JPH09228196A - 織機における織段防止装置 - Google Patents

織機における織段防止装置

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JPH09228196A
JPH09228196A JP4294296A JP4294296A JPH09228196A JP H09228196 A JPH09228196 A JP H09228196A JP 4294296 A JP4294296 A JP 4294296A JP 4294296 A JP4294296 A JP 4294296A JP H09228196 A JPH09228196 A JP H09228196A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】消極イージング装置を備えた織機における織段
発生を確実に防止する。 【解決手段】バックブラケット25上の支持ブラケット
31にはバックローラ13が回転可能に支持されてい
る。バックローラ13のローラ軸131にはイージング
レバー27が止着されており、イージングレバー27に
はイージングローラ14が回転可能に支持されている。
ローラ軸131には磁性体製の制動プレート30が止着
されている。バックブラケット25には電磁石43が取
り付けられている。制動プレート30はローラ軸131
と一体的に揺動するが、電磁石43が励磁されると、制
動プレート30が吸着面431に吸着し、制動プレート
30の揺動が阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経糸に接するイー
ジング体を介して経糸の張力変動をばね力によって吸収
する消極イージング装置を備えた織機における織段防止
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】織機が停止した状態では、経糸が自身の
張力によって伸びを生じ、織布の織前が正規の位置から
ずれる。織前が正規の位置からずれると、製織再開時の
筬打ちポイントが狂い、所謂止め段が発生する。そのた
め、例えば特開昭56−144258号公報に開示され
るように、製織再開の際には経糸に対して張力を格別に
付与して織前の位置を補正するような対策が採られる。
この従来装置ではエアシリンダによって駆動される係合
体が経糸に接して格別の張力付与を行なう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、経糸に接する
イージングローラ(特開昭56−144258号公報の
装置ではバックローラ)を介して経糸の張力変動をばね
によって吸収する消極イージング装置を採用した織機で
は、係合体によって経糸に加えられる荷重の一部が前記
ばねによって吸収されてしまう。そのため、経糸に対し
て格別に付与すべき張力が得られず、織前を正規の位置
へ配置できない。そのため、依然として止め段発生のお
それがある。
【0004】本発明は、消極イージング装置を備えた織
機における織段発生を確実に防止することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのために請求項1の発
明では、織段防止装置のイージング体を解放可能に固定
するイージング阻止手段を備えた織段防止装置を構成し
た。
【0006】請求項1の発明によれば、イージング阻止
手段によってイージング体を固定することにより、経糸
に加えられる荷重がそのまま経糸の張力変更に使われ
る。請求項2の発明では、前記イージング体を固定する
阻止モードと解放する解放モードとに前記イージング阻
止手段を切り換え作動させる切り換え制御手段を備えた
織段防止装置を構成した。
【0007】請求項2の発明によれば、切り換え制御手
段が解放モードから阻止モードに切り換わると、イージ
ング体が固定される。切り換え制御手段が阻止モードか
ら解放モードに切り換わると、イージング体の固定が解
除される。
【0008】請求項3の発明では、イージング阻止信号
の入力に応答してイージング阻止手段をイージング阻止
モードにし、解放信号の入力に応答してイージング阻止
手段を解放モードにする機能を前記切り換え制御手段に
付与した。
【0009】請求項3の発明によれば、イージング阻止
信号が入力すると、切り換え制御手段が解放モードから
阻止モードに切り換わり、イージング体が固定される。
解放信号が入力すると、切り換え制御手段が阻止モード
から解放モードに切り換わり、イージング体の固定が解
除される。
【0010】請求項4の発明では、前記イージング阻止
タイミングの把握をイージング阻止信号の入力に基づい
