JPH09108551A - 浄水器 - Google Patents

浄水器

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JPH09108551A
JPH09108551A JP21268396A JP21268396A JPH09108551A JP H09108551 A JPH09108551 A JP H09108551A JP 21268396 A JP21268396 A JP 21268396A JP 21268396 A JP21268396 A JP 21268396A JP H09108551 A JPH09108551 A JP H09108551A
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JP
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hollow fiber
fiber membrane
layer
microporous
water purifier
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Pending
Application number
JP21268396A
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English (en)
Inventor
Takeshi Yoshida
武史 吉田
Masumi Kobayashi
真澄 小林
Shinya Sueyoshi
信也 末吉
Kazuhiko Matsubayashi
和彦 松林
Manabu Yanou
学 矢能
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透水量が大きく、不純物のカット性能も高
く、かつ耐久性にも優れた浄水器の提供。 【解決手段】 分離機能を担う微多孔質層に補強機能を
担う微多孔質が積層されてなり、かつ微孔の壁面が親水
性共重合体で覆われてなる特定構造のポリオレフィン複
合微多孔質中空糸膜を濾過部に有する浄水器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空糸膜モジュー
ルを濾過部に備えた浄水器、殊に水道水等の水を浄化
し、生活上安全なおいしい水を得るのに適した浄水器に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、中空糸膜等の微細な孔を有する濾
過膜を用いたフィルターと、活性炭層とを連接した濾過
部を備えた浄水器が注目を浴び、水道水の浄化に広く用
いられている。
【0003】このフィルターとしては、シリコーン系、
ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポ
リスルホン系、セルロース系、ポリウレタン系等の高分
子材料からなる中空糸膜を集束し、中空糸膜開孔端が閉
塞しないように集束端をポリウレタン等のポッティング
剤により固定し、中空糸膜を気密に仕切るとともに、該
ポッティング部を筒状のケース本体に固定してモジュー
ル化したものが多用されている。
【0004】この浄水器では、活性炭層により原水中に
含まれる残留塩素、その他の臭気成分および有機物質等
が除去され、フィルターにより鉄錆コロイド成分、塩素
殺菌では除去し難い細菌等が除去されることにより、安
全でおいしい飲用水を生成している。
【0005】浄水器のフィルター用の中空糸膜として様
々な膜が開発されている。代表的なものとして、特開昭
57−66114号公報には、中空糸膜の長軸方向に配
向したミクロフィブリルと、中空糸膜の膜の厚さ方向に
配向したスタックドラメラとの結節部とから形成される
スリット状微細孔が中空糸膜の膜壁内に積層され、か
つ、膜の一表面から他表面に向かって貫通しており、厚
み方向に均一な微多孔質構造を形成しているポリエチレ
ン製微多孔質中空繊維膜が開示されている。
【0006】この膜は、ポリエチレンを溶融賦形し、こ
の賦形物をさらに延伸することによって製造されてい
る。すなわち、特定の紡糸条件でポリエチレンを賦形し
た後にアニール処理を施して、賦形物の膜壁内にラメラ
積層結晶(スタックドラメラ)を形成させ、次いでこの
賦形物を延伸してこのスタックドラメラ間を剥離させる
とともに、ラメラ積層結晶間を結ぶフィブリルを成長さ
せることにより、上記の特定の構造を有する微多孔質膜
が形成される。この膜は、上記特定の微多孔質構造を有
しているため機械的強度に優れており、しかもその製造
過程で溶剤を使用しないことから、安全性に優れるとい
う特徴を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近では、浄水器は濁
質や細菌を濾別除去する分画性能を保持しつつ、さらに
高い透水性能を有し、さらにコンパクト化、高寿命化、
高い耐久性が強く要望されている。そのためには、膜の
透水性能を向上させカートリッジ内に収納する膜の量を
減少させること、水道水を通水しても目詰りしにくい高
寿命な膜構造を有すること、水道水の実用圧力範囲にお
いて耐圧性を有すること等の特性を兼ね備えた膜素材が
