JPH0931193A - ポリアスパラギン酸アルカリ金属塩およびその誘導体の製造方法 - Google Patents

ポリアスパラギン酸アルカリ金属塩およびその誘導体の製造方法

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JPH0931193A
JPH0931193A JP18154195A JP18154195A JPH0931193A JP H0931193 A JPH0931193 A JP H0931193A JP 18154195 A JP18154195 A JP 18154195A JP 18154195 A JP18154195 A JP 18154195A JP H0931193 A JPH0931193 A JP H0931193A
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acid
alkali metal
salt
maleic
polyaspartic
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Application number
JP18154195A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Inoue
佳尚 井上
Shinji Kiyono
真二 清野
Yoshihiro Yamamoto
喜博 山本
Usaji Takagi
夘三治 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マレイン酸類とアンモニア、またはそれらか
ら導かれる類縁体を原料の一部とし、重合時に脱炭酸を
起こさず、しかも一段でポリアスパラギン酸アルカリ金
属塩を製造する方法を提供する。 【解決手段】 マレイン酸もしくはフマル酸のモノア
ンモニウムモノアルカリ金属塩、マレイン酸もしくはフ
マル酸のモノアミドモノアルカリ金属塩、またはそれら
の混合物、または無水マレイン酸、マレイン酸または
フマル酸とアンモニアおよび塩基性アルカリ金属化合物
を原料として得られる混合物で、その中のマレイン酸ま
たはフマル酸骨格を有するものとアンモニウムイオンま
たはアミド基とアルカリ金属イオンのモル比が 1 : 0.7
〜1.3 : 0.7〜1.3の範囲にあるものを、加熱して重合さ
せ、ポリアスパラギン酸アルカリ金属塩を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マレイン酸もし
くはフマル酸のモノアンモニウムモノアルカリ金属塩、
マレイン酸もしくはフマル酸のモノアミドモノアルカリ
金属塩、またはそれらの混合物、または無水マレイン
酸、マレイン酸またはフマル酸とアンモニアおよび塩基
性アルカリ金属化合物を原料として得られる混合物で、
その中のマレイン酸またはフマル酸骨格を有するものと
アンモニウムイオンまたはアミド基とアルカリ金属イオ
ンのモル比が1: 0.7〜1.3 : 0.7〜1.3 の範囲にある
ものから、直接にポリアスパラギン酸アルカリ金属塩を
製造しようとするものであり、更には該ポリアスパラギ
ン酸アルカリ金属塩からその誘導体を製造しようとする
ものである。ポリアスパラギン酸やそのアルカリ金属塩
は、洗浄用添加剤、金属イオン封鎖剤および腐食防止剤
などの用途があり、重要な重合体である。
【0002】
【従来の技術】ポリアスパラギン酸やその誘導体の製造
方法としては、従来よりアスパラギン酸を加熱しペプチ
ド結合を作る縮重合による方法が知られている(J. Or
g. Chem. 26巻、1084頁(1961))。一方、より入手しや
すい無水マレイン酸もしくはマレイン酸等とアンモニ
ア、またはそれらから容易に得られる誘導体を原料とす
る方法が知られている。 ザ ジャーナル オブ オー
ガニック ケミストリー (J. Org. Chem.,) 24巻、1
662頁 (1959)ではマレアミド酸を加熱してポリこはく酸
イミドが得られることを示している。特開昭61-218634
では、りんご酸モノアンモニウム、マレイン酸モノアン
モニウムおよびマレアミン酸アンモニウムにマイクロ波
を用いて重合し、アンヒドロポリアスパラギン酸(即
ち、ポリこはく酸イミド)を得て、これをアルカリで加
水分解してポリアスパラギン酸塩にし、酸処理してポリ
アスパラギン酸を得る方法を例示している。
【0003】米国特許第5,219,952 (1993)では、無水マ
レイン酸とアンモニアを高温にすると高収率でポリこは
く酸イミドが得られること、それを塩基による加水分解
でポリアスパラギン酸に導けること、更には無水マレイ
ン酸とアンモニアの付加物に別途作ったポリこはく酸イ
ミドを加えて高温にすると高分子量のポリこはく酸イミ
ドができることが記載されている。米国特許第5,288,78
3 (1994)では、マレイン酸とアンモニアを特定のモル
比、温度および時間で反応させ、生成したポリこはく酸
イミドをアルカリ土類金属もしくはアルカリ金属の水酸
化物または水酸化アンモニウムで加水分解してポリアス
パラギン酸の塩にすることを開示している。さらに特開
平 6-248075、特開平 6-256504および特開平 6-298930
