JPH0829053B2 - 食品類の焼成方法 - Google Patents

食品類の焼成方法

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JPH0829053B2
JPH0829053B2 JP63059586A JP5958688A JPH0829053B2 JP H0829053 B2 JPH0829053 B2 JP H0829053B2 JP 63059586 A JP63059586 A JP 63059586A JP 5958688 A JP5958688 A JP 5958688A JP H0829053 B2 JPH0829053 B2 JP H0829053B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は食品類の焼成方法に係り、詳しくは、焼成す
べき菓子生地等の食品類と、電気、ガスなどの熱源との
間に、黒鉛材などを介在させ、遠赤外放射とともに、エ
ネルギー密度がきわめて高い近赤外放射と中赤外放射と
を利用して、食品類を内部まで均一に加熱焼成し、焼成
に十分な熱エネルギーが与えて、大きなボリューム感の
ある食品類が加熱焼成でる焼成方法に係る。
なお、食品類とは、菓子生地以外にパン等の生地、更
に魚、肉、その他の可食性物を一般的に含む。
従来の技術 最近、食品類の焼成法の一つとして、食品類、例えば
菓子、パン類を、ガスや電熱等の熱源によって直接加熱
焼成して製造する方法の代りに、赤外放射のうちで、波
長の長い領域の遠赤外放射によって加熱焼成する方法が
提案され、注目を集めている。
この理由は、遠赤外放射によって加熱する場合は、ガ
スや電熱等の熱源によって直接加熱焼成する場合と異な
って、可視光線(0.38〜0.78μm)より波長の長い、波
長5〜15μmの遠赤外線の放射によって、菓子、パン等
が加熱焼成されるからである。換言すると、遠赤外線は
波長が長いため、食品生地の表層から内部にまで浸透し
易く、生地の表層から内部までが均一に加熱焼成できる
からである。
しかし、このように内部に浸透し易い遠赤外放射であ
るが、実際に、この遠赤外放射を菓子、パン類の生地の
焼成に適用すると、遠赤外放射は必ずしもエネルギー密
度が高くないため、生地の表層部から内部までがある程
度加熱されるが、その生地焼成が不十分で、必ずしも食
感に優れかつ十分なボリューム感を持つ食品類が得られ
ない。また、表層部から内層部まで均一に加熱されるこ
ともあって、食品の表面に焦げ目が形成されにくく、表
面に焦げ目を必要とする食品では、波長の長い遠赤外放
射で加熱したのちに、再び焦げ目形成のために表面加熱
することを行なう必要がある。更に具体的に示すと、例
えば、厚さ30〜50mm程度のスポンジケーキ生地の焼成に
波長5〜15μmの遠赤外放射を適用すると、生地の焼成
が不十分で、内層部のほかに表層部でも焼成が不十分の
ところがあらわれ、得られる食品に良好な食感や十分な
ボリューム感が得られない。このため、遠赤外放射によ
る場合を含めて、従来例によるガスや電熱等の加熱によ
って、スポンジケーキ等を焼成する場合は、生地の厚さ
がせいぜい20mm程度までであると云われている。
そこで、従来例に係る遠赤外線放射による加熱焼成を
示すと、次の通りである。
まず、特開昭62−115227号公報には発熱体の上下に遠
赤外線板を配置し、これら遠赤外線板からの熱放射によ
って食品生地を加熱焼成するオーブンが示されている。
この遠赤外線板は酸化珪素(SiO2)、酸化ほうそ(B
2O3)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ナトリウム
(NaO)、酸化チタン(TiO2)等の金属酸化物や希土類
酸化物等の遠赤外放射素材粒子をアルミニウム合金基板
上にコーティングしたものであり、この構造の遠赤外放
射板を熱源を対流、放射等で加熱し、遠赤外放射板から
の放射熱によって菓子、パン類の生地を加熱焼成する。
そこで、この遠赤外放射板上のコーティング層のうち
で、例えば30%SiO2と70%Al2O3とから成るコーティン
グ層について食品生地の焼成温度域たる200〜300℃にお
いて、200℃と300℃の赤外放射について試べたところ、
200℃では第2図、300℃では第3図に示す通りの結果が
得られた。第2図ならびに第3図は、横軸に波長、縦軸
に相対放射率(この放射率とは完全黒体の放射率を100
