナメルのガラス転移温度より高くしているので、熱処
理の最高温度時にエナメルが軟化することにより、超電
導線の層間が密になるように圧縮される。これによっ
て、巻枠と巻線部間の接触面圧が低下し、摩擦熱による
超電導コイルの常電導状態への遷移を十分抑制すること
ができる。
電導線をエナメルによって被覆し、熱処理の最高温度を
エナメルのガラス転移温度より高くしているので、熱処
理の最高温度時にエナメルが軟化することにより、超電
導線の層間が密になるように圧縮される。これによっ
て、巻枠と巻線部間の接触面圧が低下し、摩擦熱による
超電導コイルの常電導状態への遷移を十分抑制すること
ができる。
【0075】本発明に係る超電導コイルによれば、巻枠
胴部の厚さd(mm)と前記巻枠胴部に近い巻線内層部の超
電導線の巻回張力F(N) の関係をd > F/10 と
したことにより、相対的に巻枠胴部の剛性が高くなって
いる。これによって、超電導線を巻回すときに、巻枠胴
部の初期縮みが少なく、熱処理によって巻線部の内側部
分を効果的に拡開させることができる。
胴部の厚さd(mm)と前記巻枠胴部に近い巻線内層部の超
電導線の巻回張力F(N) の関係をd > F/10 と
したことにより、相対的に巻枠胴部の剛性が高くなって
いる。これによって、超電導線を巻回すときに、巻枠胴
部の初期縮みが少なく、熱処理によって巻線部の内側部
分を効果的に拡開させることができる。
【0076】本発明に係る超電導コイルによれば、巻枠
胴部の厚さd(mm)と長さL(mm)の関係をd > L/2
0 としたことにより、巻枠胴部の剛性が高く、超電導
線巻き付け時に巻枠胴部の初期縮みが少ない。これによ
って、熱処理時に剛性の高い巻枠によって巻線部の内側
部分を効果的に拡開させることができる。
胴部の厚さd(mm)と長さL(mm)の関係をd > L/2
0 としたことにより、巻枠胴部の剛性が高く、超電導
線巻き付け時に巻枠胴部の初期縮みが少ない。これによ
って、熱処理時に剛性の高い巻枠によって巻線部の内側
部分を効果的に拡開させることができる。
【0077】本発明に係る超電導コイルによれば、巻枠
胴部に補強部材を設け、この補強部材を巻枠と同様の物
性の材質によって形成している。この補強部材を設ける
ことにより、巻枠胴部の剛性が高くなり、超電導線巻付
け時の巻枠胴部の初期縮みが少なく、熱処理時に巻線部
の内側部分を効果的に拡開させることができる。
胴部に補強部材を設け、この補強部材を巻枠と同様の物
性の材質によって形成している。この補強部材を設ける
ことにより、巻枠胴部の剛性が高くなり、超電導線巻付
け時の巻枠胴部の初期縮みが少なく、熱処理時に巻線部
の内側部分を効果的に拡開させることができる。
【0078】本発明に係る超電導コイルによれば、電流
を定格値まで上昇させた時の前記巻枠胴部のひずみが、
20×10-6 以下となるように巻枠と巻線部を構成し
ている。このように定格電流時の巻枠胴部のひずみを管
理することにより、結局巻枠と巻線部間の接触面圧を管
理することになり、摩擦熱による常電導状態への遷移を
高い確率で防止することができる。
を定格値まで上昇させた時の前記巻枠胴部のひずみが、
20×10-6 以下となるように巻枠と巻線部を構成し
ている。このように定格電流時の巻枠胴部のひずみを管
理することにより、結局巻枠と巻線部間の接触面圧を管
理することになり、摩擦熱による常電導状態への遷移を
高い確率で防止することができる。
【0079】また、本発明にかかる超電導コイルの製造
方法によれば、絶縁超電導線あるいは絶縁超電導線に融
着材を被覆した融着超電導線をそれに張力を加えながら
巻枠に複数列・複数層に巻回して巻線部を形成する超電
導コイルの製造方法において、巻枠に近い内層に比べ巻
枠から離れた中間層から外層にかけて絶縁超電導線の巻
回張力を大きくしており、超電導コイルを励磁した際、
電磁力の作用によりコイルの内層が放射方向に広げら
れ、コイル層間を押し付ける。そのため、コイル層間の