て行なうようにした。請求項4の発明によれば、切り換
え制御手段はイージング阻止信号の入力に基づいてイー
ジング阻止タイミングを把握して前記イージング阻止手
段を阻止モードに切り換える。
【0011】請求項5の発明では、前記イージング阻止
解除タイミングの把握を解放信号の入力に基づいて行な
うようにした。請求項5の発明によれば、切り換え制御
手段は解放信号の入力に基づいてイージング阻止解除タ
イミングを把握して前記イージング阻止手段を解放モー
ドに切り換える。
【0012】請求項6の発明では、織前移動量検出手段
によって把握される織前移動量が前記解放信号の入力時
から所定量に達した後に前記切り換え制御手段がイージ
ング阻止手段を解放モードにするようにした。
【0013】請求項6の発明によれば、切り換え制御手
段は、前記解放信号の入力以後の織前移動量が所定量に
達した状態のときをイージング阻止解除タイミングと把
握する。
【0014】請求項7の発明では、緯糸処理装置から出
力される緯入れミス処理完了信号を前記解放信号とし
た。緯入れミスしたミス糸の除去処理を行なう緯糸処理
装置が緯入れミス処理完了信号を出力すると、切り換え
制御手段は緯入れミス処理完了信号の入力に基づいてイ
ージング阻止解除タイミングを把握して前記イージング
阻止手段を解放モードに切り換える。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した第1の
実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0016】図1は織機全体の側面を略体的に示す。M
は織機駆動モータであり、織機駆動モータMは織機制御
コンピュータCの作動制御を受ける。11は織機駆動モ
ータMから独立した正逆転可能な送り出しモータであ
る。送り出しモータ11により駆動されるワープビーム
12から送り出される経糸Tはバックローラ13及びイ
ージングローラ14を経由して綜絖15及び筬16を通
される。織布Wはエキスパンションバー17、サーフェ
スローラ18、プレスローラ19及びしわ取りガイド部
材20を経由してクロスローラ21に巻き取られる。サ
ーフェスローラ18は織機駆動モータMに作動連結され
ている。サーフェスローラ18はプレスローラ19と協
働して織布Wを引き取る。
【0017】図2に示すように、織機の左右のサイドフ
レーム23,24の後端にはバックブラケット25,2
6が止着されており、両バックブラケット25,26の
上端には支持ブラケット31,32が止着されている。
両支持ブラケット31,32間にはバックローラ13が
回転可能に架設して支持されている。バックローラ13
のローラ軸131にはイージングレバー27,28が止
着されており、イージングレバー27,28の先端間に
はイージング体となるイージングローラ14が回転可能
に架設して支持されている。ローラ軸131の両端部は
支持ブラケット31,32を貫通して側方に突出してい
る。
【0018】ローラ軸131の両端部にはテンションレ
バー29及び磁性体製の制動プレート30が止着されて
いる。支持ブラケット31,32の上端部にはロードセ
ル33が垂下支持されており、ロードセル33の下端に
はねじロッド34が垂下状態に止着されている。ねじロ
ッド34はテンションレバー29の先端部を遊嵌状態で
貫通している。ねじロッド34の先端にはばね受け35
が取り付けられており、ばね受け35とテンションレバ
ー29との間には圧縮ばね36が介在されている。圧縮
ばね36のばね力の作用方向はローラ軸131を中心し
てテンションレバー29を左方向へ回動する方向であ
り、テンションレバー29の左方向への回動によりイー
ジングローラ14が圧縮ばね36のばね荷重を経糸Tに
付与する。経糸張力はイージングローラ14、イージン
グレバー27及びテンションレバー29を介してロード
セル33に伝えられ、ロードセル33は経糸張力に応じ
た電気信号を織機制御コンピュータCに出力する。
【0019】織機制御コンピュータCは予め設定された
張力と前記入力信号によって把握される検出張力との比
較及び機台回転角度検出用のロータリエンコーダ37か
らの検出信号で把握されるワープビーム径に基づいて送
り出しモータ11の回転速度を制御する。これにより通
常運転時の経糸張力が制御され、織段発生防止が行われ
る。織機制御コンピュータCは起動スイッチ38からの
ON信号に基づいて送り出しモータ11の正転作動を指
令し、送り出しモータ11に組み込まれたロータリエン
コーダ111からの回転速度検出信号に基づいて送り出
しモータ11の回転速度をフィードバック制御する。
【0020】図2に示すように、バックブラケット2
