JPH0826032B2 - スピロナフトオキサジン化合物およびフォトクロミック材料 - Google Patents

スピロナフトオキサジン化合物およびフォトクロミック材料

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JPH0826032B2
JPH0826032B2 JP62102079A JP10207987A JPH0826032B2 JP H0826032 B2 JPH0826032 B2 JP H0826032B2 JP 62102079 A JP62102079 A JP 62102079A JP 10207987 A JP10207987 A JP 10207987A JP H0826032 B2 JPH0826032 B2 JP H0826032B2
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克一 町田
輝夫 阪上
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呉羽化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なスピロナフトオキサジン化合物、並
びに当該スピロナフトオキサジン化合物が優れた発色性
能を有ししかもその発色作用の繰り返し耐性が優れてい
ること、および樹脂に対して良好な溶解性を有すること
を利用する、当該スピロナフトオキサジン化合物よりな
るフォトクロミック材料に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、フォトクロミック性を有する化合物は無機物質
および有機物質の中に数多く見出されている。無機フォ
トクロミック物質の代表的な例としてはハロゲン化銀が
挙げられるが、ハロゲン化銀はそのマトリックス(媒
体)物質として特殊なガラスを必要とするため、利用範
囲が限定されるという問題点がある。これに対し、有機
フォトクロミック物質は、その発色が鮮やかであり、ま
たマトリックス物質の選択の自由度が大きい等、無機フ
ォトクロミック物質にない利点を有する反面、そのフォ
トクロミック作用の繰り返し耐性が非常に小さいことが
致命的な欠陥であり、このため実用されるに到っていな
いのが現状である。
従来公知の種々の有機フォトクロミック物質のうち、
発色作用の繰り返し耐性が比較的良好なものとしてスピ
ロナフトオキサジン化合物が知られており、例えば特公
昭45−28892号公報、特公昭49−48631号公報、特開昭55
−36284号公報、特開昭60−53586号公報、特開昭61−53
288号公報、特開昭61−263982号公報には1,3,3−トリメ
チルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナフト(2,1
−b)(1,4)オキサジン〕およびその誘導体が開示さ
れている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
スピロナフトオキサジン化合物は上述の公報において
も示されているように、他の有機フォトクロミック物質
に比して概して優れた発色作用の繰り返し耐性を示すも
のであることから、種々のスピロナフトオキサジン化合
物について、着色種の吸収特性等の発色性能の向上、発
色作用の繰り返し耐性の向上、あるいは樹脂との相溶性
の向上等を目的として種々の研究が行われている。
しかしながら、現在までにおいて、優れた発色性能、
良好な発色作用の繰り返し耐性および樹脂に対する高い
相溶性という、要求される特性をバランスよく具えるス
ピロナフトオキサジン化合物は殆ど知られておらず、こ
れらのことから、実用上有効な新規なフォトクロミック
材料の出現が求められているのが現状である。
〔問題を解決する手段〕
本発明は以上のような要請に応え、新規なスピロナフ
トオキサジン化合物、並びにこの化合物による、発色性
能、発色作用の繰り返し耐性および樹脂に対する相溶性
の点において、バランスのとれた優れた特性を有するフ
ォトクロミック材料を提供するものである。
本発明のスピロナフトオキサジン化合物は、以下の一
般式(I)で示される化合物でる。
一般式(I) 上記一般式(I)において、R1,R2,R3およびR4の各
々は、互いに同一または異なっていてもよい、水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基またはハロゲン
原子を表わし、 R5,R6およびR7の各々は、互いに同一または異なってい
てもよい、水素原子またはヒドロキシ基を表わし、 Rは非置換のフェニル基、または置換基としてハロゲン
原子もしくはヒドロキシ基を有するフェニル基を表わ
し、 nは2以上の整数を表わす。