大きな摩擦や剥離が発生しにくくなり、クエンチの発生
を抑制することができる。
方法によれば、絶縁超電導線あるいは絶縁超電導線に融
着材を被覆した融着超電導線をそれに張力を加えながら
巻枠に複数列・複数層に巻回して巻線部を形成する超電
導コイルの製造方法において、巻枠に近い内層に比べ巻
枠から離れた中間層から外層にかけて絶縁超電導線の巻
回張力を大きくしており、超電導コイルを励磁した際、
電磁力の作用によりコイルの内層が放射方向に広げら
れ、コイル層間を押し付ける。そのため、コイル層間の
大きな摩擦や剥離が発生しにくくなり、クエンチの発生
を抑制することができる。
【0080】また、融着超電導線の少なくとも四隅の表
面を曲面部として構成し、曲面部の相互間に非鋭角の空
洞を形成しているので、空洞に接している融着材が容易
に収縮したり膨張したりすることができるので、コイル
を励磁した際の電磁力による巻線部の剥離やクラックの
発生を抑制することができる。
面を曲面部として構成し、曲面部の相互間に非鋭角の空
洞を形成しているので、空洞に接している融着材が容易
に収縮したり膨張したりすることができるので、コイル
を励磁した際の電磁力による巻線部の剥離やクラックの
発生を抑制することができる。
【0081】本発明によれば、巻線部に締付け装置を装
着し、巻線部に熱処理を加えながら、巻線部を内側への
変形を防止しつつ融着超電導線の巻回方向とほぼ垂直な
方向に締付け、熱処理を加えた後、締付け装置を巻線部
から取外すようにしており、巻線部の内層が放射方向に
押し広げられた状態で固まるため、巻線部と巻枠胴部と
の間がほぼ浮いた状態になり、超電導コイルとして極低
温に冷却した時、巻線部と巻枠胴部との間は熱膨張係数
の差によって完全に浮いた状態になる。従って、巻線部
の軸方向の剛性を高め、クエンチ発生の抑制に寄与させ
ることができる。
着し、巻線部に熱処理を加えながら、巻線部を内側への
変形を防止しつつ融着超電導線の巻回方向とほぼ垂直な
方向に締付け、熱処理を加えた後、締付け装置を巻線部
から取外すようにしており、巻線部の内層が放射方向に
押し広げられた状態で固まるため、巻線部と巻枠胴部と
の間がほぼ浮いた状態になり、超電導コイルとして極低
温に冷却した時、巻線部と巻枠胴部との間は熱膨張係数
の差によって完全に浮いた状態になる。従って、巻線部
の軸方向の剛性を高め、クエンチ発生の抑制に寄与させ
ることができる。
【0082】本発明によれば、融着超電導線を巻枠に巻
回して巻線部を形成するに先立って、巻線部と巻枠の間
に低摩擦係数の離型材を介在させており、巻線部と巻枠
胴部との間の摩擦あるいは剥離に伴う発熱量を低減して
クエンチの発生を抑制し、安定的に大電流を流すことが
できる。
回して巻線部を形成するに先立って、巻線部と巻枠の間
に低摩擦係数の離型材を介在させており、巻線部と巻枠
胴部との間の摩擦あるいは剥離に伴う発熱量を低減して
クエンチの発生を抑制し、安定的に大電流を流すことが
できる。
【0083】本発明によれば、絶縁超電導線に融着材を
被覆して融着超電導線とし、この融着超電導線を巻枠に
複数列・複数層に巻回しながら融着材に熱処理を加え、
融着材を溶融させながら巻線部を形成し、融着材を固め
て、隣接する融着超電導線の相互間を接着するようにし
ているので、融着材が超電導線の巻回時に溶融し、巻線
部の層間で絶縁超電導線どうしを直に接触する。そのた
め、巻線部の層方向すなわち放射方向の剛性を向上さ
せ、また、熱処理に伴う巻線部の変位を小さくし、クエ
ンチ発生の抑制に寄与させることができる。
被覆して融着超電導線とし、この融着超電導線を巻枠に
複数列・複数層に巻回しながら融着材に熱処理を加え、
融着材を溶融させながら巻線部を形成し、融着材を固め
て、隣接する融着超電導線の相互間を接着するようにし
ているので、融着材が超電導線の巻回時に溶融し、巻線
部の層間で絶縁超電導線どうしを直に接触する。そのた
め、巻線部の層方向すなわち放射方向の剛性を向上さ
