JPH09208316A - ガラス状炭素材料およびその製造方法 - Google Patents

ガラス状炭素材料およびその製造方法

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JPH09208316A
JPH09208316A JP8037133A JP3713396A JPH09208316A JP H09208316 A JPH09208316 A JP H09208316A JP 8037133 A JP8037133 A JP 8037133A JP 3713396 A JP3713396 A JP 3713396A JP H09208316 A JPH09208316 A JP H09208316A
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JP
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glassy carbon
carbon material
thermosetting resin
weight
curing
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JP8037133A
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English (en)
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Fumito Suzuki
文人 鈴木
Yoshihiro Yamazaki
由博 山崎
Hiroshi Inatome
弘師 稲留
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】硬化前の状態で20重量%以上の水を含み
うる熱硬化性樹脂を硬化させ、次いで不活性雰囲気下で
800℃以上の温度で炭素化焼成して得られるガラス状
炭素材料において、硬化前の熱硬化性樹脂の金属含有量
が30ppm以下のものを硬化させ、次いで炭素化焼成
して得られるガラス状炭素材料、および該ガラス状炭素
材料の製造方法。 【効果】本発明により、内部に空孔を実質的に有さず緻
密であり、且つ金属含有量が少ない高純度なガラス状炭
素材料を提供することが可能となった。本発明のガラス
状炭素材料を磁気ディスク基板などに用いた場合、媒体
の耐蝕性、摺動耐久性をより一層向上させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に空孔を実質
的に有さない、鏡面に研磨した表面の平滑度が非常に高
く、且つ金属の含有量が70ppm以下の高純度ガラス
状炭素材料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に3次元網目構造で形成され、不溶
不融の性質を持つ熱硬化性樹脂の硬化物を不活性雰囲気
下で炭素化を行うと、ガス不透過性に優れ、硬度が高
く、且つ等方性組織を有するガラス状炭素材料が得られ
る。このガラス状炭素材料は、一般の炭素材料が有す
る、軽量、耐熱性、高電気伝導性、耐食性、熱伝導性、
機械的強度、潤滑性等の特性に加え、均質で且つ摺動部
に用いても炭素粉末を生じない特性を備えており、エレ
クトロニクス産業、原子力産業、宇宙産業をはじめ各分
野で広範囲な利用が期待されている。最近このガラス状
炭素材料の特徴に着目し、ガラス状炭素材料を燃料電池
用セパレーター、記録メディアの保護に用いられる炭素
薄膜蒸着ないしスパッタ用基体、プラズマエッチング用
電極、磁気及び光記録ディスク用基板、磁気ヘッドなど
の用途が検討されている。これらの材料に要求される特
性としては、内部に空孔を有さない緻密なガラス状炭素
であり、且つ金属含有量が少ないことが要求される。
【0003】即ち、磁気ヘッド用基体や磁気ディスク基
板としてガラス状炭素材料を用いる場合、記録媒体との
接触を前提としているためその平滑性は非常に重要とな
ってくる。また記録媒体を載せる表面の平滑性が高けれ
ば高いほど記録密度を高くすることができる。そこで研
磨した表面の平滑性が高い、内部に空孔を有さない、緻
