JPH0830244B2 - ホ−ロ−用鋼板及びその製造方法 - Google Patents

ホ−ロ−用鋼板及びその製造方法

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JPH0830244B2
JPH0830244B2 JP62179057A JP17905787A JPH0830244B2 JP H0830244 B2 JPH0830244 B2 JP H0830244B2 JP 62179057 A JP62179057 A JP 62179057A JP 17905787 A JP17905787 A JP 17905787A JP H0830244 B2 JPH0830244 B2 JP H0830244B2
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孝一 武内
篤樹 岡本
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、優れた加工性と十分に満足できるホーロ
ー性(ホーロー密着性,耐ピンホール性,耐爪飛び性
等)とを兼備したホーロー用鋼板並びにその製造方法に
関するものである。
鋼板表面にガラス質釉薬を焼付けた“ホーロー製品”
は耐食性,耐薬品性,耐熱性,耐摩耗性,強度等が優れ
ており、しかも美麗な外観を呈することから、現在では
化学機器類,厨房機器類,衛生機器類等を始めとして多
方面に利用されるようになってきた。
ところで、上述のようなホーロー製品は、従来、素材
鋼板に密着性の良好な下塗りを施してから美麗な外観を
呈する上塗りを行うと言う“2回掛け法”によって製造
されるのが普通であったが、素材鋼板の前処理(酸洗,N
iフラッシュ等)を十分に行って密着性を高めてからこ
れに美麗さと密着性に富んだ釉薬を直接焼付ける“1回
掛け法”が開発されてからは、趨勢は“2回掛け法”か
ら“1回掛け法”へと移り変わる傾向を見せている。
また、上記ほうろう製品の素材となる“ホーロー用鋼
板”は、深絞り加工等の苛酷な冷間成形加工が施された
後に高温で釉薬の焼付けが行われるのが一般的であり、
優れたホーロー性が求められることは勿論、冷間加工性
に優れていることも重要な要件の1つになっていた。な
お、ホーロー鋼板に要求されるホーロー性とは、釉薬の
焼成中に発生しがちな“あわ”や“ピンホール",或いは
焼成後に発生しがちな“爪飛び”等の欠陥を発生させ
ず、しかも焼成されるガラス質皮膜と良好な密着性を示
す等の性質を言う。
〈従来技術とその問題点〉 このような事情から、これまでもホーロー用鋼板には
冷間加工性の良好な冷延鋼板が選ばれて使用されてきた
が、近年、「炭素含有量の低い鋼にTiを添加すると、鋼
中のCが固着されて再結晶焼鈍時に絞り性に好ましい集
合組織が得られて深絞り性に優れた鋼板が得られる」と
の現象が見出されたこともあって(特公昭44−18066号
公報)、加工性に優れた上記鋼板をホーロー用に適用し
ようとの研究が行われるようになった。
例えば、特開昭52−128822号は、Tiを添加した極低炭
素鋼に更に特定量のS及びCuを含有せしめ、これを熱延
し冷延して連続焼鈍することで優れたプレス成形性と良
好なホーロー密着性及び耐爪飛び性とを備えたホーロー
用鋼板を得ようとしたものである。特開昭58−3925号は
Tiを添加した低炭素アルミキルド鋼のS含有量を低減す
ると共に、0.050%までのCuを添加することで黒点を発
生しないホーロー用鋼板を得ようとしたものである。ま
た、特開昭61−104051号は、特定量のTi及びNを含有し
た極低炭素鋼にAs,Sb及びBiの1種以上を添加すること
により、優れたプレス成形性並びにホーロー性を兼備し
たほうろう用鋼板の実現を目指したものである。
しかしながら、これらの研究にも係わらず、Ti添加鋼
においてはホーロー掛けの際の“酸洗速度”や密着性等
の“ホーロー性”が安定せず、従ってTiを添加して冷間
加工性の改善を図った鋼板は特に“1回掛け法”への適
用が躊躇されるものであった。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明者等は、上述のような観点から、加工性に優
