JPH09194993A - 開缶性と耐食性に優れたイージーオープン蓋用鋼板および製造方法 - Google Patents

開缶性と耐食性に優れたイージーオープン蓋用鋼板および製造方法

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JPH09194993A
JPH09194993A JP187796A JP187796A JPH09194993A JP H09194993 A JPH09194993 A JP H09194993A JP 187796 A JP187796 A JP 187796A JP 187796 A JP187796 A JP 187796A JP H09194993 A JPH09194993 A JP H09194993A
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openability
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JP187796A
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Teruyoshi Hiraoka
照祥 平岡
Ryosuke Wake
亮介 和気
Teruaki Yamada
輝昭 山田
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 スコアー部の補修塗装が不要で、開缶性の優
れたイージーオープン蓋用鋼板ならびに製法。 【解決手段】C,Si,Mn,P,S,solAl,
N,Bのwt%を特定し,更にNb,Tiの1種もしく
は2種の特定量を必要に応じ含有し、残部がFeおよび
不可避元素からなる冷延鋼板の表面にイージーオープン
缶用のスコアーを有し、スコアー溝底部の鋼板部分は熱
処理によりスコアー加工時の加工組織が再結晶し、スコ
アー残厚の近傍部の結晶粒が母材部より大きくなく、更
に鋼板表面及びスコアー溝の両側壁の上部並びに中部側
壁面に電気メッキ層を有し、鋼板表面の電気メッキ層上
並びにスコアー溝の両側面の中・下部及び底部面上に塗
装層を有することを特徴とするイージーオープン蓋用鋼
板で、上記組成の鋳片を熱延、冷延、再結晶焼鈍して製
造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開缶性と耐食性に
優れたスコアーを有するイージーオープン蓋用鋼板なら
びにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、飲料缶あるいは食缶等の缶蓋にお
いて、適当な形状・深さのスコアーを刻印しておき、開
缶用のタブを取り付け、このタブを引っ張ることによっ
てスコアー部が外側に引き裂かれて容易に開缶できるP
artial−EOEあるいはタブを引き起こすことに
よってスコアー部が内側に押し裂かれて容易に開缶でき
タブが内側に残存しタブが道路,公園等に散乱しないS
tay−on−tab−EOEの蓋が使われている。こ
のイージーオープン蓋の素材は、鋼とアルミニウムとが
ある。アルミニウム製の蓋は、耐食性の点から全ての内
容物に使用できるとはいえず、特に塩分を含む内容物に
対してはスチール製が使用されている。また、アルミニ
ウム製の蓋は、スチール製の缶胴用の蓋にはリサイクル
の観点から不都合である。
【0003】一方、スチール製のイージーオープン蓋
は、スコアー加工によりスコアー加工部のメッキならび
に塗膜が破壊されスコアー部の耐食性の劣化を補うた
め、スコアー部を補修塗装せねばならず、更に、開缶力
が高く少し開け難いと言う欠陥がある。この耐食性と開
缶性を改善する方法としては、特開昭61−19373
1号公報の「常法に従い製造された缶用鋼板(即ち、熱
延鋼板を冷間圧延し、再結晶焼鈍を施して製造した缶用
鋼板)に、スコアー加工後Sn,Cr,Niメッキ等の
