JPH08506571A - 高純度ベンゼンジカルボン酸異性体の製造方法 - Google Patents

高純度ベンゼンジカルボン酸異性体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 追加の触媒的還元工程を経ずに、高純度ベンゼンジカルボン酸異性体を製造する方法が開示されており、この方法は、(a)キシレン異性体を低級脂肪族カルボン酸中で、コバルト、マンガン、ブロムと、ニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択された少なくとも1種とからなる触媒系の存在下に、分子状酸素または分子状酸素含有ガスを用いて酸化させる酸化反応工程;および(b)上記酸化反応生成物を結晶化して粗ベンゼンジカルボン酸異性体のケーキを分離し、このケーキを低級脂肪族カルボン酸溶媒の添加により再スラリー化した後、これに含まれている不純物を溶媒中に抽出するために加熱し、得られたスラリーを、上記触媒系を用いて上記加熱温度よりも2〜80℃低い温度で酸化させる抽出/後酸化反応工程を含んでおり、上記酸化工程および抽出/後酸化反応工程の各々は、1回または2回行われ、但し上記工程の何れか一方または両方は、2回行われる。本発明によれば、不純物を抽出するのに用いられる溶媒は、次の酸化反応工程に再循環される。

Description

【発明の詳細な説明】 高純度ベンゼンジカルボン酸異性体の製造方法 技術分野 本発明は、有機合成に関し、更に詳しくは、プラスチック、化学繊維、フィル ム、ニスおよび染料のための高分子化学における最も重要なモノマーであり且つ 中間製品であるテレフタル酸(TA)、イソフタル酸(IA)およびフタル酸( PA)を含む高純度ベンゼンジカルボン酸異性体の改良された製造方法に関する 。背景技術 ポリエステルフィルムと繊維の製造の出発物質として有用なテレフタル酸は、 酢酸溶媒中で重金属を含む触媒の存在下に分子状酸素でパラキシレンを酸化する 、いわゆるSD法によって製造される。しかし、SD法から製造されたテレフタ ル酸は、高含量(1,000〜3,000ppm)の4-カルボキシベンズアルデヒド(4-CBA )を含むゆえに、ポリエステルフィルムおよび繊維の製造に用いるには適しない 。 従って、テレフタル酸とメタノールとを反応させて、容易に精製可能なジメチ ルテレフタレートを生成させ、これを精製したのち、グリコールと反応させてポ リエステルを製造する方法が採用されている。テレフタル酸精製のために広く用 いられているもう一つの方法としては、高温、高圧下でテレフタル酸を水に溶解 し、この溶液をパラジウムなどの貴金属触媒上で、水素で処理して、4−CBA の含量が25ppm以下の高純度テレフタル酸を得る方法がある。しかし、公知の方 法には欠点がある。すなわち、前者の方法では、ポリエステル製造工程中にメタ ノールが生成する欠点があり、後者の方法は、酸化と精製のための二つのプラン トを要するという 欠点がある。なぜならば、酸化と精製の条件、例えば溶媒、触媒および操作条件 は互いに異なるからである。 上記の従来の欠点を回避するために、これまでに幾つかの方法が提案されてい る。 還元反応なしにテレフタル酸を製造する方法として、コバルト−マンガン−ブ ロム触媒の存在下に、酢酸溶媒中で分子状酸素を用いて、パラキシレンを連続す る4段階で酸化させる方法が提案されている[USP 4772748,JP62-270548A,JP6 3-23982B]。この方法によれば、第1段階においては、パラキシレンは180〜230 ℃で40〜150分間、95%以上の転化率で酸化され;第2段階において、第1段階 の反応容器の温度より2〜30℃低い温度で20〜90分間酸化反応させ;第3段階に おいて、235〜290℃で10〜60分間酸化反応させ;最後の第4段階において、260 ℃で酸化反応させる。この方法によって製造されたTAは、0.027%の4−CB Aを含むので、ポリエステル繊維およびフィルムの製造に直接に使用することが できない。さらに、上記の方法は、次のような欠点を持つ。すなわち、a)第3 、4段階において、不純物の酸化に用いられる高温(260℃)は、溶媒の酢酸を も酸化するので、上記方法は技術的、経済的観点から好ましくなく;b)第一酸 化段階における長い反応時間は工程の効率を減じ、c)TA中に含まれる4−C BAの含量は、なお高い(0.027%)。 したがって上記の方法によるテレフタル酸の製造は、製造効率において不利な だけでなく、製造されたTAの純度も、水素化精製工程を用いる従来法に比べて 劣る。 次のような他の方法が提案されており、この方法では、重金属化合物およびブ ロム化合物の存在下、酢酸溶媒中で分子状酸素を用いて、パラキシレンを90% 以上の転化率で酸化させ、得られた酸化反応混合物を、分子状酸素雰囲気中、14 0〜230℃の温度で粉砕し、テレフタル酸の平均粒径を、粉砕前の平均粒径より20 %以上小さくし(第一精製段階)、第2段 階においては、第1段階で得たスラリーを、前の段階より少なくとも10℃高く、 且つ180〜300℃の温度で分子状酸素で酸化する[JP57-212881A]。この方法は、 直接重合に使用し得る純粋なテレフタル酸を与える。 しかし上記の方法には、テレフタル酸を粉砕するための別の装置、例えば高速 回転攪拌器が必要である。その上、4−CBAの含量が0.0025%以下である高純 度のテレフタル酸を製造するのは難しい。 さらにパラキシレンの液相接触酸化反応で生成された粗生成物のスラリーを、 コバルト、マンガン、クロム、セリウムもしくは鉛の化合物またはその混合物か らなる触媒の存在下に(この触媒の量は、精製しようとするTAの 0.01〜5.0重 量%である)、酢酸溶媒中で分子状酸素を用いて処理する方法が提案されている [ドイツ特許1270030号]。この方法には、処理が250℃の高温で1時間なされる ため、不純物と酢酸の両方が酸化されるという欠点がある。 したがって、追加の触媒的精製工程なしに、高純度のベンゼンジカルボン酸異 性体を製造するための改良方法が要望されている。