JPH09228190A - ポリエステルパイル布帛 - Google Patents

ポリエステルパイル布帛

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JPH09228190A
JPH09228190A JP8038418A JP3841896A JPH09228190A JP H09228190 A JPH09228190 A JP H09228190A JP 8038418 A JP8038418 A JP 8038418A JP 3841896 A JP3841896 A JP 3841896A JP H09228190 A JPH09228190 A JP H09228190A
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JP
Japan
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polyester
pile
fiber
pile fabric
acid
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Application number
JP8038418A
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English (en)
Inventor
Jinroku Miyamoto
仁六 宮本
Masuki Fujimoto
倍己 藤本
Yoshihiro Konno
吉宏 近野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸湿性と制電性が良好で使用快適性に優れた
ポリエステルパイル布帛を提供する。 【解決手段】 吸湿性と制電性を有するポリエステル系
繊維を含むパイル布帛であって、該パイル布帛の吸放湿
パラメーターΔMRが1%以上であるポリエステルパイ
ル布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輛内装用、家庭
内装用、オフィス内装用あるいは展示場内装用等の用途
に使用されるポリエステルパイル布帛に関し、さらに詳
しくは吸湿性および制電性を有し、上記用途における使
用快適性を向上するポリエステルパイル布帛に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば、車輛内装用の布帛には、織物、
編物、パイル織編物、レザー、レザー調布帛などの種々
の布帛が使用されているが、これらの中でも特に多く使
用されているのは、モケットと呼ばれるパイル織物、ト
リコットの起毛布帛、ダブルラッセル編物である。これ
ら布帛の繊維素材には、天然繊維使い、合成繊維使い或
いは天然繊維と合成繊維との混紡、複合・合撚および交
編織使いなどがあるが、特にカーシート用途ではポリエ
ステルパイル布帛が主体になっている。
【0003】ポリエステルパイル布帛については、ポリ
エステル繊維の持つ優れた機能性を利用しつつ、毛倒
れ、白ボケ現象の改良、シルク調にするための改良、ソ
フトな風合い、立毛感、地透け感の改良などの種々提案
はされているが、ポリエステル繊維が本質的に疎水性で
あることに伴って生ずる使用中の蒸れを改善し、使用快
適性を向上するための改良については、いまだに完全な
ものが得られていないのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、吸湿
性および制電性を有するポリエステル系繊維の使用によ
り優れた使用快適性をもたらすポリエステルパイル布帛
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明によるポリエステルパイル布帛は、吸湿性と制電性を
有するポリエステル系繊維を含むパイル布帛であって、
該パイル布帛の吸放湿パラメーターΔMRが1%以上で
あることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、パイル布帛の主
たる構成繊維には、吸湿性と制電性を有するポリエステ
ル系繊維が使用されている。吸湿性を有するとは、布帛
としての吸放湿パラメーターΔMRが1%以上、好まし
くは1.2%以上であるものをいう。もちろん、構成繊
