JPH08207324A - 記録装置及び記録方法 - Google Patents

記録装置及び記録方法

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Publication number
JPH08207324A
JPH08207324A JP3932595A JP3932595A JPH08207324A JP H08207324 A JPH08207324 A JP H08207324A JP 3932595 A JP3932595 A JP 3932595A JP 3932595 A JP3932595 A JP 3932595A JP H08207324 A JPH08207324 A JP H08207324A
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JP
Japan
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recording
head
dye
recording material
recording medium
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Application number
JP3932595A
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English (en)
Inventor
Koji Yui
康二 油井
Hiroyuki Shioda
裕之 塩田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 記録材である染料を有する記録ヘッド60を被
記録体である印画紙50に対し相対的に移動させながら、
染料32を印画紙50へ飛翔させて付着させるように構成さ
れ、記録ヘッド60と印画紙50との少なくとも一方が水平
方向に対し傾斜しているプリンタヘッド又はプリンタ。 【効果】 熱転写記録方式の特長を生かしながら、濃度
変調により長く延びた飛翔記録材のドットを被記録体上
の同一位置に確実に転写させ、ドット形状を均一化(従
って、濃度の適正化)を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録装置及び記録方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、テレビジョン、コ
ンピュータグラフィクス等の画像記録において、モノカ
ラーの記録は勿論のこと、ハードコピーのカラー化に対
するニーズが高まっている。これに対応して、色々な方
式のプリンタが開発され、様々な分野に展開している。
【0003】これらの記録方式の中で、適当なバインダ
樹脂中に高濃度の転写染料が分散してなるインク層が塗
布されたインクシートと、転写された染料を受容する染
着樹脂がコーティングされた印画紙等の被転写体とを一
定の圧力で密着させ、インクシート上に位置する感熱記
録ヘッドから画像情報に応じた熱を加え、この加熱に応
じてインクシートから染料受容層に転写染料を熱転写さ
せる方式がある。
【0004】上記の操作を例えば、減法混色の三原色で
あるイエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号
についてそれぞれ繰り返すことによって、フルカラー画
像を得るようにしたいわゆる熱転写方式は、小型化、保
守が容易で、即時性を備え、銀塩カラー写真並の高品位
な画像を得る優れた技術として注目を集めてはいる。
【0005】図12は、こうした熱転写方式のプリンタの
要部の概略正面図である。このプリンタによれば、感熱
記録ヘッド(以下、サーマルヘッドと称する。)1とプ
ラテンローラ3とが対向し、これらの間に、ベースフィ
ルム12b上にインク層12aを設けたインクシート12と、
紙40b上に染着樹脂層(染料受容層)40aを設けた被記
録紙(被転写体)40とが挟着された状態で、プラテンロ
ーラ3によってサーマルヘッド1に押し付けられる。
【0006】そして、サーマルヘッド1によって選択的
に加熱されたインク層12a中のインク(転写染料)が、
被転写体20の染着樹脂層20aにドット状に転写され、熱
転写記録が遂行される。このような熱転写記録には、一
般に、長手状のサーマルヘッドを被記録紙走行方向に直
交させて固定して配したライン方式や、サーマルヘッド
を記録紙走行方向に直交する方向に往復動させるシリア
ル方式が採用されている。
【0007】
【発明に至る経過】ところで、本出願人は、上記した如
き熱転写記録方式の利点を生かしつつ、廃棄物及び転写
エネルギーを低減し、プリンタを小型、軽量化するため
に、図13及び図14に示すような非接触方式の染料気化型
レーザビームプリンタ(LBP)を既に提案した。但
し、図面にはプリンタの各部分は概略的に示し、そのサ
イズ等は実際のものに比べて異なって示されている(以
下、同様)。
【0008】この記録方式によれば、熱溶融性の染料層
を例えばイエロー、マゼンタ、シアン用の各気化部17
Y、17M、17Cに有する記録ヘッド(例えばシリアル型
のプリンタヘッド)40と、気化した(或いは昇華した)
染料32を受容する受容層を持つ被記録体(印画紙)50と
の間に長さL’の微小空隙17aを設けている。
【0009】このプリンタの印画動作を行うための機構
としては、印画紙50を紙搬送ローラ100 と101 によって
Y方向に紙送りする。そして、気化ヘッド40は、紙送り
方向と直交する方向X(水平方向)に往復移動するよう
に、プーリ103 と104 に掛けられた駆動ベルト102 に取
り付ける。即ち、駆動モータ(図示省略)によってプー
リ104 に伝達された回転駆動力をベルト102 で直線運動
に変換し、気化ヘッド40をガイドロッド107 に沿って往
復運動させる。なお、図中の108 は、被記録体である印
画紙50の有無を検出する光学式センサである。
【0010】気化ヘッド40には、各色の染料気化部17
Y、17M、17Cに対応して、イエロー色染料タンク15