求められている。
【0008】しかし、これら浄水器に用いられる中空糸
膜については、細孔孔径の余り大きなものを用いた場合
には、分画性能が十分ではなくなり、安全な飲用水を提
供することができない。一方、細孔孔径が小さく、高分
画性能のものを用いた場合には、圧損が大きくなり、蛇
口での水道水の吐水圧程度では透水量が小さくなりやす
かった。透水量を大きくするためには、多孔質膜の膜厚
をより小さくすればよいが、その場合、微多孔質膜の機
械的強度が不足する傾向となった。また、中空糸膜の使
用量を増しても透水量を大きくできるが、小型で使用し
やすい浄水器の提供という要望に応えることができなか
った。
【0009】本発明者等は、高分画で、高フラックス
で、かつ機械的強度も良好で、目詰まりしにくい高寿命
な浄水器に用いるのに適した多孔質中空糸膜の開発につ
き鋭意検討した結果、所定の粒径の粒子を分離できる微
孔を有する多孔質膜に、それより所定比だけ大きな微孔
を有する微多孔質膜が接合された複合微多孔質中空糸膜
の構成とすることにより、膜厚の拡大にかかわらず膜の
透水量の低下の少ない複合多孔質中空糸膜が製造できる
こと、更に、複合多孔質中空糸膜内の分離機能を担う緻
密層(a層)の位置を考慮して被処理水の濾過方向を選
択することにより、透水量が増大し、かつ目詰まりしに
くい浄水器が製造できることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0010】本発明の目的は、小型でも十分な透水量が
確保でき、不純物のカット性能も高く、かつ耐久性にも
優れた高寿命な浄水器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、中
空糸膜を含む中空糸膜モジュールを濾過部に備えた浄水
器において、該中空糸膜として、孔径の異る微多孔質層
を少なくとも二層有するポリオレフィン製複合微多孔質
中空糸膜を用いたことを特徴とする浄水器である。
【0012】また、本発明は、中空糸膜を含む中空糸膜
モジュールを濾過部に備えた浄水器において、該中空糸
膜として、分離機能を担う微多孔質層a層の少なくとも
片面に補強機能を担う微多孔質b層を積層したポリオレ
フィン製複合微多孔質中空糸膜であり、a層およびb層
の各層が繊維軸方向に配向した複数のミクロフィブリル
束とミクロフィブリル束の両端において結合するスタッ
クドラメラの結節部とから構成される楕円状の微孔の積
層体にて構成され、該微孔が中空糸膜の外表面から中空
部に向かって連通しており、該中空糸膜の微孔を構成す
るミクロフィブリル束およびスタックドラメラの結節部
が、複合微多孔質中空糸膜プレカーサー100重量%に
対して3〜30重量%の親水性共重合体にて覆われてい
るとともに、a層中に存在する微孔のミクロフィブリル
束間の平均距離Daと、b層中に存在する微孔のミクロ
フィブリル束間の平均距離Dbとの比が1.3≦Db/
Da≦4.0となる範囲にある複合微多孔質中空糸膜を
用いたことを特徴とする浄水器である。
【0013】更に、本発明は、上記浄水器において、被
処理水が、複合微多孔質中空糸膜の孔径が大きな層から
小さな層へ向けて流されるよう構成されてなる浄水器で
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の浄水器は、図1にその模
式図を示したように、原水入口1と吐水口2とを備えた
浄水器本体3内に濾過部4が配設され、この濾過部に中
空糸膜モジュール5が装着されてなるものである。この
例では、中空糸膜モジュール5には、原水中に含まれる
残留塩素、トリハロメタン、カビ臭物質等を除去するた
めの活性炭層6が中空糸膜7と連接して内蔵されている
が、活性炭層の有無は問わないし、更にミネラル分溶出
用のミネラル成分層、重金属イオンや硝酸性窒素および
亜硝酸性窒素等の陰イオンを除去するためのイオン交換
樹脂等を含んでいてもよい。
【0015】中空糸膜モジュールは、筒状のケース内に
中空糸膜をポッティング剤により集束固定して浄水器本
体の濾過部に着脱自在になるよう構成されるのが一般的
であるが、浄水器本体と一体化されているものであって
もよい。本発明の浄水器では、この中空糸膜モジュール
が、以下に述べる複合微多孔質中空糸膜を含んでなるも
のである。
【0016】本発明の浄水器に用いる複合微多孔質中空
糸膜は、孔径の異なる微孔を持つポリオレフィン製微多
孔質層が二層以上積層された複合構造となっているも
の、すなわち、補強機能を受け持つ孔径の大きな微多孔
質層b層が、分離機能を受け持つ孔径の小さな微多孔質
層a層の少なくとも片面に積層されてなるものである。
したがって、中空糸膜の構造は、例えばa層の片面にb
層が積層された二層構造のものでもよいしa層の両面に
b層が積層された三層構造でもよい。この複合微多孔質
中空糸膜は、内径が50〜5000μmの範囲であるこ
とが好ましい。内径が50μm未満では中空糸膜内部の
圧力損失が大きくなり、実用上好ましくない。また、5
000μmより大きい場合には、中空糸膜の集積度が低
下するため、単位容積当りの透水能は著しく低下する。
全膜厚は5〜500μmであることが好ましく、より好
ましくは30〜200μmの範囲である。全膜厚が5μ