また以上において「低級アルキル基」は炭素数が3以
下のもの、「低級アルコキシ基」は炭素数が3以下のも
のをいう。
斯かるスピロナフトオキサジン化合物の代表的な例と
しては、次のものを挙げることができる。
1−(2−フェノキシエチル)−3,3−ジメチルス
ピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナフト〔2,1−b〕
(1,4)オキサジン〕 1−(3−フェノキシプロピル)−3,3−ジメチル
−スピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナフト〔2,1−
b〕(1,4)オキサジン〕 1−(4−フェノキシブチル)−3,3−ジメチルス
ピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナフト〔2,1−b〕
(1,4)オキサジン〕 1−〔2−(p−ブロモフェノキシ)エチル〕−3,
3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナフ
ト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕 1−(2−フェノキシエチル)−3,3,5−トリメチ
ルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナフト〔2,1−
b〕(1,4)オキサジン〕 1−(3−フェノキシプロピル)−3,3−ジメチル
−5−クロロスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナ
フト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕 1−(3−フェノキシプロピル)−3,3−ジメチル
−5−メトキシスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−
ナフト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕 9′−ヒドロキシ−1−(3−フェノキシプロピ
ル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3
H)−ナフト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕 9′−ヒドロキシ−1−(4−フェノキシブチル)
−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−
ナフト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕 1−〔2−(p−ブロモフェノキシ)エチル〕−3,
3−ジメチル−8′−ヒドロキシスピロ〔インドリン−
2,3′−(3H)−ナフト〔2,1−b〕(1,4)オキサジ
ン〕 1−3−(o−ヒドロキシフェノキシ)プロピル〕
−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−
ナフト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕 1−〔3−(3,5−ジブロモフェノキシ)プロピ
ル〕−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3
H)−ナフト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕 1−〔2−(ペンタフルオロフェノキシ)エチル〕
−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−
ナフト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕 勿論、本発明に係る化合物が以上の例に限定されるもの
ではなく、一般式(I)で示されるものであればよい。
そしてそれらを2種以上併用することもできる。
本発明のスピロナフトオキサジン化合物は、1−ニト
ロソ−2−ナフトール誘導体と、対応するインドリン化
合物とを反応させることにより、目的とするものを合成
することができる。具体的には、それらの両者を、エタ
ノール、トルエン等の適当な溶媒下において沸点還流さ
せることにより反応させればよい。また前記インドリン
化合物の代わりに、対応するインドリニウム塩化合物を
用いてもよい。また特開昭61−18783号公報や特開昭61
−165388号公報に示されるように、インドリニウム塩の
合成に続いて、生成するインドリニウム塩を単離・精製
することなしに1−ニトロソ−2−ナフトール誘導体と
反応させることによって合成することも可能である。こ