Y、マゼンタ色染料タンク15M、シアン色染料タンク15
Cがあり、印画時に染料を供給する構造が設けられてい
る。また、各気化部には画素に対応した染料加熱部があ
り、画素情報によって加熱制御を行うためのヘッドコン
トロール部105 にフレキシブルハーネス106 によって接
続されている。
【0011】実際の印画動作においては、気化ヘッド40
を所定の位置からX方向に走査しながら、気化部より染
料を気化させ、被転写紙50に定着させていく。所定の画
素数の印画を終了したならば、被転写紙50を紙送りロー
ラ100 、101 で画素数分の長さだけ送り、気化ヘッド40
を再度移動させながら、気化した染料を被転写紙50に定
着させる。こうした動作を所定の画素数分繰り返す。
【0012】図14には、気化部17と被転写紙50との間に
空隙17aを設けた状態を示したが、この空隙の長さL’
は1μm〜1mm、特に 100μmが以下が好ましく、こ
の間隔を保持しながら気化ヘッド40を移動させる必要が
ある。
【0013】図15は、濃度階調を出すための方法を示
す。即ち、気化部17と被転写紙50との隙間L’において
気化部17より気化した染料32は、気化部を加熱する時間
又は回数によってその画素情報と対応した制御が行われ
る。つまり、濃度の変化はその加熱時間に対応している
ため、気化染料32の長さlに対応する。
【0014】従って、濃度が高い画素32aを形成する気
化染料32の長さlaは長く、濃度が低くなるに伴って、
気化染料の長さは短くなり、濃度32b→32c→32dの順
に対応して気化染料32の長さはlb→lc→ldと順次
短かくなっていく。
【0015】但し、図15は、気化ヘッド40が静止した状
態での転写状況を示しているが、実際には図16に示すよ
うに、気化染料32には気化時にD方向(気化方向)に力
が与えられて気化し、この力と気化ヘッド40のX方向の
移動に伴うC方向の力が生じ、これらのベクトルが合成
された方向Eに気化染料32が飛翔することになる。
【0016】図17は、気化ヘッド40の移動による気化染
料32の状況を示す。まず、気化ヘッド40がX方向に移動
しながら加熱を開始すると、(17−a)のように、気化
染料32はある範囲まで広がって斜め方向に発射される。
この場合、図16に示した現象によって気化染料32の発射
角度はヘッド移動方向Xへ傾く。
【0017】気化部17の加熱時間は、形成される画素の
濃度によって制御されるので、気化染料32は加熱時間と
共に上昇しながら連続的に連なっていき、(17−b)→
(17−c)のように斜めに長く延びていく。この状態で
加熱を終了すると、(17−d)に示すように加熱による
上昇気流の影響を受け、F方向(上昇気流方向)に斜め
のまま被転写紙50に付着し、あたかも投影像の如くに定
着されてしまう。
【0018】この結果、32a’のように、気化染料32は
気化部17と同一位置に定着しないことになり、濃度の高
い画素ほど濃度は低くなり、画素形状も所定の画素より
も大きくなってしまう。
【0019】即ち、通常、転写した染料の濃度階調を得
るためには、発熱体等への通電時間や通電回数で変調し
て制御するため、濃度の高いドットは気化開始から気化
終了までの間が長く、形状的には図15に示したように円
柱状の形となり、その円柱形状の高さが濃度の階調を表
すことになる。このため、ヘッドの移動に伴う移動方向
のベクトルと、気化する際にヘッド移動方向に対して垂
直に働くベクトルとの合成で、図17の(17−c)のよう
に円柱形状は移動方向に傾斜した形となり、この形のま
ま上昇気流で被転写紙50に転写されると、図17の(17−
d)のように転写後のドット形状は投影像のように長円
形状となってしまう。
【0020】これでは、適正な濃度が得られず、また、
濃度によってドット形状や大きさが変化してしまう。こ
れによって、画像の品質が低下する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した熱転写記録方式や染料気化型記録方式の特長を生か
しながら、常に適正な濃度で所定位置に目的とする形
状、大きさに記録を行うことができ、転写効率の向上と
画素形状の均一化によって画像品質を向上させることが
できる記録装置及び記録方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、記録材
を有する記録ヘッドを被記録体に対し相対的に移動させ
ながら、前記記録材を前記被記録体へ飛翔させてこの被
記録体に付着させるように構成され、前記記録ヘッドと
前記被記録体との少なくとも一方が水平方向に対し傾斜
している記録装置に係るものである。
【0023】この記録装置によれば、記録ヘッドの相対
的移動方向と記録材の飛翔方向と上昇気流方向との各ベ
クトルの合成によって、被記録体への記録材の付着位置
を制御することができるので、濃度変調により長く延び
た飛翔記録材のドットを被記録体上の同一位置に確実に
転写させ、ドット形状を均一化(従って、濃度の適正
化)を実現できることになる。
【0024】この記録装置においては、記録ヘッドと被
記録体との間隔をほぼ一定に保持しながら記録ヘッドを
移動させること(即ち、同一条件で形成されるドットが
常に一定のサイズで場所によって異なることなく形成さ
れること)、特にヘッド初期位置から斜め上方(重力と
反対方向)に記録ヘッド及び被記録体を傾斜させてヘッ
ドを移動させることが望ましい。
【0025】この場合、実際には、気化ヘッドを走査さ
せて数ドットずつ染料を気化させ、転写するが、被記録
体表面とヘッド走査面とが平行を保ち、印画方向(水平
方向)に対して上向きに被記録体面を傾斜させると共
に、ヘッドからの記録材(染料)の飛翔方向が被記録体
(被転写紙)に対しほぼ直交している。
【0026】本発明の記録装置において、記録ヘッドの
相対的移動方向の上流側にて記録ヘッドに上昇気流安定
化用の切欠きが設けられているのがよい。
【0027】即ち、気化後のドット(転写前)はヒータ
等による加熱で生じる上昇気流により移動するため、効
率の良い空気の流れがないと安定した転写が行われず、
画像品質を低下させ易いが、必要な空気の流れを効率良