%としたときのものである。)を示し、コーティング層
では、菓子、パン類の生地の焼成温度域、つまり、200
℃〜300℃において、波長2.5〜5.0μmの中赤外放射は3
0%以下であり、ほとんどの放射はこれより波長の長い
遠赤外放射(波長6.0μm以上)である。このように主
として遠赤外放射であると、エネルギー密度の高い中赤
外放射や近赤外放射がほとんど利用されていないことも
あって、食品生地に対して、その焼成に必要かつ十分な
熱エネルギーを与えることができず、食品生地を十分に
加熱焼成できない。
また、遠赤外放射板は基板をアルミニウム合金から構
成し、熱伝導性を高めているが、比熱が比較的小さいた
め、焼成オーブン内の温度にバラツキが生じ、食品類を
均一にもれなく加熱焼成できない欠点がある。
更に、主として遠赤外放射による200〜300℃の温度領
域の加熱焼成では、生地の表層部と共に内層部まで加熱
焼成されるが、食品生地によっては、表層部の変性によ
って内層部まで熱が十分に浸透しないことも起こり、十
分に加熱焼成されないことも起こる。
発明が解決しようとする課題 本発明はこれらの問題点を解決することを目的とする
もので、具体的には、食品類を焼成する際に利用される
温度領域、ちなみに、200〜300℃の範囲内で、波長5〜
25μmの遠赤外放射とともに、波長5μm以下の中赤外
放射や近赤外放射などを利用し、この近赤外ならびに中
赤外放射の高い密度のエネルギーを食品生地に与えて、
内層部まで十分に加熱焼成し、ボリューム感が大きく、
食感が大巾に向上した食品類を得る焼成法を提案する。
課題を解決するための手段ならびにその作用 まず、本発明方法は、電気、ガス等の熱源と焼成すべ
き食品類との間に黒鉛材またはセラミック粉末40%以下
含み残余が黒鉛から成る黒鉛系材を介在させ、200〜300
℃の領域で近赤外放射、中赤外放射ならびに遠赤外放射
により、食品類を加熱焼成することを特徴とする。
従って、本発明法によると、長い波長の遠赤外放射に
よって内層部にまで深く浸透して、加熱焼成でき、エネ
ルギー密度の高い近赤外ならびに中赤外放射によって食
品生地に対して焼成に必要かつ十分な熱エネルギーが与
えられる。このため、ボリューム感が大きくかつ食感に
すぐれる食品が焼成できる。
このような放射を達成する黒鉛材や、黒鉛を少なくと
も60%含む黒鉛系材は、実質的に黒鉛から成るため、熱
伝導率にすぐれるほか、熱容量(黒鉛材の比熱0.4cal/
℃.g)が大きく、焼成オーブン内を均一にむらなく加熱
でき、各放射を均一にむらなく達成できる。
そこで、これら手段たる構成ならびにその作用につい
て具体的に説明すると、次の通りである。
まず、第1図は本発明法を実施する際に使用する焼成
装置の一例の横断面図であり、第1図において、符号1
はこの装置の炉体であって、炉体1の内部に焼板2が配
置されている。この焼板2は通常鉄、耐熱性シート等か
ら成って、しかも、焼板2は固定式か移動式として構成
する。焼板2の上部にガス又は電熱等の上部加熱源3を
設ける一方、焼板2の下部にも同様な下部加熱源4を設
ける。このように焼成装置を構成し、焼板2の上に天板
5を配置し、この中に例えばスポンジケーキ用の菓子生
地6を入れると、菓子生地6は上下の各加熱源3、4に
よって加熱され、焼成される。
次に、この上部加熱源3と菓子生地6との間に、黒鉛
材又は黒鉛系材7(以下、黒鉛材など7という。)を介
在させ、黒鉛材など7を介して菓子生地6を加熱焼成す
る。この黒鉛材など7は通常黒鉛材から構成する。すな
わち、黒鉛材としては、上記の如く黒鉛材を板状材にし
たものが好適であるが、これ以外のものでも、黒鉛に対
してセラミックス粉末を配合して板状に成型したものか
らも構成できる。換言すると、黒鉛を少なくとも60%以
上含むものから構成すると、食品の加熱焼成領域(200
〜300℃)においても、高い相対放射率が確保できるほ
か、熱容量が大きくなり、上部加熱源3の加熱がバラツ
イても、均一に加熱できる。
以上の通りに、菓子生地6を黒鉛材など7を介して上
部加熱源3によって加熱すると、菓子生地6は黒鉛材な
ど7によっての波長5〜25μmの遠赤外放射のほか波長
1〜5μmの近赤外放射ならびに中赤外放射によって、
食品は加熱焼成に必要かつ十分な熱エネルギーが与えら
れ、食品類は十分なボリューム感と良好な食感が得られ
る。
まず、本発明者等は、遠赤外放射による焼成による