維のポリエステル系繊維自体も、吸放湿パラメーターΔ
MRが1%以上、好ましくは1.2%以上であるものが
使用される。また、この吸放湿パラメーターΔMRの上
限としては、上記ポリエテル系繊維の製糸性の観点から
30%にすることが好ましい。
【0007】布帛の吸放湿パラメーターΔMRが1%未
満であっては、長時間の使用において蒸れなどの不快感
を感じるようになるため、良好な使用快適性を得ること
はできない。ここで吸放湿パラメーターΔMRとは、3
0℃×90%RHでの吸湿率MR2から20℃×65%
RHでの吸湿率MR1 を引いた差(ΔMR(%)=MR
2 −MR1 )として表される値をいう。
【0008】この吸放湿パラメーターΔMRは、例えば
モケットの主用途である自動車に使用した場合には、人
体発汗を吸湿すると共に、座席外に放出して快適性を与
えるためのパラメーターになるものであり、吸放湿パラ
メーターΔMRが大きければ大きいほど吸放湿能力が高
く、長時間着座するほどその効果が発揮され、快適性を
損なわないようにすることができる。
【0009】また、本発明のパイル布帛は、上記ポリエ
ステル系繊維から構成されることにより、摩擦帯電圧が
3kv以下の制電性を有する。より好ましくは、その摩
擦帯電圧を1kv以下、実質的に0kvとするものであ
る。一般にポリエステル系繊維からなるパイル布帛は、
着座したり、離席する時に静電気を発生してチクチク感
等の不快感を与えたり、衣服がまつわりつくなどの現象
を発生することがあるが、上記のように摩擦帯電圧を3
kv以下とすることにより、これらの不快感を解消する
ことができる。
【0010】本発明において、ポリエステルパイル布帛
の吸放湿パラメーターΔMRを1%以上にするために使
用するポリエステル系繊維としては、これを可能にする
吸湿性能と制電性能を有する繊維であれば特に限定され
ない。しかしながら、特に好ましくは、ポリエーテルエ
ステルアミド(E)を複合繊維またはブレンド繊維の一
成分として含む繊維、および親水性化合物(A)を共重
合しポリエステルであって、そのなかに極性基含有化合
物(B)および/または架橋剤(C)を含有した共重合
ポリエステル(D)を複合繊維またはブレンド繊維の一
成分として含む繊維を挙げることができる。
【0011】まず、前者のポリエーテルエステルアミド
(E)を含むポリエステル系繊維について説明する。こ
こで使用されるポリエーテルエステルアミド(E)とし
ては、同一分子鎖内にエーテル結合エステル結合および
アミド結合をもつブロック共重合体を用いることができ
る。より具体的には、ラクタム、アミノカルボン酸、ジ
アミンとジカルボン酸の塩から選ばれた1種もしくは2
種以上のポリアミド形成性成分(イ)およびジカルボン
酸とポリ(アルキレンオキシド)グリコールからなるポ
リエーテルエステル形成性成分(ロ)を重縮合反応させ
て得られるブロック共重合体ポリマを用いることができ
る。
【0012】ポリエーテルエステルアミド(E)のポリ
アミド形成性成分(イ)としては、カプロラクタム、エ
ナントラクタム、ドデカノラクタム、ウンデカノラクタ
ム等のラクタム類、アミノカプロン酸、11−アミノウ
ンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のω−アミノカ
ルボン酸、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6
12等の前駆体であるジアミン−ジカルボンのナイロン
塩類があり、これらを1種または2種以上混合して用い
ることができる。好ましいポリアミド形成性成分は、ε
−カプロラクタム、ナイロン66塩である。
【0013】他方、ポリエーテルエステルアミド(E)
のソフトセグメントを構成するポリエーテルエステル成
分(ロ)としては、炭素数4〜20のジカルボン酸とポ
リ(アルキレンオキシド)グリコールとからなる。炭素
数4〜20のジカルボン酸としてはコハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン
酸、ドデカジ酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等
の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸等の脂環式ジカルボン酸を挙げることができ、1