表面処理を施す開缶性と耐食性に優れたスコアーを有す
るイージーオープン蓋用鋼板の製造方法」並びに、特公
昭63−40863号公報の「複数個のエッチング加工
されたスコアー部を有し、該スコアー部に被覆を形成し
たことを特徴とするイージーオープン蓋用表面処理鋼
板」とがある。
【0004】特開昭61−193731号公報の方法
は、同明細書によれば、「通常の方法でスラブを熱間圧
延,冷間圧延を施し、ついで再結晶焼鈍を施して缶用鋼
板とし、次に該鋼板にプレス機あるいはローラーにより
スコアーを刻印する。その後に、スコアー加工部を軟化
するための熱処理を施し、開缶性を向上させた後、S
n,Cr,Niメッキを施し、出荷し、製缶メーカで、
イージーオープン蓋を製蓋する。このことにより、開缶
性と耐食性が向上すること」を主要技術とする発明であ
るが、この発明の方法が提供する耐食性の改善は、同公
報の実施例の耐食性の評価方法が、「また、第1表中
に、製蓋後缶体となし、1.5%クエン酸と1.5%食
塩の混合液を充填し50℃の温度で30日間保持した後
の缶蓋の発錆状況を調査した結果を示す。・・・・3頁
右上15行目」である。従って、缶内部側の缶蓋の耐食
性を評価し、耐食性が改善できることを見いだしたもの
である。
【0005】即ち、同公報の発明は、本発明が改善した
い課題であるスコアー加工部に耐食性(スコアー加工部
は缶の外側である)に関しては何ら調査されていない。
また、同公報の開缶性を優れたものにするための製造技
術のポイントは、「冷間圧延を施し、ついで再結晶焼鈍
を施して缶用鋼板とし、次に該鋼板にプレス機あるいは
ローラーによりスコアーを刻印する。その後に、スコア
ー加工部を軟化するための熱処理を施すこと」である
が、このように再結晶焼鈍後に、スコアー加工を行い、
その後、スコアー加工歪みを熱処理で軟化させると、開
缶力は改善できるが、スコアー加工歪みの熱処理による
軟質効果が十分に得ることが出来ず、十分に軟質化効果
を得るためには、更に約10%程度の調質圧延を施す必
要があるという欠陥をも有している。
【0006】そこで、本発明者らは、まず、この方法の
スコアー部の耐食性に着目し、詳細な調査を行った結
果、この方法、即ち、スコアー加工後Sn,Cr,Ni
メッキ等の表面処理を施した鋼板を用い、イージーオー
プン蓋を製蓋したイージーオープン蓋の耐食性を調査し
た結果、スコアー部は無補修塗装条件では赤錆が発生
し、本発明の課題は解決できないことが明確になった。
【0007】特公昭63−40863号公報の方法は、
同明細書によれば、「調質圧延後の薄鋼板を予備洗浄し
てからレジスト印刷してスコアー模様を施し、ついでエ
ッチング処理し素地を溶解してスコアー加工をなし、こ
のスコアー加工後にレジスト印刷を除去してからTFS
メッキやSnメッキ等の電気的その他のメッキまたは化
成皮膜処理のような表面処理するもので、・・・・な
お、このように処理されたものは内面塗装を適宜施し、
リベット加工してから製缶工程に送られる。このことに
より、開缶性と耐食性が向上すること」を主要技術とす
る発明であるが、この発明の方法は、「エッチングによ
るスコアー加工後そのスコアー加工の溝の側壁並びに底
部全体をほぼ均一な厚みのSnメッキで被覆する(第2
図)ことでスコアー部の耐食性を改善すること」が最も
大きな特徴であるが、この方法の問題点は、スコアー加
工の形状は100μm程度の極めて狭い幅で約150μ
m以上の深さでシャープな形状をしており、そのような
スコアー溝の側壁並びに底部全域をほぼ均等な厚みに電
気メッキを施すことは、電気メッキでは電極により近い
部分に集中して電流が流れる結果シャープな凹み部は電
気メッキが施されないと言う性質があるため、同公報の
第2図に示されたスコアー部のメッキの被覆状態を得る
のは極めて難しいと言う問題点を有している。
【0008】また、同公報の開缶性を優れたものにする