密なガラス状炭素材料が要求されている。また金属を多
量に含有するガラス状炭素材料を磁気記録ディスク基板
に用いた場合、高温高湿下において媒体を放置すると金
属層の腐食反応により媒体容量を低下させたり、記録再
生エラーを招きやすくなり問題となる。さらに摺動(C
SS)耐久性に悪影響を及ぼす。即ち、金属を含まない
ガラス状炭素材料を磁気記録ディスク用基板として用い
る事ができれば、金属を多量に含有するガラス状炭素材
料を使用した場合よりも、媒体の耐食性、摺動耐久性を
より一層向上させることができる。
【0004】内部に空孔を有さない緻密なガラス状炭素
材料を製造する方法としては、特公昭63−46004
号公報に記載されているように、硬化前の樹脂組成物の
段階で、20重量%以上の水分を含み得る熱硬化性樹脂
を用いる製造方法が知られている。しかしながら特公昭
63−46004号公報の方法において、熱硬化性樹脂
を得るために、アルカリ金属触媒(水酸化ナトリウム)
を使用しており、得られる樹脂組成物中に金属が多量に
存在する。即ち、その樹脂組成物を硬化、焼成して得ら
れるガラス状炭素材料は、金属不純物を多量に有するも
のである。
【0005】また緻密なガラス状炭素材料を得る方法と
しては、特開平1−230471号公報に記載されてい
るように、炭化焼成後にガラス状炭素となる熱硬化性樹
脂を成形した後、1000〜1900℃の温度で予備焼
成し、次いでこの予備焼成品に2050℃以上の温度で
1000気圧以上の等方的圧力を印加(HIP処理)す
る製造方法が知られている。HIP処理を行うことによ
り予備焼成時に存在する空孔を消滅させることができる
ので、酸触媒存在下で合成されたフェノール樹脂を用い
ても最終的には緻密なガラス状炭素材料を得ることがで
きるが、HIP処理はその設備、操作が大掛かりで複雑
なものとなるため安価に製品を製造することは困難であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、内部
に空孔を実質的に有さず緻密であり、且つ金属含有量が
少ない高純度なガラス状炭素材料およびその製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、 〔1〕 硬化前の状態で20重量%以上の水を含みうる
熱硬化性樹脂を硬化させ、次いで不活性雰囲気下で80
0℃以上の温度で炭素化焼成して得られるガラス状炭素
材料において、硬化前の熱硬化性樹脂の金属含有量が3
0ppm以下のものを硬化させ、次いで炭素化焼成して
得られるものであることを特徴とするガラス状炭素材
料、 〔2〕 熱硬化性樹脂がフェノール、フルフリルアルコ
ール、ホルムアルデヒドもしくはパラホルムアルデヒド
を共縮合させたものであることを特徴とする前記〔1〕
記載のガラス状炭素材料、 〔3〕 熱硬化性樹脂が単量体に換算して、フェノール
100重量部に対してフルフリルアルコール30〜25
0重量部、ホルムアルデヒドもしくはパラホルムアルデ
ヒド20〜120重量部からなる組成の共縮合物である
ことを特徴とする前記〔2〕記載のガラス状炭素材料、 〔4〕 得られるガラス状炭素材料の金属含有量が70
ppm以下であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕
いずれか記載のガラス状炭素材料、 〔5〕 下記の工程を有することを特徴とするガラス状
炭素材料の製造方法、(1)フェノール、フルフリルア
ルコール、ホルムアルデヒドもしくはパラホルムアルデ
ヒドをアルカリ性を示すアルカリ土類金属化合物の存在
下で反応させ、硬化前の状態で20重量%以上の水分を
含むことのできる熱硬化性樹脂を合成する工程、(2)
工程(1)の反応終了後、その反応系に存在するアルカ
リ土類金属化合物との中和反応を行い、これにより生じ
る金属塩を除去して金属含有量が30ppm以下の熱硬
化性樹脂を調製する工程、および(3)工程(2)で調
製される熱硬化性樹脂を硬化させ、次いで不活性雰囲気
中で800℃以上の温度で炭素化焼成する工程、 〔6〕 工程(1)において、フェノール100重量部
に対してフルフリルアルコール30〜250重量部、ホ
ルムアルデヒドもしくはパラホルムアルデヒド20〜1