発明の開示 本発明の目的は、追加の触媒的還元工程を経ずに、高純度ベンゼンジカルボン 酸異性体を製造する方法を提供することであって、この方法は、(a)キシレン 異性体を低級脂肪族カルボン酸中で、コバルト、マンガン、ブロムと、ニッケル 、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択された少なくとも1種とからな る触媒系の存在下に、分子状酸素または分子状酸素含有ガスを用いて酸化させる 酸化反応工程;および(b)上記酸化反応生成物を結晶化して粗ベンゼンジカル ボン酸異性体のケーキを分離し、このケーキを低級脂肪族カルボン酸溶媒の添加 により再スラリー化した後、これに含まれている不純物を溶媒中に抽出するため に加熱し、得られたスラリーを、上記触媒系を用いて上記加熱温度よりも2〜8 0℃低い温度で 酸化させる抽出/後酸化反応工程を含んでおり、上記酸化工程および抽出/後酸 化反応工程の各々は、1回または2回行われ、但し上記工程の何れか一方または 両方は、2回行われる。 本発明のもう一つの目的は、追加の触媒的還元工程を経ずに、高純度ベンゼン ジカルボン酸異性体を製造する方法を提供することであって、この方法は、 (a)キシレン異性体を低級脂肪族カルボン酸中で、コバルト、マンガン、ブロ ムと、ニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択された少なくと も1種とからなる触媒系の存在下に、分子状酸素または分子状酸素含有ガスを用 いて酸化させる第一酸化反応工程;(b)上記第一酸化反応工程から得られた生 成物を上記触媒系を用いて再酸化させる第二酸化反応工程;および(c)上記第 二酸化反応工程から得られた生成物を結晶化して粗ベンゼンジカルボン酸異性体 のケーキを分離し、このケーキを低級脂肪族カルボン酸溶媒の添加により再スラ リー化した後、これに含まれている不純物を溶媒中に抽出するために加熱し、得 られたスラリーを、上記触媒系を用いて上記加熱温度よりも2〜80℃低い温度 で酸化させる第一抽出/後酸化反応工程を含んでいる。 本発明のさらにもう一つの目的は、追加の触媒的還元工程を経ずに、高純度ベ ンゼンジカルボン酸異性体を製造する方法を提供することであって、この方法は 、 (a)キシレン異性体を低級脂肪族カルボン酸中で、コバルト、マンガン、ブロ ムと、ニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択された少なくと も1種とからなる触媒系の存在下に、分子状酸素または分子状酸素含有ガスを用 いて酸化させる第一酸化反応工程;(b)上記第一酸化反応工程から得られた生 成物を上記触媒系を用いて再酸化させる第二酸化反応工程;(c)上記第二酸化 反応工程から得られた生成物を結晶化して粗ベンゼンジカルボン酸異性体のケー キを分離し、このケーキを低級脂肪 族カルボン酸溶媒の添加により再スラリー化した後、これに含まれている不純物 を溶媒中に抽出するために加熱し、得られたスラリーを、上記触媒系を用いて上 記加熱温度よりも2〜80℃低い温度で酸化させる第一抽出/後酸化反応工程; および(d)上記第一抽出/後酸化反応工程から得られた生成物を結晶化して粗 ベンゼンジカルボン酸異性体のケーキを分離し、このケーキを低級脂肪族カルボ ン酸溶媒の添加により再スラリー化した後、これに含まれている不純物を溶媒中 に抽出するために加熱し、得られたスラリーを、上記触媒系を用いて上記加熱温 度よりも2〜80℃低い温度で酸化させる第二抽出/後酸化反応工程を含んでい る。 本発明の他のもう一つの目的は、追加の触媒的還元工程を経ずに、高純度ベン ゼンジカルボン酸異性体を製造する方法を提供することであって、この方法は、 (a)キシレン異性体を低級脂肪族カルボン酸中で、コバルト、マンガン、ブロ ムと、ニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択された少なくと も1種とからなる触媒系の存在下に、分子状酸素または分子状酸素含有ガスを用 いて酸化させる第一酸化反応工程;(b)上記第二酸化反応工程から得られた生 成物を結晶化して粗ベンゼンジカルボン酸異性体のケーキを分離し、このケーキ を低級脂肪族カルボン酸溶媒の添加により再スラリー化した後、これに含まれて いる不純物を溶媒中に抽出するために加熱し、得られたスラリーを、上記触媒系 を用いて上記加熱温度よりも2〜80℃低い温度で酸化させる第一抽出/後酸化 反応工程;および(c)上記第一抽出/後酸化反応工程から得られた生成物を結 晶化して粗ベンゼンジカルボン酸異性体のケーキを分離し、このケーキを低級脂 肪族カルボン酸溶媒の添加により再スラリー化した後、これに含まれている不純 物を溶媒中に抽出するために加熱し、得られたスラリーを、上記触媒系を用いて 上記加熱温度よりも2〜80℃低い温度で酸化させる第二抽出/後酸化反応工程 を含んでいる。 本発明の方法によれば、低級脂肪族カルボン中で、コバルト、マンガン、ブロ ムと、ニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選ばれた少なくとも 1種とからなる触媒系の存在下に、分子状酸素または分子状酸素を含むガスを用 いキシレン異性体を酸化する酸化反応工程は、1回または2回行われ、そして酸 化反応生成物を結晶化して、粗ベンゼンジカルボン酸異性体のケーキを分離し、 このケーキを、低級脂肪族カルボン酸溶媒の添加により再スラリー化し、次いで これに含まれている不純物を溶媒中に抽出し、生成したスラリーを、上記の触媒 を用いて酸化させる抽出/後酸化工程は、1回または2回実施され、ただし上記 工程の一方または両方は、2回実施される。 本発明の方法は、酸化工程を2回実施し、抽出/後酸化工程を1回行う第一方 法、酸化工程を2回実施し、抽出/後酸化工程を2回行う第二方法、酸化工程を 1回実施し、抽出/後酸化工程を2回行う第三方法に要約することができる。 本発明で使用する“抽出/後酸化工程”なる用語は、第一または第二酸化工程 の生成物を結晶化して粗ベンゼンジカルボン酸異性体のケーキを分離し、このケ ーキに低級脂肪族カルボン酸溶媒を加えて再スラリー化したのち、これに含まれ ている不純物を溶媒中に抽出する抽出工程と、抽出工程から得たスラリーを触媒 系を用いて酸化させる酸化工程からなる工程を意味する。本発明方法では、この 酸化工程(すなわち後酸化工程)で用いる触媒系は、第一または第二酸化工程で 用いたのと同様である。 本発明の方法を次に詳細に説明する。 本発明の方法で出発物質として用いるキシレン異性体には、オルト−、メタ− およびパラ−異性体が含まれ、これら異性体は酸化反応工程において、不純物と して、対応するカルボキシベンズアルデヒド(以下、“CBA”という)を生じ る。