では、無水マレイン酸とアンモニア、または無水マレイ
ン酸とアンモニアと水、またはそれらから得られる類縁
体をそれぞれ特定の条件下で熱重合してポリこはく酸イ
ミドを製造し、場合によってはこれを加水分解してポリ
アスパラギン酸またはその塩を製造する方法が開示され
ている。特開平 6-298930では、その重合反応は、無水
マレイン酸とアンモニアからできるマレアミド酸のアミ
ド基がマレイン酸骨格の二重結合へ付加することでポリ
マーになり、次いで脱水反応によりポリこはく酸イミド
が生成するとの見解を述べている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、マレイン
酸類とアンモニアまたはそれらから導かれる類縁体を熱
重合して得られるポリマーは、ポリこはく酸イミドであ
る。前述のように用途上重要なポリアスパラギン酸アル
カリ金属塩またはポリアスパラギン酸を所望する場合に
は、生成したポリこはく酸イミドを改めて加水分解する
必要がある。従って反応は多段階になるうえ、加水分解
段階では生成するポリアスパラギン酸の主鎖のペプチド
結合をも加水分解されないような条件の選択が必要とな
る。その上、マレイン酸類とアンモニアまたはそれらか
ら導かれる類縁体を熱重合する際には、塩でもなくアミ
ドにもなっていないカルボン酸基が多量存在するが、こ
れが高温に加熱されると脱炭酸を起こしており、生成し
たポリマーの元素分析で窒素原子に対する炭素原子の割
合が低いことが観測されている。
【0005】本発明の目的は、マレイン酸類とアンモニ
アまたはそれらから導かれる類縁体を原料の一部とする
が、重合時に脱炭酸を起こさず、しかも一段でポリアス
パラギン酸アルカリ金属塩を製造する効果的な方法を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討を続けてきた結果、マレイ
ン酸もしくはフマル酸のモノアンモニウムモノアルカリ
金属塩、マレイン酸もしくはフマル酸のモノアミドモノ
アルカリ金属塩、またはそれらの混合物、または無水
マレイン酸、マレイン酸またはフマル酸とアンモニアお
よび塩基性アルカリ金属化合物を原料として得られる混
合物で、その中のマレイン酸またはフマル酸骨格を有す
るものとアンモニウムイオンまたはアミド基とアルカリ
金属イオンのモル比が1: 0.7〜1.3 : 0.7〜1.3 の範
囲にあるものを加熱すると、脱炭酸が抑制され一段でポ
リアスパラギン酸アルカリ金属塩が得られることを見出
し、また必要であれば、得られたポリアスパラギン酸ア
ルカリ金属塩から容易にポリアスパラギン酸やポリこは
く酸イミドに導くこともできることを見出し、本発明を
完成した。
【0007】即ち、本発明は、マレイン酸もしくはフ
マル酸のモノアンモニウムモノアルカリ金属塩、マレイ
ン酸もしくはフマル酸のモノアミドモノアルカリ金属
塩、またはそれらの混合物、または無水マレイン酸、
マレイン酸またはフマル酸とアンモニアおよび塩基性ア
ルカリ金属化合物を原料として得られる混合物で、その
中のマレイン酸またはフマル酸骨格を有するものとアン
モニウムイオンまたはアミド基とアルカリ金属イオンの
モル比が1: 0.7〜1.3 : 0.7〜1.3 の範囲にあるもの
を、加熱することを特徴とするポリアスパラギン酸アル
カリ金属塩の製造方法である。
【0008】また、本発明は、この方法で得られたポリ
アスパラギン酸アルカリ金属塩を酸で処理して、ポリア
スパラギン酸に変換することを特徴とするポリアスパラ
ギン酸の製造方法である。
【0009】また、本発明は、該ポリアスパラギン酸を
加熱することにより脱水環化して、ポリこはく酸イミド
に変換することを特徴とするポリこはく酸イミドの製造
方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の方法の原料であるマレ
イン酸もしくはフマル酸のモノアンモニウムモノアルカ
リ金属塩、マレイン酸もしくはフマル酸のモノアミドモ
ノアルカリ金属塩、またはそれらの混合物、または無
水マレイン酸、マレイン酸またはフマル酸とアンモニア
および塩基性アルカリ金属化合物を原料として得られる
混合物で、その中のマレイン酸またはフマル酸骨格を有
するものとアンモニウムイオンまたはアミド基とアルカ
リ金属イオンのモル比が1: 0.7〜1.3 : 0.7〜1.3 の
範囲にあるものは、無水マレイン酸、マレイン酸または
フマル酸、アンモニアおよび塩基性アルカリ金属化合物
から通常の方法で容易に導かれる。
【0011】後者()は、無水マレイン酸、マレイン
酸またはフマル酸とアンモニアをモル比1:0.7〜2.5で
混合した後、モル比(無水マレイン酸、マレイン酸また
はフマル酸に対して)0.7〜1.3の塩基性アルカリ金属化
合物を加える方法で、または反対に無水マレイン酸、マ
レイン酸またはフマル酸と塩基性アルカリ金属化合物を
モル比1:0.7〜1.3で混合した後、モル比(無水マレイ
ン酸、マレイン酸またはフマル酸に対して)0.7〜2.5
のアンモニアを加える方法で得られる混合物に、曝気、
加熱または濃縮などの操作をして、マレイン酸またはフ
マル酸骨格を有するものとアンモニウムイオンまたはア
ミド基とアルカリ金属イオンのモル比が1: 0.7〜1.3
: 0.7〜1.3 の範囲となるよう調製して得ることがで