20重量部を反応させて熱硬化性樹脂を合成する、前記
〔5〕記載の製造方法、 〔7〕 工程(2)において、硫酸または燐酸を用いて
中和反応を行なう、前記〔5〕又は〔6〕記載の製造方
法、に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において用いる熱硬化性樹
脂としては、特に限定されるものではなくフェノール系
樹脂、フラン系樹脂、キシレン系樹脂、メラミン系樹
脂、及びアニリン系樹脂、レゾール及びノボラック型の
フェノールホルムアルデヒド系樹脂等が挙げられる。本
発明では、なかでもフェノール、フルフリルアルコー
ル、ホルムアルデヒドもしくはパラホルムアルデヒドを
共縮合させたフェノール系樹脂が好適に使用される。
【0009】このフェノール系樹脂は、具体的にはフェ
ノール、フルフリルアルコール、ホルムアルデヒドを混
合しアルカリ触媒存在下で加熱反応させることにより得
られる。本発明においてはホルムアルデヒドの代わりに
パラホルムアルデヒド等のホルムアルデヒド重合体を用
いる事ができる。アルカリ触媒としては、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアル
カリ土類金属化合物が好適なものとして挙げられる。
【0010】本発明で用いる熱硬化性樹脂は、硬化前に
含水率4%に調整した状態で、25℃での粘度が60〜
8000cpsを示すものが好ましい。さらに好ましく
は、25℃において80〜5000cpsである。熱硬
化性樹脂の硬化反応は、未硬化の熱硬化性樹脂に硬化反
応触媒を添加し加熱するか、あるいは添加せず加熱する
ことにより硬化反応が進行し、熱硬化性樹脂の硬化物を
得ることができる。硬化反応をさせる前に注型を行う
が、その時の操作性、気泡の抜け易さ等から粘度は低い
方がより好ましい。しかし、粘度が低過ぎると硬化反応
が充分進まなくなったり、硬化反応速度が遅くなり問題
が生じる。
【0011】本発明で用いる熱硬化性樹脂としては、硬
化前の樹脂組成物が20重量%以上の水分を含み得るも
のが使用される。樹脂組成物が含み得る水分量を測定す
るには、硬化前の樹脂を同量の水と振り混ぜた後、静置
させ油層成分の水分量を分析することによりどれだけの
水分を含有できるかを測定することができる。熱硬化性
樹脂が20重量%の水分を含み得ない場合、硬化時の縮
合反応により生成する水分が系に分散することができな
いため、縮合時に生成する水の溜まりができ、硬化物と
して空孔を有するものになってしまう。従って、このよ
うな硬化物を焼成しても緻密なガラス状炭素材料を得る
ことはできない。本発明においては、特に限定されるも
のではないが、フェノール系樹脂を例にすると、その組
成として単量体に換算して、フェノール100重量部に
対してフルフリルアルコール30〜250重量部、ホル
ムアルデヒドもしくはパラホルムアルデヒド20〜12
0重量部である場合、20重量%以上の水分を含むこと
ができる樹脂を得ることができる。
【0012】本発明のガラス状炭素材料は、金属含有量
の少ないものであることを特徴とするが、この目的を達
成するため、本発明では例えば合成した熱硬化性樹脂か
ら金属イオンを分離して金属含有量を減少させる方法が
用いられる。この場合、熱硬化性樹脂の合成反応終了
後、その反応系に存在するアルカリ土類金属化合物など
のアルカリ触媒を中和せずにイオン交換樹脂を用いる方
法でも良いし、中和して金属塩としたのち分離除去して
も良い。いずれにしても金属イオンを系中への溶解度が
金属として30ppm以下、好ましくは10ppm以下
となるように金属イオンの分離除去を行う。中和工程を
行う場合には、系が酸過剰の状態になると硬化反応速度
が大きくなり、硬化物中に空孔が生ずる原因となり好ま
しくない。従って、樹脂組成物を合成する際に使用した
アルカリ当量に対して、0.9〜1.2当量、好ましく
は0.95〜1.05当量の酸で処理することが望まし
い。
【0013】中和に用いる酸としては、塩酸、硫酸、硝
酸、燐酸などの無機酸、パラトルエンスルホン酸、フェ
ノールスルホン酸、酢酸、シュウ酸、ラク酸、脂肪酸な
どの有機酸等が挙げられる。熱硬化性樹脂の合成時にア