せ、また、熱処理に伴う巻線部の変位を小さくし、クエ
ンチ発生の抑制に寄与させることができる。
【0084】また、本発明によれば断面円形形状の超電
導線に絶縁材を被覆して絶縁超電導線とし、この絶縁超
電導線に融着材を被覆した後、一部の融着材を除去し、
あるいは融着材を成形してなる融着超電導線が提供され
る。この融着超電導線は、断面円形形状の超電導線に絶
縁材を被覆して絶縁超電導線とし、この絶縁超電導線に
融着材を被覆した後、一部の融着材を除去し、あるいは
融着材を成形したものでも、絶縁材および融着材を予め
一体化して融着材付き絶縁材とした後、融着材付き絶縁
材を超電導線に被覆したものでも、断面平角形形状の超
電導線に絶縁材を被覆して絶縁超電導線とし、絶縁超電
導線に融着材を被覆させたものでも、絶縁超電導線の一
部の平面部の融着材の厚さを他の平面部の厚さに比べて
小さくまたは0としたものでもよく、剥離やクラックあ
るいは摩擦の発生に伴う発熱によるクエンチの発生を抑
制しうる超電導コイルの製造に好適となる。
導線に絶縁材を被覆して絶縁超電導線とし、この絶縁超
電導線に融着材を被覆した後、一部の融着材を除去し、
あるいは融着材を成形してなる融着超電導線が提供され
る。この融着超電導線は、断面円形形状の超電導線に絶
縁材を被覆して絶縁超電導線とし、この絶縁超電導線に
融着材を被覆した後、一部の融着材を除去し、あるいは
融着材を成形したものでも、絶縁材および融着材を予め
一体化して融着材付き絶縁材とした後、融着材付き絶縁
材を超電導線に被覆したものでも、断面平角形形状の超
電導線に絶縁材を被覆して絶縁超電導線とし、絶縁超電
導線に融着材を被覆させたものでも、絶縁超電導線の一
部の平面部の融着材の厚さを他の平面部の厚さに比べて
小さくまたは0としたものでもよく、剥離やクラックあ
るいは摩擦の発生に伴う発熱によるクエンチの発生を抑
制しうる超電導コイルの製造に好適となる。
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる超電導コイ
ルの巻枠胴部と巻線部の接触部分を拡大して示した断面
図。
ルの巻枠胴部と巻線部の接触部分を拡大して示した断面
図。
【図2】本発明の超電導コイルの巻枠のみを一部切断し
て示した図。
て示した図。
【図3】熱処理前と熱処理後の巻線部と巻枠胴部間の接
触面圧の変化を説明した図。
触面圧の変化を説明した図。
【図4】本発明の超電導コイルと従来の超電導ソレノイ
ドコイルのトレーニング特性を比較して示したグラフ。
ドコイルのトレーニング特性を比較して示したグラフ。
【図5】補強部材を設けた本発明の第2の実施の形態に
かかる超電導コイルの巻枠を一部切断して示した図。
かかる超電導コイルの巻枠を一部切断して示した図。
【図6】定格電流時の巻枠のひずみを所定値以下とした
本発明の超電導コイルと、従来の超電導ソレノイドコイ
ルの通電時の巻枠ひずみとを比較して示したグラフ。
本発明の超電導コイルと、従来の超電導ソレノイドコイ
ルの通電時の巻枠ひずみとを比較して示したグラフ。
【図7】本発明の第3の実施の形態による巻線部の部分
断面図。
断面図。
【図8】図7における空洞およびその近傍の断面図。
【図9】図7に示す融着超電導線の成形後であって熱処
理を加える前の状態を示す断面図。
理を加える前の状態を示す断面図。
【図10】図7に示す融着超電導線の成形前の状態を示
す断面図。
す断面図。
【図11】図7に示す融着超電導線およびその成形装置
の部分斜視図。
の部分斜視図。
【図12】熱処理時の融着超電導コイルおよびその締付
け装置の断面図。
け装置の断面図。
【図13】図7に示す本発明の実施の形態および図21
に示す従来技術による両融着超電導コイルにおけるクエ
ンチ電流の測定結果を示すグラフ。
に示す従来技術による両融着超電導コイルにおけるクエ
ンチ電流の測定結果を示すグラフ。
【図14】第4の実施の形態による融着超電導線の断面
図。
図。
