JPH089716B2 - 蛍光体並びに放射線像変換方法および放射線像変換パネル - Google Patents

蛍光体並びに放射線像変換方法および放射線像変換パネル

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JPH089716B2
JPH089716B2 JP1143644A JP14364489A JPH089716B2 JP H089716 B2 JPH089716 B2 JP H089716B2 JP 1143644 A JP1143644 A JP 1143644A JP 14364489 A JP14364489 A JP 14364489A JP H089716 B2 JPH089716 B2 JP H089716B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、セリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍
光体、該蛍光体を用いる放射線像変換方法、および該蛍
光体を用いた放射線像変換パネルに関するものである。
[発明の技術的背景および従来技術] 次式: LnOX:xCe (ただし、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ば
れる少なくとも一種の希土類元素であり;XはCl、Brおよ
びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
であり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である) で表わされるセリウムで賦活した希土類オキシハロゲン
化物蛍光体は、X線などの放射線を照射すると380〜440
nm付近に発光極大を有する青色発光(瞬時発光)を示す
ので、放射線増感スクリーン(放射線増感紙)用の蛍光
体として使用することができることが知られている。近
年になって、このセリウム賦活希土類オキシハロゲン化
物蛍光体は、X線などの放射線を照射したのち450〜900
nmの波長領域の電磁波で励起すると青色発光を示すこ
と、すなわち該蛍光体は輝尽発光を示すことが見出され
ており、従って、蛍光体の輝尽性を利用する放射線像変
換方法に用いられる放射線像変換パネル用の蛍光体とし
ても非常に注目されている(特公昭59−44339号公報参
照)。
輝尽性蛍光体を利用する放射線像変換方法は、放射線
写真フィルムと増感紙(増感スクリーン)との組合わせ
を用いる従来の放射線写真法に代わる有力な方法であ
り、たとえば上記特公昭59−44339号公報などに記載さ
れているように、被写体を透過したあるいは被検体から
発せられた放射線を輝尽性蛍光体を含有する放射線像変
換パネル(蓄積性蛍光体シートとも称する)の輝尽性蛍
光体に吸収させ、そののちに輝尽性蛍光体を可視光線、
赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起するこ
とにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エ
ネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放出させ、この蛍
光を光電的に読み取って電気信号を得、得られた電気信
号に基づいて被写体あるいは被検体の放射線画像を可視
像として再生するものである。
この放射線像変換方法によれば、従来の放射線写真フ
ィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写真法による
場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊
富な放射線画像を得ることができるという利点がある。
従って、この方法は、特に医療診断を目的とするX線撮
影等の直接医療用放射線撮影において利用価値の非常に
高いものである。
放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネル
は、基本構造として、支持体とその表面に設けられた輝
尽性蛍光体層とからなるものである。(ただし、蛍光体
層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要と
しない。)また、この輝尽性蛍光体層の支持体とは反対
側の表面(支持体に面していない側の表面)には一般
に、保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質
あるいは物理的な衝撃から保護している。
輝尽性蛍光体層としては、従来からの輝尽性蛍光体と
これを分散状態で含有支持する結合剤とからなるものの
他に、焼結法、蒸着法などによって作られる、結合剤を
含まないで輝尽性蛍光体の凝集体のみから構成されるも
の(特開昭63−19600号公報参照)が知られている。ま
た、本出願人は、輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子
物質が含浸している蛍光体層についてもすでに出願して
いる(特開昭63−262600号公報参照)。これらのいずれ
の蛍光体層でも、輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸
収したのち励起光の照射を受けると輝尽発光を示す性質
を有するものであるから、被写体を透過した、あるいは
被検体から発せられた放射線は、その放射線量に比例し
て放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に吸収され、パ
ネルには被写体あるいは被検体の蛍光体像が放射線エネ
ルギーの蓄積像として形成される。この蓄積像は、上記
励起光を照射することにより輝尽発光光として放出させ
ることができ、この輝尽発光光を光電的に読み取って電
気信号に変換することにより放射線エネルギーの蓄積像
を可視像へと画像化することが可能となる。
輝尽性蛍光体からなる放射線像変換パネルが医療診断
を目的とするX線写真撮影などの放射線写真撮影に使用
される場合には、人体の被曝線量を軽減させ、あるいは
のちの電気的処理を容易にする必要から、パネルの感度
はできる限り高いことが望まれる。従って、放射線像変
換パネルに用いられる輝尽性蛍光体はその輝尽発光の輝
度が高いことが望ましい。
上記セリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体の
輝尽発光輝度を向上させることを目的として、該蛍光体
を製造するに際して、蛍光体原料混合物あるいはその熱
処理物に、テトラフルオロホウ酸化合物、ヘキサフルオ
ロケイ酸化合物あるいは金属フッ化物などを添加するこ
とが提案されている(特開昭60−90288号公報、特開昭6
0−101178号公報、特開昭60−101179号公報参照)。
また、上記組成式で表わされる蛍光体のうち特に、Ln
=Gd、X=Clである蛍光体: GdOCl:xCe (ただし、xは0<x≦0.2の範囲の数値である) は、他のセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体
に比べてX線吸収量が多い上に輝度の高い輝尽発光を示
す(本出願人による特願昭62−251958号明細書参照)。
また、本出願人は、輝尽発光輝度の高いセリウム賦活
希土類オキシハロゲン化物蛍光体を製造することができ
る蛍光体の製造法として、高圧下で焼成することを特徴
とする蛍光体の製造法についてもすでに出願している
(特願昭63−5651号明細書参照)。
ところで、上記したセリウム賦活希土類オキシハロゲ
ン化物蛍光体は、いずれも基本的には、式(I)に示し
たような希土類元素Lnと酸素OとハロゲンXとが構成す
るLnOXというPbFCl型の結晶構造を持つ母体結晶にセリ
ウムが賦活されたものである。
上記の式(I)におけるLnOXという表記は、希土類元
素Lnと酸素OとハロゲンXがPbFCl型の結晶構造を持つ
母体結晶を構成していることを示すものであり、これら
三つの元素が常に1:1:1の原子比で蛍光体中に含有され
ていることを示しているものではない。しかしながら、
上記各特許には希土類元素LnとハロゲンXとの比率は明
示されておらず、LnとXとの比率と輝尽発光特性との関
係も記載されていない。
上記の特公昭59−44339号公報にはLaOBr:Ce,Tb蛍光体
の輝尽励起スペクトルの記載があり、このスペクトルか
ら極大波長は530nm付近と読み取れる。また上記の特開