方法のポイントは、「調質圧延後の薄鋼板をエッチング
処理し素地を溶解してスコアー加工を行うこと」にある
が、そのためには、「予備洗浄,レジスト印刷,エッチ
ング処理し素地を溶解,レジスト印刷を除去」4工程も
の処理を行い所持時間を長く、プレスによるスコアー加
工による方法に比べ、設備投資額が大きく、設備スペー
スも大きいという欠点を有している。以上のように、ス
コアー部の補修塗装を完全になくすることが出来、か
つ、経済的で開缶性の優れたイージーオープン蓋用鋼板
ならびにその製造方法は未だないのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、スコアー部の補修塗装を完全になくするこ
とが出来、かつ、経済的で開缶性の優れたイージーオー
プン蓋用鋼板ならびにその製造方法を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スコアー
部の補修塗装を完全になくすることが出来、かつ、経済
的で開缶性の優れたイージーオープン蓋用鋼板ならびに
その製造方法を提供すべく、鋭意検討を行い本発明を完
成したものであり、その要旨とするところは下記の通り
である。 (1) C :≦0.20wt% Si:≦0.5wt% Mn:≦1.0wt% P :≦0.15wt% S :≦0.100wt% solAl:≦0.150wt% N :≦0.0150wt% 他にB:≦0.0070wt% 更にNb,Tiの内1種もしくは2種以上が≦0.10
wt%を必要に応じ含有し、残部がFeおよび不可避元
素からなる組成の冷延鋼板の表面にイージーオープン蓋
用のスコアーを有し、そのスコアー溝底部の下方の鋼板
部分(スコアー残厚部)はスコアー加工時の加工組織が
再結晶している組織でかつスコアー残厚の近傍部の結晶
粒が母材部よりも大きくない組織を有し、更に、鋼板表
面及びスコアー溝の両側壁の上部並びに中部側壁面に電
気メッキ層を有し、鋼板表面の上記電気メッキ層上並び
にスコアー溝の両側面の中部並びに下部及び底部面上に
塗装層を有することを特徴とする開缶性と耐食性に優れ
たスコアーを有するイージーオープン蓋用鋼板。 (2)電気メッキ層がSnメッキ層とこの層上の電解ク
ロメート処理層とよりなることを特徴とする前記(1)
に記載の開缶性と耐食性に優れたイージーオープン缶蓋
用鋼板。
【0011】(3) C :≦0.20wt% Si:≦0.5wt% Mn:≦1.0wt% P :≦0.15wt% S :≦0.100wt% solAl:≦0.150wt% N :≦0.0150wt% 他にB:≦0.0070wt% 更にNb,Tiの内1種もしくは2種以上が≦0.10
wt%を必要に応じ含有し、残部がFeおよび不可避元
素からなる組成の鋼を常法に従って、溶製し、熱延鋼板
を製造し、冷間圧延を行った鋼板に、イージーオープン
蓋用のスコアーを刻印し、必要に応じ形状矯正を行った
後、再結晶焼鈍を施し、必要に応じ調質圧延を施した後
に、電気メッキを施し、更に、塗装を行うことを特徴と
する前記(1)に記載の開缶性と耐食性に優れたイージ
ーオープン缶蓋用鋼板の製造方法。 (4)前記(3)の電気メッキが電気Snメッキと電解
クロメート処理とよりなることを特徴とする開缶性と耐
食性に優れたイージーオープン缶蓋用鋼板の製造方法に
ある。
【0012】以下に本発明について詳細に述べる。本発
明者らは、前述の特開昭61−193731号公報の
「冷間圧延を施し、ついで再結晶焼鈍を施して缶用鋼板
とし、次に該鋼板にプレス機あるいはローラーによりス
コアーを刻印し、その後に、スコアー加工部を軟化する
ための熱処理を施すこと」の方法において、「再結晶焼
鈍後に、スコアー加工を行い、その後、スコアー加工歪
みを熱処理で軟化させると、開缶力は改善できるが、ス
コアー加工歪みの熱処理による軟質効果が十分に得るこ
とが出来ていない」ということについて、その原因を調
査し以下の結論を得た。