種または2種以上混合して用いることができる。好まし
いジカルボン酸はアジピン酸、セバシン酸、ドデカジ
酸、テレフタル酸、イソフタル酸である。
【0014】また、ポリ(アルキレンオキシド)グリコ
ールとしては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2
−および1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポ
リ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキ
サメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドと
プロピレンオキシドまたはテトラヒドロフランとのラン
ダムまたはブロック共重合等が挙げられ、特にポリエチ
レングリコールが好ましい。ポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールの数平均分子量は300〜10000、
好ましくは500〜4000の範囲である。
【0015】本発明に用いるポリエーテルエステルアミ
ドブロック共重合体は上記したポリアミド形成性成分
(イ)とポリエーテルエステル形成性成分(ロ)を重縮
合することによって得られる。工業的に好ましい方法と
しては、(イ)および(ロ)を減圧下に加熱重縮合する
方法があるが、その際に、高重合度で着色の少ないポリ
マを得るためには、例えば、酸化アンチモン、チタン酸
エステル等を重縮合触媒として、またリン酸、リン酸エ
ステル等を着色防止剤として添加することが好ましい。
ポリエーテルエステルアミド中の(イ)と(ロ)の重量
比は、99/1〜5/90、好ましくは80/20〜1
0/90の範囲で有効に利用することができる。
【0016】ポリエーテルエステルアミド(E)と併用
して複合繊維またはブレンド繊維にするときの繊維形成
性重合体としては特に限定されないが、例えば、テレフ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸あるいはそれ
らのエステルを主たるジカルボン酸成分とし、エチレン
グリコールもしくはテトラメチレングリコールを主たる
グリコール成分とするポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、あるいはポリエチレン2,
6−ナフタレートなどの線状ポリエステルが挙げられ
る。これらのうちでも、特にポリエチレンテレフタレー
ト(通常ポリエステル)が好ましい。
【0017】また、上記ポリエーテルエステルアミド
(E)を含むポリエステル系繊維には、ポリアクリル酸
ソーダ、ポリNビニルピロリドン、ポリアクリル酸、お
よびその共重合体、ポリメタアクリル酸およびその共重
合体、ポリビニルアルコールおよびその共重合体、ポリ
アクリルアミドおよびその共重合体、架橋ポリエチレン
オキサイド系ポリマなどの吸湿・吸水物質やポリオレフ
ィン、ポリアミド等の汎用熱可塑性樹脂を本発明の目的
を阻害しない程度に含有されていてもよい。また、酸化
チタン、カーボンブラック等の顔料のほか、従来公知の
抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤等が添加さ
れていても勿論よい。
【0018】次に、前記後者で挙げた共重合ポリエステ
ル(D)を含むポリエステル系繊維について説明する。
ここで使用する共重合ポリエステル(D)の酸成分とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2、
6−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられ
る。特に好まくは、テレフタル酸である。またグリコー
ル成分としては、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。特に好
ましいのは、エチレングリコールである。
【0019】親水性化合物(A)としては、エステル形
成性基を1個以上含有する化合物であれば特に限定され
ないが、代表的な化合物としてポリオキシアルキレン化
合物、ポリオキサゾリン類、ポリアクリルアミドとその