く発生させるために、上記の上昇気流安定化用の切欠き
(例えば、印画方向に対して後方(上流側)の気化部近
傍を切欠いて形成された切欠き)によってヘッド周辺の
空気を取り入れ易くする構造となる。従って、気化後の
ドット(転写前)が効率の良い空気の流れにより安定し
てギャップ間を移動することができる。
【0028】また、本発明の記録装置において、記録ヘ
ッドの相対的移動方向の下流側にて記録ヘッドの記録材
飛翔部の近傍に空気流入防止用の遮蔽物が設けられてい
るのがよい。
【0029】即ち、ヘッド移動によって気流の乱れが発
生すると、気化後のドットが乱れて転写後のドット形状
に悪影響を及ぼし、画像品質を低下させ易いが、上記の
空気流入用の遮蔽物を設けることによって、気流のベク
トルを上向きに保ち、安定した上昇気流が生じ、気化後
のドット(転写前)を乱すことがなく、安定した転写を
可能とする。
【0030】また、上記した作用、効果は、記録材の飛
翔方向を被記録体に対し斜め(即ち、直交しない方向)
に向けるようにした記録装置によっても得ることができ
る。
【0031】即ち、このような記録装置では、記録材を
有する記録ヘッドを被記録体に対し相対的に移動させな
がら、前記記録材を前記被記録体へ飛翔させてこの被記
録体に付着させるように構成され、前記記録ヘッドと前
記被記録体との間隔をほぼ一定に保持し、前記記録ヘッ
ドからの前記記録材の飛翔方向が前記被記録体に対し直
交していない。
【0032】この記録装置によれば、上記したと同様
に、記録ヘッドの相対的移動方向と記録材の飛翔方向と
上昇気流方向との各ベクトルの合成によって、被記録体
への記録材の付着位置を制御することができるので、同
様の作用、効果を得ることができる。
【0033】具体的には、記録ヘッドからの記録材の飛
翔方向が記録ヘッドの移動方向に対しこの移動の下流側
にて鈍角をなしているので、上記のベクトルの合成にお
いて、記録材の飛翔方向のベクトルが上流側に傾いてい
て上記の合成されたベクトルの向きをできるだけ被記録
体の面に直交するようにできる。従って、被記録体に対
するドットの拡がりを抑制し、その形状を均一化でき
る。
【0034】本発明の記録装置は、記録材が気化又はア
ブレーションし、記録材と非接触状態で対向配置された
被記録体へ飛翔するように構成するのが望ましい。即
ち、間隙を通して記録材を被記録体に飛翔させるように
構成されるのがよく、既述した非接触方式の染料気化型
プリンタ用の記録ヘッドに好適である。
【0035】なお、本発明の記録装置は、上述したプリ
ンタヘッドの如き記録ヘッドのみならず、この記録ヘッ
ドを組み込んだプリンタも包含する概念である(以下、
同様)。
【0036】本発明はまた、上記の本発明の記録装置を
使用する記録方法として、記録材を有する記録ヘッドを
被記録体に対し相対的に移動させながら、前記記録材を
前記被記録体へ飛翔させてこの被記録体に付着させるに
際し、前記記録ヘッドと前記被記録体との少なくとも一
方を水平方向に対し傾斜させ、前記記録ヘッドの前記相
対的移動方向と前記記録材の飛翔方向と上昇気流方向と
の各ベクトルの合成によって、前記被記録体への前記記
録材の付着位置を制御する記録方法も提供するものであ
る。
【0037】この記録方法においては、上記したと同様
の理由から、記録ヘッドと被記録体との間隔をほぼ一定
に保持しながら記録ヘッドを移動させる(この場合、記
録ヘッドからの記録材の飛翔方向を被記録体に対しほぼ
直交させる)のがよい。
【0038】また、記録ヘッドの相対的移動方向の上流
側にて上昇気流を安定化させること、記録ヘッドの相対
的移動方向の下流側にて空気の流入を防止することが望
ましい。
【0039】そして、記録材を気化又はアブレーション
させ、記録材と非接触状態で対向配置された被記録体へ
飛翔させることが望ましい。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明が以下の実施例のみに限定されるもので
ないことは勿論である。
【0041】図1〜図11は、本発明を非接触方式の染料
気化型プリンタ(例えばビデオプリンタ:以下、同様)
に適用した実施例を示すものである。
【0042】本発明に基づく気化ヘッド及びこれを組み
込んだプリンタは、図1に概略的に示すように、ヘッド
60と被転写紙(印画紙)50とが水平方向に対し角度θで
傾斜し、特に印画時のヘッド走査方向Aが水平方向に対
し上向きになっていることを特徴としている。
【0043】従って、ヘッド60の染料飛翔面17’と印画
紙50の染料転写面50’とが共に角度θで傾斜していると
同時に、ヘッド60と印画紙50との鉛直方向の距離をLと
したときに、ヘッド60と印画紙50との間隔(Lcos θ)
を保持しながら染料32を気化させる。この間隔の保持に
よって、ヘッド60の走査時に染料転写を場所的に一様に
行うことができる。
【0044】このように、ヘッド60と印画紙50とを傾け
ることによって、ヘッド移動方向Aと染料飛翔方向Iと
加熱による上昇気流方向Fとの各ベクトルが合成される
ために、例えば図1の(1−a)の状態から(1−b)
に示すように気化した染料32がヘッド移動時の上記した
合成力で垂直方向(鉛直方向とは逆方向)に発射された
場合、加熱終了後の気化染料32は上昇気流方向Fの力で
垂直方向へ移動し、被転写紙50に対して定着していく。
【0045】このときに得られる画素32’は図1の(1
−c)のようにヘッド静止状態での画素よりも多少大き
くはなるが、濃度による画素の大きさは均一となるため
問題ない。また、投影像としてのドット面積も図17に示
したものよりも小さくなる。
【0046】このように、図1に示した例によれば、気
化後のドット(転写前)が被転写紙50の所定の同一位置
に常に形成(吸収)されるため、転写効率が向上する。
また、画素形状が均一化されるため、画像のボケがなく
なり、画質が向上する。
【0047】この例においては、上記した作用、効果を
得る上で、上記の傾斜角θは0〜45°であればよく、10
〜40°がよく、20〜35°が更によい。例えば、θ=30°
とするのがよい。
【0048】また、被転写紙50上には、ドット径が 100