きる。このモル比は、好ましくは1:0.9〜1.1 : 0.9
〜1.1である。 使用するマレイン酸としては無水マレ
イン酸と水を混合して得られるものも含まれる。アンモ
ニアとしては、場合に応じて、気体や液体のアンモニア
および/またはアンモニア水溶液が用いられる。
【0012】本発明のマレイン酸もしくはフマル酸の
モノアンモニウムモノアルカリ金属塩、マレイン酸もし
くはフマル酸のモノアミドモノアルカリ金属塩、または
それらの混合物に含まれるアルカリ金属としてはリチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウム
から選ばれ、1種類でも2種類以上の組み合わせでも構
わない。好ましくは、ナトリウムまたはカリウムであ
る。また無水マレイン酸、マレイン酸またはフマル酸
とアンモニアおよび塩基性アルカリ金属化合物を原料と
して得られる混合物で、その中のマレイン酸またはフマ
ル酸骨格を有するものとアンモニウムイオンまたはアミ
ド基とアルカリ金属イオンのモル比が1:0.7〜1.3 :
0.7〜1.3 の範囲にあるもを得るための、塩基性アルカ
リ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウムおよびセシウムの塩基性化合物から選ば
れ、1種類でも2種類以上の組み合わせでも構わない。
それらの化合物としては、例えば、これらのアルカリ金
属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、例えば蟻酸や酢酸
などの弱酸の塩およびアルコキシドなどが挙げられる。
【0013】これらのうち、好ましくはアルカリ金属の
水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、または炭素数1〜3の
アルコールのアルコキシドであり、より好ましくはナト
リウムもしくはカリウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素
塩、または炭素数1〜3のアルコールのアルコキシドで
ある。
【0014】このように調製した原料を加熱して重合さ
せるが、重合反応に際しては原料は固体であっても溶剤
に溶解もしくは懸濁させても構わない。用いる場合の溶
剤としては重合反応を阻害しなければ如何なる溶剤でも
構わないが、それらは水をはじめ、例えばヘプタン、2,
2,5-トリメチルヘキサン、ドデカン、シクロヘキサン、
p-メンタンまたはデカリンなどの飽和の脂肪族または脂
環式炭化水素類であり、例えばベンゼン、トルエン、キ
シレン、ジエチルベンゼン、クメン、シメン、ビフェニ
ル、ナフタレンまたはテトラリンなどの無置換またはア
ルキル置換の芳香族炭化水素類であり、例えばヘキサク
ロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼンまた
はp-クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素類であ
り、例えばジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ア
ニソール、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコールまたはエチ
レングリコールプロピレングリコールコポリマーなどの
エーテル類であり、例えばアセトニトリル、プロピオニ
トリルまたはベンゾニトリルなどのニトリル類であり、
例えばトリエチルアミンまたはN,N-ジメチルアニリンな
どの3級アミン類であり、例えばピリジン、ピコリン、
ルチジンまたはキノリンなどのピリジン類であり、例え
ばN,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、テ
トラメチル尿素、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンま
たはジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒
などが挙げられる。これらの溶剤は単独で用いても、ま
た2種以上を混合して用いても構わない。
【0015】本発明の方法においては、重合反応をラジ
カル禁止剤の存在下に行うこともできる。そのようなラ
ジカル禁止剤としては、例えば2,6-ジ-ターシャリーブ
チル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-ターシャリーブチル
-4-ヒドロキシメチルフェノール、3-(3,5-ジ-ターシャ
リーブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アル
キルエステルまたは N-ラウロイル-p-アミノフェノール
などのモノフェノール類であり、2,2'-メチレンビス(4
-メチル-6-ターシャリーブチルフェノール)またはN,N'
-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-ターシャリーブチル-4-
ヒドロキシヒドロ桂皮酸アミド)などのビスフェノール
類であり、ハイドロキノン、2,5-ジ-ターシャリーアミ
ルハイドロキノンまたはターシャリーブチルハイドロキ