すなわち、パラ−、メタ−またはオルト−キシレンを用いるときは、不純物 としてそれぞれ4−CBA、3−CBAまたは 2−CBAが生成する。 本発明の方法によれば、キシレン異性体、低級脂肪族カルボン酸および触媒を 含む反応混合物を、150℃以上且つ第一酸化反応温度より低い温度に予め加熱し 、次いで線速度6〜30m/sで、第一反応器内の液体の回転方向に対し反対方向に 、第一酸化反応器に導入する。 酸化反応は、低級脂肪族カルボン酸中でコバルト−マンガン−ブロム、および ニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選ばれた一種または二種以 上からなる触媒系の存在下に、150〜230℃で分子状酸素または分子状酸素を含む ガスを用いて、20〜60分間行われる。 本発明で使用される分子状酸素または分子状酸素含有ガスとしては、酸素また は空気が用いられ、第二酸化反応あるいは第一または第二抽出/後酸化反応工程 では、第一酸化反応工程から発生する排出ガスと空気の混合物が使用される。 本発明の方法において、反応媒質および抽出溶媒として用いる低級脂肪族カル ボン酸としては、たとえば酢酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸などの炭素 数1〜6の脂肪族酸をあげることができ、好ましくは酢酸が用いられる。 本発明により使用される触媒は、必ずコバルト、マンガンおよびブロムを含み 、さらにニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択した一種また は二種以上が含まれる。コバルト化合物の例としては、限定することを意図しな いが、コバルトアセテートまたはコバルトナフテネートがあげられる。マンガン 化合物としては、限定することを意図しないが、マンガンアセテートまたはマン ガンナフテートがあげられる。ブロム化合物としては、限定することを意図しな いが、ナトリウムブロマイドまたはテトラブロモエタン、あるいはブロム:塩素 として1:0.001〜0.5の比率のブロム化合物と塩素化合物の混合物があげられる 。塩素化合物の例としては、限定することを意図しないが、ZrOCl2、NiCl2・6H2 O、塩酸など があげられ、塩素化合物はそれ自体として加えることも可能であり、あるいは触 媒系の成分として用いるジルコニウムまたはニッケルとの塩の形で用いることも できる。 本発明にしたがって使用される触媒系の成分である重金属は、低級脂肪族カル ボン酸に、特に酢酸に溶解可能な任意の塩の形であってよく、好ましくは酢酸塩 が用いられる。触媒の各成分の比率は、後述するように、各酸化反応段階によっ て異なる。 酸化反応工程を2回行う場合には、第一酸化反応工程で得たスラリーを、第一 酸化反応工程と同様な触媒系、第一酸化反応器から出てくる排出ガス、空気、お よび第二酸化反応後の結晶化段階で得られる還流(reflux)を用いて、10〜30分 間酸化処理する。 抽出/後酸化工程では、スラリーに含まれている溶媒を新しい溶媒に替えたの ち、加熱する(抽出工程)。加熱後、抽出された不純物を含むスラリーを冷却し 、酸化反応工程で用いたのと同様な触媒系で酸化させる(後酸化反応工程)。抽 出/後酸化反応工程は、一回または二回行うことができる。 本発明による抽出/後酸化反応工程を詳細に説明する。 第一または第二酸化反応工程によって得た粗ベンゼンジカルボン酸異性体のス ラリーを分離してケーキを得、このケーキを、抽出/後酸化反応工程から生成す るスラリーを分離する際、または分離されたケーキを洗浄する際に得られる低級 脂肪族カルボン酸を用いて再スラリー化する。再スラリー化後、得られたスラリ ーを200〜280℃の温度で5〜60分間加熱処理し、ベンゼンジカルボン酸異性体結 晶中に不純物として含まれているトルイル酸およびCBAを抽出する。この際、 分離工程または洗浄工程からケーキの再スラリー化に再循環される低級脂肪族カ ルボン酸は、前の段階の酸化反応で得られるスラリーの中に含まれている低級脂 肪族カルボン酸の60%以上を交換できる量で用いるべきである。 こうして加熱抽出によって得られた不純物含有スラリーを、上記の抽出温度よ り2〜80℃だけ低い温度で、上記の触媒系および分子状酸素含有ガスを用いて10 〜30分間酸化反応させ、生成されたスラリーを分離および洗浄する。 上記した抽出/後酸化反応工程は、一回または二回行うことができ、その結果 、触媒の組成と濃度、再スラリー化に用いる低級脂肪族カルボン酸の供給源、お よび各酸化反応段階から得られる粗ベンゼンジカルボン酸中の不純物の濃度が変 化する。しかし、いずれの場合にも、最終的にはカルボキシベンズアルデヒドの 含量が0.0025%以下である高純度ベンゼンジカルボン酸が生成し、このために上 記した酸化反応工程および抽出/後酸化反応工程の一方または両方を2回行うべ きである。 上記した第一方法、第二方法および第三方法の反応条件をより詳しく説明すれ ば次の通りである。 上記第一方法において、後酸化工程に用いられる触媒系は、コバルト−マンガ ン−ブロム成分に加える重金属濃度[Mt]と、コバルトおよびマンガンの合計の 濃度[Co+Mn]との比率[Co+Mn]:[Mt]は、1:0.01〜0.2であり、加える重 金属の全濃度は50〜300ppmである。第一酸化:第二酸化:第一抽出/後酸化に用 いられる重金属の濃度は、1:0.5〜0.9:0.05〜0.20である。第二酸化反応で得 たケーキを再スラリー化するために用いる溶媒は、第一抽出/後酸化反応工程か ら得られるケーキを洗浄するための洗浄工程から再循環される。再循環溶媒は、 第二酸化反応工程からのスラリー中に含まれる低級脂肪族カルボン酸の少なくと も60%を置換できる量で用いるべきである。 高純度ベンゼンジカルボン酸を製造するために上記第一方法を用いる場合には 、第一酸化反応、第二酸化反応および第一抽出/後酸化反応で生成された粗ベン ゼンジカルボン酸中に含まれる不純物としてのCBA濃度は、それぞれ0.06〜0. 16%、0.03〜0.08%、および0.0025%以下で ある。 上記第二方法において、[Co+Mn]:[Mt]の比率は、1:0.01〜0.2であり 、加える重金属の全濃度は30〜200ppmである。第一酸化:第二酸化:第一抽出/ 後酸化:第二抽出/後酸化に用いられる重金属の濃度は、1:0.5〜0.9:0.1〜0 .3:0.05〜0.2である。第二酸化反応工程から得たケーキを再スラリー化するた めに用いる溶媒は、第二抽出/後酸化反応工程で得たスラリーからケーキを分離 するための分離工程から再循環される。