誘導体、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(メ
タ)アクリル酸およびその塩、ポリヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ポリビニルアルコール、および
ポリビニルピロリドンなどがあげられる。その中でもポ
リオキシアルキレン化合物が好ましい。ポリオキシアル
キレン化合物としては、ポリオキシエチレン化合物、ポ
リオキシプロピレン化合物、ポリオキシテトラメチレン
化合物等があり、その中でもポリオキシエチレン化合物
が好ましく、特にポリエチレングリコールが好ましい。
ポリエチレングリコールの中でも結晶化抑制因子成分を
含むポリエチレングリコールが好ましい。
【0020】ここで、結晶化抑制因子成分とは分子鎖中
あるいは末端に存在し、ポリエチレングリコールの繰り
返し単位の対称性を乱すような有機残基をいう。結晶化
抑制とは示差走査熱分析(DSC、昇温条件16℃/
分)によって求めた融点が、同じ分子量のポリエチレン
グリコールの融点より低くなることをいう。具体的な化
合物としては、下記一般式(I)
【0021】
【化1】 (ただし、式中Xは−CR56 −(R5 およびR6
水素またはアルキル基を示す)、−SO2 −、−O−、
−S−、−C(O)−等であり、10≦n+m≦450
の整数を示す。)で表されるポリエチレングリコールの
誘導体をあげることができ、ビスフェノールAやビスフ
ェノールS等にエチレンオキサイド(EO)を付加させ
た化合物が特に好ましい。
【0022】さらに、親水性化合物(A)の分子量はポ
リエステルとの相溶性およびポリエステル中の分散性の
点で600〜20000が好ましく、さらに好ましくは
1000〜10000であり、特に好ましくは2000
〜6000である。これらの化合物は、大部分がポリエ
ステル中に共重合されている必要があるが、一部につい
てはポリマ中に分散した状態で存在していてもよい。
【0023】共重合ポリエステル中の親水性化合物
(A)の共重合量は、吸湿性および製糸性の観点から4
0〜99重量%が好ましい。さらに好ましくは55〜9
0重量%である。また、共重合ポリエステルが有すべき
吸放湿パラメーターΔMRとしては高ければ高い方が好
ましいが、12%以上であることが好ましい。さらに好
ましくは15%以上、特に好ましくは18%以上であ
る。
【0024】共重合ポリエステル(D)中に含有させる
極性基含有化合物(B)は、特に限定されないが、下記
一般式(II) Yi −R1 −Xn (II) (ただし、式中R1 は有機残基、Xはエステル形成性基
でありnは1以上の正数、Yi はアミノ基、スルホン酸
基、カルボキシル基、水酸基、アミド基、およびホスホ
ン酸基等の誘導体の中から選ばれる1つ以上の極性基を
示す(i≧1の整数)。)で表される極性基を有する化
合物が好ましい。
【0025】ここで含有とは、ポリエステル中に分散ま
たは共重合した状態をいうが、特に共重合していること
が好ましい。化合物としては、特にスルホン酸塩基を有
する化合物が好ましい。極性基含有化合物を含有させる
ことにより、ポリマの吸湿性がさらに高まるばかりか、
ポリマ中に水素結合やイオン性相互作用が生じ、繊維と
した場合に経時的な物性の変化が生じにくくするという
効果を持つ。
【0026】共重合ポリエステル(D)中の極性基含有
化合物(B)の含有量は全ポリマを構成する酸成分に対
して0〜50モル%が好ましく、さらに好ましくは2〜
30モル%であり、特に好ましくは2〜15モル%であ
る。また、共重合ポリエステル(D)中に含有させる架
橋剤(C)としては、この共重合ポリエステルと反応
し、架橋構造を形成する化合物であれば特に限定されな
いが、一般には下記一般式(III) (R3O)n2 (COOR4)m (III) (ただし、式中R2 は3〜6の有機残基、R3 は水素あ
るいはアセチル基、R4は水素あるいはアルキル基、3
≦m+n≦6を示す。)で表される多官能化合物を用い
ることができる。
【0027】ここで含有とは、ポリエステル中に分散す
ることも含むが、共重合により架橋構造をとることが好
ましい。化合物としては、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸等の多官能カルボン酸、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトールのごときポリオール
が好ましいが、特に好ましいのはトリメリット酸であ
る。架橋剤(C)を含有させることにより、ポリマの吸
湿性がさらに高まるばかりか、ポリマ中に架橋構造が形
成し、繊維とした場合に経時的な物性の変化が生じにく
いという効果も持つ。
【0028】共重合ポリエステル中の架橋剤の割合は、
全ポリマを構成する酸成分に対して0〜30モル%が好
ましく、さらに好ましくは1〜15モル%、特に好まし
くは2〜10モル%である。本発明において、極性基含
有化合物(B)と架橋剤(C)とは、その少なくともい
ずれか一方を共重合ポリエステル(D)中に含有させて
いることが好ましく、特に好ましくは、極性基含有化合
物(B)と架橋剤(C)の両者を含ませることである。
極性基含有化合物(B)および/または架橋剤(C)
は、ポリエステル系繊維の吸湿性をさらに向上させる補
助成分として、また繊維物性を安定させる成分として機
能する。
【0029】また、共重合ポリエステル中には、本発明
の目的を損なわない範囲で酸化チタン、カーボンブラッ
ク等の顔料、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の界面活
性剤、従来公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電
防止剤等が添加されていてもよい。本発明において、複
合繊維またはブレンド繊維とするために共重合ポリエス
テル(D)と併用する繊維形成性重合体としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロ
ン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエス
テルが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。好ましくは、最も汎用性の高いポリエチレンテレフ
タレートを主体とするポリエステルがよい。
【0030】上述したポリエーテルエステルアミド
(E)や、共重合ポリエステル(D)をポリエステル系
繊維の構成成分として用いることにより、その繊維に対
して今までにない高い吸放湿特性と制電性とを与え、か
つ繊維形成性重合体の繊維物性を損なわない合成繊維を
得ることができる。本発明に適用する複合繊維の形態と
しては、図1に示すような芯部1と鞘部2とからなる芯
鞘型複合繊維、図2に示すような芯部1と鞘部2と中空
部3とからなる芯鞘型複合中空繊維、図3に示すような
島部1aと海部2aとからなる海島型複合繊維、図4に
示すような張り合わせ部1b,2bからなる張り合わせ
型複合繊維とすることができる。
【0031】例えば、複合繊維の一方に共重合ホリエス
テル(D)を使用する場合は、図1の芯鞘型複合繊維お
よび図2の芯鞘型複合中空繊維の場合は、共重合ポリエ
ステル(D)を芯部とし、繊維形成性重合体、好ましく
は通常ポリエステルを鞘部として複合するとよく、その
複合比率(重量%)は、好ましくは芯/鞘=5/95〜
90/10、さらに好ましくは7/93〜50/50、
特に好ましくは10/90〜30/70である。また、
ポリエーテルエステルアミド(E)を使用する場合は、
ポリエーテルエステルアミド(E)を芯部に全ポリマ重
量に対して15〜50重量%とすることが好ましい。
【0032】芯部の複合比率の下限は十分な吸放湿性を
付与する目的から決定すればよく、上限は紡糸性の低下
を防止する観点から決定すればよい。また、図3の海島
型複合繊維および図4の張り合わせ型複合繊維の場合
に、共重合ポリエステル(D)を使用する場合は、共重
合ポリエステル(D)を島部または一方の張り合わせ部
にし、繊維形成性重合体、好ましくは通常のポリエステ
ルを海部または他方の張り合わせ部にして複合するとよ
く、その島部または一方の張り合わせ部の複合比率は、
好ましくは5〜90重量%、さらに好ましくは7〜50
重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。ま
た、ポリエーテルエステルアミド(E)を使用する場合
は、ポリエーテルエステルアミド(E)を島部または一
方の張り合わせ部に、全ポリマ重量に対して15〜50
重量%とすることが好ましい。