ノンなどのハイドロキノン類であり、4-ターシャリーブ
チルカテコールなどのカテコール類であり、N-フェニル
-1-ナフチルアミンまたはN,N'-ジフェニル-p-フェニレ
ンジアミンなどの芳香族アミン類などである。
【0016】本発明の方法の重合反応に際しては原料を
高温に加熱するが、加熱する温度は通常350℃以下で
あり、好ましくは90〜300℃の範囲であり、より好
ましくは110〜250℃の範囲である。反応時間は通
常24時間以内であり、好ましくは0.05〜15時間、より好
ましくは0.2〜8時間である。重合反応は場合により、常
圧、加圧および減圧のいずれでも実施し得る。重合反応
の雰囲気は空気でも窒素や炭酸ガス等の不活性気体であ
っても構わない。また反応の形式としては回分式、半回
分式または連続式の何れでもよい。
【0017】本発明の方法によれば、反応終了後生成し
たポリアスパラギン酸アルカリ金属塩は常用の方法によ
り取り出すことができるが、その方法は重合反応に際し
て溶剤を用いたか否かによって、また溶剤を用いた場合
には、生成したポリアスパラギン酸アルカリ金属塩が溶
剤に溶解しているかまたは不溶で懸濁しているかによっ
て異なる。重合反応に際し溶剤を用いなかった場合は、
生成したポリアスパラギン酸アルカリ金属塩はそれのみ
を含む固体として得られ特別の単離操作を施すことなく
ポリアスパラギン酸アルカリ金属塩が得られる。生成し
たポリアスパラギン酸アルカリ金属塩の全部または大部
分が、用いた溶剤に不溶もしくは難溶で懸濁している場
合には、濾過、遠心分離またはデカンテーションなどの
常用の固液分離の方法で取り出すことができる。また生
成したポリアスパラギン酸アルカリ金属塩が用いた溶剤
に全部または大部分が溶解して溶液となっている場合に
は、該溶液から溶剤を蒸発させて乾固して取り出すこと
もできるし、該溶液を濃縮したり溶けにくい溶剤と混合
して固体を析出させてから、濾過、遠心分離またはデカ
ンテーションなどの常用の固液分離の方法で取り出すこ
とができる。この様にして取り出されたポリアスパラギ
ン酸アルカリ金属塩は、場合によっては、再沈澱や膜分
離などのポリマーの常用の精製法により精製することも
できる。
【0018】本発明の方法で得られたポリアスパラギン
酸アルカリ金属塩を酸で処理して、ポリアスパラギン酸
に変換すること、場合によっては、更に該ポリアスパラ
ギン酸を加熱することにより脱水環化してポリこはく酸
イミドに変換することができる。
【0019】本発明の方法で得られたポリアスパラギン
酸アルカリ金属塩をポリアスパラギン酸に変換する酸処
理としては、一般的なカルボン酸アルカリ金属塩からカ
ルボン酸を得る通常の方法が用いられ、ポリアスパラギ
ン酸アルカリ金属塩と酸とを有効に接触させる方法であ
ればいかなる方法でも構わない。また場合に応じてはポ
リアスパラギン酸アルカリ金属塩が得られた重合反応系
に直接酸処理を行うこともできるし、得られたポリアス
パラギン酸アルカリ金属塩を一旦前述の方法で分離した
後に改めて酸処理することもできる。酸処理に用いられ
る酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸または燐酸など
の鉱酸、またはプロトン型にした陽イオン交換樹脂など
である。酸処理は通常溶剤の存在下に行われる。このよ
うな溶剤としては、例えば、重合反応に用いられる溶剤
のうちの、水、飽和脂肪族または脂環式炭化水素類、芳
香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、
ニトリル類、および非プロトン性極性溶媒などが挙げら
れ、更には例えばメタノール、エタノール、n−ブタノ
ールなどの炭素数1から4のアルコール類などである。
溶剤は単独で用いても2種類以上を混合して用いても構
わない。
【0020】酸処理終了後、生成したポリアスパラギン
酸が固体として析出している場合は、濾過、遠心分離ま
たはデカンテーションなどの通常の固液分離の方法で取
り出すことができる。また用いた溶剤に溶解している場
合には、蒸発乾固して取り出したり、濃縮または溶けに
くい溶剤と混合したりして固体を析出させ、濾過、遠心
分離またはデカンテーションなどの通常の固液分離の方
法で取り出すことができる。
【0021】このようにして取り出したポリアスパラギ
ン酸の中に鉱酸のアルカリ金属塩が残存している場合に
は、例えば透析や膜分離などの方法により該鉱酸のアル
カリ金属塩を除去することもできる。 また、該ポリア
スパラギン酸を引き続き加熱して脱水環化してポリこは
く酸イミドに変換したい時には、鉱酸のアルカリ金属塩
を除去することなく脱水環化反応に供し、反応終了後に
該鉱酸の金属塩を、例えば水洗してポリこはく酸イミド
から分離除去することもできる。
【0022】本発明の方法では得られたポリアスパラギ
ン酸を加熱して脱水環化して、ポリこはく酸イミドに変
換することができる。加熱脱水環化の方法としては、ポ
リアスパラギン酸が効率よく加熱される方法であれば如
何なる方法であってもよい。ポリアスパラギン酸の加熱
は固体のままであっても、また溶剤に溶解もしくは懸濁
させて行ってもよい。用いる場合の溶剤としては、ポリ
アスパラキン酸の脱水環化反応を阻害しなければ如何な
る溶剤であっても構わないが、そのような溶剤として