再循環される溶媒は、第二酸化反応工程 から得たスラリー中に含まれている低級脂肪族カルボン酸の少なくとも60%を置 換し得る量で用いるぺきである。第一抽出/後酸化反応工程からのケーキを再ス ラリー化するための溶媒は、第二抽出/後酸化反応工程から得られたケーキを洗 浄するための洗浄工程から再循環される。再循環される溶媒は、第一抽出/後酸 化反応工程からのスラリー中に含まれている低級脂肪族カルボン酸の少なくとも 60%を置換し得る量で用いるべきである。このようにして溶媒を再循環して不純 物を抽出すると、溶媒の使用効率を改善し、したがって溶媒の損失を最小限にす ることができる。 高純度ベンゼンジカルボン酸を製造するために、上記した第二方法を用いる場 合、第一酸化反応、第二酸化反応、第一抽出/後酸化反応および第二抽出/後酸 化反応から生成される粗ベンゼンジカルボン酸中に含まれる不純物としてのCB Aの濃度は、それぞれ0.1〜O.4%、0.05〜0.15%、0.01〜0.03%、および0.0025 以下である。 第三方法において、[Co+Mn]:[Mt]の比率は、1:0.01〜0.2であり、加 える重金属の全濃度は40〜300ppmである。第一酸化:第一抽出/後酸化:第二抽 出/後酸化に用いられる重金属の濃度は、1:0.05〜0.5:0.05〜0.2である。第 一酸化反応工程からのケーキを再スラリー化するための溶媒は、第二抽出/後酸 化反応工程から得られるスラリーからケーキを分離するための分離工程から再循 環される。再循環される溶媒は、 第一酸化反応工程からのスラリー中に含まれている低級脂肪族カルボン酸の少な くとも60%を置換し得る量で用いるべきである。第一抽出/後酸化反応工程から のケーキを再スラリー化するための溶媒は、第二抽出/後酸化反応工程から生成 するケーキを洗浄するための洗浄工程から再循環される。再循環される溶媒は第 一抽出/後酸化反応工程からのスラリー中に含まれている低級脂肪族カルボン酸 の少なくとも60%を置換し得る量で用いるべきである。 高純度ベンゼンジカルボン酸を製造するために第三方法を用いる場合には、第 一酸化反応工程、第一抽出/後酸化反応工程および第二抽出/後酸化反応工程か ら生成される粗ベンゼンジカルボン酸中に不純物として含まれるCBAの濃度は 、それぞれ0.04〜0.15%、0.01〜0.05%および0.0025%以下である。 上記した第一方法、第二方法および第三方法は、設備費、反応関与体および溶 媒の損失を考慮して選択できる。すなわち、たとえば設備費を低減したい場合に は、触媒濃度をいくらか高めた第一方法を好ましく選ぶことができ、低級脂肪族 カルボン酸とキシレン異性体の酸化による損失を減少したい場合には、穏和な条 件で酸化反応工程を実施する第二方法を好ましく選択することができる。さらに 、設備費と反応関与体および溶媒の欠損とを中程度にする必要がある場合には、 第三方法を選択することが好ましい。 上述した本発明の主な特色と長所は次の通りである。 1)再循環させた溶媒を利用して不純物を加熱抽出する抽出/後酸化工程によ って、溶媒を酸化することなく、不純物を選択的に酸化できる。 2)全3回あるいは4回にわたる酸化反応工程を用いてベンゼンジカルボン酸 を製造する方法において、コバルト−マンガン−ブロムと一緒に、ニッケル、ク ロム、ジルコニウムおよびセリウムから選んだ1種以上の追加の金属からなる改 良された触媒系を、それぞれの酸化工程において適宜 な濃度で用いることによって、穏かな温度でベンゼンジカルボン酸異性体を選択 的に高い収率で酸化することができ、トルイル酸異性体とCBAがベンゼンジカ ルボン酸に酸化される律速酸化反応工程を促進することができる一方で、高分子 量の着色有機化合物が生成する副反応を避けることができる。 3)反応混合物を6〜30m/sの高い線速度で反応器に導入するという新しい方 法により、反応混合物を反応帯域にわたって急速に且つほとんど均一に分布させ ることができる。また、150℃から反応温度までに反応混合物を予備加熱するこ とで、反応領域での温度勾配を除くことができ、反応混合物の速やかな混合と共 に、全反応容積にわたって一様な(安定した)反応の進行が得られる。これによ って、溶媒として用いる低級脂肪族カルボン酸の酸化による損失を減ずることが できる。 以上の如き本発明の特徴および長所によって、溶媒の損失を最少にしながら、 主な不純物であるCBAの含量が0.0025%以下、色指数が10°H以下の高純度ベ ンゼンジカルボン酸異性体を製造することができる。図面の簡単な説明 第1図は、酸化反応工程を2回行った後に、抽出/後酸化工程を一回実施する 本発明の方法(第一方法)のフローチャートを示す。 第2図は、酸化反応工程を2回行った後に、抽出/後酸化反応工程を2回実施 する本発明の方法(第二方法)のフローチャートを示す。 第3図は、酸化反応工程を1回行った後に、抽出/後酸化反応工程を2回実施 する本発明の方法(第三方法)のフローチャートを示す。発明を実施するための最良の形態 本発明を、次の非制限的実施例によってさらに詳細に説明する。 次の例において、特別な言及がない限り、金属は全て酢酸塩の形で、ブ ロムは臭化水素酸の形で用いられ、%は重量による。実施例1〜9および比較例1〜7 (第一方法:2回の酸化反応工程を実施した後、抽出/後酸化工程を1回実施す る)実施例1 反応混合物を、攪拌器と加熱ジャケットが装置されたチタン製容器中で調製し た。反応混合物の組成は、p-キシレン17%(1734kg)、酢酸80.63%、水2%、コ バルト732ppm、マグネシウム588ppm、ニッケル70ppm、ブロム2270ppmであった。 遠心ポンプで上記反応混合物を加熱器に供給し、160℃に加熱した。この予熱 された混合物を、4つのノズルを通じて、共通シャフトに取りつけられた2つの タービン攪拌器を装着した反応器(V=10m3)中に、線速度20m/sで導入した。 酸化反応は198℃の温度と、18kg/cm2の圧力で40分間行われた。 第一酸化反応からの生成物を、第二酸化反応器へ供給し、第二酸化反応器に接 続された結晶化槽からの還流、および第一酸化反応器からの排出ガスと空気との 混合物を用いて処理した。第二酸化反応の間、水の濃度は10%に保持した。第二 酸化反応の後に得られたテレフタル酸の純度は、第一酸化反応後に得た生成物と 比べて、4−CBA含量として1.9倍、色指数として1.3倍の向上があった。 