JPH0859286A - 青色発光ガラス材 - Google Patents

青色発光ガラス材

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JPH0859286A
JPH0859286A JP21940694A JP21940694A JPH0859286A JP H0859286 A JPH0859286 A JP H0859286A JP 21940694 A JP21940694 A JP 21940694A JP 21940694 A JP21940694 A JP 21940694A JP H0859286 A JPH0859286 A JP H0859286A
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chloride
mol
glass
glass material
blue light
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JP21940694A
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Masaharu Ishiwatari
正治 石渡
Akira Okubo
晶 大久保
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 塩化ガドリニウムを主成分のガラス形成剤と
しアルカリ土類塩化物をガラス形成助剤として含むガラ
ス母材に塩化ツリウムを含有させてなる赤外可視波長変
換ガラス材。 【効果】 光変換効率および取扱性に優れ、かつ製造の
容易な赤外可視波長変換ガラス材が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外光または赤色光を
より短い波長の可視光に変換する波長変換材料に関す
る。より詳しくは、変換効率および取扱性に優れ、しか
も製造が容易であり、ディスプレイ用蛍光体、赤外光検
知体あるいはアップコンバージョンレーザーの材料等に
幅広い応用が可能であり、赤外光及び赤色光を効率的に
青色光に変換するガラス材に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】一般に蛍光発光においては、放
出光は入射光(励起光)より波長が長くなるが、希土類
イオン含有物質の中には励起光よりも短波長の光を放出
するアップコンバージョンと呼ばれる蛍光を示すものが
ある。これは、希土類イオンの電子が光子の2段階吸収
などによって励起されることによるものである。例え
ば、赤外光を励起光とし可視光を発する蛍光体が知られ
ており、肉眼では見えない赤外光の光路を識別する材料
として用いられているほか、ディスプレイ用蛍光体、あ
るいは、赤外レーザーと組み合わせて可視光レーザーの
光源としての利用が期待されている。特に透明ガラス材
料からなる蛍光体は、(i) 透明であるために可視光発生
の際の損失や散乱が少ない、(ii)ファイバー等の任意の
形態に成型できる、(iii) 励起光の波長ゆらぎに伴う吸
収効率の変動が小さいので、温度や電流等の影響により
出力波長が変動しやすい半導体レーザーを励起光として
用いた場合でも比較的安定した出力が得られる等の利点
がある。
【0003】特に、最近では、光記憶の高密度化に対応
した、より短波長の光を放出するアップコンバージョン
材料が求められ、赤外光及び赤色光をを励起光として青
色光を発する蛍光体の検討が進められている。従来、こ
の種のアップコンバージョン蛍光体としては、YLiF
4 結晶にTm3+をドープした結晶により75Kで青色の
レーザー発振が認められている(Applied Optics, 28,1
7, 3553-3555, 1989)。
【0004】しかし、結晶の場合、ファイバー等の任意
の形態に成型することは困難であり、大きな単結晶を製
造するには困難が多い。また結晶は、半導体レーザーと
組み合わせる上では、小型化が容易である反面、配位子
場の対称性が高いため発光遷移確率が低く、更に吸収幅
が狭いため半導体レーザーのように励起光の波長が変動
しやすいレーザーで励起する場合、吸収効率の変動が大
きいという問題点がある。 この種のガラス蛍光体とし
ては、フッ化アルミニウムガラスにTm3+をドープした
蛍光体(J. Non-crystalline Solids, 135, 90-93,199
1)、あるいはフッ化物ガラスにTm3+をドープしさらに
Yb3+を増感剤として添加した蛍光体(特開平5-319855
号)が知られている。また、フルオロジルコネート(ZBL
AN) にTm3+をドープし、あるいはさらにEu3+を増感
剤として添加した蛍光体が提案されている(例えば、S.
G.Grubb et al., Electron. Lett., 28, 1243, 1992)。
【0005】しかし、上記ガラス材料も現状では波長変
換効率が不十分である。例えば、上記ZBLAN では、格子
振動の最大エネルギーが400〜500cm-1と大きい
が、一般に格子振動エネルギーが大きいと多フォノン緩
和時間が短くなるため(J. P. van der Ziel et al. J.