【0013】同公報の方法である「冷間圧延を施し、つ
いで再結晶焼鈍を施して缶用鋼板とし、次に該鋼板にプ
レス機でスコアーを刻印し、その後に、スコアー加工部
を軟化するための熱処理を行った鋼板」のスコアー部の
組織を調査し検討した結果、その原因は、「再結晶焼鈍
後の鋼板にプレス機でスコアーを刻印し、スコアー加工
部を軟化するための熱処理を行うと、スコアー残厚部か
ら少し離れた部位では、スコアー加工の歪みが極わずか
になりその部位は熱処理によって粗大再結晶粒となり、
開缶される部位から離れたこの部位が著しく軟質化し、
その部位が開缶時に時に変形し開缶力の応力集中を阻害
し開缶性の向上が阻害される」ためであることを知見し
た。
【0014】そこで、本発明者らは、スコアー残厚部の
近傍の軟化を防止する方法を種々検討し、「再結晶焼鈍
後スコアー加工するのではなく、冷間圧延板にスコアー
加工を施した後に、本来の母材の再結晶焼鈍と、冷間圧
延後更にスコアー加工で加工歪みが高くなったスコアー
残厚並びにその近傍も含め同時に再結晶させることで、
スコアー残厚近傍での組織の粗大化による軟化を阻止で
きることを見いだしたものである。これは、冷間圧延後
にスコアー加工を行うことで、再結晶焼鈍前のスコアー
残厚近傍の加工歪み量を母材の冷間圧延歪み量と同等以
上の高い歪み量とすることが出来るためである。
【0015】更に、本発明者らは、耐食性の観点からも
種々検討した。まず、前述の特開昭61−193731
号公報の「スコアー加工後Sn,Cr,Niメッキ等の
表面処理を施す開缶性と耐食性に優れたスコアーを有す
るイージーオープン蓋用鋼板の製造方法」は、スコアー
加工部ではなく蓋の内面の耐食性が改善する方法を提供
する発明であるが、同公報の方法は、スコアー加工後電
気Snメッキを施す方法であることから、スコアー部の
耐食性が改善される可能性を有する方法であると本発明
者らは考え、そのことに着目し、詳細な調査を行った
が、スコアー部は無補修塗装条件では赤錆発生が完全
し、スコアー部の無補修塗装化は達成できないことが明
らかになった。
【0016】そこで、本発明者らは、その原因について
詳細な調査を行った結果、「Sn,Cr,Niメッキ等
の電気メッキでは、スコアー溝の側壁の下部並びに底部
は、電極との距離が遠くなり殆ど電流が流れないため
に、電気メッキが殆ど出来なくなってしまい、その結
果、スコアー溝の上部〜中部付近は電気メッキできる
が、スコアー溝の下部〜底部はSn,Cr,Niメッキ
等の電気メッキを施すことが出来なくなり、耐食性は若
干の改善はできるが、スコアー部の補修塗装をなくする
ことができないこと」が、判明した。そこで、電気メッ
キ以外で、スコアー部の底部も含めた全体の耐食性を確
保する経済的な方法を種々検討し、実験の中で、ロール
コーターで塗装した実験の中に、スコアー溝の塗膜の被
覆状況が、電気メッキとは逆に、スコアーの上部は塗料
が流れて殆ど被覆していないが、スコアーの底部は流れ
た塗料が溜まり十分に塗膜で被覆されているものがある
ことを見つけた。
【0017】本発明者らは、この知見に着目し、スコア
ー加工後電気メッキしたスコアー溝部の電気メッキの被
覆状況の調査で得た知見とを組み合わせてやれば、電気
メッキと塗装とによって、互いの弱点部を補いあうこと
が出来、スコアー部全域の耐食性を十分なものに成し得
る可能性があることを察知し、本発明の技術思想を見い
だすことが出来た。本発明者らは、この技術思想に基づ
き、種々の条件で、冷間圧延後の鋼板にプレス機でスコ
アーを刻印した後再結晶焼鈍し、その後、電気メッキを
施した後にロールコーター等で塗装を施し、製蓋し、開
缶性並びにスコアー部の組織,耐食性を評価すると共
に、スコアー部のSnメッキの被覆状況並びに塗膜の被
覆状況を調査し、本発明の技術思想の確認実験を繰り返
し行い、本発明の方法を見いだすことに成功した。
【0018】表1は、その実験の一部を表にしたもので