れ、かつ安定したホーロー性を兼ね備えたホーロー用鋼
板を提供すべく、特に、Ti添加鋼板の優れた加工性に着
目すると共に、従来のTi添加ホーロー用鋼板に指摘され
た「酸洗速度の不安定性」や「ホーロー密着性及び耐ピ
ンホール性への不満」等を総合的に改善することの可能
性について鋭意研究を重ねた結果、以下に示すような知
見が得られたのである。
(a)Ti添加鋼板をホーロー用鋼板に適用する場合に
は、鋼中の炭素含有量を極力低減することによりホーロ
ー掛け時のピンホール発生を十分に防止することができ
ると共に、Sの低減とCuの添加とによりホーロー密着性
が改善され、しかもP含有量と関連させてのCu含有量調
整によって安定した酸洗速度下での密着性改善が可能と
なる、 (b)しかし、上述の如くに成分調整した鋼板は、S含
有量を低減したこともあってホーロー用鋼板としては爪
飛び欠陥の目立つものとなるが、これに特定値以上の十
分なN含有量を確保すると、S低減下でも優れた耐爪飛
び性が得られる、 (c)従って、炭素含有量を特定値以下としたTi添加極
低炭素鋼のSを低減すること共に、Cu及びNを特定の観
点に基づいて添加した鋼を所定条件で冷延鋼板とし、焼
鈍処理すると、深絞り等の苛酷な冷間加工にも十分に追
従する上、良好で安定したホーロー性を示すホーロー用
鋼板が得られ、1回掛け法によったとしても、十分満足
できるホーロー製品の安定製造が可能となる。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであっ
て、ホーロー用鋼板を、 C:0.005%以下(以降、成分割合を表わす%は重量%と
する), Mn:0.05〜0.4%,S:0.01%以下, sol.Al:0.08%以下,N:0.006〜0.015%,Ti:0.05〜0.3
%, Cu:0.05%を超え0.3%以下, Fe及び不可避的不純物:残り から成り、かつ Cu(%)/P(%)≧3.0 を満足する成分組成に構成することによって優れた冷間
加工性及びホーロー性を兼備せしめた点に特徴を有し、
更には、 C:0.005%以下,Mn:0.05〜0.4%, S:0.01%以下,sol.Al:0.08%以下, N:0.006〜0.015%,Ti:0.05〜0.3%, Cu:0.05%を超え0.3%以下, Fe及び不可避的不純物:残り から成り、かつ Cu(%)/P(%)≧3.0 を満足する成分組成の鋼に熱間圧延した後500℃以上の
温度で巻取り、次いで冷延圧延を施してから再結晶温度
以上Ac3点以下の温度域にて焼鈍することによって、優
れた冷間加工性及びホーロー性を兼備したホーロー用鋼
板を安定製造し得るようにした点をも特徴とするもので
ある。
次いで、この発明において、ホーロー用鋼板の成分割
合及び製造条件を前記の如くに限定した理由を説明す
る。
A)鋼板の成分割合 (a)C 鋼板中のC含有量が増すとホーロー掛け時にアワやピ
ンホールが発生し易くなるので、C含有量は少なければ
少ないほど好ましいが、特に0.005%以下にまで低減す
れば実用上差し支えない程度にアワ欠陥やピンホール欠
陥を抑えることができるので、C含有量は0.005%以下
と定めた。
(b)Mn Mn成分には熱延スラブ割れを防止する作用があるが、
その含有量が0.05%未満では前記作用に所望の効果が得
られず、一方0.4%を超えて含有させると鋼が硬質化す
ることから、Mn含有量は0.05〜0.4%と定めた。
(c)S Sは鋼板中に随伴される不可避不純物であるが、その
含有量が低ければ低いほどホーロー密着性は向上する。
ただ、その含有量を0.01%以下に抑えることで実用上十
分なホーロー密着性の確保がなれることから、S含有量
は0.01%以下と定めた。
第1図は、後述の第1表に示した鋼板C,D,G及びIに
ついてのS含有量とホロー密着性の指標となるPEI値と
の関係を示すグラフであるが、この第1図からも、S含
有量を0.01%以下に低減することで優れたホーロー密着
性を確保できることが分かる。
(d)sol.Al sol.Alは鋼の脱酸剤として添加されるものであるが、
鋼板中のsol.Al含有量0.08%を超えると加工性の劣化が
認められることから、sol.Al含有量は0.08%以下と定め
た。