れらの反応においては、触媒としてトリエチルアミン等
の塩基を加えることもできる。更に、合成されたスピロ
ナフトオキサジン化合物を、必要に応じて再結晶法、カ
ラム分離法、活性炭処理法等の手法により精製して純品
を得ることができる。
以上のスピロナフトオキサジン化合物は、太陽光、紫
外線ランプ、その他の光源よりの光を受けたときに、当
該光エネルギーよって着色種が生成されて発色し、しか
もこの発色作用の繰り返し耐性が優れていて長期にわた
る使用においても発色性能の低下がわずかであり、その
上、樹脂に対する相溶性が高くて樹脂よりなるマトリッ
クス中に十分な量で溶解させることができる。従って、
このスピロナフトオキサジン化合物を、優れたフォトク
ロミック作用を有する樹脂製光学製品を得るためのフォ
トクロミック材料として実用上きわめて有効に用いるこ
とができる。
即ち、上記のスピロナフトオキサジン化合物よりなる
本発明のフォトクロミック材料は、光学的に透明な樹脂
類、例えばポリオール(アリルカーボネート)モノマー
によるポリマー、ポリメタクリル酸メチルのような各種
アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルアルコール、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
スチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステ
ル、ポリビニルブチラール、ナイロン等の重合体よりな
るマトリックス中に配合することにより、バランスの良
い優れたフォトクロミック特性を有する樹脂製のフォト
クロミック性光学材料を得ることができる。
具体的に説明すると、本発明のフォトクロミック材料
を上述のような樹脂と混合し、流延若しくは溶融法によ
り成形し、フィルム状、板状、その他の所要の形態の成
形物とすることにより、あるいは、本発明のフォトクロ
ミック材料を適当な溶剤に溶解して得られる溶液を、上
述のような樹脂よりなる材料に含浸させることにより、
フォトクロミック作用を有する樹脂材料を得ることがで
きる。従って、本発明のフォトクロミック材料によりフ
ォトクロミック性光学材料を得るためには、各種樹脂よ
りなるフィルム、レンズ等の光学材料を当該フォトクロ
ミック材料の溶液中に浸漬することによって直接的に当
該フォトクロミック材料によって染色する手段、各種の
光学材料よりなる基体に当該フォトクロミック材料を含
む樹脂溶液を塗布してフォトクロミック性層形成する手
段、当該フォトクロミック材料を含むフィルム等よりな
るフォトクロミック膜を単独で製作してこれを基体に積
層して設ける手段、その他の手段を利用することができ
る。
また重合して樹脂を形成する単量体あるいは熱硬化性
樹脂前駆体に当該フォトクロミック材料を混合してお
き、これを注型重合することにより、成形されたフォト
クロミック性レンズを直接的に得ることもできる。
以上のようなフォトクロミック性光学材料の製造に際
して、当該フォトクロミック材料と共に、酸化防止剤や
不要な短波長領域の光成分を遮断する目的で紫外線吸収
剤、その他の添加剤を共存させることも可能である。
これらのフォトクロミック性光学材料は、各種のディ
スプレイ、メモリー、調光レンズフィルター、光量計等
の光学機器用の光学材料、その他として好適に使用する
ことができる。
〔効果〕
本発明のスピロナフトオキサジン化合物は、良好な発
色性能を有すると共に、その分子構造中にCH2
−R基(nは2以上の整数、Rは特定の原子もしくは置
換基を有するフェニル基または非置換のフェニル基)を
有するものであるため、そのような基を有さないスピロ
ナフトオキサジン化合物、例えば親水性のポリアルコキ
シアルキル基を有するスピロナフトオキサジン化合物に
比して優れた発色作用の繰り返し耐性を有し、かつ樹脂
との相溶性が高いものであり、この点において最大の特
徴を有するものである。従って、当該スピロナフトオキ
サジン化合物をフォトクロミック材料として用いるに際
して、樹脂よりなるマトリックス中に当該フォトクロミ
ック材料を高い濃度でかつ均一に含有させることが可能
であり、これにより、コントラストが良好で大きな発色
濃度を示し、しかもその発色作用の繰り返し耐性の優れ
たフォトクロミック性樹脂材料を得ることができる。こ
のフォトクロミック性樹脂材料は単独で調光材料として
用いることもできるが、フォトクロミック性光学製品を
得るために光学材料に適用して用いることもできる。
〔実施例〕
以上本発明の実施例について説明するが、本発明がこ
れらによって限定されるものではない。
実施例1 (A)1−(2−フェノキシエチル)−3,3−ジメチル
スピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナフト〔2,1−