5,26の側面には電磁石43が取り付けられている。
電磁石43の吸着面431は制動プレート30に接して
いる。制動プレート30はローラ軸131と一体的に揺
動するが、電磁石43が励磁されると、制動プレート3
0が吸着面431に吸着し、制動プレート30の揺動が
阻止される。制動プレート30及び電磁石43はイージ
ング阻止手段を構成する。
【0021】織機制御コンピュータCには織布Wの織前
W1の位置の変位を制御するための入力装置39が接続
されている。入力装置39は織前W1の位置の変位制御
データを織機制御コンピュータCに入力するものであ
る。図3及び図4のフローチャートは、織前位置変位制
御プログラム及びイージング制御プログラムを表す。織
機制御コンピュータCはこのフローチャートで示す織前
位置変位制御プログラム及びイージング制御プログラム
に基づいて製織停止後の織前の位置制御を行なう。
【0022】織機制御コンピュータCは、緯入れミス検
出器40、経糸切断検出器41からの異常検出信号、あ
るいは停止スイッチ42からのON信号に応答して織機
駆動モータM及び送り出しモータ11の作動停止を指令
する。これにより各モータM,11が同期して停止し、
経糸送り出し及び織布巻き取りが停止するとともに、筬
16が筬打ち直前の位置に停止する。前記異常検出信
号、ON信号はイージング阻止信号となる。
【0023】製織停止信号S1が緯入れミス検出器40
からのものである場合、織機制御コンピュータCは先ず
電磁石43の励磁を指令する。切り換え制御手段となる
織機制御コンピュータCが阻止モードである励磁指令状
態に入ると、電磁石43が励磁する。製織中では経糸T
の張力変動がイージングローラ14、イージングレバー
27,28、ローラ軸131及びテンションレバー29
を介して圧縮ばね36に伝えられ、圧縮ばね36が経糸
Tの張力変動を吸収する。電磁石43の励磁により制動
プレート30が吸着面431に吸着し、制動プレート3
0の揺動が阻止される。従って、イージングレバー2
7,28、ローラ軸131、テンションレバー29及び
圧縮ばね36と共に消極イージング装置を構成するイー
ジングローラ14の揺動が阻止される。
【0024】次いで、織機制御コンピュータCは、入力
装置39によって入力設定された設定量Q+ だけのスロ
ー正転を送り出しモータ11に対して指令する。即ち、
緯ミス関係の製織停止信号S1が入力すると、織機制御
コンピュータCは、緯入れミス処理のための織機駆動モ
ータMの所定量スロー逆転に先立って電磁石43の励
磁、送り出しモータ11の所定量Q+ だけのスロー正転
を指令する。送り出しモータ11のスロー正転により経
糸Tが所定量ρ0 だけスロー送り出しされる。経糸Tの
スロー送り出しによって織前W1が所定量ρ0 だけ正規
の位置から織布W側へ移動する。
【0025】緯入れミスが発生した場合には緯糸処理装
置53が緯入れミス処理を行なう。この緯糸処理装置5
3は、例えば特開平2ー61138号公報に開示される
ような緯糸処理装置と同じ緯入れミス処理動作を遂行す
る。この緯入れミス処理は織前W1上に織り込まれたミ
ス糸を経糸Tの把持作用から解放した状態で行われ、こ
の把持解放のために織機が1回半ほどスロー逆転され
る。このスロー逆転によって筬16は織前W1の正規の
位置、即ち筬打ち位置を経由する。
【0026】本実施の形態では、緯糸処理装置53は緯
糸処理制御コンピュータC1を含む。送り出しモータ1
1の所定量Q+ のスロー正転後、織機制御コンピュータ
Cは緯糸処理制御コンピュータC1に緯入れミス処理開
始信号を送る。緯糸処理制御コンピュータC1は緯入れ
ミス処理開始信号の入力に応答して緯糸処理装置53を
動作させる。
【0027】送り出しモータ11の所定量スロー正転
後、織機駆動モータMが1回半ほどスロー逆転し、織機
が経糸Tの最大開口を形成する位置へスロー逆転する。
これにより筬16が最後退位置へ移動し、経糸Tが最大
開口を形成する。この開口形成によって織前W1上のミ
ス糸が経糸Tの把持作用から解放され、緯入れミス処理
が可能となる。
【0028】織機駆動モータMのスロー逆転と同期して
送り出しモータ11がスロー逆転する。これにより経糸
Tが織機のスロー逆転量に比例してスロー引き戻しさ
れ、織布Wが織機のスロー逆転量に比例して巻き戻しさ
れる。経糸T及び織布Wの同期引き戻し及び同期巻き戻
しによって織前W1が織機のスロー逆転量に対応する位
置変位を受ける。
【0029】織機の1回半ほどのスロー逆転によって筬
16が織機停止時点の停止位置から最後退位置へ移動す
る間に正規の織前位置、即ち筬打ち位置を経由する。従
って、織前W1が筬打ち位置にある場合には織前W1は
筬16によって叩かれることになる。しかしながら、緯