m未満では機械的強度が弱く、中空糸の扁平化変形が生
ずる。また、200μmより大きい場合には、高い透水
性が得られにくくなる。
【0017】分離機能層(a層)の位置は、使用目的に
応じて補強機能層(b層)の内外層どちら側に位置して
もよいが、被処理水の濾過方向は、微孔の孔径が大きな
層から小さな層へ向けて流すことが好ましい。したがっ
て、中空糸膜の内側から外側へ向けて流すか、その逆方
向へ向けて流すかは自由に選択して使い分けることがで
きる。
【0018】a層及びb層は微孔を有しており、この微
孔は繊維軸方向に配列しており、かつ微孔はa層内、b
層内及びab層間で互いに連通して、中空糸膜の一方の
表面から他方の表面まで積層連通した微孔を形成してい
る。
【0019】a層において形成される微孔は、繊維軸方
向に配列したミクロフィブリル束と、繊維軸と垂直方向
に配列したスタックドラメラの結節部とから形成され、
ミクロフィブリル束と結節部との間隙部分が楕円状の微
孔となっている。
【0020】a層中の微孔の大きさとしては、ミクロフ
ィブリル束間の平均距離Daで、0.2〜0.5μmで
あることが好ましく、0.3〜0.4μmであることが
より好ましい。ミクロフィブリル束間の平均距離Daを
0.2μm以上とした中空糸膜では特に透水量が大き
く、また、Daが0.5μm以下の中空糸膜では微粒子
の阻止能力が良好、つまり高分画な膜となっている。
【0021】a層の厚みは、0.5〜20μmであるこ
とが好ましく、3〜12μmであることがより好まし
い。a層の厚みを0.5μm未満とすると、a層中にピ
ンホール欠陥が発生しやすい傾向にあり、一方、a層の
厚みを20μmを超えたものとすると、中空糸膜の透水
量が低下する傾向にある。また、a層の膜厚は全膜厚の
1/3以下であることが好ましく、これより厚い中空糸
膜では高い透水性能が効果的に得られにくくなる。
【0022】微多孔質層b層は、複合中空糸膜において
分離機能を受け持つ微多孔質層a層を支持する補強機能
を担っている。b層もa層と同じく繊維軸方向に配向し
た微孔の積層構造を有しており、この微孔はミクロフィ
ブリル束とスタックドラメラの結節部とから形成されて
いる。b層中の微孔の大きさとしては、ミクロフィブリ
ル束間の平均距離Dbで、0.2〜1μmであることが
好ましく、0.4〜0.5μmであることがより好まし
い。Dbが0.2μm未満なる微孔からなるb層を有す
る中空糸膜では水透過速度が低下する傾向にあり、一
方、Dbが1μmを超える場合、微孔を有するb層を備
えた中空糸膜の機械的強度が低下する傾向にある。
【0023】また、b層中のスタックドラメラの結節部
間平均距離Lbは、0.4〜4.0μmであることが好
ましく、0.7〜2.0μmであることがより好まし
い。Lbが0.4μm未満なる微孔からなるb層を有す
る中空糸膜では水透過速度が低下する傾向にあり、Lb
が4.0μmを超える場合、中空糸膜の機械的強度が低
下する傾向にある。
【0024】本発明に用いる中空糸膜では、DbとDa
の比が1.3≦Db/Da≦4.0となることが好まし
い。Db/Daが1.3未満の中空糸膜では、本発明の
浄水器が目的とする高分画で透水量が大きな浄水器とは
なりにくく、本発明の目的とする耐目詰り性も低下する
ので好ましくない。また、Db/Daが4.0を超える
と互いに隣接するポリオレフインの物性差が拡大するの
で、紡糸あるいは延伸安定性が低下する傾向にある。
【0025】本発明の浄水器に用いる複合微多孔質中空
糸膜では、バブルポイント法により求めた膜の最大孔径
が0.05〜1.0μmなる範囲にあることか好まし
い。最大孔径が0.05μm未満の中空糸膜では水透過
速度が低下する傾向にあり、1.0μmを超える場合、
機械的強度が低下する。
【0026】複合中空糸膜を形成する素材として用いる
ポリオレフィン類は、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ−3−メチルブテン―1、ポリ−4−メチル
ペンテン−1、ポリフッ化ビニリデン単独またはこれら
重合体の混合物を用いることができる。ポリオレフィン
類のASTM D−1238によって測定したMI値
(メルトインデックス値)は、0.1〜50の範囲が好
ましく、0.3〜15の範囲がより好ましい。MI値が
0.1末満のポリオレフィンはその溶融粘度が高過ぎる
ため、その賦形が難しく所望とする微多孔質膜を作るこ
とが困難である。また、MI値が50を超えるポリオレ
フィンは逆に溶融粘度が低過ぎて安定な賦形を行うこと
が困難である。ポリオレフィンの好ましい密度は用いる
素材によって異なるが、例えばポリエチレンの場合には
0.95g/cm3 以上であることが好ましく、ポリプ
ロピレンの場合には0.91g/cm3 以上であること
が好ましい。
【0027】この複合微多孔質中空糸膜を作るに際し、
a層形成用ポリオレフィンのMI値MIaとb層形成用
ポリオレフィンのMI値MIbとは、MIa<MIbと
なるように選定すると、a層形成用ポリオレフィンの密
度ρaと、b層形成用ポリオレフィンρbがほぼ等しく
ても製造することができる。逆に、ρa<ρbとなるよ
うにそれぞれのポリオレフィンを選定すると、MIa、
MIbがほぼ等しくても、この複合微多孔質中空糸膜を