ルカリ触媒として使用するアルカリと中和工程で使用す
る酸の組み合わせで、生じる金属塩の溶解度が金属とし
て反応系に対し30ppm以下、好ましくは10ppm
以下であればどのような組み合わせでも使用可能であ
る。例えば、前記のようなアルカリ土類金属の水酸化物
を熱硬化性樹脂のアルカリ触媒として使用し、硫酸もし
くは燐酸を中和工程時の酸として使用すると、生成する
金属塩の溶解度が小さく、特に有効である。
【0014】イオン交換樹脂を用いる方法としては、陽
イオン交換樹脂により金属を除去することが好ましい。
その場合、処理中の熱硬化性樹脂の架橋反応を防止する
ために弱酸性陽イオン交換樹脂を用いることが好まし
い。
【0015】熱硬化性樹脂には、硬化、炭素化焼成後得
られるガラス状炭素材料が、空孔を実質的に有さない範
囲内においては、少量の添加物、例えば、界面活性剤、
消泡剤、離型剤等を適宜添加しても良い。これらの添加
物の配合量は、通常、熱硬化性樹脂に対して10重量%
以下である。
【0016】熱硬化性樹脂の硬化反応は、硬化前の状態
の熱硬化性樹脂を任意の形状の型に注型し、60〜50
0℃に加熱することにより硬化させることができる。硬
化触媒としてパラトルエンスルホン酸などの酸を添加し
ても良い。反応時間は10〜100時間が好ましい。硬
化反応速度が速過ぎると、反応中に生成する水分が硬化
物中で凝集し空孔を形成する原因となるので好ましくな
い。好ましい反応温度は60〜250℃である。
【0017】熱硬化性樹脂の炭素化焼成は、不活性雰囲
気下で800℃以上の熱処理で有機物を炭素化する工程
である。800℃未満では炭素化が十分進行せず、また
2000℃より高い温度では生成した炭素のグラファイ
ト化が進行し炭素の結晶化度が高くなり、ガラス状炭素
の特性が劣化するので、好ましい焼成温度は800〜2
000℃である。
【0018】不活性雰囲気としては、特に限定されるも
のではないが、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、ハロ
ゲンからなる群より選ばれた少なくとも一種の気体より
成る雰囲気、もしくは空気雰囲気においては10Torr以
下の減圧下の雰囲気が挙げられる。
【0019】本発明においては樹脂組成物中にフィラー
を入れることができる。フィラーとしては、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン
樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、キ
シレン樹脂等の熱硬化性樹脂を含む各種カーボン材、例
えばポリアクリロニトリル系カーボン材、セルロースカ
ーボン材、レーヨン系カーボン材、ピッチ系カーボン
材、リグニン系カーボン材、フェノール系カーボン材、
フラン系カーボン材、エポキシ樹脂系カーボン材、キシ
レン樹脂系カーボン材の他に、各種黒鉛、カーボンブラ
ック等があり、繊維状、粒子状、粉末状、塊状等、あら
ゆる形態のカーボン材料を使用することができる。
【0020】このようにして得られる本発明のガラス状
炭素材料は、熱硬化性樹脂を硬化、炭素化焼成して得ら
れる結晶性の低い炭素材料であり、実質的に内部に空孔
を有さないものである。ここで実質的に内部に空孔を有
さないとは、0.5μm以上の空孔が平均して、1cm
2 あたり10個以下、好ましくは1個以下であることを
いう。又、本発明のガラス状炭素材料は、硬化前の状態
で金属含有量が30ppm以下、好ましくは10ppm
以下の熱硬化性樹脂を硬化させ、炭素化焼成したもので
あるが、このような熱硬化性樹脂を硬化、炭素化焼成す
ると重量減少が起こり含有する金属が結果的に濃縮され
る。従って、本発明のガラス状炭素材料中には、金属の
含有量が70ppm以下、好ましくは20ppm以下と
なる。
【0021】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0022】実施例1 フェノール330g、フルフリルアルコール272g、
パラホルムアルデヒド229g、水100g、水酸化カ
ルシウム9.0gを、80℃で12時間反応させた。冷
却しフルフリルアルコールを220g加え、硫酸11.