b〕(1,4)オキサジン〕の合成 1−(2−フェノキシエチル)−2,3,3−トリメチル
インドレニウムブロマイド14.4gと、トリエチルアミン
4,85gと、1−ニトロソ−2−ナフトール6.9gとをエタ
ノール100mlに溶解し、これを窒素ガス雰囲気下にて3
時間沸点還流して反応させた。
反応終了後溶媒を濃縮し、シリカゲルを担体としクロ
ロホルムを展開溶媒とするカラムクロマトグラフィーに
より分離を行った。そして溶媒を留去した後、得られた
固体を塩化メチレンとヘキサンとの混合溶媒による再結
晶法により精製し、以て淡黄色の粉末1.1gを得た。この
化合物を「スピロナフトオキサジン化合物(1)」とい
う。
このスピロナフトオキサジン化合物(1)は、核磁気
共鳴分析法、赤外線吸収スペクトル分析法およびCHN元
素分析法により、1−(2−フェノキシエチル)−3,3
−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナフ
ト〔2,1−b(1,4)オキサジン〕と同定された。
なお元素分析の結果は、炭素80.12重量%、水素6.16
重量%、窒素6.33重量%であり、理論値の炭素80.16重
量%、水素6.03重量%、窒素6.45重量%とほぼ一致し
た。またNMRスペクトルは、重クロロホルム(CDCl3)中
で1.3ppm(6H)、3.6ppm(2H)、4.1ppm(2H)、6.6〜
8.7ppm(16H)であった。
(B)適用例 以上のようにして得られたスピロナフトオキサジン化
合物(1)の6重量部と、ポリメチルメタクリレート16
重量部とを、2−ブタノン100重量部中に溶解してフォ
トクロミック膜形成液を調製し、このフォトクロミック
膜形成液をガラス板上に流延させて厚さ2μmのキャス
ト膜を作製した。これを温度50℃のオーブン中にて乾燥
し、残留溶媒を完全に除去した後、室温まで冷却してフ
ォトクロミック膜を形成した。
ここに形成されたフォトクロミック膜は優れたフォト
クロミック作用を有するものであり、太陽光に曝すと濃
青色となり、光を除いて暗所に放置すると速やかに元の
無色透明の状態に戻った。
またこのフォトクロミック膜を試料としてウェザーメ
ーター「スーパーロングライフ・サンシャイン・ウェザ
ーメーター」(スガ試験機社製)により促進曝露テスト
を行ったところ、60時間を経過した後においても、なお
初期の80%以上のフォトクロミック作用を示すことが認
められ、優れた耐候性即ち発色作用の繰り返し耐性が得
られることが認められた。
比較例1 実施例1におけるスピロナフトオキサジン化合物
(1)6重量部の代わりに、その窒素原子に結合された
基が2−フェノキシエチル基ではなくてメチル基である
1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)
−ナフト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕の2重量部を
使用したこと以外は、実施例1と全く同様にしてフォト
クロミック膜を製作した。
このフォトクロミック膜に対して実施例1と同様のウ
ェザーメーターによる促進曝露テストを行ったところ、
60時間を経過した後においては初期の50%のフォトクロ
ミック作用が得られるに過ぎなかった。
比較例2 実施例1におけるスピロナフトオキサジン化合物
(1)6重量部の代わりに、その窒素原子に結合された
基が2−フェノキシエチル基ではなくてメチル基である
1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)
−ナフト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕の6重量部を
使用したこと以外は、実施例1と全く同様にしてフォト
クロミック膜を製作しようとしたところ、50℃のオーブ
ン中で乾燥中に析出物が発生し、形成された膜は白濁し
たものとなった。
実施例2 (A)9′−ヒドロキシ−1−(3−フェノキシプロピ
ル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3
H)−ナフト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕の合成 1−(3−フェノキシプロピル)−3,3−ジメチル−
2−メチレンインドリン11.74gと、1−ニトロソ−2,7
−ジヒドロキシナフタレン7.53gとをエタノール100mlに
溶解し、これを窒素ガス雰囲気下にて3時間沸点還流し
て反応させた。
反応終了後溶媒を濃縮し、シリカゲルを担体としアセ
トンと塩化メチレンの等量混合液を展開溶媒とするカラ
ムクロマトグラフィーにより分離を行った。そして溶媒