μmで光学濃度(O.D.)が約 2.0のドット画像32' を
形成することができる。
【0049】なお、この例によるヘッド及びプリンタ
は、図1では1つの気化部17について示したが、図2に
示す如くにフルカラー用として構成することができる。
このようなヘッドは、印画紙50と共に角度θで傾斜させ
ること以外は図14で示したものと同様に構成されてよい
ので、各部の説明はここでは省略する。
【0050】図3及び図4は、本発明に基づく他の例を
示すものである。
【0051】気化ヘッド60の移動による気化部17への影
響として、図3に示すように気化部17と被転写紙50との
隙間17aに空気Hが流れこみ、これが気化後で定着前の
染料32に対して乱れを生じさせ、画素の形成に悪影響を
及ぼすことがある。
【0052】そこで、気化部17に安定した空気の流れか
らなる上昇気流Hを与えるため、図4に示すように、ヘ
ッド移動方向の上流側の気化部17の近傍に直線的傾斜面
16aをなす切欠き16を設けている。
【0053】即ち、この切欠き16に沿って安定した上昇
気流Hが形成されるので、気化した染料32は乱れなしに
被転写紙50へ飛翔し、従って、気化後のドット(転写
前)が効率の良い空気の流れにより安定したギャップ間
移動が実現し、ドットの乱れを防止することができる。
このためには、切欠き16の切欠き面16aは、上昇気流が
生じ易いように鉛直方向に形成されるのがよい。
【0054】また、気化部17と被転写紙50の隙間17aが
狭く、下流側からの空気Gの流入により上昇気流Hの安
定した空気の流れを保ち難い等の問題が生じることがあ
る。
【0055】そこで、図4に示すように、ヘッド移動方
向の下流側において気化部17の近傍の気化ヘッド60に空
気遮断部24を設けることにより、ヘッド移動による空気
の流れGを止め、間隙17aへの空気の流入を防止し、安
定した上昇気流により気化後のドット(転写前)を乱す
ことがなく、安定した気化で安定した転写を実現できる
ようにしている。この空気遮断部24は印画紙50と接する
ため、ヘッド60との間の間隙17aを保持するスペーサと
しても作用する。なお、この場合は、上記の切欠き16を
設けるのが望ましいが、必ずしも設ける必要はない。
【0056】図5は、本発明に基づく他の例を示すもの
である。
【0057】上記した染料32の気化は、後述のレーザ照
射や発熱体方式によって行うことができるが、染料の気
化効率を高めるために気化部17には染料の供給及び保持
機能のある多孔性構造体、例えば小柱体の群を設け、こ
の小柱体群による毛細管作用で染料の供給及び保持を行
うことが望ましい。
【0058】図5には、気化部17にそうした小柱体80の
群を設けた状態を概略的に示すが、染料は各小柱体80間
から小柱体の長さ方向に沿って気化(飛翔)する。この
ため、この例では、小柱体80をヘッド移動方向Aに対し
この移動の上流側へ傾斜するように(即ち、ヘッド移動
方向Aに対し下流側に鈍角又は90°以上の角度をなすよ
うに)設け、この傾斜方向へ染料を気化若しくは飛翔さ
せている。
【0059】即ち、このように小柱体80を上流側へ傾け
ることによって、ヘッド移動方向Aと染料飛翔方向Iと
加熱による上昇気流方向Fとの各ベクトルが合成される
ために、例えば、気化した染料32がヘッド移動時の上記
した合成力で垂直方向(鉛直方向とは逆方向)に発射さ
れ、加熱終了後の気化染料32は上昇気流方向Fの力で垂
直方向へ移動し、被転写紙50に対して定着していく。
【0060】これによって、上記したと同様の作用、効
果を得ることができる。但し、この例の場合、ヘッド60
と印画紙50とは水平状態とし、これらの間隙を一定に保
持しながらヘッド60が図14と同じX方向へ走査すること
ができ、従来の位置関係は変える必要がない。印画紙50
が水平にセットされているので、垂直方向へ飛翔した染
料32は円柱の上面をそのまま転写されることになり、ド
ット面積を一層小さくできる。
【0061】図6は、本発明に基づく更に他の例を示す
ものである。
【0062】この例では、図1の例に比べて、被転写紙
50を水平にセットしている点のみが異なっている。従っ
て、上述したと同様に気化染料32が上昇気流と共に垂直
方向に飛翔するが、この飛翔方向は同時に被転写紙50の
転写面50’に対しても直交している。
【0063】このため、得られたドット画像32’は、図
5で述べたと同様に円柱状染料32の上面に相当するサイ
ズとなり、ドットサイズを小さくすることができる。但
し、ヘッド60と被転写紙50との間隔はヘッド移動時に変
化することになるから、気化染料32が飛翔できる間隔は
保証することが望ましい。
【0064】なお、上記間隔が変化しすぎる場合、気化
部17に対する加熱エネルギーをヘッド移動時に上記間隔
の変化に対応して制御して(例えば、間隔が狭くなると
加熱エネルギーを小さくして)ドットを制御することが
できる。
【0065】なお、ここで、上記ヘッドに使用する染料
は気化性染料であるが、固化分散染料、液化分散染料、
気化分散染料を総称して気化性染料と呼び、その定義を
次のようにする。即ち、「25℃から分解温度までの温度
範囲において、その蒸気圧が0.01パスカル以上となる温
度領域が存在する染料を気化性染料と定義する。但し、
気相において染料分子が平均会合数nで会合している場
合には、上記蒸気圧をその平均会合数nで割った0.01/
nパスカル以上とする。」
【0066】以上に示したプリンタヘッドは、具体的に
は、図7〜図11に示すような構造からなっていてよい
(但し、図7〜図11では、簡略化のために気化部17を主
として示している。
【0067】図7に示す構造は1ドット分を示すが、記
録ヘッド60と被記録体50とを例えば図1及び図2のよう
に傾斜して配し、レーザ光LAの照射によって、記録ヘ
ッド60の気化部17の染料収容部37に収容した液化染料22
をその沸点近傍まで選択的に加熱して気化させ、気化染
料32を空隙17a内で飛翔させて、気化穴23から被記録体
である印画紙50上に転写し、連続的な階調を持つ画像を
得る。この操作を減法混色の三原色であるイエロー、マ
ゼンタ、シアンに分解された画像信号についてそれぞれ