昭60−90288号公報、特開昭60−101178号公報および特
開昭60−101179号公報に記載された輝尽励起スペクトル
の極大波長は、いずれも480nm付近である。
これら輝尽励起スペクトルが記載されている蛍光体
は、いずれも輝尽発光輝度が高く、放射線像変換方法に
用いるのに有利な蛍光体であるが、その輝尽励起スペク
トルの極大波長は、最も通常用いられる励起光源である
He−Neレーザーの発振波長(633nm)あるいは安価で取
り扱いが容易な半導体レーザーの発振波長(680nm、750
nm、780nm、830nmなど)よりも短波長(530nmあるいは4
80nm)にあり、これらを光源とする励起光を充分吸収す
ることができない。
もちろん、励起光源を蛍光体の励起スペクトルの極大
波長に合せて選ぶことはできるが、一般に上記の励起波
長よりも短波長に発振線を持つレーザーは高価である
か、大型で取扱いが容易でないものである。また、レー
ザー光以外の光源では、単位面積当りのエネルギー密度
が低く、光量が不足するばかりでなく、光の走査方法が
限定されるので通常は有利な方法ではない。
従って、輝尽励起スペクトルの極大波長がより長波長
側にあり、He−Neレーザーや半導体レーザーなどの発振
波長に合致するようなセリウム賦活希土類オキシハロゲ
ン化物蛍光体が望まれる。
もちろん、励起光を充分吸収することができても、他
の面、たとえば放射線エネルギーの蓄積や発光効率とい
った点で損失が起きては輝尽発光輝度の向上は図ること
はできないので、励起光をより吸収する効果を反映し
て、あるいはその効果以上に、一層高い発光輝度を示す
セリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体が望まれ
る。
[発明の要旨] 本発明は、輝尽励起スペクトルの極大波長がより長波
長側にあり、かつ輝尽発光輝度も高いセリウム賦活希土
類オキシハロゲン化物蛍光体を提供することをその目的
とするものである。
また、本発明は、輝尽励起スペクトルの極大波長がよ
り長波長側にあり、かつ輝尽発光輝度も高いセリウム賦
活希土類オキシハロゲン化物蛍光体を使用した放射線像
変換方法および放射線像変換パネルを提供することをそ
の目的とするものである。
上記の目的は、本発明の、 次式(I): LnOX:xCe …(I) (ただし、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ば
れる少なくとも一種の希土類元素であり;XはCl、Brおよ
びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
であり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である) で表わされるセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍
光体であって;前記Lnと前記Xとの比率X/Lnが原子比
で、 0.500<X/Ln≦0.998 であり、かつ輝尽励起スペクトルの極大波長λが、 550nm<λ<700nm であることを特徴とするセリウム賦活希土類オキシハロ
ゲン化物蛍光体、および 被写体を透過した、あるいは被検体から発せられた放
射線を、このセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍
光体に吸収させた後、この蛍光体に550nm以上850nm以下
の波長領域の電磁波を照射することにより、該蛍光体に
蓄積されている放射線エネルギーを蛍光として放出さ
せ、そしてこの蛍光を検出することを特徴とする放射線
像変換方法、および このセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体を
含有する輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルに
よって達成できる。
なお、上述のように式(I)中のLnOXとは、希土類元
素Lnと酸素OとハロゲンXがPbFCl型の結晶構造を持つ
母体結晶を構成していることを示しているのであり、三
つの元素が常に1:1:1の原子比で蛍光体中に含有されて
いることを示しているものではない。
本発明者は、セリウム賦活希土類オキシハロゲン化物
蛍光体の母体結晶における希土類元素LnとハロゲンXと
の比率と輝尽発光特性との関係とを研究した結果、Lnと
Xとの比率X/Lnが原子比で1未満のある特定の範囲にあ
る蛍光体は、励起スペクトルの極大波長λがより長波長
側にあり、しかも輝尽発光輝度も高いことを見出し、本
発明に到達したものである。
本発明の蛍光体は、励起スペクトルの極大波長λがHe
−Neレーザーや半導体レーザーなどの発振波長に合致す
るので、これらを励起光源として用いる放射線像変換方
法に好適に用いられる。
すなわち、本発明者は、セリウム賦活希土類オキシハ
ロゲン化物蛍光体のうち、特に希土類元素Lnとハロゲン
Xとの比率X/Lnが原子比で 0.500<X/Ln≦0.998 であるセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体
は、輝尽励起スペクトルの極大波長λが550nm<λ<700
nmであり、上記の範囲外の比率(0.998>X/Ln)の該蛍
光体の輝尽励起スペクトルの極大波長λ(500nm付近)
より長波長側にあり、かつ輝尽発光輝度も高いことを見
出し、本発明に到達したものである。また、上記の比率
が0.500以下(X/Ln≦0.500)では、輝尽励起スペクトル
の極大波長λは500nm付近より長波長側にあるものの、
別の結晶系の成分が徐々に含まれるようになり輝尽発光
輝度が低くなることも同時に見出した。
本発明の蛍光体の製造に際しては、蛍光体原料中の希
土類酸化物とハロゲン供与剤との相対量(仕込み比)お
よび焼成雰囲気を調節することで、得られる蛍光体中の
希土類元素LnとハロゲンXとの比率を制御する。
このようにして得られた本発明の蛍光体は、輝尽励起
スペクトルの極大波長が長波長側にあり、有利な励起光
源であるHe−Neレーザーや半導体レーザーからの励起光
をより吸収する効果を反映して、あるいはその効果以上
に一層高い発光輝度を示すものであるから、この蛍光体
を用いた本発明の放射線像変換方法および放射線像変換
パネルも、また極めて有利なものである。
以下に本発明の好ましい態様を列記する。
(1)上記Lnと上記Xとの比率X/Lnが原子比で、 0.700≦X/Ln≦0.995 であることを特徴とするセリウム賦活希土類オキシハロ
ゲン化物蛍光体。
(2)上記Lnと上記Xとの比率X/Lnが原子比で、 0.800≦X/Ln≦0.990 であることを特徴とするセリウム賦活希土類オキシハロ
ゲン化物蛍光体。
(3)上記の式(I)におけるLnがY、LaおよびGdから
なる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であ
り;XがClおよびBrからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであることを特徴とするセリウム賦活希土
類オキシハロゲン化物蛍光体。
(4)上記Lnと上記Xとの比率X/Lnが原子比で、 0.700≦X/Ln≦0.995 であることを特徴とする放射線像変換方法。
(5)上記Lnと上記Xとの比率X/Lnが原子比で、 0.800≦X/Ln≦0.990 であることを特徴とする放射線像変換方法。
(6)上記の式(I)におけるLnがY、LaおよびGdから
なる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であ
り;XがClおよびBrからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであることを特徴とする放射線像変換方
法。
(7)上記蛍光体に照射する電磁波の波長領域が600nm
以上830nm以下であることを特徴とする放射線像変換方
法。
(8)上記Lnと上記Xとの比率X/Lnが原子比で、 0.700≦X/Ln≦0.995 であることを特徴とする放射線像変換パネル。
(9)上記Lnと上記Xとの比率X/Lnが原子比で、 0.800≦X/Ln≦0.990 であることを特徴とする放射線像変換パネル。
(10)上記の式(I)におけるLnがY、LaおよびGdから
なる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であ