を留去し、以て緑色のペースト2.6gを得た。この化合物
を「スピロナフトオキサジン化合物(2)」という。
このスピロナフトオキサジン化合物(2)は、核磁気
共鳴分析法、紫外線吸収スペクトル分析法およびCHN元
素分析法により、9′−ヒドロキシ−1−(3−フェノ
キシプロピル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−
2,3′−(3H)−ナフト〔2,1−b〕(1,4)オキサジ
ン〕と同定された。
なお元素分析の結果は、炭素77.53重量%、水素6.15
重量%、窒素6.15重量%であり、理論値の炭素77.56重
量%、水素6.08重量%、窒素0.03重量%とほぼ一致し
た。またNMRスペクトルは、重ジメチルスルホキシド中
で1.2ppm(6H)、2.0ppm(2H)、3.2ppm(2H)、3.9ppm
(2H)、6.5〜7.7ppm(15H)、9.7ppm(1H)であった。
(B)適用例 以上のようにして得られたスピロナフトオキサジン化
合物(2)の10重量部と、エポキシ樹脂前駆体「エポニ
ックス#1100クリヤー」(大日本塗料(株)社製)48重
量部とをメチルエチルケトン100重量部中に溶解してフ
ォトクロミック膜形成液を調製し、このフォトクロミッ
ク膜形成液をスライドガラス上に浸漬法にて塗布した。
これを温度80℃で16時間加熱硬化させることによって厚
さ10μmのフォトクロミック膜を形成した。
ここに形成されたフォトクロミック膜は優れたフォト
クロミック作用を有するものであり、太陽光に曝すと濃
青色となり、光を除いて暗所に放置すると速やかに元の
無色透明の状態に戻った。
またこのフォトクロミック膜は耐溶剤性に優れてお
り、室温でアセトンを吹きつけてもフォトクロミック作
用に何ら変化は見られなかった。
またこのフォトクロミック膜に対して実施例1と同様
のウェザーメーターによる促進曝露テストを行ったとこ
ろ、60時間を経過した後において初期の70%以上の優れ
たフォトクロミック作用を示した。
比較例3 実施例2におけるスピロナフトオキサジン化合物
(2)10重量部の代わりに、その窒素原子に結合された
基が3−フェノキシプロピル基ではなくてメチル基であ
る9′−ヒドロキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔イン
ドリン−2,3′−(3H)−ナフト〔2,1−b〕(1,4)オ
キサジン〕4重量部を使用したこと以外は、実施例2と
全く同様にしてフォトクロミック膜を製作した。
このフォトクロミック膜に対して実施例1と同様のウ
ェザーメーターによる促進曝露テストを行ったところ、
60時間を経過した後においては初期の38%のフォトクロ
ミック作用が得られるに過ぎなかった。
比較例4 実施例2におけるスピロナフトオキサジン化合物
(2)10重量部の代わりに、その窒素原子に結合された
基が3−フェノキシプロピル基ではなくてメチル基であ
る9′−ヒドロキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔イン
ドリン−2,3′−(3H)−ナフト〔2,1−b〕(1,4)オ
キサジン〕の10重量部を使用したこと以外は、実施例2
と全く同様にしてフォトクロミック膜を製作しようとし
たところ、50℃のオーブン中で乾燥中に析出物が発生
し、形成された膜は白濁したものとなった。
実施例3 (A)1−(4−フェノキシブチル)−3,3−ジメチル
スピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナフト〔2,1−
b〕(1,4)オキサジン〕の合成 2,3,3−トリメチルインドレニン7.96gと、4−フェノ
キシブチルブロマイド12.03gとを100mlのエタノールに
溶解し、これを窒素ガス雰囲気下にて2時間沸点還流し
た。次いで、エタノール50mlと、トリエチルアミン5.3g
とを加えて30分間攪拌し、これに1−ニトロソ−2−ナ
フトール8.66gを添加して溶解させた後、再び窒素ガス
雰囲気下で3時間沸点還流を行った。
反応終了後溶媒を濃縮し、生成したトリエチルアミン
臭素酸塩を除去し、その後、シリカゲルを担体とし、ク
ロロホルムを展開溶媒とするカラムクロマトグラフィー
により分離を行った。そして溶媒を留去し、以て黄緑色
のペースト1.9gを得た。この化合物を「スピロナフトオ
キサジン化合物(3)」という。
このスピロナフトオキサジン化合物(3)は、核磁気
共鳴分析法、赤外線吸収スペクトル分析法およびCHN元
素分析法により、1−(4−フェノキシブチル)−3,3
−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナフ
ト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕と同定された。