Appln. Phys. 60, (1986) 4262-67)、波長変換効率が低
下する。
【0006】
【発明の解決課題】本発明は、従来のガラス材における
上記問題を解決し、ガラス化が容易で、かつ発光強度が
強く、赤色光半導体レーザー光を励起光として実用に耐
える強度および安定性で青色光を放出する青色発光ガラ
ス材の提供を目的とする。
【0007】
【課題解決の手段】本出願人は、先に、エルビウム(E
r)イオンを発光源物質とし、発光補助物質としてガド
リニウム(Gd)イオンを含むハロゲン化物からなる蛍
光体を提案した(特願平5-237190号)。この蛍光体は予
備励起が不要でしかも変換効率が高い特徴を有する。本
発明者等は、かかる研究成果に基づいてさらに検討を続
けた結果、塩化ガドリニウム(塩化Gd)を単なる発光
補助物質としてではなく、アルカリ土類塩化物をガラス
形成助剤として併用することにより、塩化Gdをガラス
形成剤とする塩化物ガラスを見出し、これを光透過用ガ
ラス材として提案した(特願平6-95477 号)。本発明
は、この塩化Gdをガラス母材の主成分としアルカリ土
類塩化物をガラス形成助剤とする塩化物ガラスに、発光
中心としてツリウム(Tm)イオンを含有させることに
よって、優れたアップコンバージョン特性を有する青色
発光ガラス体を得たものである。
【0008】すなわち本発明によれば以下の構成を有す
る青色発光ガラス材が提供される。 (1) 塩化Gdをガラス形成剤とし、アルカリ土類塩
化物をガラス形成助剤とする塩化物ガラス母材に塩化ツ
リウム(塩化Tm)を含有させてなる青色発光ガラス
材。 (2) 上記ガラス形成助剤が、塩化Ba、塩化Sr、
塩化Caまたはこれらの2種以上の組合せである上記
(1) の青色発光ガラス材。 (3) 塩化Gd35〜93モル%、塩化Ba6〜49
モル%および塩化Tm0.05〜33モル%からなる上
記(2) の青色発光ガラス材。 (4) 塩化Gd48〜83モル%、塩化Sr15〜4
7モル%および塩化Tm0.05〜20モル%からなる
上記(2) の青色発光ガラス材。 (5) 塩化Gd51〜82モル%、塩化Ca16〜4
7モル%、塩化Tm0.05〜18モル%からなる上記
(2) の青色発光ガラス材。 (6) 塩化Gd35〜90モル%、塩化Ba1〜48
モル%および塩化Sr1〜46モル%であって塩化Ba
と塩化Srの合計量が6〜49モル%、塩化Tm0.0
5〜28モル%からなる上記(2) の青色発光ガラス材。 (7) 塩化Gd40〜90モル%、塩化Ba1〜48
モル%および塩化Ca1〜46モル%であって塩化Ba
と塩化Caの合計量が6〜49モル%、塩化Tm0.0
5〜28モル%からなる上記(2) の青色発光ガラス材。 (8) 塩化Gd50〜83モル%、塩化Sr1〜46
モル%および塩化Ca1〜46モル%であって塩化Sr
と塩化Caの合計量が15〜47モル%、塩化Tm0.