入れミス処理のための織機スロー逆転に先立って織前W
1が筬打ち位置Pから織布W側へ逃げているため、織前
W1が筬16によって叩かれることはない。従って、強
固な織込状態となっていない織前W1近傍の緯糸が織布
Wの上下方向へずらされることはなく、緯入れミス処理
のために綾枕が生じることはない。綾枕は特に綾織りに
おいて生じ易い織段の一種である。
【0030】緯糸処理装置53が緯糸処理動作を完了す
ると、緯糸処理制御コンピュータC1は緯入れミス処理
完了信号を織機制御コンピュータCに送る。緯入れミス
処理完了信号の入力に応答して織機制御コンピュータC
が織機駆動モータMをスロー逆転し、織機が筬打ち直前
の製織開始位置へスロー逆転する。これは製織開始時の
筬打ち力不足を回避するためである。このスロー逆転の
際にも筬16が筬打ち位置を経由するが、織前W1が筬
打ち位置Pから逃れているために筬16によって叩かれ
ることはなく、綾枕は生じない。又、織機駆動モータM
に同期して送り出しモータ11がスロー逆転する。これ
により織前W1が織機の製織開始位置へのスロー逆転量
に比例した分だけ引き戻される。
【0031】織機が製織開始位置へスロー逆転で移動し
た後、送り出しモータ11が所定量Q- だけスロー逆転
する。これにより経糸Tが所定量ρ0 だけスロー引き戻
しされ、織前W1が正規の位置へ変位復帰する。
【0032】織機制御コンピュータCは送り出しモータ
11のロータリエンコーダ111からの回転角度情報に
基づいて送り出しモータ11の回転量を把握している。
この回転量把握は織前W1の移動量把握を意味し、ロー
タリエンコーダ111は織前移動量検出手段となる。織
機制御コンピュータCは緯入れミス処理完了信号の入力
後の送り出しモータ11の逆転量が所定の逆転量Q-
達した後、即ち織前W1が正規の位置へ復帰した後、織
機制御コンピュータCは電磁石43の消磁を指令する。
緯入れミス処理完了信号はイージング阻止を解放するた
めの解放信号となり、この解放信号の出力後の逆転量Q
- に対応する織前W1の所定の移動量がロータリエンコ
ーダ111によって把握される。
【0033】切り換え制御手段となる織機制御コンピュ
ータCが解放モードである消磁指令状態に入ると、電磁
石43が消磁する。電磁石43の消磁により電磁石43
に対する制動プレート30の吸着が解除され、イージン
グローラ14が揺動可能となる。その後、織機駆動モー
タM及び送り出しモータ11が同期して正転作動に入
り、製織が開始される。
【0034】経糸切断検出器41あるいは停止スイッチ
42からの製織停止信号入力といった緯入れミス以外の
原因の製織停止信号S2が入力した場合、織機制御コン
ピュータCは起動スイッチ38、スロー逆転スイッチ4
4あるいはスロー正転スイッチ45からのON信号入力
に備える。
【0035】織布W上の織傷を修復する場合にはスロー
逆転スイッチ44がONされる。スロー逆転スイッチ4
4からのON信号が入力すると、織機駆動モータMのス
ロー逆転に先立って送り出しモータ11が所定量Q+
けスロー正転する。これにより織前W1が正規の位置か
ら織布W側へ移動し、筬16の揺動によって織前W1が
叩かれることはない。
【0036】織前W1が筬打ち位置から逃された後、織
機駆動モータM及び送り出しモータ11がスロー逆転ス
イッチ44のON状態に応答して同期してスロー逆転す
る。スロー逆転スイッチ44がOFFになると、織機駆
動モータM及び送り出しモータ11の作動が停止し、次
いで送り出しモータ11が所定量Q- だけスロー逆転す
る。これにより経糸Tが所定量ρ0 だけスロー引き戻し
されるとともに、織布Wが所定量ρ0 だけスロー巻き戻
しされ、織前W1が正規の位置へ復帰する。このように
傷戻しのためのスロー逆転の際にも織前W1が筬16の
筬打ち作用領域から退避し、スロー揺動する筬16と織
前W1との干渉による綾枕の発生が防止される。
【0037】傷戻し作業では引き抜く必要のある緯糸の
本数だけのスロー逆転スイッチ44のONーOFF操作
が行われ、最後に行われる織前位置合わせのためにスロ
ー正転スイッチ45が使われる場合もある。スロー正転
スイッチ45のONーOFF操作時の各モータM,11
のスロー正転の場合にも織前W1の移動がスロー逆転ス
イッチ44のONーOFF操作時の場合と全く同様にし
て行われる。
【0038】緯入れミス発生による織機停止の場合には
織機は所定の製織開始位置まで自動で逆転するが、緯入
れミス発生以外の原因で織機停止が行われた場合には織
機制御コンピュータCは起動スイッチ38からのON信
号の入力に応答して所定の製織開始位置へ織機をスロー
逆転させる。各モータM,11のスロー逆転に先立って