と、食品類が急速焼成でき、これに併せて、食品類の内
層部分までの加熱がきわめて容易である利点があるにも
拘らず、それほど実用化されていない現状に着目し、こ
の理由について詳細に検討した。この結果、従来例に係
る遠赤外放射板であると、遠赤外放射によって食品類の
内部への熱エネルギーの滲透効果は発揮できるが、食品
類の焼成温度領域が200〜300℃の如く比較的低いことも
あって、遠赤外放射のみによっては食品類の焼成に必要
かつ十分な熱エネルギーが与えられず、十分なボリュー
ム感を持つように焼成できないことが判明した。
すなわち、本発明者等は、従来例に係る遠赤外放射板
として2種類のものを構成し、そのうちの遠赤外線放射
板Aは30%SiO2と70%Al2O3とを混合し、この混合粉末
を板状に成形焼結し、遠赤外線放射板Bは5%CaOと95
%ZrO2とを混合し、この混合粉末を板状に成形焼結し
た。これら遠赤外線放射板A、Bを試料とし、室温20
℃、湿度48%、測定温度200℃ならびに300℃で遠赤外線
放射率試験を行なったところ、第2図、第3図、第4図
ならびに第5図に示す結果が得られた。第2図は試料A
の200℃、第3図は試料Aの300℃の各測定結果を示し、
第4図は試料Bの200℃、第5図は試料Bの300℃の各測
定結果を示す。
これら各図のうちで第2図ならびに第3図から明らか
なように、試料Aの200℃、300℃の相対放射率は6.0μ
m以上の波長、つまり、遠赤外領域において80%以上示
すのに対し、波長5μm以下、つまり、中赤外、近赤外
の各領域では20%以下になり、この領域の赤外線放射が
ほとんどないことがわかる。また、第4図ならびに第5
図から明らかな通り、試料Bの200℃、300℃の相対放射
率は波長6μm以上の遠赤外領域でも試料Aに比べて大
巾に低下し、12.0μmの波長のところでピークが示され
るのに過ぎず、5.0μm以下の波長、つまり、中赤外、
近赤外の各領域では平均して30%程度にとどまってい
る。
これに対し、同等の条件で人造黒鉛から成る黒鉛材に
ついて各赤外放射率測定試験を行なったところ、第6図
(200℃)ならびに第7図(300℃)に示す結果が得られ
た。これら第6図ならびに第7図に示すように、黒鉛材
の相対放射率は波長2.5μm以上、つまり、近赤外放射
から中赤外放射を経て遠赤外放射の全ての領域にわたっ
て、60%以上を示し、遠赤外放射の利点を有為に利用す
るほか、近赤外ならびに中赤外の放射をも利用し、それ
によって食品類の対しその焼成に必要かつ十分な熱エネ
ルギーを与えられることがわかる。
更に詳しく説明すると、試料A、Bや、炭素系介在材
等の実際の放射材の表面からの放射エネルギーは、黒体
の場合をブランクの放射の公式から求め、その値に対す
る相対放射率の割合から求められ、更に、全放射エネル
ギー量も、ブランクの放射の公式を基本として全ての波
長域にわたる積分の型式として求められる。このところ
を第2図〜第7図に適用すると、試料A、Bや黒鉛材な
どの全放射エネルギーは第2図〜第7図において各関係
曲線で囲まれる面積が目安となり、この面積を相互に比
較することによって、各放射材の全放射エネルギー量を
一応比較することができる。
そこで、第2図〜第5図と第6図〜第7図とを対比す
ると、試料A、Bは上記の如く、波長2.5〜5μmの近
赤外放射や、中赤外放射の領域できわめて相対放射率が
低いのに対し、本発明に係る黒鉛材などはこの領域にお
いても高い相対放射率を持っていることが明らかであ
る。従って、本発明法によって焼成すると、菓子生地等
の食品類は十分な熱エネルギーのもとで焼成され、良好
な食感とボリューム感を持つ菓子等が得られる。
なお、黒鉛材などにおいて、黒鉛にセラミックス粉末
40%以下を配合するのは40%をこえると1.0〜25μmの
波長区分間で200〜300℃における相対放射率60%以上に
保持できないからであり、また、セラミックス粉末とし
ては何れのものでも良いが、併せて、遠赤外放射の特性
をいかすために、例えば、金属酸化物、金属ほう化物及
び金属炭化物を配合するのが好ましい。更に、金属酸化
物としてはSiO2、Al2O3、B2O3、NaO、TiO2、Cr2O3、ZrO
2等、これらの中でSiO2及びAl2O3が好ましい。また、金
属ほう化物としてはAlB12、BaB6、CaB6、CeB6、EvB6、H
fB2、LaB6、SrB6等が好ましい。また、金属炭化物とし