05〜20モル%からなる上記(2) の青色発光ガラス
材。 (9) 塩化Gd35〜91モル%、塩化Ba1〜47
モル%、塩化Sr1〜46モル%および塩化Ca1〜4
6モル%であって塩Baと塩化Srと塩化Caの合計量
が7〜49モル%、塩化Tm0.05〜30モル%から
なる上記(2) の青色発光ガラス材。
【0009】
【発明の具体的な開示】本発明のガラス材では、塩化ガ
ドリニウム(GdCl3 )をガラス形成剤とする。塩化
物ガラスは、フッ化物ガラスよりも多フォノン緩和速度
が小さいので、可視光変換において高い変換効率が実現
される。なお従来知られている塩化物ガラスの代表例は
塩化亜鉛(ZnCl2 )をガラス母材とするものである
が、ZnCl2 は潮解性が著しい。塩化Gdはこのよう
な欠点を有しない。なお、本発明においては、塩化Gd
は、ガラス母材の主成分としての量が必要であり、ガラ
ス材の全組成中、少なくとも約40モル%、通常は50
モル%以上を含有する必要がある。
【0010】塩化Gd単独ではガラス化しないので従
来、塩化Gdをガラス母材とする塩化物ガラスは知られ
ていない。塩化Gdと共に一定量のアルカリ土類塩化物
をガラス形成助剤として併用することによりガラス化が
可能となる。併用されるアルカリ土類塩化物としては、
塩化Ba、塩化Sr、塩化Caが好適である。これらは
2種以上併用しても良い。これらを2種以上用いたもの
はさらに安定なガラス材を得ることができる。塩化Ba
はZnCl2 系ガラスなどにおいてガラス形成助剤とし
て常用されているが、塩化Ba自体はガラス化せず、塩
化Gdと併用例も従来は知られていない。塩化Gdと塩
化Baとからなるガラス材は本発明者等により初めて提
案された(特願平6-95477 号)。一方、塩化Srはガラ
ス形成助剤として従来使用されているが、塩化Gdと併
用した例は知られていない。塩化Caについても同様で
ある。なお、これらのガラス形成助剤の中では、ガラス
転移点の最も高く安定なガラス材料が得られるBaCl
2 が最も好ましい。
【0011】発光中心として、上記ガラス材中にTmイ
オンが含有される。Tmイオンは、赤色励起光(励起波
長677nm)によって青色(約450 〜490nm )の発光を
生じる。Tmイオンの含有量が過少であると発光強度が
微弱となるため、塩化Tmの添加量は0.05モル%以
上が好ましく、0.1モル%以上がより好ましい。一
方、塩化Tmの量が過剰であるとイオン間のエネルギー
伝達が支配的となって濃度消光により発光効率が低下
し、またガラス化を妨げるため、その添加量は最大約3
0モル%であり、好ましくは10モル%以下である。
【0012】本発明に係る青色発光ガラス材の組成範囲
の一例を図1に示す。図1はGdCl3 −BaCl2
TmCl3 からなるガラス材の組成範囲を示す3元系ガ
ラス化範囲であり、本発明のガラス材は図1の斜線部の
組成範囲において得られる。斜線部の組成範囲から外れ
ると、結晶化速度が非常に大きくなるため、急冷しても
ガラス化が困難となり、失透(結晶化)する。斜線部に
おける各成分の上限・下限値は、GdCl3 35〜93
モル%、BaCl2 6〜49モル%、TmCl3 0.0
5〜33モル%である。とくに、塩化Gd52〜89モ
ル%、塩化Ba10〜40モル%および塩化Tm0.1
〜8モル%の範囲で青色光の発光強度が高く、この組成
範囲が最も好適である。
【0013】GdCl3 −SrCl2 −TmCl3 の場
合には以下の組成範囲が好ましい。塩化Gd:48〜8
3モル%、好ましくは52〜79モル%、塩化Sr:1
5〜47モル%、好ましくは20〜40モル%、塩化T
m:0.05〜20モル%、好ましくは0.1〜8モル
%。
【0014】GdCl3 −CaCl2 −TmCl3 の場
合には以下の組成範囲が好ましい。塩化Gd:51〜8
2モル%、好ましくは52〜79モル%、塩化Ca:1
6〜47モル%、好ましくは20〜40モル%、塩化T
m:0.05〜18モル%、好ましくは0.1〜8モル
%。
【0015】ガラス形成助剤を2種以上用いることによ
りさらに安定なガラス材を得ることができる。但し、ガ