り;XがClおよびBrからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであることを特徴とする放射線像変換パネ
ル。
[発明の構成] 本発明のセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光
体は、たとえば、次に記載するような製造法により製造
することができる。
まず、蛍光体原料として、 1)Y2O3、La2O3、Gd2O3およびLu2O3からなる群より選
ばれる少なくとも一種の希土類元素酸化物(ただし、場
合によっては、希土類元素酸化物の代わりに、例えばシ
ュウ酸塩、炭酸塩等の高温で容易に希土類元素酸化物の
変わりうる希土類元素化合物でもよい) 2)Cl、BrおよびIのうちの少なくとも一種のハロゲン
を供与する少なくとも一種のハロゲン供与剤、および 3)少なくとも一種のセリウム化合物(ハロゲン化セリ
ウム、酸化セリウム、硝酸セリウム、硫酸セリウムな
ど) が用いられる。
上記2)のハロゲン供与剤としては、例えばハロゲン
化アンモニウム(NH4X)、水溶液あるいは気体状態のハ
ロゲン化水素(HX)および希土類元素ハロゲン化物(Ln
X3)を挙げることができる(ただし、上記各化学式中の
XはCl、BrあるいはIであり、またLnはY、La、Gdある
いはLuである)。なお、ハロゲン供与剤として上記希土
類元素ハロゲン化物が用いられる場合には、このハロゲ
ン供与剤は得られる蛍光体の母体を構成するハロゲンを
供与すると同時に、同じく蛍光体の母体を構成する希土
類元素の一部あるいは全部をも供与する。
本発明の蛍光体の製造に際しては、蛍光体原料中の希
土類酸化物とハロゲン供与剤との相対量(仕込み比)お
よび焼成雰囲気を調節することで、得られる蛍光体中の
希土類元素LnとハロゲンXとの比率を制御する。従っ
て、ハロゲン供与剤としては希土類酸化物とハロゲン供
与剤との相対量を調節することが容易なハロゲン化アン
モニウムを使用することが好ましい。
以下、ハロゲン供与剤としてハロゲン化アンモニウム
を用いた場合を例にとって説明する。
まず最初に、上記1)〜3)の蛍光体原料を適当量用
いて蛍光体原料混合物を調製する。
3)のセリウム化合物は、上記の式(I)に対応する
化学量論量で用いられる。すなわち1)の希土類酸化物
Ln2O30.5モル(希土類元素Ln1モル)に対してセリウム
がxモルとなるように混合する。
混合には各種ミキサー、V型ブレンダー、ボールミ
ル、ロッドミルなどの通常の混合機が用いられる。
次に、このようにして得られた蛍光体原料混合物を石
英ボート、アルミナルツボ、石英ルツボなどの耐熱性容
器に充填し、電気炉中で焼成を行ない。
なお、焼成に先だって、予めその焼成よりも低い温度
で蛍光体原料混合物に熱処理を加え、LnOX結晶を形成し
ておいてもよい。
焼成温度は500〜1500℃が適当であり、好ましくは700
〜1400℃である。焼成時間は、上記蛍光体原料混合物あ
るいはその熱処理物の耐熱性容器への充填量および焼成
温度などによっても異なるが、一般には0.5〜20時間が
適当であり、好ましくは1〜3時間である。
焼成雰囲気としては、少量の水素ガスを含有する窒素
ガス雰囲気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気な
どの弱還元性雰囲気;あるいは窒素ガス雰囲気、アルゴ
ンガス雰囲気などの中性雰囲気が利用される。上記3)
のセリウム化合物として、セリウムの価数が四価のセリ
ウム化合物が用いられる場合には、焼成は上記弱還元性
の雰囲気下で行なわれ、四価のセリウムは三価のセリウ
ムに還元される。
なお、上記の焼成条件で一度焼成を行なったのち、そ
の焼成物を電気炉から取り出して放冷後粉砕し、そのの
ちにその焼成物粉末を再び耐熱性容器に充填して電気炉
に入れ再焼成を行なってもよい。再焼成における焼成雰
囲気としては、上記と同様に弱還元性雰囲気あるいは中
性雰囲気を利用することができる。
得られる蛍光体中の希土類元素LnとハロゲンXとの比
率は、蛍光体原料混合物の調製における蛍光体原料中の
希土類酸化物とハロゲン供与剤との相対量(仕込み比)
および焼成雰囲気を調節することによって制御できる。
すなわち、この例では、希土類酸化物Ln2O3とハロゲン
化アンモニウムNH4Xとの混合比および焼成雰囲気を調節
して、得られる蛍光体中の希土類元素LnとハロゲンXと
の比率X/Lnが原子比で 0.500<X/Ln≦0.998 となるように調節する。
得られる蛍光体の輝尽発光輝度が高くなるので、この
比率X/Lnは原子比で0.995以下とするのが好ましく、0.9
90以下とするのがさらに好ましい。また、同様の理由
で、この比率X/Lnは原子比で0.700以上とするのが好ま
しく、0.800以上とするのがさらに好ましい。
一般に、焼成処理によって得られた焼成物を粉砕し、
これによって粉末状の蛍光体を得る。なお得られた粉末
状の蛍光体については、必要に応じて、さらに、洗浄、
乾燥、ふるい分けなどの蛍光体の製造における各種の一
般的な操作を行なってもよい。
以上のようにして、 次式(I): LnOX:xCe (ただし、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ば
れる少なくとも一種の希土類元素であり;XはCl、Brおよ
びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
であり;そして、xは0<x≦0.2の範囲の数値であ
る) で表わされるセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍
光体であって、前記Lnと前記Xとの比率X/Lnが原子比
で、 0.500<X/Ln≦0.998 であり、かつ輝尽励起スペクトルの極大波長λが、 550nm<λ<700nm である前記蛍光体を得ることができる。
次に、上記の蛍光体を利用した本発明の放射線像変換
方法について説明する。本発明の放射線像変換方法にお
いては、上記の蛍光体は、それを含有する放射線像変換
パネルの形態で用いられるのが好ましい。
上記の輝尽性蛍光体を放射線像変換パネルの形態で用
いる本発明の放射線像変換方法においては、被写体を透
過した、あるいは被検体から発せられた放射線は、その
放射線量に比例して放射線像変換パネルの蛍光体層に吸
収され、放射線像変換パネル上には被写体あるいは被検
体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像として形成さ
れる。この蓄積度は、550〜850nmの波長領域の電磁波
(励起光)で励起することにより、輝尽発光(蛍光)と
して放射させることができ、この輝尽発光を光電的に読
み取って電気信号に変換することにより、放射線エネル
ギーの蓄積像を画像化することが可能となる。
本発明の放射線像変換方法を、上記の輝尽性蛍光体を
放射線像変換パネルの形態で用いる態様を例にとり、第
1図に示す概略図を用いて具体的に説明する。
第1図において、11はX線などの放射線発生装置、12
は被写体、13は上記した本発明の蛍光体を含有する放射
線像変換パネル、14は放射線像変換パネル13上の放射線
エネルギーの蓄積像を蛍光として放射させるための励起
源としての光源、15は放射線像変換パネル13より放射さ
れた蛍光を検出する光電変換装置、16は光電変換装置15
で検出された光電変換信号を画像として再生する装置、
17は再生された画像を表示する装置、そして、18は光源
14からの反射光を透過させないで放射線像変換パネル13
より放射された蛍光のみを透過させるためのフィルター
である。
なお、第1図は被写体の放射線透過像を得る場合の例
を示しているが、被写体12自体が放射線を発するもの
(本明細書においてはこれを被検体という)である場合
には、上記の放射線発生装置11は特に設置する必要はな
い。また、光電変換装置15〜画像表示装置17までは、放
射線像変換パネル13から蛍光として放射される情報を何
らかの形で画像として再生できる他の適当な装置に変え
ることができる。
第1図に示されるように、被写体12に放射線発生装置
11からX線などの放射線を照射すると、その放射線は被
写体12をその各部の放射線透過率に比例して透過する。
被写体12を透過した放射線は、次に放射線像変換パネル
13に入射し、その放射線の強弱に比例して放射線像変換
パネル13の蛍光体層に吸収される。すなわち、放射線像
変換パネル13上には放射線透過像に相当する放射線エネ
ルギーの蓄積像(一種の潜像)が形成される。