繰り返すことによって、フルカラー化を達成できる。
【0068】なお、この記録方式では、印画紙50を記録
ヘッド40に対して例えば上方側で対向させ、気化部17の
上面付近に、レーザ18から出射されてレンズ19で集光さ
れたレーザ光LAを照射して気化染料32を上方に飛翔若
しくは移行させるのがよい。
【0069】この場合、転写染料が加熱手段により空隙
17aを移動するためには、気化現象の他に、高出力レー
ザが照射された時にしばしば見られ、染料分子の結合が
効率よく切断されてそのエネルギーを利用して非常に大
きい速度でエッチングされる現象や、沸騰や爆発により
発生したガスのエネルギーを利用して非常に大きい速度
でエッチングされる現象も利用できる(こうした気化機
構以外の転写機構をアブレーションと称する:以下、同
様)。
【0070】また、レーザ光透過性のあるヘッドベース
14に染料溜め15を設け、ヘッドベース14上に固定した蓋
体13との間に液化染料22を収容し、ここから染料通路27
を経て気化部17に液化染料22を供給する。この場合、気
化部17への染料の供給効率及び気化効率の向上のため
に、発熱によって生じる染料の表面張力低下による染料
逃げを防止し、毛細管現象を利用して継続的な染料の供
給及び保持を行うために、小さなビーズ21からなるビー
ズ集合体20を気化部17に設けている。
【0071】そして、上記の空隙17aを保持し、Y方向
(紙面垂直方向)に移動する印画紙50をガイドするため
に、蓋体13上に保護板(図示せず)を固定している。こ
の保護板には、上記の染料の液化状態を保持するための
ヒータが埋設されていてよいが、ここではヒータ26は染
料収容部(上記の通路27)内に配設する。
【0072】固体染料収納槽41内の固形粉末状の熱溶融
性染料42は、逆止弁44によって供給口43から供給され、
ヒータ26により融解点まで加熱されて溶融(液化)され
る。この液化染料22は、ビーズ集合体20による毛細管現
象によって気化部17のビーズ集合体20の上面に定量ずつ
高速に供給される。
【0073】また、このプリンタヘッドの全体は、例え
ばフルカラー用として図8に示すように、イエロー、マ
ゼンタ、シアンの各染料溜め15Y、15M、15Cをそれぞ
れ共通のベース14に設けて各染料供給部又は供給ヘッド
部37Y、37M、37Cを構成し、そこから各色の染料を12
〜24個の多数のドットを形成する列状の気化部17Y、17
M、17Cに供給する。
【0074】各気化部に対しては、対応するレーザ(特
に半導体レーザチップ)18を各12〜24個アレイ状に配し
たマルチレーザアレイ30から出射される各レーザ光を多
数の集光レンズ19を配したマイクロレンズアレイ31によ
ってそれぞれ集光する(36はレーザ光LAを直角方向に
導くためのミラー)。
【0075】集光レンズとしては、図示したレンズ系で
もよいが、仮想線で示す1枚の径大の集光レンズ38を使
用してよい。このレンズ38は、光入射位置に応じて光出
射位置が上記の各気化部17C、17M、17Yに相当するよ
うに屈折経路が変化するように形成されたものである。
なお、マルチレーザアレイ30は、基板33に設けたコント
ロールIC34によって駆動制御し、またヒートシンク35
によって十分に放熱できるようになっている。
【0076】なお、モノカラー印刷の場合は、図9に示
すように、1次元レーザアレイ30を作製し、それぞれの
レーザ素子を独立かつ並列に動作できる構造にすること
によって、簡単にビーム数の一倍以上の印刷速度が得ら
れる(例えば24ビームのレーザアレイを用いれば24倍の
速度となる)。
【0077】上記した各プリンタヘッドはいずれも、染
料収容部37を記録ドット数に対応した個数分だけ液化染
料22をドット状に収容すると共に、レーザ18も記録ドッ
ト数の各発光点を有するアレイ状に配したものである。
レーザ18に依らない上記の熱転写方式のプリンタでも、
サーマルヘッド1の加熱部も同様にドット状に配列され
ている。
【0078】上記したように、この染料気化型レーザビ
ームプリンタによれば、記録に消費される染料について
は、その失われた分だけを染料溜めから溶融状態で気化
部へ自発的若しくは強制的に流すことにより、或いは、
適当な基体上に連続的に塗布され、その基体が転写部に
移動することにより、気化部へ連続的に供給することが
できる。これは、染料がバインダ樹脂を殆ど含有しない
ために、可能となる。従って、記録に関与する気化部
は、繰り返して多数回使用できるので、上述した熱転写
方式においてはインクシートが1回限りの使い捨てであ
るのに対し、省資源及び環境保護の面で有利である。
【0079】また、気化型又はアブレーション型である
ために、染料層と被記録体(印画紙)とが接触しないで
記録を行え、従って、2回目以降のプリント時に上述し
た熱転写方式でみられるような染料の逆転写、混色は生
じることがないと共に、加熱部分は気化部を含むヘッド
のみとなり、上述した熱転写方式に比べて著しく消費電
力が低減する。同時に、染料の供給に上述したインクシ
ートではなく小体積の染料溜めを使用するために、プリ
ンタを小型、軽量化できる。
【0080】また、この記録方式は、染料の気化又は昇
華を利用したものであるために、上述の熱転写方式のよ
うに被記録体の染料受容層を加熱する必要がなく、イン
クシートと被記録体とを高い圧力で押し付ける必要もな
く、この点でもプリンタの小型化、軽量化に有利であ
る。そして、気化部の染料層と被記録体とが接触しない
ために、それらの間で熱融着が起こり得ないだけではな
く、染料と受容層樹脂の相溶性が小さくても記録可能で
ある。従って、染料及び受容層樹脂の設計、選択の幅が
著しく広がる。
【0081】また、染料の気化(或いは昇華)のための
熱エネルギー供給源として、光源に半導体レーザ18を用
いることを基本としているが、半導体レーザは電力から
光への変換効率が高く、その上、指向性、集光性に優れ
ているので、染料の熱エネルギー伝達効率も非常に高
い。従って、従来方式(上記のサーマルヘッドによる熱
転写やインクジェット)に比べてトータルのエネルギー
利用効率が格段に高くなり、小型化や省電力化に有利に