【図15】第5の実施の形態による融着超電導線の断面
図。
図。
【図16】第6の実施の形態による融着超電導線の断面
図。
図。
【図17】図7の融着超電導線の成形前の状態を示す断
面図。
面図。
【図18】第7の実施の形態による巻線部の部分断面
図。
図。
【図19】図12の巻線部における熱処理を加える前の
融着超電導線の断面図。
融着超電導線の断面図。
【図20】従来の超電導コイルを一部切断して示した斜
視図。
視図。
【図21】図21における巻線部の部分断面図。
【図22】熱処理を加える前の融着超電導線の断面図。
1 超電導コイル 2 巻枠 2a 巻枠胴部 2b 巻枠つば部 3a 胴部対地絶縁物 3b つば部対地絶縁物 4 巻線部 5 絶縁超電導線 6 融着超電導線 11 摩擦抑制材料 12,13 超電導線 14 接着用樹脂 15 巻枠 16 補強部材 20 巻線部 21 絶縁超電導線 22 融着材 23 融着超電導線 24 層間間隙 25 列間間隙 26 空洞 27 融着超電導線 28 砂 30 加熱ローラ 31 融着超電導線 32 融着材 33 融着超電導線 34 融着材 40 締付け装置 50 巻線部 51 超電導線 52 絶縁超電導線 53 融着材 54 層間間隙 55 列間間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土 橋 隆 博 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 田 中 朗 雄 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 小 林 孝 幸 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 村 井 成 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 関 谷 洋 紀 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 蛭 町 多美子 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 三 井 久 安 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内
Claims (23)
- 【請求項1】縦弾性係数が50(GPa) 以上、室温と温度
77(K) の間の熱収縮率が0.35%以上の材料からな
る巻枠と、 絶縁材料で被覆された超電導線と、 前記巻枠の外周に、絶縁材料で被覆された超電導線を張
力を加えながら巻回して形成された巻線部と、 を備え、前記超電導線間に接着用材料を含浸させ、熱処
理によって前記接着用材料を硬化させるとともに、前記
巻線部と前記巻枠間の接触面圧を低下させたことを特徴
とする超電導コイル。 - 【請求項2】前記巻線部は前記巻枠の外周に複数層をな
すように前記超電導線を巻回して形成され、 この巻線部の前記巻枠から離れた外層部分の超電導線の
巻回張力は、前記巻枠に近い前記巻線部の内層部分の超
電導線の巻回張力に比べて大きくしたことを特徴とする
請求項1に記載の超電導コイル。 - 【請求項3】前記超電導線はエナメルによって被覆さ
れ、前記熱処理の最高温度は前記エナメルのガラス転移
温度以上に高く設定されたとを特徴とする請求項1に記
載の超電導コイル。 - 【請求項4】前記巻枠は胴部とつば部からなり、前記巻
枠胴部の厚さd(mm)と前記巻枠胴部に近い巻線内層部の
超電導線の巻回張力F(N) の関係を、d > F/10
としたことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイ
ル。 - 【請求項5】前記巻枠は胴部とつば部からなり、前記巻
枠胴部の厚さd(mm)と長さL(mm)の関係を、d > L
/20 としたことを特徴とする請求項1に記載の超電