は、例えば、重合反応に用いられる溶剤のうちの、飽和
脂肪族または脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハ
ロゲン化炭化水素類、エーテル類、ニトリル類、および
非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。
【0023】加熱する温度は通常350℃以下であり、
好ましくは90〜300℃の範囲であり、より好ましく
は110〜250℃の範囲である。反応時間は通常24時
間以内であり、好ましくは0.05〜15時間、より好ましく
は0.2〜8時間である。脱水環化反応は場合により、常
圧、加圧および減圧のいずれでも実施し得る。反応の雰
囲気は空気でも窒素や炭酸ガス等の不活性気体であって
も構わない。また反応の形式としては回分式、半回分式
または連続式の何れでもよい。
【0024】生成したポリこはく酸イミドは、溶剤を用
いなかった場合は特に単離操作を行わなくても固体とし
て得られるし、溶剤を用いた場合でも、該ポリこはく酸
イミドが溶剤中に固体として存在しておれば、濾過、遠
心分離またはデカンテーションなどの通常の固液分離の
方法で取り出すことができるし、溶剤に溶解していれ
ば、その溶液から溶剤を蒸発させて乾固して取り出すこ
ともできるし、該溶液を濃縮したり溶けにくい溶剤と混
合して固体を析出させてから、濾過、遠心分離またはデ
カンテーションなどの常用の固液分離の方法で取り出す
ことができる。
【0025】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、これらは限定的でなく単に説明のためと解される
べきである。 実施例1 200ml三ツ口ナス型フラスコに10重量%水酸化ナ
トリウム水溶液17.36g(水酸化ナトリウムとして
43.4mmol)を仕込み、これに攪拌しながら室温
で粉体のマレアミド酸5.00g(43.4mmol)
を少量づつ加えた。加えたマレアミド酸はただちに溶解
した。無色透明の溶液が得られた。この溶液を60℃の
水浴に浸し、40mmHgの減圧下で水を留去し、得ら
れた固体を更に1mmHgで3時間減圧乾燥することに
より白色固体を得た。(別途全く同様にして得た白色固
体は、元素分析、原子吸光法によるナトリウム分析およ
1H−NMRを測定した結果、マレアミド酸ナトリウ
ム塩であることが確認された)。
【0026】次いで、このマレアミド酸ナトリウム塩
を、フラスコ内を窒素で置換した後、170℃のオイル
バスに浸して5時間加熱して、マレアミド酸ナトリウム
塩の重合反応を行った。反応開始時点においては白色で
あった固体が反応の進行とともにしだいに褐色に着色し
ていった。反応終了後黄褐色固体が5.87g得られ
た。この固体の元素分析の結果は、ポリアスパラギン酸
ナトリウム塩の計算値と極めてよく一致し、さらに 1
−NMRおよび13C−NMRを測定したところ、アスパ
ラギン酸の縮重合により得られたポリこはく酸イミドを
水酸化ナトリウム水溶液で加水分解して得られたポリア
スパラギン酸ナトリウム塩の標準品のスペクトルと一致
し、この固体はポリアスパラギン酸ナトリウム塩である
ことが解った。ポリアスパラギン酸ナトリウム塩のモル
収率は98.6%(マレアミド酸基準)であった。また
ゲル濾過クロマトグラフィーで分子量を測定した結果、
プルラン基準で重量平均分子量が4400であった。ま
た元素分析の結果から、この方法で得られたポリアスパ
ラギン酸ナトリウム塩は炭素原子と窒素原子の原子比が
C/Nで4.03であることが解った。この値は理論値
であるC/Nが4と一致し、マレアミド酸ナトリウム塩
を原料に用いてポリアスパラギン酸ナトリウム塩を合成
した場合は脱炭酸を伴わずに重合反応が進行しているこ
とが明らかとなった。
【0027】比較例1 マレアミド酸をナトリウム塩に変換せずにそのまま重合
反応に供した。マレアミド酸ナトリウム塩の代わりにマ
レアミド酸5.00g(43.4mmol)を用いた以
外は全て実施例1の重合反応と同様に重合反応を行っ
た。反応開始時点においては白色であった固体が反応の
進行と共にしだいに赤褐色に着色した。また反応物から
の水蒸気の発生が認められた。反応終了後3.83gの
赤褐色固体が得られた。 1H−NMRおよび13C−NM
Rを測定したところこの固体はポリこはく酸イミドであ
った。ポリこはく酸イミドのモル収率は90.8%であ
った。このポリこはく酸イミドの分子量をゲル濾過クロ
マトグラフィーで測定した結果、ポリスチレン基準で重
量平均分子量が3100であった。また元素分析を測定
すると、この方法で得られたポリこはく酸イミドは炭素
原子と窒素原子の原子比がC/Nで3.62であること
が解った。この値はポリこはく酸イミドの理論値である
C/Nが4と比較すると、窒素原子が増えることはない
ので炭素原子が少なくなっていることを示しており、マ
レアミド酸を原料に用いポリこはく酸イミドを合成した
場合には脱炭酸が起こっていることは明白である。
【0028】実施例2 実施例1と全く同様に反応および後処理をしてマレアミ
ド酸ナトリウム塩を合成した。次いで、このマレアミド
酸ナトリウム塩に溶剤としてエチレングリコールプロピ
レングリコールコポリマー(千葉ポリオール株式会社製