次に、放射線像変換パネル13に光源14を用いて550〜8
50nmの波長領域の電磁波を照射すると、放射線像変換パ
ネル13に形成された放射線エネルギーの蓄積像は、蛍光
として放射される。この放射される蛍光は、放射線像変
換パネル13の蛍光体層に吸収された放射線エネルギーの
強弱に比例している。この蛍光の強弱で構成される光信
号を、たとえば、光電子増倍管などの光電変換装置15で
電気信号に変換し、画像再生装置16によって画像として
再生し、画像表示装置17によってこの画像を表示する。
放射線像変換パネルに蓄積された画像情報を蛍光とし
て読み出す操作は、一般にレーザー光でパネルを時系列
的に走査し、この走査によってパネルから放射される蛍
光を適当な集光体を介して光電子増倍管等の光検出器で
検出し、時系列電気信号を得ることによって行なわれ
る。この読出しは観察読影性能のより優れた画像を得る
ために、低エネルギーの励起光の照射による先読み操作
と高エネルギーの励起光の照射による本読み操作とから
構成されていてもよい(特開昭58−67240号公報参
照)。この先読み操作を行なうことにより本読み操作に
おける読出し条件を好適に設定することができるとの利
点がある。
また、たとえば光電変換装置として光導電体およびフ
ォトダイオードなどの固体光電変換素子を用いることも
できる(特開昭59−211263号、特開昭59−211264号、特
開昭60−111568号および特開昭60−111571号の各公報、
および特開昭58−121874号公報参照)。この場合には、
多数の固体光電変換素子がパネル全表面を覆うように構
成され、パネルと一体化されていてもよいし、あるいは
パネルに近接した状態で配置されていてもよい。また、
光電変換装置は複数の光電変換素子が線状に連なったラ
インセンサーであってもよいし、あるいは一個の固体光
電変換素子から構成されていてもよい。
上記の場合の光源としては、レーザー等のような点光
源のほかに、発光ダイオード(LED)や半導体レーザー
等を列状に連ねてなるアレイなどの線光源であってもよ
い。たとえば、線光源で励起し、ラインセンサーで光電
変換するような装置を用いて読出しを行なう場合、得ら
れる電気信号は並列的に時系列化されるために、読出し
速度を速くすることが可能である。
画像情報の読出しが行なわれた放射線像変換パネルに
対しては、蛍光体の励起光の波長領域の光を照射するこ
とにより、あるいは加熱することにより、残存している
放射線エネルギーの消去を行なうことが好ましい(特開
昭56−11392号および特開昭56−12599号公報参照)。こ
の消去操作を行なうことにより、次にこのパネルを使用
した時の残像によるノイズの発生を防止することができ
る。さらに、読出し後と次の使用直前の二度に渡って消
去操作を行なうことにより、自然放射能などによるノイ
ズの発生を防いで更に効率良く消去を行なうこともでき
る(特開昭57−116300号公報参照)。
本発明の放射線像変換方法において、被写体の放射線
透過像を得る場合に用いられる放射線としては、上記蛍
光体がこの放射線の照射を受けたのち上記電磁波で励起
された時に輝尽発光を示しうるものであればいかなる放
射線であってもよく、例えばX線、電子線、紫外線、中
性子線など一般に知られている放射線を用いることがで
きる。また、被検体の放射線像を得る場合において被検
体から直接発せられる放射線は、同様に上記蛍光体に吸
収されて輝尽発光のエネルギー源となるものであればい
かなる放射線であってもよく、その例としてはγ線、α
線、β線などの放射線を挙げることができる。
本発明の放射線像変換方法は、輝尽励起スペクトルの
極大波長λがより長波長側にある本発明の蛍光体を用い
て、より長波長側の励起光を効率よく吸収するようにし
たものであるから、励起光の波長も比較的長波長の550
〜850nmとするのが適当であり、特に、600〜830nmとす
るのが好ましい。このような励起光の光源としては、55
0〜850nmの波長領域にバンドスペクトル分布をもつ光を
放射する光源のほかに、たとえばKrイオンレーザー(発
振波長:568nm、647nm、676nm、756nm)、He−Neレーザ
ー(発振波長:633nm)、ルビー・レーザー(発振波長:6
94nm)、半導体レーザー(発振波長:680nm、750nm、780
nm、830nmなど)、色素レーザー(ローダミン6G:発振波
長:565〜620nm、ローダミンB:発振波長:600〜650nm)等
のレーザーおよび発光ダイオードなどの光源を使用する
こともできる。なかでもレーザーは、単位面積当りのエ
ネルギー密度の高いレーザービームを放射線像変換パネ
ルに照射することができるため、本発明において用いる
励起用光源としては各種のレーザーが好ましい。
それらのうちでその安定性および出力、発振波長など
の点から、好ましいレーザーはHe−Neレーザー、および
Krイオンレーザー、半導体レーザーであり、比較的安価
で取り扱いが容易なHe−Neレーザーおよび半導体レーザ
ーがさらに好ましい。半導体レーザーは小型であるこ
と、駆動電力が小さいこと、直接変調が可能なのでレー
ザー出力の安定化が簡単にできること、などの理由によ
り励起用光源として最も好ましい。
また、消去に用いられる光源としては、輝尽性蛍光体
の励起波長領域の光を放射するものであればよく、その
例としてはタングステンランプ、蛍光灯、ハロゲンラン
プ、高圧ナトリウムランプ、低圧ナトリウムランプ等を
挙げることができる。
本発明の放射線像変換方法は、輝尽性蛍光体に放射線
のエネルギーを吸収蓄積させる蓄積部、この蛍光体に励
起光を照射して放射線のエネルギーを蛍光として放出さ
せる光検出(読出し)部、および蛍光体中に残存するエ
ネルギーを放出させるための消去部を一つの装置に内蔵
しなビルトイン型の放射線像変換装置に適用することも
できる(特開昭58−200269号および特開昭59−192240号
公報参照)。このようなビルトイン型の装置を利用する
ことにより、放射線像変換パネル(または輝尽性蛍光体
を含有してなる記録体)を循環再使用することができ、
安定した均質な画像を得ることができる。また、ビルト
イン型とすることにより装置を小型化、軽量化すること
ができ、その設置、移動などが容易になる。さらにこの
装置を移動車に搭載することにより、巡回放射線撮影が
可能となる。
次に、本発明の放射線像変換パネルについて説明す
る。
放射線像変換パネルは、前述のように、一般的には支
持体と、その表面に設けられた前記の本発明の蛍光体か
らなる蛍光体層とから構成されるが、蛍光体層が自己支
持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。
輝尽性蛍光体層には、従来からの輝尽性蛍光体とこれ
を分散状態で含有支持する結合剤とからなるものの他
に、結合剤を含まないで輝尽性蛍光体の凝集体のみから
構成されるもの(特開昭63−19600号公報参照)、ある
いは輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸し
ているもの(特開昭63−262600号公報参照)などがある
が、本発明の放射線像変換パネルは、蛍光体として前記
の蛍光体が用いられているものであれば、いずれの種類
の蛍光体層を持つパネルであってもよい。
以下に、蛍光体層が輝尽性蛍光体とこれを分散状態で
含有支持する結合剤とからなり、支持体上に設けられた
場合を例にとり、本発明の放射線像変換パネルを製造す
る方法を説明する。
蛍光体層は、たとえば、次のような方法により支持体
上に形成することができる。
まず、上述のようにして得られた本発明の蛍光体と結
合剤とを適当た溶剤に加え、これを充分に混合して、結
合剤溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分散した塗布液を調
製する。
蛍光体層の結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白
質、デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビ
アゴムのような天然高分子物質;および、ポリビニルブ
チラート、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチル
セルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、
ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリウレタン、塩