【0033】島部または一方の張り合わせ部の複合比率
の下限は十分な吸放湿性を付与することから決定すれば
よく、上限は紡糸性の低下を防止する観点から決定すれ
ばよい。ブレンド繊維の場合には、共重合ポリエステル
(D)を使用する場合の混合比率は、全ポリマに対して
3〜80重量%、さらに好ましくは7〜30重量%あ
る。また、ポリエーテルエステルアミド(E)を使用す
る場合は、ポリエーテルエステルアミド(E)を全ポリ
マ重量に対して15〜50重量%とすることが好まし
い。
【0034】ブレンド比率の下限は十分な吸放湿性を付
与することから決定すればよく、上限は紡糸性の低下を
防止する観点から決定すればよい。複合繊維またはブレ
ンド繊維の断面形状は円形だけでなく、三角形、扁平
形、多葉形などの異形断面であってもよい。本発明で使
用する吸湿性と制電性を有するポリエステル系繊維は、
パイル布帛に使用するときの糸条として、単糸繊度を
0.5〜7デニールの範囲にする。単糸繊度が0.5デ
ニール未満ではパイル布帛として使用するとき毛倒れ、
白ボケ現象を発生することがある。また、単糸繊度が7
デニールを越えると、剛くなってソフトな風合いが得ら
れなくなることがある。
【0035】また、パイル布帛のパイル密度は、平方イ
ンチ当り700〜2500個の範囲であることが好まし
い。パイル密度が、平方インチ当り700個未満では、
パイル布帛として嫌われる虫食いや地透け感が現れるよ
うになり、また剛性面からも低下することによって毛倒
れし易くなることがある。また、パイル密度が、平方イ
ンチ当り2500個を越えると、パイル布帛の特徴であ
る立毛感とソフト感が十分に発揮されず、優れた風合に
することが難しくなる。
【0036】本発明において、パイル布帛を構成する繊
維としては、前述した吸湿性および制電性を有するポリ
エステル系繊維を100重量%使用することが好まし
い。しかし、使用快適性の面で吸放湿パラメーターΔM
Rが1%以上、好ましくは1.2%以上を維持し、かつ
制電性を有する範囲であれば、パイル部のみに使用した
り、或いは地糸のみに使用するようにしてもよい。
【0037】また、パイル布帛を構成するに当たり、上
記吸湿性、制電性のポリエステル系繊維を通常ポリエス
テル繊維等との交撚糸条にして使用したり、また交編織
パイル・起毛布帛などとしても使用することができて杢
調表現などにも十分な効果を発揮することができる。ま
た、紡績糸としても、長繊維使いとしても同様の効果を
発揮することができる。
【0038】
【実施例】以下に説明する実施例において使用した諸特
性の測定法は次の通りである。 〔吸放湿パラメーターΔMR〕一定量の繊維または幅4
0cm、長さ40cmに裁断したパイル布帛地3枚を準
備し、60℃の熱風乾燥機で6時間乾燥の後の重さW0
を測定した後、20℃×65%RHの恒温恒湿機で24
時間調湿後の重さW1 および30℃×90%RHの恒温
恒湿機で24時間調湿後の重さW2 をそれぞれ測定し、
次の式により20℃×65%RHでの吸湿率MR1 およ
び30℃×90%RHでの吸湿率MR2をそれぞれ計算
し、次式で吸放湿パラメーターΔMRを求めた。
【0039】 MR1 =[(W1 −W0 )/W0 ]×100 MR2 =[(W2 −W0 )/W0 ]×100 ΔMR(%)=MR1 −MR2 〔摩擦帯電圧〕JIS L1094のB法に準じて測定
した。 〔官能評価(蒸れ感と制電性)〕自動車用シートを作製
し、梅雨から夏場および冬場に2時間を運転した後に官
能判定する。評価は優から不可まで5段階で行い、10
人のパネラーの平均値で示した。 〔パイル密度〕縦、横1インチの枡目を描いて、縦、横
のパイル個数を数え、縦×横=パイル数(個)として表
した。これを5回の平均値で示した。 実施例1〜3 ε−カプロラクタム340部、テレフタル酸18部、数
平均分子量が1000のポリエチレングリコール100
部、さらにイルガノックス1330(チバガイギー社
製)0.1部およびトリメチルフォスフェート0.01
部とともに重合反応容器に仕込み、窒素気流下に240
℃で1時間加熱攪拌した後、三酸化アンチモン0.1部
を添加し、昇温減圧プログラム下250℃、0.5mm
Hg以下の条件で4時間重合反応を行なうことにより、
ナイロン6成分の割合が45重量%であるポリエーテル
エステルアミドブロック共重合体を製造した。