ある。スコアー残厚部近傍の組織が母材よりも大きかっ
たものを×,スコアー加工層が残存していたものは*、
再結晶しかつ粗大粒となっていなかったものは〇として
組織の評価欄に示すとともに、開缶性を評価しAl並の
開缶性が得られたものは〇、得られなかったものは×と
した。尚、スコアー部の耐食性の評価は、塩水噴霧試験
24時間を行い、スコアー部の赤錆の発生状況で評価
し、全く発生しなかったものは〇、スコアー部に赤錆は
発生するが赤錆がスコアー部から流れ落ちている程度が
微ずかなものは×、赤錆の流れ落ちが激しいものは××
とした。尚、同時に比較法等についても評価し、表1に
示す。また、スコアー部のSnメッキの被覆状況並びに
塗膜の被覆状況を光学顕微鏡並びに走査型電子顕微鏡で
調査した結果を模式図にしたものを図1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】本発明の方法のNo.3は、Al並の開缶
性と優れた耐食性が得られている。No.3の開缶性が
他の引例に準ずる方法であるNo.1,比較法であるN
o.2,4,及び現状の方法であるNo.5とは異な
り、Al並の開缶性が得られたのは、表3に示すよう
に、本発明のNo.3のみが、スコアー残厚部近傍の組
織が再結晶しスコアー加工層が除去され、かつ母材より
も大きくなかったためである。また、本発明のNo.3
の方法は、No.1,No.5の製蓋後保守塗装を行う
引例に準じる方法あるいは現状の方法と同様に十分な耐
食性が得られており、本発明の方法によれば、製蓋され
た蓋を一つづつスプレー補修し、乾燥処理を施すという
環境上もまた経済的にも問題の多い補修塗装を省略でき
ることがよくわかる。
【0021】また、本発明の方法が、保守塗装を省略で
きるのは、図1に示すように、本発明の方法の「電気メ
ッキを施した後にロールコーターなどで塗装を施し、ス
コアー溝の側壁の上部〜中部は電気メッキによって、ま
た、スコアー溝の中部〜下部そして底部は塗装によっ
て、互いの弱点部を補いあうことが出来る被覆構成とす
る」ことにより、スコアー部全域の耐食性を十分なもの
に成し得ているのである。電気メッキのみでは補修塗装
の省略という大きなメリットは得ることが出来ないので
ある。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の構成条件の詳細な
説明を行う。本発明のイージーオープン蓋用鋼板の鋼組
成は、C,Si,Mn,P,S,solAl,Nは、い
ずれもが鋼板の材質を強化する元素で、C:≦0.20
wt%,Si:≦0.5wt%,Mn:≦1.0wt
%,P:≦0.15wt%,S:≦0.100wt%,
solAl:≦0.150wt%,N:≦0.0150
wt%の範囲を超えて含有すると、Al並の開缶性が損
なわれるようになるので、これらの範囲に規制する必要
がある。また、Bは、NをBNとして固定し、固溶Nに
よる時効劣化を防止する作用があるので必要に応じて添
加すればよいが、B:≦0.0070wt%の範囲を超
えると材質が硬くなりすぎるなどの弊害が生じるように
なるのでこの範囲に規制する必要がある。更にNb,T
iの内1種もしくは2種以上を≦0.10wt%の範囲
で添加すると、連続焼鈍法で鋼板を製造するときに、C
やNをTiC,NbC,TiNとして固定することが出
来、軟質で非時効性の材質を得ることが出来るので必要
に応じ添加すればよいが、この範囲を超えても格別な効
果は得られず合金コストが高くなるばかりでこの範囲に
規制し、そして、残部がFeおよび不可避元素からなる
鋼組成でなければならない。
【0023】本発明のイージーオープン蓋用鋼板の製鋼
条件は、上述の組成の鋼を溶製し鋳片にし得るものであ
れば特に規制する必要がなく、通常の方法で鋳片とすれ
ばよい。熱延条件、冷間圧延条件も特に規制する必要が
なく、常法に従って、熱延鋼板を製造し、冷間圧延を行