9gで中和後、脱水し水分を4%に調整した。系中のカ
ルシウム塩を0.1μmのフィルターで濾別し、得られ
た樹脂組成物のカルシウム含有量を分析したところ10
ppm以下であった(表1)。この樹脂組成物に硬化剤
としてパラトルエンスルホン酸水溶液(70重量%)を
0.1重量%加え、板状の型に入れ、80℃で48時間
かけ硬化した。硬化物を窒素雰囲気下、1200℃で焼
成しガラス状炭素を得た。その後両面研磨機を用い、#
3000SiC砥粒および0.5μmダイヤモンド砥粒
によりラッピング、ポリッシングを行い、表面粗さRa
(中心線平均粗さ)=8Aの鏡面を得た。得られたガラ
ス状炭素のカルシウム含有量は10ppm以下であり、
研磨表面を光学顕微鏡で観察したところ、0.5μm以
上の空孔は1cm2 あたり1個以下であった(表1)。
カルシウム含有量の測定は、高周波誘導結合プラズマ
(ICPと略す)発光分析により行った。
【0023】実施例2 アルカリ触媒として水酸化カルシウムの代わりに水酸化
バリウム8水和物38.5gを使用し、実施例1と同様
に反応させた。バリウム塩を0.1μmフィルターで濾
別し得られた樹脂組成物のバリウム含有量を分析したと
ころ10ppm以下であった(表1)。この樹脂を実施
例1と同様に硬化させ、焼成後表面研磨を行った(Ra
=8.2Å)。得られたガラス状炭素のバリウム含有量
は10ppm以下であり、研磨表面を観察したところ
0.5μm以上の空孔は1cm2 あたり1個以下であっ
た(表1)。バリウム含有量の測定は、ICP発光分析
により行った。
【0024】実施例3 実施例1と同様に樹脂組成物を合成し、燐酸11.9g
を用いて中和を行った。カルシウム塩を0.1μmフィ
ルターで濾別し得られた樹脂組成物のカルシウム含有量
を分析したところ10ppm以下であった(表1)。こ
の樹脂を実施例1と同様に硬化させ、焼成後表面研磨を
行った(Ra=9.0Å)。得られたガラス状炭素のカ
ルシウム含有量は10ppm以下であり、研磨表面は
0.5μm以上の空孔は1cm2 あたり1個以下であっ
た(表1)。
【0025】実施例4 実施例2と同様に樹脂組成物を合成し、燐酸を用いて中
和を行った。バリウム塩を0.1μmフィルターで濾別
し得られた樹脂組成物のバリウム含有量を分析したとこ
ろ10ppm以下であった(表1)。この樹脂を実施例
1と同様に硬化させ、焼成後表面研磨を行った(Ra=
8.6Å)。得られたガラス状炭素のバリウム含有量は
10ppm以下であり、研磨表面は0.5μm以上の空
孔は1cm2 あたり1個以下であった(表1)。
【0026】比較例1 フェノール330g、フルフリルアルコール272g、
パラホルムアルデヒド229g、水100g、水酸化ナ
トリウム9.7gを、80℃で12時間反応させた。冷
却しパラトルエンスルホン酸で中和後、フルフリルアル
コールを220g加え、脱水し水分を4%に調整した。
脱水後0.1μmフィルターで濾過した樹脂組成物のナ
トリウム含有量を分析したところ4000ppmであっ
た(表1)。この樹脂を実施例1と同様に硬化させ、焼
成後表面研磨を行った(Ra=8.7Å)得られたガラ
ス状炭素のナトリウム含有量は8000ppmであり、
研磨表面は0.5μm以上の空孔は1cm2 あたり1個
以下であった(表1)。ナトリウム含有量の測定は、I
CP発光分析により行った。
【0027】比較例2 フェノール330g、フルフリルアルコール272g、
パラホルムアルデヒド229g、水100g、水酸化カ
ルシウム9.0gを、80℃で12時間反応させた。冷
却し硫酸11.3gで中和後、脱水し水分を4%に調整
した。系中のカルシウム塩を0.1μmのフィルターで
濾別し、得られた樹脂組成物のカルシウム含有量を分析