導コイル。 - 【請求項6】前記巻枠は胴部とつば部からなり、前記巻
枠胴部に補強部材を設け、この補強部材を、縦弾性係数
が50(GPa) 以上、室温と温度77(K) の間の熱収縮率
が0.35%以上の材料によって形成したことを特徴と
する請求項1に記載の超電導コイル。 - 【請求項7】電流を定格値まで上昇させた時の前記巻枠
胴部のひずみが20×10-6 以下となるように前記巻
枠と巻線部を構成したことを特徴とする請求項1に記載
の超電導コイル。 - 【請求項8】絶縁超電導線をそれに張力を加えながら巻
枠に複数列・複数層に巻回して巻線部を形成する超電導
コイルの製造方法において、巻枠に近い内層に比べ巻枠
から離れた中間層から外層にかけて絶縁超電導線の巻回
張力を大きくすることを特徴とする超電導コイルの製造
方法。 - 【請求項9】絶縁超電導線に融着材を被覆して融着超電
導線とし、この融着超電導線をそれに張力を加えながら
巻枠に複数列・複数層に巻回して巻線部を形成し、融着
材に熱処理を加えて溶融した後、融着材を固めて隣接す
る融着超電導線の相互間を接着することを特徴とする請
求項8に記載の超電導コイルの製造方法。 - 【請求項10】融着超電導線の少なくとも四隅の表面を
曲面部として構成し、曲面部の相互間に非鋭角の空洞を
形成することを特徴とする請求項9に記載の超電導コイ
ルの製造方法。 - 【請求項11】巻線部に締付け装置を装着し、巻線部に
熱処理を加えながら、巻線部を内側への変形を防止しつ
つ融着超電導線の巻回方向とほぼ垂直な方向に締付け、
熱処理を加えた後、締付け装置を巻線部から取外すこと
を特徴とする請求項9に記載の超電導コイルの製造方
法。 - 【請求項12】融着超電導線を巻枠に巻回して巻線部を
形成するに先立って、巻線部と巻枠の間に低摩擦係数の
離型材を介在させることを特徴とする請求項9に記載の
融着超電導コイルの製造方法。 - 【請求項13】断面円形形状の超電導線に絶縁材を被覆
して絶縁超電導線とし、この絶縁超電導線に融着材を被
覆した後、一部の融着材を除去し、あるいは融着材を成
形して融着超電導線とし、この融着超電導線をそれに張
力を加えながら巻枠に複数列・複数層に巻回して巻線部
を形成し、融着材に熱処理を加えて溶融した後、融着材
を固めて隣接する融着超電導線の相互間を接着すること
を特徴とする請求項8に記載の超電導コイルの製造方
法。 - 【請求項14】断面平角形形状の超電導線に絶縁材を被
覆して絶縁超電導線とし、絶縁超電導線に融着材を被覆
した融着超電導線において、絶縁超電導線の一部の平面
部の融着材の厚さを他の平面部の厚さに比べて小さくま
たは0としたことを特徴とする融着超電導線とし、この
融着超電導線をそれに張力を加えながら巻枠に複数列・
複数層に巻回して巻線部を形成し、融着材に熱処理を加
えて溶融した後、融着材を固めて隣接する融着超電導線
の相互間を接着することを特徴とする請求項8に記載の
超電導コイルの製造方法。 - 【請求項15】断面平角形形状の超電導線に絶縁材を被
覆して絶縁超電導線とし、この絶縁超電導線の表面の一
部に帯状または紐状の融着材を圧着した融着超電導線と
し、この融着超電導線をそれに張力を加えながら巻枠に
複数列・複数層に巻回して巻線部を形成し、融着材に熱
処理を加えて溶融した後、融着材を固めて隣接する融着
超電導線の相互間を接着することを特徴とする請求項8
に記載の超電導コイルの製造方法。 - 【請求項16】絶縁超電導線に融着材を被覆して融着超
電導線とし、この融着超電導線を巻枠に複数列・複数層
に巻回しながら融着材に熱処理を加え、融着材を溶融さ
せながら巻線部を形成し、融着材を固めて、隣接する融
着超電導線の相互間を接着する超電導コイルの製造方
法。 - 【請求項17】融着超電導線を巻枠に巻回して巻線部を
形成するに先立って、巻線部と巻枠の間に低摩擦係数の
離型材を介在させることを特徴とする請求項16に記載
の融着超電導コイルの製造方法。 - 【請求項18】断面円形形状の超電導線に絶縁材を被覆