えばよい。スコアー加工は、冷間圧延を行った再結晶焼
鈍前の鋼板にスコアー加工を行う必要がある。このこと
により、本来の母材の再結晶焼鈍と、冷間圧延後更にス
コアー加工で加工歪みが高くなったスコアー残厚並びに
その近傍も含め同時に再結晶させることで、スコアー残
厚近傍での組織の粗大化を阻止し、スコアー残厚近傍の
加工歪みを除去することが可能となり、Al並の開缶性
が得られるようになる。尚、イージーオープン蓋用のス
コアーは、前述のPartial−EOEあるいはSt
ay−on−tab−EOEの蓋用のスコアー、更に
は、食缶例えば鮭缶に使用されている缶蓋の全部が開缶
されるフルオープンのEOE用のスコアーのいずれでも
よく特に規制する必要がない。また、スコアー加工の方
法は、ロールによるスコアーの転写方式でも、プレス加
工による刻印方式の何れの方式でもよい。
【0024】再結晶焼鈍は箱焼鈍法でも連続焼鈍法でも
いずれの方法でもよい、また、焼鈍後の鋼板には必要に
応じ調質圧延を施しても何ら弊害はない。スコアー加工
後の形状矯正は、ロールあるいはプレス加工などの機械
的な方法でスコアー加工を行うと、スコアー加工部の周
りに弾性応力が生じ周囲が盛り上がり形状が凸凹にな
り、次工程の電気メッキあるいは次次工程の塗装が出来
なくなる場合があるので、必要に応じ形状矯正を行えば
よい。形状矯正は、調質圧延機やレベラーで行えばよい
が、形状が悪い場合は調質圧延機で0.3〜1.5%の
ばしてやるのがよい。尚、形状矯正は、スコアー加工後
再結晶焼鈍を行う前でも、また再結晶焼鈍後の何れでも
或いは両方でもよく、本発明の効果は損なわれない。
【0025】焼鈍後或いは焼鈍後形状矯正された後の電
気メッキは、スチール製のイージーオープン蓋用鋼板の
メッキであるSnメッキでもよくまたNi,Crメッキ
でもよい。メッキ厚みも通常食缶あるいは飲料缶に用い
られている錫メッキ鋼板、TFS(ティンフリー鋼板)
のメッキ厚範囲であれば特に規制する必要はない。メッ
キ後の塗装の条件は、耐食性を有し、塗料の粘度が高す
ぎることなくスコアーの底部に流れ込むことが可能な粘
度の範囲のものであれば特に規制する必要はなく、通
常、食缶や飲料缶に用いられている塗料でよい。また、
塗装は、製蓋される前に、ロールコーターなど通常行わ
れている方法で行えばよい。
【0026】電気メッキ並びに塗膜の被覆状況は、図1
に示すように、「鋼板表面及びスコアー溝の両側壁の上
部並びに中部側壁面に電気メッキ層を有し、鋼板表面の
上記電気メッキ層上並びにスコアー溝の両側面の中部並
びに下部及び底部面上に塗装層を有する」ことが、必須
であり、これによって、互いの弱点部を補いあってスコ
アー部の無補修塗装化が達成でき、製蓋された蓋を一つ
づつスプレー補修し、乾燥処理を施すという環境上もま
た経済的にも問題の多い補修塗装を省略できるのであ
る。尚、スコアー加工後のメッキは、図1に示す被覆条
件が達成できるものであれば、Snメッキ以外のCr,
Niメッキでもよい。更に、塗膜の密着性を向上させた
い場合は、電気メッキの上にクロメート処理を施してや
ると、より安定した耐食性が得られる。
【0027】
【実施例】以下に本発明の効果を実施例により説明す
る。表2に示す成分の鋳片を作り、鋼Aは1200℃に
加熱し熱間圧延を行い880℃で仕上げ圧延を完了し6
70℃で巻き取り、鋼Bは1200℃に加熱し熱間圧延
を行い920℃で仕上げ圧延を完了し620℃で巻き取
り、鋼Cは1220℃に加熱し熱間圧延を行い840℃
で仕上げ圧延を完了し570℃で巻き取り、それぞれ
2.3mm,2.5mm,2.0mmの熱延鋼板を製造
し、酸洗後、それぞれを0.23mmに冷間圧延し、冷
延鋼板とした後、表3の工程に従ってEOEの蓋を造
り、開缶性と表面処理皮膜の被覆状況の調査並びに耐食
性の評価を行い、その結果を表3に示す。焼鈍条件は、
No.1,2のスコアー加工後のスコアー加工の歪み取