したところ50ppmであった(表1)。この樹脂を実
施例1と同様に硬化させ、焼成後表面研磨を行った(R
a=8.9Å)。得られたガラス状炭素のカルシウム含
有量は100ppmであり、研磨表面は0.5μm以上
の空孔は1cm2 あたり1個以下であった(表1)。
【0028】試験例1(ガラス状炭素基板を用いた媒体
の耐食性テスト) 磁気記録ディスクの基板として用いるガラス状炭素材料
中の金属含有量と、磁気記録層の耐食性の関係を調べ
た。各実施例及び比較例で得られたガラス状炭素を外径
65mm、内径20mm、厚み0.635mmのドーナ
ツ状に加工し、研磨し表面粗さを、Raで8〜10Aに
仕上げた。このようにして得られたディスク基板表面
に、Arガス圧3×10-3Torr、基板温度を180℃に
保持したままの条件でDCマグネトロンスパッタリング
により100nmの厚さのTi層を設けた。次いで、A
rガス圧3×10-3Torr、基板温度を180℃に保持し
たままの条件でDCマグネトロンスパッタリングにより
Ti層上に30nm厚さのAl−Si−Cr合金層を設
け、凹凸を形成した。この後Al−Si−Cr層の上に
基板バイアス電圧−200Vの条件でDCマグネトロン
スパッタリングにより40nmの厚さのCr層を設け、
次いで基板バイアス電圧−200Vの条件で40nm厚
さのCoCrPtB系合金磁性層を設けた。更にこの上
に、DCマグネトロンスパッタリングにより保護層(ガ
ラス状カーボン層)を15nm厚さで設けた。
【0029】この後、フォンブリンAM2001(アオ
ジモント社製)溶液を浸漬塗布し、15nm厚さの潤滑
層を設け磁気記録媒体を得た。耐食性は、85℃、85
%RHの環境で7日間放置することにより行い、劣化ま
たは腐食反応による突起成長等によるGHT(グライド
ハイト)特性の劣化もしくは腐食反応による記録再生エ
ラーの増加率の2点から評価した。摺動耐久性(CSS
特性)への影響も併せて評価した。
【0030】GHT(グライドハイト)特性は、ProQui
p 社製、MG150Tを用い、50%スライダーヘッド
を用いて試験を行った。この際、1.5マイクロインチ
の浮上高さの通過率が90%以上の物をS、通過率50
%以上、90%未満の物をA、通過率50%未満の物を
Bとした。得られた結果を表2に示すが、実施例品を用
いた場合、優れた結果が得られた。エラー特性は次の条
件で行った。ヘッドはヤマハ製の薄膜ヘッドを用いた。
ギャップ幅は0.4μm、トラック幅5μm、巻数は2
0turn、回転数は6000rpm、記録密度51K
FCIの条件で全面を検査した。16Bit未満のミッ
シングエラーの個数をカウントし、以下のように評価し
た。得られた結果を表2に示すが、実施例品を用いた場
合、優れた結果が得られた。 ◎:エラー個数の増加率10%未満 ○:エラー個数の増加率10〜30%
【0031】CSS特性は下記条件のCSSテストを行
い、静止摩擦係数が0.6に達した時点の回数で評価し
た。ヘッドはヤマハ製の薄膜ヘッドを用いた。ヘッド荷
重は3.5g、ヘッド浮上量は2.8マイクロインチ、
回転数は4500rpmで5秒間稼働、5秒間停止のサ
イクルを1回とした。得られた結果を表2に示すが、実
施例品を用いた場合、優れた結果が得られた。
【0032】試験例2(スパッタターゲット性能試験) 磁気記録層を保護する炭素被膜を形成する際のスパッタ
ターゲットとして、本発明のガラス状炭素材料を用いた
場合の磁気記録媒体のCSS耐久性を調べた。実施例1
〜4及び比較例1で得られたガラス状炭素材料および東
北協和カーボン社製、グラファイト「メタフェイトMF
−301」(等方性高密度黒鉛)の平板を、それぞれパ
ッキングプレートに装着してスパッタリングのターゲッ
ト材とした。皮膜を施す基板は、住友金属製の直径2.