ポリエーテルEP−505S)100gを加えた。フラ
スコ内を窒素で置換した後190℃で5時間加熱して、
マレアミド酸ナトリウム塩の重合反応を行った。反応開
始時点においては白色の固体が溶剤中に懸濁していた
が、反応の進行とともにポリアスパラギン酸ナトリウム
塩が黄褐色固体となって溶剤中に懸濁するようになっ
た。反応終了後、反応混合物を80℃にまで冷却し、固
体を熱時濾過し少量のメタノールで洗浄した後減圧乾燥
することにより、ポリアスパラギン酸ナトリウム塩が
5.73g得られた。ポリアスパラギン酸ナトリウム塩
のモル収率は96.2%であり、重量平均分子量は48
00、C/N比は4.04であった。
【0029】実施例3 実施例1と全く同様に反応および後処理をしてマレアミ
ド酸ナトリウム塩を合成した。次いで、このマレアミド
酸ナトリウム塩に溶剤としてクメン100gを加えた
後、150℃で5時間加熱して、マレアミド酸ナトリウ
ム塩の重合反応を行った。ポリアスパラギン酸ナトリウ
ム塩が黄褐色固体として生成した。反応終了後、反応混
合物を室温にまで冷却し、固体を濾過し少量のメタノー
ルで洗浄した後減圧乾燥することにより、ポリアスパラ
ギン酸ナトリウム塩が5.84g得られた。ポリアスパ
ラギン酸ナトリウム塩のモル収率は98.1%であり、
重量平均分子量は3600であった。またC/N比は
3.99であった。
【0030】実施例4 実施例1と全く同様に反応および後処理をしてマレアミ
ド酸ナトリウム塩を合成した。次いで、このマレアミド
酸ナトリウム塩に溶剤としてo-ジクロロベンゼン100
gを加えた。170℃で5時間加熱して、マレアミド酸
ナトリウム塩の重合反応を行った。ポリアスパラギン酸
ナトリウム塩が黄褐色固体として生成した。反応終了
後、反応混合物を室温にまで冷却し、固体を濾過し少量
のメタノールで洗浄した後減圧乾燥することにより、ポ
リアスパラギン酸ナトリウム塩が5.85g得られた。
ポリアスパラギン酸ナトリウム塩のモル収率は98.2
%であり、重量平均分子量は5100で、C/N比は
4.02であった。
【0031】実施例5 200ml三ツ口ナス型フラスコに10重量%水酸化ナ
トリウム水溶液69.51g(水酸化ナトリウムとして
173.8mmol)を仕込み、これに攪拌しながら室
温で粉体のマレアミド酸20.00g(173.8mm
ol)を少量づつ加えた。加えたマレアミド酸はただち
に溶解した。無色透明のマレアミド酸ナトリウム塩の水
溶液が得られた。この溶液を60℃の水浴に浸し、40
mmHgの減圧下で水溶液の重量が32.0gになるま
で濃縮した。この水溶液には23.8gのマレアミド酸
ナトリウム塩が含まれている。このようにしてマレアミ
ド酸ナトリウム塩の水溶液を用意した。
【0032】次いで、このマレアミド酸ナトリウム塩水
溶液を70mlオートクレーブに仕込み、反応器内を窒
素で置換した後、200℃で5時間加熱して、マレアミ
ド酸ナトリウム塩の重合反応を行った。反応終了後オー
トクレーブを開放すると、反応混合物は粘度の高い褐色
の液体となっていた。この反応混合物に水50gを加え
て希釈した後、この水溶液をエタノール400g中に落
とすとポリアスパラギン酸ナトリウム塩が褐色固体とし
て析出した。この固体を濾過し、少量のエタノールで洗
浄後減圧乾燥することによりポリアスパラギン酸ナトリ
ウム塩が21.7g得られた。ポリアスパラギン酸ナト
リウム塩の収率は91.1%であり、重量平均分子量は
5300であった。またC/N比は4.02であった。
【0033】実施例6 200ml三ツ口ナス型フラスコに炭酸水素カリウム
4.35g(43.4mmol)、水20gを仕込んで
炭酸水素カリウム水溶液とした後、これに攪拌しながら
室温で粉体のマレアミド酸5.00g(43.4mmo
l)を少量づつ加えた。加えたマレアミド酸はただちに
溶解し、また炭酸ガスの発生が見られ、無色透明の溶液
が得られた。この溶液を60℃の水浴に浸し、40mm
Hgの減圧下で水を留去し、得られた固体を更に1mm
Hgで3時間減圧乾燥することにより白色固体を得た。
別途全く同様にして得た白色固体は、元素分析、原子吸
光法によるカリウム分析および 1H−NMRを測定した
結果、マレアミド酸カリウム塩であることが確認され
た。
【0034】次いで、このマレアミド酸カリウム塩にラ
ジカル禁止剤としてターシャリーブチルカテコール7m
g(0.042mmol)を加え、フラスコ内を窒素で
置換した後、180℃のオイルバスに浸し3.5時間加
熱して、マレアミド酸カリウム塩の重合反応を行った。
反応開始時点においては白色であった固体が反応の進行
とともにしだいに褐色に着色していった。反応終了後褐
色固体が6.52g得られた。この固体の元素分析を測
定したところポリアスパラギン酸カリウム塩の計算値と
よく一致し、さらに 1H−NMRおよび13C−NMRを
測定したところ、アスパラギン酸の縮重合により得られ
るポリこはく酸イミドを水酸化カリウム水溶液で加水分
解して得られたポリアスパラギン酸カリウム塩の標準品
のスペクトルと一致し、この固体はポリアスパラギン酸
カリウム塩であることが確認された。ポリアスパラギン
酸カリウム塩のモル収率は98.0%であり、重量平均
分子量は3500であった。またC/N比は3.98で
あった。