ラス形成助剤の合計量は50モル%未満である。このよ
うなガラス材としては、Gd−Ba−Sr−Tm Gd
−Ba−Ca−TmもしくはGd−Sr−Ca−Tmの
各塩化物からなる4元系、あるいはGd−Ba−Sr−
Ca−Tmの各塩化物からなる5元系が挙げられる。
【0016】GdCl3 −BaCl2 −SrCl2 −T
mCl3 の場合には以下の組成範囲が好ましい。塩化G
d:35〜90モル%、好ましくは52〜89モル%、
塩化Ba: 1〜48モル%、好ましくは 1〜40モ
ル%、塩化Sr: 1〜46モル%、好ましくは 1〜
40モル%、塩化Tm:0.05〜28モル%、好まし
くは0.1〜8モル%、塩化Baと塩化Srの合計量が
6〜49モル%。
【0017】GdCl3 −BaCl2 −CaCl2 −T
mCl3 の場合には以下の組成範囲が好ましい。塩化G
d:40〜90モル%、好ましくは52〜89モル%、
塩化Ba: 1〜48モル%、好ましくは 1〜40モ
ル%、塩化Ca: 1〜46モル%、好ましくは 1〜
40モル%、塩化Tm:0.05〜28モル%、好まし
くは0.1〜8モル%、塩化Baと塩化Caの合計量が
6〜49モル%。
【0018】GdCl3 −SrCl2 −CaCl2 −T
mCl3 の場合には以下の組成範囲が好ましい。塩化G
d:50〜83モル%、好ましくは52〜79モル%、
塩化Sr: 1〜46モル%、好ましくは 1〜40モ
ル%、塩化Ca: 1〜46モル%、好ましくは 1〜
40モル%、塩化Tm:0.05〜20モル%、好まし
くは0.1〜8モル%、塩化Srと塩化Caの合計量が
15〜47モル%。
【0019】GdCl3 −BaCl2 −SrCl2 −C
aCl2 −TmCl3 の場合以下の組成範囲が好まし
い。塩化Gd:35〜91モル%、好ましくは52〜8
9モル%、塩化Ba:約1〜47モル%、好ましくは
1〜40モル%、塩化Sr:約1〜46モル%、好まし
くは 1〜40モル%、塩化Ca:約1〜46モル%、
好ましくは 1〜40モル%、塩化Tm:0.005〜
30モル%、好ましくは0.1〜8モル%、塩化Ba、
塩化Srおよび塩化Caの合計量が7〜49モル%。
【0020】上記ガラス形成助剤(BaCl2 、SrCl2 、Ca
Cl2 )と共にLiCl、NaCl、KCl、RbCl、
CsCl、PbCl2 およびTlClを併用すれば更に
安定なガラス材を得ることができる。これらの添加量は
約30モル%未満である。因みに、本発明のガラス形成
助剤(BaCl2 、SrCl2 、CaCl2 )に加えて、これらLi
Cl、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、PbC
2 およびTlClをGdCl3 と共に用いるとガラス
転移点が低くなる。
【0021】本発明の塩化物ガラス材は、精製乾燥した
原料の塩化物粉末を所定量調合した混合粉末を塩素ガス
雰囲気または真空下で加熱溶融し、急冷して得られる。
得られた急冷体のX線回折曲線は、図2に例示するよう
に、結晶体に見られるような鋭いピークが認められず、
ガラス質であることが確認できる。また、これは、図3
の示差熱分析曲線に例示されるように、ガラス転移点が
認められ、これによってもガラス質であることが分か
る。
【0022】
【実施例および比較例】以下に本発明の実施例を比較例
と共に示す。なお、本実施例は例示であり、本発明の範
囲を限定するものではない。
【0023】実施例1 ガラス母材のGdCl3 および発光物質であるTmCl
3 粉末は、それぞれ純度99.95 %以上の市販Gd2 3
またはTm2 3 から常法により合成した後に加熱溶融
して塩化ガスを吹き込み完全に脱水精製したものを用い
た。またガラス形成助剤のBaCl2 粉末は320℃の
乾燥容器中で2日間乾燥した高純度の無水結晶を用い
た。これらの原料粉末をGdCl3 92.1モル%、B
aCl2 7.2モル%、TmCl3 0.7モル%の割合
に調合した混合粉末を透明石英ガラス管(内径1.5mm,肉
厚0.6mm,長さ200mm )に真空封入してアンプルを作成
し、これを加熱炉にて600℃で15分間溶融させた。