てはHfC、MoC、SiC、TiC等があげられ、これらの中SiC
がとくに好ましい。
また、黒鉛材などは、原料の黒鉛などを粉砕混合し、
常法によって加圧成形し、高温焼結することによって得
られた形状寸法は所望に応じて切断加工して板状材に形
成すればよいが、その厚さは1mm以上にすれば十分であ
る。しかし、余り薄いと破損したり損傷が激しく、余り
厚いと高価となるので、通常5〜30mm、好ましくは10〜
20mm程度である。
実施例 まず、第1図に示す装置において、人造黒鉛から成る
厚さ5mmの黒鉛材をガス熱源の下に介在させ、この黒鉛
材から熱放射させて、天板内の菓子生地を常法によって
250℃内外で40分間焼成した。このときに、菓子生地と
しては小麦粉25%、砂糖25%、バター25%、鶏卵25%か
ら成るスポンジケーキ用のものを用い、菓子生地を厚さ
15mm、25mm、35mm、45mmの割合で天板内に充填し、いず
れの場合も同一の条件で焼成し、更に、黒鉛材の250℃
内外の相対放射率を求めたところ、第6図ならびに第7
図に示すところと略々一致し、波長1〜25μmの範囲
で、少なくとも60%以上の相対放射率を示した。
また、比較のために、厚さ4mmのアルミニウム板の表
面にSiO230%ならびにAl2O370%のコーティング層(厚
さ1mm)を形成し、これを遠赤外放射板として、第1図
に示す黒鉛材にかえて介在させ、上記のところと同等の
条件で菓子生地を40分間焼成した。この場合の遠赤外放
射板の表面からの相対放射率(250℃内外)を求めたと
ころ、第2図ならびに第3図に示すところと略々一致し
ていた。
これらの焼成について、その結果を求めたところ、第
1表の通りであった。
第1表から明らかな通り、本発明法によると、焼成時
間が同一であっても、生地厚さ45mmのものであっても、
十分な熱エネルギーが与えられて完全に焼成でき、更
に、厚さ15mmのものでも、比較例と異なって最大限にボ
リューム感を高めることができた。
<発明の効果> 以上詳しく説明した通り、本発明方法では、電気、ガ
ス等の熱源と焼成すべき食品類との間に黒鉛材などを介
在させ、食品類を加熱焼成する。
従って、本発明法によると、長い波長の遠赤外放射の
みならず、近赤外や中赤外放射も利用でき、波長の長い
遠赤外放射によって熱エネルギーは内層部にまで深く浸
透し、内層部まで良好かつ均一に加熱焼成できる。
また、中赤外や近赤外放射によって、食品生地に対
し、焼成に必要かつ十分な熱エネルギーが与えられ、ボ
リューム感が大きくかつ食感にすぐれる食品が焼成でき
る。
更に、黒鉛材などは、熱伝導率にすぐれるほか、熱容
量(黒鉛材の比熱0.4cal/℃.g)が大きく、焼成オーブ
ン内を均一にむらなく加熱できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明法を実施する装置の一例の横断面図、第
2図、第3図、第4図ならびに第5図は比較例の赤外放
射板の波長に対する相対放射率を示す各グラフ、第6な
らびに第7図は黒鉛材の波長に対する相対放射率の関係
を示す各グラフである。 符号1……炉体 2……焼板 3、4……加熱源 5……天板 6……菓子生地 7……炭素材など

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気、ガス等の熱源と焼成すべき食品類と
    の間に黒鉛材またはセラミック粉末40%以下含み残余が
    黒鉛から成る黒鉛系材を介在させ、200〜300℃の領域で
    近赤外放射、中赤外放射ならびに遠赤外放射により、食
    品類を加熱焼成することを特徴とする食品類の焼成方
    法。
  2. 【請求項2】前記近赤外放射、前記中赤外放射ならびに
    遠赤外放射は2.5〜25μmの波長とすることを特徴とす
    る請求項1記載の食品類の焼成方法。
  3. 【請求項3】前記セラミックスを金属酸化物、金属ほう
    化物及び金属炭化物から選ばれた1種または1種以上で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の食品類の
    焼成方法。
  4. 【請求項4】前記金属酸化物がSiO2またはAl2O3のうち
    の1種または2種とすることを特徴とする請求項3記載
    の食品類の焼成方法。
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