織前W1の移動が前記と同様に行われ、製織開始位置へ
の織機のスロー逆転後、織前W1の正規位置への復帰が
行われる。織機がスロー逆転で製織開始位置へ向かう途
中、筬16が筬打ち位置を経由するが、織前W1が筬打
ち位置から逃れているために筬16によって叩かれるこ
とはない。
【0039】なお、織前W1を正規の位置から織布W側
へ逃す量は、布種類に応じて織前復帰時の誤差が少なく
なるように必要最小量に設定される。第1の実施の形態
では以下の効果が得られる。 (1)製織停止後の送り出しモータ11のスロー正転に
よって経糸Tが所定量送り出される。しかし、イージン
グローラ14が揺動可能な状態で経糸Tを所定量送り出
しても、圧縮ばね36のばね力がイージングローラ14
に伝わっているためにイージングローラ14が経糸Tに
張力を付加する方向へ移動する。そのため、織前W1が
経糸Tの所定の送り出し量に対応した量だけ織布W側へ
移動せず、織前W1を正規の位置から織布W側へ逃す量
が不足するおそれがある。この逃し量の不足は綾枕の発
生をもたらしかねない。第1の実施の形態では、織前W
1を織布W側へ逃す際には制動プレート30が電磁石4
3に吸着し、イージングローラ14の揺動が阻止され
る。従って、経糸Tの送り出し量に対応した逃し量が得
られ、織り段の一種である綾枕の発生は確実に防止され
る。 (2)織前W1を正規の位置に引き戻すのは送り出しモ
ータ11をスロー逆転して経糸Tを引き戻すことによっ
て行われる。しかし、イージングローラ14が揺動可能
な状態で経糸Tを所定量引き戻しても、圧縮ばね36の
ばね力がイージングローラ14に伝わっているためにイ
ージングローラ14が経糸Tの張力増加を吸収する方向
へ移動する。そのため、織前W1が経糸Tの所定の引き
戻し量に対応した量だけ戻らず、織前W1を正規の位置
へ復帰させられないおそれがある。この引き戻し量の不
足は止め段の発生をもたらしす。第1の実施の形態で
は、織前W1を正規の位置へ引き戻す際には制動プレー
ト30が電磁石43に吸着し、イージングローラ14の
揺動が阻止される。従って、経糸Tの引き戻し量に対応
した戻り量が得られ、止め段の発生は確実に防止され
る。
【0040】次に、図5の第2の実施の形態を説明す
る。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。この実施の形態では、制動プレート30の下端
にフランジ301が形成されている。フランジ301は
バックブラケット25の内側に入り込んでいる。バック
ブラケット25にはエアシリンダ46が取り付けられて
おり、その駆動ロッドには制動体461が止着されてい
る。又、バックブラケット25には三方弁型の電磁弁4
7が取り付けられている。電磁弁47はエアシリンダ4
6への圧縮空気の供給を制御するものである。電磁弁4
7は織機制御コンピュータCによって励消磁制御され
る。電磁弁47が消磁しているときには制動体461が
フランジ301に接しない位置に待機しており、電磁弁
47が励磁しているときには制動体461がフランジ3
01に接する。即ち、織機制御コンピュータCの励磁指
令状態が阻止モードとなり、消磁指令状態が解放モード
となる。制動体461がフランジ301に接することに
よってイージングローラ14の揺動が阻止される。
【0041】第2の実施の形態では以下の効果が得られ
る。 (1)第1の実施の形態と同じ効果が得られる。 (2)制動プレート30がその回動中心であるローラ軸
131から最も遠いフランジ301で制動を受けるた
め、イージングローラ14の揺動を阻止するための制動
力が最も小さくて済む。 (3)第1の実施の形態の電磁石43に比べ、エアシリ
ンダ46では大きな制動力を発生させ易い。
【0042】次に、図6及び図7の第3の実施の形態を
説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号
が付してある。この実施の形態では、バックブラケット
25にホルダ48が止着されており、ホルダ48の凹部
481には一対の圧電積層体49,50が対向して取り
付けられている。制動プレート30の下端部が対向する
圧電積層体49,50間に挿入されている。図7に示す
ように圧電積層体49,50は圧電素子51と導体52
とを交互に積層して構成されており、各圧電素子51は
導体52によって挟まれている。圧電素子51を挟む導
体52の一方は正電極、他方は負電極となっている。圧
電積層体49,50に電圧を印加すれば圧電素子51が
積層方向に伸長し、圧電積層体49,50が全体として
伸長する。この伸長により制動プレート30の下端部が
両圧電積層体49,50間に挟圧され、イージングロー