得られた融液をアンプルごと直ちに250℃まで冷却
し、そのまま徐冷を行なって無色の透明体を得た。この
透明体をX線回折により測定したところ、その散乱強度
の曲線は図2に示すように、結晶体に見られるような鋭
いピークが認められず、ガラス質であることが確認され
た。また、この透明体の示差熱分析曲線は、図3に示す
ように、260℃付近でガラス転移点(Tg)が認められ、
この測定からもガラス質であることが確認された。
【0024】実施例2〜7 実施例1と全く同一の原料を用い、表1に示すモル比に
調合したGdCl3 −BaCl2 −TmCl3 混合粉末
を実施例1と全く同様にして処理して透明なガラス材を
得た。得られたガラス材を肉眼で観察したところ、内部
にも表面にも結晶の析出は認められなかった。実施例1
と同様にして透明体がガラス体であることを確認した。
【0025】実施例8〜14 BaCl2 に代えてSrCl2 を用い、表1に示すモル
比に調合したGdCl 3 −SrCl2 −TmCl3 混合
粉末を実施例1と全く同様に処理して透明なガラス材を
得た。なお、原料のSrCl2 は320℃の乾燥容器中
で2日間乾燥した高純度の無水結晶を用いた。得られた
ガラス材を肉眼で観察したところ、内部にも表面にも結
晶の析出は認められなかった。実施例1と同様にして透
明体がガラス体であることを確認した。
【0026】実施例15〜21 BaCl2 に代えてCaCl2 を用い、表1のモル比に
調合したGdCl3 −CaCl2 −TmCl3 混合粉末
を実施例1と全く同様に処理して透明なガラス材を得
た。なお、原料のCaCl2 は320℃の乾燥容器中で
2日間乾燥した高純度の無水結晶を用いた。得られたガ
ラス材を肉眼で観察したところ、内部にも表面にも結晶
の析出は認められなかった。実施例1と同様にして透明
体がガラス体であることを確認した。
【0027】実施例22〜40 GdCl3 、TmCl3 、BaCl2 、SrCl2 およ
びCaCl2 を用い、表1に示すモル比に調合した混合
粉末を実施例1と全く同様に処理して透明なガラス材を
得た。得られたガラス材を肉眼で観察したところ、内部
にも表面にも結晶の析出は認められなかった。実施例1
と同様にして透明体がガラス体であることを確認した。
【0028】比較例1〜7 実施例で用いたものと全く同じ原料を表2に示すモル比
に調合して得た混合粉末を実施例1と全く同様の条件で
加熱溶融し、急冷したところ、融体は直ちに失透し、透
明なガラス材を得ることはできなかった。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】発光スペクトルの測定 実施例で得られたガラス材を石英アンプルから取り出し
て長さ約5mmの円柱状に切断し、切断部を面研磨して長
さ5mmにした後、波長677nmの半導体レーザ(28mW)で
励起して青色発光スペクトルを測定した。比較のため常
法に従いフッ化物ガラス(40 AlF3 ・22 CaF2 ・22 BaF
2 ・15YF3 ・1TmF3 )を用い同一形状に作製し面研磨し
て得た試料について、発光強度を波長655nm(28mW)で
チューナブルレーザを用いて、同様に測定した。結果は
図4に示す通りであり、実施例(実線)のガラス材は波
長450nm付近の青色強度が従来のフッ化物ガラス(波
線)に比べて約10倍も高い。
【0032】実施例7,14,21,40並びに比較例
8〜10のガラス材(いずれもサンプル形状等は上記と
同じ。)についても、上記波長の励起光を用いて、青色
発光強度を測定した。フッ化物ガラス(40 AlF3 ・22 C
aF2 ・22 BaF2 ・15YF3 ・1TmF3 )による発光強度と比
較した概略値(比)を表3に纏めて示す。なお比較例8
〜10のガラス材はTmCl3 を0.04モル%以下に
した他は実施例1と同様にして調整したものである。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明の青色発光体はガラス材であるの
で、結晶体の波長変換材料と比較して製造が容易であ
り、ファイバー等の種々の形状の製品とすることが可能