化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セル
ロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、
線状ポリエステルなどような合成高分子物質などにより
代表される結合剤を挙げることができる。このような結
合剤のなかで特に好ましいものは、ニトロセルロース、
線状ポリエステル、ポリアルキル(メタ)アクリレー
ト、ポリウレタン、ニトロセルロースと線状ポリエステ
ルとの混合物、およびニトロセルロースとポリアルキル
(メタ)アクリレートとの混合物である。
塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級
アルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライド
などの塩基原子結合含有炭化水素;アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と
低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ
メチルエーテルなどのエーテル;そして、それらの混合
物を挙げることができる。
塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との混合比は、
目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類な
どによって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との混合
比は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれ、そし
て特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ま
しい。
なお、塗布液には、該塗布液中における蛍光体の分散
性を向上させるための分散剤、また、形成後の蛍光体層
中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させる
ための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていてもよ
い。そのような目的に用いられる分散剤の例としては、
フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性
剤などを挙げることができる。そして可塑剤の例として
は、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェ
ニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、フタル酸
ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル;グリコール
酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリル
ブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリエチ
レングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチ
レングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリ
エチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステル
などを挙げることができる。
上記のようにして調製された蛍光体と結合剤とを含有
する塗布液を、次に、支持体の表面に均一に塗布するこ
とにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、通
常の塗布手段、たとえば、ドクターブレード、ロールコ
ーター、ナイフコーターなどを用いることにより行なう
ことができる。
支持体としては、従来の放射線写真法における増感紙
(または増感用スクリーン)の支持体として用いられて
いる各種の材料、あるいは放射線像変換パネルの支持体
として公知の材料から任意に選ぶことができる。そのよ
うな材料の例としては、セルロースアセテート、ポリエ
ステル・ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポ
リイミド、トリアセテート、ポリカーボネートなどのプ
ラスチック物質のフィルム、アルミニウム箔、アルミニ
ウム合金箔などの金属シート、通常の紙、バライタ紙、
レジンコート紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するピ
グメント紙、ポリビニルアルコールなどをサイジングし
た紙、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、チタニアな
どのセラミックスの板あるいはシートなどを挙げること
ができる。
公知の放射線像変換パネルにおいて、支持体と蛍光体
層の結合を強化するため、あるいは放射線像変換パネル
としての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上さ
せるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面にゼ
ラチンなどの高分子物質を塗布して接着性付与層とした
り、あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質からなる
光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物
質からなる光吸収層などを設けることが知られている。
本発明において用いられる支持体についても、これらの
各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放
射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択
することができる。
さらに、特開昭58−200200号公報に記載されているよ
うに、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、支持
体の蛍光体層側の表面(支持体の蛍光体層側の表面に接
着性付与層、光反射層あるいは光吸収層などが設けられ
ている場合には、その表面を意味する)には微小の凹凸
が形成されていてもよい。
上記のようにして支持体上に塗膜を形成したのに塗膜
を乾燥して、支持体上への輝尽性蛍光体層の形成を完了
する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネ
ルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比な
どによって異なるが、通常は20μm乃至1mmとする。た
だし、この層厚は50乃至500μmとするのが好ましい。
また、輝尽性蛍光体層は、必ずしも上記のように支持
体上に塗布液を直接塗布して形成する必要はなく、たと
えば、別に、ガラス板、金属板、プラスチックシートな
どのシート上に塗布液を塗布し乾燥することにより蛍光
体層を形成したのち、これを、支持体上に押圧するか、
あるいは接着剤を用いるなどして支持体と蛍光体層とを
接合してもよい。
輝尽性蛍光体層は一層だけでもよいが、二層以上を重
層してもよい。重層する場合にはそのうちの少なくとも
一層が上記の本発明の蛍光体を含有する層であればよ
く、パネルの表面に近い方に向って順次放射線に対する
発光効率が高くなるように複数の蛍光体層を重層した構
成にしてもよい。また、単層および重層のいずれの場合
も、上記蛍光体とともに公知の輝尽性蛍光体を併用する
ことができる。
そのような公知の輝尽性蛍光体の例としては、前述の
蛍光体のほかに、特公昭60−9542号公報に記載されてい
るZnS:Cu,Pb、BaO・xAl2O3:Eu(ただし、0.8≦x≦1
0)、および、MIIO・xSiO2:A(ただし、MIIはMg、Ca、S
r、Zn、Cd、またはBaであり、AはCe、Tb、Eu、Tm、P
b、Tl、Bi、またはMnであり、xは、0.5≦x≦2.5であ
る)、 特公昭60−42837号公報に記載されている(Ba1-x-y,M
gx,Cay)FX:aEu2+(ただし、XはClおよびBrのうちの少
なくとも一つであり、xおよびyは、0<x+y≦0.