第一抽出/後酸化反応に供給する反応混合物は、攪拌器を備えた容器中で調製 した。第二酸化反応の生成物から分離したケーキ(残留溶媒15%)を反応器に投 入し、溶媒を用いてケーキに含まれている不純物を抽出した。この抽出用の溶媒 としては、第一抽出/後酸化反応工程から得たケーキを洗浄するための洗浄工程 から再循環されたものが用いられる。再循 環された溶媒は、第二酸化反応生成物中に含まれた全溶媒の85%が置換されるよ うにする。得られたスラリーは25%のテレフタル酸を含有していた。 このスラリーを加熱器に供給し、約230℃に加熱した後、攪拌器を備え、且つ 一定の温度を保ちうる容器に送り、10分間保った(第一抽出)。この熱処理した スラリーを第一抽出/後酸化反応器に供給し、そこでスラリーを第一酸化反応器 からの排出ガスと空気との混合物で200℃にて処理すると同時に、コバルト、マ ンガン、ニッケルおよび酢酸95%、水4.875%、臭化水素酸0.125%からなる臭化 水素酸/酢酸溶液を反応器に供給した(第一後酸化)。最終的に、第一抽出/後 酸化反応における反応混合物の組成は、テレフタル酸20%、水7%、[Co+Mn+Ni ]132ppmおよびブロム212 ppmであった。 第一後酸化反応の反応時間は20分であった。反応が完了した後、生成物を収集 容器中で大気圧、105℃で結晶化させた。固形物を遠心分離器で分離し、新たな 酢酸で洗浄して乾燥させた。後酸化反応工程からの最終生成物の4−CBA含量 は25ppm、色指数は8°Hであった。収率は98%であった。第一酸化から第一抽出 /後酸化反応までの全酸化時間は80分間であった。 本発明の方法によれば、反応混合物を反応器内に高速で流入することで、反応 器内の温度と反応関与体濃度とを急速に均一に分布させることができ、そして特 定の触媒系を使用し且つ再循環溶媒を用いる抽出工程を採用することにより、特 定化合物のみを選択的に酸化し、CBA異性体含量25ppm以下、色指数10°H以下 の高純度フタル酸異性体を製造することができる。各工程は約10〜40分間で終了 することができる。 実施例1の酸化反応条件および結果を表1に示す。実施例2 実施例1の操作を繰り返し、但しNi 70ppmの代わりに、Ni 40ppm、Cr 20ppm、Zr 30ppmおよびCe 40ppmを用い、反応時間と反応温度を表1に 示すように変えた。最後に得たテレフタル酸の4−CBA含量は15ppm、色指数 は4°Hであった。実施例2の酸化反応条件と結果を表1に示す。実施例3 実施例1の操作を繰り返し、但しNi 70ppmの代わりに、Zr 120ppmを用 い、反応時間と温度を表1に示すように変えた。最後に得たテレフタル酸の4− CBA含量は24ppm、色指数は8°Hであった。実施例3の酸化反応条件と結果を 表1に示す。実施例4 実施例1の操作を繰り返し、但しNi 70ppmの代わりに、Ce 120ppmを用 い、反応時間と温度を表1に示すように変えた。最後に得たテレフタル酸の4− CBA含量は22ppm、色指数は7°Hであった。実施例4の酸化反応条件と結果を 表1に示す。実施例5 実施例1の操作を繰り返し、但しニッケルの使用量を70ppmから100ppmに増し 、反応温度と時間を表1に示すように変えた。最終的に生成したテレフタル酸の 4−CBA含量は20ppm、色指数は7°Hであった。実施例5の酸化反応条件と結 果を表1に示す。比較例1 実施例1の操作を繰り返し、但しNiを添加せず、反応時間と温度を表1に示 すように変えた。最後に得たテレフタル酸の4−CBA含量は25 ppmであったが、色指数は46°Hと高かった。比較例1の酸化反応条件と結果を表 1に示す。比較例2 比較例1の操作を繰り返し、但し反応混合物の流入速度を28m/sから1m/sに低 下させ、抽出時間を10分から1分に変えた。最後に得たテレフタル酸の4−CB A含量は650ppm、色指数は26°Hであった。比較例2の酸化反応条件と結果を表 1に示す。比較例3 実施例5の操作を繰り返し、但しNi 100ppmの代わりに、Ni 50ppmおよ びCr 50ppmを用い、第一後酸化反応中の触媒濃度[Co+Mn+Ni+Cr]を132ppmか ら21ppmに変え、ブロム濃度を212ppmから32ppmに変えた。最後に得たテレフタル 酸の4−CBA含量は15ppm、色指数は4°Hであった。比較例3の酸化反応条件 と結果を表1に示す。比較例4 実施例1の操作を繰り返し、但しNiを添加せず、反応混合物の流入温度を16 0℃から60℃に、第一抽出/後酸化反応時の加熱温度と反応温度を各々230℃と、 200℃から180℃と180℃に変えた。最後に得たテレフタル酸の4−CBA含量は2 22ppm、色指数は21°Hであった。比較例4の酸化反応条件と結果を表1に示す。実施例6 実施例1の操作を繰り返し、但しp-キシレンの代わりに、m-キシレンを用いた 。最後に得たイソフタル酸の3−CBA含量は15ppm、色指数は 10°Hであった。実施例6の酸化反応条件と結果を表1に示す。比較例5 実施例6の操作を繰り返し、但しNiを添加せず、反応混合物の流入線速度を 20m/sから1m/sに減じ、第一抽出段階の保持時間を10分から3分に減じた。最後 に得たイソフタル酸の3−CBA含量は160ppm、色指数は48°Hであった。比較 例5の酸化反応条件と結果を表1に示す。実施例7 実施例1の操作を繰り返し、但しp-キシレンの代わりに、o-キシレンを用い、 Ni 70ppmの代わりに、Ni 40ppm、Cr 20ppm、Zr 30ppmおよびCe 40ppmを用いた。最後に得たフタル酸の2−CBA含量は20ppm、色指数は10°H であった。実施例7の酸化反応条件と結果を表1に示す。比較例6 実施例1の操作を繰り返し、但しp-キシレンの代わりに、o-キシレンを用い、 反応混合物の流入速度を20m/sから1m/sに減じた。最後に得たフタル酸の2−C BA含量は28ppm、色指数は20°Hであった。比較例6の酸化反応条件と結果を表 1に示す。実施例8〜17および比較例7〜8 (第二方法:2回の酸化反応工程を実施した後、抽出/後酸化工程を2回実施す る)実施例8 本実施例では、反応混合物の収集容器、計量ポンプ、攪拌器および凝縮器が装 置された酸化反応器および結晶槽からなる連続式ユニットを用いてp-キシレンを 酸化させた。p-キシレン14%(330g)、酢酸83.9%、水2%、コバルト254ppm、 マンガン127ppm、ジルコニウム23ppmおよびブロム632ppmの組成を有する反応混 合物を、反応混合物収集容器に注入した。 