得ることができる。MIa<MIb、ρa<ρbとなる
関係を両方満たすように、それぞれのポリオレフィンを
選定すると、この複合微多孔質中空糸膜を効率よく作る
ことができるので好ましい。
【0028】なお、本発明でいう微孔のミクロフィブリ
ル束間の平均距離は次のようにして測定したものであ
る。すなわち、中空糸膜より繊維軸方向に極薄切片を切
出したサンプルの6500倍の透過型電子顕微鏡写真よ
り6cm角の部分を画像処理装置のCRT画面に取り込
む(第2図にこの画像の模式図を示す)。取込画像の上
辺部より繊維軸方向に直角となる方向に、下辺部まで、
順次0.052μmピッチで1本目からn本目までの走
査線を引く。そして、αで表示したミクロフィブリル束
間の平均距離が測定できない部分は除外して、1本目の
走査線の内、孔部部分を通過する線分の各距離、例えば
1 からa5 の和を求め、次いで、2本目の走査線につ
いて同様に例えばb1 からb6 の和を求め、順次n本目
の走査線の例えばn1 からn6 の和を求めて総和(距離
総和)を出す。次に、各走査線が通過した微孔の数(1
本目の走査線では5つ、2本目は6つ、n本目は6つ)
の総和(数総和)を求めて、距離総和/数総和を平均間
隔Da、Dbとする。
【0029】本発明の浄水器に用いる複合微多孔質中空
糸膜を製造するには、先ず中間体たる複合微多孔質中空
糸膜プレカーサーを作り、次いで親水性共重合体で被覆
処理を行えばよい。プレカーサーを作るには、上記条件
を満足したポリオレフィンを選定し、同心円状に配設し
た二つ以上の円環状の吐出口を有するノズルを用いて溶
融複合紡糸し、多層体を得た後必要に応じて熱処理を行
い、延伸することにより達成される。
【0030】また、互いに隣接する各層に孔径差を付与
する手段としては、密度やMI値の異なるポリオレフィ
ンを複合化することで達成される。この際、用いるポリ
エチレンの密度はJISK6760に示される測定法で
0.955g/cm3 以上であることが好ましく、さら
に好ましくは0.960g/cm3 以上である。密度が
0.955g/cm3 未満では延伸による微細孔の形成
が不均一となり好ましくない。
【0031】また、MI値としては、JISK6760
による測定法で0.05〜20.0g/10分の範囲に
あることが好ましく、より好ましくは0.1〜5.0g
/10分の範囲である。MI値が0.05g/10分未
満ではポリマー粘度が非常に高く、溶融紡糸が難しくな
るため好ましくない。更に、20.0g/10分を超え
ると多層体の結晶配向性が不充分となり、均一な微細孔
構造を得ることはできない。溶融紡糸、延伸法によって
形成される微細孔は、密度あるいはMI値を調整したポ
リエチレンを配置することで本発明の孔径の異なる二層
以上に積層された複合微多孔質中空糸膜を得ることがで
きる。
【0032】以上に述べたポリエチレンの密度あるいは
MI値は、重合条件の設定やブレンド等により自由に調
整が可能であり、必要に応じて選定することができる。
【0033】紡糸温度としては、ポリオレフィンの融点
以上(好ましくは融点より10〜100℃高い温度とす
る)で、吐出物は10〜40℃の雰囲気中0.1〜3m
/秒なる引取速度で引取り、得られた多層体を、そのま
まか、またはポリオレフィンの融点以下の温度(好まし
くは融点より5〜50℃低い温度)で熱処理を行ってス
タックドラメラを形成させた後、延伸し多層体に開孔処
理を行う。延伸は冷延伸に引き続き、熱延伸を行うのが
よい。冷延伸は、比較的低い温度で多層体の構造破壊を
起こさせてスタックドラメラ間にミクロクラックを発生
させる過程であり、この冷延伸は0℃〜ポリマーの融点
より50℃低い温度の範囲で行うのが好ましい。ポリオ
レフィンとしてポリエチレンを用いた場合、この冷延伸
温度は0〜80℃、好ましくは10〜50℃の範囲であ
る。また、冷延伸倍率としては、5〜200%が好まし
い。5%以下ではミクロクラックの発生が不十分とな
り、目的とする孔径が得られにくくなる。また、200
%を超えるとスタックドラメラの変形が起こり、各微多
孔質層の開孔率が低下するので好ましくない。
【0034】次いで行う熱延伸は、多層体中に発生させ
たミクロクラックを拡大させ、スタックドラメラ間にミ
クロフィブリルを形成して、スリット状の微孔を有する
多孔質膜とする過程である。熱延伸温度としては、ポリ
オレフィンの融点を超えない範囲で、できるだけ高い温
度で行うのがよい。また、熱延伸倍率としては、目的と
する孔径により適宜選定すればよいが、50〜2000
%、好ましくは100〜1000%の範囲とするのが工
程安定性の点でよい。
【0035】更に、得られた複合多孔質膜プレカーサー
の寸法安定性を得るために、この膜を定長下、または少
し弛緩させた状態で熱セットを行う。熱セットを効果的
に行うためには、熱セット温度は延伸温度以上、融点温
度以下であることが好ましい。
【0036】以上のようにして、溶融複合紡糸および延
伸多孔化により、a層およびb層が各層の延伸軸方向に
配向した多数のミクロフィブリルとミクロフィブリルの
両端において結合したスタックドラメラの結節部にて構
成されるスリット状の積層体にて構成され、当該微孔が
膜の一表面から他表面に渡って貫通している中空糸膜状
プレカーサーを得る。