【0040】このオルトクロロフェノール溶液(濃度
0.5g/100ml)の25℃での相対粘度ηrは
2.05であった。また、このポリマ単独の30℃×9
0%RHでの吸湿率は15.2%であった。次いで、こ
のポリエーテルエステルアミドブロック共重合体を芯部
(X)とし、通常のポリエステルを鞘部(Y)にし、そ
の複合比を表1の実施例1〜3のように異ならせて、そ
れぞれ紡糸温度280℃、紡糸口金孔数30孔、引取り
速度1000m/分で芯鞘型複合繊維を紡糸した後、延
伸倍率3.4倍で延伸し、75デニール、36フィラメ
ントの丸断面複合延伸糸にした。
【0041】これら丸断面複合延伸糸を、それぞれフロ
ント、ミドルおよびバックの3種に使用し、フロント糸
(パイル糸部)1×5組織、ミドル糸1×2組織、バッ
ク糸1×1組織にて三枚筬トリコットを編成した後、染
色、起毛、剪毛、仕上加工してパイル長2.5mmで3
5ウェール/in、62コース/in、パイル密度21
70個のパイル布帛(ベロア品)を製造した。
【0042】表1に、それぞれ芯部(X)と鞘部(Y)
の複合比が異なる3種類の複合糸からなる3種類のパイ
ル布帛(実施例1〜3)の特性を示した。この3種類の
パイル布帛は、ポリエーテルエステルアミドの複合比が
15〜30重量%の複合糸からなり、吸放湿パラメータ
ーΔMRは1.2〜3.1%、摩擦帯電圧は0.28〜
0.10kvであった。
【0043】このパイル布帛で自動車用シートを作製
し、6〜8月の梅雨から夏場の間を長時間使用した結果
は、蒸れるなどの不快感がなく、サラッとしたドライ感
があり、快適性に優れたものであった。また、1〜2月
の冬場で長時間使用した結果は、静電気による放電が少
なく、着座したり、離席する時にも静電気発生によるチ
クチク感などの不快感を与えたり、衣服がまつわりつく
現象がなかった。
【0044】比較例1 ポリエーテルエステルアミドを含まない通常ポリエステ
ル繊維100重量%からなるポリエステル繊維を使用し
た以外は、実施例1と同一規格でパイル布帛を製造し
た。このポリエステル繊維からなるパイル布帛は、吸放
湿パラメーターΔMRが0%、摩擦帯電圧が6.83k
vであった。
【0045】前記実施例と同様に自動車用シートに作製
し、6〜8月の梅雨から夏場の間で長時間使用した結果
は、表1に示す通りであり、蒸れがひどく、発汗による
べとつきさえ生じ、強く不快感を感じるパネラーもい
た。また、1〜2月の冬場で使用した結果は、静電気に
よる放電を強く感じ、チクチク感などの不快感を与えた
り、衣服がまつわりつくなどの現象が生じ、快適性に劣
るものであった。
【0046】実施例4 共重合ポリエステルとしてジメチルテレフタル酸194
部、エチレングリコール135部、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸ジメチル(SSIA)26.6部、トリ
メリット酸トリメチル(TMTM)7.5部、およびテ
トラブチルチタネート0.1部を加え、140〜230
℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った
後、リン酸トリメチル0.08部、抗酸化剤としてIrga
nox 1010(チバガイキー社製)0.2部、消泡剤として
シリコン0.2部およびテトラブチルチタネート0.1
部を加え、1.0mmHgの減圧下250℃の条件下4
時間重合を行って共重合ポリエステルを製造した。
【0047】この共重合ポリエステルに共重合されたポ
リエチレングリコールの割合は60重量%であった。ま
た、この共重合ポリエステルの吸放湿パラメーターΔM
Rは28.0%(MR1 =1.5%、MR2 =29.5
%)であった。上記共重合ポリエステルを芯部(X)と
し、通常のポリエステルを鞘部(Y)として別々に溶融
し、芯/鞘(重量比)が15/85になるように芯鞘型
複合糸を複合紡糸し、延伸、熱処理することにより、7
5デニール,36フィラメントの複合繊維にした。
【0048】得られた複合繊維を実施例1と同様に同一
規格でパイル布帛に作成した。このパイル布帛の吸放湿
パラメーターΔMRが3.9%、摩擦帯電圧が0.06
kvであった。実施例1と同様に官能評価した結果は表
1に示す通りであり、吸湿性や制電性による快適性に優
れたものであった。
【0049】実施例5 実施例3で得られた複合繊維の糸をミドルおよびバック