して絶縁超電導線とし、この絶縁超電導線に融着材を被
覆した後、一部の融着材を除去し、あるいは融着材を成
形してなる融着超電導線。 - 【請求項19】断面円形形状の超電導線に絶縁材を被覆
して絶縁超電導線とし、この絶縁超電導線に融着材を被
覆した後、一部の融着材を除去し、あるいは融着材を成
形してなる融着超電導線を製造する融着超電導線の製造
方法において、絶縁材および融着材を予め一体化して融
着材付き絶縁材とした後、融着材付き絶縁材を超電導線
に被覆して融着超電導線とすることを特徴とする融着超
電導線の製造方法。 - 【請求項20】断面平角形形状の超電導線に絶縁材を被
覆して絶縁超電導線とし、絶縁超電導線に融着材を被覆
した融着超電導線において、絶縁超電導線の一部の平面
部の融着材の厚さを他の平面部の厚さに比べて小さくま
たは0としたことを特徴とする融着超電導線。 - 【請求項21】断面平角形形状の超電導線に絶縁材を被
覆して絶縁超電導線とし、絶縁超電導線に融着材を被覆
した融着超電導線において、絶縁超電導線の一部の平面
部の融着材の厚さを他の平面部の厚さに比べて小さくま
たは0としたことを特徴とする融着超電導線を製造する
融着超電導線の製造方法において、絶縁材および融着材
を予め一体化して融着材付き絶縁材とした後、融着材付
き絶縁材を超電導線に被覆して融着超電導線とすること
を特徴とする融着超電導線の製造方法。 - 【請求項22】断面平角形形状の超電導線に絶縁材を被
覆して絶縁超電導線とし、この絶縁超電導線の表面の一
部に帯状または紐状の融着材を圧着した融着超電導線。 - 【請求項23】断面平角形形状の超電導線に絶縁材を被
覆して絶縁超電導線とし、この絶縁超電導線の表面の一
部に帯状または紐状の融着材を圧着した融着超電導線を
製造する融着超電導線の製造方法において、絶縁材およ
び融着材を予め一体化して融着材付き絶縁材とした後、
融着材付き絶縁材を超電導線に被覆して融着超電導線と
することを特徴とする融着超電導線の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7257980A JPH08172013A (ja) | 1994-10-04 | 1995-10-04 | 超電導コイルおよびその製造方法並びに超電導ワイヤ |
Applications Claiming Priority (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23993694 | 1994-10-04 | ||
| JP6-257045 | 1994-10-21 | ||
| JP6-239936 | 1994-10-21 | ||
| JP25704594 | 1994-10-21 | ||
| JP7257980A JPH08172013A (ja) | 1994-10-04 | 1995-10-04 | 超電導コイルおよびその製造方法並びに超電導ワイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08172013A true JPH08172013A (ja) | 1996-07-02 |
Family
ID=27332753
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7257980A Pending JPH08172013A (ja) | 1994-10-04 | 1995-10-04 | 超電導コイルおよびその製造方法並びに超電導ワイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08172013A (ja) |
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1995
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