【0037】次に、得られた多層複合膜プレカーサーに
恒久親水性を付与する工程を適用する。ここで用いる親
水性共重合体は、エチレンを20モル%以上および親水
性モノマーを10モル%以上含む共重合体が好ましく、
これら共重合体は、ランダムコポリマー、ブロックコポ
リマー、グラフトコポリマー等いずれのタイプの共重合
体であってもよい。共重合体に占めるエチレン含量が2
0モル%末満では、共重合体はプレカーサーに対して親
和性が弱く、プレカーサーを親水性共重合体溶液に浸漬
処理し、プレカーサー100重量%に対して3〜30重
量%なる割合で親水性共重合体を被覆することが困難と
なり好ましくない。
【0038】この親水性共重合体を重合する際に使用す
る親水性モノマーとしては、例えばビニルアルコール、
(メタ)アクリル酸及びその塩、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)ア
クリル酸エステル、ビニルピロリドン、アクリルアミド
等のビニル化合物をあげることができ、これら親水性モ
ノマーが一種以上含まれていればよいが、特に好ましい
モノマーとしてビニルアルコールをあげることかでき
る。また、この親水性共重合体は、エチレン及び親水性
モノマー以外の第三成分を一種以上含んでいてもよく、
第三成分としては例えば酢酸ビニル、(メタ)アクリル
酸エステル、ビニルアルコール脂肪酸エステル、ビニル
アルコールのフォルマール化物若しくはブチラール化物
等をあげることができる。
【0039】複合多孔質膜プレカーサーヘの親水性共重
合体の被覆量はプレカーサー重量換算で3〜30重量%
の範囲とする。親水性共重合体の被覆量が3重量%未満
の微多孔質膜は水との親和性が乏しく、微多孔質膜ヘの
通水性が不足し、一方、親水性共重合体の被覆量が30
重量%を超えて多くなると共重合体による微多孔質膜の
孔の閉塞などが起こりやすく、その透水性が低下しやす
い。
【0040】親水性共重合体の溶剤は、水混和性有機溶
剤であることが好ましく、その具体例としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルア
ルコール等のアルコール類、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルホルムアミド等をあげることができる。これら溶
剤は単独でも用い得るが、水との混合物は親水性共重合
体に対する溶解性が強いので、より好ましい。また、親
水性共重合体を被覆した微多孔質膜を乾燥するに際して
用いる溶剤の蒸気含有雰囲気の作りやすさ、すなわち、
溶剤の蒸気圧の低さ、人体に対する低毒性の点から、沸
点100℃未満のアルコール類、例えばメタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール等と水の混合系溶剤
を用いることが特に好ましい。水混和性有機溶剤と水と
の混合割合は、そのプレカーサーヘの浸透性を阻害せ
ず、共重合体の溶解を低下させない範囲であればよく、
用いられる共重合体の種類によっても異なるが、有機溶
剤としてエタノールを用いる場合、エタノール/水の割
合は、90/10〜30/70(vol%)の範囲であ
ることが好ましい。
【0041】親水性共重合体溶液の濃度は、0.1〜1
0重量%程度、好ましくは0.5〜5重量%の範囲であ
る。濃度が0.1重量%未満の溶液でプレカーサーを処
理したものは親水性共重合体の均一な被覆を行うことが
難しく、10重量%を超えると溶液粘度が大きくなり過
ぎ、この溶液でプレカーサーを処理すると、多層複合中
空糸膜の微孔が共重合体で閉塞されてしまう。親水性共
重合体溶液にプレカーサーを浸漬する方法としては、同
じ濃度の共重合体溶液に2回以上浸漬処理を行ってもよ
く、濃度の異なる溶液に浸漬を2回以上行ってもよい。
【0042】浸漬処理を行う親水性共重合体溶液の温度
は、高い程その粘度は低下し、プレカーサーヘの溶渡の
浸透性が向上し好ましいが、安全面からその溶液の沸点
以下であることが好ましい。
【0043】浸漬処理時間は、用いるプレカーサーの膜
厚、微孔径、空孔率により異なるが、数秒〜数分の範囲
とするのが好ましい。
【0044】プレカーサーは親水性重合体溶液に浸漬
後、乾燥処理を行う前に有機溶剤の蒸気が3vol%以
上含まれ、温度が室温からその溶剤の沸点以下の温度に
ある雰囲気下に立ち上げ少なくとも30秒間以上滞在さ
せセッティング工程を施すことが必要である。
【0045】この処理工程の目的は、プレカーサーを構
成するミクロフィブリルとスタックドラメラとの結節部
の表面に親水性共重合体の皮膜を形成することによる微
孔の閉塞を防止することにある。また、ミクロフィブリ
ルを結束させてスリット状の微孔を大孔径化して楕円状
の微孔を作り透水量の増大を図ると共に、処理水との親
和性を高めることにある。
【0046】本セッティング工程中での親水性共重合体
のプレカーサ表面での皮膜形成を防ぐには、プレカーサ
ー表面での急速な乾燥を防ぐ必要があり、そのために
は、共重合体溶液のプレカーサー表面での蒸発速度を押
え、かつ、プレカーサー表面が溶剤で濡れている状態に
保つことが必要であり、この観点から、セッティング工
程の雰囲気は水混和性有機溶剤の蒸気が3vol%以上