6、かつxy≠0であり、aは、10-6≦a≦5×10-2であ
る)、 などを挙げることができる。
通常の放射線像変換パネルにおいては、前述のように
支持体に接する側とは反対側の蛍光体層の表面に、蛍光
体層を物理的および化学的に保護するための透明な保護
膜が設けられている。このような透明保護膜は、本発明
の放射線像変換パネルについても設置することが好まし
い。
透明保護膜は、たとえば、酢酸セルロース、ニトロセ
ルロースなどのセルロース誘導体;あるいはポリメチル
メタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホ
ルマール、ポリカーボネート・ポリ酢酸ビニル、塩化ビ
ニル・酢酸ビニルコポリマーなどの合成高分子物質のよ
うな透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した
溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形成するこ
とができる。あるいは、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアミドなどからなるプラスチックシー
ト;および透明なガラス板などの保護膜形成用シートを
別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて接
着するなどの方法によっても形成することができる。
また、SiO2、Al2O3等の酸化物;MgF2等の弗化物;SiC等
の炭化物などの無機材料を用いて蛍光体層形成材料と一
緒に焼結することにより、蛍光体層および保護膜を同時
に焼結形成してもよい。あるいは、保護膜は該材料を蛍
光体層表面に蒸着することにより形成してもよいし、ま
た低沸点の無機物を蛍光体層上で加熱溶融して膜化する
ことにより形成してもよい。また、無機コーティング剤
を用いて形成してもよい。
また、支持体を用いないパネルの場合は、蛍光体層の
両側の表面に保護膜を設けることが好ましい。
保護膜の膜厚は一般に約0.1乃至20μmの範囲にあ
る。
さらに、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、
上記の少なくともいずれかの層に励起光を吸収し、輝尽
発光光は吸収しないような着色層を加えてもよい(特公
昭59−23400号参照)。
次に本発明の実施例を記載する。ただし、これらの各
実施例は本発明を制限するものではない。
[実施例1] セリウム賦活ガドリニウムオキシクロライド蛍光体およ
びこれを用いた放射線像変換パネルの製造 A)蛍光体の製造 酸化ガドリニウム(Gd2O3)362.5g(1モリ)、塩化
アンモニウム(NH4Cl)96.28g(1.8モル)および塩化セ
リウム(CeCl3)0.493g(2x10-3モル)を、乾式混合し
た。次に、得られた蛍光体原料混合物をアルミナルツボ
に充填し、これを高温電気炉に入れて焼成を行なった。
焼成は、一酸化炭素の還元性雰囲気中にて1100℃の温度
で2時間かけて行なった。焼成が完了したのち焼成物を
炉外に取り出して冷却、ほぐした後、メタノールで洗浄
した。
このようにして、粉末状のセリウム賦活ガドリニウム
オキシクロライド蛍光体(GdOCl:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているGdとClの比率Cl/Gdを次
のようにして測定した。すなわち、この蛍光体の水溶液
を調製し、Gdについてはキレート滴定分析(JIS K0211
−1088)を行ない、Clについては電位差滴定分析(JIS
K0213−3027)を行なうことによりCl/Gdを測定した。
その結果、この蛍光体のCl/Gdは、原子比で、Cl/Gd=0.
640であった。
B)放射線像変換パネルの製造 上記のようにして得た蛍光体300g、ポリウレタン樹脂
(クリスボンNT−50:大日本インキ化学工業(株)製)
8.4gおよびニトロセルロース(RS−120:ダイセル化学工
業(株)製)1.5gの混合物にメチルエチルケトンを添加
し(体積比1:1)、プロペラミキサーを用いて充分に撹
拌混合して、蛍光体が均一に分散し、かつ結合剤と蛍光
体との混合比が1:30(質量比)、粘度が25〜35PS(25
℃)である塗布液を調製した。
次に、ガラス板上に水平に置いた二酸化チタン練り込
みポリエチレンテレフタレートシート(支持体、厚み:2
50μm)の上に塗布液をドクターブレードを用いて均一
に塗布した。そして塗布後に塗膜が形成された支持体を
乾燥器内に入れ、この乾燥器の内部の温度を25℃から10
0℃に徐々に上昇させて、塗膜の乾燥を行なった。この
ようにして、支持体上に層厚が250μmの蛍光体層を形
成した。
そして、この蛍光体層の上にポリエチレンテレフタレ
ートの透明フィルム(厚み:12μm、ポリエステル系接
着剤が付与されているもの)を接着剤層側を下に向けて
置いて接着することにより、透明保護膜を形成し、支持
体、蛍光体層および透明保護膜から構成された放射線像
変換パネルを製造した。
[実施例2] 実施例1において、蛍光体原料を酸化ガドリニウム
(Gd2O3)290g(0.8モル)、塩化アンモニウム(NH4C
l)106.9g(2.0モル)、塩化セリウム(CeCl3)0.394g
(1.6x10-3モル)にする以外は実施例1と同様にして、
粉末状のセリウム賦活ガドリニウムオキシクロライド蛍
光体(GdOCl:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているGdとClの比率Cl/Gdを、
実施例1と同様にして測定したところ、原子比で、Cl/G
d=0.730であった。
この蛍光体を用いて、実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
[実施例3] 実施例1において、蛍光体原料を酸化ガドリニウム
(Gd2O3)290g(0.8モル)、塩化アンモニウム(NH4C
l)106.9g(2.0モル)、塩化セリウム(CeCl3)0.394g
(1.6x10-3モル)にするとともに、焼成を窒素の中性雰
囲気中にて1400℃の温度で2時間かけて行なう以外は実
施例1と同様にして、粉末状のセリウム賦活ガドリニウ
ムオキシクロライド蛍光体(GdOCl:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているGdとClの比率Cl/Gdを、
実施例1と同様にして測定したところ、原子比で、Cl/G
d=0.980であった。
この蛍光体を用いて、実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
[実施例4] 実施例3において、蛍光体原料を酸化ガドリニウム
(Gd2O3)290g(0.8モル)、塩化アンモニウム(NH4C
l)128.28g(2.4モル)、塩化セリウム(CeCl3)0.394g
(1.6x10-3モル)にする以外は実施例3と同様にして、
粉末状のセリウム賦活ガドリニウムオキシクロライド蛍
光体(GdOCl:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているGdとClの比率Cl/Gdを、
実施例1と同様にして測定したところ、原子比で、Cl/G
d=0.990であった。
この蛍光体を用いて、実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
[比較例1] 実施例1において、蛍光体原料を酸化ガドリニウム
(Gd2O3)290g(0.8モル)、塩化アンモニウム(NH4C
l)42.76g(0.8モル)、塩化セリウム(CeCl3)0.394g
(1.6x10-3モル)にする以外は実施例1と同様にして、
粉末状のセリウム賦活ガドリニウムオキシクロライド蛍
光体(GdOCl:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているGdとClの比率Cl/Gdを、
実施例1と同様にして測定したところ、原子比で、Cl/G
d=0.400であった。
この蛍光体を用いて、実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
[比較例2] 実施例1において、蛍光体原料を酸化ガドリニウム
(Gd2O3)290g(0.8モル)、塩化アンモニウム(NH4C
l)171.04g(3.2モル)、塩化セリウム(CeCl3)0.394g
(1.6x10-3モル)にする以外は実施例1と同様にして、
粉末状のセリウム賦活ガドリニウムオキシクロライド蛍
光体(GdOCl:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているGdとClの比率Cl/Gdを、
実施例1と同様にして測定したところ、原子比で、Cl/G
d=1.000であった。