(e)N N成分には、鋼中でTiと化合してTiNを形成し水素の
トラップサイトとなる作用がある。従って、ホーローの
爪飛び欠陥防止には欠かせない成分であるが、N含有量
が0.006%以下であると前記作用に所望の効果が得られ
ず、一方0.015%を超えて含有させても爪飛び防止効果
が飽和してしまうことからN含有量を0.006〜0.015%と
定めたが、望ましくは0.006〜0.010%に調整するのが良
い。
(f)Ti Ti成分には、上述したようにTiNを形成して爪飛びを
防止すると同時に、鋼中のCやS等と化合物を作って鋼
板の冷間加工性を向上させる作用があるが、その含有量
が0.05%未満であると爪飛び防止効果や加工性改善効果
が十分でなく、一方、0.3%を超えて含有させるとコス
トアップを招くことから、Ti含有量は0.05〜0.3%と定
めた。
(g)Cu Cu成分も、鋼板中に不可避的に随伴されるPも酸洗速
度やホーロー密着性に大きな影響を与える元素であり、
特に〔Cu(%)/P(%)〕の値が3.0よりも小さいと酸
洗速度が大きくなり過ぎる上、バラツキも大きくなって
安定化せず、また鋼板表面に微細な凹凸が形成されずに
ホーロー密着性の悪化を招く。しかしながら、〔Cu
(%)/P(%)〕の値が3.0以上になると酸洗速度が作
業上好都合な通常値で安定し、鋼板表面に微細な凹凸が
形成されてホーロー密着性も改善される。
第2図は、後述の第1表に示した鋼板B,D,G,H及びI
にについての〔Cu(%)/P(%)〕値と酸減値との関係
を示すグラフであるが、この第2図からも〔Cu(%)/P
(%)〕の値が3.0よりも小さくなると酸洗速度が急激
に大きくなって不安定化することが分かる。
ところが、〔Cu(%)/P(%)〕の値が3.0以上であ
っても、Cu含有量が0.05%を下回るとホーロー密着性が
大きく低下してしまい、一方、0.30%を超えてCuを含有
させるとコストアップを招いて好ましくない。
第3図は、後述の第1表に示した鋼板B,D,G,H及びI
についてのCu含有量とPEI値との関係を示すグラフであ
るが、この第3図からも、Cu含有量が0.05%以下になる
とホーロー密着性が低下することが分かる。
従って、Cu含有量を0.05〜0.30%と定めると共に、Cu
含有量とP含有量とが Cu(%)/P(%)≧3.0 を満足する条件に限定した。
Cu成分に認めらる上記作用の理由は明らかではない
が、次のように推測することができる。
即ち、Ti添加鋼において耐爪飛び性を改善するために
Nを添加すると、酸に不溶のTiNが多量に形成され、こ
のTiNが酸洗中に鉄マトリックスとの間で局部電池を形
成して酸洗速度を増す。また、通常は鋼板中のTiNは均
一に分散しておらず、そのため酸洗速度のバラツキが大
きくなっている。ところが、これにCuを多量添加すると
不均一に分散したTiNの電極作用が低下し、これによっ
て酸洗速度も低下するので鋼板表面の微細な凹凸が形成
され易くなり、従ってホーローの密着性が向上する。
B)鋼板の製造条件 本発明に係るホーロー用鋼板は上述の如き成分組成に
構成することで優れた冷間加工性及びホーロー性を兼備
せしめたものであるが、その製造に当っては、上記成分
組成に調整された鋼(インゴット及びスラブ)を熱間圧
延して500℃以上の温度で巻取り、次いで通常の如く酸
洗を施してから冷間圧延を行い、その後再結晶温度以上
Ac3点以下の温度域にて焼鈍するのが安定な特性を確保
する上で好ましいが、本発明に係るホーロー用鋼板の製
造方法において、その製造条件を上記の如くに限定した
理由は次の通りである。
まず、熱間圧延の後500℃以上の温度で巻取るのは、
固溶炭素をTiによって完全に固定し加工性を向上させる
ためであり、巻取り温度が500℃を下回った場合にはTiC
の析出が完全に行われない。また、焼鈍が〔再結晶温度
〜Ac3点〕の温領域で実施された場合には良好な加工性
を備えた鋼板が得られるが、焼鈍温度が前記領域を外れ
ると加工性が大きく低下してしまう。なお、焼鈍は“箱
焼鈍法”或いは“連続焼鈍法”の何れによっても良く、
両者間で格別な差は見られない。
上述のように、この発明は、Ti添加鋼板をC含有量が
0.005%以下の極低炭素鋼とすると共に、Sの低減とCu
の添加、更にはTiと十分なNの添加をも行い、かつP量