の雰囲気下にすることが必要となる。
【0047】セッティング工程におけるプレカーサーよ
りの溶剤の蒸発速度は極力遅くする方が好ましく、セッ
ティング工程の雰囲気は溶剤の飽和蒸気濃度に近い雰囲
気とする方がよい。また、この工程でのプレカーサー面
での溶剤の蒸発を遅くするには、セッティング温度を低
温にする方がよいが、余り低過ぎるとセッティング工程
での脱溶剤が進まないという現象が起こり好ましくな
い。従って、該雰囲気の温度は室温以上、水混和性溶剤
の沸点以下とすることが好ましい。
【0048】浸漬後のプレカーサーは浸漬浴より該雰囲
気中に立ち上げるが、立ち上げの角度は45゜〜90゜
の範囲とするのが好ましい。立ち上げることによりプレ
カーサーに付着した共重合体溶液の一部が自重によって
プレカーサーより脱液される。その脱液量は、プレカー
サーの浴面よりの立ち上げる速度、浸漬溶液の粘度、プ
レカーサーの浴面からの立ち上げる高さ等により異な
る。このセッテイング工程での脱液効果を高めるための
補助手段として、ガイド、スリット等によりプレカーサ
ー表面にある溶液の拭き取りを併用してもよい。
【0049】このセッティング時間は、少なくとも30
秒が必要であり、この間に溶剤のプレカーサーからの蒸
発に伴う共重合体溶液の濃縮と膜のミクロフィブリルと
スタックドラメラ表面でのマイグレーションによる均一
化が行われる。特に、プレカーサーを連続的に親水性共
重合体溶液にて処理する場合、このセッテイング時間
は、少なくとも30秒以上必要である。30秒未満のセ
ッティングでは溶剤の蒸発に伴う濃縮が不十分であっ
て、過剰の溶液がプレカーサーに付着した状態で乾燥を
行うことになり、親水性共重合体により微孔の閉塞が発
現し、併せて、共重合体の膜構造内での均一付着化が不
十分となり、透水性能、分画性能の良好な微多孔質中空
糸膜が得られにくい。
【0050】なお、上記セッティング時間を30秒とし
た時の溶剤のプレカーサーからの蒸発量は、用いた親水
性共重合体溶液の15〜30%程度であることが好まし
い。セッティング工程でのプレカーサーよりの溶剤の蒸
発量をコントロールする方法としては、セッティング雰
囲気温度、該雰囲気中に空気や不活性ガス等の気体を送
風する方法等をあげることができる。
【0051】乾燥工程とは、延伸法によって得られた無
数のスリット状の微細孔を形成するミクロフィブリルを
親水性共重合体で被覆収束し、楕円状の微孔へ構造変化
させ、孔径を拡大させ固定する重要な工程である。ま
た、乾燥と同時に中空糸膜の収縮が発生するため、その
収縮分を加味し、乾燥工程前の糸の供給速度を乾燥後の
巻取速度よりも高め、膜の特性に応じ、中空糸膜を充分
に収縮させながら親水化処理することで、孔径拡大とと
もに高透水性能化することができる。
【0052】巻取速度に対する乾燥前の供給速度が中空
糸膜の収縮に対し早い場合は、乾燥前に糸たるみが発生
し工程安定性が低下する。逆に、中空糸膜の収縮分を加
味せず供給速度が巻取速度と等しい場合は、乾燥工程で
糸の収縮に対し糸が引っ張られ高張力下で処理されるた
め、スリット状微細孔のまま楕円状に孔径拡大されずに
処理され、十分な透水性能を得ることができない。そこ
で、処理する中空糸膜の収縮の程度に応じ、乾燥前後の
供給及び巻取速度を調整する必要がある。
【0053】セッティングを終了したプレカーサーの乾
燥処理は、真空乾燥、熱風乾燥等公知の乾燥方法によれ
ばよい。乾燥温度は複合微多孔質中空糸膜が熱によって
変形を受けない温度であればよい。例えばポリエチレン
製複合微多孔質中空糸膜の場合には120℃以下の温度
で乾燥するのが好ましく、40〜70℃の温度で乾燥す
ることが特に好ましい。乾燥時間は、微細孔孔径、膜
厚、処理速度等により異なるが、1分から10分程度
で、中空糸膜が十分乾燥していればよい。
【0054】複合微多孔質中空糸膜に対する親水性共重
合体の付着量は、基質である複合微多孔質中空糸膜プレ
カーサーの重量に対して、濾過特性の点からおよそ3〜
30重量%、好ましくは3〜15重量%である。
【0055】なお、この最終的なエチレン共重合体の多
孔質膜への付着率は、親水化溶液の濃度や脱液処理の条
件等を適宜設定することによって調節することができ
る。
【0056】この親水性共重合体の被覆処理により微多
孔質中空糸膜プレカーサーのミクロフィブリルは収束さ
れてミクロフィブリル束となり、また、スリット状微孔
は楕円状微孔となる。
【0057】本発明で用いる複合微多孔質中空糸膜の分
画特性は、特に限定はされないが、特に家庭用浄水器や
医療分野で用いる場合では、水中の菌を除去できること
が必要とされ、膜の細孔径は0.2μm以下が好まし
い。
【0058】医療分野等における無菌水製造の浄水器等
の場合には、上記多孔質中空糸膜を適当な容器に充填
し、中空糸膜の片端あるいは両端部を樹脂で固定し、端
部を開口させることで中空糸膜モジュールを作成し、浄
水器として利用する。
【0059】飲料用途や家庭生活において使用される浄
水器においては、残留塩素等を取り除くために、中空糸
膜に加えて活性炭等が濾過部の構成要素として加えられ
る。
【0060】本発明で使用する活性炭は、残留塩素を還
元する能力、トリハロメタンや農薬等の有機物を吸着す
る能力を有していれば限定されるものではなく、形態的