【0035】実施例7 200ml三ツ口フラスコに無水マレイン酸5.00g
(51.0mmol)と水5gを仕込み、60℃で30
分加熱した後室温にまで冷却した。この溶液に室温で2
0%水酸化ナトリウム水溶液10.20g(水酸化ナト
リウムとして51.0mmol)を10分間かけて滴下
し、次いで30%アンモニア水3.18g(アンモニア
として56.0mmol)を5分間かけて滴下した。仕
込んだ無水マレイン酸とアンモニアと水酸化ナトリウム
のモル比は 1:1.1:1である。アンモニア水滴下終了
後、無色透明の溶液が得られた。この溶液を60℃の水
浴に浸し、40mmHgの減圧下で水を留去し、得られ
た固体を更に1mmHgで3時間減圧乾燥することによ
り白色固体を得た。この白色固体の一部を極少量取り、
元素分析および原子吸光法によるナトリウム分析を行っ
た結果、この白色固体はマレイン酸骨格とアンモニウム
イオンとナトリウムイオンのモル比が 1:0.93:1.0で
ある混合物であることが解った。
【0036】次いで、この混合物にラジカル禁止剤とし
てハイドロキノン6mg(0.054mmol)を加
え、フラスコ内を窒素で置換した後、100〜110℃
で30分、次いで200℃で5時間加熱して重合反応を
行った。反応開始時点においては白色であった固体が反
応の進行とともにしだいに褐色に着色していった。反応
終了後淡褐色固体が6.31g得られた。この固体の 1
H−NMRおよび13C−NMRを測定したところ、アス
パラギン酸の縮重合により得られたポリこはく酸イミド
を水酸化ナトリウム水溶液で加水分解して得られたポリ
アスパラギン酸ナトリウム塩の標準品のスペクトルと一
致し、この固体はポリアスパラギン酸ナトリウム塩であ
ることが確認された。ポリアスパラギン酸ナトリウム塩
のモル収率は90.3%であり、重量平均分子量は41
00であった。C/N比は4.04であった。
【0037】実施例8 実施例7と同様に反応および後処理をして、マレイン酸
骨格とアンモニウムイオンとナトリウムイオンのモル比
が 1 : 0.93 : 1.0である混合物を合成した。
【0038】次いで、この混合物を含むフラスコに溶剤
としてo-ジクロロベンゼン100g、ラジカル禁止剤と
してハイドロキノン6mg(0.054mmol)を加
え、フラスコ内を窒素で置換した後、100〜110℃
で30分、次いで170℃で5時間加熱して重合反応を
行った。ポリアスパラギン酸ナトリウム塩が淡褐色固体
として生成した。反応終了後、反応混合物を室温にまで
冷却しこの固体を濾過、少量のメタノールで洗浄後減圧
乾燥することにより、ポリアスパラギン酸ナトリウム塩
が6.28g得られた。ポリアスパラギン酸ナトリウム
塩のモル収率は90.0%であり、重量平均分子量は3
700で、C/N比は3.97であった。
【0039】実施例9 200ml三ツ口フラスコに無水マレイン酸5.00g
(51.0mmol)と水5gを仕込み、60℃で30
分加熱した後室温にまで冷却した。この溶液に室温で3
0%アンモニア水5.79g(アンモニアとして10
2.0mmol)を7分間かけて滴下し、次いで20%
水酸化ナトリウム水溶液10.20g(水酸化ナトリウ
ムとして51.0mmol)を10分間かけて滴下し
た。仕込んだ無水マレイン酸とアンモニアと水酸化ナト
リウムのモル比は1:2:1である。水酸化ナトリウム
水溶液滴下終了後、無色透明の溶液が得られた。この溶
液を60℃の水浴に浸し、40mmHgの減圧下で水を
留去し、得られた固体を更に1mmHgで3時間減圧乾
燥することにより白色固体を得た。この白色固体の一部
を極少量取り、元素分析および原子吸光法によるナトリ
ウム分析を行った結果、この白色固体はマレイン酸骨格
とアンモニウムイオンとナトリウムイオンのモル比が 1
: 0.97 : 1.0である混合物であることが解った。過剰
のアンモニアは水とともに留去されていた。
【0040】次いで、この混合物にラジカル禁止剤とし
てハイドロキノン6mg(0.054mmol)を加
え、フラスコ内を窒素で置換した後、100〜110℃
で30分、次いで200℃で5時間加熱して重合反応を
行った。反応終了後ポリアスパラギン酸ナトリウム塩が
淡褐色固体として6.37g得られた。ポリアスパラギ
ン酸ナトリウム塩のモル収率は91.1%であり、重量
平均分子量は4200で、C/N比は4.00であっ
た。
【0041】実施例10 実施例1において得られたポリアスパラギン酸ナトリウ
ム塩4.0g(アスパラギン酸単位29.2mmol)
を水40gに溶かした。この水溶液をプロトン型の陽イ
オン交換樹脂(イオン交換容量2.0当量/リットル)
50mlを詰めたカラムに室温で通し酸処理した。酸処
理後、水を減圧下で留去し残った固体を減圧乾燥するこ
とにより黄褐色固体が3.09g得られた。この固体を
原子吸光法によりナトリウム分析したところナトリウム
は検出されなかった。またこの固体の 1H−NMRおよ
13C−NMRを測定したところ、アスパラギン酸の重
合により得られたポリこはく酸イミドを水酸化ナトリウ
ム水溶液で加水分解し、さらに酸処理して得られたポリ
アスパラギン酸の標準品のスペクトルと一致し、この黄
褐色固体はポリアスパラギン酸であった。
【0042】実施例11 実施例10において得られたポリアスパラギン酸2.5