と関連させてCu添加量調整を実施して特定成分系とする
ことにより、優れた冷間加工性を維持しつつ、相互成分
との絡みの中から極低炭素鋼化によるホーロー掛け時の
耐ピンホール性改善効果を、N添加による耐爪飛び性改
善効果を、高Cu低Sによるホーロー密着性の改善効果
を、〔Cu(%)/P(%)〕値を3.0以上とすることによ
る酸洗速度の安定化とホーロー密着性の改善効果を併せ
て現出せしめたものであり、“2回掛け法”では勿論の
こと、“1回掛け法”によっても十分に満足できるホー
ロー製品を製造し得るようにしたものである。
続いて、この発明を、実施例により比較例と対比しな
がら具体的に説明する。
〈実施例〉 まず、常法にて第1表に示す如き成分組成の鋼を溶製
し、連続鋳造にてスラブとした。
次いで、該スラブを1200℃に加熱した後熱間圧延し、
600℃にて巻取った。このようにして得た熱延板を酸洗
し、冷間圧延(圧延率:73%)した後、同一鋼板から分
割した試験鋼板の一方には820℃で10時間の箱焼鈍を、
そして他方には850℃で1分の連続焼鈍を施した。
次に、焼鈍処理後の各冷延鋼板について“ホーロー
性”を調査したが、その結果を第1表に併せて示す。但
し、焼鈍方法の違いによるホーロー特性の差は殆んど認
められなかったので、ここでは箱焼鈍による結果のみを
記載した。
なお、“ホーロー性”は何れも日本フェロー社製の15
53C(商品記号)タイプの釉薬を830℃で3分間焼成して
測定したが、このうち「爪飛び」酸減値が10〜20g/m2
場合における発生の有無を焼成から1週間後に調査した
結果であり、「密着性」は酸減値が20〜30g/m2の場合に
おけるPEI値で評価して90%以上を「良」として表示し
た。そして、「ピンホール」は、酸減値が50〜60g/m2
場合における目視で判定した。
第1表に示される結果からも明らかなように、本発明
で規定する条件を満たす鋼板は優れた“ホーロー性”を
示すのに対して、成分組成が本発明で規定する条件から
外れた比較鋼板は、“ホーロー性”に劣ることが分か
る。
〈考案の総括〉 以上に説明した如く、この発明によれば、十分に満足
できる加工性とホーロー性とを兼備するホーロー用鋼板
をコスト安く提供することができ、1回掛け法によって
も品質に優れたホーロー製品を安定して製造することが
可能となるなど、産業上有用な効果がもたらされるので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、鋼板のS含有量とPEI値との関係を示すグラ
フである。 第2図は、鋼板の〔Cu(%)/P(%)〕値と酸減値との
関係を示すグラフである。 第3図は、鋼板のCu含有量とPEI値との関係を示すグラ
フである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量割合にて C:0.005%以下,Mn:0.05〜0.4%,S:0.01%以下, sol.Al:0.08%以下,N:0.006〜0.015%,Ti:0.05〜0.3%,
    Cu:0.05%を超え0.3%以下, Fe及び不可避的不純物:残り から成り、かつ Cu(%)/P(%)≧3.0 を満足する成分組成に構成されたことを特徴とするホー
    ロー用鋼板。
  2. 【請求項2】重量割合にて C:0.005%以下,Mn:0.05〜0.4%,S:0.01%以下, sol.Al:0.08%以下,N:0.006〜0.015%,Ti:0.05〜0.3%,
    Cu:0.05%を超え0.3%以下, Fe及び不可避的不純物:残り から成り、かつ Cu(%)/P(%)≧3.0 を満足する成分組成の鋼を熱間圧延した後500℃以上の
    温度で巻取り、次いで冷延圧延を施してから再結晶温度
    以上Ac3点以下の温度域にて焼鈍することを特徴とす
    る、ホーロー用鋼板の製造方法。
JP62179057A 1987-07-20 1987-07-20 ホ−ロ−用鋼板及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH0830244B2 (ja)

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