には粉末状、粒状、繊維状、成形炭等の活性炭が使用で
きる。原料的にも特に限定されるものではなくヤシガラ
活性炭、骨炭、木炭系のもの等の天然物系活性炭、ピッ
チ系、石油コークス系の活性炭等が使用できる。賦活方
法についても特に限定されず、水蒸気賦活、化学的賦活
等の賦活法が用いられる。
【0061】また、通水する水の活性炭内の通過速度
が、通常の活性炭の使用法に比べて非常に大きいので嵩
密度の大きいものが好ましく、水道水圧との関連から圧
力損失は小さいものが好ましい。吸着物質は比較的分子
量の小さいものが多く、コスト面を含めると水蒸気賦活
した粒状ヤシガラ活性炭が最も好ましい。
【0062】本発明の活性炭は抗菌性を付与するために
銀等の重金属を添着したものでも構わないが、余り大量
の重金属が溶出するものは好ましくない。抗菌性を付与
したものは比較的好ましく用いられる。
【0063】さらに、水道水中の重金属イオンや硝酸性
窒素及び亜硝酸性窒素等の陰イオンを除去するために
は、中空糸膜、活性炭に加えて、イオン交換樹脂を用い
ることもできる。
【0064】本発明の浄水器において、複合微多孔質中
空糸膜は浄水器の浄化水出口に近い濾過の最終過程に存
在していることが望ましい。
【0065】
【実施例】以下、本発明の浄水器に用いる複合微多孔質
中空糸膜を製造例によりさらに詳しく説明する。なお、
製造例中の各種測定、評価は下記の方法によった。 1.雰囲気中のエタノール濃度は、ガス検知管(ガステ
ック検知管、商品名、ガステック株式会社製)を用いて
測定した。 2.親水性共重合体の被覆量は下記式に従って算出し
た。
【0066】
【数1】 3.分画粒子径は、膜面積が約50cm2 の中空糸膜の
モジュールで0.1wt%の界面活性剤(ポリエチレン
グリコールーp−イソオクチルフェニルエーテル)所定
粒子径の単一分散粒子径のポリスチレンラテックス粒子
を濾過し、濾液のラテックス粒子の濃度を日立分光光度
計(U−3400)により320nmの波長で測定し捕
捉率90%における粒子径を求めた。
【0067】製造例1 密度0.967g/cm3 、MI値0.3の高密度ポリ
エチレン(HB530、の高密度ポリエチレン(HB4
30、三菱化学 (株) 製)33重量%とを溶融混練し、
密度0.965g/cm3 、MI値0.3のブレンドポ
リマーを得た。
【0068】次に、同心円状に配置された二つの円管状
の吐出口を有する中空糸製造用ノズルを用いて内側の吐
出口からブレンドポリマーを、また外側の吐出口から上
記密度0.967g/cm3 、MI値0.3の高密度ポ
リエチレンを吐出させ、溶融紡糸した。このとき、吐出
温度170℃、内層側吐出量0.56g/分、外層側吐
出量2.24g/分、内層と外層の吐出量比1/4、吐
出線速度47cm/分、度21℃、風速1m/秒の冷却
風を糸の周囲に均一に当てながら巻取り速度35m/分
にて巻取り、末延伸複合中空糸を得た。
【0069】得られた未延伸中空糸を125℃に加熱し
た空気中で定長のまま16時間加熱処理を行った。さら
に、この熱処理糸を30℃に保たれたローラー間で25
%冷延伸し、引き続いて119℃の加熱炉中で総延伸量
が500%になるように熱延伸を行い、さらに、120
℃の加熱炉中で定長のまま熱セットを行い、二層よりな
る複合微多孔質中空糸膜プレカーサーを得た。
【0070】次に、エチレン含有量32モル%のエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体(ソアノールDC320
3、日本合成化学 (株) 製)を70℃のエタノール/水
=60/40vol%混合溶液に1.0重量%溶解した
親水性共重合体剤溶液を調製した。この親水性共重合体
溶液中に上記の複合多孔質中空糸膜プレカーサーを10
0秒間浸漬した後プレカーサーを引き上げ、ガイドによ
り表面に過剰に付着した親水化剤溶液の一部を絞り落と
した。引き続き、エタノール蒸気濃度40vol%、6
0℃の雰囲気中に立上げ角度90゜で立上げ、100秒
間滞在させてプレカーサーの微小空孔内表面に親水化剤
を均一付着させた後、70℃の熱風にて10%オーバー
フィードさせながら溶剤を乾燥した。得られた親水化複
合中空糸膜のエチレン−ビニルアルコール共重合体の付
着率は10.5重量%であった。
【0071】得られた複合微多孔質中空糸膜を走査型電
子顕微鏡にて観察したところ、複合微多孔質中空糸膜の
内外表面及び微孔内表面はエチレン−ビニルアルコール
共重合体の薄膜で覆われており、内層(a層)中の微孔
のミクロフィブリル束間の平均距離(Da)は0.35
μm、外層(b層)の微孔のミクロフィブリル束間の平
均距離(Db)は0.47μmであった。このとき、D
b/Da=1.34、分離機能層である内層の膜厚は1
2μmであった。得られた中空糸膜の特性を表1に示し
た。
【0072】製造例2 製造例1で内層に用いたポリマーと外層に用いたポリマ
ーを逆転させ、外側の吐出口からブレンドポリマーを、
内側の吐出口から密度0.967、MI値0.3の高密
度ポリエチレンを外層側吐出量0.56g/分、外層側
吐出量2.24g/分で吐出して溶融紡糸したことを除
き、製造例1と同一条件で複合微多孔質中空糸膜を作製
した。得られた複合微多孔質中空糸膜は、外層(a層)