5インチのアルミニウム基板に#WA6000の研磨テ
ープ(マイポックス社製)で表面に凹凸を形成後、0.
5μm厚のCo−Cr合金膜をスパッタリングで形成し
たディスク基板を用いた。スパッタリング装置として日
電アネルバ製、SPF350を用い、通常のスパッタリ
ングと同様に背景圧力1×10-7Torrとした後、アルゴ
ンガスを2×10-3Torrまで導入し、基板を水冷し40
0Wの高周波電力を印加してスパッタリングを行った。
このとき形成中の皮膜の厚さを水晶発振式の膜厚計でモ
ニタし、25nmの炭素被膜を形成した。
【0033】薄膜X線回折、ラマン分光分析、透過型電
子顕微鏡像から、得られた被膜は実質的に非晶質である
ことが判明した。得られた磁気記録ディスクを85℃、
85%RHに2週間保存した後、CSS耐久試験を行っ
た。ディスクのCSS耐久特性は静止摩擦係数が0.6
に達した時点でのCSS回数で評価した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】その結果を表3に示すが、本発明のガラス
状炭素材料を磁気ディスク基板に用いると媒体の耐食性
が向上した。また、保護膜形成用のスパッタターゲット
として用いると媒体のCSS耐久性が向上した。
【0038】
【発明の効果】本発明により、内部に空孔を実質的に有
さず緻密であり、且つ金属含有量が少ない高純度なガラ
ス状炭素材料を提供することが可能となった。本発明の
ガラス状炭素材料を磁気ディスク基板などに用いた場
合、媒体の耐蝕性、摺動耐久性をより一層向上させるこ
とができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化前の状態で20重量%以上の水を含
    みうる熱硬化性樹脂を硬化させ、次いで不活性雰囲気下
    で800℃以上の温度で炭素化焼成して得られるガラス
    状炭素材料において、硬化前の熱硬化性樹脂の金属含有
    量が30ppm以下のものを硬化させ、次いで炭素化焼
    成して得られるものであることを特徴とするガラス状炭
    素材料。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂がフェノール、フルフリル
    アルコール、ホルムアルデヒドもしくはパラホルムアル
    デヒドを共縮合させたものであることを特徴とする請求
    項1記載のガラス状炭素材料。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂が単量体に換算して、フェ
    ノール100重量部に対してフルフリルアルコール30
    〜250重量部、ホルムアルデヒドもしくはパラホルム
    アルデヒド20〜120重量部からなる組成の共縮合物
    であることを特徴とする請求項2記載のガラス状炭素材
    料。
  4. 【請求項4】 得られるガラス状炭素材料の金属含有量
    が70ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3
    いずれか記載のガラス状炭素材料。
  5. 【請求項5】 下記の工程を有することを特徴とするガ
    ラス状炭素材料の製造方法。 (1)フェノール、フルフリルアルコール、ホルムアル
    デヒドもしくはパラホルムアルデヒドをアルカリ性を示
    すアルカリ土類金属化合物の存在下で反応させ、硬化前
    の状態で20重量%以上の水分を含むことのできる熱硬
    化性樹脂を合成する工程、(2)工程(1)の反応終了
    後、その反応系に存在するアルカリ土類金属化合物との
    中和反応を行い、これにより生じる金属塩を除去して金
    属含有量が30ppm以下の熱硬化性樹脂を調製する工
    程、および(3)工程(2)で調製される熱硬化性樹脂
    を硬化させ、次いで不活性雰囲気中で800℃以上の温
    度で炭素化焼成する工程、
  6. 【請求項6】 工程(1)において、フェノール100
    重量部に対してフルフリルアルコール30〜250重量
    部、ホルムアルデヒドもしくはパラホルムアルデヒド2
    0〜120重量部を反応させて熱硬化性樹脂を合成す
    る、請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 工程(2)において、硫酸または燐酸を
    用いて中和反応を行なう、請求項5又は6記載の製造方
    法。
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