この蛍光体を用いて、実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
[比較例3』 実施例1において、蛍光体原料を酸化ガドリニウム
(Gd2O3)290g(0.8モル)、塩化アンモニウム(NH4C
l)213.8g(4.0モル)、塩化セリウム(CeCl3)0.394g
(1.6x10-3モル)にする以外は実施例1と同様にして、
粉末状のセリウム賦活ガドリニウムオキシクロライド蛍
光体(GdOCl:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているGdとClの比率Cl/Gdを、
実施例1と同様にして測定したところ、原子比で、Cl/G
d=1.030であった。
この蛍光体を用いて、実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
上記の実施例1〜比較例3で製造された蛍光体のCl/G
dをまとめて第1表に示す。
上記のようにして得たCl/Gd比の異なる種々のセリウ
ム賦活ガドリニウムオキシクロライド蛍光体からなる蛍
光体層を有する放射線像変換パネルについて、輝尽励起
スペクトルおよび輝尽発光輝度を測定した。
輝尽励起スペクトルの測定 輝尽励起スペクトルの測定の結果を第2図および第3
図に示す。
第2図には、実施例1(Cl/Gd=0.640)、比較例2
(Cl/Gd=1.000)および比較例3(Cl/Gd=1.030)のパ
ネルについて、管電圧80KVpのX線を照射したのち波長
の異なる光エネルギーで励起した時の385nmにおける輝
尽発光強度の変化(すなわち、輝尽励起スペクトル)を
示した。
また、上記の実施例1〜比較例3、およびそれらと同
様にして製造した異なったCl/Gdを持つ種々のパネルに
ついて、輝尽励起スペクトルの極大波長を測定した結果
を第3図に示す。
第3図の白ヌキの丸(○)のプロットは、Cl/Gdの値
と輝尽励起スペクトルの極大波長の位置との関係を示し
たものである。
第2図および第3図の上記プロットから、本発明の蛍
光体(0.500<Cl/Gd≦0.998)の輝尽励起スペクトルの
極大波長は、0.998<Cl/Gdである蛍光体の極大波長より
明らかに長波長側にあることが分る。
輝尽発光輝度の測定 次に、輝尽発光輝度を測定結果した。測定は、管電圧
40KVpのX線を照射した後、5分後に分光器およびフィ
ルターを通した633nmの光で励起し、パネルから放射さ
れる輝尽発光光をフィルターを通して受光器(分光感度
S−5の光電子増倍管:電圧600V)で受光することによ
り行なった。
結果を第2表および第3図に示す。
第2表は実施例2(Cl/Gd=0.730)、実施例3(Cl/G
d=0.980)、実施例4(Cl/Gd=0.990)、比較例1(Cl
/Gd=0.400)および比較例3(Cl/Gd/1.030)のパネル
について、上記のようにして測定した輝尽発光の強度
を、実施例2のパネルの強度を100とした相対値で示し
たものである。
また、上記の実施例1〜比較例3、およびそれらと同
様にして製造した種々の異なったCl/Gdを持つパネルに
ついて、輝尽発光輝度を測定した結果を第3図に示す。
第3図の黒丸のプロット(●)は、異なるCl/Gdを持
つパネルについて輝尽発光量を測定し、その発光量とCl
/Gdの値との関係をプロットしたものである(ただし、
縦軸は実施例2のパネルの強度を100とした相対値であ
る)。
このプロットおよび第2表から明らかなように、0.50
0<Cl/Gd≦0.998である本発明の放射線像変換パネル
は、Cl/Gdがこの範囲外にあるパネルよりも、はるかに
高い輝尽発光輝度を示す。
[実施例5] セリウム賦活ランタンオキシブロマイド蛍光体および
これを用いた放射線像変換パネルの製造 実施例1において、蛍光体原料を酸化ランタン(La2O
3)260.64g(0.8モル)、臭化アンモニウム(NH4Br)19
5.8g(2.0モル)、臭化セリウム(CeBr3)0.608g(1.6x
10-3モル)にする以外は実施例1と同様にして、粉末状
のセリウム賦活ランタンオキシブロマイド蛍光体(LaOB
r:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているLaとBrの比率Br/Laの次
のようにして測定した。すなわち、この蛍光体の水溶液
を調製し、Laについてはキレート滴定分析を行ない、Br
については電位差滴定分析を行なうことによりBr/Laを
測定した。その結果、この蛍光体のBr/Laは、原子比
で、Br/La=0.700であった。
この蛍光体を用いて、実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
[比較例4] 実施例1において、蛍光体原料を酸化ランタン(La2O
3)260.64g(0.8モル)、臭化アンモニウム(NH4Br)9
7.9g(1.0モル)、臭化セリウム(CeBr3)0.608g(1.6x
10-3モル)にする以外は実施例1と同様にして、粉末状
のセリウム賦活ランタンオキシブロマイド蛍光体(LaOB
r:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているLaとBrの比率Br/Laを実
施例5と同様にして測定したところ、原子比で、Br/La
=0.430であった。
この蛍光体を用いて、実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
[比較例5] 実施例1において、蛍光体原料を酸化ランタン(La2O
3)260.64g(0.8モル)、臭化アンモニウム(NH4Br)39
1.6g(4.0モル)、臭化セリウム(CeBr3)0.608g(1.6x
10-3モル)にする以外は実施例1と同様にして、粉末状
のセリウム賦活ランタンオキシブロマイド蛍光体(LaOB
r:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているLaとBrの比率Br/Laを実
施例5と同様にして測定したところ、原子比で、Br/La
=1.520であった。
この蛍光体を用いて、実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
輝尽励起スペクトルの測定 実施例5のパネルについて、GdOCl:10-3Ce3+の場合と
同様にして、輝尽励起スペクトルを測定した。
結果を第4図に示す。第4図に示したように、実施例
5のパネルの輝尽励起スペクトルの極大波長は660nmで
あり、特公昭59−44339号公報に記載のあるLaOBr:Ce,Tb
蛍光体の輝尽励起スペクトルの極大波長(530nm)、あ
るいは特開昭60−90288号公報、特開昭60−101178号公
報および特開昭60−101179号公報に記載のあるLaOBr:Ce
3+蛍光体の輝尽励起スペクトルの極大波長(480nm)よ
りも長波長にある。
輝尽発光輝度の測定 実施例5および比較例4、比較例5のパネルについ
て、GdOCl:10-3Ce3+の場合と同様にして、輝尽発光輝度
の測定を行なった。結果を第3表に示す。ただし、数値
は実施例5の輝尽発光の強度を100とした相対値で示し
た。
第3表から明らかなように、0.500<Br/La≦0.998で
ある本発明の放射線像変換パネルは、Br/Laがこの範囲
外にあるパネルよりも、はるかに高い輝尽発光輝度を示
す。
[実施例6] セリウム賦活イットリウムオキシクロライド蛍光体およ
びこれを用いた放射線像変換パネルの製造 実施例1において、蛍光体原料を酸化イットリウム
(Y2O3)180.64g(0.8モル)、塩化アンモニウム(NH4C
l)106.9g(2.0モル)、塩化セリウム(CeCl3)0.394g
(1.6x10-3モル)にする以外は実施例1と同様にして、
粉末状のセリウム賦活イットリウムオキシクロライド蛍
光体(YOCl:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているYとClの比率Cl/Yを次の
ようにして測定した。すなわち、この蛍光体の水溶液を
調製し、Yについてはキレート滴定分析を行ない、Clに
ついては電位差滴定分析を行なうことによりCl/Yを測定
した。その結果、この蛍光体のCl/Yは、原子比で、Cl/Y
=0.700であった。
この蛍光体を用いて、実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
[比較例6] 実施例1において、蛍光体原料を酸化イットリウム
(Y2O3)180.64g(0.8モル)、塩化アンモニウム(NH4C
l)53.45g(1.0モル)、塩化セリウム(CeCl3)0.394g
(1.6x10-3モル)にする以外は実施例1と同様にして、
粉末状のセリウム賦活イットリウムオキシクロライド蛍