糸に、通常ポリエステル繊維75デニール,36フィラ
メントの糸をフロント糸(パイル糸)として、実施例3
と同一規格でパイル布帛を作成した。このパイル布帛
は、吸放湿パラメーターΔMRが1.4%、摩擦帯電圧
が0.25kvであった。
【0050】実施例3と同様に自動車用シートを作製し
て6〜8月の間で長時間使用した結果は、蒸れがなく、
発汗によるべとつきも感じなかった。また冬場において
も、静電気による放電が感じられず、衣服がまつわりつ
くなどの現象も発生しなかった。
【0051】
【表1】
【0052】実施例6 通常ポリエステル繊維90重量%(鞘部)、ポリエーテ
ルエステルアミドが10重量%(芯部)の複合比からな
る芯鞘型複合糸を使用した以外は、実施例1と同一規格
のパイル布帛を製造した。このパイル布帛の吸放湿パラ
メーターΔMRは1.0%、摩擦帯電圧は0.34kv
であった。
【0053】この布帛で自動車用シートを作製し、実施
例同様に評価した結果は、表1に示す通りであり、静電
気によるチクチク感はなく、また夏場にやや若干の蒸れ
感を感じただけで、シートとしてはほぼ満足できるもの
であった。
【0054】
【発明の効果】上述したように、本発明のポリエステル
パイル布帛は、吸湿性および制電性を有するポリエステ
ル繊維を使用し、布帛としての吸放湿パラメーターΔM
Rが1%以上であるので、蒸れ感や静電気によるチクチ
ク感がなく、優れた使用快適性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する芯鞘型複合繊維の横断面を示
すモデル図である。
【図2】本発明に使用する芯鞘型中空複合繊維の横断面
を示すモデル図である。
【図3】本発明に使用する海島型複合繊維の横断面を示
すモデル図である。
【図4】本発明に使用する張り合わせ型複合繊維の横断
面を示すモデル図である。
【符号の説明】
1 芯部 2 鞘部 1a 島部 2a 海部 1b,2b 張り合わせ部 3 中空部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸湿性と制電性を有するポリエステル系
    繊維を含むパイル布帛であって、該パイル布帛の吸放湿
    パラメーターΔMRが1%以上であるポリエステルパイ
    ル布帛。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステル系繊維が、ポリエーテ
    ルエステルアミドを含む構成からなる請求項1に記載の
    ポリエステルパイル布帛。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステル系繊維が、親水性化合
    物を共重合するとともに、極性基含有化合物および架橋
    剤のうちの少なくともいずれか一方を含有する共重合ポ
    リエステルを含む構成からなる請求項1に記載のポリエ
    ステルパイル布帛。
  4. 【請求項4】 前記パイル布帛を構成する繊維の単糸繊
    度が0.5〜7デニールであって、前記パイル布帛のパ
    イル密度が平方インチ当り700〜2500個である請
    求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルパイル布
    帛。
  5. 【請求項5】 前記パイル布帛の摩擦帯電圧が3kv以
    下である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル
    パイル布帛。
  6. 【請求項6】 前記ポリエステル系繊維がパイル糸およ
    び/または地糸として使用されている請求項1〜5のい
    ずれかに記載のポリエステルパイル布帛。
  7. 【請求項7】 前記パイル布帛を構成する繊維が前記ポ
    リエステル系繊維100重量%からなる請求項1〜6の
    いずれかに記載のポリエステルパイル布帛。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114369233A (zh) * 2021-11-10 2022-04-19 桐乡市中益化纤有限公司 一种亲水型抗静电聚酯切片及其制备方法

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