り焼鈍は670℃で5時間の箱焼鈍を行い、その他の再
結晶焼鈍は、鋼A,Cは箱焼鈍法で650℃で10時間
で、鋼Bは箱焼鈍法で680℃で10時間で、再結晶焼
鈍した。S,P(調質圧延)は、それぞれに1.0%の
調質圧延、メッキは通常の方法で表3のメッキ量の電気
メッキ並びに表3に示すCr量の電解クロメート処理、
塗装は食缶に行われるクリヤー塗装(50mg/dm
2 )をロールコーターで行った。スコアー加工はSta
y−on−tab−EOEで、スコアー角度60°,ス
コアー溝底部の幅50μm,スコアー残厚60μmのス
コアー加工を行った。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】被覆状況の評価は、スコアー部を光学顕微
鏡並びに走査型顕微鏡でSnと塗膜の被覆状況を観察
し、図1に示したように「スコアー溝の両側壁の上部並
びに中部側壁面に電気メッキ層を有し、スコアー溝の両
側面の中部並びに下部及び底部面上に塗装層を有する構
成」が達成できている場合は〇、未達成の場合は×とし
て評価した。開缶性の評価は、引張り試験機で引っ張っ
て開缶し、POP値(最初に開缶するときの開缶力)で
もって評価し、表3に示した。スコアー部の耐食性の評
価は、塩水噴霧試験(24時間)を行い、スコアー部の
赤錆の発生状況で評価し、全く発生しなかったものは
〇、スコアー部に赤錆は発生するが赤錆がスコアー部か
ら流れ落ちている程度が微ずかなものは×、赤錆の流れ
落ちが激しいものは××として評価した。
【0031】No.1は、スコアー加工後スコアー加工
歪みを除去するための焼鈍を行った後メッキを行い製蓋
しその後、製蓋された蓋を一つづつスプレー補修し、乾
燥処理を施すという環境上もまた経済的にも問題の多い
補修塗装を行った引例に準じた方法である。評価結果
は、開缶性は現状の方法であるNo.8に比べると改善
はされているもののAl並(1.4kg≦)の開缶性は
得られなかった。耐食性は良好な結果が得られているが
前述の補修塗装という問題点がある。
【0032】No.2は、No.1の条件から製蓋後の
補修塗装を省略した比較例で、Al並の開缶性が得られ
ていないばかりでなく、塗装が施されていないため、本
発明のスコアー溝部の被覆構成条件が満たされておら
ず、赤錆が発生し、耐食性が悪い。No.3は、製造工
程は本発明の工程と同じであるが、Snメッキ量が極端
に少なくて、メッキと塗膜の被覆状況が本発明のポイン
トである「本発明のスコアー溝部の被覆構成条件が満た
されていない比較例で、赤錆が発生し、耐食性が不十分
である。尚、本発明の開缶性を確保する条件は満たして
おりAl並の開缶性が得られている。
【0033】No.4,5,6は、いずれも本発明の方
法で、No.4は鋼成分が低炭素Alキルド鋼でクロメ
ート量が8mg/m2 と通常Snメッキに行われる条件
のもの、No.5は鋼をTi,Nb,Bを複合添加した
極低炭素鋼を用いより開缶性を向上させることを狙った
もので、更にクロメート量を30mg/m2 と塗膜密着
性を向上させた条件の例で、No.6は鋼成分が低炭素
Alキルド鋼を用い、90mg/m2 のTFSの例で、
いずれも本発明の被覆状況の条件を満足した本発明の実
施例であり、Al並の開缶性と良好な耐食性が得られて
いる。
【0034】尚、スコアー残厚部の組織は、No.4,
5,6の何れも、本発明の要件である「そのスコアー溝
底部の下方の鋼板部分(スコアー残厚部)は熱処理によ
ってスコアー加工時の加工組織が再結晶している組織で
かつスコアー残厚の近傍部の結晶粒が母材部よりも大き
くない組織」となっている。このように、本発明の鋼板
及びその製造方法は、Al並の優れた開缶性ばかりでな
く、環境上もまた経済的にも問題の多い補修塗装を省略
しても、良好な耐食性が得られ、工業的価値が優れてい
る。更に、No.5のようなNbやTiを添加した極低
炭素鋼を用いると更に優れた開缶性が得られる。No.