光体(YOCl:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているYとClの比率Cl/Yを実施
例6と同様に測定したところ、原子比で、Cl/Y=0.130
であった。
この蛍光体を用いて、実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
[比較例7] 実施例1において、蛍光体原料を酸化イットリウム
(Y2O3)180.64g(0.8モル)、塩化アンモニウム(NH4C
l)213.8g(4.0モル)、塩化セリウム(CeCl3)0.394g
(1.6x10-3モル)にする以外は実施例1と同様にして、
粉末状のセリウム賦活イットリウムオキシクロライド蛍
光体(YOCl:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているYとClの比率Cl/Yを実施
例6と同様に測定したところ、原子比で、Cl/Y=1.140
であった。
この蛍光体を用いて、実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
輝尽励起スペクトルの測定 実施例6のパネルについて、GdOCl:10-3Ce3+およびLa
OBr:10-3Ce3+の場合と同様にして、輝尽励起スペクトル
を測定した。
結果を第5図に示す。第5図に示したように、実施例
6のパネルの輝尽励起スペクトルの極大波長は600nmで
あった。
輝尽発光輝度の測定 実施例6および比較例6、比較例7のパネルについ
て、GdOCl:10-3Ce3+およびLaOBr:10-3Ce3+の場合と同様
にして、輝尽発光輝度の測定を行なった。
結果を第4表に示す。ただし、数値は実施例6の輝尽
発光の強度を100とした相対値で示した。
第4表から明らかなように、0.500<Cl/Y≦0.998であ
る本発明の放射線像変換パネルは、Cl/Yがこの範囲外に
あるパネルよりも、はるかに高い輝尽発光輝度を示す。
[実施例7] セリウム賦活ガドリニウムオキシクロライドブロマイド
蛍光体およびこれを用いた放射線像変換パネルの製造 実施例1において、蛍光体原料を酸化ガドリニウム
(Gd2O3)362.5g(0.8モル)、塩化アンモニウム(NH4C
l)90.87g(1.7モル)、臭化アンモニウム(NH4Br)29.
37g(1.3モル)、塩化セリウム(CeCl3)0.394g(1.6x1
0-3モル)にする以外は実施例1と同様にして、粉末状
のセリウム賦活ガドリニウムオキシクロライドブロマイ
ド蛍光体(GdOCl0.85Br0.15:10-3Ce3+)を得た。
この蛍光体に含有されているGdとハロゲンX(ClとB
r)の比率X/Gdを次のようにして測定した。すなわち、
この蛍光体の水溶液を調製し、Gdについてはキレート滴
定分析を行ない、ClおよびBrについては電位差滴定分析
を行なうことによりX/Gdを測定した。その結果、この蛍
光体のX/Gdは、原子比で、X/Gd=0.890であった。(た
だし、XはClとBrとの和である)。
この蛍光体を用いて、実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
輝尽発光輝度の測定 実施例7のパネルについて、上記のGdOCl:10-3Ce3+
どの場合と同様にして、輝尽発光輝度の測定を行なっ
た。
結果を第5表に示す。参考のため、実施例2(Cl/Gd
=0.730)、比較例1(Cl/Gd=0.400)および比較例3
(Cl/Gd=1.030)のパネルについての結果とともに示
す。数値は、実施例2のパネルの強度を100とした相対
値で示したものである。
以上の実施例および比較例から、本発明の蛍光体は、
輝尽励起スペクトルの極大波長がより長波長側にあり、
かつ輝尽発光輝度も高いセリウム賦活希土類オキシハロ
ゲン化物蛍光体であることが分る。
また、本発明の蛍光体は、輝尽励起スペクトルの極大
波長が長波長側にあり、有利な励起光源であるHe−Neレ
ーザーや半導体レーザーなどからの励起光をより吸収す
る効果を反映して、あるいはその効果以上に一層高い発
光輝度を示すものであるから、この蛍光体を用いた本発
明の放射線像変換方法および放射線像変換パネルも、ま
た極めて有利なものであることが分る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の放射線像変換方法を説明する概略図
である。 第2図は、本発明の蛍光体と他の蛍光体の輝尽励起スペ
クトルである。 第3図は、蛍光体中のCl/Gd比率と輝尽励起スペクトル
の極大波長、およびCl/Gd比率と輝尽発光強度との関係
を示すグラフである。 第4図および第5図は、本発明の蛍光体の輝尽励起スペ
クトルである。 11:放射線発生装置、 12:被写体、 13:放射線像変換パネル、 14:光源、 15:光電変換装置、 16:画像再生装置、 17:画像表示装置、 18:フィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 健治 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 細井 雄一 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(I): LnOX:xCe …(I) (ただし、LnはX、La、GdおよびLuからなる群より選ば
    れる少なくとも一種の希土類元素であり;XはCl、Brおよ
    びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
    であり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である) で表わされるセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍
    光体であって;前記Lnと前記Xとの比率X/Lnが原子比
    で、 0.500<X/Ln≦0.998 であり、かつ輝尽励起スペクトルの極大波長λが、 550nm/λ<700nm であることを特徴とするセリウム賦活希土類オキシハロ
    ゲン化物蛍光体。
  2. 【請求項2】被写体を透過した、あるいは被検体から発
    せられた放射線を、 次式(I): LnOX:xCe …(I) (ただし、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ば
    れる少なくとも一種の希土類元素であり;XはCl、Brおよ
    びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
    であり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である) で表わされるセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍
    光体であって;前記Lnと前記Xとの比率X/Lnが原子比
    で、 0.500<X/Ln≦0.998 であり、かつ輝尽励起スペクトルの極大波長λが、 550nm<λ<700nm であるセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体に
    吸収させた後、この蛍光体に550nm以上850nm以下の波長
    領域の電磁波を照射することにより、該蛍光体に蓄積さ
    れている放射線エネルギーを蛍光として放出させ、そし
    てこの蛍光を検出することを特徴とする放射線像変換方
    法。
  3. 【請求項3】次式(I): LnOX:xCe …(I) (ただし、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ば
    れる少なくとも一種の希土類元素であり;XはCl、Brおよ
    びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
    であり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である) で表わされるセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍
    光体を含有する輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パ
    ネルであって;前記蛍光体が、上記の式(I)における
    LnとXとの比率X/Lnが原子比で、 0.500<X/Ln≦0.998 であり、かつ輝尽励起スペクトルの極大波長λが、 550nm<λ<700nm であることを特徴とする放射線像変換パネル。
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