g(アスパラギン酸単位21.7mmol)を10ml
ナス型フラスコに入れ、170℃のオイルバスにより3
時間加熱し、ポリアスパラギン酸の脱水環化反応を行っ
た。反応が進行するに従い、反応物から水蒸気が出るの
が観察された。反応終了後、黄褐色固体が2.11g得
られた。この固体の 1H−NMRおよび13C−NMRを
測定したところ、アスパラギン酸の重合により得られた
ポリこはく酸イミドのスペクトルと一致し、この黄色固
体はポリこはく酸イミドであった。
【0043】
【発明の効果】本発明の方法によると、無水マレイン
酸、マレイン酸またはフマル酸とアンモニアおよび塩基
性アルカリ金属化合物から導かれる化合物や混合物を加
熱することにより重合させ、重合時に脱炭酸を起こすこ
となく、しかも一段でポリアスパラギン酸アルカリ金属
塩を収率良く製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 夘三治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイン酸もしくはフマル酸のモノア
    ンモニウムモノアルカリ金属塩、マレイン酸もしくはフ
    マル酸のモノアミドモノアルカリ金属塩、またはそれら
    の混合物、または無水マレイン酸、マレイン酸または
    フマル酸とアンモニアおよび塩基性アルカリ金属化合物
    を原料として得られる混合物で、その中のマレイン酸ま
    たはフマル酸骨格を有するものとアンモニウムイオンま
    たはアミド基とアルカリ金属イオンのモル比が1: 0.7
    〜1.3 : 0.7〜1.3 の範囲にあるものを、加熱すること
    を特徴とするポリアスパラギン酸アルカリ金属塩の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 マレイン酸またはフマル酸骨格を有する
    ものとアンモニウムイオンまたはアミド基とアルカリ金
    属イオンのモル比が、1: 0.9〜1.1 : 0.9〜1.1 の範
    囲である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 加熱する温度が、110ないし250℃
    の範囲である請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 マレイン酸もしくはフマル酸のモノアン
    モニウムモノアルカリ金属塩、マレイン酸もしくはフマ
    ル酸のモノアミドモノアルカリ金属塩、またはそれらの
    混合物に含まれるアルカリ金属が、ナトリウムまたはカ
    リウムである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 塩基性アルカリ金属化合物が、アルカリ
    金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、または炭素数1
    〜3のアルコールのアルコキシドである請求項1ないし
    請求項3のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 塩基性アルカリ金属化合物が、ナトリウ
    ムもしくはカリウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、
    または炭素数1〜3のアルコールのアルコキシドである
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 加熱を、溶剤の存在下に行う請求項1な
    いし請求項6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 加熱を、ラジカル禁止剤の存在下に行う
    請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載の方法で得られたポリアスパラギン酸アルカリ金属塩
    を、酸で処理してポリアスパラギン酸に変換することを
    特徴とするポリアスパラギン酸の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の方法で得られたポリア
    スパラギン酸を加熱することにより脱水環化して、ポリ
    こはく酸イミドに変換することを特徴とするポリこはく
    酸イミドの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114805808A (zh) * 2022-05-31 2022-07-29 郑伟雄 一种聚天冬氨酸钾的制备方法及其在植物生长促进剂中的应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114805808A (zh) * 2022-05-31 2022-07-29 郑伟雄 一种聚天冬氨酸钾的制备方法及其在植物生长促进剂中的应用
CN114805808B (zh) * 2022-05-31 2023-12-08 杨凌德尔生物科技有限公司 一种聚天冬氨酸钾的制备方法及其在植物生长促进剂中的应用

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