7は、鋼の組成のMnが1.80%と本発明の範囲を外
れた比較例で、鋼板が硬くなりすぎ、開缶性が悪い。N
o.8は、現状の方法で、耐食性も良好であるが、補修
塗装が必要である。また、Al並の開缶性も得られてい
ない。
【0035】以上の実施例の結果から明らかなように、
本発明の鋼板並びにその製造方法は、本発明が解決しよ
うとする課題の「Al並の開缶性とスコアー部の補修塗
装を完全になくすることが出来るイージーオープン蓋用
鋼板ならびにその製造方法を提供すること」が十分に達
成でき、工業的価値が極めて大である。尚、本発明の鋼
板が対象とするイージーオープン蓋の種類は、Part
ial−EOE,Stay−on−tab−EOEある
いはFull−EOEのいずれの蓋でもその効果が損な
われるものではない。
【0036】
【発明の効果】以上、本発明について詳細に説明した
が、本発明の鋼板並びにその製造方法は、本発明が解決
しようとする課題の「優れた開缶性とスコアー部の補修
塗装を完全になくすることが出来るイージーオープン蓋
用鋼板ならびにその製造方法を提供すること」が十分に
達成でき、工業的価値が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポイントであるスコアー部のSnメッ
キの被覆状況並びに塗膜の被覆状況を光学顕微鏡並びに
走査型電子顕微鏡で調査した結果を模式図に示した図で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 8/04 9270−4K C21D 8/04 A C22C 38/06 C22C 38/06 38/08 38/08 C25D 5/26 C25D 5/26 B // C21D 9/46 C21D 9/46 K

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C :≦0.20wt% Si:≦0.5wt% Mn:≦1.0wt% P :≦0.15wt% S :≦0.100wt% solAl:≦0.150wt% N :≦0.0150wt% 他にB:≦0.0070wt% 更にNb,Tiの内1種もしくは2種以上が≦0.10
    wt%を必要に応じ含有し、残部がFeおよび不可避元
    素からなる組成の冷延鋼板の表面にイージーオープン蓋
    用のスコアーを有し、そのスコアー溝底部の下方の鋼板
    部分(スコアー残厚部)はスコアー加工時の加工組織が
    再結晶している組織でかつスコアー残厚の近傍部の結晶
    粒が母材部よりも大きくない組織を有し、更に、鋼板表
    面及びスコアー溝の両側壁の上部並びに中部側壁面に電
    気メッキ層を有し、鋼板表面の上記電気メッキ層上並び
    にスコアー溝の両側面の中部並びに下部及び底部面上に
    塗装層を有することを特徴とする開缶性と耐食性に優れ
    たスコアーを有するイージーオープン蓋用鋼板。
  2. 【請求項2】 電気メッキ層がSnメッキ層とこの層上
    の電解クロメート処理層とよりなることを特徴とする請
    求項1に記載の開缶性と耐食性に優れたイージーオープ
    ン缶蓋用鋼板。
  3. 【請求項3】C :≦0.20wt% Si:≦0.5wt% Mn:≦1.0wt% P :≦0.15wt% S :≦0.100wt% solAl:≦0.150wt% N :≦0.0150wt% 他にB:≦0.0070wt% 更にNb,Tiの内1種もしくは2種以上が≦0.10
    wt%を必要に応じ含有し、残部がFeおよび不可避元
    素からなる組成の鋼を常法に従って、溶製し、熱延鋼板
    を製造し、冷間圧延を行った鋼板に、イージーオープン
    蓋用のスコアーを刻印し、必要に応じ形状矯正を行った
    後、再結晶焼鈍を施し、必要に応じ調質圧延を施した後
    に、電気メッキを施し、更に、塗装を行うことを特徴と
    する請求項1に記載の開缶性と耐食性に優れたイージー
    オープン缶蓋用鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の電気メッキが電気Snメッキ
    と電解クロメート処理とよりなることを特徴とする開缶
    性と耐食性に優れたイージーオープン缶蓋用鋼板の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022129991A1 (en) * 2020-12-16 2022-06-23 Arcelormittal Tin coated steel sheet and manufacturing method thereof

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