反応混合物を予め160℃に加熱した後、反応器(1l)に空気を供給しながら送 った。ガス、すなわちO2、COまたはCO2の含量、温度、圧力、反応混合物お よび空気の消費量を鑑視しながら、且つ適宜な間隔で反応生成物の試料を採取し ながら、上記混合物を192℃で反応させた。試料を液相と固相に分離し、クロマ トグラフィー法、ポーラログラフィー法および光学的測定方法等の普通の技術を 利用して、定性的および定量的に分析した。 第一酸化反応が終了した後、第一酸化反応から得たスラリーを第二酸化反応器 に供給し、空気と、第一酸化反応器からの排出ガスと、第二酸化反応器に接続さ れた結晶化槽からの還流とを用いて185℃で処理した。第二酸化反応生成物を分 離してケーキを得、これを、第二抽出/後酸化反応から得られたスラリーからの ケーキを分離する分離工程から再循環された母液を用いて、再スラリー化した後 、第一抽出/後酸化反応器に供給した。この第一抽出/後酸化反応器中の内容物 を230℃まで加熱して7分間保った後、198℃まで冷却して酸化反応させた。この 酸化に用いた触媒濃度は、第一酸化反応で用いた触媒濃度の1/5であった。第 一抽出/後酸化反応工程の後、生成されたテレフタル酸中の4−CBA濃度は、 950ppm(第二酸化反応後)から210ppmまでに減少され、色指数は9°Hから7°H へと降下した。 第一抽出/後酸化反応生成物から分離されたケーキを、第二抽出/後酸化反応 から分離されたケーキを洗浄する洗浄工程から再循環された酢酸を 用いて再スラリー化した後、第二抽出/後酸化反応器に供給した。第二抽出/後 酸化反応器の内容物を230℃まで加熱して7分間保った後、198℃まで冷却して酸 化反応させた。第二抽出/後酸化反応に用いた触媒濃度は、第一酸化反応に用い た触媒濃度の1/10であった。第二後酸化反応生成物を冷却してテレフタル酸 を分離し、新たな酢酸で洗浄した。実施例9の酸化反応条件および結果を表2に 示す。 この実施例において、4−CBA 14ppmを含み、色指数が6°Hである高純度 テレフタル酸を得ることができる。実施例9 実施例8の操作を繰り返し、但しオキシ臭化ジルコニウムの代わりにオキシ塩 化ジルコニウムを用いた。オキシ臭化ジルコニウムをオキシ塩化ジルコニウムに 取りかえることによって、生成したテレフタル酸の色指数は変わりなかったが、 4−CBA含量が14ppmから11ppmへと減少した。実施例9の酸化反応条件および 結果を表2に示す。実施例10 実施例8の操作を繰り返し、但し臭化ジルコニウムの代わりに塩化ニッケル六 水和物を用いた。実施例8の結果と比べると、生成したテレフタル酸の4−CB A含量は同様であったが、色指数は低下した。実施例10の酸化反応条件および 結果を表2に示す。実施例11 実施例8の操作を繰り返し、但しジルコニウム化合物の代わりにセリウム化合 物を用いた。高純度のテレフタル酸が得られた。実施例11の酸化反応条件およ び結果を表2に示す。実施例12 実施例8の操作を繰り返し、但しジルコニウム化合物の代わりにクロム化合物 を用いた。高純度のテレフタル酸が得られた。実施例12の酸化反応条件および 結果を表2に示す。実施例13 実施例8の操作を繰り返し、但しジルコニウム化合物の代わりにジルコニウム 、ニッケルおよびクロム化合物の混合物を用いた。実施例8の結果と比べると、 生成したテレフタル酸の4−CBA含量および色指数は低下した。実施例13の 酸化反応条件および結果を表2に示す。比較例7 実施例13の操作を繰り返し、但し重金属を添加しなかった。生成したテレフ タル酸の品質は高純度の要件を満たさなかった。比較例7の酸化反応条件および 結果を表2に示す。実施例14および15 実施例8の操作を繰り返し、但し反応器の容量を1lから10m3に変えた。 反応器には2つの平行攪拌器と、混合物の流入速度と方向を調整するためのノズ ルが装着されている。第一および第二酸化反応は実施例8と同じ温度で行い、第 一後酸化および第二後酸化反応は188〜199℃で実施した。触媒濃度は、実施例8 と比べて実施例14では約2倍に、実施例15では約1.5倍に増加した。この結 果各々10ppmおよび24ppmの高純度テレフタル酸が得られた。実施例14および1 5の酸化反応条件と結果を表2に示す。比較例8 実施例14の操作を繰り返し、但し反応混合物を、ノズルの代わりに4個の分 岐パイプで5m/sの速度で供給し、反応温度と時間は表2に示すように変更した 。生成したテレフタル酸の色指数は28°Hと高かった。比較例8の酸化反応条件 および結果を表2に示す。実施例16および17 実施例8の操作を繰り返し、但しp-キシレンの代わりに、それぞれm-キシレン およびo-キシレンを酸化し、ジルコニウムの代わりにニッケルを用いた。その結 果、CBA含量が各々12ppmおよび23ppmで、色指数が各々6°Hおよび10°Hの高 純度テレフタル酸およびイソフタル酸を得た。実施例16および17の酸化反応 条件と結果を表2に示す。実施例18〜20 (第三方法:1回の酸化反応工程を実施した後、抽出/後酸化工程を2回実施 する)実施例18 この実施例では、p-キシレンを第三方法で酸化させた。p-キシレン14%(378g )、酢酸83.8%、水2%、コバルト618ppm、マンガン292ppm、ニッケル61ppm、ブ ロム1416ppmの組成を有する反応混合物を、反応混合物収集容器に注入した。 反応混合物を予め160℃に加熱した後、反応器に空気を供給しながら送った。 ガス、すなわちO2、COおよびCO2の含量、温度、圧力、反応混合物および空 気の消費量を鑑視しながら、且つ適宜な間隔で反応生成物の試料を採取しながら 、上記混合物を188℃で反応させた。試料を液相と固相に分離し、クロマトグラ フィー法、ポーラログラフィー法および光学的測定方法等の普通の技術を利用し て、定性的および定量的に分析した。 第一酸化反応が終了した後、第一酸化反応から得たスラリーを100℃まで冷却 してケーキを得、これを第二抽出/後酸化反応から得られるスラリーからケーキ を分離するための分離工程から再循環された母液を用いて再スラリー化した後、 第一抽出/後酸化反応器に供給した。第一抽出/後酸化反応器の内容物を240℃ まで加熱して15分間保った後、198℃まで冷却して酸化反応させた。この酸化反 応に用いた触媒の重金属濃度およびブロム濃度は、第一酸化反応に用いた触媒の 濃度の各々1/7および1/9であった。 