なるという特徴も有する。
【0082】更に、従来のインクジェット方式のカラー
プリンタでは、階調表現が難しいが、半導体レーザは出
力パワーやパルス幅等の制御が容易であるため、上記の
記録方式では簡単に多階調表現が実現できる。即ち、カ
ラービデオカメラ等で作りだされた電気的な画像を半導
体レーザによって画像信号に応じた染料転写に変換し、
銀塩写真に匹敵する少なくとも1色当たり 128階調を持
つフルカラー画像を形成することができる。
【0083】なお、この染料気化型の記録方法に適した
転写体としてのヘッド60は、転写時に瞬間的に加わる熱
量に対して十分耐える性質と、気化部(転写部)へ毛細
管現象により自発的に液状の染料を供給するための表面
積が大きくかつ転写時にも強固に染料を保持することの
できる構造(図7での20)とを有することが好ましい。
また、適当な保温装置を設けることによって、融点が室
温以上である染料又は染料混合物の使用も可能になる。
【0084】また、この記録方法に適した転写染料は、
適当な気化速度又はアブレーション速度を有し、単独若
しくは混合状態で 200℃以下において流動状態を示し、
かつ必要十分な耐熱性を具備していれば、どのような染
料でもよい。具体的には、分散染料、油溶性染料、塩基
性染料、酸性染料などが挙げられる。特に、アブレーシ
ョン機構が気化機構よりも優位を占める場合は、直接染
料のように分子量が大きくて気化速度が小さい染料や、
カーボンブラックや顔料でさえも転写は可能である。融
点が室温以上にある染料でも、染料同士を混合すること
により、或いは染料と揮発性の低分子量物質を混合する
ことにより、融点は低下する。
【0085】また、この記録方法に適した印画紙は、転
写染料と適当な相溶性を有し、転写染料を容易に受容し
て染料本来の発色を促進し、かつ染料を固定する作用が
あれば、どのような印画紙でもよい。例えば、分散染料
に対しては、分散染料と相溶性の良いポリエステル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂等を表面にコ
ートした紙などが好ましい。印画紙に転写された染料の
定着は、転写後の画像を加温して、表面の転写染料を受
像層内部に浸透させる方式も可能である。
【0086】染料転写方式の加熱手段は、大別して、熱
ヘッドによる方法と、レーザ光と、レーザ光の波長領域
を含む波長領域に吸収を示し、光エネルギーを熱エネル
ギーに変換する材料(光熱変換体)(図示せず)とレー
ザ光とを組み合わせる方法とが挙げられる。
【0087】レーザ光を使用する場合には、解像度が著
しく向上すると共に、レーザ光密度を光学系で大きくす
ることにより集中的な加熱が可能となり、到達温度が上
がり、この結果、熱効率が向上するという特徴がある。
特に、マルチレーザを使用することによって、1画面を
転写する時間は大幅に短縮される。
【0088】但し、光熱変換体は、連続的に光エネルギ
ーのレーザ光を吸収するために耐熱性を十分に満足する
ものでなければならない。従って、この方式に用いる光
熱変換体としては、レーザの発光波長に一致する吸収を
示す金属薄膜、金属薄膜と高誘電率を持つセラミック薄
膜との2層膜等の薄膜系光吸収体を直接転写部に設ける
他に、カーボンブラック、金属微粒子等の微粒子系光吸
収体や、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色
素、シアニン系色素、アントラキノン系色素等の有機系
色素又は有機金属系色素等の如く耐熱性の優れた染料又
は顔料を転写染料に均一に分散して使用してもよい。
【0089】また、本出願人は、インクシート及び感熱
ヘッドを必要としないで、省電力、小型化及び低コスト
を図った他の昇華型カラービデオプリンタを特願平5−
236541号、特願平4−300587号、特願平5−11241 号、
特願平5−12106 号等において提案しているが、これと
同様の構造を使用することができる。
【0090】このプリンタの類似構造を図10〜図11によ
って具体的に説明する(但し、図7のヘッドと共通する
部分には共通符号を付す。)と、ヘッド部60は、分散染
料としての固形粉末状の昇華染料42を収納する染料槽41
と、下側に位置する高強度材からなる耐摩耗性の保護層
61と、中央に位置するスペーサ62と、上側に位置するヘ
ッドベース63とによって構成されている。なお、図11
は、図10とは上下を逆にして示したものである。
【0091】そして更に、染料収納槽41内の固形粉末状
の昇華染料42を加熱液化して導く液化染料導入部64と、
この液化染料導入部64に沿って所定間隔毎に複数配置さ
れ、この液化染料導入部64から導かれた液化分散染料22
を気化熱によって気化させる各気化部17と、この気化部
内にて染料22の液面下に設けた気化用発熱体65と、それ
を支える断熱材(ブロック)66と、発熱体65上において
染料22の保持及び供給を行う多孔性構造体81である小柱
体80の群とを有している。断熱材66の両側面には発熱体
の電極65A、65Bが設けられ、図示省略した構造を介し
て取り出されている(但し、ヒータ68との間の絶縁構造
は図示省略)。
【0092】保護層61は、印画紙50に軽圧で接触する際
に各気化部17の気化穴23内に汚れや塵、埃や異物等が混
入するのを防止する機能を有しており、熱伝導率がよ
く、耐熱性、耐摩耗性に優れたタンタル等の金属系やガ
ラス系の材料によって形成されている。また、保護層61
には、各気化部17の気化穴23の一部になる四角柱状の複
数の穴61aをエッチング技術等の微細加工により形成し
てある。
【0093】スペーサ62は、例えばガラス系やセラミッ
ク系、ポリエチレン系樹脂、タンタル等の金属系で形成
され、材料や厚み及びその組み合わせにより、液化分散
染料22の溶融温度の調整と、保護層61への伝熱による印
画紙50の染料受容層50aの温度の調整とを行う機能を有
している。
【0094】なお、印画紙50は、実際には、セルロース
系の樹脂などによって形成され、分散染料を吸収する染
料受容層50aと、ベース材50bとからなっている。ベー
ス材50bは、耐熱性が強く、非吸湿性の良いポリプロピ