である。また、結晶と比べて希土類イオンの吸収がブロ
ードであるために、励起光の波長ゆらぎがあっても吸収
効率の変動が小さく、よって発光効率の変動が少ない。
従って、温度や電流等の影響により出力波長が変動しや
すい半導体レ−ザーを励起光として用いた場合でも、比
較的安定した出力が得られる。また、本発明ではガラス
母材として塩化ガドリウムおよびアルカリ土類金属の塩
化物を用いているため、かつガラス転移点が200℃以
上であり、従来の塩化物ガラス(ガラス転移点が175 ℃
程度)に比べて格段に高いガラス転移点を有する。
【0035】さらに本発明の波長変換ガラス材は、最大
の特長として、従来のフッ化物系波長変換ガラス材と比
べて光変換効率が各段に優れている利点を有する。この
ためにディスプレイやアップコンバージョン方式による
青色レーザー等、幅広い分野への応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塩化Gd2 −塩化Ba−塩化Tm
の3元系ガラス化範囲を示すグラフ。
【図2】実施例−−のガラス材のX線回折チャート。
【図3】実施例−−のガラス材の示差熱分析曲線を示す
グラフ。
【図4】実施例−−のガラス材と従来のフッ化物ガラス
の発光強度を示すスペクトル図。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ガドリニウムをガラス形成剤とし、ア
    ルカリ土類塩化物をガラス形成助剤とする塩化物ガラス
    母材に塩化ツリウムを含有させてなる青色発光ガラス
    材。
  2. 【請求項2】上記ガラス形成助剤が、塩化バリウム、塩
    化ストロンチウム、塩化カルシウムまたはこれらの2種
    以上の組合せである請求項1の青色発光ガラス材。
  3. 【請求項3】塩化ガドリニウム35〜93モル%、塩化
    バリウム6〜49モル%および塩化ツリウム0.05〜
    33モル%からなる請求項2の青色発光ガラス材。
  4. 【請求項4】塩化ガドリニウム48〜83モル%、塩化
    ストロンチウム15〜47モル%および塩化ツリウム
    0.05〜20モル%からなる請求項2の青色発光ガラ
    ス材。
  5. 【請求項5】塩化ガドリニウム51〜82モル%、塩化
    カルシウム16〜47モル%および塩化ツリウム0.0
    5〜18モル%からなる請求項2の青色発光ガラス材。
  6. 【請求項6】塩化ガドリニウム35〜90モル%、塩化
    バリウム1〜48モル%および塩化ストロンチウム1〜
    46モル%であって塩化バリウムと塩化ストロンチウム
    の合計量が6〜49モル%、塩化ツリウム0.05〜2
    8モル%からなる請求項2の青色発光ガラス材。
  7. 【請求項7】塩化ガドリニウム40〜90モル%、塩化
    バリウム1〜48モル%および塩化カルシウム1〜46
    モル%であって塩化バリウムと塩化カルシウムの合計量
    が6〜49モル%、塩化ツリウム0.05〜28モル%
    からなる請求項2の青色発光ガラス材。
  8. 【請求項8】塩化ガドリニウム50〜83モル%、塩化
    ストロンチウム1〜46モル%および塩化カルシウム1
    〜46モル%であって塩化ストロンチウムと塩化カルシ
    ウムの合計量が15〜47モル%、塩化ツリウム0.0
    5〜20モル%からなる請求項2の青色発光ガラス材。
  9. 【請求項9】塩化ガドリニウム35〜91モル%、塩化
    バリウム1〜47モル%、塩化ストロンチウム1〜46
    モル%および塩化カルシウム1〜46モル%であって塩
    化バリウムと塩化ストロンチウムと塩化カルシウムの合
    計量が7〜49モル%、塩化ツリウム0.05〜30モ
    ル%からなる請求項2の青色発光ガラス材。
JP21940694A 1994-08-22 1994-08-22 青色発光ガラス材 Withdrawn JPH0859286A (ja)

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