第一抽出/後酸化反応生成物から分離したケーキを、第二抽出/後酸化反応か ら分離したケーキを洗浄するための洗浄工程から再循環された酢酸を用いて再ス ラリーした後、第二抽出/後酸化反応器に供給した。第二抽出/後酸化反応器の 内容物を240℃まで加熱して15分間保った後、198℃に冷却して酸化反応させた。 第二後酸化反応で用いた触媒濃度は第一酸化反応に用いた触媒濃度の1/10で あった。第二後酸化反応生成物を冷却し、テレフタル酸を分離して新たな酢酸で 洗浄した。実施例18の酸化反応条件および結果を表3に示す。実施例19 実施例18の操作を繰り返し、但し新しい触媒の代わりに、第一酸化反応の母 液から回収した触媒を用いた。この結果、高純度のテレフタル酸を得ることがで きた。実施例19の酸化反応条件および結果を表3に示す。実施例20 実施例18の操作を繰り返し、但しニッケル61ppmの代わりに、ニッケル31ppm およびジルコニウム31ppmを用いた。第一後酸化反応および第二後酸化反応に用 いた触媒濃度は、第一酸化反応に比べて、各々1/ 8および1/12に低くした。この結果、高純度のテレフタル酸を得ることがで きた。実施例20の酸化反応条件および結果を表3に示す。
【手続補正書】 【提出日】1994年12月6日 【補正内容】 明細書の発明の詳細な説明の欄を、下記のとおり補正する。 1.第16頁12〜13行の『15ppm』を、『421ppm』に改めるとともに、同頁13行の 『4°H』を、『9°H』に改める。 (補正の根拠は第24頁の表1にあります。) 2.第19頁14行の『実施例9』を、『実施例8』に改める。 3.第20頁下から4行の『この結果』の後に、『、4−CBA含量が』を加入す る。 4.第24頁の表1中、実施例7に色の欄おける『20』を、『10』に改める。 (補正の根拠は第17頁11行にあります。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07C 51/487 9450−4H 63/16 9450−4H 63/24 9450−4H (81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG, CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,T D,TG),AT,AU,BB,BG,BR,CA,C H,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,HU,JP ,KZ,LK,LU,MN,MW,NL,NO,NZ, PL,PT,RO,SD,SE,SK,UA,VN (72)発明者 ナジモク,ウラジミール フィリポビッチ ロシア連邦 チュラ,300034,138,カル ツリーナ エスティ.,フラット 53 (72)発明者 ゴンチャローヴァ,ナデツダ ニコラエー ナ ロシア連邦 チュラ,300057,82,ヴォロ ダースコーゴ エスティ.,ブロック 1,フラット 94 (72)発明者 ユルジェフ,ヴァレリ ペトロビッチ ロシア連邦 チュラ,300034,12,レジェ ジーナ エスティ.,フラット 36 (72)発明者 マンズロフ,ウラジミール ドミトリービ ッチ ロシア連邦 チュラ,300034,77,デモン ストラッシー エスティ.,フラット 59

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. (a)キシレン異性体を低級脂肪族カルボン酸中で、コバルト、マンガン 、ブロムと、ニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択された少 なくとも1種とからなる触媒系の存在下に、分子状酸素または分子状酸素含有ガ スを用いて酸化させる酸化反応工程;および(b)上記酸化反応生成物を結晶化 して粗ベンゼンジカルボン酸異性体のケーキを分離し、このケーキを低級脂肪族 カルボン酸溶媒の添加により再スラリー化した後、これに含まれている不純物を 溶媒中に抽出するために加熱し、得られたスラリーを、上記触媒系を用いて上記 加熱温度よりも2〜80℃低い温度で酸化させる抽出/後酸化反応工程を含んで おり、上記酸化工程および抽出/後酸化反応工程の各々は、1回または2回行わ れ、但し上記工程の何れか一方または両方は、2回行われることを特徴とする、 追加の触媒的還元工程を経ずに、高純度ベンゼンジカルボン酸異性体を製造する 方法。 2. (a)キシレン異性体を低級脂肪族カルボン酸中で、コバルト、マンガン 、ブロムと、ニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択された少 なくとも1種とからなる触媒系の存在下に、分子状酸素または分子状酸素含有ガ スを用いて酸化させる第一酸化反応工程;(b)上記第一酸化反応工程から得ら れた生成物を上記触媒系を用いて再酸化させる第二酸化反応工程;および(c) 上記第二酸化反応工程から得られた生成物を結晶化して粗ベンゼンジカルボン酸 異性体のケーキを分離し、このケーキを低級脂肪族カルボン酸溶媒の添加により 再スラリー化した後、これに含まれている不純物を溶媒中に抽出するために加熱 し、得られたスラリーを、上記触媒系を用いて上記加熱温度よりも2〜80℃低 い温度で酸化させる第一抽出/後酸化反応工程を含んでいることを特徴とする、 特許請 求の範囲第1項に記載の方法。 3. (a)キシレン異性体を低級脂肪族カルボン酸中で、コバルト、マンガン 、ブロムと、ニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択される少 なくとも1種とからなる触媒系の存在下に、分子状酸素または分子状酸素含有ガ スを用いて酸化させる第一酸化反応工程;(b)上記第一酸化反応工程から得ら れた生成物を上記触媒系を用いて再酸化させる第二酸化反応工程;(c)上記第 二酸化反応工程から得られた生成物を結晶化して粗ベンゼンジカルボン酸異性体 のケーキを分離し、このケーキを低級脂肪族カルボン酸溶媒の添加により再スラ リー化した後、これに含まれている不純物を溶媒中に抽出するために加熱し、得 られたスラリーを、上記触媒系を用いて上記加熱温度よりも2〜80℃低い温度 で酸化させる第一抽出/後酸化反応工程;および(d)上記第一抽出/後酸化反 応工程から得られた生成物を結晶化して粗ベンゼンジカルボン酸異性体のケーキ を分離し、このケーキを低級脂肪族カルボン酸溶媒の添加により再スラリー化し た後、これに含まれている不純物を溶媒中に抽出するために加熱し、得られたス ラリーを、上記触媒系を用いて上記加熱温度よりも2〜80℃低い温度で酸化さ せる第二抽出/後酸化反応工程を含んでいることを特徴とする、特許請求の範囲 第1項に記載の方法。 