なお元素分析の結果は、炭素80.41重量%、水素6.78
重量%、窒素5.88重量%であり、理論値の炭素80.49重
量%、水素6.54重量%、窒素6.06重量%とほぼ一致し
た。またNMRスペクトルは重クロロホルム中で1.3ppm(6
H)、1.7ppm(2H)、2.0ppm(2H)、3.5ppm(2H)、4.0
ppm(2H)、6.6〜8.7ppm(16H)であった。
(B)適用例 以上のようにして得られたスピロナフトオキサジン化
合物(3)を用い、実施例1の適用例と同様にしてフォ
トクロミック膜を形成した。
ここに形成されたフォトクロミック膜は優れたフォト
クロミック作用を有するものであり、太陽光に曝すと濃
青色となり、光を除いて暗所に放置すると速やかに元の
無色透明の状態に戻った。
またこのフォトクロミック膜に対して実施例1と同様
のウェザーメーターによる促進曝露テストを行ったとこ
ろ、60時間を経過した後において初期の67%以上のフォ
トクロミック作用を示した。
実施例4 (A)1−〔2−(p−ブロモフェノキシ)エチル〕−
3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3′−(3H)−ナ
フト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕の合成 1−〔2−(p−ブロモフェノキシ)エチル〕−2,3,
3−トリメチルインドレニウムブロマイド17.57gと、ト
リエチルアミン4.85gと、1−ニトロソ−2−ナフトー
ル6.9gとをエタノール150mlに溶解し、これを窒素ガス
雰囲気下にて3時間還流して反応させた。
反応終了後溶媒を濃縮し、シリカゲルを担体とし、ク
ロロホルムを展開溶媒とするカラムクロマトグラフィー
により分離を行った。そして溶媒を留去し、得られた固
体を塩化メチレンによる再結晶法により精製し、以て黄
緑色の粉末1.5gを得た。この化合物を「スピロナフトオ
キサジン化合物(4)」という。
このスピロナフトオキサジン化合物(4)は、核磁気
共鳴分析法、赤外線吸収スペクトル分析法およびCHN元
素分析法により、1−〔2−(p−ブロモフェノキシ)
エチル〕−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3′−
(3H)−ナフト〔2,1−b〕(1,4)オキサジン〕と同定
された。
なお元素分析の結果は、炭素67.43重量%、水素5.11
重量%、窒素5.31重量%であり、理論値の炭素67.84重
量%、水素4.91重量%、窒素5.46重量%とほぼ一致し
た。またNMRスペクトルは重クロロホルム中で1.3ppm(6
H)、3.6ppm(2H)、4.1ppm(2H)、6.6〜8.7ppm(15
H)であった。
(B)適用例 以上のようにして得られたスピロナフトオキサジン化
合物(4)の2重量部と、ポリメチルメタクリレート16
重量部とを2−ブタノン100重量部中に溶解し、実施例
1の適用例と同様にしてフォトクロミック膜を形成し
た。
ここに形成されたフォトクロミック膜は優れたフォト
クロミック作用を有するものであり、太陽光に曝すと濃
青色となり、光を除いて暗所に放置すると速やかに元の
無色透明の状態に戻った。
またこのフォトクロミック膜に対して実施例1と同様
のウェザーメーターによる促進曝露テストを行ったとこ
ろ、60時間を経過した後において初期の75%以上の優れ
たフォトクロミック作用を示した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示されることを特徴と
    するスピロナフトオキサジン化合物。 一般式(I) (式中、 R1〜R4:水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基
    またはハロゲン原子 R5〜R7:水素原子またはヒドロキシ基 R:非置換のフェニル基、または置換基としてハロゲン原
    子もしくはヒドロキシ基を有するフェニル基 n:2以上の整数 である。)
  2. 【請求項2】下記一般式(I)で示されるスピロナフト
    オキサジン化合物よりなることを特徴とするフォトクロ
    ミック材料。 一般式(I) (式中、 R1〜R4:水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基
    またはハロゲン原子 R5〜R7:水素原子またはヒドロキシ基 R:非置換のフェニル基、または置換基としてハロゲン原
    子もしくはヒドロキシ基を有するフェニル基 n:2以上の整数 である。)
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