ラ14のイージングが阻止される。圧電積層体49,5
0は織機制御コンピュータCの電圧印加制御を受ける。
織機制御コンピュータCの電圧印加指令状態は阻止モー
ドとなり、電圧印加停止指令状態は解放モードとなる。
【0043】第3の実施の形態では以下の効果が得られ
る。 (1)第1の実施の形態と同じ効果が得られる。 (2)制動プレート30がその回動中心であるローラ軸
131から最も遠い下端部で制動を受けるため、イージ
ングローラ14の揺動を阻止するための駆動力が最も小
さくて済む。 (3)制動プレート30を挟圧する圧電積層体49,5
0の挟圧力は非常に強く、制動プレート30の揺動阻止
は確実である。
【0044】本発明では制動プレート30とテンション
レバー29とを一体にしたり、イージング体として回転
しないバーを用いてもよい。又、特開昭56−1442
58号公報に開示されるような、製織再開の際に経糸に
対して張力を格別に付与して織前の位置を補正する場合
にも、本発明を適用することができる。この場合には、
経糸に格別の張力を付与する前にイージングローラの揺
動を阻止すればよい。イージング阻止は経糸切断検出器
からの異常信号があったときのみ行われてもよい。又、
緯糸切断、経糸切断の区別なく異常信号に応答してイー
ジング阻止を行なうようにしてもよい。
【0045】解放信号は製織再開後の所定時間後に入力
するようにしてもよい。又、イージング阻止信号並びに
解放信号は手入力スイッチによって切り換え制御手段に
入力するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように本発明では、消極イ
ージング装置を備えた織機にイージング体を解放可能に
固定するイージング阻止手段を組み込んだので、消極イ
ージング装置を備えた織機における織段発生を確実に防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す織機全体の側面図。
【図2】要部背断面図。
【図3】織前位置変位制御プログラム及びイージング制
御プログラムを表すフローチャート。
【図4】織前位置変位制御プログラム及びイージング制
御プログラムを表すフローチャート。
【図5】第2の実施の形態を示す要部背断面図。
【図6】第3の実施の形態を示す要部背断面図。
【図7】圧電積層体の構造を示す拡大断面図。
【符号の説明】
14…イージング体となるイージングローラ、30…イ
ージング阻止手段を構成する制動プレート、43…イー
ジング阻止手段を構成する電磁石、46…イージング阻
止手段を構成するエアシリンダ、461…イージング阻
止手段を構成する制動体、49,50…イージング阻止
手段を構成する圧電積層体、C…切り換え制御手段とな
る織機制御コンピュータ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】経糸に接するイージング体を介して経糸の
    張力変動をばね力によって吸収する消極イージング装置
    を備えた織機において、 前記イージング体を解放可能に固定するイージング阻止
    手段を備えた織機における織段防止装置。
  2. 【請求項2】前記イージング体を固定する阻止モードと
    解放する解放モードとに前記イージング阻止手段を切り
    換え作動させる切り換え制御手段を備えた請求項1に記
    載の織機における織段防止装置。
  3. 【請求項3】前記切り換え制御手段は、イージング阻止
    タイミングの把握に基づいてイージング阻止手段をイー
    ジング阻止モードにし、イージング阻止解放タイミング
    の把握に基づいてイージング阻止手段を解放モードにす
    る請求項2に記載の織機における織段防止装置。
  4. 【請求項4】前記イージング阻止タイミングの把握はイ
    ージング阻止信号の入力に基づいて行われる請求項3に
    記載の織機における織段防止装置。
  5. 【請求項5】前記イージング阻止解除タイミングの把握
    は解放信号の入力に基づいて行われる請求項3に記載の
    織機における織段防止装置。
  6. 【請求項6】前記切り換え制御手段は、織前移動量検出
    手段によって把握される織前移動量が前記解放信号の入
    力時から所定量に達した後にイージング阻止手段を解放
    モードにする請求項5に記載の織機における織段防止装
    置。
  7. 【請求項7】前記解放信号は緯糸処理装置から出力され
    る緯入れミス処理完了信号である請求項5及び請求項6
    のいずれか1項に記載の織機における織段防止装置。
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