レン層と、ベース紙と、ポリプロピレン層に対するバラ
ンスをとり、印画紙50が反らないようにするための別の
ポリプロピレン層とが積層された構造になっており、ま
た光吸収層(これは省略可能である。)が設けられてい
てもよい。
【0095】スペーサ62には、各気化部17の気化穴23の
一部になる四角柱状の複数の穴62aをそれぞれ形成して
いると共に、染料収納槽41(イエロー用41Y、マゼンタ
用41M、シアン用41C)側からヘッドベース63の他端側
に延びて各気化部17の気化穴23に連通する複数の溝穴64
を形成している。
【0096】更に、保護層61とスペーサ62との間には染
料液止め層67が設けられている。この染料液止め層67
は、耐熱性があって化学的に安定しているフッ素系やシ
リコン系の樹脂材料によって形成され、液化分散染料22
が保護層61の壁面を経由して外部へ漏れて印画紙50の染
料受容層50aに付着するのを防止するものである。
【0097】また、液止め層67には、各気化部17の気化
穴23の一部になる四角柱状の複数の穴67aをそれぞれ形
成している。なお、保護層61と染料液止め層67とスペー
サ62とは、耐熱性がある接着剤でそれぞれ接着されてい
る。
【0098】ヘッドベース63は、融点が高く、熱成形性
がなく、低熱伝導性である例えばガラス、セラミックス
等によってなるべく薄く形成されている。また、図10に
示すように、ヘッドベース63の各染料収納槽41側には、
各液化染料導入部64に連通する供給口(接続穴)43を形
成している。
【0099】更に、ヘッドベース63の各液化染料導入部
64側の面には、各染料槽41内まで板状のヒータ(発熱
体)68を取り付けている。このヒータ68は、例えばカー
ボン又はシリコン系化合物で形成され、通電により50℃
〜300 ℃の熱を発して固形粉末状の分散染料42を液化す
ると共に、液化状態で保温する機能を有する。
【0100】図10に示すように、ヒータ68の一方の端部
は、上方に垂直に折り曲げられて各染料収納槽41内に挿
入されていると共に、その他方の端部は各液化染料導入
部64の終端部側まで伸びている。また、ヒータ68はヘッ
ドベース63の全面に配置されており、スペーサ62及び保
護層61を保温して印画紙50の染料受容層50aも加熱でき
るようになっている。
【0101】図10〜図11に示した上記のプリンタヘッド
60によれば、図7〜図9に示したプリンタヘッドで述べ
た特長を有している上に、以下に述べるような利点を有
している。
【0102】まず、各気化部17における気化のための染
料加熱は、レーザ光LAを使用するのではなく、各気化
部に設けた発熱体65の発熱によって行っているので、高
価な半導体レーザ(特に並列に複数本設けるマルチレー
ザアレイ)の代わりに低コストの発熱体の使用が可能と
なり、また、気化効率はレーザの電気光変換効率に依存
せずにヒータの発熱を直接利用することになり、全体と
しての効率が向上する。
【0103】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可
能である。
【0104】例えば、上述したヘッドを被記録体との位
置関係(傾斜角度も含む。)は様々に変化させてよい
し、ヘッド各部の構造、形状等も上述した切欠き16や空
気遮断部24等について様々に変形してよい。ヘッドと被
記録体は共に移動させてよいし、その移動方法は変化さ
せてよい。図4では空気遮断部24は設けなくてよい。
【0105】また、気化部に形成すべき多孔性構造は、
上述したものに限らず、例えば柱体の場合はその高さ、
平面又は断面形状、密度等を変化させてよいし、また、
その形成箇所も微細パターン化又は多孔質化、或いは表
面積の拡大等が要求される箇所であれば適用可能であ
る。多孔性構造体としては、柱状体以外にも、壁状体
や、図7に示したビーズ集合体、繊維体等で形成したも
のであってもよい。
【0106】また、染料気化型の転写方式に限らず、既
述したアブレーションによる転写方式も可能であり、い
ずれの場合も染料又は記録材が飛翔して転写されるもの
である。
【0107】また、記録材(染料)を収容する記録材収
容部の数やドット数、及びこれに対応した発熱体や気化
部の数は種々変更してよいし、その配列形状やサイズ等
も上述したものに限定されることはない。
【0108】また、染料収容部、染料供給通路をはじ
め、ヘッドやプリンタの構造や形状は、前記以外の適宜
の構造、形状としてよく、ヘッドを構成する各部分の材
料には、他の適宜の材料を使用してよい。記録染料につ
いても、マゼンタ、イエロー、シアンの3色として(更
には、黒を加えた)フルカラーの記録を行うほか、2色
印刷、1色のモノカラー又は白黒の記録を行うことがで
きる。
【0109】また、発熱体65として、ポリ−Siの層と
メタル配線とを両用することや適宜SiNやSiO2
の絶縁膜を付着して保護膜を形成することもでき、或い
は発熱体を金属又は金属系でも形成できる。ベース材を
アルミニウム、セラミックス等の高熱伝導材で形成し、
発熱体65、断熱材、ベース材によってヘッドの熱特性を
調整してもよい。
【0110】また、染料の加熱に発熱体とレーザとを組
み合わせることもできる。この場合は、各加熱手段のパ
ワーを下げても良好に気化を実現することができる。
【0111】また、上述の例のように、固体染料を一旦
液状にし、これを気化させて記録を行う他、固体染料を
レーザ光によって加熱して直接気化(即ち、昇華)させ
て記録を行うことができるし、染料溜めに液化染料(室
温にて液状)を収容することができる。上述したプリン
タにおいて、ヘッド上方からレーザ光を照射してその下
側に位置する被記録紙に記録を行ってもよいし、この逆
方向(下から上)に記録を行ってもよい。
【0112】なお、本発明は、記録材とこの記録材を溶
解若しくは分散させかつ加熱により体積膨張する物質
(即ち、キャリア)とを含有する記録液を供給し、加熱
により前記記録液の状態を変化させて液滴を生成させ、
この液滴を前記記録ヘッドと対向配置された被記録体へ
移行させるインクジェット方式にも適用可能である。
【0113】
【発明の作用効果】本発明は、上述した如く、記録材を