4. (a)キシレン異性体を低級脂肪族カルボン酸中で、コバルト、マンガン 、ブロムと、ニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択された少 なくとも1種とからなる触媒系の存在下に、分子状酸素または分子状酸素含有ガ スを用いて酸化させる第一酸化反応工程;(b)上記第一酸化反応工程から得ら れた生成物を結晶化して粗ベンゼンジカルボン酸異性体のケーキを分離し、この ケーキを低級脂肪族カルボン酸溶媒の添加により再スラリー化した後、これに含 まれている不純物を溶媒中に抽出 するために加熱し、得られたスラリーを、上記触媒系を用いて上記加熱温度より も2〜80℃低い温度で酸化させる第一抽出/後酸化反応工程;および(c)上 記第一抽出/後酸化反応工程から得られた生成物を結晶化して粗ベンゼンジカル ボン酸異性体のケーキを分離し、このケーキを低級脂肪族カルボン酸溶媒の添加 により再スラリー化した後、これに含まれている不純物を溶媒中に抽出するため に加熱し、得られたスラリーを、上記触媒系を用いて上記加熱温度よりも2〜8 0℃低い温度で酸化させる第二抽出/後酸化反応工程を含んでいることを特徴と する、特許請求の範囲第1項に記載の方法。 5. 上記第一酸化反応工程に導入される反応混合物を、予め150℃〜第一酸 化反応工程の温度に加熱することを特徴とする、特許請求の範囲第1〜4項の何 れかに記載の方法。 6. 上記第二酸化反応生成物から分離されたケーキを再スラリー化するための 上記低級脂肪族カルボン酸溶媒が、上記第一抽出/後酸化反応生成物から分離さ れたケーキを洗浄するための洗浄工程から再循環されることを特徴とする、特許 請求の範囲第2項に記載の方法。 7. 上記第二酸化反応生成物から分離されたケーキを再スラリー化するのに用 いられる上記低級脂肪族カルボン酸溶媒が、上記第二抽出/後酸化反応生成物か ら得られたスラリーからケーキを分離するための分離工程から再循環され、そし て上記第一酸化反応生成物から分離されたケーキを再スラリー化するのに用いら れる上記低級脂肪族カルボン酸溶媒が、上記第二抽出/後酸化反応生成物から分 離されたケーキを洗浄するための洗浄工程から再循環されることを特徴とする、 特許請求の範囲第3項に記載の方法。 8. 上記第一酸化反応生成物から分離されたケーキを再スラリー化するのに用 いられる上記低級脂肪族カルボン酸溶媒が、上記第二抽出/後酸化反応生成物か ら得られたスラリーからケーキを分離するための分離工程から再循環され、そし て上記第一抽出/後酸化反応生成物から分離されたケーキを再スラリー化するの に用いられる上記低級脂肪族カルボン酸溶媒が、上記第二抽出/後酸化反応生成 物から分離されたケーキを洗浄するための洗浄工程から再循環されることを特徴 とする、特許請求の範囲第4項に記載の方法。 9. 上記第一および第二酸化反応を、150〜230℃で20〜60分間行う ことを特徴とする、特許請求の範囲第2項または3項に記載の方法。 10. 上記第一酸化反応を、150〜230℃で20〜60分間行うことを特 徴とする、特許請求の範囲第4項に記載の方法。 11. 反応混合物を、第一酸化反応器内に、6〜30m/sの線速度で、反応 器内容物の回転方向と対抗方向に導入することを特徴とする、特許請求の範囲第 2〜4項の何れかに記載の方法。 12. ニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択される重金属 の濃度と、コバルトおよびマンガンの全濃度との比率が、0.01〜0.2:1であり 、上記重金属の全濃度が、50〜300ppmであることを特徴とする、特許請 求の範囲第2項に記載の方法。 13. 上記第一酸化反応:第二酸化反応:第一後酸化反応に用いられるニッケ ル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択される重金属の 濃度の比率が、1:0.5〜0.9:0.05〜0.2であることを特徴とする、特許請求の 範囲第2項に記載の方法。 14. ニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択される重金属 の濃度と、コバルトおよびマンガンの全濃度との比率が、0.01〜0.2:1であり 、上記重金属の全濃度が、30〜200ppmであることを特徴とする、特許請 求の範囲第3項に記載の方法。 15. 上記第一酸化反応:第二酸化反応:第一後酸化反応:第二後酸化反応に 用いられるニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択される重金 属の濃度の比率が、1:0.5〜0.9:0.1〜0.3:0.05〜0.2であることを特徴とす る、特許請求の範囲第3項に記載の方法。 16. ニッケル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択される重金属 の濃度と、コバルトおよびマンガンの全濃度との比率が、0.01〜0.2:1であり 、上記重金属の全濃度が、40〜300ppmであることを特徴とする、特許請 求の範囲第4項に記載の方法。 17. 上記第一酸化反応:第二酸化反応:第一後酸化反応に用いられるニッケ ル、クロム、ジルコニウムおよびセリウムから選択される重金属の濃度の比率が 、1:0.05〜0.5:0.05〜0.2であることを特徴とする、特許請求の範囲第4項に 記載の方法。 18. 上記ブロム化合物が、ブロム化合物単独であるか、または臭素および塩 素として1:0.001〜0.5の比率のブロム化合物と塩素化合物との混合物であるこ とを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の方法。 19. 再循環される低級脂肪族カルボン酸の量が、前の酸化反応工程からのス ラリー中に含まれている低級脂肪族カルボン酸の少なくとも60%を置換し得る 量であることを特徴とする、特許請求の範囲第6〜8項の何れかに記載の方法。
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