中の微孔のミクロフィブリル束間の平均距離(Da)は
0.34μm、内層(b層)中の微孔のミクロフィブリ
ル束間の平均距離は0.48μmであり、Db/Da=
1.特性を表1に示した。
【0073】比較製造例1 一つの円管状の吐出口を有する中空糸製造用ノズルを用
いて製造例1において内層側に用いたブレンドポリマー
を吐出量2.8g/分で吐出し溶融紡糸した。その時の
吐出温度は170℃であり、35m/分の巻取速度で巻
取った。得られた未延伸中空糸を製造例1と同じ条件に
て熱処理、延伸処理、親水化処理を行い、多孔質中空糸
膜の膜特性を表1に示した。
【0074】
【表1】 実施例1、2および比較例 製造例および比較製造例で作成した各種の複合微多孔質
中空糸膜および均一微多孔質中空糸膜を使用して、U字
状に収納し、その端部をポッティング樹脂で固定し切断
して中空糸膜の片端を開口状態に保ち、図1に示したと
同様な形式の有効膜面積が0.16m2 の中空糸膜モジ
ュールを作成し、それぞれ浄水器に装着した。これらの
浄水器に差圧1kg/cm2 で水道水を供給し、その時
の吐出水量を測定した。その結果表2に示した。
【0075】実施例1で示した分離層内層化複合膜を用
いた浄水器を、名古屋市水にて中空糸膜の外表面から内
表面に向けて通水濾過した場合、同一分画を有する均一
膜よりも高流量でかつ耐目詰り性に優れ濾過寿命を長く
することができた。なお、耐目詰まり性は、初期透水量
に対して50%に低下した時点の積算流量をもって表示
した。
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】本発明の浄水器は、孔径の異なる微多孔
質層を少なくとも二層有するポリオレフィン微多孔質中
空糸膜を濾過部に備えて構成されており、この複合化膜
の補強機能層を大孔径化したことにより、同じ分画性能
を持つ従来の中空糸を使用した場合と比べると、細菌カ
ット可能な分画性能を保ちながら高い濾過流量を得るこ
とができ、使用する膜面積を低減させることで、浄水器
のカートリッジのコンパクト化ができる。
【0078】また、この複合微多孔質中空糸膜について
の濾過方向を、孔径の大きな層から孔径の小さな層へ向
けて流すことにより、耐目詰まり性に優れ、浄水器の高
寿命化が可能となった。更に、膜の耐久性に優れ、膜の
溶出物がほとんどないことからもクリーンで安全性の高
い浄化水を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浄水器を示す模式図である。
【図2】微孔のミクロフィブリル束間の平均距離の測定
方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 原水入口 2 吐水口 3 浄水器本体 4 濾過部 5 中空糸膜モジュール 6 活性炭層 7 中空糸膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松林 和彦 東京都中央区京橋二丁目3番19号 三菱レ イヨン株式会社内 (72)発明者 矢能 学 東京都中央区京橋二丁目3番19号 三菱レ イヨン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空糸膜を含む中空糸膜モジュールを濾
    過部に備えた浄水器において、該中空糸膜として、孔径
    の異る微多孔質層を少なくとも二層有するポリオレフィ
    ン製複合微多孔質中空糸膜を用いたことを特徴とする浄
    水器。
  2. 【請求項2】 中空糸膜を含む中空糸膜モジュールを濾
    過部に備えた浄水器において、該中空糸膜として、分離
    機能を担う微多孔質層a層の少なくとも片面に補強機能
    を担う微多孔質b層を積層したポリオレフィン製複合微
    多孔質中空糸膜であり、a層およびb層の各層が繊維軸
    方向に配向した複数のミクロフィブリル束とミクロフィ
    ブリル束の両端において結合するスタックドラメラの結
    節部とから構成される楕円状の微孔の積層体にて構成さ
    れ、該微孔が中空糸膜の外表面から中空部に向かって連
    通しており、該中空糸膜の微孔を構成するミクロフィブ
    リル束およびスタックドラメラの結節部が、複合微多孔
    質中空糸膜プレカーサー100重量%に対して3〜30
    重量%の親水性共重合体にて覆われているとともに、a
    層中に存在する微孔のミクロフィブリル束間の平均距離
    Daと、b層中に存在する微孔のミクロフィブリル束間
    の平均距離Dbとの比が1.3≦Db/Da≦4.0と
    なる範囲にある複合微多孔質中空糸膜を用いたことを特
    徴とする浄水器。
  3. 【請求項3】 濾過部が、孔径の異る微多孔質層を少な
    くとも二層有するポリオレフィン製複合微多孔質中空糸
    膜および活性炭により構成されてなる請求項1または2
    記載の浄水器。
  4. 【請求項4】 被処理水が、複合微多孔質中空糸膜の孔
    径が大きな層から小さな層へ向けて流されるよう構成さ
    れてなる請求項1、2または3記載の浄水器。
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