有する記録ヘッドを被記録体に対し相対的に移動させな
がら、前記記録材を前記被記録体へ飛翔させてこの被記
録体に付着させるように構成され、前記記録ヘッドと前
記被記録体との少なくとも一方が水平方向に対し傾斜し
ているので、記録ヘッドの相対的移動方向と記録材の飛
翔方向と上昇気流方向との各ベクトルの合成によって、
被記録体への記録材の付着位置を制御することができ
る。これによって、濃度変調により長く延びた飛翔記録
材のドットを被記録体上の同一位置に確実に転写させ、
ドット形状を均一化(従って、濃度の適性化)を実現で
きることになる。
【0114】そして、本発明の記録装置は、記録材を飛
翔させて被記録体へ付着させるものであるから、既述し
た熱転写方式及び染料気化型方式における小型化、保守
容易性、即時性、画像の高品位化、高階調性等の特長を
有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくプリンタヘッドによる染料転写
を説明するための概略正面図である。
【図2】同プリンタの具体例の概略正面図である。
【図3】同プリンタの概略正面図である。
【図4】本発明に基づく他のプリンタヘッドの概略断面
図である。
【図5】本発明に基づく他のプリンタヘッドの概略正面
図である。
【図6】本発明に基づく更に他のプリンタヘッドの概略
正面図である。
【図7】本発明に使用可能なプリンタヘッドの具体例の
概略断面図である。
【図8】同プリンタヘッドの分解斜視図である。
【図9】同他のプリンタヘッドの分解斜視図である。
【図10】本発明に使用可能なプリンタヘッドの他の具体
例の概略断面図である。
【図11】同プリンタヘッドの主要部分の拡大断面斜視図
である。
【図12】従来の感熱記録ヘッドを用いたプリンタの要部
正面図である。
【図13】プリンタヘッドを有するプリンタの主要部の概
略斜視図である。
【図14】同プリンタの主要部の概略正面図である。
【図15】同プリンタのプリンタヘッドによる気化染料の
付着(定着)状況を示す概略図である。
【図16】同プリンタヘッドによる染料気化時の各ベクト
ルとその合成状態を示す概略図である。
【図17】同プリンタによる染料転写を説明する概略正面
図である。
【符号の説明】
16・・・切欠き 17・・・気化部 17’・・・飛翔面(気化面) 24・・・空気遮断部 32・・・気化染料 32’・・・ドット(画素) 50・・・被転写紙(印画紙) 50’・・・転写面 60・・・気化ヘッド 107 ・・・ガイドロッド L・・・間隔(空隙) θ・・・傾斜角度 A・・・ヘッド移動方向 F・・・上昇気流方向 G、H・・・空気 I・・・染料飛翔方向

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録材を有する記録ヘッドを被記録体に
    対し相対的に移動させながら、前記記録材を前記被記録
    体へ飛翔させてこの被記録体に付着させるように構成さ
    れ、前記記録ヘッドと前記被記録体との少なくとも一方
    が水平方向に対し傾斜している記録装置。
  2. 【請求項2】 記録ヘッドと被記録体との間隔をほぼ一
    定に保持しながら前記記録ヘッドを移動させる、請求項
    1に記載した記録装置。
  3. 【請求項3】 記録ヘッドからの記録材の飛翔方向が被
    記録体に対しほぼ直交している、請求項2に記載した記
    録装置。
  4. 【請求項4】 記録ヘッドの相対的移動方向の上流側に
    て前記記録ヘッドに上昇気流安定化用の切欠きが設けら
    れている、請求項1に記載した記録装置。
  5. 【請求項5】 記録ヘッドの相対的移動方向の下流側に
    て前記記録ヘッドの記録材飛翔部の近傍に空気流入防止
    用の遮蔽物が設けられている、請求項1に記載した記録
    装置。
  6. 【請求項6】 記録材を有する記録ヘッドを被記録体に
    対し相対的に移動させながら、前記記録材を前記被記録
    体へ飛翔させてこの被記録体に付着させるように構成さ
    れ、前記記録ヘッドと前記被記録体との間隔をほぼ一定
    に保持し、前記記録ヘッドからの前記記録材の飛翔方向
    が前記被記録体に対し直交していない記録装置。
  7. 【請求項7】 記録ヘッドからの記録材の飛翔方向が前
    記記録ヘッドの移動方向に対しこの移動の下流側にて鈍
    角をなしている、請求項6に記載した記録装置。
  8. 【請求項8】 記録材が気化又はアブレーションし、記
    録材と非接触状態で対向配置された被記録体へ飛翔する
    ようにした、請求項1又は6に記載した記録装置。
  9. 【請求項9】 記録材を有する記録ヘッドを被記録体に
    対し相対的に移動させながら、前記記録材を前記被記録
    体へ飛翔させてこの被記録体に付着させるに際し、前記
    記録ヘッドと前記被記録体との少なくとも一方を水平方
    向に対し傾斜させ、前記記録ヘッドの前記相対的移動方
    向と前記記録材の飛翔方向と上昇気流方向との各ベクト
    ルの合成によって、前記被記録体への前記記録材の付着
    位置を制御する記録方法。
  10. 【請求項10】 記録ヘッドと被記録体との間隔をほぼ一
    定に保持しながら前記記録ヘッドを移動させる、請求項
    9に記載した記録方法。
  11. 【請求項11】 記録ヘッドからの記録材の飛翔方向を被
    記録体に対しほぼ直交させる、請求項10に記載した記録
    方法。
  12. 【請求項12】 記録ヘッドの相対的移動方向の上流側に
    て上昇気流を安定化させる、請求項9に記載した記録方
    法。
  13. 【請求項13】 記録ヘッドの相対的移動方向の下流側に
    て空気の流入を防止する、請求項9に記載した記録方
    法。
  14. 【請求項14】 記録材を気化又はアブレーションさせ、
    記録材と非接触状態で対向配置された被記録体へ飛翔さ
    せる、請求項9に記載した記録方法。
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